JP3309490B2 - 接木ロボット - Google Patents

接木ロボット

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JP3309490B2
JP3309490B2 JP12254993A JP12254993A JP3309490B2 JP 3309490 B2 JP3309490 B2 JP 3309490B2 JP 12254993 A JP12254993 A JP 12254993A JP 12254993 A JP12254993 A JP 12254993A JP 3309490 B2 JP3309490 B2 JP 3309490B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は台木苗と穂木苗を自動的
に供給・接ぎ木する接木苗製造用の接木ロボットに関
し、特に、台木苗と穂木苗とをクリップ接合するための
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の接木苗製造用のロボットは例えば
実開平3−27933号公報、実開平4−49935号
公報等に開示されているような装置が知られている。前
記公報記載の接木ロボットは、円盤台の外周部に放射状
に複数個設けられた苗支持孔に予め配置された台木苗お
よび同一構造の円盤台に配置された穂木苗をそれぞれ3
60度回転させながら、該円盤台に隣接して、やはり3
60度の回転をする台木処理円盤部および穂木処理円盤
部にそれぞれ突出して設けられる固定ハンドに一つずつ
各苗を受け渡し、各苗処理円盤部がそれぞれ所定角度回
転した位置で、切断装置で台木苗および穂木苗をそれぞ
れ切断し、これらの苗をさらに所定角度回転させて台木
と穂木が接合できる位置に回転搬送させ、台木と穂木を
クリップで接合する装置である。本発明者らは先に、前
記従来の接木ロボットを改良して、使いがっての良い接
木ロボットについて発明して一連の特許出願をした(特
願平4−161515号等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記本発明者らの開発
した特願平4−161515号記載の発明の接木ロボッ
トは、それぞれ切断された台木苗と穂木苗を接合部にお
いて、クリップにより接合する。図9に示すように、ク
リップ123は、振動式のクリップフィーダボウル7
(図1参照)から直線状に延長して設けられた振動式ク
リップガイドレール9から、その先端部に固定された接
合苗用のクリップ掛け装置124に供給され、このクリ
ップ掛け装置124でクリップ開閉具126によりクリ
ップ123の取手部123bが強制的に開放される(図
9(a))。この開放状態の取手部123b間に図示し
ていない接木用の台木苗と穂木苗がタイミング良く供給
されているので、取手部123bの開放状態の解除によ
り(図9(b))、台木苗と穂木苗がクリップで一体化
され、それらの接合状態を維持することができる。
【0004】このとき、クリップガイドレール9が矢印
Aのように前後に振動することでクリップ123は前進
して、クリップ掛け装置124部分に供給される。一方
クリップ掛け装置124は接木を確実にするために、フ
レーム131(図3参照)に固定されている(以下、ク
リップガイドレール9を振動トラフ、クリップ掛け装置
124を固定トラフとよぶことがある)。そこで、固定
されたクリップ掛け装置124にクリップガイドレール
9の振動が伝わらないように、クリップガイドレール9
はクリップ掛け装置124に対して空間(隙間)S(図
9(b))を介して、摺動可能に取り付けられている。
しかし、クリップガイドレール9とクリップ掛け装置1
24間の隙間Sに異物が詰まったり、クリップ123の
破損部分が詰まって、隙間Sでこれらの異物等がゴトゴ
ト異音を発生させたり、異常振動が生じたりすることが
あった。また、異物が粘着性のものだと、トラフ9、1
24に付着してしまい、なかなか取れないことがあっ
た。
【0005】本発明は前記従来の接木ロボットをさらに
改良して、使い勝手の良い接木ロボットを提供すること
を目的とする。より詳細には、本発明は接木ロボットの
台木苗と穂木苗の駆動性の優れたクリップ接合のための
装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は次の
構成によって達成される。すなわち、台木苗と穂木苗を
それぞれ切断した後、クリップフィーダ1から供給され
るクリップ123で台木苗と穂木苗を接合するクリップ
接合装置25を備えた接木ロボットにおいて、クリップ
フィーダ1の振動式クリップ送路の先端部と、接木ロボ
ットの基礎フレームに固定支持されるクリップ接合装置
25との間に設けられた間隔の下方にクリップ123に
同伴された異物を排出する通路を設けた接木ロボットで
ある。前記通路の上方にエアーを吹き出すノズル134
を設けることで、通路から異物等を容易に排出させるこ
とができる。また、本発明は、台木苗を切断する台木部
3と穂木苗を切断する穂木部5と切断された台木苗と穂
木苗とを接合する接合部6とを備えた接木部2と、多数
のクリップ123を同時に移送する振動型のクリップフ
ィーダ1と、該クリップフィーダ1から供給されるクリ
ップ123をクリップフィーダ1の移送方向と同じ方向
に移送し、前記接合部6へ1個づつ供給して台木苗を穂
木苗を接合するクリップ接合装置25と、クリップ接合
装置25のクリップ123の有無を検知するセンサ12
9とを備えた接ぎ木ロボットであって、クリップ検知セ
ンサ129によりクリップ123が有ることを検知する
とクリップ接合装置25が作動し、クリップ検知センサ
129によるクリップ123検知の有無に拘らずクリッ
プフィーダ1を作動可能にし、接木部2の作動を一時停
止させたときはクリップ接合装置25の作動を停止させ
ると共に、クリップフィーダ1の作動も停止させる接木
ロボット。
【0007】
【作用】請求項1記載の発明によれば、台木苗と穂木苗
の接合用のクリップ123は何度も再使用されるが、そ
の際、砂粒などの異物が混入する場合が多く、それらは
クリップ123と一緒にクリップガイドレール(振動ト
ラフ)上を運ばれていき、クリップ接合装置25との合
せ部分の隙間から下方の通路を経由して排出できる。ま
た、クリップ123の一部折損部分も前記通路から排出
することができるようになった。さらに、前記通路の上
方にエアーを吹き出すノズル134を設けることで、通
路から異物、特に粘着性のゴミを容易に排出させること
ができる。また、請求項2記載の発明によれば、クリッ
プ接合装置25が作動停止中は、クリップ接合装置25
のクリップ移送路上手のクリップフィーダ1の作動も停
止させると、クリップ接合装置25が作動していないと
きにクリップ123が移送されることがない。
【0008】
【実施例】本発明の実施例を以下、図面と共に説明す
る。本実施例の接木ロボットの上面図を図1(天板を外
した図)に、その部分(接木部)拡大図を図2に、前面
図を図3に、側面図を図4にそれぞれ示す。接木ロボッ
トはクリップフィーダ部1と接木部2からなり、接木部
2は台木部3と穂木部5および接合部6からなってい
る。クリップフィーダ部1のクリップボウル7外周から
クリップガイドレール9を設け、その先端部に接木部2
を隣接させる。
【0009】また、図3に示すように台木と穂木の各々
を把持、搬送するためのそれぞれのロボットマニュピュ
レータ10、11および苗供給板13、14を接木部2
の天板15に懸架している。一枚の天板15に全てのム
ーブメントを組み付けたため、寸法精度がよくなる。ま
た、天板15は接木ロボットのカバーと強度部材の役割
を果たしており、台木と穂木の切断カスの飛散を防ぐ。
接木クリップは数回繰り返し使用するため、土などのゴ
ミが付着したまま、クリップフィーダ部1のボウル7に
供給されることがあるが、このゴミがクリップガイドレ
ール9に詰まり、供給ミスの原因となることがあった
が、クリップフィーダ部1の整列動作中に不整列クリッ
プを落とす部分1a(図1参照)を網目状として、網目
状部分からゴミだけがふるい落とされてクリップを自動
的に清浄にすることができる。また、クリップフィーダ
部1先端に接続するクリップ接合装置25(クリップ掛
け装置124)は図3に示すように、上下方向と左右方
向の二方向をそれぞれ独立して調整、固定可能なロッド
135、136をそれぞれ持ち、クリップによる接合位
置において、穂木、台木の組とクリップの位置関係を微
調整することで多品目の接木を可能とする。また、振動
式のクリップフィーダボウル7から直線状に振動式クリ
ップガイドレール9を設け、その先端部に固定された接
合苗用のクリップ接合装置25(クリップ掛け装置12
4)を配置したことで、大量のクリップを接木ロボット
の作動を停止することなく供給することができる。さら
に、クリップ接合装置25(クリップ掛け装置124)
はフレーム131に固定され、クリップガイドレール9
はクリップ接合装置25(クリップ掛け装置124)に
対して摺動可能に取り付けられているので、クリップフ
ィーダ部1の振動はクリップ接合装置25(クリップ掛
け装置124)には伝わらない。そして、クリップ接合
装置25(クリップ掛け装置124)とフレーム131
を確実に固定することで、接合率の安定化が可能となっ
た。
【0010】図1の接木部2部分の拡大図を図2に示す
が、台木部3は台木苗供給装置17と台木搬送装置18
および台木切断装置19からなり、また、穂木部5も同
様に穂木苗供給装置21、穂木搬送装置22、穂木切断
装置23からなっている。台木苗供給装置17に人手に
より供給される台木苗は図1の矢印(イ)の方向に回転
する台木搬送装置18により台木切断装置19の位置
(切断位置)まで搬送され、ここで、切断装置19が回
転して(図4参照)その切断刃により台木苗の子葉を一
枚残して、その他の子葉部分は切り落とされる。台木切
断装置19は先端に切断刃を取り付けた回転式カッター
であり、図1、図4の矢印(ハ)方向に回転する。切断
されて子葉一枚残した台木は矢印(ロ)方向に搬送さ
れ、接木部2で接合部6の接合装置25(図2、図3参
照)で穂木と接合される。また、同様に人手により穂木
苗供給装置21に供給された穂木苗は穂木搬送装置22
により矢印(ニ)方向(図1参照)に搬送され、切断位
置で矢印(ヘ)方向(図1、図4参照)に回転する穂木
切断装置23によりその胚軸部分より上の組織を残し
て、一部胚軸部と根部が切り落とされる。そして、子葉
部分を持つ穂木は矢印(ホ)方向に搬送され、台木と接
木部2において、クリップフィーダ部1から供給される
クリップで接合され、接木操作が完了し、接木部2の下
方に落下・回収される。
【0011】次いで、台木苗供給装置17と搬送装置1
8の説明をする。まず、台木苗供給装置17について図
2、図3により説明する。台木苗供給板13は台木苗胚
軸径よりも大きな受け溝13aと対向する方向に開いて
いる両子葉の裏面に接触する角度を持って台木を受け取
る構造からなる保持部13bからなっている。子葉裏面
に接触する角度を持って保持部13bが設けられている
ので、台木苗を供給する時に子葉の向きを正確にセット
しなくても略同一方向に苗を供給板13上に載せる事が
できる。
【0012】さらに、台木苗供給板13部分の側面図
(図3)に示すように、台木苗供給板13の受け溝13
a(図2参照)の下側には胚軸を把持する可動把持ハン
ド13cと該把持ハンド13cを駆動するためのアクチ
ュエータ(図示せず)が設けられている。そして、可動
把持ハンド13cはアクチュエータ側の基部を中心にし
て回転動作し、受け溝13aの一方の辺に固定された固
定把持ハンド13c’とで胚軸を挟持することができ
る。このアクチュエータの駆動制御は受け溝13aに台
木苗が挿入されたことをマイクロスイッチ13eのアク
チュエータ13fで検知して行われる。そして、マイク
ロスイッチ13eの入力でシーケンサ(図示せず)が作
動して、バルブ(図示せず)を駆動し、コンプレッサ
(図示せず)からの空気圧で可動把持ハンド13cが駆
動する。そのため、アクチュエータ13fは受け溝13
aを横切るように配置され、マイクロスイッチ13eの
底面に設けられた回転軸(図示せず)を中心に回転可能
に取り付けられている。そして、可動把持ハンド13c
と固定把持ハンド13c’で台木苗の胚軸を把持した
後、人力により台木を下に引くと、台木苗の子葉展開基
部が把持ハンド13c、13c’に引っ掛かり、その位
置で台木苗の位置決めがされる。前記固定把持ハンド1
3c’が固定されているので、これに当接する台木苗の
胚軸部分の位置は胚軸の太さが異なっても一定位置とな
る。そして前記固定把持ハンド13c’に当接する台木
苗の胚軸部分は切断位置ではカッタの切断刃(図示せ
ず)に当たる側であり、胚軸は切断位置では胚軸の太さ
に無関係に、常に特定座標点で切断刃に当接する。
【0013】台木苗供給板13にセットされた台木苗は
台木搬送装置18で把持されて、切断位置と接合位置に
順次搬送される。台木搬送装置18の詳細図を図5に示
す。図5(a)は上面図であり、図5(b)は側面図
(図5(a)は図5(b)のA−A線視図)である。台
木搬送装置18の台木搬送用回転アクチュエータ29は
天板15に支持され、該アクチュエータ29の下部には
台木搬送アーム支持体30が該アクチュエータ回転軸3
1を中心に回転自在に支持されている。台木搬送アーム
支持体30には、該支持体30に支持された台木搬送ア
ーム押出シリンダ33、該シリンダ33に固定された台
木搬送アーム34と該搬送アーム34先端の台木把持部
35(一対の台木胚軸ハンド37と一対の台木根固定ハ
ンド38と円筒ローラ41)が設けられている。前記両
ハンド37、38は台木搬送アーム34のボックス(図
示せず)内に設けられたエアシリンダにより台木を把持
するように開閉制御される。台木胚軸ハンド37は台木
の胚軸を傷つけないために該ハンド37内側はゴム製と
なっている。また、台木根固定ハンド38は台木根鉢4
3(図5(b)参照)の円筒状の側面を把持するような
湾曲板で出来ている。
【0014】また、台木搬送アーム支持体30には、穂
木との接合時に前記円筒ローラ41を鉛直方向に回転さ
せ、台木子葉を持ち上げるための支持アーム45と台木
子葉持ち上げ用回転アクチュエータ49が設けられてい
る。台木苗供給板13上の台木苗のセット位置まで押し
出された台木搬送アーム34先端の台木胚軸ハンド37
のエアシリンダが作動して台木苗を把持する。ハンド3
7の作動と同時に台木搬送アーム用回転アクチュエータ
29も作動して、前記ハンド37で把持した台木苗を切
断位置まで搬送する。また、穂木との接合時には図6に
示すように、この円筒ローラ41を鉛直方向に回転さ
せ、台木に残す子葉を持ち上げ、クリップが台木胚軸を
把持できるようにする。台木胚軸ハンド37の根元近傍
を遮へいする遮へい板37aは接合位置で台木苗が穂木
との接合に失敗し、該ハンド37が台木苗を離しても接
合に失敗した台木苗が胚軸ハンド37根元に食い込むこ
とがなくなり、接合に失敗した台木苗をスムーズに台木
搬送装置部分から排出する。
【0015】また、図6に示すように、台木に残す子葉
は穂木との接合時には円筒ローラ41により持ち上げら
れるが、接合後も台木に残す子葉の持ち上げ状態を維持
しておけば、接合に失敗した台木苗があっても、台木胚
軸ハンド37の根元に食い込むことはなくなる。なぜな
ら、接合タイミングの後には台木搬送アーム34を後退
させて、次の台木苗を把持搬送するための戻り搬送に移
り、台木苗の子葉が胚軸ハンド37の外方向に押された
状態で台木把持部35が移動するので接合に失敗した台
木苗が胚軸ハンド37から排出され易くなり持ち回りの
可能性が低くなるからである。
【0016】次に、穂木部について詳細に説明する。ま
ず、穂木苗供給装置21について説明する。図2に明示
されるように穂木苗供給装置21には前面に開口した穂
木受け溝14aを形成した穂木苗供給板14が水平平面
を持つように設けられていて、穂木受け溝14aに人手
により1本1本穂木苗の胚軸を挿入して、穂木苗を支持
させる。穂木苗供給板14に支持された穂木苗は穂木搬
送装置22で把持されて、切断位置と接合位置に順次搬
送される。穂木搬送装置22の詳細図を図7に示す。図
7(a)は上面図であり、図7(b)は側面図である。
図7(a)は図7(b)のA−A線視図である。穂木搬
送装置22は穂木搬送用回転アクチュエータ73と該ア
クチュエータ73の下部の穂木搬送アーム支持体75が
該アクチュエータ回転軸76を中心に回転自在に支持さ
れている。穂木搬送アーム支持体75には、該支持体7
5に支持された穂木搬送アーム押出シリンダ77、該シ
リンダ77により伸縮される穂木搬送アーム79と該搬
送アーム79先端には穂木把持部80を構成する穂木子
葉支えプレート81と穂木胚軸ハンド83が設けられて
いる。
【0017】前記ハンド83は穂木搬送アーム79先端
に設けられたアクチュエータ89により穂木を把持する
ように開閉制御される。穂木子葉支えプレート81には
穂木子葉の裏面を載せる板状部分81aがある。穂木搬
送アーム79は搬送アーム押出シリンダ77で押し出さ
れるが、その押し出し量は押し出量調整シム91により
調整される。また、穂木搬送アーム押出シリンダ77下
部には裏当てガイド92が固定されていて、穂木搬送ア
ーム79が後退した位置に来ると、その裏当てガイド9
2先端のガイド片92aが穂木の胚軸切断時に胚軸の裏
当てをする。このガイド片92aによる胚軸の裏当て支
持によりカッタによる切断が確実に行える。
【0018】なお、穂木切断装置23の回転方向は図
1、図4の矢印(ヘ)に示す通りであり、台木切断装置
19とは逆方向に回転させる。その理由は台木切断時に
は子葉一枚を胚軸に残した状態で切断するのには胚軸側
から子葉側に切断したほうが有利であるのに対して、穂
木の胚軸の切断は裏当てガイド92先端のガイド片92
aの押えを効かすためと、胚軸が切断されてできるその
先端の鋭角部の形が崩れないようにするためである。ま
た、穂木搬送アーム79は穂木を供給位置から切断位置
に搬送中には押し出し位置にあり、切断時には該アーム
79は後退位置(図7(b))に移動する。さらに、穂
木と台木の接合時には裏当ガイド92は邪魔になるが、
そのときは搬送アーム79を押し出し、胚軸ハンド83
等を突出させることで、裏当ガイド92とハンド83等
との干渉を防ぐことができる。
【0019】穂木と台木の接合時に胚軸ハンド83等の
穂木把持部80が伸縮性がなくて、固定されていると、
台木と穂木の干渉を防ぐため両者の間に隙間を設けなけ
ればならないが、クリップ接合を行うためには、この隙
間があると別個に各々の苗を引き寄せる機構が必要であ
る。また、穂木把持部80が固定されたものであると、
苗供給方向が搬送円周の接線方向に限られてしまうた
め、穂木供給時に左利きの人は苗を供給しにくかった。
しかし、本実施例の場合は穂木把持部80が伸縮移動が
可能なため、苗寄せ機構は不要となると同時に利き腕の
違いにかかわらず、作業性が向上する。このように搬送
アーム79の伸縮により、穂木把持部80を移動可能と
したことで、穂木苗を供給板14から受け取る方法に自
由度が増した。また、前述のように穂木苗の搬送アーム
79のシム91により、穂木把持部80の押し出し量を
調整する。これは、クリップによる接合時に台木と穂木
の切断面がクリップの先端の開口部の中に入っていなけ
ればならないが、組立誤差や品種の違いによる胚軸径の
違いなどによって搬送アーム79の押し出し量を微調整
をする必要があるためである。本実施例では穂木搬送装
置22にシム91を設けたが、台木搬送装置18に設け
ても良い。
【0020】また、図7(c)に穂木切断装置23側か
ら見た裏当てガイド92とガイド片92aを示すが、ガ
イド片92aに穂木切断装置23の切断刃が通過するス
リット状の空間部を設け、ガイド片92aをコ字状とす
る。こうして、穂木切断時に切り落とされる下側の胚軸
が切断刃に押されて、逃げることを防ぐことができ、胚
軸の切断が確実に行われ、胚軸切断残りがなくなる。
【0021】次に切断装置を図8により説明する。な
お、切断装置は台木部3、穂木部5にそれぞれ設けられ
ているが、両方に共通する機構からなるものである。図
8には台木部3側の切断装置を示す。図8(a)はその
上面図(接木ロボット上面から見た方向)であり、図8
(b)は図8(a)の矢印A方向(接木ロボットの穂木
部側の側壁側から見た方向)から見た側面図である。カ
ッタ駆動用モータ111は鉛直方向に向いた支柱112
に支持されていて、そのモータ111の回転軸113に
カッタアーム115が取り付けられている。このカッタ
アーム115の先端に該アーム115と直交する方向に
設けられた切断刃支持片116に切断刃117が取り付
けられている。カッタアーム115への切断刃支持片1
16の取り付け位置はカッタアーム115に設けられた
調整ネジ119等の調整具で行う。また、カッタ駆動用
モータ111の取り付け高さの調整は支柱112に設け
られた調整ネジ120等の調整具で行う。また、カッタ
アーム115には胚軸の切断の邪魔にならないように、
切断刃117が胚軸に当たる前に切断刃117の回転軌
跡内にある苗の子葉(切り落とす子葉)を持ち上げるた
めの子葉持ち上げガイド122が設けられている。
【0022】次にクリップ供給装置とクリップ接合装置
について図9〜図11に示す。図1に示すようにクリッ
プ供給装置のクリップフィーダ部1はクリップボウル7
の内面に沿って螺旋状の上昇路を持つ振動型のパーツフ
ィーダ(振動システムNB−300:(株)モートロ
ン)にクリップ123(図9、図10、図11参照)の
取手部123aの両端部をガイドする溝を形成した振動
トラフからなるクリップガイドレール9を接続して、そ
のガイドレール9の先端は接木部2に臨むクリップ掛け
装置124が接続している。
【0023】図9にはクリップガイドレール9に接続す
るクリッブ掛け装置124(=クリップ接合装置25)
の要部上面図を示し、図10、11にはその側面図を示
す。図9に示すように、このガイドレール9の先端は接
木部2の台木と穂木の接合部6(図1参照)の直前で前
記クリップ123の取手部123aの両端部のガイド間
隔を狭め、クリップ123の把持部123bを開放する
ための狭窄ガイドレール125が接続している。ここで
把持部123bを開放した状態で前進したクリップ12
3(図9(a))が台木と穂木の接合位置に来ると、ク
リップ開閉具126がクリップ123の取手部123a
の付勢を開放する方向に移動して(図9(b))、把持
部123bにより台木と穂木を接合状態に保つ。
【0024】クリップ123の前進は図10、図11に
示す手順で次のようにして行われる。まず、クリップフ
ィーダ部1(図1参照)からガイドレール9を経て供給
されるクリップ123は狭窄ガイドレール125位置に
くると(図10(a))、クリップ押出シリンダ127
が作動開始して、このシリンダ127に固定支持されて
いる金属製のクリップ押出具128が前進し、クリップ
123を狭窄ガイドレール125に乗せる(図10
(b))。このときクリップ123の把持部123bが
開放するが、ここでクリップ開閉具126が図9(b)
のように作動するのでクリップ123は接木を締め付け
ることができ、同時にクリップ押出具128が前進し
て、接木を落下させる(図11(a))。クリップ押出
具128の先端は図示のようにクリップ把持部123b
の上方コーナと同一形状とし、しかもこの先端部から基
部にかけて傾斜した形状をしているので、クリップ押出
シリンダ127の後退時には、次に狭窄ガイドレール1
25に供給されるクリップ123のクリップ把持部12
3bを乗り越えることができる(図11(b))。な
お、クリップ掛け装置124の上方にはクリップの有無
を検知するセンサ129が設けられていて、クリップ1
23が供給されなくなると、自動的に動作停止するよう
になっている。
【0025】本実施例では、クリップガイドレール9の
先端部と、接木ロボットの基礎フレーム131(図3参
照)に固定支持されるクリップ掛け装置124(クリッ
プ接合装置25)との間に設けられた間隔S(図9
(b))の下方にクリップ123に同伴された異物13
2等を排出する通路133(図10、図11参照)を設
けている。そのため、何回も再使用するクリップ123
に同伴した異物、クリップ折損部分がこの間隔Sに入り
込んでも、通路133から容易に排出されるため、前記
間隔S内に異物等が止まり、これが原因となって、クリ
ップガイドレール9及びクリップ掛け装置124が異常
振動をすることがなくなる。
【0026】また、図12に示すようにクリップガイド
レール(振動トラフ)9先端部とクリップ掛け装置(固
定トラフ)124との合せ部の上方に天板15に支持さ
れたエアーを吹出ノズル134を設けることで、異物1
32をスームズに通路133から排出できる。特にこの
エアー吹出ノズル134は異物132が粘着性のもので
ある場合に効果的である。なお、固定部材である接木部
2のクリップ掛け装置(固定トラフ)124が作動して
いない時にクリップガイドレール9が図13(b)に示
すように作動し続けると、前記隙間S等を含むクリップ
ガイドレール9でクリップ123が折れて詰まってしま
うことがあった。この折れたクリップ123により接木
ロボットが故障したり、クリップロスが生じる不具合が
あった。しかし、図13(a)に示すようにクリップガ
イドレール9を用いてクリップ123を接木部2に送り
出すとき、接木部2にクリップ123が供給されるまで
はクリップガイドレール9のみが作動し、その後、接木
部2が作動していない時はクリップガイドレール9の作
動を停止させておくことで、上記不具合に対処できる。
【0027】また、本実施例の接木ロボットの作動シー
ケンスは図14に開示したとおりであり、本発明の接木
ロボットの台木部3および穂木部5の各装置の作動タイ
ムチャートについては、図15および図16に開示した
とおりである。また、クリップフィーダ部1の各装置の
作動タイムチャートは図17に記載した通りである。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、クリップを再使用して
も、クリップに付いたゴミ等の異物およびクリップ折損
部分を振動トラフと固定トラフの間の隙間から下方に排
出することができるため、クリップ接合装置部分での異
常振動等がなくなる。また、クリップ接合装置が作動停
止中は、クリップ接合装置のクリップ移送上手のクリ
ップフィーダの作動も停止するので、クリップの破損防
止効果がある。さらに、振動型のクリップフィーダ1に
より、クリップ接合装置25へ連続的にクリップを供給
でき、作業能率が向上する。また、クリップ検知センサ
129によるクリップ123の有無の検知に拘らずクリ
ップフィーダ1を作動可能に構成しているので、クリッ
プ接合装置25へのクリップロスを抑えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の接木ロボットの上面図。
【図2】 本発明の一実施例の接木ロボットの接木部の
上面図。
【図3】 本発明の一実施例の接木ロボットの接木部の
前面図。
【図4】 本発明の一実施例の接木ロボットの接木部の
側面図。
【図5】 本発明の一実施例の接木ロボットの台木搬送
装置の図。
【図6】 本発明の一実施例の接木ロボットの台木と穂
木の接合時の台木搬送装置の図。
【図7】 本発明の一実施例の接木ロボットの穂木搬送
装置の図。
【図8】 本発明の一実施例の接木ロボットの切断装置
の図。
【図9】 本発明の一実施例の接木ロボットのクリップ
掛け装置の上面図。
【図10】 本発明の一実施例の接木ロボットのクリッ
プ掛け装置の側面図。
【図11】 本発明の一実施例の接木ロボットのクリッ
プ掛け装置の側面図。
【図12】 本発明の一実施例の接木ロボットのクリッ
プ掛け装置の側面図。
【図13】 本発明の一実施例および従来の接木ロボッ
トのクリップフィーダ部と接木部のタイムチャートを示
す図。
【図14】 本発明の一実施例の接木ロボットの作動シ
ーケンスを示す図。
【図15】 本発明の一実施例の接木ロボットの台木部
のタイムチャートを示す図。
【図16】 本発明の一実施例の接木ロボットの穂木部
のタイムチャートを示す図。
【図17】 本発明の一実施例の接木ロボットのクリッ
プ供給部のタイムチャートを示す図。
【符号の説明】
1…クリップフィーダ部、2…接木部、3…台木部、5
…穂木部、6…接合部、9…クリップガイドレール、1
3…台木苗供給板、14…穂木苗供給板、15…天板、
18…台木搬送装置、19…台木切断装置、22…穂木
搬送装置、23…穂木切断装置、25…クリップ接合装
置、123…クリップ、124…クリップ掛け装置、1
25…狭窄ガイドレール、126…クリップ開閉具、1
27…クリップ押し出しシリンダ、128…クリップ押
し出し具、131…接木ロボットフレーム、132…異
物(ゴミ)、133…通路、134…エアー吹出ノズ
ル、135…上下方向調節固定ロッド、136…左右方
向調節固定ロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−190717(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 1/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台木苗と穂木苗をそれぞれ切断した後、
    クリップフィーダ1から供給されるクリップ123で台
    木苗と穂木苗を接合するクリップ接合装置25を備えた
    接木ロボットにおいて、 クリップフィーダ1の振動式クリップ送路の先端部と、
    接木ロボットの基礎フレームに固定支持されるクリップ
    接合装置25との間に設けられた間隔の下方にクリップ
    123に同伴された異物を排出する通路133を設けた
    ことを特徴とする接木ロボット。
  2. 【請求項2】 台木苗を切断する台木部3と穂木苗を切
    断する穂木部5と切断された台木苗と穂木苗とを接合す
    る接合部6とを備えた接木部2と、多数のクリップ12
    3を同時に移送する振動型のクリップフィーダ1と、該
    クリップフィーダ1から供給されるクリップ123をク
    リップフィーダ1の移送方向と同じ方向に移送し、前記
    接合部6へ1個づつ供給して台木苗を穂木苗を接合する
    クリップ接合装置25と、クリップ接合装置25のクリ
    ップ123の有無を検知するセンサ129とを備えた接
    ぎ木ロボットであって、 クリップ検知センサ129によりクリップ123が有る
    ことを検知するとクリップ接合装置25が作動し、クリ
    ップ検知センサ129によるクリップ123検知の有無
    に拘らずクリップフィーダ1を作動可能にし、接木部2
    の作動を一時停止させたときはクリップ接合装置25の
    作動を停止させると共に、クリップフィーダ1の作動も
    停止させるよう構成したことを特徴とする接ぎ木ロボ
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