JP6025018B2 - 新規のアルギン酸資化菌、その細菌が産生するアルギン酸を分解する酵素を含む菌抽出液、それらを用いてオリゴ糖、不飽和単糖、ないしα−ケト酸を製造する方法 - Google Patents
新規のアルギン酸資化菌、その細菌が産生するアルギン酸を分解する酵素を含む菌抽出液、それらを用いてオリゴ糖、不飽和単糖、ないしα−ケト酸を製造する方法 Download PDFInfo
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Description
[化3]HOOC−COH=CH−CHOH−CHOH−CHO。
[化6]HOOC−COH=CH−CHOH−CHOH−CHO。
[化9]HOOC−COH=CH−CHOH−CHOH−CHO。
[化12]HOOC−COH=CH−CHOH−CHOH−CHO。
[化15]HOOC−COH=CH−CHOH−CHOH−CHO。
[化18]HOOC−COH=CH−CHOH−CHOH−CHO。
[化21]HOOC−COH=CH−CHOH−CHOH−CHO
について、本明細書では、上記式(化19)の不飽和単糖、式(化20)のα−ケト酸および式(化21)のウロン酸をまとめて「単糖」という場合があり、式(化20)のα−ケト酸および式(化21)のウロン酸をまとめて「α−ケト酸」という場合がある。さらに、本発明における上記式(化19)、式(化20)および式(化21)の物質の−COOH、−OH、−CHOは、それぞれ、−COOR1、−OR2、−OR3H(R1、R2、R3は、それぞれ、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい複素環のいずれかである)であってもよく、すなわち、−COOH、−OH、−CHOとなり得るものであればよい。
(a)グルコースから酸を産生しない、
(b)デンプンを加水分解できる、
(c)硝酸塩を還元しない。
[化24]HOOC−COH=CH−CHOH−CHOH−CHO。
[化27]HOOC−COH=CH−CHOH−CHOH−CHO。
(f)分子量が約30kDaである、
(g)アルギン酸分解反応における至適pHが約8である、
(h)最も安定なpHが7<pH<8である、
(i)アルギン酸分解反応における至適温度が約54℃である、
(j)60℃で30分間アルギン酸分解反応を行った後にアルギン酸分解酵素活性が消失する、
(k)アルギン酸分解反応における至適NaCl濃度Cが0.05<C<0.3(mol/L)である、
(l)アルギン酸の構造中、D−マンヌロン酸のホモポリマーである部分(Mブロック)、L−グルロン酸のホモポリマーである部分(Gブロック)、MブロックとGブロックとが交互に結合した部分(MGブロック)およびD−マンヌロン酸とL−グルロン酸とが交互に結合した部分(交互ポリマー)のいずれも分解することができる。
(m)配列番号2、配列番号12または配列番号13のアミノ酸配列、
(n)配列番号2、配列番号12または配列番号13のアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列。なお、配列番号2は本発明に係る新規のFlavobacterium属細菌の一態様であるUMI−01が産生する、新規のエンド型アルギン酸リアーゼの一態様であるFlAly−1の成熟型におけるN末端40残基と同一のアミノ酸配列である。また、配列番号12はFlAly−1の翻訳型の全アミノ酸配列288残基と、配列番号13はFlAly−1の成熟型の全アミノ酸配列260残基とそれぞれ同一のアミノ酸配列である。
[化30]HOOC−COH=CH−CHOH−CHOH−CHO。なお、本発明に係るオリゴ糖、不飽和単糖、ないしα−ケト酸を製造する方法において、上述した本発明に係るFlavobacterium属細菌または分解酵素の構成と同等または相当する構成については再度の説明を省略する。
(i)分子量が約30kDaである、
(ii)アルギン酸分解反応における至適pHが約8である、
(iii)最も安定なpHが7<pH<8である、
(iv)アルギン酸分解反応における至適温度が約54℃である、
(v)60℃で30分間アルギン酸分解反応を行った後にアルギン酸分解酵素活性が消失する、
(vi)アルギン酸分解反応における至適NaCl濃度Cが0.05<C<0.3(mol/L)である、
(vii)アルギン酸の構造中、D−マンヌロン酸のホモポリマーである部分(Mブロック)、L−グルロン酸のホモポリマーである部分(Gブロック)、MブロックとGブロックとが交互に結合した部分(MGブロック)およびD−マンヌロン酸とL−グルロン酸とが交互に結合した部分(交互ポリマー)のいずれも分解することができる。
(viii)配列番号2のアミノ酸配列、
(ix)配列番号2のアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列。
(x)配列番号12または配列番号13のアミノ酸配列、
(xi)配列番号12または配列番号13のアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列。
(xii)配列番号12または配列番号13のアミノ酸配列からなるタンパク質、
(xiii)配列番号12または配列番号13のアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつエンド型アルギン酸リアーゼ活性を有するタンパク質。
(1)アルギン酸資化菌の単離
腐敗したスギモク(Coccophora langsdorfii、褐藻類の一種)を採取して集積培養法を行い、アルギン酸を資化する菌を単離し、これをアルギン酸資化菌とした。
下記の試薬を下記の終濃度となるよう蒸留水に溶解し、これをMS培地とした。
Na2HPO4 3.6 g/L
KH2PO4 0.75g/L
NH4Cl 0.5 g/L
MgSO4 0.2 g/L
B;デンプン+MS培地
C;カルボキシメチルセルロース+MS培地
D;ローカストビーンガム+MS培地
E;多糖類を加えないLB培地
A ;0、5、10、15、20、30、40、60、70
B、C、D;0、5、10、20、30、40、60、70
E ;0、5、10、15、20、30、40、60
実施例1(1)のアルギン酸資化菌について、株式会社テクノスルガ・ラボにおいて16S rDNA塩基配列解析および菌学的性状試験を行った。
16S rDNA塩基配列解析は、下記の試薬、装置およびプログラムを用いて、添付の仕様書に従って行った。
PCR;PrimeSTAR HS DNA Polymerase(タカラバイオ社)
サイクルシークエンス;BigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystems社)
使用プライマー(中川恭好ら、日本放線菌学会、 放線菌の分類と同定、第88−117頁、2001年);PCR増幅:9F、1510R、シークエンス:9F、785F、802R、1510R
シークエンス;ABI PRISM 3130 xl Genetic Analyzar System(Applied Biosystems社)
配列決定;ChromasPro 1.4(Technelysium Pty Ltd.社)
相同性検索および簡易分子系統解析;ソフトウェア:アポロン2.0(テクノスルガ・ラボ社)、データベース:アポロンDB−BA 6.0(テクノスルガ・ラボ社)、国際塩基配列データベース(GenBank/DDBJ/EMBL)
菌学的性状試験は、下記の試薬、機器および方法を用いて行った。
グラム染色;フェイバーG「ニッスイ」(日水製薬社)
カタラーゼ反応、グルコースからの酸/ガス産生、グルコースの酸化/発酵(O/F);既報(BARROWら、Cowan and Steel’s Manual for the dentification of Medical Bacteria.3rd edition、1993年)に記載の方法
生化学試験、資化性試験;API20NE Ver.7(bioMerieux社)
酵素反応試験;APIZYM(bioMerieux社)
生育試験、フレキシルビン色素の産生、カゼインおよびデンプンの加水分解;NCIMB Ltd.社(http://www.ncimb.co.uk/)との技術提携事項および分類・同定の関連文献に従った方法
培養温度30℃での形態的性状についての結果を下記に示す。
1.細胞形態 桿菌(0.7−0.8×1.0−1.5μm)
2.運動性 なし
3.グラム染色 陰性
4.胞子の有無 なし
5.コロニー形態(LB寒天培地上、24時間)
直径:1.0mm以下
色調:黄色
形:円形
隆起状態:レンズ状
周縁:全縁
表面の形状:スムーズ
透明度:不透明
粘調度:バター様
生理学的性状についての結果を下記に示す。+は陽性を、−は陰性をそれぞれ示す。
1.グルコースからの酸/ガス産生(酸産生/ガス産生) −/−
2.グルコースの酸化/発酵(酸化/発酵) −/−
3.グルコースの酸性化 −
4.フレキシルビン色素の産生 −
5.インドール産生 −
6.硝酸塩の還元 −
7.MB2216寒天での生育 +
8.生育温度
8−1. 5℃ +(反応弱い)
8−2.15℃ +
8−3.37℃ +
8−4.45℃ −
9.加水分解
9−1.カゼイン −
9−2.デンプン +
9−3.エスクリン +
9−4.ゼラチン −
10.酵素反応
10−1.カタラーゼ +
10−2.オキシダーゼ +
10−3.アルギニンジヒドロラーゼ −
10−4.ウレアーゼ −
10−5.β−ガラクトシダーゼ +
10−6.チトクロームオキシダーゼ +
10−7.アルカリフォスファターゼ +
10−8.エステラーゼ(C4) −
10−9.エステラーゼ リパーゼ(C8) −
10−10.リパーゼ(C14) −
10−11.ロイシン アリルアミダーゼ +
10−12.バリン アリルアミダーゼ −
10−13.シスチン アリルアミダーゼ −
10−14.トリプシン −
10−15.キモトリプシン −
10−16.酸性ホスファターゼ +
10−17.ナフトール−AS−BI−ホスホハイドロラーゼ −
10−18.α−ガラクトシダーゼ −
10−19.β−グルクロニダーゼ −
10−20.α−グルコシダーゼ −
10−21.β−グルコシダーゼ −
10−22.N−アセチル−β−グルコサミニダーゼ −
10−23.α−マンノシダーゼ −
10−24.α−フコシダーゼ −
11.資化性試験
11−1.グルコース −
11−2.L−アラビノース −
11−3.D−マンノース +
11−4.D−マンニトール +
11−5.N−アセチル−D−グルコサミン −
11−6.マルトース −
11−7.グルコン酸カリウム −
11−8.n−カプリン酸 −
11−9.アジピン酸 −
11−10.dl−リンゴ酸 −
11−11.クエン酸ナトリウム −
11−12.酢酸フェニル −
(1)培地における至適アルギン酸ナトリウム濃度の検討
[1−1]UMI−01の培養
実施例1(2)のMS培地に0.5%(w/v)、1%(w/v)、1%(w/v)および2%(w/v)となるようアルギン酸ナトリウムを加え、a、b、cおよびdとした。a、b、cおよびdに、UMI−01を植菌して、600nmにおける吸光度が1.5となるまで、実施例1(2)に記載の条件下で前培養し、前培養菌液を得た。
本実施例(1)[1−1]のA、B、CおよびDについて、培養中、下記に示す培養時間の時点で、サンプラーを用いて10mLの培地を分取して、pHおよび600nmにおける吸光度を測定した。pHの測定結果に基づき、CおよびDについては、シリンジを用いて5%(v/v)リン酸水溶液を滴下して、培地のpHを7.5に調整することにより、培養中の培地のpHを7.5に維持した。AおよびBについては、pHの調整は行わなかった。
A:0、11、20、28.5、40、48.5、58、77.5、89
B:0、4、22、30、40、62、68、74、89
C:0、4、6、14、22、30、40、47、57、66,76、83、90
D:0、4、8.5、14、23.5、28.5、32、35、42、48.5、57、68、77、90
[2−1]菌抽出液の調製
本実施例(1)[1−1]のDについて、培養中、培養時間が23.5、32、42、50、62、74および90時間の時点で、サンプラーを用いて10mLの培地を分取し、d1、d2、d3、d4、d5、d6およびd7とした。これを10,000×g、4℃の条件下で10分間遠心分離を行って、菌体ペレットを回収した。
10mmol/Lのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に、終濃度0.15%(w/v)となるようアルギン酸ナトリウムを加え、1/20容量の本実施例(2)[2−1]の菌抽出液を加えた後、30℃にて15分間インキュベートした。その間、記録計により235nmにおける吸光度上昇を記録した。
(1)UMI−01の培養
実施例1(2)のMS培地に、1%(w/v)、1%(w/v)および2%(w/v)となるようアルギン酸ナトリウムを加えた培地を用意し、A、BおよびCとして、実施例3(1)[1−1]に記載の方法により、UMI−01を培養した。ただし、本培養は800mLに代えて100mLのスケールで行い、本培養の時間は90時間に代えて、48時間とした。
本実施例(1)のA、BおよびCについて、実施例3(2)[2−1]に記載の方法により菌抽出液を得た。
本実施例(2)のA、A2、A3、BおよびCについて、既報(Porzioら、Biochim.Biophys. Acta.、第490巻、第27−34頁、1977年)に記載の方法によりSDS−PAGEを行った。なお、ゲルは10%ポリアクリルアミドスラブゲル(1mm厚、10×12cm)を用い、サンプルは1ウェル当たり10μLをアプライした。また、染色には、終濃度0.5%(w/v)のCoomassie Brilliant Blue R−250(ThermoSCIENTIFIC社)を溶解したメタノール/酢酸水溶液{メタノール:酢酸:水=50:10:40(v:v:v)}を、脱色には、メタノール/酢酸水溶液{メタノール:酢酸:水=5:7:88(v:v:v)}をそれぞれ用いた。その結果を図4上図に示す。
[4−1]精製菌抽出液の調製
本実施例(2)の菌抽出液Cについて、定法に従って硫安分画を行い、40〜60%飽和硫安画分および60〜90%飽和硫安画分を得た。これを10mmol/Lリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に溶解した後、10mmol/Lリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)を外液として透析し、内液を回収して精製菌抽出液とした。40〜60%飽和硫安画分を透析したものをC40−60、60〜90%飽和硫安画分を透析したものをC60−90とした。
本実施例(4)[4−1]のC60−90について、TOYOPEARL CM−650 M(東ソー社)を用いて、添付の仕様書に従ってイオン交換クロマトグラフィーを行い、溶出液を得て、これを精製菌抽出液のイオン交換クロマトグラフィー画分とした。なお、溶出液として、0〜0.3mol/Lの範囲で直線的に濃度を変化させたNaCl水溶液を用いた。
本実施例(4)[4−1]のC60−90、および本実施例(4)[4−2]のイオン交換クロマトグラフィー画分について、本実施例(3)に記載の方法によりSDS−PAGEを行った。その結果を図4下図に示す。
[5−1]アルギン酸分解酵素活性の算出
10mmol/Lのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に、NaClおよびアルギン酸ナトリウムをそれぞれ、0.1mol/Lおよび0.5%(w/v)となるよう加えたものを2つ用意し、反応液pおよび反応液qとした。反応液pおよび反応液qに、1/20容量の本実施例(4)[4−1]のC60−90およびC40−60をそれぞれ加えた後、30℃にて6時間インキュベートした。その後、実施例3(2)[2−2]に記載の方法によりアルギン酸分解酵素活性を算出したところ、反応液pは239U/mLであり、反応液qは201U/mLであった。
本実施例(5)[5−1]の反応液pおよび反応液qについて、インキュベート開始から、1分間、5分間、10分間、30分間、1時間、2時間、4時間および6時間経過時に、2μLの反応液を分取した。分取した反応液を1μLずつ、2枚のTLC60シリカゲルプレート(Merck社)にアプライし、1−ブタノール:酢酸:水=2:1:1(v:v:v)で混合した展開溶液を用いて展開した。その後、一方のプレートについてはチオバルビツール酸発色法を行うことにより、不飽和糖やα−ケト酸を検出し、もう一方のプレートについては硫酸発色法を行うことにより、全糖質を検出した。その結果を図5に示す。
[化33]HOOC−COH=CH−CHOH−CHOH−CHO。
(1)UMI−01の培養
実施例1(2)のMS培地に、1%(w/v)となるようアルギン酸ナトリウムを加えた培地を用意し、実施例3(1)[1−1]に記載の方法により、UMI−01を培養した。ただし、本培養は800mLに代えて1000mLのスケールで行い、本培養の時間は90時間に代えて48時間とし、本培養の培養温度は30℃に代えて25℃とした。
本実施例(1)のUMI−01について、実施例3(2)[2−1]に記載の方法により、約5gの菌体ペレットを得て、約50mLの菌抽出液を得た。ただし、遠心分離の時間は10分間に代えて15分間とした。
本実施例(2)の精製菌抽出液について実施例3(2)[2−2]に記載の方法により、アルギン酸分解酵素活性を算出したところ、500U/mLであった。すなわち、500U/mL×20mL=計10,000Uの酵素を得ることができた。
[4−1]吸光度測定
10mmol/Lのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に、下記のアルギン酸塩を終濃度0.15%(w/v)となるよう加えたものを用意し、A、B、
CおよびDとした。
B:主としてMブロックを含むアルギン酸のナトリウム塩(M−rich)
C:主としてMGブロックを含むアルギン酸のナトリウム塩(MG−rich)
D:主としてGブロックを含むアルギン酸のナトリウム塩(G−rich)
本実施例(2)[2−1]のBおよびDについて、インキュベート開始から、0分間、5分間、10分間、30分間、60分間、120分間および180分間経過時に、2μLの反応液を分取し、実施例4(5)[5−2]に記載の方法により薄層クロマトグラフィーおよびチオバルビツール酸発色法を行った。その結果を図7に示す。
10mmol/Lのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に、アルギン酸ナトリウムを1%(w/v)となるよう加えたものを2つ用意し、反応液pおよび反応液qとした。反応液pには、本実施例(2)の精製菌抽出液を50U/mL相当量加え、反応液qには、市販のFlavobacterium由来アルギン酸リアーゼ(Sigma社)を50U/mL相当量加えた後、いずれも30℃にて90分間インキュベートした。
(1)精製菌抽出液の調製
実施例1(2)のMS培地に、1/10000量のTrace elements溶液 (0.1NのHCl 1LにFeCl39.7g、CaCl27.8g、CoCl26水和物0.218g、CuSO45水和物0.156g、NiCl36水和物0.118gおよびCrCl36水和物0.105gを溶解したもの)および1%(w/v)となるようアルギン酸ナトリウムを加えた培地(アルギン酸ナトリウム入りMS最少培地)を用意し、実施例3(1)[1−1]に記載の方法により、UMI−01を培養した。ただし、前培養は100mL、本培養は1000mLのスケールで行い、本培養の培地に加える前培養菌液は20mLとした。続いて、実施例3(2)[2−1]に記載の方法において、10mmol/Lリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に代えて10mmol/LTris−HCl緩衝液(pH7.6;以下「トリス緩衝液」という。)を用いて抽出操作を行い、菌抽出液を得た。
トリス緩衝液で平衡化したToyopearl DEAE−650Mカラム(直径2.5×長さ17.5cm;東ソー社)に本実施例6(1)の精製菌抽出液を供した。その後、0〜0.3mol/Lの直線濃度勾配および0.5mol/LのNaClを含むトリス緩衝液(NaCl/トリス緩衝液)を用いてカラムに吸着させたタンパク質の溶出を行い、溶出液を10mLずつ分取して、分取開始から順に、1〜120番の溶出画分とした。各溶出画分について、含有タンパク質量の指標として280nmにおける吸光度を測定した。また、各溶出画分について、実施例3(2)[2−2]に記載の方法によりアルギン酸分解酵素活性を測定した。その結果を図9に示す。図9に示すように、アルギン酸分解酵素活性は、5〜7番の溶出画分(トリス緩衝液による溶出液;図9においてピークaで示す)、および、31〜45番の溶出画分(0.05〜0.15mol/L付近のNaCl水溶液による溶出液;図9においてピークbおよびcで示す)にピークが確認された。
本実施例6(2)の第一酵素液を凍結乾燥した。続いて、これをトリス緩衝液に溶解し、トリス緩衝液を外液として透析して、内液を回収した。次に、遠心濾過フィルターUltrafree MC/CL(Millipore社)を用いて濾過し、濾液を回収した。濾液をMono Q 5/50 GL陰イオン交換カラム(5×50mm)を装着したAKTA−FPLC (GEヘルスケア社)に供した。その後、0〜0.3mol/Lの直線濃度勾配および0.5mol/LのNaCl/トリス緩衝液を用いて、流速0.8mL/分でカラムに吸着させたタンパク質の溶出を行い、溶出液を1mLずつ分取して、分取開始から順に、1〜35番の溶出画分とした。各溶出画分について、280nmにおける吸光度を測定し、また、実施例3(2)[2−2]に記載の方法によりアルギン酸分解酵素活性を測定した。その結果を図11に示す。図11に示すように、アルギン酸分解酵素活性は、2および3番の溶出画分(トリス緩衝液による溶出液;図11においてピークdで示す)にピークが確認された。また、吸光度は、2および3番の溶出画分(トリス緩衝液による溶出画分;図11においてピークdで示す)および11〜15番の溶出画分(0.1mol/L付近のNaCl/トリス緩衝液による溶出液;図11においてピークeで示す)にピークが確認された。
本実施例6(3)の第二酵素液を0.3mol/LのNaCl/トリス緩衝液に溶解し、0.3mol/LのNaCl/トリス緩衝液を外液として透析して、内液を回収した。次に、遠心濾過フィルターUltrafree MC/CL(Millipore社)を用いて濾過し、濾液を回収した。濾液を、Superdex 75 10/300 GLカラム(0.1×30cm)を装着したAKTA−FPLCゲル濾過カラムクロマトグラフィーに供した。その後、0.3mol/LのNaCl/トリス緩衝液を用いて流速1.0mL/分でカラムに吸着させたタンパク質の溶出を行い、溶出液を1mLずつ分取して、分取開始から順に、1〜35番の溶出画分とした。各溶出画分について、280nmにおける吸光度を測定し、また、実施例3(2)[2−2]に記載の方法によりアルギン酸分解酵素活性を測定した。その結果を図13に示す。図13に示すように、アルギン酸分解酵素活性は、10〜12番の溶出画分;図13においてピークf〜hで示す)にピークが確認された。
(1)アルギン酸の分解様式の検討
10mmol/Lのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に、終濃度0.15%(w/v)となるようアルギン酸ナトリウムを加えて解析用基質液とした。オストワルド粘度計を用いて解析用基質液の30℃における粘度を測定した。続いて、解析用基質液に精製FlAly−1液0.1mL(60U)を加えて反応液とし、30℃にて30分間インキュベートすることによりアルギン酸分解反応を行った。その間、235nmにおける吸光度を測定するとともに、オストワルド粘度計を用いて粘度を測定した。反応液の粘度の測定値について、解析用基質液の測定値を1として、相対値(相対粘度)を算出した。その結果を図15に示す。図15に示すように、相対粘度はアルギン酸分解反応の初期に急激に低下した後、穏やかに低下を続け、30分後には1.08となった。一方、吸光度の増加速度、すなわちアルギン酸の分解産物である不飽和糖の生成速度は、反応時間を通じてほぼ一定であった。これらの結果から、FlAly−1は、アルギン酸の分子内部をランダムに分解する酵素であること、すなわち、エンド型のアルギン酸リアーゼであることが明らかになった。
本実施例7(1)の解析用基質液を調製し、8.3Uの精製FlAly−1液を加えて反応液とした。ただし、10mmol/Lのリン酸ナトリウム緩衝液のpHを変化させることにより、種々のpHの反応液を調製した。反応液を30℃にて15分間インキュベートすることによりアルギン酸分解反応を行い、実施例3(2)[2−2]に記載の方法によりアルギン酸分解酵素活性を測定した。その後、測定されたアルギン酸分解酵素活性の最高値を100%として、相対的活性値を算出した。その結果を図16左図に示す。図16左図に示すように、相対的活性値は、反応液のpHが約8の場合に100%となった。この結果から、FlAly−1のアルギン酸分解反応における至適pHは約8であることが明らかになった。
本実施例7(2)に記載の方法において、反応時間を15分間に代えて3時間としてアルギン酸分解反応を行い、これを当初反応液とした。当初反応液を急冷した後、本実施例7(1)の解析用基質液に加えて、30℃で10分間インキュベートすることにより二度目のアルギン酸分解反応を行った。その後、実施例3(2)[2−2]に記載の方法によりアルギン酸分解酵素活性を測定し、本実施例7(2)に記載の方法により相対的活性値を算出した。その結果を図16右図に示す。図16右図に示すように、相対的活性値は、当初反応液のpHが7.6の場合に100%であり、pH7〜8の場合に80%以上であった。この結果から、pH7〜8でアルギン酸分解反応を行った後に、アルギン酸分解酵素活性が最もよく残存すること、すなわち、FlAly−1はpHが7<pH<8において最も安定であることが明らかになった。
本実施例7(1)の解析用基質液に、11.3Uの精製FlAly−1液を加えて反応液とし、種々の温度にて15分間インキュベートすることによりアルギン酸分解反応を行った。その後、実施例3(2)[2−2]に記載の方法によりアルギン酸分解酵素活性を測定し、本実施例7(2)に記載の方法により相対的活性値を算出した。その結果を図17左図に示す。図17左図に示すように、相対的活性値は、反応液の温度が約54℃の場合に100%であった。この結果から、FlAly−1のアルギン酸分解反応における至適温度は約54℃であることが明らかになった。
本実施例7(5)に記載の方法において、反応時間を15分間に代えて30分間としてアルギン酸分解反応を行い、これを当初反応液とした。当初反応液について、本実施例7(3)に記載の方法により、相対的活性値を求めた。その結果を図17右図に示す。図17右図に示すように、相対的活性値は、当初反応液のアルギン酸分解反応時の温度が、20℃〜47℃の場合に50%以上であり、60℃の場合に0%であった。この結果から、FlAly−1は、47℃で30分間アルギン酸分解反応を行った後ではアルギン酸分解酵素活性が50%以上残存しているのに対し、60℃で30分間アルギン酸分解反応を行った後ではアルギン酸分解酵素活性が消失することが明らかになった。
本実施例7(1)の解析用基質液に、8.8Uの精製FlAly−1液を加え、種々の終濃度になるようにNaClを添加して反応液とした。反応液を30℃にて10分間インキュベートすることによりアルギン酸分解反応を行った。その後、実施例3(2)[2−2]に記載の方法によりアルギン酸分解酵素活性を測定し、本実施例7(2)に記載の方法により相対的活性値を算出した。その結果を図18に示す。図18に示すように、相対的活性値は、反応液におけるNaClの終濃度が0.1および0.2mol/Lの場合に100%であり、0.05mol/Lおよび0.4mol/Lの場合に90%以上であった。この結果から、FlAly−1のアルギン酸分解反応における至適NaCl濃度Cは、0.05<C<0.3(mol/L)であることが明らかとなった。
基質を、アルギン酸ナトリウムに代えてアルギン酸ナトリウムならびに実施例5(4)[4−1]のM−rich、MG−richおよびG−richとして、本実施例7(1)の解析用基質液を調製した。解析用基質液に2.1Uの精製FlAly−1液を加えて反応液とし、30℃にて5分間インキュベートすることによりアルギン酸分解反応を行った。その間、235nmにおける吸光度を測定した。その結果を図19に示す。図19に示すように、アルギン酸ナトリウム、M−rich、MG−richおよびG−richのいずれが基質である場合も、同程度の吸光度が測定された。この結果から、FlAly−1は、Mブロック、MGブロック、Gブロックおよび交互ポリマーをランダムに含むアルギン酸(アルギン酸ナトリウム)、主としてMブロックを含むアルギン酸(M−rich)、主としてMGブロックを含むアルギン酸(MG−rich)、および主としてGブロックを含むアルギン酸(G−rich)のいずれも同様に分解することができることが明らかになった。すなわち、FlAly−1は、アルギン酸の構造中、D−マンヌロン酸のホモポリマーである部分(Mブロック)、L−グルロン酸のホモポリマーである部分(Gブロック)、MブロックとGブロックとが交互に結合した部分(MGブロック)およびD−マンヌロン酸とL−グルロン酸とが交互に結合した部分(交互ポリマー)のいずれも同様に分解することができることが示された。
pHを7.0に代えて7.2とし、基質をアルギン酸ナトリウムに代えて二価金属イオンが共存した場合にゲル化し難いM−richとして、本実施例7(1)の解析用基質液を調製した。解析用基質液に表4の左欄に示す試薬を表4の中欄に示す終濃度となるよう添加し、8.69Uの精製FlAly−1液を加えて反応液とした。反応液を、30℃にて5分間インキュベートすることによりアルギン酸分解反応を行った。また、コントロールとして、試薬を添加せずに、同様にアルギン酸分解反応を行った。その後、実施例3(2)[2−2]に記載の方法によりアルギン酸分解酵素活性を測定し、コントロールのアルギン酸分解酵素活性の値を100%として、相対的活性値を算出した。その結果を表4右欄に示す。表4右欄に示すように、アルギン酸分解酵素活性は、反応液中にNa+やNH4+などが存在した場合に増大する一方で、Co2+やCd2+、Cu2+などが存在した場合に低下する傾向であること、およびDTTなどの還元剤が存在した場合には、ほとんど変化しないことが明らかになった。
アルギン酸ナトリウムの終濃度を0.15(w/v)に代えて0.75%(w/v)として、本実施例7(1)の解析用基質液を調製した。解析用基質液に、500Uの精製FlAly−1液を加えて反応液とし、30℃にて0〜24時間インキュベートすることによりアルギン酸分解反応を行った。その後、実施例4(5)[5−2]に記載の方法により、分解産物の検討を行った。その結果を図20に示す。図20に示すように、硫酸発色法およびチオバルビツール酸発色法のいずれにおいても、2〜4糖を示すバンドが主に確認された。その一方で、単糖(不飽和単糖やα−ケト酸)を示すバンドは確認されなかった。これらの結果から、FlAly−1はアルギン酸を分解して2〜4糖のオリゴ糖を生成させること、および、単糖は生成させないことが明らかになった。なお、UMI−01の菌抽出液や精製菌抽出液により単糖(不飽和単糖やα−ケト酸)が生成したのは、アルギン酸オリゴ糖を単糖(不飽和単糖やα−ケト酸)にまで分解する、FlAly−1とは別の二糖分解酵素をUMI−01が有するためと考えられた。
(1)FlAly−1のN末端アミノ酸配列
FlAly−1のN末端アミノ酸配列を、プロテインシーケンサー(473A型;アプライドバイオシステムズ社)を用いて分析した。その結果、N末端40残基のアミノ酸配列はSKTAKIDWSHWTVTVPEENPDKPGKPYSLGYPEILNYAED(配列番号2)であることが明らかになった。次に、配列番号2のアミノ酸配列について、BLAST検索を行った。その結果を表5に示す。表5に示すように、配列番号2のアミノ酸配列と、100%の相同性を示す既知のアミノ酸配列は検出されなかった。また、配列番号2のアミノ酸配列と46〜51%の相同性を示す既知のアミノ酸配列が検出された。これらは、多糖リアーゼファミリー7(PL−7)に属する微生物由来アルギン酸リアーゼおよび類似の配列を有するタンパク質であった。この結果から、FlAly−1は新規のアルギン酸リアーゼであることが明らかになった。
UMI−01を、実施例6(1)のアルギン酸ナトリウム入りMS最少培地10mLで培養した後、8000rpmで20分間遠心分離を行い、菌体ペレットを回収した。菌体ペレットをマイクロピペットの先で1μL程度取ってマイクロチューブに入れ、ISOHAIR(NIPPON GENE社)を用いて、添付の使用書に従いゲノムDNAを抽出して、抽出液を得た。抽出液に、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1/v:v:v)200μLを加えて5分間穏やかに転倒混和することによりタンパク質を不溶化させ、11000×gで5分間遠心分離を行った後、ゲノムDNAを含む水相を回収した。その後、エタノール沈殿を行ってゲノムDNAを回収し、TE緩衝液(pH8.0)に溶解した。ゲノムDNAの濃度は、ナノドロップ(NanoDrop 1000)を用いて測定した。
下記条件により一次PCRおよび二次PCRを行って、二次PCR産物を得た。二次PCR産物を、定法に従い、pTaq1プラスミドベクターに挿入した後、大腸菌DH5αにトランスフォーメーションしてクローニングし、クローンプラスミドを得た。
DNAポリメラーゼ;Ex Taq polymerase(TaKaRa社)
プライマー;
配列番号2のアミノ酸配列に基づき設計した縮重プライマーとして1Fおよび2F
1F:GGNAARACNGCNAARATHGA(配列番号3)
2F:CAYWSNCAYTGGACNGTNAC(配列番号4)
PL−7の高度保存領域のアミノ酸配列に基づき設計した縮重プライマーとして1Rおよび2R
1R:TCNGCNGCRTARTTNARDAT(配列番号5)
2R:TANARNCCNGCNGCYTTRAARTA(配列番号6)
[なお、プライマーの塩基配列中、NはA、C、GまたはTを、RはAまたはGを、HはA、TまたはCを、YはCまたはTを、WはAまたはTを、SはCまたはGを、DはA、GまたはTをそれぞれ示す。]
鋳型DNA;本実施例8(2)のゲノムDNA
使用機器;PCR Thermal Cycler DiceR mini(TaKaRa社)
反応条件;96℃で2分間の後、96℃で30秒、45℃で30秒および72℃で1分の反応を1サイクルとして、40サイクル行い、最後に72℃で7分間インキュベートすることにより、一次PCR産物を得た。
鋳型DNA;一次PCR産物
プライマー;(TA PCR Cloning Kit;ダイナエクスプレス社)
M13 BD−Fw Primer
M13 BD−Rev Primer
反応条件;40サイクルを30サイクルとした他は一次PCRと同条件で行い、二次PCR産物を得た。
鋳型DNA;本実施例8(2)のゲノムDNAを各種の制限酵素により消化し、フェノール−クロロホルム処理およびエタノール沈殿を行って精製したものをT4 DNA Ligase(TaKaRa社)により自己ライゲーションさせて得られた環状DNA。
プライマー;
inv−1F:AATGAGAGGTACGTATGCTATTGACGA(配列番号7)
inv−2F:GCCGCGTTATTATTGCGCAAATTCACGG(配列番号8)
inv−1R:CAACAGACTTGTCTTTTGGGTCATCGTA(配列番号9)
inv−2R:GGATGCGATTTTATCCTCAGCATAATTT(配列番号10)
反応条件;96℃で2分間の後、96℃で30秒、60℃で30秒および72℃で5分の反応を1サイクルとして、30サイクル行い、最後に72℃で7分間。
本実施例8(3)のクローンプラスミドについて、定法に従い塩基配列のシークエンスを行って、FlAly−1遺伝子の翻訳領域の全塩基配列(配列番号11)を決定した。また、配列番号11の塩基配列から、FlAly−1の全アミノ酸配列(配列番号12)を演繹した。その結果を図21に示す。なお、図21において、本実施例8(1)で決定したN末端アミノ酸配列(配列番号2)に相当する部分を下線で示す。図21に示すように、FlAly−1遺伝子の翻訳領域の塩基配列(配列番号11)は867bpであり、FlAly−1のアミノ酸配列(配列番号12)は288残基であった。ここで、本実施例8(1)で決定したN末端アミノ酸配列(配列番号2)よりN末端側の28アミノ酸残基は、FlAly−1には存在していなかったことから、分泌シグナル配列と推定された。このことから、成熟型のFlAly−1は、配列番号12のアミノ酸配列(翻訳型のアミノ酸配列)のうち、配列番号2のアミノ酸配列をN末端として、そこからC末端までの全部で260アミノ酸残基(配列番号13)から成り、その理論分子量は29669.4Daと算定された。この理論分子量は、実施例6で行ったSDS−PAGEにより推定された分子量である約30kDaと一致しており、整合性のある結果が得られたことが明らかになった。
(1)ゲル濾過クロマトグラフィーによる精製
[1−1]アルギン酸の分解およびアルギン酸分解産物の回収
蒸留水50mLに、アルギン酸ナトリウム500mgを溶解した後、実施例5(2)の精製菌抽出液を60U/mL相当量加えて、これを反応液とした。反応液を30℃にて12時間インキュベートした後、透析用セルロースチューブUC36−32(三光純薬)を用いて、蒸留水450mLを外液として透析して、外液を回収した。ロータリーエバポレーターを用いて回収した外液を濃縮乾固し、375mgの濃縮乾固物を得て、これをアルギン酸分解産物とした。
本実施例(1)[1−1]のアルギン酸分解産物350mgを5mLの50mmol/Lリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に溶解し、バイオゲルP2カラム(4.6×70cm;分画分子量100−1800;BioRad社)を用いて、添付の仕様書に従ってゲル濾過クロマトグラフィーを行い、溶出液を10mLずつ分取した。その後、各溶出液の235nmにおける吸光度を測定した。また、各溶出液から2μLをとり、実施例4(5)[5−2]に記載の方法により薄層クロマトグラフィーおよびチオバルビツール酸発色法を行った。その結果を図23に示す。
本実施例(1)[1−1]に記載の方法により、アルギン酸の分解およびアルギン酸分解産物の回収を行った。続いて、アルギン酸分解産物350mgを5mLの蒸留水に溶解し、第4級アンモニウム基をイオン交換基とするTOYOPEARL SuperQ−650 M(2×20cm;東ソー社)を用いて、添付の仕様書に従ってイオン交換クロマトグラフィーを行い、溶出液を5mLずつ分取した。なお、溶出液には直線濃度勾配0〜0.15mol/LのNaCl水溶液を用いた。その後、各溶出液の235nmにおける吸光度を測定した。また、各溶出液から2μLをとり、実施例4(5)[5−2]に記載の方法により薄層クロマトグラフィーおよびチオバルビツール酸発色法を行った。その結果を図24に示す。
[化36]HOOC−COH=CH−CHOH−CHOH−CHO。
上述の実施例6の実験を、UMI−01に代えてFlavobacterium limicola F31株を用いて行ったところ、UMI−01を用いた場合と同様の結果が得られた。
Claims (6)
- 受託番号NITE P−1076であるアルギン酸資化菌。
- 分解酵素として、エンド型アルギン酸リアーゼおよび二糖分解酵素を含む、請求項3に記載の菌抽出液。
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