JP3309220B2 - アルギン酸リアーゼ - Google Patents
アルギン酸リアーゼInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルギン酸リアー
ゼに関する。更に詳しくは、本発明は、昆布、ワカメな
どの褐藻類由来アルギン酸又はシュードモナス属細菌な
どの微生物由来のアルギン酸に対して特に優れた分解活
性を示すアルギン酸リアーゼに関する。
ゼに関する。更に詳しくは、本発明は、昆布、ワカメな
どの褐藻類由来アルギン酸又はシュードモナス属細菌な
どの微生物由来のアルギン酸に対して特に優れた分解活
性を示すアルギン酸リアーゼに関する。
【0002】本明細書において、アルギン酸には、アル
ギン酸の塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのア
ルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのア
ルカリ土類金属塩や、アルギン酸のプロピレングリコー
ル誘導体、アセチル誘導体などのエステルも含まれる。
ギン酸の塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのア
ルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのア
ルカリ土類金属塩や、アルギン酸のプロピレングリコー
ル誘導体、アセチル誘導体などのエステルも含まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アルギン酸は、昆布、
ワカメなどの褐藻類に20〜50%(乾物換算)含まれ
る主要な構成多糖であり、D−マンヌロン酸とL−グル
ロン酸とからなる、ヘテロポリマー又はブロックポリマ
ーであるとされている。
ワカメなどの褐藻類に20〜50%(乾物換算)含まれ
る主要な構成多糖であり、D−マンヌロン酸とL−グル
ロン酸とからなる、ヘテロポリマー又はブロックポリマ
ーであるとされている。
【0004】栄養学的には食物繊維としての機能があ
り、特にアルギン酸のカリウム塩はK−Na交換能を有
し、体内のNaを排泄する作用があると言われている。
この様な特性を有するアルギン酸を食品に適用できれ
ば、食品の生理的機能を高め得ることは明らかである。
ところが、アルギン酸は水に溶解すると極めて高粘性を
示すため、一般の食品に適用することは著しく困難であ
る。アルギン酸水溶液の粘度を低下させるためには、ア
ルギン酸リアーゼによりアルギン酸を分解することが有
効であると予想される。
り、特にアルギン酸のカリウム塩はK−Na交換能を有
し、体内のNaを排泄する作用があると言われている。
この様な特性を有するアルギン酸を食品に適用できれ
ば、食品の生理的機能を高め得ることは明らかである。
ところが、アルギン酸は水に溶解すると極めて高粘性を
示すため、一般の食品に適用することは著しく困難であ
る。アルギン酸水溶液の粘度を低下させるためには、ア
ルギン酸リアーゼによりアルギン酸を分解することが有
効であると予想される。
【0005】従来アルギン酸リアーゼは、細菌、褐藻、
貝などに存在し、細菌ではシュードモナス属、ビブリオ
属又はクレブシェラ属に属する細菌がアルギン酸リアー
ゼを産生することが知られている。しかしながら、これ
らの細菌のアルギン酸リアーゼ産生能は非常に低く且つ
産生されるアルギン酸リアーゼのアルギン酸分解能が非
常に低いため、工業的規模でアルギン酸を低分子化する
のに充分な量のアルギン酸リアーゼを得るには多大なコ
ストが必要になり、実質的には不可能である。
貝などに存在し、細菌ではシュードモナス属、ビブリオ
属又はクレブシェラ属に属する細菌がアルギン酸リアー
ゼを産生することが知られている。しかしながら、これ
らの細菌のアルギン酸リアーゼ産生能は非常に低く且つ
産生されるアルギン酸リアーゼのアルギン酸分解能が非
常に低いため、工業的規模でアルギン酸を低分子化する
のに充分な量のアルギン酸リアーゼを得るには多大なコ
ストが必要になり、実質的には不可能である。
【0006】また白色人種には、シェードモナス・アエ
ルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)の呼吸器感染に
より、該細菌が産生するアルギン酸を主成分とする粘稠
物が肺に蓄積して気管支を閉塞し、死に至らしめる嚢胞
性線維症(Cystic fibrosis)という先天性疾患が10
00〜2000人に1人の割合で認められている。この
疾患の治療には、抗生物質や消化酵素が用いられている
がその効果は不充分であり、アルギン酸分解活性の高い
アルギン酸リアーゼの開発が望まれている。
ルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)の呼吸器感染に
より、該細菌が産生するアルギン酸を主成分とする粘稠
物が肺に蓄積して気管支を閉塞し、死に至らしめる嚢胞
性線維症(Cystic fibrosis)という先天性疾患が10
00〜2000人に1人の割合で認められている。この
疾患の治療には、抗生物質や消化酵素が用いられている
がその効果は不充分であり、アルギン酸分解活性の高い
アルギン酸リアーゼの開発が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の現状に鑑み鋭意研究を重ね、日本各地の土壌、水、
海水などからサンプルを採取し、アルギン酸分解能を有
する微生物の検索を行った結果、アルギン酸リアーゼ産
生能が極めて高い細菌を2種発見した。而してこれらの
細菌菌体からアルギン酸分解能の高いアルギン酸リアー
ゼを非常に高収量で得ることができ、工業的規模でアル
ギン酸を低分子化できることを見い出し、先に特許出願
した(特願平3−164899号)。
術の現状に鑑み鋭意研究を重ね、日本各地の土壌、水、
海水などからサンプルを採取し、アルギン酸分解能を有
する微生物の検索を行った結果、アルギン酸リアーゼ産
生能が極めて高い細菌を2種発見した。而してこれらの
細菌菌体からアルギン酸分解能の高いアルギン酸リアー
ゼを非常に高収量で得ることができ、工業的規模でアル
ギン酸を低分子化できることを見い出し、先に特許出願
した(特願平3−164899号)。
【0008】ところが、本発明者の更なる研究の結果、
上記細菌の中の1種が上記特許出願に記載のアルギン酸
リアーゼとは異なる新規なアルギン酸リアーゼをも産生
すること、及び該新規なアルギン酸リアーゼが前記出願
のものに比べて更に優れた特性を有することを見い出
し、本発明を完成した。
上記細菌の中の1種が上記特許出願に記載のアルギン酸
リアーゼとは異なる新規なアルギン酸リアーゼをも産生
すること、及び該新規なアルギン酸リアーゼが前記出願
のものに比べて更に優れた特性を有することを見い出
し、本発明を完成した。
【0009】すなわち本発明は、配列番号:1で表わさ
れるN−末端アミノ酸配列を有し、下記理化学的性質を
有するアルギン酸リアーゼ(以下「Al−II−2リアー
ゼ」という)及び配列番号:2で表わされるN−末端ア
ミノ酸配列を有し、下記理化学的性質を有するアルギン
酸リアーゼ(以下「Al−III リアーゼ」という)に係
る。
れるN−末端アミノ酸配列を有し、下記理化学的性質を
有するアルギン酸リアーゼ(以下「Al−II−2リアー
ゼ」という)及び配列番号:2で表わされるN−末端ア
ミノ酸配列を有し、下記理化学的性質を有するアルギン
酸リアーゼ(以下「Al−III リアーゼ」という)に係
る。
【0010】Al−II−2リアーゼの理化学的性質; (1)作用:アルギン酸を非還元末端のC4−C5間に二
重結合を有する糖に分解し、最終的に4−デオキシ−5
−ケトウロン酸に分解する (2)分子量:25000 (3)最適pH:8.0 (4)安定pH:7.0〜8.0 (5)至適温度:70℃ (6)基質特異性:アルギン酸に作用し、褐藻類由来の
アルギン酸に対して極めて高い分解活性を有する
重結合を有する糖に分解し、最終的に4−デオキシ−5
−ケトウロン酸に分解する (2)分子量:25000 (3)最適pH:8.0 (4)安定pH:7.0〜8.0 (5)至適温度:70℃ (6)基質特異性:アルギン酸に作用し、褐藻類由来の
アルギン酸に対して極めて高い分解活性を有する
【0011】Al−III リアーゼの理化学的性質; (1)作用:アルギン酸を非還元末端のC4−C5間に二
重結合を有する糖に分解し、最終的に4−デオキシ−5
−ケトウロン酸に分解する (2)分子量:38000 (3)最適pH:8.0 (4)安定pH:7.0〜8.0 (5)至適温度:70℃ (6)基質特異性:アルギン酸に作用し、特に細菌由来
のアルギン酸に対して高分解活性を有する。
重結合を有する糖に分解し、最終的に4−デオキシ−5
−ケトウロン酸に分解する (2)分子量:38000 (3)最適pH:8.0 (4)安定pH:7.0〜8.0 (5)至適温度:70℃ (6)基質特異性:アルギン酸に作用し、特に細菌由来
のアルギン酸に対して高分解活性を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】各理化学的性質につき、以下に詳
述する。Al−II−2リアーゼとしては、後記実施例1
の「5.トヨパールHW−55カラムによる精製」後の
酵素液を用いた。またAl−III リアーゼの理化学的性
質は、後記する実施例2の「6.S−セファロースF.
F.カラムによる精製」後のピークII′のフラクション
を用いて測定した。
述する。Al−II−2リアーゼとしては、後記実施例1
の「5.トヨパールHW−55カラムによる精製」後の
酵素液を用いた。またAl−III リアーゼの理化学的性
質は、後記する実施例2の「6.S−セファロースF.
F.カラムによる精製」後のピークII′のフラクション
を用いて測定した。
【0013】なお、Al−II−2リアーゼ及びAl−II
I −リアーゼの諸性質を、本発明者らが先に特許出願し
た特願平3−164899号に記載のアルギン酸リアー
ゼ(以下「Al−Iリアーゼ」という)のそれと比較す
る形で示す。 〔アルギン酸リアーゼ活性の測定〕アルギン酸リアーゼ
の活性は、アルギン酸リアーゼがアルギン酸を分解する
ことにより生成する非還元末端のC4−C5間に2重結合
を有する糖が235nmに特異的な吸光度上昇を示すこ
とを利用して測定した。
I −リアーゼの諸性質を、本発明者らが先に特許出願し
た特願平3−164899号に記載のアルギン酸リアー
ゼ(以下「Al−Iリアーゼ」という)のそれと比較す
る形で示す。 〔アルギン酸リアーゼ活性の測定〕アルギン酸リアーゼ
の活性は、アルギン酸リアーゼがアルギン酸を分解する
ことにより生成する非還元末端のC4−C5間に2重結合
を有する糖が235nmに特異的な吸光度上昇を示すこ
とを利用して測定した。
【0014】すなわち酵素活性の測定は、濃度0.2%
のアルギン酸水溶液1.0ml、200mMトリス−塩
酸緩衝液(pH7.0)0.5ml及び酵素液0.1m
lを混合し、水0.4mlを加えて全量2.0mlと
し、25℃で5分間反応させた後反応を停止させ、23
5nmの吸光度を測定した。酵素活性は、1分間に23
5nmの吸光度を「1」上昇させる酵素量を1単位
(U)とし、酵素1mg当たりに換算して示す。
のアルギン酸水溶液1.0ml、200mMトリス−塩
酸緩衝液(pH7.0)0.5ml及び酵素液0.1m
lを混合し、水0.4mlを加えて全量2.0mlと
し、25℃で5分間反応させた後反応を停止させ、23
5nmの吸光度を測定した。酵素活性は、1分間に23
5nmの吸光度を「1」上昇させる酵素量を1単位
(U)とし、酵素1mg当たりに換算して示す。
【0015】基質としては、海草(Eisenia bicyclis)
から単離されたアルギン酸ナトリウム(平均分子量25
700、粘度1000cps、シグマケミカル社製、米
国)及び嚢胞性線維症患者の肺から分離された粘稠菌シ
ュードモナス・アエルギノーサNo.10−91−25
(米国、イリノイ大学、A.M.Chakrabart
y博士)の培養物から単離したアルギン酸を用いた。こ
の細菌由来のアルギン酸は、o−アセチル化、β(1−
4)結合D−マンヌロン酸とそのC5エピマー異性体で
あるL−グルロン酸との共重合体であるが、海草アルギ
ン酸とは異なり、高度にアセチル化されている。
から単離されたアルギン酸ナトリウム(平均分子量25
700、粘度1000cps、シグマケミカル社製、米
国)及び嚢胞性線維症患者の肺から分離された粘稠菌シ
ュードモナス・アエルギノーサNo.10−91−25
(米国、イリノイ大学、A.M.Chakrabart
y博士)の培養物から単離したアルギン酸を用いた。こ
の細菌由来のアルギン酸は、o−アセチル化、β(1−
4)結合D−マンヌロン酸とそのC5エピマー異性体で
あるL−グルロン酸との共重合体であるが、海草アルギ
ン酸とは異なり、高度にアセチル化されている。
【0016】上記細菌由来アルギン酸の単離は具体的に
は以下の様にして行った。すなわち上記粘稠菌をTSB
培地(ディフコ・ラボラトリー社製、米国)で30℃の
温度下好気的に24時間培養し、培養物を遠心分離して
菌体を除去し、上澄液2倍量(v/v)の無水エタノー
ルを加え、4℃で20時間放置した。析出したアルギン
酸を遠心分離により集め、室温下95%エタノールで2
回洗浄した後、水に溶解させた。アルギン酸であること
の確認は、スタンダードとして上記シグマケミカル社製
海草アルギン酸ナトリウムを用い、カルバゾル法によっ
て行った。 〔分子量〕分子量は、セファデックスG−150(ファ
ルマシア社製、米国)を用いたゲル濾過クロマトグラフ
ィーにより決定した。ゲル濾過の結果を図1(a)及び
図4(c)に示す。蛋白質の溶出位置は、矢印により示
される。マーカー蛋白質としては、a:牛血清アルブミ
ン(67kDa)、b:オブアルブミン(43kD
a)、c:キモトリプシノーゲンA(25kDa)及び
d:リボヌクレアーゼA(13.7kDa)を用いた。
は以下の様にして行った。すなわち上記粘稠菌をTSB
培地(ディフコ・ラボラトリー社製、米国)で30℃の
温度下好気的に24時間培養し、培養物を遠心分離して
菌体を除去し、上澄液2倍量(v/v)の無水エタノー
ルを加え、4℃で20時間放置した。析出したアルギン
酸を遠心分離により集め、室温下95%エタノールで2
回洗浄した後、水に溶解させた。アルギン酸であること
の確認は、スタンダードとして上記シグマケミカル社製
海草アルギン酸ナトリウムを用い、カルバゾル法によっ
て行った。 〔分子量〕分子量は、セファデックスG−150(ファ
ルマシア社製、米国)を用いたゲル濾過クロマトグラフ
ィーにより決定した。ゲル濾過の結果を図1(a)及び
図4(c)に示す。蛋白質の溶出位置は、矢印により示
される。マーカー蛋白質としては、a:牛血清アルブミ
ン(67kDa)、b:オブアルブミン(43kD
a)、c:キモトリプシノーゲンA(25kDa)及び
d:リボヌクレアーゼA(13.7kDa)を用いた。
【0017】具体的には、酵素液を、10mMトリス−
塩酸緩衝液(pH7.0)で平衝化したセファデックス
G−150を充填した目盛り付カラムに流してゲル濾過
し、酵素を4℃にて前記緩衝液で溶出し、4分毎に3.
0mlずつ集めて分子量を測定した。結果を下記表1に
示す。
塩酸緩衝液(pH7.0)で平衝化したセファデックス
G−150を充填した目盛り付カラムに流してゲル濾過
し、酵素を4℃にて前記緩衝液で溶出し、4分毎に3.
0mlずつ集めて分子量を測定した。結果を下記表1に
示す。
【0018】
【表1】
【0019】〔pH及び温度の影響〕下記表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】〔アミノ酸分析〕酵素のN末端のアミノ酸
配列を、アミノ酸誘導体分析機(商品名:バイオシステ
ム 120A PTH分析機、バイオシステム社製、米
国)を連結したプロテイン・シークエンサー(商品名:
バイオシステム477A、バイオシステム社製、米国)
を用いて決定した。結果を下記表3に示す。
配列を、アミノ酸誘導体分析機(商品名:バイオシステ
ム 120A PTH分析機、バイオシステム社製、米
国)を連結したプロテイン・シークエンサー(商品名:
バイオシステム477A、バイオシステム社製、米国)
を用いて決定した。結果を下記表3に示す。
【0022】
【表3】
【0023】〔基質特異性〕下記表4に示す。
【0024】
【表4】
【0025】M/g:マンヌロン酸残基/グルロン酸残
基の比 nd:測定せず アルギン酸ナトリウム(M/G,nd)*:シグマケミ
カル社製 アルギン酸ナトリウム(M/G;0.4〜0.5):大
日本製薬(株)製 アルギン酸ナトリウム(M/G;1.4〜1.5):大
日本製薬(株)製 アルギン酸カリウム(M/G,nd):君津化学(株)
製 アルギン酸プロピレングリコール(M/G,nd):君
津化学(株)製 アルギン酸#1:シュードモナス・アエルギノーサN
o.10−91−25培養物から単離されたもの アルギン酸#1a:アルギン酸#1をpH9.0にて1
00℃で30分間熱処理したもの アルギン酸#2:シュードモナス・アエルギノーサN
o.2−91−18培養物から分離されたもの 〔化学物質の影響〕下記表5に示す。
基の比 nd:測定せず アルギン酸ナトリウム(M/G,nd)*:シグマケミ
カル社製 アルギン酸ナトリウム(M/G;0.4〜0.5):大
日本製薬(株)製 アルギン酸ナトリウム(M/G;1.4〜1.5):大
日本製薬(株)製 アルギン酸カリウム(M/G,nd):君津化学(株)
製 アルギン酸プロピレングリコール(M/G,nd):君
津化学(株)製 アルギン酸#1:シュードモナス・アエルギノーサN
o.10−91−25培養物から単離されたもの アルギン酸#1a:アルギン酸#1をpH9.0にて1
00℃で30分間熱処理したもの アルギン酸#2:シュードモナス・アエルギノーサN
o.2−91−18培養物から分離されたもの 〔化学物質の影響〕下記表5に示す。
【0026】
【表5】
【0027】表1〜4の結果から、本発明のアルギン酸
リアーゼが先の出願に係るアルギン酸リアーゼとは異な
る理化学的性質を有する、別異の酵素であることが判
る。
リアーゼが先の出願に係るアルギン酸リアーゼとは異な
る理化学的性質を有する、別異の酵素であることが判
る。
【0028】本発明のアルギン酸リアーゼは、本発明者
が土壌中から分離したフラボバクテリウム・スピーシー
ズ(Flavobacterium SP.)OTC−6を、アルギン酸を
含む培地中にて培養することにより製造できる。
が土壌中から分離したフラボバクテリウム・スピーシー
ズ(Flavobacterium SP.)OTC−6を、アルギン酸を
含む培地中にて培養することにより製造できる。
【0029】フラボバクテリウム・スピーシーズOTC
−6は文献未記載の新菌であり、工業技術院微生物工業
技術研究所に寄託されている(微工研寄第12159
号)。該菌の菌学的性質を以下に挙げる。
−6は文献未記載の新菌であり、工業技術院微生物工業
技術研究所に寄託されている(微工研寄第12159
号)。該菌の菌学的性質を以下に挙げる。
【0030】(a)形態; (1)細胞の形及び大きさ:桿菌、(0.3〜0.6)
×(1.0〜1.2)μm (2)運動性の有無:無し (3)鞭毛の有無:無し (4)芽胞の有無:無し (5)グラム染色性:陰性
×(1.0〜1.2)μm (2)運動性の有無:無し (3)鞭毛の有無:無し (4)芽胞の有無:無し (5)グラム染色性:陰性
【0031】(b)各培地における生育状態; (1)肉汁寒天平板培養:30℃、24時間培養で、直
径1〜2mmの円形コロニー、コロニーは固く白色 (2)標準寒天平板培養:30℃、24時間培養で、直
径1〜2mmの円形コロニー、コロニーは固く淡黄色 (3)リトマスミルク培養:30℃の培養で凝固せず、
色調は青紫色で変化なし
径1〜2mmの円形コロニー、コロニーは固く白色 (2)標準寒天平板培養:30℃、24時間培養で、直
径1〜2mmの円形コロニー、コロニーは固く淡黄色 (3)リトマスミルク培養:30℃の培養で凝固せず、
色調は青紫色で変化なし
【0032】(c)生理学的性質; (1)カタラーゼ:陽性 (2)オキシターゼ:陽性 (3)ウレアーゼ:陰性 (4)フォスファターゼ:陰性 (5)OFテスト:陰性 (6)VPテスト:陰性 (7)インドールの生成:陰性 (8)硫化水素の生成:陰性 (9)糖類からの酸の生成: 陽性…グルコース、 陰性…アラビノース、セロビオース、ラクトース、マン
ニトール、ラフィノース、スクロース、キシロース、グ
リセロール、フルクトース、マルトース、ラムノース (10)テンプンの加水分解:陰性 (11)ゼラチンの加水分解:陰性 (12)エスクリンの加水分解:陰性 (13)硝酸塩の還元:陽性 (14)生育のpH:5.0〜8.5 (15)至適生育温度:28〜34℃ (16)生育の食塩濃度:0〜1%
ニトール、ラフィノース、スクロース、キシロース、グ
リセロール、フルクトース、マルトース、ラムノース (10)テンプンの加水分解:陰性 (11)ゼラチンの加水分解:陰性 (12)エスクリンの加水分解:陰性 (13)硝酸塩の還元:陽性 (14)生育のpH:5.0〜8.5 (15)至適生育温度:28〜34℃ (16)生育の食塩濃度:0〜1%
【0033】(d)DNAのGC含量:63% フラボバクテリウム・スピーシーズOTC−6の培養
は、通常の細菌の培養と同様に行うことができ、液体培
地中にて通気攪拌下に行うのが好ましい。更に該細菌に
本酵素を生産させるには、通常十数リットル乃至数百リ
ットル程度若しくはそれ以上の大量培養を行うのが好ま
しい。
は、通常の細菌の培養と同様に行うことができ、液体培
地中にて通気攪拌下に行うのが好ましい。更に該細菌に
本酵素を生産させるには、通常十数リットル乃至数百リ
ットル程度若しくはそれ以上の大量培養を行うのが好ま
しい。
【0034】培養に用いられる培地は、アルギン酸を必
須成分とする。アルギン酸の添加量は特に制限されるも
のではないが。通常培地全量に対して0.1〜2重量%
程度とするのがよい。更に本発明で用いられる培地に
は、アルギン酸以外に、細菌の培養に用いられる通常の
炭素源、窒素源、無機塩類などが含有されていてもよ
い。ここで炭素源としては、例えばグルコースなどが、
窒素源としては、例えばペプトン、肉エキス、コーンス
チープリカー、酵母エキスなどの有機窒素化合物や硫酸
アンモニウム、塩化アンモニウムなどの無機窒素化合物
が、また無機塩類としては、例えばリン酸一カリウム、
リン酸二カリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム
などがそれぞれ挙げられる。
須成分とする。アルギン酸の添加量は特に制限されるも
のではないが。通常培地全量に対して0.1〜2重量%
程度とするのがよい。更に本発明で用いられる培地に
は、アルギン酸以外に、細菌の培養に用いられる通常の
炭素源、窒素源、無機塩類などが含有されていてもよ
い。ここで炭素源としては、例えばグルコースなどが、
窒素源としては、例えばペプトン、肉エキス、コーンス
チープリカー、酵母エキスなどの有機窒素化合物や硫酸
アンモニウム、塩化アンモニウムなどの無機窒素化合物
が、また無機塩類としては、例えばリン酸一カリウム、
リン酸二カリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム
などがそれぞれ挙げられる。
【0035】培養は、25〜35℃程度の温度条件下及
び5.5〜8.0程度のpH条件下にて行われ、通常2
4〜48時間程度で終了する。得られる培養物を従来公
知の手段に従って精製することにより、アルギン酸リア
ーゼを採取することができる。例えば、遠心分離にて培
養物から上澄液を分取し、これをDEAE−セルロー
ス、セファデックスG−150、ヒドロキシアパタイト
などを用いたカラムクロマドクラフィーなどにより精製
すればよい。
び5.5〜8.0程度のpH条件下にて行われ、通常2
4〜48時間程度で終了する。得られる培養物を従来公
知の手段に従って精製することにより、アルギン酸リア
ーゼを採取することができる。例えば、遠心分離にて培
養物から上澄液を分取し、これをDEAE−セルロー
ス、セファデックスG−150、ヒドロキシアパタイト
などを用いたカラムクロマドクラフィーなどにより精製
すればよい。
【0036】本発明において、アルギン酸リアーゼによ
るアルギン酸の分解は、通常の方法に従って行われる。
例えば、アルギン酸の水溶液にアルギン酸リアーゼを添
加すればよい。前記水溶液中のアルギン酸濃度は特に制
限されないが、通常0.1〜5重量%程度とすればよ
い。アルギン酸リアーゼの添加量も特に制限されず広い
範囲から適宜選択すればよい。反応温度は、アルギン酸
リアーゼが作用し得る温度であればよく、通常20〜8
0℃程度である。
るアルギン酸の分解は、通常の方法に従って行われる。
例えば、アルギン酸の水溶液にアルギン酸リアーゼを添
加すればよい。前記水溶液中のアルギン酸濃度は特に制
限されないが、通常0.1〜5重量%程度とすればよ
い。アルギン酸リアーゼの添加量も特に制限されず広い
範囲から適宜選択すればよい。反応温度は、アルギン酸
リアーゼが作用し得る温度であればよく、通常20〜8
0℃程度である。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、海草由来及び/又は細
菌由来のアルギン酸に対して、極めて優れた分解活性を
有するアルギン酸リアーゼを、高収率で提供することが
できる。特にAl−III リアーゼは、嚢胞性線維症患者
が死に至る原因となる細菌由来アルギン酸に対して、従
来のアルギン酸リアーゼにはない著しい高活性を示し、
例えば、該疾患の治療薬としての用途が期待できる。ま
たAl−II−2リアーゼは、海草由来アルギン酸に対し
て高分解活性を示し、食品や化学品などへのアルギン酸
の展開に大きな役割を果たしえるものと期待される。ま
た本発明のアルギン酸リアーゼは、従来のものよりも大
量に生産できるので、工業的な生産に適している。
菌由来のアルギン酸に対して、極めて優れた分解活性を
有するアルギン酸リアーゼを、高収率で提供することが
できる。特にAl−III リアーゼは、嚢胞性線維症患者
が死に至る原因となる細菌由来アルギン酸に対して、従
来のアルギン酸リアーゼにはない著しい高活性を示し、
例えば、該疾患の治療薬としての用途が期待できる。ま
たAl−II−2リアーゼは、海草由来アルギン酸に対し
て高分解活性を示し、食品や化学品などへのアルギン酸
の展開に大きな役割を果たしえるものと期待される。ま
た本発明のアルギン酸リアーゼは、従来のものよりも大
量に生産できるので、工業的な生産に適している。
【0038】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を一層明瞭なも
のとする。 実施例1(Al−II−2リアーゼの製造)1.培養及び菌体抽出物の調製 0.2%アルギン酸ナトリウム、0.1%硫酸アンモニ
ウム、0.05%硫酸マグネシウム7水和物、0.1%
リン酸2水素1カリウム、0.4%リン酸1水素2ナト
リウム12水和物及び0.05%酵母エキスを含む培地
(pH7.2)12リットル中にて、フラボバクテリウ
ム・スピーシーズOTC−6を好気的に30℃で20時
間培養した、菌体60gを集め、一度0.85%の冷食
塩水で洗浄し、100mlの5.0mMトリス−塩酸緩
衝液(pH7.0)に懸濁し、0℃の温度下9キロヘル
ツで10分間超音波処理した。得られた均一物を4℃に
て25000gで30分遠心分離し、上澄液(菌体抽出
物)をAl−II−2リアーゼ源として用いた。
のとする。 実施例1(Al−II−2リアーゼの製造)1.培養及び菌体抽出物の調製 0.2%アルギン酸ナトリウム、0.1%硫酸アンモニ
ウム、0.05%硫酸マグネシウム7水和物、0.1%
リン酸2水素1カリウム、0.4%リン酸1水素2ナト
リウム12水和物及び0.05%酵母エキスを含む培地
(pH7.2)12リットル中にて、フラボバクテリウ
ム・スピーシーズOTC−6を好気的に30℃で20時
間培養した、菌体60gを集め、一度0.85%の冷食
塩水で洗浄し、100mlの5.0mMトリス−塩酸緩
衝液(pH7.0)に懸濁し、0℃の温度下9キロヘル
ツで10分間超音波処理した。得られた均一物を4℃に
て25000gで30分遠心分離し、上澄液(菌体抽出
物)をAl−II−2リアーゼ源として用いた。
【0039】2.CMセルロースカラムによる精製 菌体抽出物(160ml、4970mg蛋白質)を10
mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.0)で平衝化したC
Mセルロースカラム(4.6×46cm)にかけて蛋白
質を吸着させ、塩化ナトリウム濃度0〜0.6モルの直
線濃度勾配を持った10mMトリス−塩酸緩衝液(pH
7.0、4000ml)で溶出し、10分毎に20ml
ずつ集めた。塩化ナトリウム濃度が約0.15モルのと
ころで溶出した活性を有するフラクションを得た。
mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.0)で平衝化したC
Mセルロースカラム(4.6×46cm)にかけて蛋白
質を吸着させ、塩化ナトリウム濃度0〜0.6モルの直
線濃度勾配を持った10mMトリス−塩酸緩衝液(pH
7.0、4000ml)で溶出し、10分毎に20ml
ずつ集めた。塩化ナトリウム濃度が約0.15モルのと
ころで溶出した活性を有するフラクションを得た。
【0040】3.ヒドロキシアパタイトカラムによる精
製 上記で得られた活性を有するフラクション(1235m
l、608mg蛋白質)を直接、5.0mMリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.0)で平衝化したヒドロキシアパ
タイトカラム(4.6×26cm)に流し、吸着した蛋
白質を0〜0.5モルの直線濃度勾配を持つリン酸カリ
ウム緩衝液で溶出し、10分毎に15mlずつ集めた。
濃度が約0.3モルのところで溶出した、活性を有する
フラクションを得た。
製 上記で得られた活性を有するフラクション(1235m
l、608mg蛋白質)を直接、5.0mMリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.0)で平衝化したヒドロキシアパ
タイトカラム(4.6×26cm)に流し、吸着した蛋
白質を0〜0.5モルの直線濃度勾配を持つリン酸カリ
ウム緩衝液で溶出し、10分毎に15mlずつ集めた。
濃度が約0.3モルのところで溶出した、活性を有する
フラクションを得た。
【0041】4.ブチルトヨパール650Mカラムによ
る精製 上記で得られた活性フラクション(284ml,34.
8mg蛋白質)を30%硫酸アンモニウムで飽和し、3
0%硫酸アンモニウム飽和−5.0mMリン酸カリウム
緩衝液で前もって平衝化したブチルトヨパール 650
Mカラム(東ソー(株)製、1.5×15cm)にか
け、吸着した蛋白質を前記30〜0%硫酸アンモニウム
飽和緩衝液で溶出し、5分毎に10mlずつ集めた。非
吸着フラクションを集め、アミコンPM10膜を用いた
限外濾過により約5mlに濃縮し、Al−II−2リアー
ゼを主成分とする酵素液を得た。
る精製 上記で得られた活性フラクション(284ml,34.
8mg蛋白質)を30%硫酸アンモニウムで飽和し、3
0%硫酸アンモニウム飽和−5.0mMリン酸カリウム
緩衝液で前もって平衝化したブチルトヨパール 650
Mカラム(東ソー(株)製、1.5×15cm)にか
け、吸着した蛋白質を前記30〜0%硫酸アンモニウム
飽和緩衝液で溶出し、5分毎に10mlずつ集めた。非
吸着フラクションを集め、アミコンPM10膜を用いた
限外濾過により約5mlに濃縮し、Al−II−2リアー
ゼを主成分とする酵素液を得た。
【0042】5.トヨパールHW−55カラムによる精
製 得られた酵素液(5ml、10mg蛋白質)を5.0m
Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で平衝化したト
ヨパールHW−55カラム(東ソー(株)製、2.6×
74cm)にかけ、酵素を前記と同じ緩衝液で溶出し、
3分毎に4mlずつ集めた。活性を有するフラクション
(No.79〜83)を集め、上記と同様に濃縮してA
l−II−2リアーゼを含む酵素液を得た。これを、Al
−II−2リアーゼの性質を調べる試料として用いた。 〔SDS−ポリアクリルアミドゲル−電気泳動〕上記試
料をSDS−ポリアクリルアミドゲル−電気泳動に供し
た。結果を図1(b)に示す。図1(b)から、Al−
II−2リアーゼは分子量25000の単一蛋白質バンド
として移動することが判る。なおマーカー蛋白質として
は、上からミオシン(H−鎖)、ホスホリラーゼb、牛
血清アルブミン、オブアルブミン、α−キモトリプシノ
ーゲン、βーラクトグロブリン及びリゾチームを用い
た。
製 得られた酵素液(5ml、10mg蛋白質)を5.0m
Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で平衝化したト
ヨパールHW−55カラム(東ソー(株)製、2.6×
74cm)にかけ、酵素を前記と同じ緩衝液で溶出し、
3分毎に4mlずつ集めた。活性を有するフラクション
(No.79〜83)を集め、上記と同様に濃縮してA
l−II−2リアーゼを含む酵素液を得た。これを、Al
−II−2リアーゼの性質を調べる試料として用いた。 〔SDS−ポリアクリルアミドゲル−電気泳動〕上記試
料をSDS−ポリアクリルアミドゲル−電気泳動に供し
た。結果を図1(b)に示す。図1(b)から、Al−
II−2リアーゼは分子量25000の単一蛋白質バンド
として移動することが判る。なおマーカー蛋白質として
は、上からミオシン(H−鎖)、ホスホリラーゼb、牛
血清アルブミン、オブアルブミン、α−キモトリプシノ
ーゲン、βーラクトグロブリン及びリゾチームを用い
た。
【0043】下記表6に、各精製段階における、総蛋白
質量及び海草由来アルギン酸ナトリウムに対するアルギ
ン酸リアーゼ活性その他のデータを示す。
質量及び海草由来アルギン酸ナトリウムに対するアルギ
ン酸リアーゼ活性その他のデータを示す。
【0044】
【表6】
【0045】実施例2(Al−III リアーゼの調製)1.培養及び菌体抽出物の調製 2トン容醗酵タンクにて、フラボバクテリウム・スピー
シーズOTC−6を1400リットルのALG培地
〔1.0%アルギン酸ナトリウム(シグマケミカル社
製)、0.1%硫酸アンモニウム、0.05%硫酸マグ
ネシウム・7水和物、0.1%リン酸2水素1カリウ
ム、0.4%リン酸1水素2ナトリウム・12水和物、
0.05%酵母エキス(ディフコ・ラボラトリー社製、
米国):pH7.2〕に1.2%接種し、30℃で17
時間培養した。培養は撹拌下(170rpm)、200
リットル/分の割合で空気を供給しながら行った。
シーズOTC−6を1400リットルのALG培地
〔1.0%アルギン酸ナトリウム(シグマケミカル社
製)、0.1%硫酸アンモニウム、0.05%硫酸マグ
ネシウム・7水和物、0.1%リン酸2水素1カリウ
ム、0.4%リン酸1水素2ナトリウム・12水和物、
0.05%酵母エキス(ディフコ・ラボラトリー社製、
米国):pH7.2〕に1.2%接種し、30℃で17
時間培養した。培養は撹拌下(170rpm)、200
リットル/分の割合で空気を供給しながら行った。
【0046】100リットルの培養液から得た菌体35
0gを一度0.85%の冷食塩水で洗浄し、5リットル
の5.0mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0、以下
「KPB緩衝液」という)に懸濁し、続いてこの菌体懸
濁液を3リットル/時の割合で、径0.1mmのガラス
ビーズを70容量%含ませて菌体破砕機〔商品名:ダイ
ノ−ミル(DYNO−MILL)−KDL、シンマルエ
ンタープライズコーポレーション社製〕に通し、得られ
た液を4℃の温度下25000gで30分間遠心分離
し、上澄液を得た。上澄液(菌体抽出物)をアルギン酸
リアーゼ源として用いた。
0gを一度0.85%の冷食塩水で洗浄し、5リットル
の5.0mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0、以下
「KPB緩衝液」という)に懸濁し、続いてこの菌体懸
濁液を3リットル/時の割合で、径0.1mmのガラス
ビーズを70容量%含ませて菌体破砕機〔商品名:ダイ
ノ−ミル(DYNO−MILL)−KDL、シンマルエ
ンタープライズコーポレーション社製〕に通し、得られ
た液を4℃の温度下25000gで30分間遠心分離
し、上澄液を得た。上澄液(菌体抽出物)をアルギン酸
リアーゼ源として用いた。
【0047】2.DEAE−セルロファインカラムによ
る精製 菌体抽出物(5.54リットル、51.2g蛋白)を
5.0mMKPB緩衝液(pH7.0)で平衡化したD
EAE−セルロファインカラム(4.6cm×18c
m、生化学工業(株)製)に流して蛋白質を吸着し、該
蛋白質を食塩の濃度勾配(0〜0.5M)の5.0mM
KPB緩衝液(pH7.0、2000ml)で溶出し、
5分毎に25mlずつ集めた。
る精製 菌体抽出物(5.54リットル、51.2g蛋白)を
5.0mMKPB緩衝液(pH7.0)で平衡化したD
EAE−セルロファインカラム(4.6cm×18c
m、生化学工業(株)製)に流して蛋白質を吸着し、該
蛋白質を食塩の濃度勾配(0〜0.5M)の5.0mM
KPB緩衝液(pH7.0、2000ml)で溶出し、
5分毎に25mlずつ集めた。
【0048】3.ヒドロキシアパタイトカラムによる精
製 上記で得られたフラクションのうち、非吸着クラクショ
ン(6.05リットル、18.9g)を5.0mMKP
B緩衝液(pH7.0)で平衡化したヒドロキシアパタ
イトカラム(12cm×18cm)に通した。吸着した
蛋白質を、順次20mM(4リットル)、40mM(8
リットル)及び100mM(8リットル)のKPB緩衝
液(pH7.0)で溶出し、9分毎に500mlずつ集
めた。
製 上記で得られたフラクションのうち、非吸着クラクショ
ン(6.05リットル、18.9g)を5.0mMKP
B緩衝液(pH7.0)で平衡化したヒドロキシアパタ
イトカラム(12cm×18cm)に通した。吸着した
蛋白質を、順次20mM(4リットル)、40mM(8
リットル)及び100mM(8リットル)のKPB緩衝
液(pH7.0)で溶出し、9分毎に500mlずつ集
めた。
【0049】各フラクションのアルギン酸リアーゼ活性
を図2に示す。アルギン酸リアーゼ活性は、基質とし
て、シグマケミカル社製の海草由来アルギン酸ナトリウ
ム(黒四角)及びシュードモナス・アエルギノーサN
o.10−91−25の培養物から単離された細菌由来
アルギン酸(□)を用いて測定した。図2から、ヒドロ
キシアパタイトカラムクロマトグラフィーにより、アル
ギン酸リアーゼは2つのピーク(ピークI及びII)に分
離することが判る。ピークIIのフラクションは、電気泳
動により、Al−Iリアーゼ(分子量60,000)及
びAl−II−2リアーゼ(分子量25,000)の2種
を含んでいることが判る。細菌由来のアルギン酸に対す
るピークIの活性は、ピークIIのそれよりも高い。
を図2に示す。アルギン酸リアーゼ活性は、基質とし
て、シグマケミカル社製の海草由来アルギン酸ナトリウ
ム(黒四角)及びシュードモナス・アエルギノーサN
o.10−91−25の培養物から単離された細菌由来
アルギン酸(□)を用いて測定した。図2から、ヒドロ
キシアパタイトカラムクロマトグラフィーにより、アル
ギン酸リアーゼは2つのピーク(ピークI及びII)に分
離することが判る。ピークIIのフラクションは、電気泳
動により、Al−Iリアーゼ(分子量60,000)及
びAl−II−2リアーゼ(分子量25,000)の2種
を含んでいることが判る。細菌由来のアルギン酸に対す
るピークIの活性は、ピークIIのそれよりも高い。
【0050】なお、電気泳動は、SDSの存在下にポリ
アクリルアミドゲルを用いて行った。具体的には、酵素
液40μlを12%SDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動にかけ、染色液(エタノール45%、酢酸10
%、水40%、コマジーブリリアントブルーG 0.2
5%)中にて、37℃で3時間振盪し、脱色液(エタノ
ール25%、酢酸7%)で数回脱色して蛋白質バンドを
確認した。
アクリルアミドゲルを用いて行った。具体的には、酵素
液40μlを12%SDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動にかけ、染色液(エタノール45%、酢酸10
%、水40%、コマジーブリリアントブルーG 0.2
5%)中にて、37℃で3時間振盪し、脱色液(エタノ
ール25%、酢酸7%)で数回脱色して蛋白質バンドを
確認した。
【0051】4.ブチル−セファロースF.F.カラム
による精製 細菌由来アルギ酸に対して高活性を示す上記ピークIに
ついて更に精製を行った。すなわち、ピークIのフラク
ション(2.64リットル、984mg蛋白)を40%
硫酸アンモニウムで飽和し、これを40%硫酸アンモニ
ウム飽和−5.0mMKPB緩衝液(pH7.0)で平
衡化したブチル−セファロースF.F.カラム(4.6
cm×10cm、ファルマシア社製)に通した。カラム
に吸着した酵素を、硫酸アンモニウムの直線濃度勾配:
40〜0%の5.0mMKPB緩衝液(pH7.0、3
300ml)で溶出し、4分毎に25mlずつ集めた。
による精製 細菌由来アルギ酸に対して高活性を示す上記ピークIに
ついて更に精製を行った。すなわち、ピークIのフラク
ション(2.64リットル、984mg蛋白)を40%
硫酸アンモニウムで飽和し、これを40%硫酸アンモニ
ウム飽和−5.0mMKPB緩衝液(pH7.0)で平
衡化したブチル−セファロースF.F.カラム(4.6
cm×10cm、ファルマシア社製)に通した。カラム
に吸着した酵素を、硫酸アンモニウムの直線濃度勾配:
40〜0%の5.0mMKPB緩衝液(pH7.0、3
300ml)で溶出し、4分毎に25mlずつ集めた。
【0052】5.セファクリルS−200HRカラムに
よる精製 上記で得られたフラクションのうち、硫酸アンモニウム
濃度が約30%である、活性を示すフラクションを集
め、透析膜〔商品名:アミコンPM10、グレースジャ
パン(株)製〕を用いて66ml(218mg蛋白)に
濃縮し、その後5.0mMKPB緩衝液(pH7.0)
で平衡化したセファクリルS−200HRカラム(5.
0cm×60cm、ファルマシア社製)に通した。蛋白
質を5.0mMKPB緩衝液(pH7.0)で溶出し、
4分毎に12mlずつ集めた。
よる精製 上記で得られたフラクションのうち、硫酸アンモニウム
濃度が約30%である、活性を示すフラクションを集
め、透析膜〔商品名:アミコンPM10、グレースジャ
パン(株)製〕を用いて66ml(218mg蛋白)に
濃縮し、その後5.0mMKPB緩衝液(pH7.0)
で平衡化したセファクリルS−200HRカラム(5.
0cm×60cm、ファルマシア社製)に通した。蛋白
質を5.0mMKPB緩衝液(pH7.0)で溶出し、
4分毎に12mlずつ集めた。
【0053】6.S−セファローズF.F.カラムによ
る精製 上記で得られたフラクションのうち、活性を示すフラク
ション(フラクションNo.58〜70)を集め(17
6ml、153mg蛋白)、5.0mMKPB緩衝液
(pH7.0)で平衡化したS−セファロースF.F.
カラム(4.6cm×6.0cm、ファルマシア社製)
に通し、吸着した蛋白質を直線pH勾配〔5.0mMK
PB緩衝液(pH7.0)−5.0mMリン酸1水素2
カリウム(pH8.6)、1000ml〕で溶出し、5
分毎に10mlずつ集めた。
る精製 上記で得られたフラクションのうち、活性を示すフラク
ション(フラクションNo.58〜70)を集め(17
6ml、153mg蛋白)、5.0mMKPB緩衝液
(pH7.0)で平衡化したS−セファロースF.F.
カラム(4.6cm×6.0cm、ファルマシア社製)
に通し、吸着した蛋白質を直線pH勾配〔5.0mMK
PB緩衝液(pH7.0)−5.0mMリン酸1水素2
カリウム(pH8.6)、1000ml〕で溶出し、5
分毎に10mlずつ集めた。
【0054】各フラクションのpHとアルギン酸リアー
ゼ活性の関係を図3に示す。△;pH、●;アルギン酸
リアーゼ、黒三角;280nmの吸収(A280 )。アル
ギン酸リアーゼ活性は基質として細菌由来アルギン酸を
用いて測定した、図3からAl−III リアーゼのアルギ
ン酸リアーゼ活性がピークI′及びII′に分離すること
が判る。ピークI′はpH7.2、ピークII′はpH
7.3でそれぞれ溶出した。
ゼ活性の関係を図3に示す。△;pH、●;アルギン酸
リアーゼ、黒三角;280nmの吸収(A280 )。アル
ギン酸リアーゼ活性は基質として細菌由来アルギン酸を
用いて測定した、図3からAl−III リアーゼのアルギ
ン酸リアーゼ活性がピークI′及びII′に分離すること
が判る。ピークI′はpH7.2、ピークII′はpH
7.3でそれぞれ溶出した。
【0055】ピークI′及びII′のフラクション(N
o.40、55、60及び65)を、ポリアクリルアミ
ドゲル−電気泳動で分析した。結果を図4(a)及び図
4(b)に示す。図4(a)はSDSの非存在下及び図
4(b)はSDSの存在下に電気泳動を行ったものであ
る。図4(a)及び図4(b)のレーン1、2、3及び
4は、それぞれフラクション40、55、60及び65
を示す。更に図4(b)のレーン5はマーカー蛋白質で
あり、該蛋白質としては牛血清アルブミン(67KD
a)、卵オブアルブミン(43KDa)、グリセルアル
デヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(36KD
a)、炭酸脱水酵素(29KDa)及びトリプシノーゲ
ン(25KDa)を用いた。
o.40、55、60及び65)を、ポリアクリルアミ
ドゲル−電気泳動で分析した。結果を図4(a)及び図
4(b)に示す。図4(a)はSDSの非存在下及び図
4(b)はSDSの存在下に電気泳動を行ったものであ
る。図4(a)及び図4(b)のレーン1、2、3及び
4は、それぞれフラクション40、55、60及び65
を示す。更に図4(b)のレーン5はマーカー蛋白質で
あり、該蛋白質としては牛血清アルブミン(67KD
a)、卵オブアルブミン(43KDa)、グリセルアル
デヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(36KD
a)、炭酸脱水酵素(29KDa)及びトリプシノーゲ
ン(25KDa)を用いた。
【0056】図4(a)から、単一蛋白質である、ピー
クI′のフラクション(No.40)とピークII′のフ
ラクション(No.60及び65)の存在が示唆され
た。フラクションNo.55は、ピークI′及びII′の
蛋白質と同一分子量の2種の蛋白質を含んでいた。
クI′のフラクション(No.40)とピークII′のフ
ラクション(No.60及び65)の存在が示唆され
た。フラクションNo.55は、ピークI′及びII′の
蛋白質と同一分子量の2種の蛋白質を含んでいた。
【0057】ピークI′及びII′の蛋白質をそれぞれA
l−III −1リアーゼ及びAl−III −2リアーゼとし
た。しかし、Al−III −1リアーゼ及びAl−III −
2リアーゼをSDS−ポリアクリルアミドゲル−電気泳
動にかけると、フラクションNo.55の蛋白質と同様
に、全ての蛋白質(Al−III −1リアーゼ及びAl−
III −2リアーゼ)が分子量38000と35000の
2種の蛋白質に分離した。更に、Al−III −1リアー
ゼとAl−III −2リアーゼのN末端アミノ酸配列は一
致した。このことから、ピークI′及びII′に分離した
アルギン酸リアーゼは基本的に同一であり、還元剤の存
在下でのSDS処理により2種の異なる形態をとるもの
と考えられる。
l−III −1リアーゼ及びAl−III −2リアーゼとし
た。しかし、Al−III −1リアーゼ及びAl−III −
2リアーゼをSDS−ポリアクリルアミドゲル−電気泳
動にかけると、フラクションNo.55の蛋白質と同様
に、全ての蛋白質(Al−III −1リアーゼ及びAl−
III −2リアーゼ)が分子量38000と35000の
2種の蛋白質に分離した。更に、Al−III −1リアー
ゼとAl−III −2リアーゼのN末端アミノ酸配列は一
致した。このことから、ピークI′及びII′に分離した
アルギン酸リアーゼは基本的に同一であり、還元剤の存
在下でのSDS処理により2種の異なる形態をとるもの
と考えられる。
【0058】Al−III −1及びAl−III −2蛋白質
の分子量は、セファデックスG−150カラムのゲル濾
過クロマトグラフィーにより測定した。結果を図4
(c)に示す。
の分子量は、セファデックスG−150カラムのゲル濾
過クロマトグラフィーにより測定した。結果を図4
(c)に示す。
【0059】下記表7に、各精製段階における、総蛋白
質量及び海草由来アルギン酸ナトリウムと細菌由来アル
ギン酸に対するアルギン酸リアーゼ活性その他のデータ
を示す。
質量及び海草由来アルギン酸ナトリウムと細菌由来アル
ギン酸に対するアルギン酸リアーゼ活性その他のデータ
を示す。
【0060】
【表7】
【0061】表7から、Al−III リアーゼの活性比
(CF/SW:細菌由来アルギン酸に対する活性/海草
アルギン酸に対する活性)がヒドロキシアパタイトカラ
ムクロマトグラフィー後の各精製工程でほぼ一定してい
ることが判る。加えてAl−III リアーゼの試料がポリ
アクリルアミドゲル−電気泳動的に均一になったことか
ら、Al−III リアーゼの海草アルギン酸に対する低活
性は該酵素特有の性質であることが明らかである。一
方、細菌由来アルギン酸に対するAl−III リアーゼの
活性は、海草アルギン酸に対するそれより著しく高いこ
とが判る。
(CF/SW:細菌由来アルギン酸に対する活性/海草
アルギン酸に対する活性)がヒドロキシアパタイトカラ
ムクロマトグラフィー後の各精製工程でほぼ一定してい
ることが判る。加えてAl−III リアーゼの試料がポリ
アクリルアミドゲル−電気泳動的に均一になったことか
ら、Al−III リアーゼの海草アルギン酸に対する低活
性は該酵素特有の性質であることが明らかである。一
方、細菌由来アルギン酸に対するAl−III リアーゼの
活性は、海草アルギン酸に対するそれより著しく高いこ
とが判る。
【0062】 配列番号:1 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:蛋白 配列: Ala Pro Ala Ala Ala His Ser Ser Ile Asp Leu Ser Lys Xaa Lys Leu 16 Gln Ile Pro Val 20
【0063】 配列番号:2 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:蛋白 配列: His Pro Phe Asp Gln Ala Val Val Lys Asp Pro Thr Ala Ser Tyr Val 16 Asp Val Lys Ala 20
【図1】図1(a)は実施例1におけるAl−II−2リ
アーゼのゲル濾過の結果を示す図面、及び図1(b)は
実施例1におけるAl−II−2リアーゼのポリアクリル
アミドゲル電気泳動の結果を示す図面である。
アーゼのゲル濾過の結果を示す図面、及び図1(b)は
実施例1におけるAl−II−2リアーゼのポリアクリル
アミドゲル電気泳動の結果を示す図面である。
【図2】実施例2におけるヒドロキシアパタイトカラム
クロマトグラフィーによるアルギン酸リアーゼ活性の分
離を示す図面である。
クロマトグラフィーによるアルギン酸リアーゼ活性の分
離を示す図面である。
【図3】実施例2におけるS−セファロースカラムクロ
マトグラフィー後のアルギン酸リアーゼ活性の分離を示
す図面である。
マトグラフィー後のアルギン酸リアーゼ活性の分離を示
す図面である。
【図4】実施例2におけるS−セファロースカラムクロ
マトグラフィー後のAl−III リアーゼのリアーゼ活性
の分離を示す図面である。図4(a)及び図4(b)は
ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す図面であ
り、図4(c)はゲル濾過の結果を示す図面である。
マトグラフィー後のAl−III リアーゼのリアーゼ活性
の分離を示す図面である。図4(a)及び図4(b)は
ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す図面であ
り、図4(c)はゲル濾過の結果を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 士朗 京都府綾部市井倉新町石風呂1番地 グ ンゼ株式会社京都研究所内 (72)発明者 久野 智弘 京都府綾部市井倉新町石風呂1番地 グ ンゼ株式会社京都研究所内 (72)発明者 西村 稔 京都府綾部市井倉新町石風呂1番地 グ ンゼ株式会社京都研究所内 (72)発明者 米本 善政 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚 化学株式会社食品研究所内 (72)発明者 山下 哲男 徳島県徳島市川内町加賀須野463 大塚 化学株式会社食品研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 9/88 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)
Claims (1)
- 【請求項1】 配列番号:1で表わされるN−末端アミ
ノ酸配列を有し、下記理化学的性質を有するアルギン酸
リアーゼ。 (1)作用:アルギン酸を非還元末端のC4−C5間に二
重結合を有する糖に分解し、最終的に4−デオキシ−5
−ケトウロン酸に分解する。 (2)分子量:25000 (3)最適pH:8.0 (4)安定pH:7.0〜8.0 (5)至適温度:70℃ (6)基質特異性:アルギン酸に作用し、褐藻類由来の
アルギン酸に対して極めて高い分解活性を有する。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000346145A JP3309220B2 (ja) | 2000-11-14 | 2000-11-14 | アルギン酸リアーゼ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000346145A JP3309220B2 (ja) | 2000-11-14 | 2000-11-14 | アルギン酸リアーゼ |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34846592A Division JP3309188B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | アルギン酸リアーゼ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001161358A JP2001161358A (ja) | 2001-06-19 |
JP3309220B2 true JP3309220B2 (ja) | 2002-07-29 |
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ID=18820062
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JP (1) | JP3309220B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP6025018B2 (ja) * | 2011-03-24 | 2016-11-16 | 国立大学法人北海道大学 | 新規のアルギン酸資化菌、その細菌が産生するアルギン酸を分解する酵素を含む菌抽出液、それらを用いてオリゴ糖、不飽和単糖、ないしα−ケト酸を製造する方法 |
CN102994407B (zh) * | 2011-12-16 | 2014-10-29 | 中国科学院大连化学物理研究所 | 黄杆菌属菌株与内切褐藻胶裂解酶编码基因及制备与应用 |
-
2000
- 2000-11-14 JP JP2000346145A patent/JP3309220B2/ja not_active Expired - Fee Related
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