JP3328356B2 - 鋳造用アルミニウム合金材 - Google Patents
鋳造用アルミニウム合金材Info
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- JP3328356B2 JP3328356B2 JP06069593A JP6069593A JP3328356B2 JP 3328356 B2 JP3328356 B2 JP 3328356B2 JP 06069593 A JP06069593 A JP 06069593A JP 6069593 A JP6069593 A JP 6069593A JP 3328356 B2 JP3328356 B2 JP 3328356B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は自動車のエンジンやその
部品等の鋳造材として用いるアルミニウム合金材に関す
る。
部品等の鋳造材として用いるアルミニウム合金材に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】一般に鋳造用アルミニウム合金材にあっ
ては、合金中のＦｅ量が０．５重量％を超えると、針状
のＡｌ／Ｆｅ化合物が晶出し且つ粗大化する。このた
め、引張り強さ、伸びが低下する。この不利を改善すべ
く特公昭４９−２２２８４号公報にあってはＭｎの添加
によって、引張り強さ等を強化し、また特公昭６０−２
４１６８号公報にあってはＭｎとＳｂ（アンチモン）の
添加によってＡｌ／Ｍｎ／Ｆｅ化合物を作って、針状の
化合物を消失させて、機械的性質を改善するようにして
いる。
ては、合金中のＦｅ量が０．５重量％を超えると、針状
のＡｌ／Ｆｅ化合物が晶出し且つ粗大化する。このた
め、引張り強さ、伸びが低下する。この不利を改善すべ
く特公昭４９−２２２８４号公報にあってはＭｎの添加
によって、引張り強さ等を強化し、また特公昭６０−２
４１６８号公報にあってはＭｎとＳｂ（アンチモン）の
添加によってＡｌ／Ｍｎ／Ｆｅ化合物を作って、針状の
化合物を消失させて、機械的性質を改善するようにして
いる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば内燃
機関用ピストン用の鋳造材料としても、上記のような理
由から通常Ｆｅ量は０．６重量％を上限として製造され
ている。この場合、不純物の多い再生塊と不純物の少な
い新塊とを混合して用いることによって成分の調整を行
うが、資源の有効利用という観点からは新塊の使用量は
できる限り少ない方が望ましい。
機関用ピストン用の鋳造材料としても、上記のような理
由から通常Ｆｅ量は０．６重量％を上限として製造され
ている。この場合、不純物の多い再生塊と不純物の少な
い新塊とを混合して用いることによって成分の調整を行
うが、資源の有効利用という観点からは新塊の使用量は
できる限り少ない方が望ましい。
【０００４】そこで、従来と同様にＭｎを添加してＡｌ
／Ｍｎ／Ｆｅ化合物を作り、Ａｌ／Ｆｅ化合物の針状晶
を塊状化させることが考えられるが、例えば１重量％の
Ｆｅに対してＭｎを添加して塊状のＡｌ／Ｍｎ／Ｆｅ化
合物とするには、０．６重量％を超えるＭｎを添加しな
ければならず、Ｍｎを単独又は合金の形で添加しなけれ
ばならない。またＳｂにあっては極めて毒性が強く、管
理及び取り扱いに細心の注意が必要となる。
／Ｍｎ／Ｆｅ化合物を作り、Ａｌ／Ｆｅ化合物の針状晶
を塊状化させることが考えられるが、例えば１重量％の
Ｆｅに対してＭｎを添加して塊状のＡｌ／Ｍｎ／Ｆｅ化
合物とするには、０．６重量％を超えるＭｎを添加しな
ければならず、Ｍｎを単独又は合金の形で添加しなけれ
ばならない。またＳｂにあっては極めて毒性が強く、管
理及び取り扱いに細心の注意が必要となる。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明に係る鋳造用アルミニウム合金材は、重量％
で、Ｓｉ：５．０〜１２．０％、Ｃｕ：２．０〜５．０
％、Ｍｇ：０．２〜１．５％、Ｔｉ：０．１〜０．３
％、Ｍｎ：０．２５以上０．５％未満、Ｃｒ：０．１〜
１．０％、Ｆｅ：０．５〜１．５％、残部Ａｌ及び不可
避不純物からなるようにした。
め本発明に係る鋳造用アルミニウム合金材は、重量％
で、Ｓｉ：５．０〜１２．０％、Ｃｕ：２．０〜５．０
％、Ｍｇ：０．２〜１．５％、Ｔｉ：０．１〜０．３
％、Ｍｎ：０．２５以上０．５％未満、Ｃｒ：０．１〜
１．０％、Ｆｅ：０．５〜１．５％、残部Ａｌ及び不可
避不純物からなるようにした。
【０００６】本発明の組成物のうち、Ｓｉはアルミニウ
ム鋳物合金の機械的強度、耐摩耗性及び鋳造性を向上さ
せる。Ｓｉの含有量が５．０重量％未満の場合にはその
効果は小さく、また１２．０重量％を越える場合には硬
質な初晶Ｓｉ粒子が晶出するので、Ｓｉの含有量は５．
０〜１２．０重量％とする。
ム鋳物合金の機械的強度、耐摩耗性及び鋳造性を向上さ
せる。Ｓｉの含有量が５．０重量％未満の場合にはその
効果は小さく、また１２．０重量％を越える場合には硬
質な初晶Ｓｉ粒子が晶出するので、Ｓｉの含有量は５．
０〜１２．０重量％とする。
【０００７】Ｃｕは熱処理によって強度を向上させる。
Ｃｕの含有量が２．０重量％未満の場合にはその効果は
小さく、５．０重量％を越える場合には組織中のＡｌ−
Ｃｕ金属間化合物が増え、靱性を低下させるので、Ｃｕ
の含有量は２．０〜５．０重量％とする。
Ｃｕの含有量が２．０重量％未満の場合にはその効果は
小さく、５．０重量％を越える場合には組織中のＡｌ−
Ｃｕ金属間化合物が増え、靱性を低下させるので、Ｃｕ
の含有量は２．０〜５．０重量％とする。
【０００８】ＭｇはＭｇ2Ｓｉの析出物を生成して合金
を強化する。Ｍｇの含有量が０．２重量％以下の場合に
はその効果は小さく、１．５重量％を越えると衝撃値が
低下するので、Ｍｇの含有量は０．２〜１．５重量％と
する。
を強化する。Ｍｇの含有量が０．２重量％以下の場合に
はその効果は小さく、１．５重量％を越えると衝撃値が
低下するので、Ｍｇの含有量は０．２〜１．５重量％と
する。
【０００９】Ｔｉは組織を微細化させ、機械的性質を安
定させ、ヒケ割れも防止する。Ｔｉの含有量が０．１重
量％以下の場合にはその効果は小さく、０．３重量％を
越えると巨大なＡｌ−Ｔｉ−Ｓｉ化合物を生成させ、靱
性が低下するので、Ｔｉの含有量は０．１〜０．３重量
％とする。
定させ、ヒケ割れも防止する。Ｔｉの含有量が０．１重
量％以下の場合にはその効果は小さく、０．３重量％を
越えると巨大なＡｌ−Ｔｉ−Ｓｉ化合物を生成させ、靱
性が低下するので、Ｔｉの含有量は０．１〜０．３重量
％とする。
【００１０】Ｍｎ及びＣｒは針状のＡｌ3Ｆｅ相を塊状
にして強度、靱性を向上させる。Ｍｕの含有量が０．２
５重量％未満でＣｒの含有量が０．１重量％未満ではそ
の効果は小さく、Ｍｎの含有量が１．５重量％を越えＣ
ｒの含有量が１．０重量％を越えると巨大な化合物を生
成し、強度が低下するので、Ｍｎの含有量は０．２５〜
１．５重量％、Ｃｒの含有量は０．１〜１．０重量％と
する。尚、Ｍｎの含有量が０．６重量％を越えＣｒの含
有量が０．３重量％を越えると巨大な化合物が若干生成
され、多少強度が低下するが実用には十分供することが
できる。つまり、Ｍｎの含有量については０．２５重量
％以上０．５重量％未満、Ｃｒの含有量は０．３重量％
以下とするのが最適である。
にして強度、靱性を向上させる。Ｍｕの含有量が０．２
５重量％未満でＣｒの含有量が０．１重量％未満ではそ
の効果は小さく、Ｍｎの含有量が１．５重量％を越えＣ
ｒの含有量が１．０重量％を越えると巨大な化合物を生
成し、強度が低下するので、Ｍｎの含有量は０．２５〜
１．５重量％、Ｃｒの含有量は０．１〜１．０重量％と
する。尚、Ｍｎの含有量が０．６重量％を越えＣｒの含
有量が０．３重量％を越えると巨大な化合物が若干生成
され、多少強度が低下するが実用には十分供することが
できる。つまり、Ｍｎの含有量については０．２５重量
％以上０．５重量％未満、Ｃｒの含有量は０．３重量％
以下とするのが最適である。
【００１１】Ｆｅの含有量が０．５重量％未満の場合に
は改善の必要性が認められないし、１．５重量％を超え
る場合には改善の効果が十分でないので、Ｆｅの含有量
は０．５〜１．５重量％とする。
は改善の必要性が認められないし、１．５重量％を超え
る場合には改善の効果が十分でないので、Ｆｅの含有量
は０．５〜１．５重量％とする。
【００１２】また、本発明に係る鋳造用アルミニウム合
金材は、残部はＡｌ及び不可避的不純物からなる。不可
避的不純物としては、Ｚｎ、Ｎｉ、Ｐｂ、Ｓｎなどがあ
り、ここで、Ｚｎの含有量は１．３重量％以下、Ｎｉの
含有量は０．５重量％以下、Ｐｂの含有量は０．２重量
％以下、Ｓｎの含有量は０．３重量％以下であることが
望ましい。
金材は、残部はＡｌ及び不可避的不純物からなる。不可
避的不純物としては、Ｚｎ、Ｎｉ、Ｐｂ、Ｓｎなどがあ
り、ここで、Ｚｎの含有量は１．３重量％以下、Ｎｉの
含有量は０．５重量％以下、Ｐｂの含有量は０．２重量
％以下、Ｓｎの含有量は０．３重量％以下であることが
望ましい。
【００１３】
【作用】本発明によるアルミニウム鋳物合金は上記のよ
うにＣｒを添加することによって少ないＭｎ量、Ｃｒ量
で針状晶の形態を変化させることができる。これは、Ａ
ｌ／Ｆｅ／Ｍｎ／Ｃｒ化合物が生成されるためであると
考えられる。これによって、本発明によるアルミニウム
鋳物合金は再生塊を組合わせてＴｉを添加するだけで製
造することができ、資源の有効利用を図れる。
うにＣｒを添加することによって少ないＭｎ量、Ｃｒ量
で針状晶の形態を変化させることができる。これは、Ａ
ｌ／Ｆｅ／Ｍｎ／Ｃｒ化合物が生成されるためであると
考えられる。これによって、本発明によるアルミニウム
鋳物合金は再生塊を組合わせてＴｉを添加するだけで製
造することができ、資源の有効利用を図れる。
【００１４】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例について説明す
る。実施例１〜４ 表１に示すような成分値で組成したアルミニウム鋳物合
金を製造した。比較例１〜３ 表１に示すような成分値で組成したアルミニウム鋳物合
金を製造した。
る。実施例１〜４ 表１に示すような成分値で組成したアルミニウム鋳物合
金を製造した。比較例１〜３ 表１に示すような成分値で組成したアルミニウム鋳物合
金を製造した。
【００１５】そして、実施例１〜４及び比較例１〜３の
アルミニウム鋳物合金を７６０℃で溶解した後、Ａｒガ
スとフラックスを用いた溶湯処理によって脱酸、脱ガス
を行い、鋳造温度７２０℃にてＪＩＳ４号試験片のとれ
る舟底型を用いて、金型温度１５０℃にて鋳造した。こ
うして得られた鋳造品に５１０℃で２時間の溶体化処理
を施し、水焼入れを行った後、２３０℃で５時間の時効
処理を行った。
アルミニウム鋳物合金を７６０℃で溶解した後、Ａｒガ
スとフラックスを用いた溶湯処理によって脱酸、脱ガス
を行い、鋳造温度７２０℃にてＪＩＳ４号試験片のとれ
る舟底型を用いて、金型温度１５０℃にて鋳造した。こ
うして得られた鋳造品に５１０℃で２時間の溶体化処理
を施し、水焼入れを行った後、２３０℃で５時間の時効
処理を行った。
【００１６】上記の方法で得られた製品の中央からＪＩ
Ｓ４号の引張試験片とＪＩＳ３号相当のシャルピー試験
片（ノッチ無しの平滑試験片）を切出し、２５トンのオ
ートグラフによる常温引張試験と５kg-mのシャルピー衝
撃試験機によるシャルピー衝撃試験を実施した。この結
果を、表１に示している。
Ｓ４号の引張試験片とＪＩＳ３号相当のシャルピー試験
片（ノッチ無しの平滑試験片）を切出し、２５トンのオ
ートグラフによる常温引張試験と５kg-mのシャルピー衝
撃試験機によるシャルピー衝撃試験を実施した。この結
果を、表１に示している。
【００１７】
【表１】
【００１８】この表１から分るように、実施例１〜４の
鋳造用アルミニウム合金材は引張強度及び衝撃強度の各
特性が比較例１〜３のアルミニウム鋳物合金より優れて
おり、Ｆｅ不純物による強度低下に対する防止策とし
て、ＭｎとＣｒを併用することによって効果が高くな
る。
鋳造用アルミニウム合金材は引張強度及び衝撃強度の各
特性が比較例１〜３のアルミニウム鋳物合金より優れて
おり、Ｆｅ不純物による強度低下に対する防止策とし
て、ＭｎとＣｒを併用することによって効果が高くな
る。
【００１９】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
ＭｎとＣｒとを併用して添加することによってＦｅ系晶
出物を安定して塊状にすることができ、比較的不純物の
含有割合が高いアルミニウム材料の再利用が可能とな
る。即ち、簡単に入手できる再生塊を用いてそれ相応の
強度が得られる鋳造用アルミニウム合金材を製造するこ
とができ、資源の有効利用を図れるとともに、コストも
廉価になる。
ＭｎとＣｒとを併用して添加することによってＦｅ系晶
出物を安定して塊状にすることができ、比較的不純物の
含有割合が高いアルミニウム材料の再利用が可能とな
る。即ち、簡単に入手できる再生塊を用いてそれ相応の
強度が得られる鋳造用アルミニウム合金材を製造するこ
とができ、資源の有効利用を図れるとともに、コストも
廉価になる。
フロントページの続き (56)参考文献 特許125807（ＪＰ，Ｃ２) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C22C 21/00 - 21/18
Claims (1)
- 【請求項１】 重量％で、Ｓｉ（珪素）が５．０％以上
１２．０％以下、Ｃｕ（銅）が２．０％以上５．０％以
下、Ｍｇ（マグネシウム）が０．２％以上１．５％以
下、Ｔｉ（チタン）が０．１％以上０．３％以下、Ｍｎ
（マンガン）が０．２５％以上０．５％未満、Ｃｒ（ク
ロム）が０．１％以上１．０％以下、Ｆｅ（鉄）が０．
５％以上１．５％以下、残部Ａｌ及び不可避不純物から
なることを特徴とする鋳造用アルミニウム合金材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06069593A JP3328356B2 (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 鋳造用アルミニウム合金材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06069593A JP3328356B2 (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 鋳造用アルミニウム合金材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06271966A JPH06271966A (ja) | 1994-09-27 |
| JP3328356B2 true JP3328356B2 (ja) | 2002-09-24 |
Family
ID=13149696
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP06069593A Expired - Fee Related JP3328356B2 (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 鋳造用アルミニウム合金材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3328356B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002339030A (ja) * | 2001-05-17 | 2002-11-27 | Yamaha Motor Co Ltd | ダイカスト用アルミニウム合金 |
| US6908590B2 (en) * | 2002-03-19 | 2005-06-21 | Spx Corporation | Aluminum alloy |
| US20050161128A1 (en) * | 2002-03-19 | 2005-07-28 | Dasgupta Rathindra | Aluminum alloy |
| CN103328668B (zh) * | 2011-01-27 | 2015-08-19 | 日本轻金属株式会社 | 高电阻铝合金 |
| CN106282681A (zh) * | 2016-07-31 | 2017-01-04 | 余姚市婉珍五金厂 | 一种高硬度铝合金模具材料及其制备方法 |
| CN115961185A (zh) * | 2022-04-22 | 2023-04-14 | 江苏大学 | Sr Zr Ti Ce四元复合微合金化高强度高塑性抗晶间腐蚀铸造铝合金及制备方法 |
-
1993
- 1993-03-19 JP JP06069593A patent/JP3328356B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06271966A (ja) | 1994-09-27 |
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| JPH0448856B2 (ja) |
Legal Events
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|---|---|---|---|
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