JPH0450758Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、建築用壁板の取付構造の改良に関す
るものである。

（従来の技術） 従来、建築用壁板を施工する場合には、下地材
に接着材にて直接貼り付けるようにしていた為
に、下地材に凹凸があると壁板が面一とはならず
仕上がりが悪くなるという問題があつた。

一方、取付金具を用いて取り付ける場合には、
取付金具との硬度の差により、壁板の取付部分が
欠け易いという問題がある。更に、壁板１を支持
するために、壁下地材１２側から支持用突起７′
を突設し、この支持用突起７′に壁板１裏面に形
成される落下防止溝８′を嵌め込むようにする場
合には、第８図に示すように落下防止溝８′によ
つて壁板１自体の断面積が極端に減少し、外圧に
対して壁板１が脆くなるという問題もあつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、上記の点に鑑みてなされたものであ
つて、その目的とするところは取付金具による壁
板の欠けを防止でき、また、支持突起が存在して
も壁板の断面積が極端に減少することがなく、し
かも施工が容易な建築用壁板の取付構造を提供す
るにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案の要旨は、建築用壁板１の上下両端を止
めるための下及び上フツク２，３を取付板４の前
面中央に目地形成用の間隔１１を設け且つ互いに
逆隔けて形成すると共に、フツク２，３の先端縁
を円弧状に形成し、奥面がフツク２，３の先端縁
に合致するように中央が最も深い曲面となつたフ
ツク嵌合用凹部５，６を壁板１の上下端面に形成
し、取付板４の前面下部に円筒状の支持突起７を
形成し、壁板１の裏面に支持突起７が嵌合される
落下防止溝８を環状に形成して成る建築用壁板の
取付構造に係るものである。

（実施例） 以下、本考案を図示の実施例に基づいて詳述す
る。

本考案の建築用壁板の取付構造は、建築用壁板
１と取付金具９とで構成されてある。

取付金具９は、金属板製の取付板４の前面中央
に壁板１の上下両端を止めるための下及び上フツ
ク２，３を切り起こして形成されてある。下及び
上フツク２，３間には、目地形成用の間隔５を設
けてあり、またフツク２，３の先端縁は円弧状に
形成してある。取付板４の前面下部に短尺円筒状
の支持突起７を形成してある。１３は固定孔であ
る。

壁板１の上下各端面には、嵌合用凹部５，６が
形成されてあり、この嵌合用凹部５，６の奥面は
フツク２，３の先端縁に合致するように中央が最
も深い曲面に形成してある。また壁板１の上端付
近には落下防止溝８を環状に形成してある。尚、
壁板１の材質としては、例えば薄肉化が可能なセ
ラミツク等が考えられる。

第２図は建築用壁板１と取付金具９との取付状
態を示してあり、取付金具９を壁板１の裏面がわ
に位置させ、下フツク３を凹部５に嵌入すると共
に支持突起７を落下防止溝８に嵌入し、適宜シリ
コン等の接着材１６を用いて一体化する。

１０は合成樹脂等の弾性材で形成された弾性キ
ヤツプであつて、フツク２，３の各先端に嵌め込
まれてあり、フツク２，３と壁板１との間の緩衝
機能を果たす。

第５図は、壁下地材１２への壁板１の取り付け
動作を示している。まず、最下段に取り付けられ
た壁板１の取付金具９のフツク２に上段の壁板１
の下端の凹部６を、矢イで示すように嵌め込む。
次に壁板１の下端部を中心にして壁板１を矢印ロ
で示すように壁下地材１２に近づけて取付金具９
を下地１２に当接し、しかる後、木ねじ等の固着
具１５を取付金具９の固定孔１３から下地材１２
に貫入する。以後同様にして下から上に向けて壁
板１を施工していく。

このとき、取付金具９に目地形成用の間隔１１
が形成されてあるので、壁板１を下地材１２に施
工していけば、第６図に示すように一定巾の目地
１４が形成されることとなり、その結果、目地形
成のための壁板１の位置決め等の作業が省略でき
る。

このようにフツク２，３を円弧状にすることに
よつてフツク２，３に角部が形成されず、また弾
性キヤツプ１０の緩衝によりフツク２，３が壁板
１に衝突しても壁板１が欠けることがなくなる。

また、壁板１の断面図を示す第４図からも明ら
かなように、落下防止溝８は環状となつているの
で、壁板１のうち落下防止溝８の形成部分のいず
れを切断しても、断面積が極端に減少することが
なくなる。従つて、取り付けられた壁板１に外力
が加わつて壁板１に曲げ力が働いても壁板１が不
用意に割れることがなくなる。

（効果） 本考案は、上述のように建築用壁板の上下両端
を止めるための下及び上フツクを取付板の前面中
央に互いに逆向けて形成すると共に、これらフツ
クの先端縁を円弧状に形成し、奥面がフツクの先
端縁に合致するように中央が最も深い曲面となつ
たフツク嵌合用凹部を壁板の上下端面に形成した
ので、フツクの角部が壁板に当たつて割れるとい
うことがなくなり、しかも、フツクを凹部に挿入
する際にフツクの弧縁が凹部の開口縁に沿わすこ
とができて施工作業をスムーズに行うことができ
る。

また、取付板の下部に円筒状の支持突起を形成
し、壁板の裏面に支持突起が嵌合される落下防止
溝を環状に形成したので、支持突起が環状溝に挿
入されて壁板の落下の防ぐことができるのは勿論
のこと、落下防止用の支持溝となる環状溝の水平
断面形状は何れを切断しても溝の巾方向の断面し
か表れず、従つて極端に断面積が減少することが
なくなり、その結果、落下防止溝を形成しても壁
板が曲げ力に対して弱点とはならないという効果
を奏する。

更に、下及び上フツクを取付板の前面中央に目
地形成用の間隔を設けて形成したので、壁板を機
械的に下地材に取り付けていくだけで、一定した
目地が形成されることとなり、施工が容易で、且
つ仕上がりが綺麗になるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の分解斜視図、第２図は同上の
全体斜視図、第３図は同上の壁板の裏面側から見
た斜視図、第４図は第３図のＸ−Ｘ断面図、第５
図は同上の施工動作の説明を示す縦断面図、第６
図は同上の施工状態を示す縮小せる正面図、第７
図は従来例の縦断面図、第８図は第７図のＹ−Ｙ
断面図である。 １……壁板、２，３……フツク、４……取付
板、５，６……凹部、７……支持突起、８……落
下防止溝、９……取付金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建築用壁板の上下両端を止めるための下及び上
   フツクを取付板の前面中央に目地形成用の間隔を
   設け且つ互いに逆向けておのおの形成すると共
   に、これらフツクの先端縁を円弧状に形成し、奥
   面がフツクの先端縁に合致するように中央が最も
   深い曲面となつたフツク嵌合用凹部を壁板の上下
   端面におのおの形成し、取付板の前面下部に円筒
   状の支持突起を形成し、壁板の裏面に支持突起が
   嵌合される落下防止溝を環状に形成して成る建築
   用壁板の取付構造。