JP3311527B2 - 鋼板コイルの巻回始端位置検出方法および装置 - Google Patents

鋼板コイルの巻回始端位置検出方法および装置

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JP3311527B2 JP30464994A JP30464994A JP3311527B2 JP 3311527 B2 JP3311527 B2 JP 3311527B2 JP 30464994 A JP30464994 A JP 30464994A JP 30464994 A JP30464994 A JP 30464994A JP 3311527 B2 JP3311527 B2 JP 3311527B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼板コイルの巻回始端位
置の検出方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板コイルの巻き方は大別して2種類あ
る。一つは巻軸に取付けたグリップで鋼板の端部を把持
して巻軸に巻取っていく方法、他の一つはグリップを使
用せずフェルトで鋼板を押さえながら巻軸に巻取ってい
く方法である。一般に熱延コイルなど厚鋼板は前者で巻
取り、ローモなど薄鋼板は後者で巻取ることが多い。グ
リップで巻回始端を把持すると、該始端が屈曲して鋼板
コイルの内径孔の内方に向ってカール状に突出する傾向
がある。
【0003】フープバンド掛けのみで紙包装をしない厚
手の鋼板コイルでは、巻回始端に近接して鋼板の材質や
寸法諸元を記載したラベルを貼付けている。ラベルを剥
がしても糊が残るので、糊のついた箇所をカール部と共
に切り捨てる。切り捨て部分を最小にするため、ラベル
はカール部ないし巻回始端に近接した所定箇所に手作業
で貼付けている。
【0004】紙包装の上にさらに鉄板包装をする薄手の
鋼板コイルでは、内径孔の両端に内径リングを嵌合する
場合がある。内径リングがカール部に当たると、内径部
と内径リングとの間に隙間ができる。これは防湿の点で
不都合である。また内径部を包装する内周紙を破るおそ
れもある。このため内径リングの装着にあたっては手作
業により内径リングに設けた切欠きをカール部に位置合
わせする必要がある。
【0005】内径孔に内周紙を装着する場合、半径方向
に拡縮可能な複数セグメントを有する回転自在なマンド
レルを使用する。マンドレルに内周紙を巻取り、マンド
レルを内径孔に挿入し、セグメントを拡大して内周紙を
内径孔に貼付ける。この際、セグメントの一つがカール
部に当たると、当該セグメントで押しつけられる内周紙
と内径孔内周面との間に隙間ができる。この隙間はマン
ドレルを内径部から抜き去った後も残る。これも防湿面
で不都合である。従来は作業者がいちいち目で確認して
セグメント間の分割隙間にカール部を位置させてセグメ
ントを拡大していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】カール部を作業者がい
ちいち確認するのでは能率およびコストの面で不都合で
ある。
【0007】本発明の目的は、鋼板コイルの巻回始端位
置を自動的に検出する方法と装置を具現することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋼板コイルの
巻回始端位置を検出するために、レーザー式測距センサ
ーを使用する。このセンサーを鋼板コイルの内径孔の入
口中心に挿入し、約1回転させることにより、内径孔中
心から内径孔内周面までの距離を、円周方向等間隔の多
点位置でサンプリングする。巻回始端では少なくとも鋼
板コイルの板厚に等しい段差が存在するので、この段差
をセンサーで検知する。すなわち特許請求の範囲に記載
のように、
【0009】鋼板コイルの内径孔の中心に配設したレー
ザー式測距センサーを、前記鋼板コイルの軸線回りに少
なくとも360°の角度で連続的に回転させつつ、前記
センサーから前記内径孔の内周面までの距離Rを、円周
方向等間隔に複数箇所でサンプリングする工程、
【0010】前記センサーで測定した測定値を直前の測
定値と比較演算し、変化量ΔRを算出する工程、
【0011】前記変化量ΔRが所定の値を越える最大値
となったときの前記測距センサーの回転角を巻回始端位
置として記憶する工程とからなる鋼板コイルの巻回始端
位置検出方法。
【0012】前記センサーで測定した測定値をDn(n
=1…n)、初回測定値と2回目測定値との相加平均値
をN2、相加平均値N2と3回目測定値との相加平均値を
N3、相加平均値Nn-1とn回目測定値との相加平均値を
Nnとしたとき、測定値Dn−相加平均値Nn-1が所定の
値を越える最大値となったときの前記測距センサーの回
転角を前記鋼板コイルの巻回始端位置として記憶する工
程とからなる鋼板コイルの巻回始端位置検出方法。
【0013】鋼板コイルの内径孔に円筒状に巻いた内周
紙を挿入して貼り付けるための半径方向に拡縮可能な複
数の分割セグメントを有する回転可能なマンドレルのコ
ア軸先端に前記レーザー式測距センサーを取付け、前記
内周紙を挿入貼付けする前に、前記マンドレルの先端を
前記鋼板コイルの内径孔の端部に挿入し、前記マンドレ
ルを少なくとも360°回転させるようにした鋼板コイ
ルの巻回始端位置検出方法。
【0014】鋼板コイルの内径孔の中心に挿入可能であ
って、前記内径孔の内周面までの距離を測定可能なレー
ザー式測距センサーと、
【0015】前記測距センサーを前記鋼板コイルの内径
孔の軸線回りに少なくとも360°の角度で連続的に回
転させる回転手段と、
【0016】前記内径孔の内周面の円周方向等間隔の複
数箇所に対する前記測距センサーの測定値を前記回転手
段の回転角と関連させて記憶すると共に、前記測距セン
サーの前回測定値と今回測定値との変化量ΔRを比較演
算し、該変化量Rが所定の値を越える最大値となったか
否かを演算する演算手段と、
【0017】前記演算手段による変化量Rの最大の判定
結果に基づき、該判定の出た測定箇所での前記回転手段
の回転角を前記鋼板コイルの巻回始端位置として出力す
る出力手段とを有する鋼板コイルの巻回始端位置検出装
置。
【0018】前記回転手段が、鋼板コイルの内径孔に円
筒状に巻いた内周紙を挿入して貼付けるための半径方向
に拡縮可能な複数の分割セグメントを有する回転可能な
マンドレルであって、前記測距センサーが前記マンドレ
ルのコア軸先端に取付けられている鋼板コイルの巻回始
端位置検出装置。
【0019】以上の手段により鋼板コイルの巻回始端位
置を自動的に検出する。
【0020】
【作用】レーザー式測距センサーから発射されたレーザ
ー光が、鋼板コイル内径孔の内周面で反射して再びセン
サーに戻ってくるまでの時間によって、センサーすなわ
ち内径孔の中心から内周面までの距離が算出される。従
ってセンサーを1回転させると内周面の形状がわかる。
巻回始端位置では少なくとも鋼板の板厚と等しい段差が
あるので、この段差を検知した時のセンサーの回転角か
ら回転始端位置を割り出す。
【0021】内周面にはバリやグリースによる凹凸も存
在する。巻回始端の段差とこれら凹凸とを区別するた
め、鋼板の板厚に応じて始端の段差としての認識対象と
なり得る最小変化量ΔRないし公差を最適に選択設定
し、この公差以下の変化量は始端の段差とは判断しな
い。巻回始端では少なくとも板厚と等しい段差が突然あ
らわれる。すなわち測距データの値が急変する。そして
測距データの変化が板厚対応の所定の公差よりも大きい
場合でかつ最大のときに巻回始端と判断する。この方法
により比較的滑らかに連続する面での凹凸と、巻回始端
の段差とを峻別することができる。
【0022】巻回始端の形状は、鋼板コイルの種類や巻
取り時の状況によって変化して一定ではないが、熱延コ
イルのように被グリップ部を有する場合は、一般に内径
孔の内方に向って滑らかにカールしていることが多い。
測距センサーないし形状センサーとしては、レーザーセ
ンサーの他に超音波センサーや磁気センサーがあるが、
これらは滑らかに連続する微妙な形状変化を確実に検出
するのが難しい。
【0023】レーザー式測距センサーを鋼板コイル内径
孔の正確な中心位置で回転させ、内径孔が巻回始端以外
でほぼ完全な円形であれば、センサーが段差として検知
するのは巻回始端の段差1回のみとなり問題はない。し
かし、センサーを内径孔の正確な中心に位置決めするの
は難しい。また鋼板コイルの内径孔は一般に鋼板コイル
の自重の影響で短軸が縦方向の楕円形に変形している。
加えて、巻回始端付近では巻軸の把持装置による把持状
態ないし巻取り始めの状態によって、巻回始端付近の形
状が凹凸状に乱れる場合もある。従ってセンサーの測距
データでみるといわゆる「段差」を2回以上検出するこ
ともある。このような場合でも確実に巻回始端を検出す
るには、隣接測定点の測距データを単に比較するのでは
なく、先行測定点の測距データの相加平均値を前述の請
求項2の方法で積み上げ、この値と今回測定の測距デー
タとを比較する。そして内周面の凹凸ないし段差を実際
の段差値よりも小さい値に見做し、その値が所定の値よ
りも小さい場合は巻回始端の判断対象から除外するので
ある。
【0024】測距センサーを回転させる手段として、鋼
板コイルの内径孔に内周紙を挿入装着するマンドレルを
利用すると、鋼板コイルの梱包工程の流れとうまく合致
して非常に好都合である。つまりローモなど薄物鋼板コ
イルは防湿および変形対策として紙包装と鉄板包装の二
重包装を行なうが、内径孔に内周紙を装着する際にマン
ドレルのセグメントと鋼板コイルの巻回始端との当接を
避ける必要があるから、少なくともセグメントを拡大す
る時には巻回始端がわかっていなければならない。本発
明はマンドレルのコア軸先端に測距センサーを取付け、
内周紙を挿入する直前にマンドレルの先端を内径孔の端
部に挿入し、この状態でマンドレルを1回転させること
により巻回始端の段差を検出する。検出した始端位置情
報は、鋼板コイルの工程移動と共に当該情報を必要とす
る梱包装置などに供給される。例えば鋼板コイルの鉄板
による包装段階において、内径リングを内径孔の両端に
嵌合する工程があるが、この内径リングを装着する装置
に始端位置データが提供される。内径リングは鋼板コイ
ルの巻取り始端を避ける切欠きが形成されており、内径
リング装着装置は供給された始端位置データに基づき内
径リングの切欠きを始端位置に合わせて内径部に装着す
る。またフープバンド掛けだけをする熱延ロールの場
合、コイルの種類等を記載したラベルを自動的に貼付け
る装置に始端位置情報が供給され、ラベル貼り装置は始
端位置に近い所定位置にラベルを自動的に貼付ける。
【0025】
【実施例】以下に本発明の一実施例を図に基づき説明す
る。図1は鋼板コイルの内径孔に対する内周紙挿入装着
工程における鋼板コイル2とマンドレル4の概略を示
す。鋼板コイル2の巻回始端に、鋼板コイル2を巻取り
始める時のグリップ力で内径孔の内方に少しカール変形
した被グリップ部1が残っている。なお本発明は、被グ
リップ部1が残らない比較的薄手の鋼板コイルの巻回始
端の検出ももちろん可能である。
【0026】マンドレル4は鋼板コイル2の内径孔2a
に内周紙3を挿入装着するためのもので、図2に示すよ
うに内径孔2aに挿入可能な複数に分割されたセグメン
ト4aと、マンドレル4の内部にあって各セグメント4
aを支持するコア軸4bを有する。コア軸4bとセグメ
ント4aとの間には、セグメント4aを半径方向に拡縮
するためのリンク機構6が配設されている。コア軸4b
は図外の回転方向および前後方向の駆動手段と連結さ
れ、鋼板コイル2の巻回始端検出工程とマンドレル4に
よる内周紙3の挿入装着工程でマンドレル4を回転およ
び前後動させる。セグメント4aは図2および図3のよ
うに円弧状断面の長細い板である。2つのセグメント4
aの先端には、図2および図3に示すように内周紙3の
両端を部分的にセグメント4a表面に圧着するための紙
グリップ8がシリンダ10によって開閉自在に配設され
ている。12は紙グリップ8の回動中心となる支軸であ
る。2つのセグメント4aの先端部にはまた、内周紙3
の先端部と後端部をセグメント4a上において吸着保持
するためのバキューム吸着装置14,16が取付けられ
ている。
【0027】各セグメント4aの先端にはそれぞれタッ
チセンサー18が取付けられている。これらタッチセン
サー18は、マンドレル4を内径孔2aに挿入する際に
芯ずれなどの誤差により内径孔2aの縁に当接すると、
マンドレル4の挿入動作を非常停止させ、マンドレルの
損傷を未然に防止するためのものである。
【0028】マンドレル4のコア軸4bの先端には、レ
ーザー式測距センサー20がマンドレル4先端から突出
した状態で取付けられている。レーザー光線の発射方向
は図4(A)のように内径孔2aの半径方向と一致さ
れ、内径孔2a内周面に当たって反射したレーザー反射
光は、入射経路と同一経路でセンサー20に戻り、レー
ザー光線を発射してから戻ってくるまでの時間差でセン
サー20から内径孔2a内周面までの距離Rが測定され
るようになっている。
【0029】センサー20で得られた全データは、図5
の装置で処理される。すなわち、測距データがアンプ2
2を介して記録計23に連続的に記録される。また測距
データはアンプ22を介して演算装置24に送られ、こ
こで図6および図7に示される演算がなされて鋼板コイ
ル2の始端位置が算出され、その算出結果が被グリップ
位置表示装置26に表示されると共に、鋼板コイル2の
工程移動と共に関連装置に送られる。
【0030】図6は演算装置内での演算内容をフローチ
ャートにしたものである。まず始めに、マンドレル4の
先端のレーザー式測距センサー20が鋼板コイル2の内
径孔2a端部内に挿入されたことが確認されると(S
1)、同センサー20のレーザーが発光される(S
2)。このときマンドレル4は回転停止状態で、センサ
ー20はまだ測定を開始していない。この待機状態はタ
イマー装置がカウントを開始して2.5秒をカウントす
るまで続く(S3)。その理由は、マンドレル4が前進
して停止した直後は、マンドレル4の前進ないし停止の
衝撃でセンサー20が揺れていることが多いため、その
揺れが自然になくなるまで待つ必要があるためである。
2.5秒としたのは実験の結果必要最小限度の待ち時間
であることが確認されたからである。2.5秒が経過す
るとマンドレル4が回転し始め、センサー20から測距
データとしての測定パルスが出力される(S4)。マン
ドレル4の回転方向は、内周紙3の挿入装着工程におけ
る回転方向と同じ方向(鋼板コイル2を巻取るときの回
転方向と同じ方向。)とする。これは、通常マンドレル
4に内周紙3を巻付けた状態で鋼板コイル2の巻回始端
を検出するためである。なお、鋼板コイル2の巻取り方
向と同方向にマンドレル4を回転させつつ内周紙3を挿
入するのは、内周紙3の巻き終わり端部が巻回始端に引
っ掛からないようにするためである。
【0031】前記測定パルスとは、測定タイミングパル
ス間での入力値(測距センサー20で検出される距離
R)の最大値と最小値の差(変化量ΔR)のことであ
る。内径孔2aの内周面の円周方向等間隔に多点の測定
箇所についてセンサー20による測定がなされ、各測距
データについて、公差以上の信号かどうか(S5)、公
差以上ならば1回目の信号かどうか(S6)、前回検出
信号よりも大かどうか(S7)が判定される。1回目の
信号かどうかを判定するのは、ステップS7の比較判断
のためである。以上のやり方は、特許請求の範囲の請求
項1記載の方法である。
【0032】これに対して、請求項2に記載の前回平均
値比較モードを使用することもできる。この前回平均値
比較モードは、ステップS7の前回検出信号との比較に
代えて、図7の比較値を使用する。この比較値は、セン
サー20で測定した測定値をDn(n=1…n)、初回
測定値と2回目測定値との相加平均値をN2、相加平均
値N2と3回目測定値との相加平均値をN3としたとき、
一般式Nn=(Nn-1+Dn)/2で表される値のことで
ある。この前回平均値比較モードではセンサー20の今
回入力値と前回までの平均値との差を出力する。このた
め、マンドレル4のコア軸4bすなわちセンサー20の
振れ誤差および鋼板コイル2の自重による内径孔2aの
楕円化変形に基づく測距出力データのなだらかな変化で
は測定パルス出力値は小さく、被グリップ部1のような
突発的な変化がある所だけ大きな測定パルス出力値が出
る。このように前回平均値比較モードを使用するとセン
サー20の振れ誤差や鋼板コイル2内径孔2aの変形な
どの影響を小さく抑えることができるから、これら誤差
に基づく巻回始端位置の誤検出を防止できる。
【0033】マンドレル4が所定の回転角度(少なくと
も1回転と、通常はさらにある程度オーバーラップして
回転させる。)だけ回転すると測定を終了し(S9)、
全測定点の中で公差以上のパルス信号を少なくとも一つ
検出できたかどうかが判定され(S10)、一つも検出
できなかった場合はオペレータが臨時に目で始端を確認
して始端角度を手作業で入力する(S11)。所定の公
差以上の信号を検出できた場合は始端角度がすでに計算
されているから(S8)検出を完了する(S12)。
【0034】公差は、鋼板コイル2の内径孔2a内周面
に存在するバリやグリースを鋼板コイル2始端の段差と
して誤検出しないように所定値以上であるという第1条
件と、かつ図4(B)のように鋼板コイル2始端が浮か
ないで内径孔2aに密着している場合に鋼板コイル2始
端の板厚を始端の段差として確実に検出するように所定
値以下であるという第2条件を共に満足する値として決
定したものである。公差は鋼板コイル2の板厚により例
えば次の4通りに決められ、測定する鋼板コイル2の板
厚に応じて、図外のシーケンサからどの公差を選択する
のか演算装置に対して指示する。
【0035】 鋼板コイル2の板厚 公 差 被グリップ部1無し 1〜2mm 0.9mm 〃 2〜3mm 1.4mm 〃 3mm以上 2.0mm 被グリップ部1有り 2.4mm
【0036】次に実験結果について説明する。
【0037】 (センサー20の種類) レーザー式測距センサー20 「LB−300」(メーカー:キーエンス) 超音波式変位センサー20 「UD−310」(メーカー:キーエンス) (鋼板コイル2) 始端段差 0.6〜3.8mm 使用鋼板 冷間圧延鋼板 表面状態 錆発生部有り 黒色部作成(つや消しスプレー塗布) 塗油部作成(グリース手塗り) (グリップ位置検出結果(図8〜図10参照))
【0038】 (1)レーザー式測距センサー20 テスト回数 全60回 検出不能回数 0回 テ ス ト 条 件 回 数 板厚0.6mm 32回 (図8(1)参照) 板厚0.6mm+つや消しスプレー塗布 10回 (図8(2)参照) 板厚0.6mm+グリース塗布 10回 (図9(3)参照) 板厚3.8mm 8回 (図9(4)参照)
【0039】(2)超音波式測距センサー20 テスト回数 3回 検出不能回数 3回
【0040】レーザー式測距センサーの測定結果を示す
図8の(1)は、板厚t=0.6mmの鋼板コイルの測
定結果である。同図では1回のパルス出力しか発生して
いないので、図6のフローチャートのS8の始端角度計
算は1回のみである。図8の(2)は、板厚t=0.6
mmで巻回始端から一定長さ範囲に黒色つや消しスプレ
ーを塗布したもので、スプレーの塗布面の境目にできた
段差によって1回目の測定パルスが出力され、その後巻
回始端で2回目の測定パルスが出力されている。1回目
のパルス出力でいったん始端角度計算がなされるが(S
8)、2回目のパルス出力の方が大きいのでS8で算出
角度が更新される。
【0041】図9の(3)は、板厚t=0.6mmで巻
回始端から一定長さ範囲にグリースを塗布したもので、
グリース塗布面の境目にできた段差によって1回目の測
定パルスが出力され、その後の巻回始端で2回目の測定
パルスが出力されている。1回目のパルス出力でいった
ん始端角度計算がなされるが(S8)、2回目のパルス
出力の方が大きいのでS8で算出角度が更新される。
【0042】図9の(4)は、板厚t=3.8mmで被
グリップ部1があるもので、被グリップ部1の手前で1
回目の測定パルスが出力され、被グリップ部1で2回目
の測定パルスが出力されている。1回目のパルス出力で
いったん始端角度計算がなされるが(S8)、2回目の
パルス出力の方が大きいのでS8で算出角度が更新され
る。
【0043】図10は超音波式測距センサーを使用した
測定結果で、巻回始端位置を含めてまったく測定パルス
が出力されなかった。
【0044】なお、図8〜図10で縦方向はセンサー2
0から内径孔内周面までの距離を表わし目盛りの単位は
10mmである。横方向は右方向に進む時間を表わし目
盛りの単位は1秒である。
【0045】
【発明の効果】本発明は前述の如く、レーザー式測距セ
ンサーを使用して鋼板コイルの巻回始端の段差からその
位置を自動的に検知するようにしたから、従来手作業で
行なっていたラベル貼りや内径リング装着などを自動化
する際の最も重要な巻回始端位置情報を提供できる。
【0046】またセンサーを、鋼板コイルの内径孔に内
周紙を装着する従来のマンドレルのコア軸先端に取付け
ることにより、センサーの回転手段を新設することなく
巻回始端の検出ができる。この場合特に、内周紙を装着
する前に巻回始端位置がわかるので、マンドレル拡張に
よる内周紙装着時にマンドレルのセグメント分割隙間を
巻回始端に合わせてセグメントを拡張し、内径孔内周面
に隙間なく圧着させることができ、内周紙の浮き上がり
を防止できる。
【0047】また前回平均値比較モードを採用すること
により、鋼板コイル内径孔中心からのセンサーの振れ誤
差や内径孔の変形などに基づく巻回始端位置誤検出を防
止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板コイル2のマンドレル4の斜視図。
【図2】マンドレル4の断面図。
【図3】マンドレル4の端面図。
【図4】(A)(B)はレーザー式測距センサー20の
測定状態正面図。
【図5】鋼板コイル2の巻回始端位置検出装置のブロッ
ク構成図。
【図6】鋼板コイル2の巻回始端位置検出方法のフロー
チャート。
【図7】前回平均値比較モードの考え方の図表。
【図8】(1)(2)はレーザー式測距センサー20の
検出結果を示す図。
【図9】(3)(4)はレーザー式測距センサー20の
検出結果を示す図。
【図10】超音波式測距センサー20の検出結果を示す
図。
【符号の説明】
1 被グリップ部 2 鋼板コイル 2a 内径孔 3 内周紙 4 マンドレル 4a セグメント 4b コア軸 20 レーザー式測距センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 正雄 千葉県千葉市中央区今井2丁目18番6号 親和パッケージ株式会社 千葉事業所 内 (72)発明者 園山 光吉 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 相原 正樹 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 昭60−8708(JP,A) 特開 平5−180627(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板コイルの内径孔の中心に配設したレ
    ーザー式測距センサーを、前記鋼板コイルの軸線回りに
    少なくとも360°の角度で連続的に回転させつつ、前
    記センサーから前記内径孔の内周面までの距離Rを、円
    周方向等間隔に複数箇所でサンプリングする工程、 前記センサーで測定した測定値を直前の測定値と比較演
    算し、変化量ΔRを算出する工程、 前記変化量ΔRが所定の値を越える最大値となったとき
    の前記測距センサーの回転角を巻回始端位置として記憶
    する工程とからなる鋼板コイルの巻回始端位置検出方
    法。
  2. 【請求項2】 前記センサーで測定した測定値をDn(n
    =1…n)、初回測定値と2回目測定値との相加平均値
    をN2、相加平均値N2と3回目測定値との相加平均値を
    N3、相加平均値Nn-1とn回目測定値との相加平均値を
    Nnとしたとき、測定値Dn−相加平均値Nn-1が所定の
    値を越える最大値となったときの前記測距センサーの回
    転角を前記鋼板コイルの巻回始端位置として記憶する工
    程とからなる請求項記載の鋼板コイルの巻回始端位置
    検出方法。
  3. 【請求項3】 鋼板コイルの内径孔に円筒状に巻いた内
    周紙を挿入して貼り付けるための半径方向に拡縮可能な
    複数の分割セグメントを有する回転可能なマンドレルの
    コア軸先端に前記レーザー式測距センサーを取付け、前
    記内周紙を挿入貼付けする前に、前記マンドレルの先端
    を前記鋼板コイルの内径孔の端部に挿入し、前記マンド
    レルを少なくとも360°回転させるようにした請求項
    1または2記載の鋼板コイルの巻回始端位置検出方法。
  4. 【請求項4】 鋼板コイルの内径孔の中心に挿入可能で
    あって、前記内径孔の内周面までの距離を測定可能なレ
    ーザー式測距センサーと、 前記測距センサーを前記鋼板コイルの内径孔の軸線回り
    に少なくとも360°の角度で連続的に回転させる回転
    手段と、 前記内径孔の内周面の円周方向等間隔の複数箇所に対す
    る前記測距センサーの測定値を前記回転手段の回転角と
    関連させて記憶すると共に、前記測距センサーの前回測
    定値と今回測定値との変化量ΔRを比較演算し、該変化
    量Rが所定の値を越える最大値となったか否かを演算す
    る演算手段と、 前記演算手段による変化量Rの最大の判定結果に基づ
    き、該判定の出た測定箇所での前記回転手段の回転角を
    前記鋼板コイルの巻回始端位置として出力する出力手段
    とを有する鋼板コイルの巻回始端位置検出装置。
  5. 【請求項5】 前記回転手段が、鋼板コイルの内径孔に
    円筒状に巻いた内周紙を挿入して貼付けるための半径方
    向に拡縮可能な複数の分割セグメントを有する回転可能
    なマンドレルであって、前記測距センサーが前記マンド
    レルのコア軸先端に取付けられている請求項4記載の鋼
    板コイルの巻回始端位置検出装置。
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