JP3308412B2 - 低酸価エステルポリオールの製造方法 - Google Patents

低酸価エステルポリオールの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリウレタン製造用エス
テルポリオールの製造方法に関する。詳しくは、水酸基
またはアミノ基を有するモノカルボン酸、またはポリカ
ルボン酸とアルキレンオキシドの付加反応によりエステ
ルポリオールを製造するに際し、触媒としてアミン化合
物を使用するエステルポリオールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エステルポリオールはポリウレタン原料
として、軟質・半硬質・硬質・インテグラルスキン各フ
ォーム、エラストマー、繊維、塗料、繊維処理剤、皮革
用コーティング剤、接着剤、床材、シーラントなど幅広
く用いられている。特に、現在世界的なフロン規制の最
中、シクロペンタン等に代表されるフロンに替わる発泡
剤を用いた硬質ポリウレタンフォームの製造に際して、
従来のポリエーテルポリオールでは硬質ポリウレタンフ
ォームに求められる熱伝導率、強度等の物性を保持する
ことは困難であることから、近年、レジン成分としての
エステルポリオールが注目を集めている。
【0003】エステルポリオールは、硬質ウレタンフォ
ームを製造する際レジン成分として通常汎用されている
ポリエーテルポリオール同様、300〜800mgKO
H/gのヒドロキシル価が必要であるのみならず、おお
よそ未反応のカルボン酸が残存しないことが必要不可欠
である。詳しくは、先に出願されている特願平5−16
7698号報に硬質ポリウレタンフォームを製造する際
のエステルポリオール製品中の酸価は5mgKOH/g
以下と記載されており、より低いものが好ましい。つま
り、エステルポリオールに未反応のカルボン酸が多量残
存する場合、ウレタン製造時にウレタン化触媒の触媒作
用を阻害したり、レジンの貯蔵安定性を低下させる原因
にもなる等の問題が生じるためである。
【0004】従来、エステルポリオールの製造法とし
て、特開平3−86735号報に記載されているカルボ
ン酸環状無水物と多価アルコールから得られるエステル
カルボン酸(以降、半エステルと略す)、または、多価
カルボン酸との多価アルコールとの脱水縮合反応による
もの等が知られている。しかしながら、脱水縮合法によ
るエステルポリオールの製造法は、高温、長時間を要
し、工業的に必ずしも適しているとは言えない。
【0005】一方、カルボン酸とアルキレンオキシドの
付加反応を行う際、公知の事実として触媒が必要であ
り、例えば、文献(表面8−508(1970)、工化
誌61−358、61−1473等)にアルカリ金属水
酸化物や低級アミン等の触媒性能が詳細に検討されてい
る。しかしながら、これら文献にはモノカルボン酸とア
ルキレンオキシドとの反応例しかなく、本発明に関する
水酸基またはアミノ基を有するモノカルボン酸、または
ポリカルボン酸とアルキレンオキシドの付加反応による
エステルポリオールの製造に対する知見に乏しく、その
有用性は不明であった。そこで、本発明者らはそれら触
媒を用いて硬質ウレタンフォーム製造用エステルポリオ
ールの合成を試みた結果、様々な好ましくない問題点が
明らかとなった。
【0006】例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムに代表されるアルカリ金属水酸化物を使用する方法
は、酸価を低下させるために大過剰のアルキレンオキシ
ドを必要とするため好ましくない。すなわち、特願平5
−167698号報に記載されているように、過剰のア
ルキレンオキシドの付加物を組成物としたエステルポリ
オールはフォームの寸法安定性および圧縮強度を低下す
るため硬質ポリウレタンフォームの製造には好ましくな
いとされているからである。
【0007】また、通常、アルカリ金属触媒を製品中か
ら除去する場合、適量の酸と水を必要とすることから、
エステル基の加水分解をも引き起こし、その精製は困難
を極めるものとなる。トリエチルアミンに代表される低
級アミン触媒を用いた場合には、製品の色相、臭気等の
品質悪化、ウレタン製造時の反応性へ影響する等の問題
が起き、製品として好ましいとは言えない。
【0008】また、特開昭64−6182号報には、ク
ロム金属化合物触媒を用いる(メタ)アクリル酸へのア
ルキレンオキシドの付加反応が記載されているが、ポリ
オール製造の記述はなく、さらにクロムのような重金属
の使用には毒性に問題があり実用的でない。
【0009】一方、特開平3−47832号公報にポリ
エーテルポリオールの合成触媒として色相、臭気等の品
質を悪化することなく、精製、濾過工程を必要としない
有用なアミン触媒の記載がある。しかしながら、カルボ
ン酸に対するアルキレンオキシドの付加に関する記述は
ない。また、本発明者らが概当する触媒を用い、半エス
テルとアルキレンオキシドの反応を行ったところ、反応
温度が120℃以下では酸価の低下が不十分であり、反
応温度が120℃以上では高温による脱水縮合も同時に
起こり酸価は低下するものの製品の色相悪化や高粘度化
が起こり、硬質ポリウレタンフォームを製造する場合に
は適し得ない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、エステルポリオールの製造において従来の技術で挙
げられる上記の如き問題点を解決し、かつ、ポリウレタ
ンフォームに良好な物性を与えるエステルポリオールを
製造することにある。すなわち、カルボン酸のエステル
化のために最小限のアルキレンオキシドを用い、ポリウ
レタン製造時の反応性にも悪影響を及ぼさず、特に、硬
質ポリウレタンフォームに良好な物性を与え、精製、濾
過工程を必要とせず、色相、臭気等品質面においても良
好なポリウレタン用エステルポリオールの製造を行うこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の如
き問題点を解決したエステルポリオールの製造方法を見
出すべく鋭意検討した結果、特定の温度範囲で特定の触
媒を用い、アルキレンオキシドの付加反応と縮合反応を
組み合わせることにより本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、水酸基またはアミノ基を有するモノ
カルボン酸、またはポリカルボン酸とアルキレンオキシ
ドの付加反応によりエステルポリオールを製造する際、
下記の一般式(I)(化2)
【0012】
【化2】 (式(I)中、R1は炭素数8〜18のアルキル基ある
いはアルケニル基を示し、R2及びR3は水素原子ある
いは炭素数1〜8のアルキル基を示す。)で表されるア
ミン化合物を触媒として、カルボキシル基1モルに対し
アルキレンオキシド1〜2モルの所定量を用い、反応温
度は80〜120℃で行い、引き続き、120〜150
℃に昇温して行うことを特徴とするエステルポリオール
の製造方法である。
【0013】本発明に触媒として使用するアミン化合物
は、ジメチルオクチルアミン、トリオクチルアミン、ジ
メチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチ
ルスチリルアミン、ジメチルパルメチルアミン、ジメチ
ルオレイルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチ
ルリノレイックアミン、ジメチルリノレニックアミン等
が用いられる。触媒の使用量は特に制限は無いが、反応
終了後の製品生成量に対して、0.01〜5.0重量
%、好ましくは0.1〜1.0重量%の量を使用する.
【0014】本発明に使用する、水酸基を有するモノカ
ルボン酸またはアミノ基を有するモノカルボン酸、また
はポリカルボン酸には、グリコール酸、乳酸、ヒドロキ
シ酪酸、ヒドロキシヘキサン酸、アミノヘキサン酸、ヒ
ドロキシ安息香酸、アントラニル酸、コハク酸、アジピ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、トリメリット酸等が挙げられる。特に、多価カル
ボン酸無水物と多価活性水素化合物の反応より得られる
半エステルまたはアミドカルボン酸は好適に使用でき
る。
【0015】本発明に使用する半エステルまたはアミド
カルボン酸の製造に用いる多価カルボン酸無水物には、
無水フタル酸、ピロメリット酸2無水物、無水コハク
酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、テトラクロロ無
水フタル酸等が挙げられる。これらの多価カルボン酸無
水物は単独、また2種以上混合して使用することが出
来、混合比はいかなる範囲でも使用出来る。
【0016】本発明に使用する半エステルまたはアミド
カルボン酸の製造に用いる多価活性水素化合物には、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール等のジオール類、グリセリン、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、ペン
タエリスリトール、ジグリセリン等のテトロール類、ソ
ルビトール等のヘキトール類等に代表される脂肪族ポリ
ヒドロキシ化合物、あるいはブドウ糖、乳糖、麦芽糖、
蔗糖、澱粉等炭水化物、ビスフェノールA、フェノール
とホルムアルデヒドとの縮合物で代表される芳香族ヒド
ロキシ化合物、エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、
ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミ
ン等に代表されるアルカノールアミンも含まれる。前に
示した如き多価活性水素化合物にアルキレンオキシドを
付加した化合物も、また、多価活性水素化合物として使
用出来る。これらの多価活性水素化合物は単独、また2
種以上混合して使用することが出来、混合比はいかなる
範囲でも使用出来る。
【0017】多価カルボン酸無水物と多価活性水素化合
物の反応より得られる半エステルまたはアミドカルボン
酸はその製造法について特に限定されないが、多価カル
ボン酸無水物1モルに対し、多価活性水素化合物が0.
5〜2.0モルの間で用いられることが好ましい。0.
5モル以下では製品の粘度が高くなり、2.0モル以上
では酸価が充分低下しないためいずれも好ましくない。
本発明で使用するアルキレンオキシドには、エチレンオ
キシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチ
レンオキシド等が含まれ、それぞれ単独あるいは2種以
上を混合して使用することができる。
【0018】本発明のエステルポリオールの製造方法
は、次の如くである カルボン酸と所定量の触媒を仕込み、カルボキシル基1
モルあたり、好ましくは1〜3モルの、さらに好ましく
は1〜2モルのアルキレンオキシドを徐々に添加し反応
させる。1モル以下では酸価が低下せず、3モル以上で
は硬質ポリウレタンフォームの寸法安定性および圧縮強
度等の物性を低下させるため好ましくない。
【0019】反応温度は80〜120℃の間で、主にカ
ルボキシル基とアルキレンオキシドの付加反応を行う。
80℃以下では反応の進行が極めて遅く、工業的に適さ
ない。また、120℃以上では反応系内のカルボン酸と
水酸基の縮合反応により高分子量化が過剰に引き起こさ
れ、最終生成物の粘度が増大するため好ましくない。反
応時の圧力は特に限定されないが、10kg/cm2以
下が好ましい。反応時間も特に限定されないが、オート
クレーブ内圧の低下が0.01〜0.2kg/cm2/
30minになる程度の反応時間が好ましい。引き続
き、120〜150℃に昇温し、残存するカルボン酸と
反応系内に存在する水酸基の縮合反応、かつ、縮合反応
により副生する水とアルキレンオキシドの付加反応を主
として行う。このとき120℃以下では、縮合反応が極
めて遅いため酸価の低下に長時間を要し、工業的に適さ
ない。また、150℃以上では、粘度の増大や色相を悪
化するため好ましくない。製品の酸価は、5mgKOH
/g以下が好ましいが、更には、1mgKOH/g以下
が好ましい。
【0020】
【実施例】以下に、本発明を実施例を挙げて、さらに具
体的に説明する。実施例、比較例及び参考例の結果を、
表1〜3に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【実施例】
実施例1 668g(4.51mol)の無水フタル酸、208g
(2.26mol)のグリセリン、203g(2.26
mol)の1,4−ブタンジオール及び6.8gのジメ
チルパルミチルアミンを内容積2lのオートクレーブに
装入した。オートクレーブを乾燥窒素で置換し3kg/
cm2Gまで加圧して昇温し、100℃で1時間反応さ
せた後、オートクレーブ内を常圧にし、100℃に設定
し、オートクレーブの内圧が4.0kg/cm2G以下
に保たれるように419g(7.22mol)のプロピ
レンオキシドを添加した。その後、オートクレーブの内
圧低下が0.05kg/cm2/30minになるまで
5時間攪拌し、120℃に昇温した。その後、内圧の低
下が認められなくなるまで5時間攪拌した。反応終了
後、残存するプロピレンオキシドを減圧により除去し、
内温を80℃に冷却して内容物を取り出した。得られた
製品は1450gで薄黄色の透明液体であり、酸価は残
存せず、ヒドロキシル価は423mgKOH/g、粘度
は25000cps/25℃であった。
【0025】比較例1 668g(4.51mol)の無水フタル酸、208g
(2.26mol)のグリセリン、203g(2.26
mol)のジ1,4−ブタンジオール及び6.8gのジ
メチルパルミチルアミンを内容積2lのオートクレーブ
に装入し、実施例1と同様の操作により半エステル化を
行った後、温度を100℃に設定し、419g(7.2
2mol)のプロピレンオキシドを添加した。その後、
オートクレーブの内圧低下が認められなくなるまで10
時間攪拌し、反応終了後、残存するプロピレンオキシド
を減圧により除去し、内温を80℃に冷却して内容物を
取り出した。得られた製品は1476gで薄黄色の透明
液体であり、酸価は7.2mgKOH/g、ヒドロキシ
ル価は400mgKOH/g、粘度は25000cps
/25℃であった。
【0026】比較例2 668g(4.51mol)の無水フタル酸、208g
(2.26mol)のグリセリン、203g(2.26
mol)の1,4−ブタンジオール及び6.8gのジメ
チルパルミチルアミンを内容積2lのオートクレーブに
装入し、実施例1と同様の操作により半エステル化を行
った後、温度を130℃に設定し、419g(7.22
mol)のプロピレンオキシドを添加した。その後、オ
ートクレーブの内圧低下が認められなくなるまで6時間
攪拌した。反応終了後、残存するプロピレンオキシドを
減圧により除去し、内温を80℃に冷却して内容物を取
り出した。得られた製品は1490gで茶褐色の液体で
あり、酸価は残存せず、ヒドロキシル価は408mgK
OH/g、粘度は75000cps/25℃であった。
【0027】比較例1では酸価が残り、比較例2では縮
合反応による高分子量化から高粘度化する。実施例1は
カルボン酸へのアルキレンオキシドの付加と縮合の2段
階で反応を行うことにより、最小限のアルキレンオキシ
ドを用い、酸価低下と高粘度化を制御することができ、
本法はポリウレタンフォーム製造に最適なエステルポリ
オールの製造法として有効性が認められる。
【0028】比較例3 668g(4.51mol)の無水フタル酸、208g
(2.26mol)のグリセリン、203g(2.26
mol)の1,4−ブタンジオール及び4.5gの水酸
化カリウムを内容積2lのオートクレーブに装入し、実
施例1と同様の操作により419g(7.22mol)
のプロピレンオキシドを添加した。その後、オートクレ
ーブの内圧が1kg/cm2になるまで8時間攪拌し
た。反応終了後、残存するプロピレンオキシドを減圧に
より除去し、内温を80℃に冷却して取り出した製品は
1430gで薄黄色の透明液体であった。本製品は酸価
が81.7mgKOH/gであり、ヒドロキシル価は3
26.6mgKOH/gであった。本比較例3から分か
るように、水酸化カリウム触媒では、酸価81.7mg
KOH/gとアルキレンオキシドのカルボン酸への付加
は不十分であった。
【0029】比較例4 668g(4.51mol)の無水フタル酸、208g
(2.26mol)のグリセリン、203g(2.26
mol)の1.4−ブタンジオール及び6.8gのトリ
エチルアミンを内容積2lのオートクレーブに装入し、
419g(7.22mol)のプロピレンオキシドを用
い以下実施例1と同様の操作を行った。製品は1438
gで茶褐色の液体であり、酸価が残存せず、ヒドロキシ
ル価は438kg、粘度は67000cps/25℃で
あった。
【0030】比較例5 668g(4.51mol)の無水フタル酸、208g
(2.26mol)のグリセリン、203g(2.26
mol)の1.4−ブタンジオール及び6.8gのペン
タメチルジエチレントリアミンを内容積2lのオートク
レーブに装入し、419g(7.22mol)のプロピ
レンオキシドを用い以下実施例1と同様の操作を行っ
た。製品は1479gで茶褐色の液体であり、酸価が残
存せず、ヒドロキシル価は410mgKOH/g、粘度
は52000cps/25℃であった。本比較例3およ
び比較例4では製品の酸価は残存しないものの、茶褐色
の液体で、アミン臭も強く、実際に硬質ポリウレタンフ
ォーム製造時の使用する場合には極めて堪え難いもので
ある。
【0031】実施例2〜4 実施例1と同様の方法でエステルポリオールを製造し
た。結果を表1に示す。ただし、触媒としてはジメチル
オクチルアミン、ジメチラウリルアミン、ジメチルリノ
レイックアミンを用いた。
【0032】実施例5 859g(6.50mol)のヒドロキシヘキサン酸、
及び6.8gのジメチルパルミチルアミンを内容積2l
のオートクレーブに装入し、641g(11.05mo
l)のプロピレンオキシドを用い以下実施例1と同様の
操作を行った。得られた製品は1489gで薄黄色の透
明液体であり、酸価は残存せず、ヒドロキシル価は48
6mgKOH/g、粘度は1800cps/25℃であ
った。
【0033】実施例6 786g(4.73mol)のテレフタル酸、及び6.
8gのジメチルパルミチルアミンを内容積2lのオート
クレーブに装入し、714g(12.31mol)のプ
ロピレンオキシドを用い以下実施例1と同様の操作を行
った。得られた製品は1473gで薄黄色の透明液体で
あり、酸価は残存せず、ヒドロキシル価は354mgK
OH/g、粘度は25000cps/25℃であった。
【0034】実施例7 668g(4.51mol)の無水フタル酸、208g
(2.26mol)のグリセリン、203g(2.26
mol)の1.4−ブタンジオール及び6.8gのペン
タメチルジエチレントリアミンを内容積2lのオートク
レーブに装入し、419g(7.22mol)のプロピ
レンオキシドを用い以下実施例1と同様の操作を行っ
た。得られた製品は1489gで薄黄色の透明液体であ
り、酸価は残存せず、ヒドロキシル価は412mgKO
H/g、粘度は35000cps/25℃であった。
【0035】実施例8 523g(3.53mol)の無水フタル酸、609g
(3.53mol)のエタノールアミンプロピレンオキ
シド付加物(ヒドロキシル価975mgKOH/g)及
び6.8gのジメチルパルミチルアミンを内容積2lの
オートクレーブに装入し、368g(6.34mol)
のプロピレンオキシドを用い実施例1と同様の操作を行
った。得られた製品は1429kgで無色の透明液体で
あり、酸価は残存せず、ヒドロキシル価は431mgK
OH/g、粘度は52000cps/25℃であった。
【0036】実施例9 634g(4.28mol)の無水フタル酸、193g
(2.14mol)の1,2−ブタンジオール、225
g(2.14mol)のジエタノールアミン及び6.8
gのジメチルパルミチルアミンを内容積2lのオートク
レーブに装入し、448g(7.72mol)のプロピ
レンオキシドを用い実施例1と同様の操作を行った。得
られた製品は1476gで薄黄色の透明液体であり、酸
価は残存せず、ヒドロキシル価は420mgKOH/
g、粘度は45000cps/25℃であった。
【0037】実施例10 518g(5.18mol)の無水コハク酸、239g
(2.60mol)のグリセリン、233g(2.59
mol)の1,2−ブタンジオール、及び6.8gのジ
メチルパルミチルアミンを内容積2lのオートクレーブ
に装入し、511g(8.81mol)のプロピレンオ
キシドを用い以下実施例1と同様の操作を行った。得ら
れた製品は1489gで薄黄色の透明液体であり、酸価
は残存せず、ヒドロキシル価は484mgKOH/g、
粘度は12000cps/25℃であった。
【0038】実施例11 601g(2.76mol)のピロメリット酸2無水
物、419g(5.51mol)のプロピレングリコー
ル、及び6.8gのジメチルパルミチルアミンを内容積
2lのオートクレーブに装入し、480g(8.28m
ol)のプロピレンオキシドを用い以下実施例1と同様
の操作を行った。得られた製品は14.578kgで薄
黄色の透明液体であり、酸価は残存せず、ヒドロキシル
価は413mgKOH/g、粘度は65000cps/
25℃であった。
【0039】実施例12 709g(4.79mol)の無水フタル酸、220g
(2.39mol)のグリセリン、149g(2.40
mol)のエチレングリコール及び6.8gのジメチル
パルミチルアミンを内容積2lのオートクレーブに装入
した。オートクレーブを乾燥窒素で置換し3kg/cm
2Gまで加圧して昇温し、100℃で1時間反応させた
後、オートクレーブ内を2kg/cm2Gにし、反応温
度は100℃に設定し、オートクレーブの内圧が4.0
kg/cm2G以下に保たれるように5時間で419g
(9.52mol)のエチレンオキシドを添加した。そ
の後、オートクレーブの内圧が3kg/cm2になるま
で1時間攪拌し、さらに、120℃に昇温し、3時間反
応を行った。反応終了後、残存するエチレンオキシドを
減圧により除去し、内温を80℃に冷却して内容物を取
り出した。得られた製品は1479kgで薄黄色の透明
液体であり、酸価は残存せず、ヒドロキシル価は448
mgKOH/g、粘度は14800cps/25℃であ
った。
【0040】参考例1 比較参考例1〜2 実施例1で得られたエステルポリオールを用いて硬質ポ
リウレタンフォームを作り物性試験を行った。上記エス
テルポリオール100gにシリコーン製泡剤L−542
0(日本ユニカー社品)1.0g、フレオン11B(三
井デュポンフロロケミカル社品)17.5g、テトラメ
チルヘキサメチレンジアミン2.3g、純水0.5gを
加え、よく混合してレジン液とした後、ジフェニルメタ
ンジイソシアナート(NCO含有率30.8%)を、レ
ジン液の活性水素と反応する量を標準にして1.05倍
量加え、激しくかき混ぜて縦25cm×横25cm×高
さ18cmの段ボール製造箱に注入した。
【0041】発泡による立ち上がりの時間(イニシエー
ションタイム)、フォーム表面の粘り気の無くなる時間
(タックフリータイム)を測定した後、室温で24時間
熟成後、得られた硬質ポリウレタンフォームの物性試験
を行った。物性試験方法は次の通りである。 (1)比重;ASTM D−1622 59Tによる。 (2)圧縮強さ;ASTM D−1621 59Tによ
る。 (3)寸法安定性;100×100×100mmのフォ
ームを表−3に記載の条件で放置し、放置前の長さに対
する放置後の長さの変化率を求めた。
【0042】フォーム物性を表−3に示した。表−3に
比較のため、比較例1の100℃の反応で酸価が7.2
であるもの、比較例2の130℃の反応で粘度が750
00cps/25℃であるものを用いた発泡特性、フォ
ーム物性を併記した。表−3から本発明の方法により製
造したエステルポリオールの発泡特性は良好であった。
比較例1では反応性が低く、また、発泡途中でイソシア
ネートとレジン相の分離が起った。比較例2においては
混合性が不良で混合時の操作が困難であった。
【0043】
【発明の効果】本発明の方法はエステルポリオール製造
にあたって、カルボン酸へのアルキレンオキシドの付加
と縮合の2段階で反応を行うことにより、最小限のアル
キレンオキシドを用い、酸価低下と高粘度化を制御する
ことができ、また、精製工程が少なく、品質の安定した
製品が得られる特徴があり、ポリウレタンフォーム製造
に最適なエステルポリオールの製造法として有効性が認
められる。また、本製造法により得られるエステルポリ
オールは、色相淡色、異臭少なく、ポリウレタン原料と
して、軟質・半硬質・硬質・インテグラルスキン各フォ
ーム、エラストマー、繊維、塗料、繊維処理剤、皮革用
コーティング剤、接着剤、床材、シーラントなど幅広く
用いることができ、特に、硬質ポリウレタンフォームの
原料として優れた品質を持っている。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−129697(JP,A) 特公 昭47−3268(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/42 C08G 63/00 - 63/91

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸基またはアミノ基を有するモノカルボ
    ン酸、またはポリカルボン酸とアルキレンオキシドの付
    加反応によりエステルポリオールを製造する方法におい
    て、下記の一般式(I)(化1) 【化1】 (式(I)中、R1は炭素数8〜18のアルキル基ある
    いはアルケニル基を、R2及びR3は水素原子あるいは
    炭素数1〜8のアルキル基を示す。)で表わされるアミ
    ン化合物を触媒として、カルボキシル基1モルに対しア
    ルキレンオキシド1〜2モルの所定量を用い、80〜1
    20℃の温度で反応を行い、引き続き、120〜150
    ℃に昇温して行うことを特徴とする、酸価5以下のエス
    テルポリオールの製造方法。
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