JPH09272940A - 伸び及び衝撃靭性に優れた亜共晶Al−Siダイカスト合金 - Google Patents

伸び及び衝撃靭性に優れた亜共晶Al−Siダイカスト合金

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JPH09272940A
JPH09272940A JP11052896A JP11052896A JPH09272940A JP H09272940 A JPH09272940 A JP H09272940A JP 11052896 A JP11052896 A JP 11052896A JP 11052896 A JP11052896 A JP 11052896A JP H09272940 A JPH09272940 A JP H09272940A
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elongation
alloy
eutectic
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hypo
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JP11052896A
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Toshiya Anami
敏也 穴見
Yutaka Ishida
豊 石田
Yukio Kuramasu
幸雄 倉増
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Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 伸び12%以上,衝撃値4.0J/cm2
上の亜共晶Al−Si合金ダイカスト製品を得る。 【構成】 この亜共晶Al−Si合金は、Si:7〜1
1重量%,Fe:0.3〜1.0重量%,Mn:0.2
〜0.8重量%,Sr:0.01〜0.1重量%を含
み、Mn/Feの重量比が0.5〜1.0の範囲にあ
り、粒状の共晶Si及び塊状のAl−Fe−Si−Mn
化合物が平均粒径15μm以下で分散している組織をも
っている。 【効果】 応力集中の起点となる針状晶出物がないた
め、伸び及び靭性の高い材料が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイカスト鋳造による
鋳放し状態で優れた伸び及び衝撃靭性を示す亜共晶Al
−Siダイカスト合金に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金のダイカスト製品は、
軽量性,成形性等を活用し、複雑形状の部材にも加工で
きる等の理由から、自動車部品や一般産業部品として広
範な分野で使用されている。ダイカスト用のアルミニウ
ム合金としては、良好な鋳造性が要求されることから亜
共晶系や共晶系のAl−Si合金が使用されている。し
かし、アルミニウム合金のダイカスト製品は、鋳放し状
態では伸び値が小さく、延性に乏しいため脆性破壊を起
こすものが多いことから、高靭性が要求される部材とし
ては使用されていない。Al−Siダイカスト合金で高
い伸び及び衝撃靭性が得られる材料として、JIS A
DC3が知られている。この合金は、Cuを含むJIS
ADC10,12の合金に比較して伸び及び衝撃靭性
が改善されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】JIS ADC3ダイ
カスト鋳造品の組織を観察すると、針状の晶出物が分散
していることが判る。針状晶出物は、共晶SiやAl−
Fe−Si系金属間化合物等が針状に発達したものであ
り、応力集中部として働き、伸びや衝撃靭性を低下させ
る原因となる。本発明は、このような問題を解消すべく
案出されたものであり、Sr添加及びMn/Fe比の規
制により針状晶出物の生成を抑制し、伸び及び靭性に優
れた亜共晶Al−Si合金を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の亜共晶Al−S
i合金は、その目的を達成するため、Si:7〜11重
量%,Fe:0.3〜1.0重量%,Mn:0.2〜
0.8重量%,Sr:0.01〜0.1重量%を含み、
Mn/Feの重量比が0.5〜1.0の範囲にあること
を特徴とする。この亜共晶Al−Si合金は、粒状の共
晶Si及び塊状のAl−Fe−Si−Mn化合物が平均
粒径15μm以下で分散している組織をもっている。
【0005】以下、本発明で使用するアルミニウム合金
に含まれる合金成分,含有量等について説明する。 Sr:0.01〜0.1重量% 本発明の亜共晶Al−Si合金においては、針状で晶出
していた40μm程度の共晶SiをSr添加によって1
5μm以下に微細球状化している。その結果、マトリッ
クス中で異物と扱われていた針状の共晶Siに加わる応
力集中が分散され、亜共晶Al−Si合金の伸び,靭性
が向上する。このような作用は、0.01重量%以上の
Srで顕著になる。しかし、0.1重量%を超えるSr
が含まれると、溶湯の流動性が低下し、湯境等の鋳造欠
陥が発生し易くなる。応力集中サイトとなる針状晶出物
は、共晶Siの微細化,粒状化により減少する。亜共晶
Al−Siダイカスト合金に含まれる共晶Si以外の針
状化合物は、Fe含有量,Mn含有量,Mn/Fe比等
を調整することによって微細化する。
【0006】Si:7〜11重量% 7〜11重量%の範囲でSiを含有する合金は、材料強
度及び鋳造性に優れ、特に薄肉部分を含む複雑な形状の
鋳造製品を容易に製造できるダイカスト用合金として好
適な材料である。Si含有量が11重量%を超えると、
初晶Siが大きくなり、ダイカスト製品の伸び,靭性が
劣化する。逆に、7%に満たないSi含有量では、ダイ
カスト鋳造時に金型への焼付きが生じ易く、鋳造が困難
になる。 Fe:0.3〜1.0重量% 亜共晶Al−Siダイカスト合金では金型との溶着を防
止するためにFeを含ませており、0.3重量%以上の
Fe含有量で焼付き防止の効果が得られる。しかし、
1.0重量%を超えるFe含有量では、長さ100〜2
00μmにも達する巨大な針状のAl−Fe系及びAl
−Fe−Si系の晶出物が生成し、伸び及び靭性を低下
させる。
【0007】Mn:0.2〜0.8重量% 及びMn/
Fe比:0.5〜1.0 一般に、ダイカスト鋳造時に金型への焼付き防止を狙っ
てFeを添加すると、凝固時に針状のAl−Fe−Si
系化合物が晶出し、伸び,靭性を低下させる欠点が生じ
やすくなる。針状晶出物は、Mn添加によって塊状に形
態が変化する。また、Mn/Feの重量比を0.5〜
1.0の範囲に維持するとき、針状Al−Fe−Si系
化合物の晶出が抑えられ、代わって塊状のAl−Mn−
Fe−Si系化合物が晶出する。このような晶出物の形
態変化により、晶出物にかかる応力集中が低減され、亜
共晶Al−Siダイカスト合金の伸び,靭性が向上す
る。Mnの作用は、0.2重量%以上の含有量で顕著に
なる。しかし、0.8重量%を超える多量のMnが含ま
れると、100〜200μmにも達する巨大な塊状のA
l−Fe−Si−Mn系晶出物が生成し、ハードスポッ
ト等の欠陥が発生する。また、Mn/Fe比は、Al−
Fe−Si−Mn系晶出物の形態を決定する上で重要な
要因となる。Mn/Fe比が0.5未満では、針状のA
l−Fe−Si系晶出物の発生割合が多く、伸び,靭性
が低下する。逆にMn/Fe比が1.0を超えると、巨
大な塊状晶出物が発生し、ハードスポットが発生し易く
なる。本発明の亜共晶Al−Si合金は、他に不純物と
して0.3重量%以下のMg,Cu,Znや0.1重量
%以下のTi,Sn等を含むことができる。
【0008】
【実施例】表1(比較例)及び表2(本発明例)の成分
・組成をもつ亜共晶Al−Si合金(Si:9.5重量
%)の溶湯を、鋳造温度680℃,金型温度170℃,
プランジャ速度1.7m/秒の条件下で酸素雰囲気ダイ
カスト法により平板ダイカストを鋳造した。得られた平
板ダイカストの鋳造組織を観察したところ、本発明で規
定した成分及びMn/Fe比の条件を満足しない合金番
号1〜14では、針状の共晶SiやAl−Fe−Si系
化合物の晶出がみられた。また、Mn/Fe比が大きす
ぎるものでは、巨大なAl−Mn−Fe−Si系化合物
の晶出が観察された。なお、合金番号6は、Fe含有量
が少ないことからダイカスト鋳造時に金型への溶着が発
生し、量産が不可能であった。他方、Sr含有量が多す
ぎる合金番号14では、溶湯の流動性が低下し、湯境等
の欠陥が発生した。これに対し、本発明で規定した成分
及びMn/Fe比の条件を満足する合金番号15〜22
では、共晶Siが10μm程度に微細化・球状化されて
おり、Al−Fe−Si系化合物の晶出が観察されなか
った。また、晶出したAl−Mn−Fe−Si系化合物
も塊状に微細化されていた。
【0009】
【0010】
【0011】平板ダイカストからJIS 14Bの引張
試験片及びJIS 4衝撃試験片を採取し、引張試験及
びシャルピー衝撃試験に供した。試験結果を示す表3に
みられるように、本発明例の合金番号15〜22は、何
れも伸びが12%以上,衝撃値が4.0J/cm2 以上
であり、良好な伸び,靭性をもつ材料であることが判っ
た。また、伸び,靭性に及ぼすFe含有量,Mn含有量
及びMn/Fe比の影響を調査したところ、図1に示す
ようにAB線(Mn/Fe=1.0),BC線(Mn=
0.8),CD線(Fe=1.0),DE線(Mn/F
e=0.5),EF線(Mn=0.2),FA線(Fe
=0.3)で区画される領域が優れた伸び及び靭性を示
すことが判った。
【0012】
【0013】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の亜共晶
Al−Siダイカスト合金は、Sr添加によって共晶S
iを微細化・粒状化すると共に、Fe含有量との関係で
Mn含有量を規制することにより針状のAl−Fe−S
i系化合物を塊状で粒径の小さなAl−Mn−Fe−S
i系化合物に形態変化させている。これにより、応力集
中がかかる針状晶出物が抑制され、亜共晶Al−Siダ
イカスト合金の伸び,靭性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Fe,含有量,Mn含有量及びMn/Fe比
が伸び及び靭性に及ぼす影響
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉増 幸雄 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si:7〜11重量%,Fe:0.3〜
    1.0重量%,Mn:0.2〜0.8重量%,Sr:
    0.01〜0.1重量%を含み、Mn/Feの重量比が
    0.5〜1.0の範囲にある亜共晶Al−Siダイカス
    ト合金。
  2. 【請求項2】 粒状の共晶Si及び塊状のAl−Fe−
    Si−Mn化合物が平均粒径15μm以下で分散してい
    る組織をもつ請求項1記載の亜共晶Al−Siダイカス
    ト合金。
JP11052896A 1996-04-05 1996-04-05 伸び及び衝撃靭性に優れた亜共晶Al−Siダイカスト合金 Pending JPH09272940A (ja)

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