JP2993650B2 - 接木ロボット - Google Patents

接木ロボット

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JP2993650B2
JP2993650B2 JP4161515A JP16151592A JP2993650B2 JP 2993650 B2 JP2993650 B2 JP 2993650B2 JP 4161515 A JP4161515 A JP 4161515A JP 16151592 A JP16151592 A JP 16151592A JP 2993650 B2 JP2993650 B2 JP 2993650B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は台木苗と穂木苗を自動的
に供給・接ぎ木する接木苗製造用の接木ロボットに関
し、特に、接木ロボットを構成する各部材のレイアウト
およびクリップ接合のための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の接木苗製造用のロボットは例えば
実開平3−27933号公報、実開平4−49935号
公報等に開示されているような装置が知られている。前
記公報記載の接木ロボットは、円盤台の外周部に放射状
に複数個設けられた苗支持孔に予め配置された台木苗お
よび同一構造の円盤台に配置された穂木苗をそれぞれ3
60度回転させながら、該円盤台に隣接して、やはり3
60度の回転をする台木処理円盤部および穂木処理円盤
部にそれぞれ突出して設けられる固定ハンドに一つずつ
各苗を受け渡し、各苗処理円盤部がそれぞれ所定角度回
転した位置で、切断装置で台木苗および穂木苗をそれぞ
れ切断し、これらの苗をさらに所定角度回転させて台木
と穂木が接合できる位置に回転搬送させ、台木と穂木を
クリップで接合する装置である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来の接
木ロボットをさらに改良して、使いがっての良い接木ロ
ボットを提供することを目的とする。より詳細には、本
発明は接木ロボットの台木苗と穂木苗の供給・切断・接
合に適した各構成部材のレイアウトによりコンパクトな
構成となり、苗の供給作業性、作業の安全性に優れたク
リップ接合のための配置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するために、つぎのような技術的手段を講じた。す
なわち、横方向の一方に、台木苗供給装置と駆動手段に
より作動可能な台木苗搬送装置と台木苗切断装置とから
なる台木部を設け、横方向の他方に、穂木苗供給装置と
駆動手段により作動可能な穂木苗搬送装置と穂木苗切断
装置とからなる穂木部を設け、該台木部と穂木部との間
に切断した台木苗と切断した穂木苗とを接合する接合部
を設けてなる接木部と、該接合部に台木苗と穂木苗を接
合するクリップを供給するクリップ供給装置とを備え、
該接合部と台木苗供給装置と穂木苗供給装置とを略直線
上に配置し、前記台木苗搬送装置は、開閉自在に設けた
ハンドと、ハンドが台木苗供給装置にある台木苗のつか
み位置では伸びており、ハンドでつかんだ台木苗の切断
位置では縮んでおり、台木苗を接合するときは伸びにな
る伸縮可能な搬送ア−ムとを備え、穂木苗搬送装置は、
開閉自在に設けたハンドと、ハンドが穂木苗供給装置に
ある穂木苗のつかみ位置では伸びており、ハンドでつか
んだ穂木苗の切断位置では縮んでおり穂木苗を接合する
ときは伸びになる伸縮可能な搬送ア−ムとを備えたこと
を特徴とするなる接木ロボットとした。
【0005】そして、接合部の下方には空間部を設けた
ことを特徴とする請求項1記載の接木ロボットとした。
そして、台木苗切断装置は台木苗搬送装置の搬送ア−ム
先端部の搬送円周近傍に設け、穂木苗切断装置は穂木苗
搬送装置の搬送ア−ム先端部の搬送円周近傍に設けてな
る請求項1記載の接木ロボットとした。
【0006】そして、接木部の上部に天板を設けると共
に、該天板に台木苗搬送装置を作動する駆動手段および
穂木苗搬送装置を作動する駆動手段を懸架したことを特
徴とする請求項1記載の接木ロボット。そして、天板前
部のコーナー部に切欠きを設けたことを特徴とする請求
項4記載の接木ロボットとした。
【0007】そして、クリップ供給装置は、振動可能な
クリップボウルと、クリップボウルの外周部の接線方向
に接続された直線状の振動可能なクリップ送路と、クリ
ップ送路の先端近くでクリップ供給装置の支持フレーム
に固定支持されるクリップ掛け装置とからなることを特
徴とする請求項1記載の接木ロボットとした。そして、
クリップ供給装置のクリップ送路を移動するクリップの
進行方向と、クリップ送路の先端近くに設けたクリップ
掛け装置を移動するクリップの進行方向とは直線上にな
いようにしたことを特徴とする請求項6記載の接木ロボ
ット。
【0008】そして、クリップ供給装置は少なくとも振
動可能なクリップ送路と、クリップ送路の先端近くに設
けたクリップ掛け装置とを備え、該クリップ掛け装置を
位置変更可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の
接木ロボットとした。そして、クリップ供給装置は先端
部にクリップの取手部を開閉する開閉具と、クリップ掛
け装置からクリップを押し出すクリップ押出具を備えて
いることを特徴とする請求項1記載の接木ロボットとし
た。
【0009】そして、クリップ押出具は、クリップ押し
出し前進時にはクリップ把持部の上端コーナーを支持し
ながら押し出し、その後退時にはクリップ把持部上端を
乗り越える弾性部材を備えたことを特徴とする請求項9
記載の接木ロボットとした。そして、接木部の下面に、
結合された接木苗およびその切断片を区別して排出する
シュートを設けたことを特徴とする請求項1記載の接木
ロボットとしたそして、接木部の下方には、少なくとも
一以上が作動状態になると接木ロボットの動作が停止す
る緊急停止スイッチとして二以上のフットスイッチを設
けたことを特徴とする請求項1記載の接木ロボットとし
た。
【0010】
【作用】台木苗を横方向の一方に設けた台木部の台木苗
供給装置に供給し、穂木苗を横方向の他方に設けた穂木
苗供給装置に供給する。すると、台木苗は台木苗搬送装
置のハンドにつかまれた後に搬送ア−ムによって接合部
に搬送されるが、この接合部に至る間に台木苗切断装置
によって切断される。また、穂木苗は穂木苗搬送装置の
ハンドにつかまれた後に搬送ア−ムによって接合部に搬
送されるが、この接合部に至る間に穂木苗切断装置によ
って切断される。
【0011】なお、台木苗搬送装置の搬送ア−ムは台木
苗供給装置にある台木苗のつかみ位置では伸びており、
ハンドでつかんだ台木苗の切断位置では縮んでいる。ま
た、穂木苗搬送装置の搬送ア−ムは穂木苗供給装置にあ
る穂木苗のつかみ位置では伸びており、台木苗の切断位
置では縮んでいる。そして、接合部では、台木苗をつか
んでいる搬送ア−ムは穂木苗側に伸び、穂木苗をつかん
でいる搬送ア−ムは台木苗側に伸びて、台木苗の切断面
と穂木苗の切断面とを合わせる。そして、クリップ供給
装置によって供給されたクリップは前記台木苗と穂木苗
の合わせ面を把持し、また、台木苗の搬送ア−ム及び穂
木苗の搬送ア−ムは縮んで元の位置に戻り、接木を終了
する。
【0012】
【効果】台木苗供給装置及び穂木苗装置横方向において
遠方に位置するので、作業者に対する安全性を図れなが
らも、縦方向における接木ロボットの長さをコンパクト
に構成できる。また、台木苗と穂木苗の接合姿勢を良く
し、接木作業能率を高め得る。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を以下、図面と共に説明す
る。本実施例の接木ロボットの平面図を図1(天板を外
した図)に、その部分(接木部)拡大図を図2に、正面
図を図3(前面カバーを外した図)に、側面図を図4
(側面カバーを外した台木側の側面図)にそれぞれ示
す。接木ロボットはクリップフィーダ部1と接木部2か
らなり、接木部2は台木部3と穂木部5およびその中間
の接合部6からなっている。クリップフィーダ部1のク
リップボウル7外周からクリップガイドレール9を設
け、その先端部に接木部2を隣接させる。
【0014】また、台木苗と穂木苗の各々を把持、搬送
するためのそれぞれのロボットマニュピュレータ10、
11および苗供給板13、14を接木部2の天板15
(図3)に懸架している。一枚の天板15に全てのムー
ブメントを組み付けたため、寸法精度がよくなる。ま
た、天板15は接木ロボットのカバーと強度部材の役割
を果たしており、台木苗と穂木苗の切断カスの飛散を防
ぐ。図1の接木部2部分の拡大図を図2に示す。台木部
3は台木苗の供給装置17と台木苗の搬送装置18およ
び台木苗切断装置19からなり、また、穂木部5も同様
に穂木苗供給装置21、穂木苗搬送装置22、穂木苗切
断装置23からなっている。
【0015】台木苗供給装置17に人手により供給され
る台木苗は図1の矢印(イ)の方向に回転する台木苗搬
送装置18により台木苗切断装置19の位置(切断位
置)まで搬送され、ここで、切断装置19が回転して
(図4参照)その切断刃により台木苗の子葉を一枚残し
て、その他の子葉部分は切り落とされる。台木苗切断装
置19は先端に切断刃を取り付けた回転式カッターであ
り、図1の矢印(ハ)方向に回転する。切断されて子葉
一枚残した台木苗は矢印(ロ)方向に搬送され、接合部
6で接合装置25により穂木苗と接合される。
【0016】また、同様に人手により穂木苗供給装置2
1に供給された穂木苗は穂木苗搬送装置22により矢印
(ニ)方向に搬送され、切断位置で矢印(へ)方向に回
転する穂木苗切断装置23によりその胚軸部分より上の
組織を残して、一部胚軸部と根部が切り落とされる。そ
して、子葉部分を持つ穂木苗は矢印(ホ)方向に搬送さ
れ、台木苗と接合部6において、クリップフィーダ部1
から供給されるクリップで接合され、接木操作が完了
し、接木部2の下方に落下・回収される。
【0017】なお、クリップは台木苗と穂木苗の各切断
部を把持するときの接合具ならいかなる構造のものでも
よい。次いで、台木苗供給装置17と台木苗搬送装置1
8の説明をする。まず、台木苗供給装置17について主
に図2と図3により説明する。台木苗供給板13は台木
苗胚軸径よりも大きな受け溝13aと対向する方向に開
いている両子葉の裏面に接触する角度を持って台木苗を
受け取る構造からなる保持部13bからなっている。受
け溝13aの径を台木苗の子葉展開基部の径より大きく
しているので台木苗は子葉が保持部13bに安定に保持
される。さらに、子葉裏面に接触する角度を持って保持
部13bが設けられているので、台木苗を供給する時に
子葉の向きを正確にセットしなくても略同一方向に苗を
供給板13上に載せる事ができる。
【0018】台木苗供給板13にセットされた台木苗は
台木苗搬送装置18で把持されて、切断位置と接合位置
に順次搬送される。台木苗搬送装置18の詳細図を図5
に示す。図5(a)は上面図であり、図5(b)は側面
図であり、図5(c)は搬送装置先端部の下面図であ
る。台木搬送装置18の台木苗搬送用回転アクチュエー
タ29は天板15に支持され、該アクチュエータ29の
下部には台木苗搬送アーム支持体30が該アクチュエー
タ回転軸31を中心に回転自在に支持されている。台木
苗搬送アーム支持体30には、該支持体30に支持され
た台木苗搬送アーム押出シリンダ33、該シリンダ33
に設けられた台木苗搬送アーム34と該台木苗搬送アー
ム34先端の台木苗把持部35(台木苗胚軸ハンド37
と台木苗根固定ハンド38と台木苗首吊片39と円筒ロ
ーラ41)が設けられている。
【0019】前記両ハンド37、38は台木苗搬送アー
ム34のボックス42内に設けられたエアシリンダ(図
示せず)により台木苗を把持するように開閉制御され
る。図5(b)のハンド37、38部分の下視図である
図5(c)に示すように台木苗胚軸ハンド37は台木苗
の胚軸を傷つけないために該ハンド37内側はゴム製と
なっている。また、台木苗根固定ハンド38は台木苗根
鉢43(図5(b))の形を崩さないために、台木苗根
鉢43の円筒状の側面を把持するような湾曲板でできて
いる。
【0020】また、台木苗搬送アーム34には台木苗子
葉展開基部40(図8参照)を保持するための台木苗首
吊片39と円筒ローラ41およびこれらを支持する台木
苗首吊片支持アーム45および台木苗首吊片39を水平
面方向に回転させるための前記支持アーム45下面に取
り付けられた首吊片回転アクチュエータ46からなる台
木苗首吊具47が設けられている。
【0021】また、台木苗搬送アーム支持体30には、
穂木苗との接合時に前記台木苗首吊具47を鉛直方向に
回転させ、台木苗子葉を持ち上げるための台木苗子葉持
ち上げ用回転アクチュエータ49も設けられている。台
木苗供給板13上の台木苗のセット位置まで押し出され
た台木苗搬送アーム34先端の台木苗胚軸ハンド37と
台木苗根固定ハンド38の作動エアシリンダが作動して
台木苗を把持する(図8)。このとき子葉展開基部40
はハンド37より距離をおいて上方にある。これらハン
ド37、38の作動と同時に台木苗搬送アーム用回転ア
クチュエータ29も作動して、前記ハンド37、38で
把持した台木苗を切断位置まで搬送する。
【0022】切断位置では前記ハンド37、38は所定
時間オフとするが、このとき、既に台木苗首吊片39
(台木苗供給板13で苗を受け取るときには図5(a)
の破線位置にある)が図5(a)の実線位置に来ている
ので、台木苗の子葉展開基部40は首吊片39で支持さ
れた状態となる(図5(b))。この直後に台木苗胚軸
ハンド37と台木苗根固定ハンド38が再び胚軸を把持
し、台木苗がその胚軸方向の設定切断位置に把持された
ことになる。
【0023】この台木苗首吊具47は台木苗の子葉展開
基部40を首吊片39で支え、台木苗を首吊状態にして
台木苗の切断位置の位置決めをするものであり、同一植
物では同一品種の苗の子葉展開基部40の太さの違いが
0.2〜0.3mmの範囲内にあるので、台木苗首吊具
47で台木苗の胚軸方向の切断位置を植物の種類毎に一
定とすることができる。
【0024】切断時には、図4に示す台木苗搬送用回転
アクチュエータ29の前面側の台木苗切断位置上部にあ
る台木苗子葉押え50が降りてきて、図6のように子葉
を押える。こうして、子葉は円筒ローラ41と子葉押え
50で挾み込まれて切断装置19の切断刃で容易に子葉
を一枚残した台木苗が得られる。また、穂木苗との接合
時には図7に示すように、この台木苗首吊具47を鉛直
方向に回転させ、台木苗に残す子葉を持ち上げ、クリッ
プが台木苗胚軸を把持できるようにする。
【0025】次に、穂木部について詳細に説明する。ま
ず、穂木部供給装置21について説明する。図2に明示
されるように穂木苗供給装置21には前面に開口した穂
木受け溝14cを形成した穂木苗供給板14が水平平面
を持つように設けられていて、この穂木苗受け溝14c
に人手により1本1本穂木苗の胚軸を挿入して、穂木苗
を支持させる。
【0026】穂木苗供給板14に支持された穂木苗は穂
木苗搬送装置22で把持されて、切断位置と接合位置に
順次搬送される。穂木苗搬送装置22の詳細図を図9に
示す。図9(a)は上面図(後述の穂木苗搬送用回転ア
クチュエータ73の図示は省略)であり、図9(b)は
側面図である。穂木苗搬送装置22は穂木苗搬送用回転
アクチュエータ73と該アクチュエータ73の下部の穂
木苗搬送アーム支持体75が該アクチュエータ回転軸7
6を中心に回転自在に支持されている。
【0027】穂木苗搬送アーム支持体75には、該支持
体75に支持された穂木苗搬送アーム押出シリンダ7
7、該シリンダ77により伸縮される穂木苗搬送アーム
79と該穂木苗搬送アーム79先端には穂木苗把持部8
0を構成する穂木苗子葉押えハンド81と穂木苗胚軸ハ
ンド83、穂木苗根固定ハンド84が設けられている。
前記両ハンド81、83は穂木苗搬送アーム79先端の
ハンド支持部材85内に設けられたエアシリンダ89に
より穂木苗を把持するように開閉制御され、また、穂木
苗子葉押えハンド81内側には穂木苗子葉を傷つけない
ためにゴム製である。
【0028】穂木苗供給位置では穂木苗胚軸ハンド83
のみが穂木苗を支え、切断位置で穂木苗子葉押えハンド
81が子葉を把持して、胚軸部位の切断の邪魔にならな
いようにする(図10参照)。穂木苗搬送アーム79の
一側面には穂木苗根固定ハンド84を支持するための支
持板87が固定されている。穂木苗根固定ハンド84は
この支持板87に水平位置から垂直位置に、その固定ハ
ンドアーム84aが回転できるように空気圧駆動式ロー
タリーアクチュエータ88が備え付けられている。この
穂木苗根固定ハンド84で穂木苗根近傍の胚軸を挟み込
んで支持し、これを切断位置で穂木苗胚軸を穂木苗切断
装置23で切断する際には該ハンド84を真下方向に回
転させ(図11参照)、穂木苗根が邪魔にならないよう
にする。このように、穂木苗子葉押えハンド81と穂木
苗胚軸ハンド83と穂木苗根固定ハンド84等で穂木苗
把持部が構成される。
【0029】この穂木苗搬送アーム79は搬送アーム押
出シリンダ77で押し出されるが、その押し出し量は押
し出量調整シム91により調整される。また、穂木苗搬
送アーム押出シリンダ77下部には裏当てガイド92が
固定されていて、穂木苗搬送アーム79が後退した位置
に来ると、その裏当てガイド92先端のガイド片92a
が穂木苗の胚軸切断時に胚軸の裏当てをする(図11参
照)。
【0030】裏当てガイド92が穂木苗切断時にそのガ
イド片92aによる胚軸の裏当て支持によりカッタによ
る切断が確実に行える。なお、穂木苗切断装置の回転方
向は図1、図11に示す通りであり、台木苗切断装置1
9とは逆方向に回転させる。その理由は台木苗切断時に
は子葉一枚を胚軸に残した状態で切断するのには胚軸側
から子葉側に切断したほうが有利であるのに対して、穂
木苗の胚軸の切断は裏当てガイド92先端のガイド片9
2aの押えを効かすためと、胚軸が切断されてできるそ
の先端の鋭角部の形が崩れないようにするためである。
【0031】次に切断装置を図12により説明する。な
お、切断装置は台木部3、穂木部5にそれぞれ設けられ
ているが、両方に共通する機構からなるものである。図
12には台木部3側の切断装置を示す。図12(a)は
その上面図(接木ロボット上面から見た方向)であり、
図12(b)は図12(a)の矢印A方向(接木ロボッ
トの穂木部側の側壁側から見た方向)から見た側面図で
ある。カッタ駆動用モータ111は鉛直方向に向いた支
柱112に支持されていて、そのモータ111の回転軸
113にカッタアーム115が取り付けられている。
【0032】このカッタアーム115の先端に該アーム
115と直交する方向に設けられた切断刃支持片116
に切断刃117が取り付けられている。カッタアーム1
15への切断刃支持片116の取り付け位置はカッタア
ーム115に設けられた調整ネジ119等の調整具で行
う。また、カッタ駆動用モータ111の取り付け高さの
調節は支柱112に設けられた調整ネジ120等の調整
具で行う。
【0033】また、カッタアーム115には胚軸の切断
の邪魔にならないように、切断は117が胚軸に当たる
前に切断刃117の回転軌跡内にある苗の子葉(切り落
とす子葉)を持ち上げるための子葉持ち上げガイド12
2が設けられている。なお、図2に示す穂木部の穂木苗
切断装置23は切断刃117が支柱112と同一鉛直面
上に来た状態を示している。
【0034】次に本実施例の特徴部分であるクリップフ
ィーダ部1と接木部2の説明をする。図1に示すように
クリップフィーダ部1はそのボウル7外周からクリップ
ガイドレール9を設け、その先端部に接木部2を隣接さ
せ、この接木部2において、穂木苗と台木苗をそれぞれ
供給して接合するようにしたので、クリップ123(図
15〜17参照)の供給方向と苗の供給方向が互いに干
渉し合わないため、合理的な作業配置が可能となる。
【0035】また、図3に示すように台木苗と穂木苗の
各々を把持、搬送のためのロボットマニュピュレータ1
0、11および苗供給板13、14を接木部2の天板1
5に懸架しているため、一枚の天板15に全てのムーブ
メントを組み付けたため、寸法精度がよくなる。また、
天板15は接木ロボットのカバーと強度部材の役割を果
たしており、台木苗と穂木苗の切断カスの飛散を防ぐ。
【0036】また、図13(a)に示すように、接木部
天板15の両側コーナー部には切欠き15aを設け、作
業者が斜め上方から見ながら苗を供給する際、苗供給部
分が見やすくなる。また、天板両側コーナーの切欠き1
5aの下側は接木ロボットのフレーム131の露出され
た状態になり、該露出部131が接木ロボット移動など
の際に取手として使える。
【0037】また、図13(b)、図13(c)に示す
ように接木ロボットの緊急停止スイッチとして台木、穂
木供給者用にそれぞれにフットスイッチ132を設け、
いずれか一方のフットスイッチ132がONすれば接木
ロボットが作動停止するようにした。そのため、2人で
作業を行っていても、いずれか一方の作業者の意志で緊
急停止が可能となり、また、作業で手がふさがっていて
もフットスイッチ132なので緊急停止が可能となる。
【0038】また、図1に示すクリップフィーダ駆動モ
ータ133をクリップガイドレール9に対して、ボウル
7の反対側に配置すると、クリップフィーダ部1のボウ
ル7中心とクリップフィーダ駆動モータ133中心を結
ぶ中心線がクリップガイドレール9の中心線と略直角に
なるので、重心位置を接木ロボットの機体中心に近づけ
ることで、機体の重量バランスが良くなる。
【0039】また、図14に示すように、クリップフィ
ーダの振動式のクリップガイドレール9の進路方向とそ
の先端のクリップ掛け装置124のクリップ進路方向を
異なるように配置すると、図14の方が装置全体の重心
位置の片寄がなくなり、接木ロボットの重量バランスが
良くなり、かつ図1に比べ、クリップフィーダ部1のボ
ウル7部分の突出がなくなり機体長を短くすることがで
きる。
【0040】接木クリップ123は数回繰り返し使用す
るため、土などのゴミが付着したまま、クリップフィー
ダ部1のボウル7に供給されることがあるが、このゴミ
がクリップガイドレール9に詰まり、供給ミスの原因と
なることがあったが、クリップフィーダ部1の整列動作
中に不整列クリップを落とす部分1aを網目状とする
と、網目状部分から土だけがふるい落とされてクリップ
を自動的に清浄にすることが可能となった。
【0041】また、クリップフィーダ部1先端に接続す
るクリップ掛け装置124(クリップ接合装置25)は
図3に示すように、上下方向と左右方向の2方向をそれ
ぞれ独立して調整、固定可能なロッド135、136を
それぞれ持ち、クリップ123による接合位置におい
て、穂木苗、台木苗の組とクリップ123の位置関係を
微調整することで多品目の接木を可能とする。
【0042】また、振動式のクリップフィーダボウル7
から直線状に振動式クリップガイドレール9を設け、そ
の先端部に固定された接合苗用のクリップ掛け装置12
4を配置したことで、大量のクリップ123を接木ロボ
ットの作動を停止することなく、供給することができ
る。また、クリップフィーダ部1に直接クリップ掛け装
置124を配置したことで、クリップ123の送りミス
を少なくし、台木と穂木の各々のロボットマニュピュレ
ータ10,11との距離も短くできた。
【0043】また、クリップ掛け装置124はフレーム
131に固定され、クリップガイドレール9はクリップ
掛け装置124に対して摺動可能に取り付けられている
ので、クリップフィーダ部1の振動はクリップ掛け装置
124には伝わらない。そして、クリップ掛け装置12
4とフレーム131を確実に固定することで、接合率の
安定化が可能となった。
【0044】また、図13(図13(a)は上面図、図
13(b)は側面図、図13(c)は前面図)に示すよ
うに接木部2の下面に接木苗および切断片を排出するシ
ュート139を設ける。この排出シュート139は3分
割されており、台木苗と穂木苗の接合位置直下の接木苗
は図13(b)および図13(c)に示すように、接木
ロボット前方方向(矢印(イ))に排出され、切断片は
前記接合位置の両側のクリップフィーダ部1の下側方向
の切断片ボックス141方向(矢印(ロ))へ排出され
るように排出方向が規制されている。このように、接合
苗と切断片を分離し、かつ排出場所が異なるため、接合
苗の搬送作業と切断片の排出作業が干渉することがなく
なった。また、接木部2の両側に座る苗供給者に干渉し
ないように接合苗および切断片の排出が可能となる。
【0045】また、接木部2の台木苗、穂木苗それぞれ
の苗供給装置の外側には回動可能な扉140を設け、こ
の扉140の開放時は机となるように配置したため、こ
の扉140の開放時は、これを苗供給者は供給する苗の
ストック場所として使え、扉140を閉じた時には、接
木ロボットの収納輸送時などにおいて、装置内の繊細な
機械であるマニュピュレータを保護する役目を果たす。
【0046】また、図13(b)で明らかなように、接
木部2の下側には空間があるので、接木部2の両側から
穂木苗と台木苗をそれぞれ人間が供給する際、着席姿勢
をとると足が接合部2の下側空間に入り、楽な姿勢で作
業ができる。また、振動源であるクリップフィーダ部1
の四方を囲むように接木ロボットの強固なフレーム13
1を組みその一端に接木部2を設けたため、接木ロボッ
ト全体への振動を最小限にでき、その一端に接木部2を
延長して懸架させることが可能となった。
【0047】次にクリップ供給装置とクリップ接合装置
について図15〜17に示す。図1に示すようにクリッ
プ供給装置のクリップフィーダ部1はクリップボウル7
の内面に沿って螺旋状の上昇路を持つ振動型のパーツフ
ィーダ(振動システムNB−300:(株)モートロ
ン)にクリップ123(図15、図16、17参照)の
取手部123aの両端部をガイドする溝を形成した振動
トラフからなるクリップガイドレール9を接続して、そ
のガイドレール先端は接木部2に臨むクリップ掛け装置
124が接続している。
【0048】図15には結合具(クリップ)ガイドレー
ル9に接続するクリップ掛け装置124(=クリップ接
合装置25)の要部上面図を示し、図16、17にはそ
の側面図を示す。図15に示すように、このガイドレー
ル9の先端は接木部2の台木苗と穂木苗の接合部の直前
で前記クリップ123の取手123aの両端部のガイド
間隔を狭め、クリップ123の把持部123bを開放す
るための狭窄ガイドレール125が接続している。ここ
で把持部123bを開放した状態で前進したクリップ1
23(図15(a))が台木苗と穂木苗の接合位置に来
ると、クリップ開閉具126がクリップ123の取手部
123aの付勢を開放する方向に移動して(図15
(b))、把持部123bにより台木苗と穂木苗を接合
状態に保つ。
【0049】なお、クリップの把持部とはクリップ先端
部の苗を把持する部分であり、図13に示すクリップ1
23の例では苗の茎を把持するためのクリップ先端部1
23bであり、クリップ取手部とは、クリップ先端部を
クリップばねの付勢力に抗して開閉するための基部であ
り、もし人間がクリップを掴んでその先端を開くとする
と、指で掴む部分であり、図13では取手部123aで
図示されている。
【0050】クリップ123の前進は図16、17に示
す手順で次のようにして行われる。まず、クリップフィ
ーダ部1からガイドレール9を経て供給されるクリップ
123は狭窄ガイドレール125(図15の平面図参
照)の基部の位置にくると(図16(a))、クリップ
押出シリンダ127が作動開始して、このシリンダ12
7の先端に固定支持されている金属製の弾性変形可能な
帯状体からなるクリップ押出具128が前進し、クリッ
プ押出具128の側面から見てレの字状の折れ曲り部の
先端の平面がクリップ123の取手部123aの肩を押
すことで、クリップ123を狭窄ガイドレール125に
乗せる(図16(b))。
【0051】このときクリップ123の取手部123a
が狭窄ガイドレール125の狭い間を強制的に押される
のでクリップ123の把持部123bが開放するが(図
15(a)参照)、この段階でクリップ開閉具126が
図15(b)のようにクリップ123の取手部123a
の両側からの押さえを開放するように作動するのでクリ
ップ123の把持部123bは接木苗を締め付けること
ができ、同時に取手部123aの肩を押し続けているク
リップ押出具128が前進して、接木苗をクリップ12
3と共に地面に向けて落下させる(図17(a))。
【0052】クリップ押出具128の先端は図示のよう
にクリップ把持部123bの上方コーナと同一形状と
し、しかもこの先端部から基部にかけて傾斜した側面視
でレの字形状をしており、弾性変形が容易な金属製の帯
状体であるので、クリップ押出シリンダ127の後退時
には、次に狭窄ガイドレール125に供給されるべく待
機中のクリップ123のクリップ把持部123bにクリ
ップ押出具128の傾斜部が当たり、クリップ押出具1
28の後退につれて、その傾斜部が変形して、クリップ
把持部123bを乗り越えることができる(図17
(b))。
【0053】なお、クリップ掛け装置124の上方には
クリップの有無を検知するセンサ129が設けられてい
て、クリップ123が供給されなくなると、自動的に動
作停止するようになっている。次に本実施例の接木ロボ
ットの作動の手順を説明すると、まず、接木ロボットの
作動シーケンスを図18を用いて説明する。台木苗供給
板13にセットされた台木苗を押し出された台木苗搬送
アーム34の先端の台木苗胚軸ハンド37と台木苗根固
定ハンド38でつかみ、これを90度回転搬送させ、こ
の間に台木苗の子葉展開基部50を首吊片39で支持し
ながら台木苗を首吊状態にした後、台木苗胚軸ハンド3
7と台木苗根固定ハンド38で台木苗を持ち換えて、切
断位置で子葉を一枚残して、その他の子葉部分を切断す
る。
【0054】また、この台木苗の供給位置から切断位置
への搬送と同時に穂木苗供給板14にセットされた穂木
苗も押し出された穂木苗搬送アーム79先端の穂木苗子
葉押えハンド81と穂木苗胚軸ハンド83と穂木苗根固
定ハンド84で把持して、切断位置に搬送する。ここで
胚軸を切断しやすいように、穂木苗根を根固定ハンド8
4で切断刃の軌跡の外に固定する。それぞれ切断された
台木苗と穂木苗は接合位置まで90度回転搬送され、こ
こでクリップ123により接合される。このときの台木
苗に残された子葉と穂木苗の対向する方向にある一対の
子葉とは直交する方向に接合される。
【0055】そして台木苗搬送アーム34と穂木苗搬送
アーム79は初期位置である台木苗供給位置および穂木
苗供給位置に180度逆回転して戻る。このとき本実施
例の切断装置19、23は切断刃117を回転させて使
用する機械であるので、次のような安全装置を持ってい
る。まず、フットスイッチ132(図13)を台木苗側
と穂木苗側に設けておく。こうして台木苗と穂木苗はそ
れぞれ別人により各々の供給板13、14にセットする
必要があり、二人のうちのいずれかの者がロボットを停
止させたいときに、随時ロボットを停止させることがで
きる。また、接木ロボットの接木部2前面は安全カバー
(図示せず)で覆われているので、この安全カバーが開
かれるとロボットが停止する。
【0056】さらに、クリップ123がなくなったこと
をクリップ有無センサ129(図16、17)が検知す
ると、台木苗と穂木苗の接木作業ができなくなるので、
この場合も停止する。ただし、この場合はクリップ12
3がセットされると、リセットスイッチで作業が続行さ
れる。クリップ123がなくなったとき以外に接木ロボ
ットが停止した場合は、接木ロボットの作業は最初から
やり直す。
【0057】つぎに、タイムチャート(図19〜図2
1)を参照しながら接木ロボットの動作を説明する。ま
ず、台木部の各装置の動きを説明する。台木苗供給板1
3にセットされた台木苗をつかむために台木苗搬送アー
ム押出シリンダ33にエアーが供給されて搬送アーム3
4が前進する。台木苗受け取り位置で該アーム34先端
の台木苗胚軸ハンド37と台木苗根固定ハンド38の作
動エアシリンダ(台木搬送アームボックス42内にあ
る)が作動して台木苗を把持する(図8)。これらハン
ド37、38の作動と同時に台木苗搬送用回転アクチュ
エータ29も作動して、前記ハンド37、38で把持し
た台木苗を切断位置まで搬送する。
【0058】このとき、台木苗の切断位置裏側に円筒ロ
ーラ41を当接させたため、台木苗搬送アーム押出シリ
ンダ33はオフとなり、搬送アーム34は後退してい
る。切断位置では前記ハンド37、38は所定時間オフ
となる。このとき、既に台木苗首吊片39が図5(a)
の実線位置に来ているので、台木苗の子葉展開基部40
は首吊片39で支持された状態となる(図5(b))。
この直後に胚軸ハンド37と固定根ハンド38がオンと
なり、台木苗のその設定された胚軸の切断位置が決めら
れたことになる。
【0059】次いで、台木苗子葉押え50がオンとなり
(図6)、この状態で台木苗の子葉を一枚残して、他の
子葉が図6矢印のように切断刃117で切り落とされ
る。ついで、回転アクチュエータ29が再びオンとな
り、子葉を一枚残した台木苗を接合位置付近まで搬送す
る。接合位置付近では搬送アーム押出シリンダ33が再
びオンとなり、台木苗を穂木苗と接合される位置に前進
する。回転アクチュエータ29はクリップ123が押し
出されて接合が完了するまで、オン状態を保つ。なお、
図19のタイムチャートのクリップ押出位置は後述する
クリップ押し出し第一段位置である。
【0060】接合位置では台木苗に残した一枚の子葉を
接合し易いように、円筒ローラ41で持ち上げるため
に、台木苗子葉持ち上げ用回転アクチュエータ49が図
7のように所定角度回転する。接合が終わると胚軸ハン
ド37、根固定ハンド38、搬送用回転アクチュエータ
29および子葉持ち上げ用回転アクチュエータ49はオ
フとなり、それぞれが台木苗供給位置に戻る。
【0061】なお、台木苗搬送用回転アクチュエータ2
9は二段式アクチュエータ(ニューエラー(株)製)で
あり、台木苗供給位置から切断位置までの90度の回転
搬送と切断位置から接合位置までの90度の回転搬送を
順次行うことができる。次に穂木部の各種装置の作動を
図20のタイムチャートを参照しながら説明すると、穂
木苗供給板14にセットされた穂木苗をつかむために穂
木苗搬送アーム押出シリンダ77にエアーが供給されて
穂木苗搬送アーム79が前進する。穂木苗受け取り位置
で該搬送アーム79先端の穂木苗胚軸ハンド83の作動
エアシリンダ89が作動して穂木苗の胚軸を把持する。
この胚軸ハンド83の作動と同時に穂木苗搬送用回転ア
クチュエータ73も作動して、前記ハンド83で把持し
た穂木苗を切断位置まで搬送する。
【0062】このとき、穂木苗の胚軸の切断部の裏側を
裏当てガイド片92aに当接させるため、穂木苗搬送ア
ーム押出シリンダ77はオフとなり、搬送アーム79は
後退している。また、穂木苗が切断位置まで搬送されて
いる間に、根固定ハンド84が穂木根を図11に示すよ
うに固定する。これは穂木苗の胚軸を図11矢印のよう
に切断刃でカットするときに、穂木苗根が切断刃の動作
の邪魔にならないようにするためである。切断位置では
子葉押えハンド81が作動し、穂木苗の子葉を図11に
示すように束ねて、同じく子葉が切断刃の動作の邪魔に
ならないようにする。穂木苗の胚軸がカットされると胚
軸の一部と穂木苗根は切り落とされ、残った胚軸と子葉
は両ハンド81、83に把持されたままで、穂木苗搬送
用回転アクチュエータ73の作動で接合位置付近に回転
搬送される。接合位置付近では搬送アーム押出シリンダ
77が再びオンとなり、穂木苗を台木苗と接合される位
置に前進させる。この穂木苗搬送用回転アクチュエータ
73はクリップ123が押し出されて接合が完了するま
で、オン状態を保つ。なお、図20のタイムチャートの
クリップ押出位置は後述するクリップ押し出し第一段位
置である。なお、穂木苗搬送用回転アクチュエータ73
は台木苗搬送用回転アクチュエータ29と同様の二段式
アクチュエータ(ニューエラー(株)製)である。
【0063】次に、クリップ供給部の各種装置の作動を
図21のタイムチャートを参照しながら説明すると、接
合位置に台木苗と穂木苗が供給されると、図16(b)
のクリップ押出シリンダ127がクリップ123をクリ
ップ押出位置(第一段押し出し位置)まで押し出す。ク
リップ押出シリンダ127は二段式のエアシリンダであ
り、ここで一旦クリップ押し出しを停止し、その間にク
リップ開閉具126(図15)が作動して、クリップの
付勢端部を開放することで、クリップ先端が閉じる。こ
の開閉具126の作動に同期して、図17(a)に示す
位置までクリップ押出シリンダ127は接合苗をさらに
押し出し(第二段押し出し位置)、接合苗受け部に落下
させる。この後、クリップ123は元の位置に後退す
る。この動作を各々の接合毎に繰り返す。なお、本発明
でいうクリップは台木苗と穂木苗の各切断部を把持する
ときの接合具ならいあかなる構造のものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の接木ロボットの平面図で
ある。
【図2】 本発明の一実施例の接木ロボットの接木部の
平面図である。
【図3】 本発明の一実施例の接木ロボットの接木部の
正面図である。
【図4】 本発明の一実施例の接木ロボットの接木部の
側面図である。
【図5】 本発明の一実施例の接木ロボットの台木苗搬
送装置の図である。
【図6】 本発明の一実施例の接木ロボットの台木苗切
断時の台木苗搬送装置付近の図である。
【図7】 本発明の一実施例の接木ロボットの台木苗と
穂木苗の接合時の台木苗搬送装置の図である。
【図8】 本発明の一実施例の接木ロボットの台木苗の
供給装置から受け取った状態の台木苗搬送装置の図であ
る。
【図9】 本発明の一実施例の接木ロボットの穂木苗搬
送装置の図である。
【図10】 本発明の一実施例の接木ロボットの穂木苗
切断前の穂木苗搬送装置の図である。
【図11】 本発明の一実施例の接木ロボットの穂木苗
切断時の穂木苗搬送装置付近の図である。
【図12】 本発明の一実施例の接木ロボットの切断装
置の図である。
【図13】 本発明の一実施例の接木ロボットのクリッ
プフィーダ部と接木部のレイアウトとこれらの支持フレ
ームを示す図である。
【図14】 本発明の一実施例の接木ロボットのクリッ
プフィーダ部のレイアウトを示す図である。
【図15】 本発明の一実施例の接木ロボットのクリッ
プ掛け装置の平面図である。
【図16】 本発明の一実施例の接木ロボットのクリッ
プ掛け装置の側面図である。
【図17】 本発明の一実施例の接木ロボットのクリッ
プ掛け装置の側面図である。
【図18】 本発明の一実施例の接木ロボットの作動シ
ーケンスを示す図である。
【図19】 本発明の一実施例の接木ロボットの台木部
のタイムチャートを示す図である。
【図20】 本発明の一実施例の接木ロボットの穂木部
のタイムチャートを示す図である。
【図21】 本発明の一実施例の接木ロボットのクリッ
プ供給部のタイムチャートを示す図である。
【符号の説明】 1…クリップフィーダ部、2…接木部、3…台木部、5
…穂木部、6…接合部、9…クリップガイドレール、1
0…台木ロボットマニュピュレータ、11…穂木ロボッ
トマニュピュレータ、13…台木苗供給板、14…穂木
苗供給板、15…天板、18…台木苗搬送装置、19…
台木苗切断装置、22…穂木苗搬送装置、23…穂木苗
切断装置、25…クリップ接合装置、29…台木苗搬送
用回転アクチュエータ、33…台木苗搬送アーム押出シ
リンダ、34…台木苗搬送アーム、35…台木苗把持
部、37…台木苗胚軸ハンド、38…台木苗根固定ハン
ド、39…台木苗首吊片、41…円筒ローラ、47…首
吊具、49…子葉持ち上げ用回転アクチュエータ、50
…台木苗子葉押え、73…穂木苗搬送用回転アクチュエ
ータ、77…穂木苗搬送アーム押出シリンダ、79…穂
木苗搬送アーム、80…穂木苗把持部、81…穂木苗子
葉押えハンド、83…穂木苗胚軸ハンド、84…穂木苗
根固定ハンド、92…裏当てガイド、117…切断刃、
123…クリップ、124…クリップ掛け装置、125
…狭窄ガイドレール、126…クリップ開閉具、127
…クリップ押し出しシリンダ、128…クリップ押し出
し具、131…接木ロボットフレーム、132…フット
スイッチ、133…クリップフィーダ駆動モータ、13
5…上下方向調節固定ロッド、136…左右方向調節固
定ロッド、139…シュート、140…扉、141…切
断片ボックス

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横方向の一方に、台木苗供給装置と駆動
    手段により作動可能な台木苗搬送装置と台木苗切断装置
    とからなる台木部を設け、横方向の他方に、穂木苗供給
    装置と駆動手段により作動可能な穂木苗搬送装置と穂木
    苗切断装置とからなる穂木部を設け、該台木部と穂木部
    との間に切断した台木苗と切断した穂木苗とを接合する
    接合部を設けてなる接木部と、該接合部に台木苗と穂木
    苗を接合するクリップを供給するクリップ供給装置とを
    備え、該接合部と台木苗供給装置と穂木苗供給装置とを
    略直線上に配置し、前記台木苗搬送装置は、開閉自在に
    設けたハンドと、ハンドが台木苗供給装置にある台木苗
    のつかみ位置では伸びており、ハンドでつかんだ台木苗
    の切断位置では縮んでおり、台木苗を接合するときは伸
    びになる伸縮可能な搬送アームとを備え、穂木苗搬送装
    置は、開閉自在に設けたハンドと、ハンドが穂木苗供給
    装置にある穂木苗のつかみ位置では伸びており、ハンド
    でつかんだ穂木苗の切断位置では縮んでおり穂木苗を接
    合するときは伸びになる伸縮可能な搬送アームとを備え
    ことを特徴とするなる接木ロボット。
  2. 【請求項2】 接合部の下方には空間部を設けたことを
    特徴とする請求項1記載の接木ロボット。
  3. 【請求項3】 台木苗切断装置は台木苗搬送装置の搬送
    アーム先端部の搬送円周近傍に設け、穂木苗切断装置は
    穂木苗搬送装置の搬送アーム先端部の搬送円周近傍に設
    けてなる請求項1記載の接木ロボット。
  4. 【請求項4】 接木部の上部に天板を設けると共に、該
    天板に台木苗搬送装置を作動する駆動手段および穂木苗
    搬送装置を作動する駆動手段を懸架したことを特徴とす
    る請求項1記載の接木ロボット。
  5. 【請求項5】 天板前部のコーナー部に切欠きを設けた
    ことを特徴とする請求項4記載の接木ロボット。
  6. 【請求項6】 クリップ供給装置は、振動可能なクリッ
    プボウルと、クリップボウルの外周部の接線方向に接続
    された直線状の振動可能なクリップ送路と、クリップ送
    路の先端近くでクリップ供給装置の支持フレームに固定
    支持されるクリップ掛け装置とからなることを特徴とす
    る請求項1記載の接木ロボット。
  7. 【請求項7】 クリップ供給装置のクリップ送路を移動
    するクリップの進行方向と、クリップ送路の先端近くに
    設けたクリップ掛け装置を移動するクリップの進行方向
    とは直線上にないようにしたことを特徴とする請求項6
    記載の接木ロボット。
  8. 【請求項8】 クリップ供給装置は少なくとも振動可能
    なクリップ送路と、クリップ送路の先端近くに設けたク
    リップ掛け装置とを備え、該クリップ掛け装置を位置変
    更可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の接木ロ
    ボット。
  9. 【請求項9】 クリップ供給装置は先端部にクリップの
    取手部を開閉する開閉具と、クリップ掛け装置からクリ
    ップを押し出すクリップ押出具を備えていることを特徴
    とする請求項1記載の接木ロボット。
  10. 【請求項10】 クリップ押出具は、クリップ押し出し
    前進時にはクリップ把持部の上端コーナーを支持しなが
    ら押し出し、その後退時にはクリップ把持部上端を乗り
    越える弾性部材を備えたことを特徴とする請求項9記載
    の接木ロボット。
  11. 【請求項11】 接木部の下面に、結合された接木苗お
    よびその切断片を区別して排出するシュートを設けたこ
    とを特徴とする請求項1記載の接木ロボット。
  12. 【請求項12】 接木部下方には、少なくとも一以上
    が作動状態になると接木ロボットの動作が停止する緊急
    停止スイッチとして二以上のフットスイッチを設けたこ
    とを特徴とする請求項1記載の接木ロボット。
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