JP3313477B2 - 車両の運転姿勢調整装置 - Google Patents

車両の運転姿勢調整装置

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JP3313477B2
JP3313477B2 JP24331593A JP24331593A JP3313477B2 JP 3313477 B2 JP3313477 B2 JP 3313477B2 JP 24331593 A JP24331593 A JP 24331593A JP 24331593 A JP24331593 A JP 24331593A JP 3313477 B2 JP3313477 B2 JP 3313477B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の車室形成部に配
されるシート部に着座する乗員が、シート部及びアクセ
ルペダル,ブレーキペダル,クラッチペダル等の操作ペ
ダルの配置位置を変化させて、運転姿勢を調整できるよ
うにされる車両の運転姿勢調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両における車室形成部に装備されるシ
ートは、特にそれが運転者用のものとされる場合、着座
した乗員が適正な運転姿勢を安定に維持できるものとさ
れることが望まれる。このような運転者用シートに着座
する乗員にとっての適正運転姿勢とは、その乗員のアイ
ポイントが、車両の前方視界,バックミラーを介して得
られる車両の後方視界、及び、左右フェンダーミラーあ
るいはドアミラーを介して得られる車両の左右側方視界
等の運転に必要な視界を容易、かつ、確実に得ることが
できる適正な位置に置かれるとともに、その乗員の手足
が、ステアリングホイールの操作,ステアリングコラ
ム,ダッシュボード,コンソール等に配された各種の操
作部の操作,シフトレバーの操作,ハンドブレーキの操
作、及び、アクセルペダル,ブレーキペダル,クラッチ
ペダル等の操作ペダルの操作等々を、容易、かつ、円滑
に行なうことができる姿勢であり、取分け、アクセルペ
ダル,ブレーキペダル,クラッチペダル等の操作ペダル
の操作を無理なく確実に行えることが重要である。
【0003】運転者用シートは、通常、車両の車室形成
部におけるフロア部分上に車両の前後方向に伸びて固定
されたレールを含むスライド機構を介して支持され、ス
ライド機構に備えられた操作レバー等の操作部材が操作
されることにより、スライド機構によって前後方向に移
動せしめられ、それにより配置位置調整が行われ得るも
のとされる。従って、運転者用シートに着座する乗員
は、自分の身体寸法に応じて、運転者用シートの配置位
置を主として操作ペダルの操作を無理なく確実に行える
ものとすべく調整することができることになる。しかし
ながら、このように車両の前後方向の配置位置調整が可
能とされる運転者用シートにあっても、その調整範囲は
車室形成部内における各部との位置関係から自ずと或る
範囲に制限されることになり、それゆえ、運転者用シー
トの配置位置及びその調整範囲は、通常、平均的体格及
びそれに比較的近い体格を有する乗員が想定されて設定
される。従って、運転者用シートに着座する乗員が、平
均的体格あるいは平均的体格に比較的近い体格でない体
格を有する場合には、運転者用シートの配置位置を調整
して適正なアイポイントの位置が得られる所望の運転姿
勢をとることが困難とされることになる虞がある。
【0004】このような車両の前後方向における配置位
置調整が可能とされた運転者用シートに伴われる不都合
を幾分たりとも軽減すべく、前後方向の配置位置調整の
みならず、車両の上下方向における配置位置調整も可能
とされた運転者用シートも知られている。斯かる前後方
向及び上下方向の夫々における配置位置調整が可能とさ
れた運転者用シートによれば、それに着座する乗員がア
イポイントを適正な位置に置くことができる配置位置調
整の可能性が拡大されるが、アクセルペダル,ブレーキ
ペダル,クラッチペダル等の操作ペダルの操作を無理な
く確実に行える運転姿勢がとれるか否かの観点からは、
効果的な改善が図られるとは言い難い。
【0005】また、例えば、特開昭63-34254号公報にも
示される如く、アクセルペダル,ブレーキペダル,クラ
ッチペダル等の操作ペダルであって、運転者用シートに
着座する乗員の足の長さに応じて車両の前後方向及び上
下方向に移動せしめられ得るようにされ、配置位置調整
が可能とされたものを装備した車両が提案されている。
斯かる配置位置調整が可能とされた操作ペダルを装備し
た車両にあっては、運転者用シートに着座した乗員が、
アイポイントの位置を変動させることなく、操作ペダル
に、所定の調整範囲内において、その操作を行い易い配
置位置をとらせることができることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如くに、車両における運転者用シート及び運転者用シー
トの前方に配される操作ペダルが、個々別々に、車両の
前後方向及び上下方向に所定の調整範囲をもって移動可
能とされ、夫々の配置位置調整が行われ得るものとされ
る場合には、運転者用シートに着座する乗員による、適
正なアイポイントの位置が得られ、かつ、操作ペダルの
操作を無理なく行えることになる所望の運転姿勢をとる
ための姿勢調整がなされるにあたっては、例えば、先
ず、運転者用シートの配置位置の前後方向及び上下方向
の調整が行われ、その後さらに、操作ペダルの配置位置
の前後方向及び上下方向の調整が行われることが必要と
される。それゆえ、運転者用シートに着座する乗員に、
その都度、煩雑で面倒な調整作業が課せられることにな
ってしまうという不都合がある。
【0007】また、車両における運転者用シートの配置
位置調整あるいは操作ペダルの配置位置調整が、車両が
走行状態にあるもとで行われるにあたっては、配置位置
調整に伴う運転者用シートあるいは操作ペダルの配置位
置の移動、特に、操作ペダルの配置位置調整に伴う操作
ペダルの配置位置の移動に起因して、運転者の運転姿勢
が一時的に不安定なものとされる虞もあるので、配置位
置調整に伴う運転者用シートあるいは操作ペダルの配置
位置の移動態様に十分な安全面からの配慮が払われるこ
とが必要である。
【0008】斯かる点に鑑み、本発明は、車両の車室形
成部におけるフロア部分上に配置される運転者用シー
ト、及び、運転者用シートの前方に配されるアクセルペ
ダル,ブレーキペダル等の操作ペダルの夫々についての
配置位置調整によるものとされる、運転者用シートに着
座する乗員による適正なアイポイント位置をもって操作
ペダルの操作を無理なく確実に行えることになる所望の
運転姿勢をとるための姿勢調整が、例外的な場合を除い
て、乗員の身体寸法の如何にかかわらず、乗員にとって
煩雑で面倒な調整作業が要されることなく極めて容易
に、しかも、配置位置調整に伴う運転者用シート及び操
作ペダルの配置位置の移動態様に十分な安全面からの配
慮が払われたもとで行われることになる、車両の運転姿
勢調整装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係る車両の運転姿勢調整装置は、車両の車
室形成部におけるフロア部分上に配されるシート部をそ
の配置位置を車両の前後方向及び上下方向に移動可能と
して支持するシート可動支持機構部と、シート部の前方
に配された操作ペダル部をその配置位置をシート部に向
かう方向あるいはシート部から離れる方向に移動可能と
して支持するペダル可動支持機構部と、運転姿勢調整の
ためのシート部及び操作ペダル部の配置位置調整を開始
もしくは終了させるべく操作される調整用操作部とに加
えて、シート部に乗員標準モデルが着座せしめられたと
き、その乗員標準モデルのアイポイントが適正な位置に
置かれるとともに乗員標準モデルが適正な運転姿勢に相
当する姿勢をとるものとされることになる、シート部及
び操作ペダル部の適正配置位置に関する調整用データが
格納されるメモリ手段,調整用操作部の操作に応じ、メ
モリ手段から得られる調整用データに基づいて、シート
可動支持機構部にシート部の配置位置調整を行わせると
ともにペダル可動支持機構部に操作ペダル部の配置位置
調整を行わせる調整動作制御手段、及び、ペダル可動支
持機構部による操作ペダル部の配置位置調整が行われる
際における操作ペダル部の配置位置の移動速度を、車両
が走行状態にある場合と走行状態にない場合とで異なら
せる移動速度制御手段とを備えて構成される。
【0010】
【作用】上述の如くに構成される本発明に係る車両の運
転姿勢調整装置にあっては、例えば、シート部に着座し
た乗員によって調整用操作部が運転姿勢調整のためのシ
ート部及び操作ペダル部の配置位置調整を開始させるべ
く操作されるとき、それに応じて、調整動作制御手段
が、メモリ手段に格納された調整用データを取り込み、
その調整用データに基づいてシート可動支持機構部及び
ペダル可動支持機構部に、夫々、シート部の配置位置調
整及び操作ペダル部の配置位置調整を行わせるべく作動
し、さらに、それに伴って、移動速度制御手段が、少な
くともペダル可動支持機構部による操作ペダル部の配置
位置調整が行われる際における操作ペダル部の配置位置
の移動速度を、車両が走行状態にある場合と走行状態に
ない場合とで異なるものとなし、例えば、車両が走行状
態にあるもとでの配置位置調整に伴う操作ペダル部の配
置位置の移動速度を、車両が走行状態にないもとでの配
置位置調整に伴う操作ペダル部の配置位置の移動速度よ
り小となす。
【0011】このようにして行われるシート部及び操作
ペダル部の配置位置調整にあたり、調整用データが、シ
ート部に着座せしめられた乗員標準モデルが、そのアイ
ポイントが適正な位置に置かれ、かつ、適正な運転姿勢
に相当する姿勢をとるものとされるシート部及び操作ペ
ダル部の適正配置位置に関するものとされていることに
より、シート部に着座した乗員が乗員標準モデルにより
あらわされる体格から懸け離れた体格を有していない限
り、シート部及び操作ペダル部の配置位置調整中にその
乗員が適正なアイポイント位置をもって操作ペダル部の
操作を無理なく確実に行えることになるシート部及び操
作ペダル部の夫々の配置位置が得られる状態があり、例
えば、斯かる状態において乗員により調整用操作部が運
転姿勢調整のためのシート部及び操作ペダル部の配置位
置調整を終了させるべく操作されることにより、調整動
作制御手段がシート可動支持機構部及びペダル可動支持
機構部によるシート部の配置位置調整及び操作ペダル部
の配置位置調整を終了させる。そして、上述の如くに、
少なくともペダル可動支持機構部による操作ペダル部の
配置位置調整が行われる際における操作ペダル部の配置
位置の移動速度が、車両が走行状態にある場合と走行状
態にない場合とで異なるものとされることにより、シー
ト部及び操作ペダル部の配置位置調整に起因して運転者
の運転姿勢が一時的に不安定なものとされる事態が回避
される。
【0012】従って、本発明に係る車両の運転姿勢調整
装置によれば、シート部に着座した乗員による適正なア
イポイント位置をもって操作ペダル部の操作を無理なく
確実に行えることになる所望の運転姿勢をとるための姿
勢調整が、調整用データに基づいてシート部及び操作ペ
ダル部について行われる配置位置調整により、乗員にと
って煩雑で面倒な調整作業が要されることなく自動的
に、しかも、配置位置調整に伴うシート部及び操作ペダ
ル部の配置位置の移動態様に十分な安全面からの配慮が
払われたもとで行われることになる。そして、調整用デ
ータが、複数種の乗員標準モデルの夫々に対応するシー
ト部及び操作ペダル部の適正配置位置に基づいて得られ
るシート部及び操作ペダル部ついての移動特性をあらわ
すものとして用意され、その調整用データによりあらわ
される移動特性に従ってシート可動支持機構部及びペダ
ル可動支持機構部によるシート部及び操作ペダル部の配
置位置調整が行われるようにされることにより、シート
部に着座した乗員による適正なアイポイント位置をもっ
て操作ペダル部の操作を無理なく確実に行える所望の運
転姿勢をとるための姿勢調整が、例外的な場合を除い
て、乗員の身体寸法の如何にかかわらず適切に行われ
る。
【0013】
【実施例】図1は、本発明に係る車両の運転姿勢調整装
置の一例を、それが装備された車両の車室形成部の部分
と共に示す。
【0014】図1に示される車両の車室形成部において
は、フロア部分11上に、シートクッション部12及び
シートバック部13を有した運転者用シート14が配置
され、また、運転者用シート14より車両の前方側の位
置に、2分割されたステアリングコラム15A及び15
Bにより支持されて、運転者用シート14に対向するス
テアリングホイール16が配され、さらに、運転者用シ
ート14の前方に、アクセルペダル17及びブレーキペ
ダル18が操作ペダル部として配されている。運転者用
シート14は、シートクッション部12の下側に設置さ
れたシート可動支持機構部20により、その配置位置が
車両の前後方向及び上下方向に移動可能とされて支持さ
れている。
【0015】アクセルペダル17は、ペダルアーム部1
7aを有していて、運転者用シート14に着座する乗員
(運転者)による踏込操作により揺動して踏込操作状態
に応じた踏込操作位置をとり、ペダルアーム部17aに
ケーブル部21を通じて連結された、車両に搭載された
エンジンにおける吸気通路に配されたスロットルバルブ
22の開度を制御するものとされている。そして、ダッ
シュパネル23に取り付けられたアクセルペダル可動支
持機構部24によって、揺動可能とされ、かつ、その配
置位置が車両の前後方向に移動可能とされて支持されて
いる。
【0016】また、ブレーキペダル18は、ペダルアー
ム部18aを有していて運転者による踏込操作により揺
動して踏込操作状態に応じた踏込操作位置をとり、ペダ
ルアーム部18aにケーブル部25を通じて連結され
た、車両に装備されたブレーキ装置を作動させる油圧を
形成するマスターシリンダ部26を制御するものとされ
ている。そして、ダッシュパネル23に取り付けられた
ブレーキペダル可動支持機構部27によって、揺動可能
とされ、かつ、その配置位置が車両の前後方向に移動可
能とされて支持されている。
【0017】シート可動支持機構部20,アクセルペダ
ル可動支持機構部24及びブレーキペダル可動支持機構
部27は、本発明に係る車両の運転姿勢調整装置の一例
を構成する主要構成要素となっている。そして、シート
可動支持機構部20は、運転者用シート14の配置位置
を車両の前後方向及び上下方向に夫々移動させるための
スライド機構及び昇降機構を含むものとされている。
【0018】シート可動支持機構部20におけるスライ
ド機構が形成されている部分にあっては、図1及び図2
の両者に示される如くに、フロア部分11に固定されて
車両の前後方向に伸び、フロア部分11に対して前方部
分が後方部分より高くなる傾斜を有するものとされた一
対の平行配置されたレール部30上に一対のスライド部
材31が夫々配されており、各スライド部材31は、レ
ール部30に沿い、レール部30により規制される範囲
内で車両の前後方向に移動し得るものとされている。一
対のスライド部材31は、連結板部材32によって相互
連結されており、そのうちの一方には、それに沿って伸
びるスクリュウ軸部材33が取り付けられている。この
スクリュウ軸部材33は、フロア部分11上に立てられ
た支持部材34により支持されることにより、支持部材
34を介してフロア部分11に対して固定された雌ねじ
部材35に螺合している。また、一対のスライド部材3
1のうちの一方でスクリュウ軸部材33が取り付けられ
たものには、スクリュウ軸部材33に所定の減速機構を
介して連結され、スクリュウ軸部材33を回動させるシ
ートスライド用モータ36が取り付けられている。
【0019】このように構成されるスライド機構におい
ては、シートスライド用モータ36が回転状態とされる
とき、その回転が減速機構を介してスクリュウ軸部材3
3に伝達され、スクリュウ軸部材33がシートスライド
用モータ36によって回動せしめられる。そして、スク
リュウ軸部材33がフロア部分11に対して固定された
雌ねじ部材35に螺合していることにより、スクリュウ
軸部材33の回動に伴って、スクリュウ軸部材33が取
り付けられた一対のスライド部材31のうちの一方及び
それに連結板部材32によって連結された他方が、夫
々、一対のレール部30上を車両の前方側にもしくは後
方側に向かって移動する。その際、一対のスライド部材
31の移動の向きは、シートスライド用モータ36の回
転方向(正転方向もしくは逆転方向)に応じて定めら
れ、また、移動範囲はスクリュウ軸部材33の長さに応
じて規制される。
【0020】一方、シート可動支持機構部20における
昇降機構が形成されている部分にあっては、図1及び図
2の両者に示される如くに、スライド機構を構成する一
対のスライド部材31の各々の前端部分31Fに前方部
分37Fが回動可能な状態をもって連結されたシートク
ッションフレーム部材37が設けられている。そして、
シートクッションフレーム部材37の後方部分37Rに
は、その左右両端部に夫々長孔38が形成された係合板
部39が設けられており、長孔38には、スライド機構
を構成する一対のスライド部材31により両端部が夫々
支持された回動軸部材40に固着されて設けられた一対
の屈曲アーム部材41の端部から突出するピン42が係
合せしめられている。また、一対のスライド部材31を
相互連結する連結板部材32上にシート昇降用モータ4
3が取り付けられており、さらに、シート昇降用モータ
43の回転が所定の減速機構を介して伝達されるスクリ
ュウ係合軸部材44が設けられていて、そのスクリュウ
係合軸部材44の先端部が、回動軸部材40に固着され
た係合板部材45に回動可能に連結されている。
【0021】このように構成される昇降機構において
は、シート昇降用モータ43が回転状態とされるとき、
その回転が減速機構を介してスクリュウ係合軸部材44
に伝達され、スクリュウ係合軸部材44がシート昇降用
モータ43により回動せしめられ、それによってその長
さ方向に進出もしくは後退せしめられる。それに伴っ
て、係合板部材45に回動可能に連結されたスクリュウ
係合軸部材44の先端部が、回動軸部材40に対して直
交する方向に変位し、係合板部材45を介して、回動軸
部材40が回動せしめられる。回動軸部材40が回動せ
しめられることにより、回動軸部材40に固着された一
対の屈曲アーム部材41の夫々が回動せしめられ、それ
に伴って、各屈曲アーム部材41の端部に設けられ、シ
ートクッションフレーム部材37の後方部分37Rにお
ける左右両端部の夫々における係合板部39に設けられ
た長孔38に係合するピン42が、上方もしくは下方に
移動せしめられる。それにより、ピン42は、係合板部
39に設けられた長孔38に係合した状態のもとで係合
板部39を上方もしくは下方に変位させ、従って、シー
トクッションフレーム部材37の後方部分37Rを、一
対のスライド部材31の各々の前端部分31Fに回動可
能な状態をもって連結された前方部分37Fに対して、
相対的に上方もしくは下方に移動させる。
【0022】即ち、シート昇降用モータ43の回転に応
じて、シートクッションフレーム部材37の後方部分3
7Rが、一対のスライド部材31の各々の前端部分31
Fに連結された前方部分37Fに対して、相対的に上方
もしくは下方に移動せしめられることになる。その際、
シートクッションフレーム部材37の後方部分37Rの
移動の向きは、スクリュウ係合軸部材44の進退状況、
従って、シート昇降用モータ43の回転方向(正転方向
もしくは逆転方向)に応じて定められ、また、移動範囲
は、屈曲アーム部材41の端部に設けられたピン42が
係合する係合板部39に設けられた長孔38の長さに応
じて規制される。
【0023】そして、昇降機構を構成するシートクッシ
ョンフレーム部材37は、運転者用シート14のシート
クッション部12がシートバック部13を伴った状態で
組み付けられるものとされ、それゆえ、運転者用シート
14の全体が、シートクッションフレーム部材37を含
んで構成される昇降機構、及び、シートクッションフレ
ーム部材37の前方部分37Fが回動可能に連結される
一対のスライド部材31を含んで構成されるスライド機
構によって、支持されていることになる。従って、スラ
イド機構を構成するシートスライド用モータ36が回転
状態とされ、一対のスライド部材31が車両の前後方向
に移動せしめられることにより、運転者用シート14の
全体が車両の前後方向に移動せしめられて、その前方に
配されたアクセルペダル17及びブレーキペダル18側
に対する進退動を行うものとされる。また、昇降機構を
構成するシート昇降用モータ43が回転状態とされ、ス
クリュウ係合軸部材44が進退せしめられて一対の屈曲
アーム部材41が回動せしめられ、その結果、シートク
ッションフレーム部材37の後方部分37Rが、一対の
スライド部材31の各々の前端部分31Fに連結された
前方部分37Fに対して、相対的に上方もしくは下方に
移動せしめられることにより、運転者用シート14が、
スライド機構上において、車両の上下方向に移動せしめ
られるものとされる。
【0024】斯かるもとで、運転者用シート14は、そ
の基準位置が、例えば、シートクッションフレーム部材
37の後方部分37Rが、スライド機構による前後方向
の移動範囲における最後端で、かつ、昇降機構による上
下方向の移動範囲における最下端となる位置をとること
になる位置とされる。そして、シートスライド用モータ
36とシート昇降用モータ43とが、同時にあるいは順
次回転状態とされることにより、運転者用シート14
が、基準位置から、シートクッションフレーム部材37
の後方部分37Rが車両の前方側に斜め上方に向かって
移動した位置をとることになる位置に移行せしめられ、
その後、さらにシートクッションフレーム部材37の後
方部分37Rが車両の前方側に斜め上方に向かって移動
せしめられる状態、あるいは、基準位置に向かって移動
する状態とされて、運転者用シート14の配置位置調整
が行われる。
【0025】アクセルペダル17をその配置位置を車両
の前後方向に移動可能として支持するアクセルペダル可
動支持機構部24は、図3及び図4にも示される如く、
車室形成部の前方部分を形成するダッシュパネル23の
車室内側の面に取り付けられたブラケット部材50を有
しており、ブラケット部材50には、各々が車両の前後
方向に伸びるものとされた長孔51及び52と同じく車
両の前後方向に伸びる開口部53とが形成されており、
開口部53の後端には切起し部50aが設けられてい
る。そして、ブラケット部材50に、長孔51に係合す
るピン54及び長孔52に係合するピン55が設けられ
たペダル保持部材56が、長孔51に沿ったピン54の
移動及び長孔52に沿ったピン55の移動の範囲内にお
いて車両の前後方向に移動可能とされて組み付けられて
いる。ペダル保持部材56には、ブラケット部材50に
形成された開口部53を貫通する突出部56aが設けら
れている。突出部56aには雌ねじ部が形成されてい
て、その雌ねじ部に、開口部53に沿って伸びるスクリ
ュウ軸部材57が螺合しており、スクリュウ軸部材57
の後端部はブラケット部材50に設けられた切起し部5
0aにより回動可能に支持されている。スクリュウ軸部
材57の前端部には、ブラケット部材50に取り付けら
れたアクセルぺダル移動用モータ58が、所定の減速機
構を介して連結されている。
【0026】ペダル保持部材56には、アクセルペダル
17が、そのペダルアーム部17aがペダル保持部材5
6から突出する軸部材59により回動可能に支持され
て、揺動可能に保持されるべく取り付けられている。ア
クセルペダル17のペダルアーム部17aは、その上方
部分に、鋸波状部分81aが形成された係止部材81が
鋸波状部分81aを上方に向けて固着され、さらに、そ
の上端部分17bに、ケーブル部21のケーブル本体2
1aの端部が連結されたものとされている。
【0027】また、ペダル保持部材56の上端部56b
には、可動ロッド82aを有したアクセルペダルロック
用プランジャ82が取り付けられている。アクセルペダ
ルロック用プランジャ82は、非作動状態におかれると
き可動ロッド82aが収縮状態に維持され、作動状態に
おかれるき可動ロッド82aが伸長状態をとるものとさ
れており、可動ロッド82aは、図3に示される如く
に、収縮状態に維持されるときにはその先端部が係止部
材81における鋸波状部分81aに係合しない位置にお
かれ、図4に示される如くに、伸長状態をとるとき、そ
の先端部が係止部材81における鋸波状部分81aに係
合するものとされる。アクセルペダルロック用プランジ
ャ82の可動ロッド82aが、その先端部が係止部材8
1における鋸波状部分81aに係合しない位置におかれ
るときには、アクセルペダル17が、踏込操作に応じて
揺動して踏込操作位置を変化させ、そのペダルアーム部
17aの上端部分17bに連結されたケーブル部21を
通じてスロットルバルブ22の開度を制御する状態にお
かれ、一方、アクセルペダルロック用プランジャ82の
可動ロッド82aが、その先端部が係止部材81におけ
る鋸波状部分81aに係合するものとされるときには、
アクセルペダル17がその時の踏込操作位置に維持さ
れ、踏込操作がなされても揺動しないものとされる。
【0028】このように構成されるアクセルペダル可動
支持機構部24にあっては、アクセルペダル移動用モー
タ58が回転状態とされるとき、その回転が減速機構を
介してスクリュウ軸部材57に伝達され、スクリュウ軸
部材57がアクセルぺダル移動用モータ58により回動
せしめられる。それにより、スクリュウ軸部材57が螺
合する雌ねじ部が形成された突出部56aを有するペダ
ル保持部材56が、アクセルぺダル17を伴い、ブラケ
ット部材50に対し、それに形成された長孔51及び5
2の夫々に沿って車両の前後方向に移動せしめられる。
その際、ペダル保持部材56の移動の向きは、アクセル
ペダル移動用モータ58の回転方向(正転方向もしくは
逆転方向)に応じて定められ、また、移動範囲は長孔5
1及び52の夫々の長さに応じて規制される。
【0029】これよりして、アクセルぺダル移動用モー
タ58が回転状態とされることにより、ペダル保持部材
56により揺動可能に保持されたアクセルぺダル17の
配置位置が、ペダル保持部材56の移動範囲において車
両の前後方向に移動せしめられることになり、アクセル
ぺダル17が、図3に示される如くの、最も運転者用シ
ート14に対する離隔側に寄った前端位置をとる状態,
図4に示される如くの、最も運転者用シート14に対す
る近接側に寄った後端位置をとる状態、及び、前端位置
と後端位置との間の位置をとる状態におかれる。そし
て、アクセルペダル17は、その基準位置が、例えば、
前端位置とされる。
【0030】また、ブレーキペダル18を車両の前後方
向に移動可能に支持するブレーキペダル可動支持機構部
27は、図5及び図6にも示される如く、ダッシュパネ
ル23の車室内側の面に取り付けられたブラケット形成
部材61を有しており、ブラケット形成部材61には、
各々が車両の前後方向に伸びるものとされた長孔62及
び63と同じく車両の前後方向に伸びる開口部64とが
形成されており、開口部64の後端には切起し部61a
が設けられている。そして、ブラケット形成部材61
に、長孔62に係合するピン65及び長孔63に係合す
るピン66が設けられたペダル保持部材67が、長孔6
2に沿ったピン65の移動及び長孔63に沿ったピン6
6の移動の範囲内において車両の前後方向に移動可能と
されて組み付けられている。ペダル保持部材67には、
ブラケット形成部材61に形成された開口部64を貫通
する突出部67aが設けられている。突出部67aには
雌ねじ部が形成されていて、その雌ねじ部に、開口部6
4に沿って伸びるスクリュウ軸部材68が螺合してお
り、スクリュウ軸部材68の後端部はブラケット形成部
材61に設けられた切起し部61aにより回動可能に支
持されている。スクリュウ軸部材68の前端部には、ブ
ラケット形成部材61に取り付けられたブレーキぺダル
移動用モータ69が、所定の減速機構を介して連結され
ている。
【0031】ペダル保持部材67には、アクセルペダル
18が、そのペダルアーム部18aがペダル保持部材6
7に設けられた軸部材67bにより回動可能に支持され
た状態とされて、揺動可能に保持されるべく取り付けら
れている。そして、ペダル保持部材67により保持され
たブレーキペダル18のペダルアーム部18aにおける
中間部に、ケーブル部25が連結されている。
【0032】このように構成されるブレーキペダル可動
支持機構部27にあっては、ブレーキペダル移動用モー
タ69が回転状態とされるとき、その回転が減速機構を
介してスクリュウ軸部材68に伝達され、スクリュウ軸
部材68がブレーキぺダル移動用モータ69により回動
せしめられる。それにより、スクリュウ軸部材68が螺
合する雌ねじ部が形成された突出部67aを有するペダ
ル保持部材67が、ブレーキぺダル18を伴い、ブラケ
ット形成部材61に対し、それに形成された長孔62及
び63の夫々に沿って車両の前後方向に移動せしめられ
る。その際、ペダル保持部材67の移動の向きは、ブレ
ーキぺダル移動用モータ69の回転方向(正転方向もし
くは逆転方向)に応じて定められ、また、移動範囲は長
孔62及び63の夫々の長さに応じて規制される。
【0033】これよりして、ブレーキぺダル移動用モー
タ69が回転状態とされることにより、ペダル保持部材
67により揺動可能に保持されたブレーキぺダル18の
配置位置が、ペダル保持部材67の移動範囲において車
両の前後方向に移動せしめられることになり、ブレーキ
ぺダル18が、図5に示される如くの、最も運転者用シ
ート14に対する離隔側に寄った前端位置をとる状態,
図6に示される如くの、最も運転者用シート14に対す
る近接側に寄った後端位置をとる状態、及び、前端位置
と後端位置との間の位置をとる状態におかれる。そし
て、ブレーキペダル18は、その基準位置が、例えば、
前端位置とされる。
【0034】図1に示される例におけるシート可動支持
機構部20のスライド機構に含まれるシートスライド用
モータ36及び昇降機構に含まれるシート昇降用モータ
43,アクセルペダル可動支持機構部24に含まれるア
クセルぺダル移動用モータ58、及び、ブレーキペダル
可動支持機構部27に含まれるブレーキぺダル移動用モ
ータ69の夫々は、各々の回転状態に応じた検出出力信
号を送出するエンコーダが付設されたものとされる。シ
ートスライド用モータ36及びシート昇降用モータ43
の夫々に付設されたエンコーダからは、運転者用シート
14が基準位置をとるとき基準の検出出力信号が送出さ
れるとともに、運転者用シート14の配置位置が基準位
置から移動せしめられるとき、その移動を生じさせるシ
ートスライド用モータ36及びシート昇降用モータ43
の夫々の回転に応じた検出出力信号を送出する。従っ
て、シートスライド用モータ36及びシート昇降用モー
タ43の夫々に付設されたエンコーダから送出される基
準の検出出力信号とその後に送出される検出出力信号と
によって、運転者用シート14の基準位置に対する相対
配置位置が検知され得ることになる。
【0035】また、アクセルペダル可動支持機構部24
に含まれるアクセルぺダル移動用モータ58に付設され
たエンコーダからは、アクセルぺダル17が基準位置を
とるとき基準の検出出力信号が送出されるとともに、ア
クセルぺダル17の配置位置が基準位置から移動せしめ
られるとき、その移動を生じさせるアクセルぺダル移動
用モータ58の回転に応じた検出出力信号を送出する。
従って、アクセルペダル移動用モータ58に付設された
エンコーダから送出される基準の検出出力信号とその後
に送出される検出出力信号とによって、アクセルペダル
17の基準位置に対する相対配置位置が検知され得るこ
とになる。さらに、ブレーキペダル可動支持機構部27
に含まれるブレーキぺダル移動用モータ69に付設され
たエンコーダからは、ブレーキぺダル18が基準位置を
とるとき基準の検出出力信号が送出されるとともに、ブ
レーキぺダル18の配置位置が基準位置から移動せしめ
られるとき、その移動を生じさせるブレーキぺダル移動
用モータ69の回転に応じた検出出力信号を送出する。
従って、ブレーキペダル移動用モータ69に付設された
エンコーダから送出される基準の検出出力信号とその後
に送出される検出出力信号とによって、ブレーキペダル
18の基準位置に対する相対配置位置が検知され得るこ
とになる。
【0036】シートスライド用モータ36,シート昇降
用モータ43,アクセルぺダル移動用モータ58、及
び、ブレーキペダル移動用モータ69の夫々に付設され
たエンコーダから得られる検出出力信号は、図1に示さ
れる如くに、例えば、ダッシュパネル23に取り付けら
れたアクチュエータ駆動制御部70に供給される。アク
チュエータ駆動制御部70には、シートスライド用モー
タ36,シート昇降用モータ43,アクセルぺダル移動
用モータ58、及び、ブレーキペダル移動用モータ69
の夫々との電気的接続がなされるとともに、アクセルペ
ダル可動支持機構部24に含まれるアクセルペダルロッ
ク用プランジャ82との電気的接続がなされている。そ
して、アクチュエータ駆動制御部70は、アクセルペダ
ルロック用プランジャ82の動作制御を行うとともに、
シートスライド用モータ36,シート昇降用モータ4
3,アクセルぺダル移動用モータ58及びブレーキペダ
ル移動用モータ69の夫々の回転状態を制御し、それに
よって、運転者用シート14,アクセルペダル17及び
ブレーキペダル18の夫々についての配置位置調整が行
われるようになす動作を行い、その結果、運転姿勢調整
が行われることになる。
【0037】さらに、図1に示されるステアリングホイ
ール16には、4個の押釦型の調整開始用操作部71,
調整終了用操作部72,調整開始用操作部73及び調整
終了用操作部74が配されていて、これらの操作部71
〜74もアクチュエータ駆動制御部70との電気的接続
がなされており、操作部71〜74の夫々が操作される
とき、アクチュエータ駆動制御部70がその操作に応じ
て動作し、運転姿勢調整が行われる。これらアクチュエ
ータ駆動制御部70及び操作部71〜74も、シート可
動支持機構部20,アクセルペダル可動支持機構部24
及びブレーキペダル可動支持機構部27と共に、本発明
に係る車両の運転姿勢調整装置の一例を構成する主要構
成要素となっている。
【0038】なお、ステアリングホイール16を支持す
る2分割されたステアリングコラム15A及び15B
は、自在継手により相互連結されているとともに、モー
タを含んだステアリングホイール・チルト調整機構46
が設けられたものとされており、ステアリングホイール
・チルト調整機構46が作動せしめられるときには、固
定されたステアリングコラム15Aに対してステアリン
グホイール16が取り付けられたステアリングコラム1
5Bが揺動せしめられ、それによりステアリングホイー
ル16の高さ調整が行われる。さらに、ステアリングコ
ラム15Bには、モータを含んだステアリングホイール
突出長調整機構47が設けられており、ステアリングホ
イール突出長調整機構47が作動せしめられるときに
は、ステアリングホイール16の車室内における突出長
が調整される。
【0039】シートスライド用モータ36,シート昇降
用モータ43,アクセルぺダル移動用モータ58,ブレ
ーキペダル移動用モータ69,調整開始用操作部71,
調整終了用操作部72,調整開始用操作部73,調整終
了用操作部74及びアクセルペダルロック用プランジャ
82の夫々とアクチュエータ駆動制御部70との接続関
係の一例は、図7に示される如くとされる。図7に示さ
れる例にあっては、アクチュエータ駆動制御部70が、
例えば、マイクロコンピュータが用いられて構成される
制御ユニット75,リード・オンリ・メモリ(ROM)
76,モータ駆動部77,78,79及び80、及び、
プランジャ駆動部84を含むものとされている。アクチ
ュエータ駆動制御部70には、車両に設けられた車速セ
ンサ85も接続されており、車速センサ85は、車両の
走行速度を検出し、検出された車両の走行速度Vvをあ
らわす検出出力信号SVを、アクチュエータ駆動制御部
70における制御ユニット75に供給する。
【0040】アクチュエータ駆動制御部70における制
御ユニット75には、車速センサ85からの検出出力信
号SVに加えて、調整開始用操作部71,調整終了用操
作部72,調整開始用操作部73及び調整終了用操作部
74からそれらに対する操作に応じて夫々送出される動
作指令信号CA,CB,CC及びCD、及び、シートス
ライド用モータ36,シート昇降用モータ43,アクセ
ルぺダル移動用モータ58及びブレーキペダル移動用モ
ータ69からそれらの作動状態に応じて夫々送出される
検出出力信号SS,SL,SA及びSBが供給される。
そして、制御ユニット75からは、読出制御信号CRが
ROM76に供給され、また、モータ制御信号CMS,
CML,CMA及びCMBが夫々モータ駆動部77,7
8,79及び80に供給されるとともに、プランジャ制
御信号CPRがプランジャ駆動部84に供給され、さら
に、モータ回転制御信号CSS,CSL,CSA及びC
SBが夫々モータ駆動部77,78,79及び80に供
給される。プランジャ駆動部84からは、プランジャ制
御信号CPRに基づくプランジャ駆動信号DPRがアク
セルペダルロック用プランジャ82に供給される。ま
た、モータ駆動部77,78,79及び80にあって
は、モータ回転制御信号CSS,CSL,CSA及びC
SBに応じた制御が行われるもとに、モータ制御信号C
MS,CML,CMA及びCMBに夫々基づくモータ駆
動信号DS,DL,DA及びDBが得られ、それらが、
シートスライド用モータ36,シート昇降用モータ4
3,アクセルぺダル移動用モータ58及びブレーキペダ
ル移動用モータ69に夫々供給される。
【0041】ROM76には、予め設定された調整用デ
ータDXが格納されており、ROM76から、読出制御
信号CRに応じて調整用データDXが読み出されて制御
ユニット75に供給される。ROM76に格納される調
整用データDXは、運転姿勢調整が行われる際に参照さ
れるべき、運転者用シート14とアクセルペダル17及
びブレーキペダル18の夫々との配置位置関係をあらわ
すものとされている。そして、調整用データDXの設定
にあたっては、先ず、例えば、比較的大柄な体格の男性
に相当する乗員標準モデルA,平均的体格の男性もしく
は比較的大柄な体格の女性に相当する乗員標準モデル
B,比較的小柄な体格の男性もしくは平均的体格の女性
に相当する乗員標準モデルC、及び、比較的小柄な体格
の女性に相当する乗員標準モデルDが用意されて、乗員
標準モデルAが運転者用シート14に着座せしめられた
とき、乗員標準モデルAのアイポイントが適正な位置に
置かれるとともに乗員標準モデルAが適正な運転姿勢に
相当する姿勢をとるものとされることになる運転者用シ
ート14の適正配置位置及びアクセルペダル17及びブ
レーキペダル18の夫々の適正配置位置,乗員標準モデ
ルBが運転者用シート14に着座せしめられたとき、乗
員標準モデルBのアイポイントが適正な位置に置かれる
とともに乗員標準モデルBが適正な運転姿勢に相当する
姿勢をとるものとされることになる運転者用シート14
の適正配置位置及びアクセルペダル17及びブレーキペ
ダル18の夫々の適正配置位置,乗員標準モデルCが運
転者用シート14に着座せしめられたとき、乗員標準モ
デルCのアイポイントが適正な位置に置かれるとともに
乗員標準モデルCが適正な運転姿勢に相当する姿勢をと
るものとされることになる運転者用シート14の適正配
置位置及びアクセルペダル17及びブレーキペダル18
の夫々の適正配置位置、及び、乗員標準モデルDが運転
者用シート14に着座せしめられたとき、乗員標準モデ
ルDのアイポイントが適正な位置に置かれるとともに乗
員標準モデルDが適正な運転姿勢に相当する姿勢をとる
ものとされることになる運転者用シート14の適正配置
位置及びアクセルペダル17及びブレーキペダル18の
夫々の適正配置位置が定められる。
【0042】次に、運転者用シート14に乗員標準モデ
ルAが着座せしめられた場合,運転者用シート14に乗
員標準モデルBが着座せしめられた場合,運転者用シー
ト14に乗員標準モデルCが着座せしめられた場合、及
び、運転者用シート14に乗員標準モデルDが着座せし
められた場合の夫々において設定された運転者用シート
14の適正配置位置、及び、アクセルペダル17及びブ
レーキペダル18の夫々の適正配置位置が、夫々、シー
ト可動支持機構部20におけるシートクッションフレー
ム部材37の後方部分37Rの、運転者用シート14が
基準位置あるときの位置からの移動量であるシート移動
量XS、及び、アクセルペダル可動支持機構部24にお
けるペダル保持部材56及びブレーキペダル可動支持機
構部27におけるペダル保持部材67の夫々の、アクセ
ルペダル17及びブレーキペダル18の夫々が基準位置
にあるときの位置からの移動量であるペダル移動量XP
をもってあらわされる。
【0043】そして、運転者用シート14に乗員標準モ
デルAが着座せしめられた場合,運転者用シート14に
乗員標準モデルBが着座せしめられた場合,運転者用シ
ート14に乗員標準モデルCが着座せしめられた場合、
及び、運転者用シート14に乗員標準モデルDが着座せ
しめられた場合の夫々におけるシート移動量XS及びペ
ダル移動量XPに基づいて、例えば、図8に示される特
性図において曲線によりあらわされる如くの、運転者用
シート14,アクセルペダル17及びブレーキペダル1
8の夫々の配置位置についての移動特性が求められ、斯
かる移動特性をあらわすものとして調整用データDXが
設定される。図8において、点P0は運転者用シート1
4,アクセルペダル17及びブレーキペダル18の夫々
が基準位置にある状態に対応し、点P1,P2,P3及
びP4は、夫々、運転者用シート14に乗員標準モデル
Aが着座せしめられた場合,運転者用シート14に乗員
標準モデルBが着座せしめられた場合,運転者用シート
14に乗員標準モデルCが着座せしめられた場合、及
び、運転者用シート14に乗員標準モデルDが着座せし
められた場合に対応している。
【0044】このようなもとで、運転姿勢調整は、運転
者により調整開始用操作部71もしくは73が操作され
たとき開始される。その際、例えば、調整開始用操作部
71が操作されるときには、運転者用シート14の配置
位置とアクセルペダル17及びブレーキペダル18の夫
々の配置位置とが各々の基準位置から離れる方向に移動
せしめられる状態のもとでの運転姿勢調整が行われ、そ
れに対して、調整開始用操作部73が操作されるときに
は、運転者用シート14の配置位置とアクセルペダル1
7及びブレーキペダル18の夫々の配置位置とが各々の
基準位置に向かう方向に移動せしめられる状態のもとで
の運転姿勢調整が行われるように設定される。そして、
運転姿勢調整が行われているもとで、運転者により調整
終了用操作部72が操作されたときには、調整開始用操
作部71が操作されることにより開始された運転姿勢調
整が終了せしめられ、また、運転者により調整終了用操
作部74が操作されたときには、調整開始用操作部73
が操作されることにより開始された運転姿勢調整が終了
せしめられる。
【0045】調整開始用操作部71が操作されると、調
整開始用操作部71からその操作に応じて動作指令信号
CAが送出されてアクチュエータ駆動制御部70におけ
る制御ユニット75に供給される。制御ユニット75に
おいては、動作指令信号CAに応じて、ROM76に、
それに格納されている調整用データDXの読出しを指示
する読出制御信号CRが供給され、ROM76から調整
用データDXが読み出されて制御ユニット75に供給さ
れる。また、動作指令信号CAに応じて、プランジャ制
御信号CPRがプランジャ駆動部84に供給され、それ
に応じて、プランジャ駆動部84から、プランジャ制御
信号CPRに基づくプランジャ駆動信号DPRがアクセ
ルペダルロック用プランジャ82に供給される。それに
より、アクセルペダルロック用プランジャ82が作動状
態とされ、その可動ロッド82aが伸長状態をとるもの
とされて、可動ロッド82aの先端部が係止部材81の
鋸波状部分81aに係合し、アクセルペダル17がその
ときの踏込操作位置に維持される状態とされる。
【0046】そして、制御ユニット75においては、シ
ートスライド用モータ36に付設されたエンコーダから
の検出出力信号SSとシート昇降用モータ43に付設さ
れたエンコーダからの検出出力信号SLとに基づいて運
転者用シート14の基準位置に対する相対配置位置が検
知され、また、アクセルペダル移動用モータ58に付設
されたエンコーダからの検出出力信号SAに基づいてア
クセルペダル17の基準位置に対する相対配置位置が、
そして、ブレーキペダル移動用モータ69に付設された
エンコーダからの検出出力信号SBに基づいてブレーキ
ペダル18の基準位置に対する相対配置位置が夫々検知
される。そして、検知された運転者用シート14の配置
位置とアクセルペダル17及びブレーキペダル18の夫
々の配置位置とが、調整用データDXがあらわす移動特
性に照合され、運転者用シート14の配置位置を調整用
データDXがあらわす移動特性に従って基準位置から離
れる方向に移動させるためのモータ制御信号CMS及び
CML,アクセルペダル17の配置位置を調整用データ
DXがあらわす移動特性に従って基準位置から離れる方
向に移動させるためのモータ制御信号CMA、及び、ブ
レーキペダル18の配置位置を調整用データDXがあら
わす移動特性に従って基準位置から離れる方向に移動さ
せるためのモータ制御信号CMBが形成され、それら
が、モータ駆動部77,78,79及び80に夫々供給
される。
【0047】さらに、制御ユニット75において、車速
センサ85から供給される検出出力信号SVがあらわす
車両の走行速度Vvが零であるか否かが判断されて、車
両が走行していない状態もしくは車両が走行している状
態が検知される。そして、車両が走行していない状態が
検知されたときには、制御ユニット75からモータ駆動
部77,78,79及び80へのモータ回転制御信号C
SS,CSL,CSA及びCSBの供給は行われず、従
って、モータ駆動部77,78,79及び80の夫々に
おけるモータ回転制御信号CSS,CSL,CSA及び
CSBに応じた制御は行われない。それに対して、車両
が走行している状態が検知されたときには、制御ユニッ
ト75からモータ駆動部77,78,79及び80に夫
々モータ回転制御信号CSS,CSL,CSA及びCS
Bが供給され、それにより、モータ駆動部77,78,
79及び80において夫々モータ回転制御信号CSS,
CSL,CSA及びCSBに応じた制御が行われる。
【0048】制御ユニット75において車両が走行して
いない状態が検知され、モータ駆動部77,78,79
及び80の夫々におけるモータ回転制御信号CSS,C
SL,CSA及びCSBに応じた制御が行われない場合
には、モータ駆動部77においてモータ制御信号CMS
に基づいて得られるモータ駆動信号DSが、シートスラ
イド用モータ36に所定のレベルVASを有する電機子
電圧及び所定のレベルIFSを有する界磁電流を供給す
るものとされ、モータ駆動部78においてモータ制御信
号CMLに基づいて得られるモータ駆動信号DLが、シ
ート昇降用モータ43に所定のレベルVALを有する電
機子電圧及び所定のレベルIFLを有する界磁電流を供
給するものとされ、モータ駆動部79においてモータ制
御信号CMAに基づいて得られるモータ駆動信号DA
が、アクセルペダル移動用モータ58に所定のレベルV
AAを有する電機子電圧及び所定のレベルIFAを有す
る界磁電流を供給するものとされ、さらに、モータ駆動
部80においてモータ制御信号CMBに基づいて得られ
るモータ駆動信号DBが、ブレーキペダル移動用モータ
69に所定のレベルVABを有する電機子電圧及び所定
のレベルIFBを有する界磁電流を供給するものとされ
る。
【0049】それにより、シートスライド用モータ36
が、レベルVASを有する電機子電圧及びレベルIFS
を有する界磁電流に応じた所定の回転速度をもって回転
状態とされるとともに、シート昇降用モータ43が、レ
ベルVALを有する電機子電圧及びレベルIFLを有す
る界磁電流に応じた所定の回転速度をもって回転状態と
され、運転者用シート14の配置位置が、調整用データ
DXがあらわす移動特性に従って基準位置から離れる方
向に所定の移動速度Vssをもって移動せしめられる。
また、それとともに、アクセルペダル移動用モータ58
が、レベルVAAを有する電機子電圧及びレベルIFA
を有する界磁電流に応じた所定の回転速度をもって回転
状態とされ、アクセルペダル17の配置位置が、調整用
データDXがあらわす移動特性に従って基準位置から離
れる方向に所定の移動速度Vsaをもって移動せしめら
れ、同様に、ブレーキペダル移動用モータ69が、レベ
ルVABを有する電機子電圧及びレベルIFBを有する
界磁電流に応じた所定の回転速度をもって回転状態とさ
れ、ブレーキペダル18の配置位置が、調整用データD
Xがあらわす移動特性に従って基準位置から離れる方向
に所定の移動速度Vsbをもって移動せしめられる。そ
の結果、車両が走行状態とされていないときには、運転
者用シート14の配置位置,アクセルペダル17の配置
位置及びブレーキペダル18の配置位置の各々が、夫
々、運転者用シート14の基準位置,アクセルペダル1
7の基準位置及びブレーキペダル18の基準位置から離
れる方向に移動せしめられ、各々の移動速度がVss,
Vsa及びVsbとされたもとでの運転姿勢調整が行わ
れる状態とされる。
【0050】斯かるもとで、調整終了用操作部72が操
作されると、調整終了用操作部72からその操作に応じ
て動作指令信号CBが送出されてアクチュエータ駆動制
御部70における制御ユニット75に供給される。制御
ユニット75においては、動作指令信号CBに応じて、
モータ駆動部77,78,79及び80に対してなされ
る夫々モータ制御信号CMS,CML,CMA及びCM
Bの供給が停止され、それに応じて、モータ駆動部7
7,78,79及び80からのモータ駆動信号DS,D
L,DA及びDBの夫々シートスライド用モータ36,
シート昇降用モータ43,アクセルペダル移動用モータ
58及びブレーキペダル移動用モータ69への供給も停
止され、シートスライド用モータ36,シート昇降用モ
ータ43,アクセルペダル移動用モータ58及びブレー
キペダル移動用モータ69の夫々が停止状態とされる。
それにより、運転者用シート14,アクセルペダル17
及びブレーキペダル18の夫々の配置位置が固定され、
運転姿勢調整が終了せしめられる。さらに、制御ユニッ
ト75においては、動作指令信号CBに応じて、プラン
ジャ駆動部84に対してなされるプランジャ制御信号C
PRの供給も停止され、それに応じて、アクセルペダル
ロック用プランジャ82が非作動状態とされ、その可動
ロッド82aが収縮状態に維持されて、その先端部が係
止部材81の鋸波状部分81aに係合しないものとさ
れ、アクセルペダル17がその踏込操作位置が固定され
た状態から解放される。
【0051】一方、制御ユニット75において車両が走
行している状態が検知され、モータ駆動部77,78,
79及び80の夫々におけるモータ回転制御信号CS
S,CSL,CSA及びCSBに応じた制御が行われる
場合には、モータ駆動部77においてモータ制御信号C
MSに基づいて得られるモータ駆動信号DSが、モータ
回転制御信号CSSに応じた制御により、シートスライ
ド用モータ36にレベルVASより小なるレベルVA
S’を有する電機子電圧及びレベルIFSを有する界磁
電流を供給するものとされ、モータ駆動部78において
モータ制御信号CMLに基づいて得られるモータ駆動信
号DLが、モータ回転制御信号CSLに応じた制御によ
り、シート昇降用モータ43にレベルVALより小なる
レベルVAL’を有する電機子電圧及びレベルIFLを
有する界磁電流を供給するものとされ、さらに、モータ
駆動部79においてモータ制御信号CMAに基づいて得
られるモータ駆動信号DAが、モータ回転制御信号CS
Aに応じた制御により、アクセルペダル移動用モータ5
8にレベルVAAより小なるレベルVAA’を有する電
機子電圧及び所定のレベルIFAを有する界磁電流を供
給するものとされる。そして、モータ駆動部80におい
ては、モータ回転制御信号CSBに応じた制御により、
モータ制御信号CMBに基づいて得られるモータ駆動信
号DBがブレーキペダル移動用モータ69に供給されな
い状態がとられる。
【0052】それにより、シートスライド用モータ36
が、レベルVASより小なるレベルVAS’を有する電
機子電圧及びレベルIFSを有する界磁電流に応じて、
レベルVASを有する電機子電圧が供給される場合の回
転速度より低い回転速度をもって回転状態とされるとと
もに、シート昇降用モータ43が、レベルVALより小
なるレベルVAL’を有する電機子電圧及びレベルIF
Lを有する界磁電流に応じて、レベルVALを有する電
機子電圧が供給される場合の回転速度より低い回転速度
をもって回転状態とされ、運転者用シート14の配置位
置が、調整用データDXがあらわす移動特性に従って基
準位置から離れる方向に移動速度Vssより遅い、例え
ば、移動速度Vssの1/2程度とされる移動速度Vs
s’をもって移動せしめられる。また、それとともに、
アクセルペダル移動用モータ58が、レベルVAAより
小なるレベルVAA’を有する電機子電圧及びレベルI
FAを有する界磁電流に応じて、レベルVAAを有する
電機子電圧が供給される場合の回転速度より低い回転速
度をもって回転状態とされ、アクセルペダル17の配置
位置が、調整用データDXがあらわす移動特性に従って
基準位置から離れる方向に移動速度Vsaより遅い、例
えば、移動速度Vsaの1/2程度とされる移動速度V
sa’をもって移動せしめられる。それに対して、ブレ
ーキペダル移動用モータ69については、モータ駆動部
80からのモータ駆動信号DBが供給されないことによ
り回転状態とされず、従って、ブレーキペダル18の配
置位置の移動が禁止されて、ブレーキペダル18の配置
位置調整は行われないことになる。
【0053】その結果、車両が走行状態とされていると
きには、運転者用シート14の配置位置及びアクセルペ
ダル17の配置位置の各々が、夫々、運転者用シート1
4の基準位置及びアクセルペダル17の基準位置から離
れる方向に移動せしめられ、各々の移動速度がVssよ
り遅いVss’及びVsaより遅いVsa’とされると
ともに、ブレーキペダル18の配置位置の移動が禁止さ
れたもとでの運転姿勢調整が行われる状態とされる。こ
のように、車両の走行中において運転姿勢調整が行われ
る際には、運転者用シート14の配置位置調整及びアク
セルペダル17の配置位置調整のみが行われて、ブレー
キペダル18の配置位置調整は行われず、しかも、運転
者用シート14の配置位置の移動及びアクセルペダル1
7の配置位置の移動が、車両が走行状態にないもとで運
転姿勢調整が行われる場合に比して遅い移動速度をもっ
て行われるものとされることにより、配置位置調整に伴
う運転者用シート14,アクセルペダル17及びブレー
キペダル18の配置位置の移動態様に十分な安全面から
の配慮が払われた状態が得られ、運転者用シート14,
アクセルペダル17及びブレーキペダル18の配置位置
調整に起因して運転者の運転姿勢が一時的に不安定なも
のとされる事態が回避される。
【0054】そして、斯かるもとで、調整終了用操作部
72が操作されると、調整終了用操作部72からその操
作に応じて動作指令信号CBが送出されてアクチュエー
タ駆動制御部70における制御ユニット75に供給され
る。制御ユニット75においては、動作指令信号CBに
応じて、モータ駆動部77,78,79及び80に対し
てなされる夫々モータ制御信号CMS,CML,CMA
及びCMBの供給、及び、モータ回転制御信号CSS,
CSL,CSA及びCSBの供給が停止され、それに応
じて、ブレーキペダル移動用モータ69に加え、シート
スライド用モータ36,シート昇降用モータ43及びア
クセルペダル移動用モータ58の夫々も停止状態とされ
て、運転者用シート14及びアクセルペダル17の夫々
の配置位置が固定され、運転姿勢調整が終了せしめられ
る。さらに、制御ユニット75においては、動作指令信
号CBに応じて、プランジャ駆動部84に対してなされ
るプランジャ制御信号CPRの供給も停止され、それに
応じて、アクセルペダルロック用プランジャ82が非作
動状態とされ、その可動ロッド82aが収縮状態に維持
されて、その先端部が係止部材81の鋸波状部分81a
に係合しないものとされ、アクセルペダル17がその踏
込操作位置が固定された状態から解放される。
【0055】また、調整開始用操作部73が操作される
と、調整開始用操作部73からその操作に応じて動作指
令信号CCが送出されてアクチュエータ駆動制御部70
における制御ユニット75に供給される。制御ユニット
75においては、動作指令信号CCに応じて、ROM7
6に、それに格納されている調整用データDXの読出し
を指示する読出制御信号CRが供給され、ROM76か
ら調整用データDXが読み出されて制御ユニット75に
供給される。また、動作指令信号CCに応じて、プラン
ジャ制御信号CPRがプランジャ駆動部84に供給さ
れ、それにより、アクセルペダルロック用プランジャ8
2が作動状態とされて、その可動ロッド82aの先端部
が係止部材81の鋸波状部分81aに係合し、アクセル
ペダル17がそのときの踏込操作位置に維持される状態
とされる。
【0056】そして、制御ユニット75においては、調
整開始用操作部71が操作された場合と同様にして、運
転者用シート14の基準位置に対する相対配置位置,ア
クセルペダル17の基準位置に対する相対配置位置、及
び、ブレーキペダル18の基準位置に対する相対配置位
置が夫々検知され、検知された運転者用シート14の配
置位置とアクセルペダル17及びブレーキペダル18の
夫々の配置位置とが、調整用データDXがあらわす移動
特性に照合されて、運転者用シート14の配置位置を調
整用データDXがあらわす移動特性に従って基準位置に
向かう方向に移動させるためのモータ制御信号CMS及
びCML,アクセルペダル17の配置位置を調整用デー
タDXがあらわす移動特性に従って基準位置に向かう方
向に移動させるためのモータ制御信号CMA、及び、ブ
レーキペダル18の配置位置を調整用データDXがあら
わす移動特性に従って基準位置に向かう方向に移動させ
るためのモータ制御信号CMBが形成され、それらが、
モータ駆動部77,78,79及び80に夫々供給され
る。
【0057】さらに、制御ユニット75において、車速
センサ85から供給される検出出力信号SVがあらわす
車両の走行速度Vvが零であるか否かが判断されて、車
両が走行していない状態もしくは車両が走行している状
態が検知される。そして、車両が走行していない状態が
検知されたときには、制御ユニット75からモータ駆動
部77,78,79及び80へのモータ回転制御信号C
SS,CSL,CSA及びCSBの供給は行われず、従
って、モータ駆動部77,78,79及び80の夫々に
おけるモータ回転制御信号CSS,CSL,CSA及び
CSBに応じた制御は行われない。それに対して、車両
が走行している状態が検知されたときには、制御ユニッ
ト75からモータ駆動部77,78,79及び80に夫
々モータ回転制御信号CSS,CSL,CSA及びCS
Bが供給され、それにより、モータ駆動部77,78,
79及び80において夫々モータ回転制御信号CSS,
CSL,CSA及びCSBに応じた制御が行われる。
【0058】そして、制御ユニット75において車両が
走行していない状態が検知されたときには、調整開始用
操作部71が操作された場合と同様にして、モータ駆動
部77,78,79及び80からモータ制御信号CM
S,CML,CMA及びCMBに基づいて得られるモー
タ駆動信号DS,DL,DA及びDBが、夫々、シート
スライド用モータ36,シート昇降用モータ43,アク
セルペダル移動用モータ58及びブレーキペダル移動用
モータ69に所定のレベルを有する電機子電圧及び所定
のレベルを有する界磁電流を供給するものとされる。そ
れにより、シートスライド用モータ36,シート昇降用
モータ43,アクセルペダル移動用モータ58及びブレ
ーキペダル移動用モータ69の夫々が所定の回転速度を
もって回転状態とされ、運転者用シート14の配置位
置,アクセルペダル17の配置位置及びブレーキペダル
18の配置位置の各々が、夫々、運転者用シート14の
基準位置,アクセルペダル17の基準位置及びブレーキ
ペダル18の基準位置に向かう方向に所定の移動速度を
もって移動せしめられるもとでの運転姿勢調整が行われ
る状態とされる。
【0059】斯かるもとで、調整終了用操作部74が操
作されると、調整終了用操作部74からその操作に応じ
て動作指令信号CDが送出されてアクチュエータ駆動制
御部70における制御ユニット75に供給される。制御
ユニット75においては、動作指令信号CDに応じて、
モータ駆動部77,78,79及び80に対してなされ
る夫々モータ制御信号CMS,CML,CMA及びCM
Bの供給が停止され、それに応じて、シートスライド用
モータ36,シート昇降用モータ43,アクセルペダル
移動用モータ58及びブレーキペダル移動用モータ69
の夫々が停止状態とされ、それにより、運転者用シート
14,アクセルペダル17及びブレーキペダル18の夫
々の配置位置が固定されて運転姿勢調整が終了せしめら
れる。さらに、制御ユニット75においては、動作指令
信号CDに応じて、プランジャ駆動部84に対してなさ
れるプランジャ制御信号CPRの供給も停止され、それ
に応じて、アクセルペダルロック用プランジャ82が非
作動状態とされ、アクセルペダル17がその踏込操作位
置が固定された状態から解放される。
【0060】一方、制御ユニット75において車両が走
行している状態が検知されたときには、調整開始用操作
部71が操作された場合と同様にして、モータ駆動部7
7,78,79及び80の夫々におけるモータ回転制御
信号CSS,CSL,CSA及びCSBに応じた制御に
より、モータ駆動部77,78及び79からモータ制御
信号CMS,CML及びCMAに基づいて得られるモー
タ駆動信号DS,DL及びDAが、夫々、シートスライ
ド用モータ36,シート昇降用モータ43及びアクセル
ペダル移動用モータ58に、車両が走行していない状態
が検知された場合に比して小なるものとされたレベルを
有する電機子電圧及び所定のレベルを有する界磁電流を
供給するものとされ、さらに、モータ駆動部80からモ
ータ制御信号CMBに基づいて得られるモータ駆動信号
DBのブレーキペダル移動用モータ69への供給がなさ
れない状態とされる。それにより、シートスライド用モ
ータ36,シート昇降用モータ43及びアクセルペダル
移動用モータ58の夫々が、車両が走行していない状態
が検知された場合に比して低い回転速度をもって回転状
態とされ、また、ブレーキペダル移動用モータ69が回
転状態とされないものとされる。
【0061】従って、運転者用シート14の配置位置及
びアクセルペダル17の配置位置の夫々が、調整用デー
タDXがあらわす移動特性に従って各々の基準位置に向
かう方向に、車両が走行していない状態が検知された場
合に比して遅い移動速度をもって移動せしめられ、ま
た、ブレーキペダル18の配置位置の移動が禁止され
て、ブレーキペダル18の配置位置調整が行われないも
とでの運転姿勢調整が行われる状態とされる。このよう
に、車両の走行中において運転姿勢調整が行われる際に
は、運転者用シート14の配置位置調整及びアクセルペ
ダル17の配置位置調整のみが行われて、ブレーキペダ
ル18の配置位置調整は行われず、しかも、運転者用シ
ート14の配置位置の移動及びアクセルペダル17の配
置位置の移動が、車両が走行状態にないもとで運転姿勢
調整が行われる場合に比して遅い移動速度をもって行わ
れるものとされることにより、配置位置調整に伴う運転
者用シート14,アクセルペダル17及びブレーキペダ
ル18の配置位置の移動態様に十分な安全面からの配慮
が払われた状態が得られ、運転者用シート14,アクセ
ルペダル17及びブレーキペダル18の配置位置調整に
起因して運転者の運転姿勢が一時的に不安定なものとさ
れる事態が回避される。
【0062】そして、斯かるもとで、調整終了用操作部
74が操作されると、調整終了用操作部74からその操
作に応じて動作指令信号CDが送出されてアクチュエー
タ駆動制御部70における制御ユニット75に供給さ
れ、それに応じて、車両が走行していない状態が検知さ
れた場合と同様に、運転者用シート14及びアクセルペ
ダル17の夫々の配置位置が固定されて運転姿勢調整が
終了せしめられ、さらに、アクセルペダル17がその踏
込操作位置が固定された状態から解放される。
【0063】このようにして、運転者用シート14及び
アクセルペダル17,ブレーキペダル18の夫々が、運
転者のアイポイントが適正な位置に置かれるとともに運
転姿勢が適正なものとされることになる適正配置位置を
とるものとされる運転姿勢調整が、運転者にとって煩雑
で面倒な調整作業が不要とされるもとで極めて容易に行
われる。しかも、調整開始用操作部71もしくは73が
操作されて運転姿勢調整が行われる際に、アクセルペダ
ル17の配置位置調整が行われる期間においてはアクセ
ルペダル17がその踏込操作位置が固定された状態とさ
れ、運転姿勢調整が終了すると、直ちに、アクセルペダ
ル17がその踏込操作位置が固定された状態から解放さ
れるようにされている。このようにされることにより、
運転姿勢調整が、車両が走行していない状態及び車両が
走行している状態のいずれにおいて行われる場合にも、
アクセルペダル17の配置位置調整が、アクセルペダル
17が運転者による踏込操作に対して適切な位置に置か
れるようにされ、しかも、そのアクセルペダル17の配
置位置調整が車両の走行に支障を及ぼさないものとされ
て行われることになる。
【0064】アクチュエータ駆動制御部70における制
御ユニット75は、上述の如くにして、車両が走行状態
にないもとで運転姿勢調整が行われる場合と車両が走行
状態にあるもとで運転姿勢調整が行われる場合とで、運
転者用シート14,アクセルペダル17及びブレーキペ
ダル18の夫々の配置位置調整を異なった態様のものと
なす制御を行うにあたっては、例えば、図9に示される
フローチャートによりあらわされる制御プログラムを実
行する。
【0065】図9のフローチャートによりあらわされる
制御プログラムにあっては、スタート後、ステップ91
において、調整開始用操作部71もしくは73が操作さ
れて送出される動作指令信号CAもしくはCCが到来し
たか否かを判断する。その結果、動作指令信号CAもし
くはCCが到来した場合には、ステップ92において、
車速センサ85からの検出出力信号SVがあらわす車両
の走行速度Vvが零であるか否かを判断する。その結
果、検出出力信号SVがあらわす車両の走行速度Vvが
零である場合、即ち、車両が走行状態にない場合には、
ステップ91に戻り、また、検出出力信号SVがあらわ
す車両の走行速度Vvが零でない場合、即ち、車両が走
行状態にある場合には、ステップ93において、信号送
出フラッグFCが“1”とされているか否かを判断す
る。
【0066】ステップ93での判断の結果、信号送出フ
ラッグFCが“1”とされていない場合には、ステップ
94において、モータ回転制御信号CSS,CSL及び
CSAの夫々モータ駆動部77,78及び79への送出
を開始し、さらに、ステップ95において、モータ回転
制御信号CSBのモータ駆動部80への送出を開始す
る。その後、ステップ96において、信号送出フラッグ
FCを“1”にし、ステップ91に戻る。一方、ステッ
プ93での判断の結果、信号送出フラッグFCが“1”
とされている場合には、ステップ93から直接にステッ
プ91に戻る。
【0067】また、ステップ91での判断の結果、動作
指令信号CA及びCCのいずれもが到来していない場合
には、ステップ97において、調整終了用操作部72も
しくは74が操作されて送出される動作指令信号CBも
しくはCDが到来したか否かを判断する。その結果、動
作指令信号CB及びCDのいずれもが到来していない場
合には、ステップ91に戻り、動作指令信号CBもしく
はCDが到来した場合には、ステップ98において、モ
ータ回転制御信号CSS,CSL及びCSAの夫々モー
タ駆動部77,78及び79への送出を停止し、さら
に、ステップ99において、モータ回転制御信号CSB
のモータ駆動部80への送出を停止する。その後、ステ
ップ100において、信号送出フラッグFCを“0”に
し、ステップ91に戻る。
【0068】上述の図1に示される例においては、車両
が走行している状態のもとで運転姿勢調整が行われる際
に、運転者用シート14及びアクセルペダル17の配置
位置調整にあたって、運転者用シート14の配置位置及
びアクセルペダル17の配置位置の夫々の移動速度を、
車両が走行していない状態のもとで運転姿勢調整が行わ
れる場合に比して遅いものとなすようにされているが、
それとは異なり、運転者用シート14の配置位置の移動
速度は、車両が走行していない状態のもとで運転姿勢調
整が行われる場合と同様にし、アクセルペダル17の配
置位置の移動速度のみ、車両が走行していない状態のも
とで運転姿勢調整が行われる場合に比して遅いものとな
すようしてもよい。
【0069】同様に、図1に示される例においては、車
両が走行している状態のもとで運転姿勢調整が行われる
際に、アクセルペダル17の配置位置調整は行われ、ブ
レーキペダル18の配置位置調整が行われないものとさ
れているが、それとは異なり、車両が走行している状態
のもとで運転姿勢調整が行われる際には、アクセルペダ
ル17の配置位置調整とブレーキペダル18の配置位置
調整との両者が行われないようにされてもよい。斯かる
場合には、例えば、モータ駆動部79におけるモータ回
転制御信号CSAに応じた制御が、モータ駆動部79に
おいてモータ制御信号CMAに基づいて得られるモータ
駆動信号DAがアクセルペダル移動用モータ58に供給
されないようになすものとされる。
【0070】また、図1に示される例においては、アク
セルペダル可動支持機構部24が、ブラケット部材50
に対して移動可能に取り付けられたペダル保持部材56
により揺動可能に保持されたアクセルぺダル17を、車
両の前後方向に移動させるものとされ、また、ブレーキ
ペダル可動支持機構部27が、ブラケット形成部材61
に対して移動可能に取り付けられたペダル保持部材67
により揺動可能に保持されたブレーキぺダル18を、車
両の前後方向に移動させるものとされているが、アクセ
ルペダル可動支持機構部24は、例えば、ブラケット部
材56に形成される長孔51及び52及び開口部53の
夫々が、前後方向に伸びるとともに、前端部が後端部よ
り高くなるように傾斜したものとされ、それよって、ア
クセルぺダル17を運転者用シート14に向かう方向に
移動させるときにはその上下方向の位置を低め、また、
運転者用シート14から離隔する方向に移動させるとき
にはその上下方向の位置を高めるようになすものとされ
てもよく、さらに、ブレーキペダル可動支持機構部27
も、例えば、ブラケット形成部材61に形成される長孔
62及び63及び開口部64の夫々が、前後方向に伸び
るとともに、前端部が後端部より高くなるように傾斜し
たものとされ、それよって、ブレーキぺダル18を運転
者用シート14に向かう方向に移動させるときにはその
上下方向の位置を低め、また、運転者用シート14から
離隔する方向に移動させるときにはその上下方向の位置
を高めるようになすものとされてもよい。
【0071】アクセルペダル可動支持機構部24及びブ
レーキペダル可動支持機構部27が夫々アクセルぺダル
17及びブレーキぺダル18を上述の如くに上下方向に
も移動させる場合には、アクセルぺダル17及びブレー
キぺダル18の夫々が、その移動に伴って踏角が運転者
による踏込動作が行われ易くなるように変化せしめられ
ることになる。
【0072】さらに、図1に示される例における運転者
用シート14とアクセルぺダル17及びブレーキぺダル
18の夫々とは、図10において実線により示される如
くに(アクセルぺダル17は示されていない)、運転者
用シート14が、そのシートクッションフレーム部材3
7の後方部分37Rがスライド機構による前後方向の移
動範囲における最後端でかつ昇降機構による上下方向の
移動範囲における最下端となる位置をとるものとされ、
また、アクセルぺダル17及びブレーキぺダル18の夫
々が、最も運転者用シート14に対する離隔側に寄った
前端位置をとるものとされて、各々の移動調整範囲内に
おいて相互間距離が最大となる位置に置かれた状態をも
って、各々の基準位置に置かれた状態とされている。そ
して、運転姿勢調整は、運転者用シート14とアクセル
ぺダル17及びブレーキぺダル18の夫々が、図10に
おいて一点鎖線により示され(アクセルぺダル17は示
されていない)、白抜矢印によってあらわされる如く
に、各々の基準位置から離れる方向に移動せしめられ、
それにより、互いに逆で、相互に近接する方向に移動せ
しめられる状態、もしくは、各々の基準位置に向かう方
向に移動せしめられ、それにより、互いに逆で、相互に
離隔する方向に移動せしめられる状態とされて行われ
る。
【0073】しかしながら、運転者用シート14,アク
セルぺダル17及びブレーキぺダル18は、必ずしも図
1に示される例における如くに設けられる必要はなく、
例えば、運転者用シート14とアクセルぺダル17及び
ブレーキぺダル18の夫々とが、各々の移動調整範囲内
において相互間距離が最小となる位置に置かれた状態を
もって各々の基準位置に置かれた状態とされ、運転姿勢
調整が、運転者用シート14とアクセルぺダル17及び
ブレーキぺダル18の夫々とが、各々の基準位置から離
れる方向に移動せしめられ、それにより、互いに逆で、
相互に離隔する方向に移動せしめられる状態、もしく
は、各々の基準位置に向かう方向に移動せしめられ、そ
れにより、互いに逆で、相互に近接する方向に移動せし
められる状態とされて行われるもの,運転者用シート1
4とアクセルぺダル17及びブレーキぺダル18の夫々
とが、運転者用シート14がそのシートクッションフレ
ーム部材37の後方部分37Rがスライド機構による前
後方向の移動範囲における最前端でかつ昇降機構による
上下方向の移動範囲における最上端となる位置をとるも
のとされ、また、アクセルぺダル17及びブレーキぺダ
ル18の夫々が最も運転者用シート14に対する離隔側
に寄った前端位置をとるものとされた状態をもって、各
々の基準位置に置かれた状態とされ、運転姿勢調整が、
運転者用シート14とアクセルぺダル17及びブレーキ
ぺダル18の夫々とが、各々の基準位置から離れる方
向、即ち、車両の後方側に移動せしめられる状態、もし
くは、各々の基準位置に向かう方向、即ち、車両の前方
側に移動せしめられる状態とされて行われるもの、ある
いは、運転者用シート14とアクセルぺダル17及びブ
レーキぺダル18の夫々とが、運転者用シート14がそ
のシートクッションフレーム部材37の後方部分37R
がスライド機構による前後方向の移動範囲における最後
端でかつ昇降機構による上下方向の移動範囲における最
下端となる位置をとるものとされ、また、アクセルぺダ
ル17及びブレーキぺダル18の夫々が最も運転者用シ
ート14に対する近接側に寄った後端位置をとるものと
された状態をもって、各々の基準位置に置かれた状態と
され、運転姿勢調整が、運転者用シート14とアクセル
ぺダル17及びブレーキぺダル18の夫々とが、各々の
基準位置から離れる方向、即ち、車両の前方側に移動せ
しめられる状態、もしくは、各々の基準位置に向かう方
向、即ち、車両の後方側に移動せしめられる状態とされ
て行われるものとなされてもよい。
【0074】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如くに、本発明
に係る車両の運転姿勢調整装置にあっては、シート部に
着座した乗員により運転姿勢調整のためのシート部及び
操作ペダル部の配置位置調整を開始させるべくなされる
調整用操作部の操作に応じて、メモリ手段に格納された
調整用データに基づいてのシート部の配置位置調整及び
操作ペダル部の配置位置調整が行われ、さらに、それに
伴って、少なくとも操作ペダル部の配置位置調整が行わ
れる際における操作ペダル部の配置位置の移動速度が、
車両が走行状態にある場合と走行状態にない場合とで異
なるものとされ、例えば、車両が走行状態にあるもとで
の配置位置調整に伴う操作ペダル部の配置位置の移動速
度が、車両が走行状態にないもとでの配置位置調整に伴
う操作ペダル部の配置位置の移動速度より小とされる。
【0075】このようにして行われるシート部及び操作
ペダル部の配置位置調整にあたり、調整用データが、シ
ート部に着座せしめられた乗員標準モデルが、そのアイ
ポイントが適正な位置に置かれ、かつ、適正な運転姿勢
に相当する姿勢をとるものとされるシート部及び操作ペ
ダル部の適正配置位置に関するものとされていることに
より、シート部に着座した乗員が乗員標準モデルにより
あらわされる体格から懸け離れた体格を有していない限
り、シート部及び操作ペダル部の配置位置調整中にその
乗員が適正なアイポイント位置をもって操作ペダル部の
操作を無理なく確実に行えることになるシート部及び操
作ペダル部の夫々の配置位置が得られる状態があり、例
えば、斯かる状態において乗員により調整用操作部が運
転姿勢調整のためのシート部及び操作ペダル部の配置位
置調整を終了させるべく操作されることにより、シート
部の配置位置調整及び操作ペダル部の配置位置調整が終
了せしめられる。そして、上述の如くに、少なくとも操
作ペダル部の配置位置調整が行われる際における操作ペ
ダル部の配置位置の移動速度が、車両が走行状態にある
場合と走行状態にない場合とで異なるものとされること
により、シート部及び操作ペダル部の配置位置調整に起
因して運転者の運転姿勢が一時的に不安定なものとされ
る事態が回避される。
【0076】従って、本発明に係る車両の運転姿勢調整
装置によれば、シート部に着座した乗員による適正なア
イポイント位置をもって操作ペダル部の操作を無理なく
確実に行えることになる所望の運転姿勢をとるための姿
勢調整が、調整用データに基づいてシート部及び操作ペ
ダル部について行われる配置位置調整により、乗員にと
って煩雑で面倒な調整作業が要されることなく自動的
に、しかも、配置位置調整に伴うシート部及び操作ペダ
ル部の配置位置の移動態様に十分な安全面からの配慮が
払われたもとで行われることになる。そして、調整用デ
ータが、複数種の乗員標準モデルの夫々に対応するシー
ト部及び操作ペダル部の適正配置位置に基づいて得られ
るシート部及び操作ペダル部についての移動特性をあら
わすものとして用意され、その調整用データによりあら
わされる移動特性に従ってシート可動支持機構部及びペ
ダル可動支持機構部によるシート部及び操作ペダル部の
配置位置調整が行われるようにされることにより、シー
ト部に着座した乗員による適正なアイポイント位置をも
って操作ペダル部の操作を無理なく確実に行える所望の
運転姿勢をとるための姿勢調整が、例外的な場合を除い
て、乗員の身体寸法の如何にかかわらず適切に行われる
ことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両の運転姿勢調整装置の一例
を、それが装備された車両の車室形成部の一部と共に示
す斜視図である。
【図2】図1に示される例におけるシート可動支持機構
部の一例の構成及び動作の説明に供される側面図であ
る。
【図3】図1に示される例におけるアクセルペダル可動
支持機構部の一例の構成及び動作の説明に供される斜視
図である。
【図4】図1に示される例におけるアクセルペダル可動
支持機構部の一例の構成及び動作の説明に供される斜視
図である。
【図5】図1に示される例におけるブレーキペダル可動
支持機構部の一例の構成及び動作の説明に供される斜視
図である。
【図6】図1に示される例におけるブレーキペダル可動
支持機構部の一例の構成及び動作の説明に供される斜視
図である。
【図7】図1に示される例における調整用操作部と、ア
クチュエータ駆動制御部と、シート可動支持機構部,ア
クセルペダル可動支持機構部及びブレーキペダル可動支
持機構部の夫々におけるモータと、アクセルペダル可動
支持機構部におけるプランジャとの接続関係を示すブロ
ック接続図である。
【図8】図1に示される例における運転者用シートとア
クセルペダル及びブレーキペダルの夫々とについての配
置位置調整の説明に供される特性図である。
【図9】図1に示される例におけるアクチュエータ駆動
制御部に含まれた制御ユニットが実行する制御プログラ
ムの一例をあらわすフローチャートである。
【図10】図1に示される例における運転者用シートと
アクセルペダル及びブレーキペダルの夫々との配置位置
調整の説明に供される概念図である。
【符号の説明】
11 フロア部分 14 運転者用シート 16 ステアリングホイール 17 アクセルペダル 18 ブレーキペダル 20 シート可動支持機構部 21,25 ケーブル部 24 アクセルペダル可動支持機構部 27 ブレーキペダル可動支持機構部 30 レール部 31 スライド部材 33,57,68 スクリュウ軸部材 36 シートスライド用モータ 37 シートクッションフレーム部材 41 屈曲アーム部材 43 シート昇降用モータ 44 スクリュウ係合軸部材 50 ブラケット部材 51,52,62,63 長孔 53,64 開口部 54,55,65,66 ピン 56,67 ペダル保持部材 58 アクセルペダル移動用モータ 61 ブラケット形成部材 69 ブレーキペダル移動用モータ 70 アクチュエータ駆動制御部 71,73 調整開始用操作部 72,74 調整終了用操作部 75 制御ユニット 76 ROM 77,78,79,80 モータ駆動部 81 係止部材 82 アクセルペダルロック用プランジャ 84 プランジャ駆動部 85 車速センサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−42336(JP,A) 特開 昭62−20737(JP,A) 実開 昭62−151131(JP,U) 実開 昭63−6947(JP,U) 実開 平1−104831(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/00 - 2/72 G05G 1/14

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の車室形成部におけるフロア部分上に
    配されるシート部を、該シート部の配置位置を上記車両
    の前後方向及び上下方向に移動可能として支持するシー
    ト可動支持機構部と、 上記シート部の前方に配された操作ペダル部を、該操作
    ペダル部の配置位置を上記シート部に向かう方向あるい
    は上記シート部から離れる方向に移動可能として支持す
    るペダル可動支持機構部と、 運転姿勢調整のための上記シート部及び上記操作ペダル
    部の配置位置調整を開始もしくは終了させるべく操作さ
    れる調整用操作部と、 上記シート部に乗員標準モデルが着座せしめられたと
    き、該乗員標準モデルのアイポイントが適正な位置に置
    かれるとともに上記乗員標準モデルが適正な運転姿勢に
    相当する姿勢をとるものとされることになる、上記シー
    ト部及び上記操作ペダル部の適正配置位置に関する調整
    用データが格納されるメモリ手段と、 上記調整用操作部の操作に応じ、上記メモリ手段から得
    られる調整用データに基づいて、上記シート可動支持機
    構部に上記シート部の配置位置調整を行わせるとともに
    上記ペダル可動支持機構部に上記操作ペダル部の配置位
    置調整を行わせる調整動作制御手段と、 上記ペダル可動支持機構部による上記操作ペダル部の配
    置位置調整が行われる際における上記操作ペダル部の配
    置位置の移動速度を、上記車両が走行状態にある場合と
    走行状態にない場合とで異ならせる移動速度制御手段
    と、を備えて構成される車両の運転姿勢調整装置。
  2. 【請求項2】メモリ手段が、複数種の乗員標準モデルの
    夫々に対応するシート部及び操作ペダル部の適正配置位
    置に基づいて得られるシート部及び操作ペダル部の配置
    位置についての移動特性をあらわす調整用データが格納
    されるものとされ、調整動作制御手段が、調整用操作部
    の操作に応じ、上記調整用データによりあらわされる移
    動特性に従って、シート可動支持機構部及びペダル可動
    支持機構部に夫々上記シート部の配置位置調整及び上記
    操作ペダル部の配置位置調整を行わせるものとされるこ
    とを特徴とする請求項1記載の車両の運転姿勢調整装
    置。
  3. 【請求項3】移動速度制御手段が、車両が走行状態にあ
    るもとでペダル可動支持機構部による操作ペダル部の配
    置位置調整が行われる際における上記操作ペダル部の配
    置位置の移動速度を、上記車両が走行状態にないもとで
    上記ペダル可動支持機構部による操作ペダル部の配置位
    置調整が行われる際における上記操作ペダル部の配置位
    置の移動速度より遅いものとなすことを特徴とする請求
    項1又は2記載の車両の運転姿勢調整装置。
  4. 【請求項4】移動速度制御手段が、車両が走行状態にあ
    るもとにおいては、ペダル可動支持機構部による操作ペ
    ダル部の配置位置調整が行われる際における上記操作ペ
    ダル部の配置位置の移動を禁止するものとされたことを
    特徴とする請求項3記載の車両の運転姿勢調整装置。
  5. 【請求項5】操作ペダル部がアクセルペダルを含むもの
    とされるとともに、ペダル踏込操作位置設定部が設けら
    れ、該ペダル踏込操作位置設定部が、上記アクセルペダ
    ルの配置位置調整が行われる期間においては、上記アク
    セルペダルに踏込操作位置を変化させない状態を維持さ
    せることを特徴とする請求項1,2又は3記載の車両の
    運転姿勢調整装置。
  6. 【請求項6】車両の車室形成部におけるフロア部分上に
    配されるシート部を、該シート部の配置位置を上記車両
    の前後方向及び上下方向に移動可能として支持するシー
    ト可動支持機構部と、 上記シート部の前方に配された操作ペダル部を、該操作
    ペダル部の配置位置を上記シート部に向かう方向あるい
    は上記シート部から離れる方向に移動可能として支持す
    るペダル可動支持機構部と、 運転姿勢調整のための上記シート部及び上記操作ペダル
    部の配置位置調整を開始もしくは終了させるべく操作さ
    れる調整用操作部と、 上記シート部に乗員標準モデルが着座せしめられたと
    き、該乗員標準モデルのアイポイントが適正な位置に置
    かれるとともに上記乗員標準モデルが適正な運転姿勢に
    相当する姿勢をとるものとされることになる、上記シー
    ト部及び上記操作ペダル部の適正配置位置に関する調整
    用データが格納されるメモリ手段と、 上記調整用操作部の操作に応じ、上記メモリ手段から得
    られる調整用データに基づいて、上記シート可動支持機
    構部に上記シート部の配置位置調整を行わせるとともに
    上記ペダル可動支持機構部に上記操作ペダル部の配置位
    置調整を行わせる調整動作制御手段と、 上記シート可動支持機構部による上記シート部の配置位
    置調整及び上記ペダル可動支持機構部による上記操作ペ
    ダル部の配置位置調整が行われる際における上記シート
    部の配置位置の移動速度及び上記操作ペダル部の配置位
    置の移動速度を、上記車両が走行状態にある場合と走行
    状態にない場合とで異ならせる移動速度制御手段と、を
    備えて構成される車両の運転姿勢調整装置。
  7. 【請求項7】移動速度制御手段が、車両が走行状態にあ
    るもとでシート可動支持機構部によるシート部の配置位
    置調整及びペダル可動支持機構部による操作ペダル部の
    配置位置調整が行われる際における上記シート部の配置
    位置の移動速度及び上記操作ペダル部の配置位置の移動
    速度を、夫々、上記車両が走行状態にないもとで上記シ
    ート可動支持機構部による上記シート部の配置位置調整
    及び上記ペダル可動支持機構部による上記操作ペダル部
    の配置位置調整が行われる際における上記シート部の配
    置位置の移動速度及び上記操作ペダル部の配置位置の移
    動速度より遅いものとなすものとされたことを特徴とす
    る請求項6記載の車両の運転姿勢調整装置。
  8. 【請求項8】操作ペダル部がアクセルペダルを含むもの
    とされるとともに、ペダル踏込操作位置設定部が設けら
    れ、該ペダル踏込操作位置設定部が、シート部の配置位
    置調整及び上記アクセルペダルの配置位置調整が行われ
    る期間においては、上記アクセルペダルに踏込操作位置
    を変化させない状態を維持させることを特徴とする請求
    項6又は7記載の車両の運転姿勢調整装置。
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