JP3307707B2 - 壁収納体 - Google Patents

壁収納体

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JP3307707B2
JP3307707B2 JP04554393A JP4554393A JP3307707B2 JP 3307707 B2 JP3307707 B2 JP 3307707B2 JP 04554393 A JP04554393 A JP 04554393A JP 4554393 A JP4554393 A JP 4554393A JP 3307707 B2 JP3307707 B2 JP 3307707B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、住宅等の壁内に収納空
間を形成する壁収納体にかかり、詳しくは木質様を有す
る壁収納体に関する。
【0002】
【従来の技術】住宅においては、タンスや本棚、収納棚
など多数の収納用家具が各部屋に置かれて用いられてい
る。ところで、近年では限られたスペースのなかで、居
住空間をなるべく広くしたいとの要望に応えるため、家
屋を建設する際、衣類等を収納するクローゼットなどを
予め居室等に設けておき、最少限の家具を居室におくだ
けですむような工夫がなされている。
【0003】このような収納空間を形成するものとし
て、従来では例えば壁内に埋め込み式で組み込まれる壁
収納体がある。この壁収納体としては、予め形成された
壁の凹部に組み込まれるもので、例えば本棚や各種小物
を置く収納棚などが知られている。このような壁収納体
は天然の木、樹脂、金属等から形成されたもので、その
設けられる居室の内装等に応じて適宜選択され用いられ
ている。すなわち、和室であれば天然の木からなる壁収
納体が、また洋室であれば表面にプリントしたり塗装し
た樹脂や金属からなる壁収納体が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
天然の木からなる壁収納体にあっては、原材料自体樹脂
等に比べ高く、しかも手作業による加工が多いため樹脂
性のものなどに比べて非常に高価なものとなってしま
い、さらには寸法精度などについても樹脂性のものなど
に比べて劣るといった欠点がある。一方、樹脂性のもの
では、製造コストが安くしたがって広く普及しているも
のの、やはり天然の木からなるものに比べ高級感に劣
り、長年使用するとあきてしまうなどの欠点がある。ま
た、例えばこの樹脂性のものに木目模様等の木質様をプ
リントし、天然の木に似せて高級感を引き出すといった
ものもあるが、単にプリントしただけのものでは本物の
木に極めて近い外観等が得られず、むしろ安っぽさが目
だってしまうといった欠点がある。
【0005】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、天然の木に比べ遜色のな
い木質様を有し、かつ樹脂と同様の成形法で得られ、し
たがって寸法精度が高く製造コストも安価となる壁収納
体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
記載の壁収納体では、天板、底板および両側板がいずれ
も壁内に設けられる矩形板状の板本体とその一側縁に設
けられて壁外面に取り付けられる取付枠とからなり、該
取付枠にはその長さ方向に貫通する中空部が形成され、
天板、底板、両側板の、互いに隣り合う取付枠間に、該
取付枠のそれぞれの中空部に嵌合してこれら取付枠を連
結する連結板を有した連結部材が取付けられ、かつ、前
記天板、底板および両側板がいずれも、磨砕処理が施さ
れ白色無機顔料が表面に担持されたセルロース系微粉粒
と樹脂とが混合され、押出成形により成形されてなるこ
とを前記課題の解決手段とした。請求項2記載の壁収納
体では、連結部材が、連結板と、天板、底板、両側板
の、互いに隣り合う板本体間に、該板本体の互いに隣り
合う側縁をそれぞれ挟持する二条の挟持溝を有した挟持
杆とから構成されてなることを前記課題の解決手段とし
た。請求項3記載の壁収納体では、天板、底板、両側板
が、磨砕処理が施され白色無機顔料が表面に担持された
セルロース系微粉粒と樹脂とが混合されペレット化され
てなる生地材ペレットと、磨砕処理が施され白色無機顔
料が表面に担持されたセルロース系微粉粒と樹脂と有色
顔料とが混合されペレット化されてなり、かつ前記生地
材ペレットより溶融温度が高い木質様形成材ペレットと
が混合され、該ペレット混合物が押出成形により成形さ
れてなることを前記課題の解決手段とした。
【0007】
【作用】本発明における請求項1記載の壁収納体によれ
ば、天板、底板および両側板を形成する材料である白色
無機顔料を担持したセルロース系微粉粒が磨砕処理され
ていることから、例えば従来の木材を直接微粉状に粉砕
したものが繊維状であるのと異なり、その表面に繊毛が
少なく粒状となり、よって従来の繊維状木粉のごとく水
(湿気を含む)、溶剤を吸着しあるいはこれを放出する
ことに起因する伸縮が極めて少なく、したがってこれを
含有して形成された各板は寸法安定性に極めて優れたも
のとなる。また、磨砕処理を施しかつ表面に白色無機顔
料を担持したセルロース系微粉粒を骨材としていること
により、該微粉粒による樹脂の吸着・吸い込みが極めて
少なくなって成形歪みを生ずることがほとんどなくな
る。さらに、隣り合う取付枠のそれぞれの中空部に連結
板が嵌合してこれら取付枠間が連結されているので、こ
れの組み立てが容易になり、したがって枠体の壁内への
組み込みが容易になる。
【0008】請求項2記載の壁収納体によれば、連結部
材が、連結板に加え、隣り合う板本体の側縁をそれぞれ
挟持する二条の挟持溝を有した挟持杆を有していること
から、天板、底板、側板間の連結が該連結部材によって
容易になされ、かつ各板間の連結が強固となる。
【0009】請求項3記載の壁収納体によれば、天板、
底板および両側板が、生地材ペレットとこれより溶融温
度の高い木質様形成材ペレットとのペレット混合物を押
出成形もしくは射出成形することによって得られたもの
である。したがって、各板はその成形時、木質様形成材
ペレットが生地材ペレットに比べ溶融までの時間が長
く、よってこれを利用し予め成形条件を設定しておくこ
とにより、木質様形成材ペレット中の有色顔料が成形中
の溶融材中に規則的に、あるいは均一に流れることな
く、不規則に流れて筋状の着色部を形成する。そして、
この筋状の着色部が天然の木目に極めて近い木目模様と
なることから、各板は天然の木に極めて近い表面を有す
るものとなる。しかも、各ペレット中のセルロース系微
粉粒がその表面に白色無機顔料を担持しているので、得
られる成形体中において、該微粉粒が有色顔料より表面
側にくることによってその下の有色顔料の色が隠蔽さ
れ、これにより有色顔料によって形成される成形体表面
の着色部はその色や太さなどが不均一なものとなり、各
板が一層天然の木目模様に近いものとなる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を詳しく説明する。図1ないし
図5は本発明の壁収納体を壁収納棚に適用した場合の一
実施例を示す図であり、これら図において符号10は壁
収納棚、11は壁パネルである。壁収納棚10を説明す
るに先立ち、まずこれが組み込まれる壁パネル11を説
明すると、壁パネル11は、図2に示すように縦框11
aと横框11bとが矩形枠状に組まれ、これら框11
a、11bからなる枠体の裏面側に合板11cが、また
表面側に矩形状の開口部11dを形成した合板11eが
それぞれ貼着されて構成されたもので、内部に空間部1
1fを形成したものである。
【0011】空間部11fは、壁収納棚10を組み込む
ためのもので、合板11eの開口部11dから壁収納棚
10が壁パネル11内に納められ、かつ開口部11dの
周辺部に壁収納棚10が取付けられることにより、壁収
納棚10は壁パネル11に固定されるようになってい
る。すなわち、この壁パネル11にあっては、開口部1
1dと空間部11fとから壁収納体10を組み込むため
の凹部が形成されているのである。
【0012】壁収納棚10は、天板12、底板13、側
板14、14が矩形枠状に組まれてなる枠体15と、こ
れら各板間を連結するための連結部材16と、側板1
4、14間に設けられる複数の棚板17…とからなるも
のである。天板12、底板13、側板14、14は、図
3に示すようにいずれも壁パネル11内に配設される矩
形板状の板本体18と、その一側縁に設けられて壁パネ
ル11の外面(居室内側の面)側に取り付けられる取付
枠19とからなるものである。板本体18には、一方の
側縁に長手方向に沿って内側に突出する突条20が形成
され、他方の側縁に取付枠19が一体に形成されてい
る。
【0013】取付枠19は、前記突条20とは逆側に突
出して形成された中空の板体で、取付枠19の側縁に沿
って形成され、かつ両端部がともに板本体18より突出
して形成されたものである。板本体18より突出してな
る突出部21には、前記突条20が形成された側に45
°の角度で切断された切断面21aが形成されており、
この切断面21aが後述するように隣り合う取付枠1
9、19間の接合面となっている。また、取付枠19に
は、その突出部21、21の端縁から取付枠19の中央
側にかけてその内側の面の板本体18側にそれぞれ筋状
の切欠22が形成されている。これら切欠22は、後述
する連結部材16の挟持杆と係合するためのものであ
る。
【0014】連結部材16は、取付枠19の中空部19
aに嵌合する板状の連結板23と、これを一端に取付け
た挟持杆24とからなるものである。挟持杆24は、図
3、図4に示すように横断面L字状のもので、それぞれ
の端縁部に長さ方向に沿って挟持溝25を形成したもの
である。挟持溝25、25は、それぞれ枠体15を構成
する各板の板本体18の短手方向の側縁を挟持するもの
である。また、前記連結板23は、図4に示すように正
方形板の一つの角部を正方形状に切り欠いて形成された
もので、該切り欠いた部分の周辺部が挟持杆24の端面
に接合されたものである。
【0015】そして、このような構成により連結部材1
6は、図3および壁収納棚10の要部を背面から見た分
解図である図5に示すようにその連結板23が、隣り合
う取付枠19、19のそれぞれの中空部19aに連結板
23の斜め半分が嵌合するとともに、挟持杆24が直交
して隣り合う板本体18、18の側縁を挟持することに
より、天板12と側板14、あるいは底板13と側板1
4とを直交した状態に連結するものとなっている。ま
た、本発明の壁収納棚11においては、天板12、底板
13、側板14、棚板17がいずれも、磨砕処理が施さ
れ白色無機顔料が表面に担持されたセルロース系微粉粒
と樹脂とを混合し、これを押出成形により成形すること
によって形成されたものである。
【0016】以下、この成形体の製造方法を説明する
と、成形に用いられる樹脂としては、塩化ビニル樹脂、
フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ABS樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリウレタン
樹脂等が挙げられる。そして、この樹脂に、磨砕処理が
施され白色無機顔料を担持したセルロース系微粉粒が配
合され、さらに必要に応じ公知の添加材が配合され混合
された後、該混合物が押出成形によって図3に示した形
状に成形されることにより、各板が得られるのである。
【0017】磨砕処理が施され白色無機顔料を担持する
セルロース系微粉粒を得るための材料としては、木材の
粗粉砕物、バカスの粗粉砕物、稲藁の粗粉砕物等の各種
植物細胞体の原料材粗粉砕物を磨砕処理することによっ
て得られたものが用いられる。ここで、磨砕処理とは、
粉砕処理と研磨処理とを併せ持つ処理を言うものであ
り、これら粉砕処理と研磨処理とを同時に行う処理であ
っても、粉砕処理を行った後研磨処理を行う二工程から
なる処理であってもよい。すなわち、ここで言う磨砕処
理とは、後述するように粗粉砕物から微粉砕物にする粉
砕処理と、微粉砕された粉粒を、繊維状態のものが絡み
合い、その表面が繊毛で覆われている状態の粉粒形状か
ら、表面に繊毛が少ない状態となるように表面研磨する
研磨処理とを併せた処理を指しているのである。
【0018】原料材の粗粉砕物を得るには、そのチップ
等を機械的な衝撃破砕により粉砕して150メッシュ、
好ましくは120メッシュよりも細かい粒径の粗粉砕粉
を得る。ここで機械的な粉砕には、例えばインペラーミ
ル(IMP−250;株式会社セイシン企業製)が好適
に使用される。
【0019】そして、このような原料材粉砕物の磨砕処
理としては、例えば図6に示すボールミルによって行う
のが好ましい。このボールミルは、大気解放型のミル本
体1の周壁に冷却ジャケット2を設けたもので、供給パ
イプ8から冷却ジャケット2内に冷却水を供給し、排水
パイプ9から排出することで冷却水を循環させ、これに
よってミル本体1内の温度を予め設定した温度、例えば
80℃以下となるようにするものである。
【0020】ここで、ミル本体1の上部にはモータ5が
配設されており、このモータ5の底部にはミル本体1内
のボール3を攪拌するロータ4が配設されている。ロー
タ4は、モータ5の駆動によって回転し、ボール3と被
磨砕処理物とを攪拌することにより、これらを機械的に
接触させるものである。また、ミル本体1の錐形下部に
はバルブ6で開閉される取出し口7が設けられており、
磨砕処理後の被磨砕処理物を排出できるようになってい
る。
【0021】このボールミルのミル本体1内に装填され
るボール3は、外径3mm〜5mmのセラミックスボール、
特にジルコニア系やアルミナ系のセラミックスボールを
用いるのが好ましく、ステンレス、スチール等の金属製
のボールの使用は避けるのが好ましい。なぜなら、ステ
ンレス、スチール製等の金属製のボールでは、木粉等の
粉砕セルロース系粉がボールの表面に結着し、あるいは
金属製ボール相互の接触に伴う発熱によって粉砕粉に変
質をもたらすおそれがあり、また金属製ボールのかけら
等が発生し、粉砕セルロースの表面にそのかけらが担持
されて所望する微粉粒と異質のものになるおそれがある
からである。なお、この乾式ボールミルは密閉タイプで
あっても大気解放タイプであっても良いが、密閉タイプ
を採用した場合にはミル内に窒素ガス等の不活性ガスを
充填して用いるのが好ましい。
【0022】また、このボールミルでは、使用ボール3
の表面温度が90℃〜120℃の範囲となるように調整
され、ミル本体1の室内温度が80℃を超えないよう調
整されることにより、前記の原料材粉砕物の磨砕処理に
加えてその乾燥処理も同時に行われる。ここで、使用ボ
ール3の温度制御については、ミル本体1の容量と、こ
のミル本体1内に投入されるボール3の量と、ボール3
の材質、寸法ならびに投入粉砕物の投入温度、量、含有
水分量とに基づき、攪拌速度ならびにミル本体1の周面
に設けた冷却ジャケット2による冷却量等を調整するこ
とによって行われる。
【0023】なお、ボール3の表面温度は、対象材料に
よっても異なるものの、例えば木材粉の場合には100
℃〜120℃の範囲にするのが、磨砕の効率の点から好
ましい。ただし、磨砕に長時間を要する場合には暴爆の
防止の点から90℃〜100℃であることが望ましい。
また、磨砕において暴爆を生ずる危険のある場合には、
ミル本体1内の酸素濃度を15%以内とするのが好まし
く、その場合には例えばボールミル内に連続して窒素ガ
スを供給するといった方法を採用してもよい。
【0024】このようなボールミルによる磨砕処理によ
れば、ボール3の回転に伴って生ずる摩擦熱によりミル
本体1の内部温度が上昇し、一方冷却ジャケット2に循
環される冷却水よってミル本体1内の温度およびボール
3の表面温度が前記した範囲に調節されることにより、
原料材粉砕物が粉砕されると同時に強い加熱条件下にお
かれて乾燥せしめられ、これによって粒径が所望する範
囲、例えば100μm以下に揃えられ、しかも含有水分
が2.0重量%以下に調整されるのである。また、この
処理によれば、粗粉状態で投入された原料材粉砕物にボ
ール3が接触することにより、該ボール3に接触した原
料粉砕物は粉砕されて微粉砕物となるとともに、その表
面が研磨されることによって繊毛部分が非常に少ない表
面を有する微粉粒となる。
【0025】すなわち、原料材粉砕物はボール3の表面
に接触した際、機械的に圧潰されかつ磨耗されて粉砕・
研磨され、これと同時に加熱・乾燥されることから、含
有水分が効率良く取り除かれるのである。また、ボール
3から離脱した際急速に冷却されることから、加熱−冷
却の繰返しを受けることによって原料材粉砕物中の繊維
が膨縮作用を受けるとともに、急速に乾燥され、これに
よって繊維の先端部がボール3によって効率良く磨砕さ
れ、結果として周面に繊毛の少ない、独立した粒形状を
なす磨砕処理セルロース系微粉粒が得られるのである。
そして、このようにして得られたセルロース系微粉粒を
分級し、所望する範囲の粒径(例えば1〜10μm、1
0〜20μm、20〜50μm、50〜100μm)に
揃え、白色無機顔料を担持するためのセルロース系微粉
粒とする。
【0026】また、原料粉砕物の磨砕処理としては、図
6に示すボールミルに代えて、例えば図7に示すような
粉砕機30を用いて行うこともできる。この粉砕機30
は、石うすの原理を利用したもので、2枚の砥石31、
31を所定の間隙を介して対向させ、これらの間に原料
粉砕物を入れた後、一方の砥石31を高速回転させるこ
とによって粉砕処理および研磨処理を、すなわち磨砕処
理を行うものである。
【0027】ここで、砥石31は、その内面が中心部に
いくに連れて漸次上方あるいは下方に傾斜する皿型のも
のであり、これらはその中央部間が広く、周辺部間が狭
くなるよう対向配置されて用いられるものである。ま
た、これら砥石31は、図8に示すようにその中央部に
取り付け用の孔32を形成したドーナッツ板状のもの
で、その内面に多数の送り溝33…を形成したものであ
る。送り溝33は、砥石31の回転によって生じる遠心
力により、被処理物を砥石31の半径方向に無理なく案
内するためのものである。
【0028】このような粉砕機30によって原料粉砕物
の磨砕処理を行うには、2枚の砥石31、31のそれぞ
れの中央部間に原料粉砕物を投入し、その後一方の砥石
31を高速回転する。すると、原料粉砕物は2枚の砥石
31、31間で遠心力、衝撃力、剪断力等を受けて漸次
粉砕され、小径となるに連れて遠心力により送り溝33
…に沿って半径方向外周側に移動せしめられ、さらにそ
の過程で衝撃力、剪断力を受けて粉砕されるとともにそ
の周面(表面)が研磨処理され、結果として磨砕処理さ
れて周面に繊毛の少ない、独立した粒形状をなす磨砕処
理セルロース系微粉粒となるのである。
【0029】そして、このようにして得られたセルロー
ス系微粉粒についても、ボールミルによる場合と同様に
分級され所望する範囲の粒径に揃えられることにより、
白色無機顔料を担持するためのセルロース系微粉粒とな
る。担持される白色無機顔料としては、酸化チタン、リ
トポン、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム等が使用可
能であるが、特に酸化チタンが、得られる成形体に十分
な白色度を付与することができるなどの理由で好まし
い。また、この白色無機顔料の粒径については、前記セ
ルロース系微粉粒より十分に小さく調整されたものとさ
れる。
【0030】また、該白色無機顔料の前記セルロース系
微粉粒への担持方法としては、図6に示したボールミル
によってセルロース系微粉粒を得た場合、例えば前記セ
ルロース系微粉粒と白色顔料とを混合し、得られた混合
粒子を気相中に分散させながら衝撃力を主体とする機械
的熱的エネルギーを粒子に付与し、セルロース系微粉粒
を母粒子とし、この母粒子の周面に顔料粒子を担持させ
るといった方法が採用される。すなわち、この方法はセ
ルロース系微粉粒に比べ顔料粒子の方が硬いことを利用
した方法であり、このような硬度の違いによって顔料粒
子をセルロース系微粉粒の表面にめりこませ、あるいは
喰い込ませた状態に担持せしめ得るのである。なお、ボ
ールミルによって得られたセルロース系微粉粒は、前述
したように磨砕処理と同時に乾燥処理もなされているこ
とから、担持処理に供すまでの保管を乾燥状態が十分に
保てるようにしておけば、担持処理後特に乾燥処理を行
うことなく後述する成形処理に供すことができる。
【0031】また、他の担持方法として、特に図7に示
した粉砕機30を用いてセルロース系微粉粒を得た場合
には、セルロース系微粉粒と白色顔料との混合粒子を図
6に示したようなボールミルに投入し、再度磨砕処理を
施すことによってセルロース系微粉粒周面に白色無機顔
料粒子を担持させるのが好ましい。なぜなら、ボールミ
ルによる磨砕処理では前述したようにその処理の過程で
摩擦熱が生じ、結果として乾燥処理が同時に行われるか
らである。すなわち、白色顔料担持セルロース系微粉粒
としては、後述する成形処理に際してはその含水率が例
えば3重量%以下程度に低いものであることが成形上好
ましく、したがって予め乾燥処理を施しておくことが望
ましいものの、ボールミル法によって担持処理がなされ
た場合にはその処理過程にて乾燥処理も同時になされる
ことから、得られた担持微粉粒をそのまま成形処理に供
すことができるからである。
【0032】このような担持処理を施すことにより、図
9に示すように白色無機顔料粒子50…はセルロース系
微粉粒51の周面に喰い込み状態で担持されたものとな
る。なお、担持させる白色無機顔料の量としては、母粒
子となるセルロース系微粉粒の周面に重なり合って該周
面を覆いつくす量が上限とされるが、下限については得
られる成形体の所望する白色度に応じて適宜決定され
る。
【0033】このようにして得られた顔料担持セルロー
ス系微粉粒は、白色無機顔料の色調とほぼ同一の色調を
有するものとなり、該担持微粉粒の製造過程においても
保管の過程においてもその凝集が認められなかった。そ
して、顔料担持セルロース系微粉粒が形成樹脂素材に混
合され、押出成形法によって図3に示した形状に成形さ
れることにより、各板が得られるのである。ここで、樹
脂に対する担持微粉粒の配合量は、樹脂の種類によって
も異なるものの、例えば塩化ビニル樹脂を用いた場合、
樹脂100重量部に対し担持微粉粒が20〜50重量部
程度配合される。
【0034】このようにして得られた成形体にあって
は、白色無機顔料を担持したセルロース系微粉粒が磨砕
処理されていることから、例えば従来の木材を直接微粉
状に粉砕したものが繊維状であるのと異なり、その表面
に繊毛が少なく粒状となり、よって従来の繊維状木粉の
ごとく水(湿気を含む)、溶剤を吸着しあるいはこれを
放出することに起因する伸縮が極めて少なく、したがっ
てこれを含有して形成された各板は寸法安定性に極めて
優れたものとなる。
【0035】また、磨砕処理を施しかつ表面に白色無機
顔料を担持したセルロース系微粉粒を骨材としているこ
とにより、該微粉粒による樹脂の吸着・吸い込みが極め
て少なくなって成形歪みを生ずることがほとんどなくな
る。そして、この成形体の表面に木目等の木質様を付与
することにより、天板12、底板13、側板14、棚板
17が得られる。木質様を付与する方法としては、一般
の印刷による方法を採用してもよいが、以下に述べるよ
うに、成形体の表面(各板の板本体18内面および取付
枠19の表面)に研削処理を施し、さらにこの研削処理
面に塗料を塗布するのが、天然の木に極めて近い木質様
を付与でき好ましい。
【0036】このような木質様の付与処理としては、ま
ず、研削処理として成形体の表面をブラシやバフロール
により研削処理し、被塗装面を粗面にするとともに、一
部の表面樹脂(スキン層)を除去する。すると、このよ
うな研削処理により成形体は、成形時に生じた不要の凹
凸が平滑化されるとともに、細い掻傷を多数形成する。
なお、この工程は表面光沢をなくすことが主目的である
が、特に先端が不揃いのブラシを用いれば、表面の荒ら
し方に強弱を生じ、後述する塗料塗布による着色にて色
ムラ等を出すことができ、これによって木質感を一層高
めることができ、さらには塗料の浸透をよくすることが
できる。
【0037】またこの場合、表面を研削処理することに
よって表面部に位置する顔料担持セルロース系微粉粒
は、図10に示すようにその担持した白色無機顔料50
が剥離し、その結果セルロース系微粉粒51の内部が露
出して成形体表面の木質感が高まる。また、このような
研削処理によって表面の白色度にムラが生じるととも
に、後述する塗料塗布の際にも微視的にみて塗料の吸い
込みやそののりの具合に微妙に差が生じることにより、
得られた各板により一層の木質感が醸し出される。次
に、研削処理した被塗装面にエンボス加工による加飾処
理を行う。このエンボス加工は、ポンチとダイスとの間
に樹脂成形物を入れて木目様の凹凸模様を形成したり、
エンボスロール間で樹脂成形物を転圧せしめて連続的に
木目様の凹凸模様を形成する方法である。
【0038】次いで、エンボス加工を施した面に塗料を
塗布し、木目模様を明瞭にした後、不織布等を巻き付け
たロールによって塗装面の余剰塗料を拭き取る。ここで
塗料の塗布については、スプレーガンによる吹き付け法
や各種の流動浸漬法など従来公知の塗布法が採用可能で
ある。なお、塗料としては、樹脂成分として塗料に用い
られるものはほぼ使用可能であるが、なかでもウレタン
樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂
等が好適に用いられる。また、顔料としては、木質様を
だすため例えば酸化鉄等の茶色顔料やカーボン等の黒色
顔料などが用いられる。
【0039】さらに、塗装面に公知のトップコート処理
を行い、必要に応じ所要の寸法に切断して木質様を有す
る天板12、底板13、側板14、棚板17を得る。な
お、所望寸法にするための切断は、予め木質様板材の段
階、すなわち研削処理前にて行ってもよく、さらにはエ
ンボス加工を施す前に行ってもよいのはもちろんであ
る。
【0040】このようにして得られた天板12、底板1
3、側板14、棚板17にあっては、成形体表面に研削
処理を施したので、研削処理面において外面に臨んで位
置する白色無機顔料担持セルロース系微粉粒が、その顔
料担持部分が削られてセルロース系微粉粒の内面が研削
処理面に臨む。そして、このセルロース系微粉粒の内面
が臨んだ研削処理面に塗料が塗布されることにより、塗
料が直接セルロース系微粉粒中に吸い込まれ、これによ
って塗料の成形体への吸い込みおよびのりが良好とな
る。さらに、塗料がセルロース系微粉粒に吸い込まれる
ことから、微視的に見て塗料が板材上ににじんだ状態で
のり、これによって得られた木目模様は、従来の印刷に
よる木目模様のように例えば色の濃淡が模様の境目では
っきりしてしまうといった不自然がなくなり、一層天然
のものに近いものとなる。
【0041】また、天板12、底板13、側板14、棚
板17の作製については、前述した方法に限定されるこ
となく、他に例えば、生地材ペレットとこの生地材ペレ
ットより溶融温度が高い木質様形成材ペレットとを所定
比で混合し、該ペレット混合物を押出成形することによ
って図3に示した各板を成形してもよい。生地材ペレッ
トは、磨砕処理が施され白色無機顔料が表面に担持され
たセルロース系微粉粒と樹脂とが混合されペレット化さ
れたものである。
【0042】このペレットの成分とされる樹脂として
は、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、フェノール樹脂、ABS樹脂等各種のものが用
いられるが、中でも塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂がより好適である。
【0043】また、磨砕処理が施され白色無機顔料が表
面に担持されたセルロース系微粉粒としては、前述した
成形体(天板12、底板13、側板14、棚板17)の
製造に用いたものと同一のものが用いられる。そして、
このような白色顔料担持セルロース系微粉粒と前記樹脂
の粉末とが適宜比、例えば重量比で、微粉粒:樹脂=3
0:70〜50:50程度の範囲となるよう混合され、
ペレット化されることにより生地材ペレットが得られ
る。ペレット化については、例えば混合粉を多孔円形ノ
ズルからひも状に押し出し、これを切断するといった従
来公知の手段によってなされる。
【0044】木質様形成材ペレットは、磨砕処理が施さ
れ白色無機顔料が表面に担持されたセルロース系微粉粒
と、樹脂と有色顔料とが混合されペレット化されたもの
であり、前記生地材ペレットに比べその溶融温度が高い
ものである。溶融温度については、具体的には生地材ペ
レットの溶融温度(℃)に比べ3%程度高い温度、例え
ば生地材ペレットが180℃であれば木質様形成材ペレ
ットは約185℃となるよう予め調製される。ここで、
木質様形成ペレットの溶融温度を生地材ペレットの溶融
温度より高くするためには、溶融温度を高めるための公
知の添加剤を加えたり、あるいは後述するように樹脂の
グレードを溶融温度が高いものに代えるといった方法が
採用される。
【0045】このペレットの成分とされる樹脂として
は、前記生地材ペレットに用いた樹脂、すなわち塩化ビ
ニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が
用いられる。なお、樹脂の選択に際しては、当然生地材
ペレットに用いた樹脂と同一種のものを用いるのが望ま
しい。また、樹脂のグレードについては、前述のごとく
最終的に得られる木質様形成材ペレットが生地材ペレッ
トよりその溶融温度が高くなるように、別のものを選択
することができる。磨砕処理が施され白色無機顔料が表
面に担持されたセルロース系微粉粒については、生地材
ペレットに用いたものと同様の処理により得られたもの
が用いられる。
【0046】また、有色顔料については、酸化鉄やカド
ミウムイエロー、カーボンブラックなどの無機顔料が一
種あるいは複数種所望する色相、すなわち得られる製品
の生地自体の色、および後述する木目模様の色に応じて
適宜選択され用いられる。そして、白色顔料担持セルロ
ース系微粉粒と前記樹脂の粉末と有色顔料が適宜比で混
合され、ペレット化されることにより木質様形成材ペレ
ットが得られる。混合比については、白色顔料担持微粉
粒と樹脂粉末との比は前記生地材ペレットと同様の範囲
の重量比とされ、有色顔料の配合比は全体の5〜30重
量%程度とされる。なお、ペレット化については、生地
材ペレットと同様に従来公知の手段によってなされる。
【0047】このような生地材ペレットと木質様形成ペ
レットとが混合され、該ペレット混合物が押出成形もし
くは射出成形によって図3に示した形状に成形されるこ
とにより、天板12、底板13、側板14、棚板17が
得られる。生地材ペレットと木質様形成ペレットとの混
合比については、得られる天板12、底板13、側板1
4、棚板17の色相や木質様形成材ペレット中の有色顔
料の比率に基づいて適宜決定されるが、通常は、生地材
ペレット:木質様形成材ペレット=90:10〜99:
1(重量比)とされる。
【0048】これらペレットの混合物を押出成形するに
あたっては、予め生地材ペレットの溶融温度に合わせて
成形温度を設定するとともに、成形時間も生地材ペレッ
トに合わせて設定する。このような条件で成形を行う
と、生地材ペレットは正常に溶融し成形方向に均一に流
れる。一方、木質様形成材ペレットは生地材ペレットよ
り溶融温度が高いため溶融はするものの、生地材ペレッ
トに比べその溶融状態が十分でなく、したがって流れも
悪く不均一になる。
【0049】そして、このように流れが悪く不均一にな
ることから、木質様形成材ペレット中の有色顔料も当然
均一に流れず、したがって得られた成形体は図11に示
すようにその内部および表層部にて有色顔料による着色
部34が不均一に散在する。また、成形体表面では、有
色顔料が成形方向に沿って不均一に流れることにより図
3に示したように着色部34が筋状に現われ、これが天
然の木目模様にきわめて近い模様となる。しかも、特に
成形体の表層部においては、生地材ペレットあるいは木
質様形成材ペレット中の白色顔料を担持してなるセルロ
ース系微粉粒が着色部34の上にくると、セルロース系
微粉粒に担持された白色顔料により着色部34の色が隠
蔽されることから、図3に示した表面に見える着色部3
4(筋状の模様)に不均一な濃淡が生じ、これによって
着色部34は一層天然の木目模様に近いものとなる。
【0050】このようにして得られた天板12、底板1
3、側板14、棚板17にあっては、生地材ペレットと
木質様ペレットとを所望する色相に応じて適宜比で混合
し、これを押出もしくは射出成形することによって容易
に得られたものであり、しかもその木質様が筋状の木目
模様に濃淡があり、また生地部においても木質様ペレッ
ト中の有色顔料が不均一に流れることから人工的でない
濃淡が形成され、結果として全体が極めて天然の木質様
に酷似したものとなる。なお、このような各板を製造す
るに際しては、成形に際し、予め防腐剤や防黴剤を添加
しておくのが、その耐久性を高めるうえで好ましい。ま
た、木の香のエッセンスを香料として添加しておけば、
より天然の木に近い雰囲気が醸し出され好ましい。
【0051】このような天板12、底板13、側板1
4、棚板17を用いてなる壁収納棚11を施工するに
は、まず図12に示すように壁パネル10の合板11e
上、およびその内面(縦框11aの内面、合板11cの
内面)に石膏ボード26を貼着し、さらにこの石膏ボー
ド26の表面にクロス(図示略)を貼る。また、これと
は別に、予め工場あるいは施工現場にて天板12、底板
13、側板14、14を、連結部材16を用いて矩形枠
状に組み立てておく。この組み立ては、連結部材16の
連結板23を、隣り合う取付枠19、19のそれぞれの
中空部19aに嵌合させるとともに、挟持杆24の挟持
溝25、25を、直交して隣り合う板本体18、18の
側縁に嵌合させてこれを挟持させることによって行う。
【0052】そして、この連結部材16…によって矩形
枠状に組み立てた枠体15を、壁パネル10内に組み込
み、側板14、14の所定位置を例えば図12に示した
ようなキャップ付きビス27で固定する。すると、各板
の取付枠19は、壁パネル10の合板11e上に貼着さ
れた石膏ボード26上にクロスを介して被着される。な
お、キャップ付きビス27は、ビス部の頭部27aに雄
螺子が形成され、この頭部に雌螺子を形成したキャップ
27bが螺着したものである。さらに、側板14、14
における、側板14上に突出したキャップ付きビス27
のキャップ27cの上に棚板17を載置し、壁収納棚1
1を完成する。
【0053】このような壁収納棚11にあっては、天板
12、底板13、側板14、棚板17といった各部材が
樹脂の場合と同様の押出成形によって得られることか
ら、加工性が良く、したがって製造コストが安く安価な
製品となる。また、天板、底板および両側板を形成する
材料である白色無機顔料を担持したセルロース系微粉粒
が磨砕処理されていることから、例えば従来の木材を直
接微粉状に粉砕したものが繊維状であるのと異なり、そ
の表面に繊毛が少なく粒状となり、よって従来の繊維状
木粉のごとく水(湿気を含む)、溶剤を吸着しあるいは
これを放出することに起因する伸縮が極めて少なく、し
たがってこれを含有して形成された各板は寸法安定性に
極めて優れたものとなる。さらに、磨砕処理を施しかつ
表面に白色無機顔料を担持したセルロース系微粉粒を骨
材としていることにより、該微粉粒による樹脂の吸着・
吸い込みが極めて少なくなって成形歪みを生ずることが
ほとんどなくなる。よって、各板が寸法安定性に優れ成
形歪みもほとんどなくなることから、これらから構成さ
れる壁収納棚11も寸法精度に優れたものとなり、した
がって壁パネル10に一体的に組み込むといった施工が
容易になる。
【0054】また、連結部材16によって各板の取付枠
19、19間、板本体18、18間を容易に連結でき、
しかも挟持杆24により板本体18、18を挟持するこ
とによってこれら板間の連結を強固にすることができる
ことから、組み立てが容易であるにもかかわらず壁収納
棚11自体を堅固にすることができる。さらに、その天
板12、底板13、側板14、棚板17に木質様を付与
しておけば、単に樹脂に木目模様等をプリントしたのと
異なり、極めて天然の木に近い木質感が得られ、これに
よって高級感を醸し出すことができる。
【0055】なお、前記実施例では本発明の壁収納体を
壁収納壁に適用した例を示したが、例えば棚板17をな
くして壁収納庫としたり、扉を別に付けて衣類等を収納
するクローゼットとしてもよい。また、枠体15の裏面
側には特に背板を設けることなく、単にクロスを貼った
だけの構成にしたが、背板を設けてもよいのはもちろん
であり、その場合にこの背板も天板12、側板14等と
同様にして製造することができる。さらに、前記実施例
では壁として壁パネル10を用いたが、在来工法によっ
て行われる通常の壁を用いてもよいのはもちろんであ
る。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における請
求項1記載の壁収納体は、天板、底板、側板といった各
部材が樹脂の場合と同様の押出成形によって得られるも
のであるから、取付枠の構造など複雑な形状のものの加
工も容易となり、したがって製造コストが安くなって全
体として安価なものとなる。また、天板、底板および側
板を形成する材料である白色無機顔料を担持したセルロ
ース系微粉粒が磨砕処理されており、これを骨材として
いることから、各板は寸法安定性に極めて優れたものと
なり、しかも成形歪みもほとんどなくなる。したがっ
て、これらから構成される壁収納体は、寸法精度に優れ
たものとなり、壁に一体的に組み込むといった施工を容
易にすることができる。
【0057】請求項2記載の壁収納体は、連結部材によ
って各板の取付枠間、板本体間を容易に連結できるよう
にしたものであるから、これら板間の連結が強固にな
り、したがって連結組み立てが容易であるにもかかわら
ず壁収納体自体が堅固になる。請求項3記載の壁収納体
は、天板、底板側板が、生地材ペレットと木質様形成材
ペレットの溶融温度の違いにより木質様形成材ペレット
中の有色顔料が不規則、不均一に流れて筋状の着色部が
形成されているとともに、生地そのものも不均一に着色
されたものとなっており、この筋状の着色部が天然の木
目に極めて近い木目模様となることなどから表面が極め
て天然の木質様を呈するものとなる。しかも、各ペレッ
ト中のセルロース系微粉粒がその表面に白色無機顔料を
担持しているので、得られる成形体中において、該微粉
粒が有色顔料より表面側にくることによってその下の有
色顔料の色が隠蔽され、これにより有色顔料によって形
成される成形体表面の着色部がその色や太さなどがきわ
めて不均一なものとなり、一層天然のものに近い木質様
を呈するものとなる。したがって、本発明の壁収納体は
天然の木質様に極めて近い表面を有していることから、
これが設けられる居室内に高級感や落ち着き感を醸し出
すものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の壁収納体を壁収納棚に適用した場合の
一実施例を示す斜視図。
【図2】本発明に用いられる壁パネルの斜視図。
【図3】壁収納体の分解斜視図。
【図4】連結部材の概略構成を示す斜視図。
【図5】壁収納棚の要部を背面視した分解図。
【図6】解放型のボールミルの要部破断正面図。
【図7】磨砕処理に用いられる粉砕機の一例を示す概略
構成図。
【図8】図2に示した粉砕機の砥石の一例を示す平面
図。
【図9】天板、底板、側板の製造に用いられるセルロー
ス系微粉粒の無機顔料を担持した状態を示す断面図。
【図10】天板、底板、側板を製造する際に得られた成
形体の表面を研削処理した要部拡大断面図。
【図11】天板、底板、側板を製造する際に得られる成
形体の要部拡大断面図。
【図12】壁収納体の壁への組み込み方法を説明するた
めの平面図。
【符号の説明】
1 ミル本体 3 ボール 10 壁パネル 11 壁収納棚 12 天板 13 底板 14 側板 15 枠体 16 連結部材 18 板本体 19 取付枠 50 白色無機顔料粒子 51 セルロース系微粉粒

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天板と底板と側板とが矩形枠状に組まれ
    てなる枠体が、壁に形成された凹部内に組み込まれてそ
    の内部に収納空間を形成する壁収納体であって、前記天
    板、底板および両側板がいずれも壁内に設けられる矩形
    板状の板本体とその一側縁に設けられて壁外面に取り付
    けられる取付枠とからなり、該取付枠にはその長さ方向
    に貫通する中空部が形成され、天板、底板、両側板の、
    互いに隣り合う取付枠間に、該取付枠のそれぞれの中空
    部に嵌合してこれら取付枠を連結する連結板を有した連
    結部材が取付けられ、かつ、前記天板、底板および両側
    板がいずれも、磨砕処理が施され白色無機顔料が表面に
    担持されたセルロース系微粉粒と樹脂とが混合され、押
    出成形により成形されてなることを特徴とする壁収納
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の壁収納体において、前記
    連結部材が、連結板と、天板、底板、両側板の、互いに
    隣り合う板本体間に、該板本体の互いに隣り合う側縁を
    それぞれ挟持する二条の挟持溝を有した挟持杆とから構
    成されてなることを特徴とする壁収納体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の壁収納体におい
    て、前記天板、底板、両側板が、磨砕処理が施され白色
    無機顔料が表面に担持されたセルロース系微粉粒と樹脂
    とが混合されペレット化されてなる生地材ペレットと、
    磨砕処理が施され白色無機顔料が表面に担持されたセル
    ロース系微粉粒と樹脂と有色顔料とが混合されペレット
    化されてなり、かつ前記生地材ペレットより溶融温度が
    高い木質様形成材ペレットとが混合され、該ペレット混
    合物が押出成形により成形されてなることを特徴とする
    壁収納体。
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