JP3311481B2 - 額縁又は膳板の固定方法 - Google Patents

額縁又は膳板の固定方法

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JP3311481B2 JP08362194A JP8362194A JP3311481B2 JP 3311481 B2 JP3311481 B2 JP 3311481B2 JP 08362194 A JP08362194 A JP 08362194A JP 8362194 A JP8362194 A JP 8362194A JP 3311481 B2 JP3311481 B2 JP 3311481B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の開口部に固定
されているサッシ枠の屋内側に、例えば植木鉢等を載置
することができるような幅の広い額縁又は膳板を、この
額縁又は膳板を固定するビスの頭部を開口部に露出させ
ることなく強固に固定することのできる額縁又は膳板の
固定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より例えば植木鉢等を窓際に載置し
て部屋の装飾を行うために、建築物のサッシ枠の屋内側
に幅の広い額縁や膳板を固定することが広く行われてい
る。ここで、「額縁」とは植木鉢等を載置される幅の広
い下材とこの下材とそれぞれ同幅でこの下材に連続する
左右の側縁材とこの側縁材の上端を連結する上縁材とか
ら構成されているものであり、また「膳板」とは植木鉢
等を載置される下材の奥行きが左右の側縁材及び上縁材
の奥行きよりも広く形成されているものか又は植木鉢等
を載置される下材のみで構成されているものである。
【0003】従来、前記した如き額縁又は膳板を鉄筋コ
ンクリート構造や木造等の建築物のサッシ枠の屋内側に
固定するには、図5に示す如く先ず縦断面形状が略L字
状を有する支持材3'をサッシ枠2の屋内側の開口部側
近傍位置であって額縁又は膳板1'の取付位置に対応す
る位置にビス4により固定し、次いで額縁又は膳板1'
のサッシ枠2側(屋外側)の端縁をサッシ枠2の屋内側
面に当接させると共に額縁又は膳板1'のサッシ枠2側
(屋外側)の端部の裏面側をサッシ枠2に固定された前
記支持材3'に当接させ、額縁又は膳板1'のサッシ枠2
側の端部及び支持材3'の所定位置に予め穿設されてい
るビス孔に開口部側よりビス6を挿通させて締結するこ
とによって額縁又は膳板1'をサッシ枠2に固定してい
た。
【0004】そして、この額縁又は膳板1'の幅すなわ
ち奥行きが広い場合には、必要に応じて額縁又は膳板
1'の裏面側であってサッシ枠2側の端部から所定の間
隔を隔てた屋内側の位置に係止用凸条1a'を対向させて
形成せしめておき、この係止用凸条1a'をそれぞれ挾持
し得る凹部が形成された係合部5aに延設された固定片5b
を有するアンカー5の係合部5aを額縁又は膳板1'の係
止用凸条1a'に係合させて額縁又は膳板1'の裏面側に装
着すると共に固定片5bをサッシ枠2の固定されている壁
面にモルタル7等によって固定していた。
【0005】しかしながら、上記した如き方法によって
サッシ枠2に固定された従来の額縁又は膳板1'は、開
口部側からビス6を挿入してサッシ枠2に固定された支
持材3'にこのビス6を螺入して固定するので、見る者
の目に留まる開口部表面側にビス6の頭が露出してお
り、またサッシ枠2の寸法や構造によってはこのサッシ
枠2の固定された支持材3'に額縁又は膳板1'を固定す
るためのビス6を一定の間隔にすることができない場合
があり、額縁又は膳板1'の持つ意匠性が著しく損なわ
れるという欠点があった。
【0006】また、予め穿設されている支持材3'のビ
ス孔と額縁又は膳板1'のビス孔とが僅かにでもズレて
いると、ビス6が斜めに螺入されビス6の頭が傾いたり
浮いたりした状態となって意匠性を損うだけでなく、こ
の場合には強度面にも問題があった。そして額縁又は膳
板1'は、サッシ枠2の屋内側に固定されるものである
から、通常その表面がサッシ枠2に対して直角な状態を
成して固定されるものであるが、ビス6止め箇所がサッ
シ枠2側端部近傍位置のみであり、且つ額縁又は膳板
1'の屋内側の裏面を支持するアンカーを使用する場合
でもこのアンカー5はサッシ枠2や既に打設された鉄筋
コンクリートの鉄筋に固定されることなくモルタル7等
に埋設されるだけであるから、額縁又は膳板1'の表面
を前記した如くサッシ枠2に対して直角な状態とするの
に手間を要するという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消し、額縁又は膳板をそれ自身の持つ意匠
性を損うことなく、安定した状態に強固に固定すること
のできる額縁又は膳板の固定方法を提供することを課題
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる課題
を解決すべく鋭意研究の結果、建築物の開口部に固定さ
れているサッシ枠に額縁又は膳板を固定するに際し、開
口部側に屋外側支持部を位置させて長尺状の支持材の締
結部をサッシ枠の屋内側面に当接せしめて該屋外側支持
部の先端より屋内側に所定の距離を隔てた位置に屋内側
支持部を屋外側支持部の裏面から突出させた状態にして
前記締結部で該支持材をサッシ枠に締結固定した後、先
端部に鉤状部分を形成されておりばね作用を有する係合
部が裏面に突出して形成されている額縁又は膳板の該係
合部を前記支持材の屋外側支持部の先端と屋内側支持部
との間から挿入させて該屋外側支持部の先端に裏側に突
出している突起部に該鉤状部分を係止させると共に前記
屋内側支持部に額縁又は膳板の裏面を支持させれば、額
縁又は膳板をその表面にビスの頭が現れることなく意匠
性に優れた状態で且つ安定性にも優れた状態でしかも効
率良くサッシ枠に固定することができることを究明して
本発明を完成したのである。
【0009】以下、図面により本発明に係る額縁又は膳
板の固定方法について詳細に説明する。図1は本発明方
法を実施して木造の建築物に固定されたサッシ枠に額縁
を固定した1例を示す断面説明図、図2は本発明方法を
実施して額縁を図1の状態に固定する過程を示す説明
図、図3は本発明方法を実施してサッシ枠に額縁を固定
した他の例を示す断面説明図、図4は本発明方法を実施
して鉄筋コンクリート構造の建築物に固定されたサッシ
枠に膳板を固定した例を示す断面説明図である。
【0010】本発明方法を実施するためには、先ず建築
物の開口部に固定されているサッシ枠2の屋内側面に当
接して締結せしめられる締結部3aとこの締結部3aに略直
角に連続しており屋内側端縁の裏側に突起部3baが突出
して形成されている屋外側支持部3bとこの屋外側支持部
3bの先端より屋内側に所定の距離を隔てた位置に屋外側
支持部3bの裏面から突出されている屋内側支持部3cとが
形成されている長尺状の支持材3と、この支持材3の屋
外側支持部3bの突起部3baに係止される鉤状部分1aaを先
端部に形成されておりばね作用を有する係合部1aが裏面
に突出して形成されていて支持材3の屋外側支持部3b及
び屋内側支持部3cに裏面を支持される額縁又は膳板1と
を準備する。
【0011】この本発明方法において使用する額縁又は
膳板1としては、例えば奥行きが広かったり、比較的重
い装飾物を載置されることがある場合などには、必要に
応じて屋内側端部近傍の裏面側に所定の間隔を隔てて対
向して凸条1bが形成されているものを使用する。また支
持材3としては、締結部3aと屋内側支持部3cとが連結部
材3dで連結されているものを使用すれば、額縁又は膳板
1に作用する建築物の開口部側及びその反対側への荷重
に対してより大きな強度を得られるので好ましい。
【0012】このような構造の額縁又は膳板1を建築物
の開口部に固定されているサッシ枠2の屋内側に固定す
るには、先ず建築物の開口部側に屋外側支持部3bを位置
させて長尺状の支持材3の締結部3aに穿設してあるビス
孔にビス4を挿通させると共にサッシ枠2の該当部位に
穿設されているビス孔に螺入して締結部3aで支持材3を
サッシ枠2に締結固定する。
【0013】支持材3として、締結部3aと支持部3aとが
連結部材3dで連結されているものを使用定する場合に
は、この連結部材3dがビス4を支持材3の締結部3aの位
置へ持ち込むのに妨げとなるので、図3に示す如く締結
部3aに穿設されているビス孔に対応する連結部材3dの位
置にビス4を挿通できる切欠部3daを設ければ良い。
【0014】次いで、図2に示す如く支持材3の屋外側
支持部3bの屋内側端縁と屋内側支持部3cとの間の間隙か
ら額縁又は膳板1の裏面に形成されている係合部1aを挿
入させ、支持材3の屋外側支持部3bの裏側に突出してい
る突起部3baに額縁又は膳板1の係合部1aの先端に形成
されている鉤状部分1aaを係止させると共に支持材3の
屋内側支持部3cに額縁又は膳板1の裏面を支持させて額
縁又は膳板1の固定が完了する。このようにして額縁又
は膳板1を固定するだけの場合は、図1〜図3に示す如
く支持材3の屋内側支持部3cが額縁又は膳板1の裏面を
支持する位置が支持材3の屋外側支持部3bの屋内側端縁
に比較的近い位置だけであるので、額縁又は膳板1とし
ては奥行きが狭いものが使用される。
【0015】また、奥行きが広かったり比較的重い装飾
物を載置される額縁又は膳板1の場合には、必要に応じ
て図4に示す如く屋内側端部近傍の裏面側に所定の間隔
を隔てて対向して凸条1bが形成されているものを使用す
る。このような額縁又は膳板1を固定するには、前記し
た如き作業に加えて額縁又は膳板1の前記凸条1bにアン
カー5の係合部5aに形成された凹部を挟持させて係合さ
せると共にこの係合部5aに延設されているアンカー5の
固定片5bをサッシ枠2が固定されている壁面である例え
ばモルタル7等に埋設せしめて固定する。
【0016】そして最後に、通常額縁又は膳板1の開口
部と反対側の空隙を隠蔽するための隠蔽用化粧板8等を
額縁又は膳板1の屋内側端部近傍に固定して、作業が完
了するのである。
【0017】
【作用及び発明の効果】このような本発明に係る額縁又
は膳板の固定方法を実施して額縁又は膳板1をサッシ枠
2に固定すると、額縁又は膳板1は屋外側端縁近傍をサ
ッシ枠2に固定された支持材3の屋外側支持部3bに支持
されると共にこの支持材3の屋外側支持部3bの端縁から
所定の距離を隔てた屋内側の位置を支持材3の屋内側支
持部3cに支持され、手間を要するビスを螺入する作業は
額縁又は膳板1より小さな部材である支持材3をその締
結部3aでサッシ枠2の屋内側面に対して行うだけである
ので、額縁又は膳板1をその開口部側表面がサッシ枠2
に対して直角な状態を成す状態に水平度の測定を行うこ
となく簡単に位置決めすることができて作業性に優れて
いる。
【0018】額縁又は膳板1はその屋内側端部を支持材
3の屋外側支持部3bで支持されていると共に支持材3の
屋外側支持部3bよりも更に屋内側において支持材3の屋
外側支持部3bで再度支持されているので奥行きが比較的
狭い額縁又は膳板1を固定する態様ではこれらの支持で
充分であるが、奥行きの広かったり比較的重い装飾物が
載置される額縁又は膳板1を固定する態様の場合には、
額縁又は膳板1はその屋内側端部近傍の裏面を更にアン
カー5により支持することもできるので、何れの場合で
も固定された額縁又は膳板1の安定性が良く、額縁又は
膳板1の下材上に植木鉢等を載置するなど種々の屋内装
飾を行うことができる。
【0019】すなわち、額縁又は膳板1に建築物の開口
部側への荷重(図1における上方向への荷重)が作用す
ると、その荷重を支持材3の屋外側支持部3bの屋内側端
縁の裏側に突出している突起部3baに先端部の鉤状部分1
aaを係止されている額縁又は膳板1の係合部1aでそして
奥行きの広い額縁又は膳板1を固定された態様では更に
アンカー5で受けることになり、また額縁又は膳板1に
建築物の開口部と反対側への荷重(図1における下方向
への荷重)が作用すると、その荷重を支持材3の屋外側
支持部3b及び支持材3の屋内側支持部3cでそして奥行き
の広い額縁又は膳板1を固定された態様では更にアンカ
ー5で受けることになり、また額縁又は膳板1に屋内側
への荷重(図1における右方向への荷重)が作用する
と、その荷重を支持材3の屋外側支持部3bの屋内側端縁
の裏側に突出している突起部3baに先端部の鉤状部分1aa
を係止されている額縁又は膳板1の係合部1aで受けるこ
とになるので、額縁又は膳板1がその固定位置から移動
したり変形したりすることがないのである。
【0020】そして、支持材3として締結部3aと屋内側
支持部3cとが連結部材3dで連結されているものを使用す
ると、額縁又は膳板1に建築物の開口部及びその反対側
への荷重が作用したときに、その荷重を受ける支持材3
の屋外側支持部3b及び支持材3の屋内側支持部3cの強度
が大きいので、植木鉢等を載置するなどして特に大きな
荷重が作用する可能性がある額縁又は膳板1を固定する
に際し支持材3の各支持部3b,3cの変形が防止され、額
縁又は膳板1の水平度が低下することもないのである。
【0021】そして、本発明方法で使用するビスは支持
材3をサッシ枠2に固定するためのビス4だけであっ
て、額縁又は膳板1の表面にはビスが一切現れることが
ないため、固定された額縁又は膳板1の持つ意匠性を損
うことなく美麗な状態で表現することができるのであ
る。
【0022】また、額縁又は膳板1が損傷したりして交
換しようする場合には、額縁又は膳板1の屋内側端部を
建築物の開口部側に回転させるようにして支持材3の屋
外側支持部3bの屋内側端縁の裏側に突出している突起部
3baと額縁又は膳板1の係合部1aの先端部に形成されて
いる鉤状部分1aaとの係合状態を解除するだけで、簡単
に額縁又は膳板1を取り外すことができ、額縁又は膳板
1の交換を非常に容易に行うことができる。
【0023】このような種々の効果を有する本発明に係
る額縁又は膳板の固定方法の工業的価値は非常に大きな
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施して木造の建築物に固定され
たサッシ枠に額縁を固定した1例を示す断面説明図であ
る。
【図2】本発明方法を実施して額縁を図1の状態に固定
する過程を示す説明図である。
【図3】本発明方法を実施してサッシ枠に額縁を固定し
た他の例を示す断面説明図である。
【図4】本発明方法を実施して鉄筋コンクリート構造の
建築物に固定されたサッシ枠に膳板を固定した例を示す
断面説明図である。
【図5】従来方法により額縁をサッシ枠に固定した状態
を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 額縁又は膳板 1a 係合部 1aa 鉤状部分 1b 凸条 1' 従来の額縁又は膳板 1a' 係止用凸条 2 サッシ枠 3 支持材 3a 締結部 3b 屋外側支持部 3ba 突起部 3c 屋内側支持部 3d 連結部材 3da 切欠部 3' 従来の支持材 4 ビス 5 アンカー 5a 係合部 5b 固定片 6 ビス 7 モルタル 8 隠蔽用化粧板
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E06B 1/62 E06B 7/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の開口部に固定されているサッシ
    枠(2)に額縁又は膳板(1)を固定するに際し、開口部側
    に屋外側支持部(3b)を位置させて長尺状の支持材(3)の
    締結部(3a)をサッシ枠(2)の屋内側面に当接せしめて該
    屋外側支持部(3b)の先端より屋内側に所定の距離を隔て
    た位置に屋内側支持部(3c)を該屋外側支持部(3b)の裏面
    から突出させた状態にして前記締結部(3a)で該支持材
    (3)をサッシ枠(2)に締結固定した後、先端部に鉤状部
    分(1aa)を形成されておりばね作用を有する係合部(1a)
    が裏面に突出して形成されている額縁又は膳板(1)の該
    係合部(1a)を前記支持材(3)の屋外側支持部(3b)の先端
    と屋内側支持部(3c)との間から挿入させて該屋外側支持
    部(3b)の先端に裏側に突出している突起部(3ba)に該鉤
    状部分(1aa)を係止させると共に前記屋内側支持部(3c)
    に額縁又は膳板(1)の裏面を支持させることを特徴とす
    る額縁又は膳板の固定方法。
  2. 【請求項2】 額縁又は膳板(1)が、奥行きが広く且つ
    屋内側端部近傍の裏面側に所定の間隔を隔てて対向して
    凸条(1b)が形成されており、該凸条(1b)にアンカー(5)
    の係合部(5a)に形成された凹部を挟持させて係合させる
    と共に該係合部(5a)に延設されているアンカー(5)の固
    定片(5b)をサッシ枠(2)が固定されている壁面に固定す
    る請求項1に記載の額縁又は膳板の固定方法。
  3. 【請求項3】 支持材(3)として、締結部(3a)と屋内側
    支持部(3c)とが連結部材(3d)で連結されている支持材を
    使用する請求項1又は2に記載の額縁又は膳板の固定方
    法。
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