JP3305520B2 - 自動車用ガードネット装置 - Google Patents

自動車用ガードネット装置

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JP3305520B2
JP3305520B2 JP29980994A JP29980994A JP3305520B2 JP 3305520 B2 JP3305520 B2 JP 3305520B2 JP 29980994 A JP29980994 A JP 29980994A JP 29980994 A JP29980994 A JP 29980994A JP 3305520 B2 JP3305520 B2 JP 3305520B2
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shaft
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coil spring
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健 鈴木
政昭 繁定
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Nissan Motor Co Ltd
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NHK Spring Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の後部荷室と客室
とを仕切る形で張設されて、後部荷室に荷積みされた物
品が車両の制動時等に客室側へ崩れ落ちるのを防止する
自動車用ガードネット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車用ガードネット装置として
は、例えば特開平4−121239号公報に示されてい
るように、後部荷室に車幅方向に配設した巻取り装置に
巻取られたネットを手動により上方へ引き出し、ネット
の引き出し端をルーフサイドに設けたフック部材に係着
して、該ネットを後部荷室と客室とを仕切って張設する
ようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ネットを手動により巻
取り装置から引き出して張設し、又はネットを手でフッ
ク部材から外して巻取り装置に巻取らせるため操作に煩
しさがあることは否めない。
【0004】また、後部荷室から積荷を降してネットが
不要となっても、ネットを取り外すのを忘れて張設した
ままにしてあると、該ネットが後方視界の邪魔になって
しまうため、このような場合には一旦車両を停止してネ
ットをフック部材から外して巻取らせる必要があって、
ドライバーにより一層煩しさを感じさせてしまう。
【0005】そこで、本発明はネットを自動的に張設,
巻取りすることができて、後部荷室から離れた運転席側
からでも容易に操作することができる自動車用ガードネ
ット装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1にあっては、後
部荷室の両側部に設けたフレーム定置部間に跨って着脱
自在に装着したフレームと、該フレーム内に回転自在に
軸支したスプールシャフトに巻取られて、上方へ引き出
されることにより後部荷室と客室とを仕切るネットと、
一端をフレームに回動自在に軸支し他端をネット上端の
引き出しバーに水平方向に設けたガイドレールに摺動自
在に係合して起伏自在なネット張設用のアーム部材と、
該アーム部材をネット引き出し方向に付勢する付勢手段
と、前記スプールシャフトをネットの巻取り方向と引き
出し方向とに回転する駆動モーターとを備えたことを特
徴としている。
【0007】請求項2にあっては、請求項1に記載の駆
動モーターをフレームの一端部内に配設し、該駆動モー
ターの作動シャフトをスプールシャフトの一端部に連結
したことを特徴としている。
【0008】請求項3にあっては、請求項2に記載のフ
レームの一端部の底面にモーター側ハーネスコネクタを
突設する一方、後部荷室のフレーム定置部にモーター側
ハーネスコネクタが係脱する電源側ハーネスコネクタを
設けたことを特徴としている。
【0009】請求項4にあっては、請求項1に記載の後
部荷室のフレーム定置部に車体側に設けた駆動モーター
により駆動される駆動ギヤを配設する一方、フレームの
一端部に底面に開口するギヤ収容部を形成し、該ギヤ収
容部にスプールシャフトの一端部に設けられてフレーム
をフレーム定置部に装着した際に前記駆動ギヤに噛合す
る従動ギヤを配設したことを特徴としている。
【0010】請求項5にあっては、請求項1〜4に記載
の付勢手段をフレーム外面に突設した支軸に外嵌されて
巻き終端の一端を該支軸に固定したねじりコイルばねと
して、アーム部材を該ねじりコイルばねの巻き終端の他
端を直線状に延設して形成したことを特徴としている。
【0011】請求項6にあっては、請求項1〜5に記載
の駆動モーターの作動シャフトを該駆動モーターのシャ
フトケーシングに軸支された駆動側シャフトと従動側シ
ャフトとに分割し、シャフトケーシング内には縮径して
配設されてシャーシケーシングの内周面に膠着するロッ
クコイルスプリングを装着し、駆動シャフト端には駆動
モーターの回転によりロックコイルスプリングの巻き終
端にロックコイルスプリングが縮径する方向に係合する
駆動側係合突起を設ける一方、従動側シャフト端には駆
動側係合突起と係合可能で、かつ、従動側シャフトに回
転方向の外力が作用するとロックコイルスプリングの巻
き終端にロックコイルスプリングが拡径する方向に係合
してロックされる従動側係合突起を設けたことを特徴と
している。
【0012】請求項7にあっては、請求項1〜6に記載
の後部荷室両側部のフレーム定置部をフレームが嵌合す
る凹部として形成したことを特徴としている。
【0013】請求項8にあっては、請求項1〜7に記載
の後部荷室両側部のフレーム定置部を前後方向に適宜間
隔をおいて複数個設けたことを特徴としている。
【0014】
【作用】請求項1によれば、駆動モーターをネット引き
出し方向へ駆動すると、アーム部材が付勢手段によって
ネット引き出し方向へ付勢されているため、該駆動モー
ターは小さな負荷で駆動し、この駆動力と付勢手段の付
勢力とによってネットがアーム部材を介して上方へ引き
出される。
【0015】ネット上端の引き出しバーに設けたガイド
レールに係合したアーム部材の端部が、該ガイドレール
の止端部に係合する所定の高さ位置にまでネットを引き
出して駆動モーターを停止すると、アーム部材は付勢手
段によってネット引き出し方向に付勢されているため、
該アーム部材は起立状態を保ってネットを後部荷室と客
室とを仕切った状態に張設する。
【0016】ネット不要時には駆動モーターをネットの
巻取り方向へ駆動すると、ネットは付勢手段の付勢力よ
りも強い力でスプールシャフトに巻取られ、アーム部材
の端部は引き出しレバーのガイドレールに沿って摺動し
てフレーム側に伏し、ネットはフレーム内に完全に巻取
られる。
【0017】このように、ネットの引き出しおよび巻取
りを付勢手段によりネット引き出し方向に付勢されたア
ーム部材と駆動モーターとにより自動的に行うため、駆
動モーターの作動スイッチの操作で簡単に操作を行え、
該作動スイッチは運転席の操作性の良い適宜の位置に設
けることができるから、ドライバーは運転席に居ながら
にしてネットの張設および巻取り操作を随時容易に行う
ことができる。
【0018】また、フレームは後部荷室両側のフレーム
定置部に着脱自在に装着してあるから、該フレーム定置
部から取外してメンテナンス作業等を容易に行えると共
に、ガードネット装置が不要な場合には後部荷室から取
外して保管しておくこともできる。
【0019】請求項2によれば、駆動モーターをフレー
ムの一端部内にスプールシャフトと関連付けて配設して
あるため装置全体をコンパクトに構成できて、後部荷室
への配設レイアウトを容易に行えると共に、後部荷室の
設計を容易に行うことができる。
【0020】請求項3によれば、フレームを後部荷室の
フレーム定置部へ装着する際に、フレームの一端部底面
に突設したモーター側ハーネスコネクタをフレーム定置
部に配設した電源側ハーネスコネクタに挿し込むことに
よって駆動モーターの電気的接続を行えるから、フレー
ムの装着と駆動モーターの電気的接続とを同時に行えて
作業性を向上することができる。
【0021】請求項4によれば、駆動モーターを車体側
に配設してフレームの端部内には従動ギヤを配設してあ
るだけであるため、フレームユニットを軽量化できその
着脱作業を容易に行えると共に、フレームをフレーム定
置部へ装着することによって、該作動ギヤをフレーム定
置部に配設されて駆動モーターにより駆動される駆動ギ
ヤに噛合させて駆動伝達系を構成できるから、組付け作
業を容易に行うことができる。
【0022】請求項5によれば、付勢手段をねじりコイ
ルばねとして、その巻き終端の一端部をアーム部材とし
て有効利用しているので、部品点数,組付け工数を削減
できてコスト的に有利に得ることができる。
【0023】請求項6によれば、駆動モーターのシャフ
トケーシング内に配設したロックコイルスプリングによ
り、駆動モーターによるネットの引き出しおよび巻取り
は自由に行え、そして、ネット張設状態でネットに積荷
が崩れ当って該ネットが引き出される方向に張力を受け
た場合には、ロックコイルスプリングによって駆動モー
ターの作動シャフトの従動側シャフトをロックできるた
め、スプールシャフトの回転もロックしてネットの引き
出しを拘束でき、従って、荷崩れを未然に防止すること
ができる。
【0024】また、駆動モーターを停止すれば付勢手段
の付勢力によりネットを介してスプールシャフトがネッ
ト引き出し方向に回転力を受けても、該スプールシャフ
トの回転がロックされるため、ネットの張設高さ位置を
任意に調節することができる。
【0025】請求項7によれば、フレーム定置部をフレ
ームが嵌合する凹部として形成してあるから、フレーム
を該凹部に落し込んで嵌合することによって容易に装着
できると共に、フレームの前後方向および車幅方向のず
れ動きを生じることがなく確実な取付けを行うことがで
きる。
【0026】また、電源側ハーネスコネクタや駆動ギヤ
等はこの凹部内に配設されるため、これらの部品を保護
できると共に見栄えを向上することができる。
【0027】請求項8によれば、フレームの装着位置を
前後方向に選択的に変更できるから、積荷状況に応じて
ネットを最適位置に張設することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面と共に詳述す
る。
【0029】図1〜4において、1は客室C・Rの後部
座席Sの後方で後部荷室L・Rの両側部に設けたフレー
ム定置部20,20間に跨って車幅方向に着脱自在に装
着したフレームで、断面4角形の角筒形に形成してあ
る。
【0030】フレーム1の内部には一方の端部に設けた
軸受2に回転自在に軸支されると共に、他方の端部内に
配設した駆動モーター6の作動シャフト7に固定され
て、該駆動モーター6によって回転されるスプールシャ
フト5を配設してある。
【0031】駆動モーター6はフレーム1の端蓋3と、
フレーム1内に固設されて作動シャフト7を軸支する軸
受4との間に固定配置してあり、端蓋3の底面には駆動
モーター6のハーネス8に接続したモーター側ハーネス
コネクタ9を突設してある。
【0032】10はスプールシャフト5に巻装され、フ
レーム1の上壁に形成した開口1aから上方へ引き出さ
れて客室C・Rと後部荷室L・Rとを仕切るネットで、
その引き出し端(ネット上端)には引き出しバー11を
設けてある。
【0033】引き出しバー11の両側部には、後述する
アーム部材13の端部が摺動自在に係合するガイドレー
ル12をそれぞれ水平方向に形成してある。
【0034】アーム部材13はその一端をフレーム1の
側部に回動自在に軸支し、他端をガイドローラ14を介
して前記引き出しバー11のガイドレール12に摺動自
在に係合してあって、該アーム部材13は付勢手段15
によってネット10の引き出し方向の回動力が付勢され
ている。
【0035】本実施例ではこの付勢手段15としてねじ
りコイルばねを用いている。
【0036】ねじりコイルばね15はフレーム1の両側
部の前壁外面に突設した支軸16に外嵌して、該支軸1
6端にビス18固定したストッパ17により抜け止め装
着してあって、その巻き終端の一端15aを支軸16に
形成した溝部16aに係合固定してある。
【0037】また、本実施例ではこのねじりコイルばね
15の巻き終端の他端部15bを直線状に延設して前述
のアーム部材13を構成している。
【0038】一方、前述の後部荷室L・R両側部のフレ
ーム定置部20は、サイドトリム19のウエスト部に前
記フレーム1の端部が嵌合する凹部として形成してあ
り、この凹部20の底部に前記モーター側ハーネスコネ
クタ9が係脱する電源側ハーネスコネクタ21を配設し
てある。
【0039】フレーム1は端部をこの凹部20に嵌合す
ることによって、フレーム1、スプールシャフト5、駆
動モーター6、ネット10、引き出しバー11,アーム
部材13等の自重によって安定して固定できるが、本実
施例にあっては図4に示すように凹部20の前,後側壁
にフック部22を形成する一方、フレーム1の端部の
前,後側壁にフック部23を形成して、これらフック部
22とフック部23との係合によってフレーム1をしっ
かりと固定できるようにしてある。
【0040】また、凹部20は前後方向に適宜の間隔を
おいて複数個設けてあって、後部荷室L・Rに積載した
物品の積荷状況に応じてフレーム1の装着位置を選択的
に変更できるようにしてある。
【0041】更に、凹部20には前後側部に前記フック
部22に係脱するフック部25を備えた断面L字状のカ
バー24を装着できるようにしてあって、使用されない
凹部20はこのカバー24で閉塞して見栄えを損うこと
がないようにしてある。
【0042】以上の実施例構造によれば、駆動モーター
6をネット10の引き出し方向へ駆動すると、アーム部
材13がねじりコイルばね15によってネット10の引
き出し方向の回動力が付勢されているため、該駆動モー
ター6は小さな負荷で駆動し、この駆動力とねじりコイ
ルばね15の付勢力とによってネット10がアーム部材
1を介して上方へ引き出される。
【0043】アーム部材13の端部のガイドローラ14
が引き出しバー11のガイドレール12の一方の止端部
12aに係合する所定の高さ位置にまでネット10を引
き出して駆動モーター6を停止すると、アーム部材13
は前述のようにねじりコイルばね15によってネット1
0の引き出し方向に付勢されているため、該アーム部材
13は起立状態を保ってネット10を客室C・Rと後部
荷室L・Rとを仕切った状態に張設する。
【0044】ネット10の不要時には駆動モーター6を
ネット10の巻取り方向へ駆動すると、ネット10はね
じりコイルばね15の付勢力よりも強い力でスプールシ
ャフト5に巻取られ、アーム部材13の端部のガイドロ
ーラ14は引き出しバー11のガイドレール12に沿っ
てその他方の止端部12b側へ移動し、これによりアー
ム部材13がフレーム1側に伏してネット10はフレー
ム1内に完全に巻取られる。
【0045】ここで前述の駆動モーター6は図外のリミ
ットスイッチ等によって、ネット10の所定の引き出し
位置と巻取り位置とで自動的に停止するようにすればよ
い。
【0046】このように、ネット10の引き出しおよび
巻取りを、ねじりコイルばね15によりネット10の引
き出し方向に付勢されたアーム部材13と駆動モーター
6とにより自動的に行えるため、駆動モーター6の作動
スイッチ(図示省略)の操作で簡単に操作を行え、該作
動スイッチは後部荷室L・Rから離れた運転席の操作性
の良い位置に設けることができるから、ドライバーは運
転席に居ながらにしてネット10の張設と巻取り操作と
を随時容易に行うことができる。
【0047】特に本実施例にあっては、駆動モーター6
をフレーム1の一端部内にスプールシャフト5と関連付
けて配設してあるため、装置全体をコンパクトに構成で
きて後部荷室L・Rの配設レイアウトを容易に行えると
共に、後部荷室L・Rの設計を容易に行える利点があ
る。
【0048】また、モーター側ハーネスコネクタ9を端
蓋3の底面に突設してあって、フレーム1のフレーム定
置部20への装着の際に該フレーム定置部20に設けた
電源側ハーネスコネクタ21へ挿着するようにしてある
ため、フレーム1の装着と駆動モーター6の電気的接続
とを同時に行えて作業性を向上することができる。
【0049】更に、アーム部材13の付勢手段としてね
じりコイルばね15を用いて、その巻き終端の他端部1
5bを直線状に延設して該アーム部材13を構成してい
るので、部品点数と組付工数とを削減できてコスト的に
有利に得ることかできる。
【0050】一方、フレーム定置部20はサイドトリム
19にフレーム1の端部が嵌合し得る凹部20として形
成してその底部に電源側ハーネスコネクタ21を配設し
てあるから、フレーム1の端部を該凹部20に落し込ん
で嵌合することによって前記フレーム1の装着とコネク
タ9,21による駆動モータ6の電気的接続とを容易に
行うことができ、かつ、フレーム1の前後方向および車
幅方向のずれ動きを生じることがなく確実な取付けを行
うことができる。
【0051】しかも、フレーム1はフレーム定置部とし
ての該凹部20から取外しが可能であるから、フレーム
1の各種部品のメンテナンス作業等を容易に行えると共
に、ガードネット装置が不要な場合には後部荷室L・R
から取外して保管しておくここともできる利点がある。
【0052】更には、前述のように両側のサイドトリム
19の凹部20はそれぞれ前後方向に適宜の間隔をおい
て複数個設けてあるから、フレーム1の装着位置を前後
方向に選択的に変更することができ、従って、積荷状況
に応じてネット10を最適位置に張設することができ
る。
【0053】なお、前記実施例では付勢手段としてねじ
りコイルばね15を用いて、その巻き終端の他端部15
bを直線状に延設してアーム部材13として有効利用す
るようにしているが、アーム部材13を別体としてこれ
を付勢手段として引張りコイルばね15を用いてネット
10の引き出し方向に付勢するようにしてもよい。
【0054】図5,6に示す実施例はネット10の張設
状態時に、該ネット10を介してスプールシャフト5に
ネット10の引き出し回転方向に外力が作用する場合
に、該スプールシャフト5をロックできるようにしたも
のである。
【0055】フレーム1の一端部内に配設した駆動モー
ター6の作動シャフト7は、軸受としてのシャフトケー
シング30に軸支された駆動側シャフト7aと、スプー
ルシャフト5に固定された従動側シャフト7bとに分割
してある。
【0056】シャフトケーシング30の内周面30aは
円形に形成してあって、該シャフトケーシング30内に
ロックコイルスプリング31を縮径して装着して、該ロ
ックコイルスプリング31の外周面をシャフトケーシン
グ30の内周面30aに膠着させて配置してある。
【0057】シャフトケーシング30内に突出した駆動
側シャフト7aの端部には、駆動モーター6の正,逆何
れの回転によってもロックコイルスプリング31の両側
の巻き終端31aに該ロックコイルスプリング31が縮
径する方向に係合する略半円筒状の駆動側係合突起32
を設けてある。
【0058】他方、シャフトケーシング30内に突出し
た従動側シャフト7bの端部には、前記駆動側係合突起
32の周方向端縁と離間して対向配置されて該駆動側係
合突起32と係合可能で、かつ、従動側シャフト7bに
回転方向の外力が作用するとロックコイルスプリング3
1の前記巻き終端31aに該ロックコイルスプリング3
1が拡径する方向に係合してロックされる略半円筒状の
従動側係合突起33を設けてある。
【0059】従って、この実施例によれば駆動モーター
6を正,逆何れの回転方向に駆動しても、駆動側シャフ
ト7a端の駆動側係合突起32がロックコイルスプリン
グ31の巻き終端31aに、該ロックコイルスプリング
31が縮径する方向に係合するから、ロックコイルスプ
リング31とシャフトケーシング30の内周面30aと
の膠着が解除され、該駆動側係合突起32が従動側係合
突起33と係合して駆動力を従動側シャフト7bに伝達
し、スプールシャフト5をネット10の引き出し方向又
は巻取り方向へ回転することができる。
【0060】一方、ネット10を張設してある状態で該
ネット10に積荷が崩れ当って、ネット10が引き出さ
れる方向に張力を受けた場合、スプールシャフト5と一
体に従動側シャフト7bがネット10の引き出し方向に
回転しようとするが、従動側係合突起33がロックコイ
ルスプリング31の巻き終端31aに該ロックコイルス
プリング31が拡径する方向に係合するため、ロックコ
イルスプリング31とシャフトケーシング30の内周面
30aとの膠着状態が維持されて、該従動側シャフト7
bの回転がロックされる。
【0061】この結果、スプールシャフト5の回転もロ
ックされてネット10の引き出しを拘束し、従って、荷
崩れを未然に防止することができる。
【0062】また、このような荷崩れ防止効果とは別
に、ネット10の引き出し時に、その引き出し途中で駆
動モーター6を停止すれば、付勢手段15の付勢力によ
りネット10を介してスプールシャフト5がネット10
の引き出し方向に回転力を受けても、前述の理由により
スプールシャフト5の回転がロックされるためネット1
0の張設高さ位置を任意に調節することができる。
【0063】図7〜10に示す実施例は駆動モーター6
を車体側、例えば一方のサイドトリム19に設けた態様
を示している。
【0064】サイドトリム19の定置部としての凹部2
0,20間の内部にはブラケット34を介して駆動モー
ター6を装着してある。
【0065】各凹部20の底部には駆動ギヤ35の一部
を凹部20内へ突出させて軸支してあり、各駆動ギヤ3
5には駆動伝達手段36を介して駆動モーター6の作動
シャフト7の回転力が伝達されるようになっている。
【0066】駆動伝達手段36としては、例えば作動シ
ャフト7に固定した駆動プーリー36aと駆動ギヤ35
の支軸37に固定した従動プーリー36b、およびこれ
ら駆動プーリー36aと従動プーリー36bとに架け渡
したベルト36cとの組合せを用いることができるが、
この他、プロケットホイールとチェーンとの組合せ、あ
るいはギヤトレーンの組合せを適宜選択的に用いること
ができる。
【0067】他方、スプールシャフト5を回転自在に軸
支するフレーム1の一方の軸受4には底面に開口するギ
ヤ収容部38を形成し、このギヤ収容部38にスプール
シャフト5の端部に設けられて、フレーム1を凹部20
に嵌合して装着した際に前記駆動ギヤ35に噛合する従
動ギヤ39を配設してある。図9,10中、26は車体
サイドパネル、27はサイドウインドウパネルを示す。
【0068】この実施例によれば、駆動モーター6を正
転又は逆転すると、駆動プーリー36a、ベルト36
c、従動プーリー36bを介して駆動ギヤ35に駆動モ
ーター6の回転力が伝達され、該駆動ギヤ35に噛合し
た従動ギヤ39を介してスプールシャフト5がネット1
0の引き出し方向又は巻取り方向に回転され、ネット1
0を引き出し又は巻取ることができる。
【0069】この実施例では凹部20,20に駆動ギヤ
35,35を設けて、1つの駆動モーター6によりこれ
ら駆動ギヤ35を回転するようにしてあるが、これは勿
論複数個の駆動モーター6を用いて駆動ギヤ35を各駆
動モーター6に直結するようにしてもよい。
【0070】また、不要の凹部20は前記実施例の場合
と同様にカバー24で閉塞して駆動ギヤ35を隠蔽でき
るので見栄えを損なうことはない。
【0071】なお、この実施例の場合にあっても駆動モ
ーター6に図5,6に示すようなロックコイルスプリン
グ31を用いたロック機構を構成できることは云うまで
もない。
【0072】本実施例では前述のように駆動モータ6を
車体側に配設して、フレーム1の端部内には従動ギヤ3
9を配設しあるだけであるから、フレームユニットを軽
量化できてその着脱作業を容易に行えると共に、フレー
ム1を凹部20へ嵌合装着することによって、該従動ギ
ヤ39を駆動ギヤ35に噛合させて駆動伝達系を構成す
ることができ、従って、この実施例の場合も組付け作業
を容易に行うことができる。
【0073】
【発明の効果】以上、本発明によれば次に述べる効果を
奏せられる。
【0074】請求項1によれば、ネットの引き出しおよ
び巻取りを付勢手段によりネット引き出し方向に付勢さ
れたアーム部材と駆動モーターとにより自動的に行うこ
とがてき、該駆動モーターの作動スイッチの操作で簡単
にネットの引き出し、巻取り操作を行え、しかも、該作
動スイッチは運転席の操作性の良い適宜の位置に設ける
ことができるからドライバーは運転席に居ながらにして
前記操作を随時容易に行うことができる。
【0075】また、フレームは後部荷室両側部のフレー
ム定置部に着脱自在に装着してあるから、該フレーム定
置部から取外してメンテナンス作業等を容易に行えると
共に、ガードネット装置が不要な場合には後部荷室から
取外して保管しておくこともできる利点がある。
【0076】請求項2によれば、駆動モーターをフレー
ムの一端部内にスプールシャフトと関連付けて配設して
あるため装置全体をコンパクトに構成でき、従って、後
部荷室への配設レイアウトを容易に行えると共に後部荷
室の設計を容易に行うことができる。
【0077】請求項3によれば、フレームを後部荷室の
フレーム定置部へ装着する際に、フレームの一端部底面
に突設したモーター側ハーネスコネクタをフレーム定置
部に配設した電源側ハーネスコネクタに挿し込むことに
よって駆動モーターの電気的接続を行えるから、フレー
ムの装着と駆動モーターの電機的接続とを同時に行えて
作業性を向上することができる。
【0078】請求項4によれば、駆動モーターを車体側
に配設してフレームの端部内にはフレーム装着時にフレ
ーム定置部の駆動ギヤに噛合する従動ギヤを配設してあ
るだけであるため、フレームユニットを軽量化できその
着脱作業を容易に行うことができる。
【0079】また、フレームをフレーム定置部へ装着す
ることによって従動ギヤを駆動ギヤに噛合させて駆動伝
達系を構成できるから、組付け作業を容易に行うことが
できる。
【0080】請求項5によれば、付勢手段としてねじり
コイルばねを用いて、その巻き終端の一端部をアーム部
材として有効利用しているから、部品点数および組付け
工数を削減できてコスト的に有利に得ることができる。
【0081】請求項6によれば、駆動モーターのシャフ
トケーシング内に配設したロックコイルスプリングによ
り、駆動モーターによるネットの引き出しおよび巻取り
は自由に行え、そして、ネット張設状態でネットに積荷
が崩れ当って該ネットが引き出される方向に張力を受け
た場合には、ロックコイルスプリングによって駆動モー
ターの作動シャフトの従動側シャフトをロックできるた
め、スプールシャフトの回転もロックしてネットの引き
出しを拘束でき、従って、荷崩れを未然に防止すること
ができる。
【0082】また、駆動モーターを停止すればその停止
位置でスプールシャフトをロックしてネット張設高さ位
置を確定できるから、ネットの張設高さ位置を任意に調
節することができる。
【0083】請求項7によれば、フレーム定置部をフレ
ームが嵌合する凹部として形成してあるから、フレーム
を該凹部に落し込んで嵌合することによって容易に装着
することができる。
【0084】また、フレームを凹部に嵌合することによ
ってフレームの前後方向および車幅方向のずれ動きを生
じることがないので確実な取付けを行うことができる。
【0085】更に、電源側ハーネスコネクタや駆動ギヤ
等はこの凹部内に配設されるため、これらの部品を保護
できると共に見栄えを向上することができる。
【0086】請求項8によれば、フレームの装着位置を
前後方向に選択的に変更できるから、積荷状況に応じて
ネットを最適位置に張設することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す斜視図。
【図2】同実施例の駆動モーター配設部分を示す断面
図。
【図3】同実施例の付勢手段配設部分を示す断面図。
【図4】同実施例のフレーム定置部を示す斜視図。
【図5】本発明の第2実施例の駆動モーター配設部分を
示す断面図。
【図6】図5のA−A線に沿う断面図。
【図7】本発明の第3実施例の駆動モーター配設部周り
の構造を示す斜視図。
【図8】同実施例のフレームの一端部の構造を示す断面
図。
【図9】図7のB−B線に沿う断面図。
【図10】図7のC−C線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 フレーム 5 スプールシャフト 6 駆動モーター 10 ネット 11 引き出しバー 12 ガイドレール 13 アーム部材 15 付勢手段 20 フレーム定置部(凹部) C・R 客室 L・R 後部荷室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−121239(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/08 B60R 22/14 B60P 7/04 - 7/06

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後部荷室の両側部に設けたフレーム定置
    部間に跨って着脱自在に装着したフレームと、該フレー
    ム内に回転自在に軸支したスプールシャフトに巻取られ
    て、上方へ引き出されることにより後部荷室と客室とを
    仕切るネットと、一端をフレームに回動自在に軸支し他
    端をネット上端の引き出しバーに水平方向に設けたガイ
    ドレールに摺動自在に係合して起伏自在なネット張設用
    のアーム部材と、該アーム部材をネット引き出し方向に
    付勢する付勢手段と、前記スプールシャフトをネットの
    巻取り方向と引き出し方向とに回転する駆動モーターと
    を備えたことを特徴とする自動車用ガードネット装置。
  2. 【請求項2】 駆動モーターをフレームの一端部内に配
    設し、該駆動モーターの作動シャフトをスプールシャフ
    トの一端部に連結したことを特徴とする請求項1記載の
    自動車用ガードネット装置。
  3. 【請求項3】 フレームの一端部の底面にモーター側ハ
    ーネスコネクタを突設する一方、後部荷室のフレーム定
    置部にモーター側ハーネスコネクタが係脱する電源側ハ
    ーネスコネクタを設けたことを特徴とする請求項2記載
    の自動車用ガードネット装置。
  4. 【請求項4】 後部荷室のフレーム定置部に車体側に設
    けた駆動モーターにより駆動される駆動ギヤを配設する
    一方、フレームの一端部に底面に開口するギヤ収容部を
    形成し、該ギヤ収容部にスプールシャフトの一端部に設
    けられてフレームをフレーム定置部に装着した際に前記
    駆動ギヤに噛合する従動ギヤを配設したことを特徴とす
    る請求項1記載の自動車用ガードネット装置。
  5. 【請求項5】 付勢手段がフレーム外面に突設した支軸
    に外嵌されて巻き終端の一端を該支軸に固定したねじり
    コイルばねであって、アーム部材を該ねじりコイルばね
    の巻き終端の他端を直線状に延設して形成したことを特
    徴とする請求項1〜4の何れかに記載の自動車用ガード
    ネット装置。
  6. 【請求項6】 駆動モーターの作動シャフトを該駆動モ
    ーターのシャフトケーシングに軸支された駆動側シャフ
    トと従動側シャフトとに分割し、シャフトケーシング内
    には縮径して配設されてシャフトケーシングの内周面に
    膠着するロックコイルスプリングを装着し、駆動側シャ
    フト端には駆動モーターの回転によりロックコイルスプ
    リングの巻き終端にロックコイルスプリングが縮径する
    方向に係合する駆動側係合突起を設ける一方、従動側シ
    ャフト端には駆動側係合突起と係合可能で、かつ、従動
    側シャフトに回転方向の外力が作用するとロックコイル
    スプリングの巻き終端にロックコイルスプリングが拡径
    する方向に係合してロックされる従動側係合突起を設け
    たことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の自動
    車用ガードネット装置。
  7. 【請求項7】 後部荷室両側部のフレーム定置部をフレ
    ームが嵌合する凹部として形成したことを特徴とする請
    求項1〜6の何れかに記載の自動車用ガードネット装
    置。
  8. 【請求項8】 後部荷室両側部のフレーム定置部を前後
    方向に適宜間隔をおいて複数個設けたことを特徴とする
    請求項1〜7の何れかに記載の自動車用ガードネット装
    置。
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