JP3304835B2 - ニッケルバッテリの充電方法およびその装置 - Google Patents

ニッケルバッテリの充電方法およびその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル酸化物を
活物質として含むニッケル陽極を有するニッケルバッテ
リの充電方法およびその装置、特にニッケルバッテリの
入力特性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、異なる特性を有する各種の二
次バッテリが知られており、使用目的に応じて、適切な
ものが採用されている。すなわち、バッテリの出力およ
び入力電力レベルおよびバッテリの容量は、二次バッテ
リにおいて2つの最も重要な特性であるが、これらの特
性はバッテリの使用目的に応じて、大きく異なってい
る。例えば、ハイブリッド車(HEV)においては、高
入出力、低容量のバッテリが必要とされる。
【0003】ハイブリッド車は、小さな内燃機関エンジ
ン(ICE)を最も効率の高いポイントで動作させ、一
定の平均的な電力を得る。このようなエンジンの最適効
率の運転により、燃費が向上すると共に、排ガス量が減
少する。また、排ガス中に含まれる汚染物質量も少なく
かつ一定量となるまで、その後の排ガス処理も十分行う
ことができ、汚染物質の排出も最小限に抑制することが
できる。
【0004】ここで、このハイブリッド車に利用される
二次バッテリには、次の2つの目的がある。
【0005】(i)加速時や登坂時など、駆動力として
必要な電力がエンジンの平均出力電力より高いときに、
バッテリが余分な要求に対応し、駆動に必要な電力をま
かなう。一方、駆動力として必要な電力がエンジンの出
力の平均より少ないときには、エンジンの出力電力をバ
ッテリがその充電に利用する。これによって、エンジン
の駆動を常に最適ポイントの駆動に維持する。このた
め、バッテリには、高い放電電力の出力能力が要求され
る。
【0006】(ii)車両のエネルギー効率を上昇する
ために、減速時に回生制動を利用し、制動力を電気的エ
ネルギーに変換し、バッテリの充電に利用する。このた
め、バッテリには、高い充電電力の受け入れ能力が必要
となる。
【0007】このような目的を達成するために、ハイブ
リッド車のバッテリは、その走行中にいつでも出力が可
能であり、また電力の受け入れが可能であることが必要
となる。このため、ハイブリッド車の二次バッテリにお
いては、通常初期の充電状態(SOC:ステート・オブ
・チャージ)が、50%程度にセットされる。これによ
り、車両の加減速などの駆動力の出力状態に応じて、二
次バッテリの充電または放電が行われる。一般的には、
二次バッテリのオーバーチャージまたはオーバーディス
チャージはさけなければならず、SOCが20〜80%
程度に収まるように充電及び放電がコントロールされて
いる。
【0008】また、バッテリの出力能力および電力受け
入れ能力を大きくするためには、バッテリの容量を大き
くすればよい。しかし、ハイブリッド車は発電機を搭載
することでバッテリの容量を小さくするのが元々の目的
であり、バッテリの容量はなるべく小さくしたいという
根本的な要求がある。従って、ハイブリッド車のバッテ
リとしては容量が小さく、かつ電力の高入出力が可能で
あることが望まれる。
【0009】ここで、二次バッテリとして、ニッケル水
素バッテリが知られている。このニッケル水素バッテリ
は、酸化ニッケル及び水酸化ニッケルを主活物質とする
陽極と、水素吸蔵合金を陰極としている。このニッケル
水素バッテリは、そのバッテリ容量に比べ、電力出力能
力および電力受け入れ能力が高く、ハイブリッド車のバ
ッテリとして、好適なものと考えられる。さらに、この
ニッケル水素バッテリは、基本的にガス発生などはな
く、メンテナンスフリーであるという特徴もある。な
お、本明細書では、ニッケル酸化物を活物質とするニッ
ケル水素バッテリ、ニッケルカドミウムバッテリなどを
総称してニッケルバッテリという。
【0010】なお、ニッケル水素バッテリは、特開平8
−124596号公報などに示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、ニッケル
水素バッテリは、ハイブリッド車に好適なバッテリであ
る。しかし、実際にハイブリッド車にニッケル水素バッ
テリを採用し、各種実験を行ったところ、充電電流の受
け入れ能力がその要求に比べ少ないことが判明した。各
種電機機器におけるニッケル水素バッテリの使用の場
合、充電効率はあまり問題とならない。すなわち、商用
電源などからの電力によって、バッテリに十分な充電を
行うため、充電時には正確な充電状態(SOC)を知る
必要はなく、また多少の電力ロスは、あまり問題になら
ない。ところが、ハイブリッド車においては、充電にロ
スがあれば、バッテリのSOCを所定の範囲に制御する
ことが困難になる。従って、バッテリの充電電流の受け
入れ能力を改善したいという課題がある。
【0012】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、初期充電のやり方を変更することで、充電電流の
受け入れ能力を改善することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ニッケル酸化
物を活物質として含むニッケル陽極を有するニッケルバ
ッテリの充電方法であって、初期充電ステップとして、
上記ニッケルバッテリを満充電する満充電ステップと、
満充電の後、当該ニッケルバッテリが十分な放電能力お
よび電流受け入れ能力を有する、SOC(充電状態)2
0〜80%内の所定の初期充電状態X%まで放電する初
期放電ステップと、を備え、初期充電ステップの実行に
より、ニッケル陽極を構成する物質の中心に近い部分に
おいて充電がなされ、初期放電ステップの実行により、
ニッケル陽極を構成する物質の外殻部分が放電されるこ
とを特徴とする。
【0014】また、本発明は、上記ニッケル陽極は、微
粒子から形成されており、その粒子径は1μm〜100
μmであることを特徴とする。
【0015】また、本発明は、上記満充電ステップまた
は上記初期放電ステップにおける充電または放電は、定
電流で行われることを特徴とする。
【0016】また、本発明は、上記ニッケル陽極を有す
るニッケルバッテリは、このニッケルバッテリの充電電
流を発生する発電機と、このニッケルバッテリからの放
電電流で駆動されるモータを搭載するハイブリッド車に
搭載されるものであることを特徴とする。
【0017】さらに、本発明は、ニッケル酸化物を活物
質として含むニッケル陽極を有するニッケルバッテリの
充電装置であって、上記ニッケルバッテリに充電電流を
供給して充電する充電手段と、上記ニッケルバッテリか
ら放電電流を放出させて放電させる放電手段と、上記ニ
ッケルバッテリの満充電を検出する満充電検出手段と、
当該ニッケルバッテリが十分な放電能力および電流受け
入れ能力を有するSOC(充電状態)20〜80%内の
所定の初期充電状態X%までの放電の完了を検出する初
期放電検出手段と、を有し、上記ニッケルバッテリの初
期充電を行う際に、上記ニッケルバッテリを一旦満充電
状態にまで充電した後、上記所定の初期充電量まで放電
させることにより、ニッケル陽極を構成する物質の中心
に近い部分において充電がなされ、ニッケル陽極を構成
する物質の外殻部分が放電された状態にすることを特徴
とする。
【0018】このように、本発明では、初期充電ステッ
プにおいて、一旦満充電とした後、所定の初期充電量ま
で放電する。これによって、陽極は、一旦すべて充電状
態の物質(酸化ニッケル)に移行するニッケル酸化物に
なる。そして、その後の放電によって、部分的に放電状
態の物質(水酸化ニッケル)になる。このとき、充電及
び放電は、表面部から内部の方向に行われる。本発明に
よれば、一旦満充電になるため、陽極が内部まですべて
充電状態の物質になり、その後の放電で外殻部分が放電
状態の物質になる。
【0019】従来は、目標とする初期充電量までの充電
によって、初期充電を終了していた。そこで、外側から
内部に向けての充電の中間で、初期充電が終了する。従
って、陽極の活性粒子における外殻部分が充電状態の物
質になり、中心部は放電状態の物質のままになってい
た。このような状態を初期状態として、充電及び放電を
繰り返すと、充電が外側の方に存在する充電状態の物質
の部分(充電エリア)と内側の方に存在する放電状態の
物質の部分(放電エリア)の界面で行われるようにな
る。従って、表面からプロトンがここまで移動すること
で初めて充電が行われるようになる。このため充電効率
を下げる高電圧が印加され、副反応が発生しやすい。
【0020】また、陽極をニッケル酸化物などの粒子か
ら構成し、表面積を大きくすることにより充電効率を改
善できる。しかし、この場合でも充電が内部で行われる
と、充電エリアと放電エリアの界面の面積が小さくな
る。従って、本発明のように、外側部分で、充電が行わ
れることで、充電効率がより上昇する。
【0021】特に、ハイブリッド車にバッテリを利用し
た場合には、バッテリは回生制動により発生する大電力
を受け入れる必要がある。従って、本発明のように充電
効率が上昇されることが非常に重要である。充電効率を
上昇することで、ハイブリッド自動車における燃費の上
昇が得られ、バッテリの充電状態を正確に制御できる。
【0022】なお、本発明は、ニッケル酸化物を陽極活
物質として使用するバッテリであれば、ニッケル水素バ
ッテリの他ニッケルカドミウムバッテリなどにも適用す
ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0024】図1は、本発明の一実施形態に係る充電シ
ステムを利用するハイブリッド車の概略構成を示すブロ
ック図である。エンジン10は、ガソリンエンジンなど
の内燃機関であり回転力を発生する。発電機12は回転
力を電力に変換して出力するものであって、出力電力は
整流、平滑され直流電力になっている。エンジン10の
回転力は車輪14に伝達され、ハイブリッド車が走行さ
れる。
【0025】バッテリ16は、発電機12からの電力を
受け入れ充電されると共に、モータ18に電力を供給す
る。ハイブリッド車では、メインスイッチがオンになり
走行可能の状態となった後は、エンジン10が常に一定
の条件で駆動され一定の電力が発電機12から発生す
る。そして、発電機12からの電力がモータ18の消費
電力より小さい場合に、バッテリ16が不足分を放電に
よりモータに供給する。一方、発電機12からの電力が
モータ18の消費電力より大きい場合に、バッテリ16
が余分な電力を受け入れ充電される。
【0026】さらに、ハイブリッド車の制動には、回生
制動が利用されモータ18より回生電力が出力される。
そして、この回生電力は、バッテリ16に充電される。
なお、モータ18には例えば誘導モータが利用されてお
り、バッテリ16からの直流電力をインバータ(図示せ
ず)が所定の交流電流に変換して誘導モータを駆動して
いる。従って、回生電力もインバータから出力される。
【0027】バッテリ16には、ニッケル水素バッテリ
が利用されている。このニッケル水素バッテリは、陽極
に酸化ニッケル(または水酸化ニッケル)を主活物質と
する焼結式の陽極板が利用される。一方、陰極には水素
吸蔵合金が利用される。そして、陰極の容量を陽極の容
量に比べ大きくとっているため、バッテリ容量は、陽極
の容量によって決定される。特に、本実施形態では、陽
極に粒状の酸化ニッケル(水酸化ニッケル)を用いてお
り、各粒子がそれぞれ充電放電により酸化還元される。
また、粒子径は小さいほど表面積が大きくなり充電放電
能力が高くなるが、陽極の形状を維持するためにはある
程度の粒子径が必要である。そこで、本実施形態では、
粒子径1μm〜100μm程度のものが採用されてい
る。
【0028】バッテリ16には、バッテリコントロール
ユニット20が接続されており、バッテリ16からの放
電電流およびバッテリ16への充電電流を検出し、バッ
テリの充電状態(SOC)を検出するとともにこれをコ
ントロールしている。
【0029】チャージャ・ディスチャージャ22は、ハ
イブリッド車とは、別に設けられ、商用電源等と接続可
能になっている。チャージャ・ディスチャージャ22
は、商用電源からの交流電力を整流し所定電圧の直流電
力を出力すると共に、放電用抵抗などによってバッテリ
16からの電力を消費放電させる。なお、チャージャ・
ディスチャージャ22をハイブリッド車に搭載してもよ
いし、さらに発電機12にチャージャの機能を行わせ、
モータ18にディスチャージャの機能を行わせてもよ
い。
【0030】このような構成において、通常の走行時に
は、チャージャ・ディスチャージャ22は切り離されて
いる。そして、発電機12が駆動され、ハイブリッド車
の走行状況に応じてモータ18の消費電力が変動する。
すなわち、加速時にはモータ18の消費電力が大きくな
り、停止時や定速走行時にはモータ18の消費電力は小
さくなる。さらに、制動時には、回生電力がモータ18
において発生する。そこで、バッテリ16が充電された
り、放電されたりしながらハイブリッド車が走行する。
【0031】次に、本実施形態におけるバッテリ16の
初期充電について、図2に基づいて説明する。この初期
充電における充電放電は、チャージャ・ディスチャージ
ャ22を利用して行うが、上述のように発電機12およ
びモータ18を利用してもよい。
【0032】まず、チャージャ・ディスチャージャ22
を接続した状態で、ここから一定の充電電流をバッテリ
16に供給して、バッテリ16を充電する(S11)。
次に、バッテリコントロールユニット20によりバッテ
リ16の充電状態を検出し、バッテリ16が満充電(S
OC=100%)か否かを判定する(S12)。S12
において、バッテリ16が満充電でなかった場合には、
S11に戻り、充電を継続する。なお、バッテリ16の
充電状態の検出は、バッテリチャージャ・ディスチャー
ジャ22に設けられた電流積算計を利用したり、バッテ
リ16の電圧状態から満充電を検出する等、適宜手法を
利用することができる。
【0033】バッテリ16が満充電まで充電され、S1
2においてYESになった場合には、放電を開始する
(S13)。そして、バッテリコントロールユニット2
0によりバッテリ16の充電状態をチェックし、SOC
が所定の初期設定値X%に至ったかを判定する(S1
4)。S13において、SOCがX%に至っていなかっ
た場合には、S13に戻り放電を継続する。S14にお
いて、SOCがX%になり、判定がYESとなったこと
で、この初期充電の処理を終了する。
【0034】ここで、この初期設定値は、例えば50%
とされる。これは、バッテリ16が十分な放電能力およ
び電流受け入れ能力を有するためには、この程度が好適
だからである。そして、このような初期充電が終わった
バッテリ16を利用して、ハイブリッド車が走行され
る。走行時において、バッテリ16のSOCは走行状態
に応じて変化する。一般的は、走行時のSOCが20〜
80%の範囲に収まるように、SOCが20%に近づい
た場合には、モータ18の出力を規制する。一方、SO
Cが80%に近づいた場合には、機械ブレーキを利用し
て回生電力の発生を規制したり、回生電力を放電抵抗な
どに通電して消費する。
【0035】このようにして、本実施形態では、一旦満
充電となった後、放電によりバッテリ16のSOCを所
定の初期設定値(X%)にセットする。これについて、
以下に説明する。
【0036】図3(A)には、最初の充電における陽極
の一粒子の充電状態が模式的に示されている。まず、S
OC=0%の状態(I)では、陽極粒子はすべて放電エ
リア(未充電エリア)であり、ニッケルはNi(OH)
2である。この状態から充電を行うと、陽極粒子の表面
から酸化反応が進み、プロトン(H+)が表面から放出
され、充電エリア(NiOOHのエリア)が増加してい
く。すなわち、プロトンは、充電エリアの内側表面(充
電エリアと放電エリアの界面)から表面まで拡散する。
そして、SOC=X%にまで充電された状態(II)で
は、充電エリアが表面からドーナッツ状に形成される。
そして、さらに充電を継続し、満充電とすることによっ
て、状態(III)に示すように、粒子全体が充電エリ
アになる。
【0037】次に、放電について、図3(B)に基づい
て説明する。満充電された状態から放電を行うと、プロ
トンは粒子の表面から取り込まれ、充電エリアのNiO
OHを還元する。これによって、表面部から放電エリア
が拡大されていき、中心部が充電されたままドーナッツ
状の放電エリアが周囲に形成される(状態I→状態I
I)。この際、プロトンは粒子表面から充電エリアと放
電エリアの界面にまで拡散し、充電エリアのNiOOH
を還元する。そして、完全に放電した場合には、状態I
IIに至り、すべてが放電エリアになる。
【0038】ここで、従来の初期充電においては、目標
とする初期充電量までの充電、例えばSOC=50%ま
での充電によって初期充電を終了する。従って、そのと
きの状態は、図3(A)における状態IIである。一
方、本実施形態においては、一旦満充電まで充電した
後、目標充電量(例えば、50%)まで放電を行う。そ
こで、そのときの状態は、図3(B)の状態IIで示さ
れる。
【0039】このように、従来例においては、放電は表
面付近から行われ、これによって充電エリアが徐々に減
少していく。一方、充電は、基本的に充電エリアの内側
表面において行われことになる。そこで、充電の際のプ
ロトンの拡散距離が大きくなる。
【0040】一方、本実施形態において、放電が行われ
ると、図3(C)に示すように、充電エリアが減少して
いく。SOCがX%からY%まで減少した状態を状態I
および状態IIに示す。そして、この状態で、充電が行
われると、充電エリアは、粒子の表面に中心部の充電エ
リアとは別に形成される。すなわち、状態IIIに示す
ように、充電は表面から行われ、表面付近に充電エリア
が形成される。この状態では、表面部に形成された充電
エリアの外表面から放電が行われ、内側表面から充電が
行われることになる。従って、通常の使用において、反
応のほとんどが表面の薄いエリアで行われることにな
る。
【0041】そして、放電が続き表面部の充電エリアが
なくなった場合に、中心部の充電エリアの表面から放電
が行われ、充電エリアが減少する。
【0042】このように、本実施形態では、基本的には
陽極を構成するニッケル酸化物粒子の表面付近におい
て、充電及び放電が行われる確率が高くなる。従って、
充電におけるプロトンの拡散距離が小さくなり、かつ反
応に利用される表面積(充電エリアと放電エリアの界面
の面積)を大きくできる。このため、ニッケル電極のポ
ーラリゼーション(分極)が小さくなり、従って充電電
流の受け入れ能力が高くなる。
【0043】
【実施例】本実施形態の初期充電を行ったバッテリと、
従来の初期充電を行ったバッテリとについて、所定のパ
ターンによる充電放電を繰り返し、異なる電流量におけ
る充電受入れ能力について調べた。図4(A)、(B)
に、今回行った実験における充電放電の繰り返しパター
ンを示す。図4(A)は、充電・放電の電流のパターン
を示しており、1サイクルは、taの期間Iaで充電
し、tsの期間電流を停止し休みとし、その後tcの期
間Icで放電し、またtsの期間電流を停止する工程で
形成されている。そして、このサイクルを順次繰り返す
ことで、tsの休み期間を挟みながら、充電と放電を繰
り返した。
【0044】従って、1パルスで充電される電荷量Qai
(AH)は、 Qai=Ia・ta (1) となる。
【0045】一方、1パルスで放電される電荷量Qci
(A・H)は、 Qci=Ic・tc (2) となる。従って、すべてのシーケンスにおけるトータル
の充電量Qaおよび放電量Qcは、 Qa=ΣQai (3) Qc=ΣQci (4) となる。
【0046】Qa=Qcに設定することで、上記シーケ
ンスの実行によって、バッテリのSOCに変化はないは
ずである。そこで、バッテリのSOCを上記充電放電の
前後で検出し、その変化量ΔQを求めればよい。
【0047】なお、一定の条件でバッテリを充電した
後、比較的小さな一定電流で放電を行いうことで、バッ
テリへの充電量をチェックできる。そして、上述のシー
ケンスのテストを行った後、上記と同様の比較的小さな
一定電流で放電を行い、テスト後の残量をチェックする
ことで、ΔQを検出することができる。
【0048】そして、ΔQが求められれば、充電効率
(η)は、 η=(Qa−ΔQ)/Qa (5) で求められる。
【0049】ここで、停止時間tsは、前のパルスによ
って発生した熱を逃がし、すべてのパルスによる充電放
電において温度を一定にするための期間であり、充電効
率の計算には影響がない。
【0050】充電の効率測定において、電流の大きさお
よび時間の長さは、チャージャによって自動的にコント
ロールされ、対応する電圧は経時的に測定される。測定
された電圧の挙動は図4(B)に表示されたようなもの
であり、ここにおいてVaはパルス電流による充電中の
パルス電圧であり、Vcはパルス電流による放電中のパ
ルス電圧である。
【0051】パルス電流による充電および放電の動作中
において、V0は表面の充電状態にに応じて2つの態様
の挙動を示す。設定されたパルス電流の大きさが十分受
け入れ可能であった時には、すべてのサイクルにおける
表面層においてQai=Qciという関係は保たれ、す
べてのサイクルにおいて表面層におけるSOCの実質的
変化はない。また、トータルSOCに変化がないため、
図4(B)においてラインPに示されるように、V0は
一定に保たれる。しかし、活性粒子の内部において電荷
が受け入れられる一方で粒子の表面層から放電が進んだ
り、設定された充電電流の大きさより充電受け入れ能力
が低かったりした場合には、Qai=Qciという条件
が維持されていたとしても、粒子の表面層に実際に受け
入れられた電荷は実際の放電より少なく、これによって
実質的なSOCが減少する。
【0052】このような状況において、V0は、徐々に
下がる(図4(B)のラインS)。
【0053】以下に、各種の実験例を示す。ここで、比
較例について、本発明の実施例と異なる条件(パルス電
流量)が採用されている。これは、本発明と同様のパル
ス電流量にすると、発熱量が大きく、安定した試験が行
えなかったためである。従って、比較例においてはパル
ス電流量を小さくし、充電効率が上昇するような条件を
採用している。比較例のパルス電流量を本発明と同様の
ものにした場合には、充電効率はさらに下がる。
【0054】「例1」密閉されたメンテナンスフリーの
ニッケル酸化物/金属水素化物バッテリ(ニッケル水素
バッテリ)であって、定格容量6.5AH(25℃)、
定格電圧7.2Vが、本発明の典型的な実施例として採
用された。バッテリセルは、ニッケル酸化物(及びニッ
ケル水酸化物)を活性物質として含むNi酸化物陽極
と、水素の吸収放出反応を行うことができる水素吸蔵合
金からなる陰極と、アルカリ電解液およびセパレータか
ら構成される。
【0055】バッテリ1は、その初期SOCが、40℃
において本発明の新しい方法で設定された。この新しい
方法は、2つの基本的ステップを含んでいる。第1のス
テップは、1Cで、7AH(アンペア・時)の充電であ
り、実際に受け入れられた充電量は6.31AH(C/
3速度(40℃)の速度での6.0Vまでの放電により
検出した)。第2のステップは、40℃における1C速
度での3AHの放電である。これら2つのステップの結
果、最終SOCは、3.31AHであった。この2つの
ステップは、図5(B)にそれぞれカーブ1、カーブ2
として示してある。ニッケル酸化物陽極に対し、すべて
の電荷は活性のある粒子の中心部に実際に蓄えられた。
これについては、図3(B)の状態IIに、X%=50
%として明確に示されている。
【0056】比較として、バッテリ2の初期SOCが従
来の方法で設定された。1C速度で、3.35AH(ア
ンペア・時)の充電が行われた。実際に受け入れられた
充電量は、C/3速度での6.0Vまでの放電により
3.29AHと測定された。これは、図6(B)にカー
ブ1として示されいる。ニッケル酸化物陽極において、
すべての電荷は活性粒子の外殻内に実際に蓄えられた。
図3(A)の状態IIに、X%=50%として明確に示
されている。
【0057】バッテリ1について、本発明の方法により
初期SOCに設定された後、一定電流100Aのパルス
電流の充電及び放電プログラムが40℃で実施された。
充電及び放電の1サイクルは、10秒間の100Aのパ
ルス電流での充電及びこれに続く10分の休みと、その
次の10秒間の100Aのパルス電流での放電及びこれ
に続く10分の休みとで構成される。この条件により、
QaiはQciに等しい。パルス電流充電及び放電のす
べてのシーケンスは、トータル量4.15AHの電荷の
充電及びトータル量4.16AHの放電をもたらす。こ
の100Aパルス電流の充電及び放電の対応する電圧
は、図5(A)に示されている。V0は、基本的に、す
べてのサイクルにおいて等しい。パルス電流放電の後の
このV0の値は、パルス電流充電の後より若干小さい。
これは、パルス電流放電の後、表層の電荷は少し減少し
これによってV0が下がるからである。
【0058】この100Aパルス電流の充電及び放電の
後、バッテリ1のSOCの変化は、C/3速度の6Vま
での放電(DOD放電深さ=100%に至るまでの放
電)でチェックされた。測定されたSOCは3.37A
Hであり、これは図5(B)にカーブ3として示されて
いる。チャージャ(チャージャ・ディスチャージャ2
0)の最大の誤差である400Aの0.3%を勘定に入
れると、チャージャの誤差は±0.1AHである。従っ
て、最終及び初期SOCの差は、チャージャの誤差の範
囲に完全に入っている。この結果は、本発明の方法によ
る初期SOCセットで、40℃における100Aパルス
電流充電において100%の充電効率が得られることを
明らかに示している。
【0059】バッテリ2について、1C速度、3.35
AHの充電によるSOC=50%までの初期充電で、従
来の方法で初期SOCが設定された。この場合、すべて
の電荷は活性粒子の所定の厚さの外殻に蓄えられてい
る。25Aの一定のパルス電流充電及び放電のプログラ
ムが40℃で実施された。パルス電流の大きさを除き、
パルス継続時間及び休みの時間は、上述のバッテリ1の
場合と同一である。トータルの充電量は2.01AHで
あり、トータルの放電量も2.01AHである。25A
パルス電流の充電及び放電に応じた電圧は、図6(A)
に示されている。ここにおいて、V0は若干減少してい
っており、表面のSOCがパルス電流充電及び放電の間
に変化したことを示している。
【0060】SOC変化の定量試験が、C/3速度の放
電による100%DODまでの放電によって行われ、こ
れにより、3.11AHの放電が得られた。これは図6
(B)にカーブ2として示されている。従って、SOC
変化ΔQは、−0.18AHであり、これはチャージャ
の誤差範囲を超えている。このSOCの減少は、従来の
方法によって初期SOCが設定されたバッテリ2として
の低い充電受け入れ能力によって引き起こされていると
いえる。計算された充電効率は91%である。
【0061】この例の結果は、本発明のバッテリの初期
SOCの設定の方法は、40℃におけるバッテリの電荷
受け入れ能力を上昇させるのに非常に効果的であること
を示している。
【0062】「例2」上述の例1と同様のバッテリにつ
いて、本発明の方法と、従来の方法により初期充電を行
った。バッテリ1は、本発明の2段階の方法で初期充電
が行われた。第1のステップでは、40℃、1C速度
で、7AH充電した。C/3速度(40℃)での6.0
Vまでの放電により検出した実際に受け入れられた充電
量は6.23AHであった。第2のステップは、40℃
における1C速度での3AHの放電である。これら2つ
のステップは、最終的にSOCとして3.23AHをも
たらした。この2つのステップは、図7(B)にカーブ
1,2として示してある。ニッケル酸化物陽極におい
て、すべての電荷は活性のある粒子の中心部に実際に蓄
えられた。
【0063】比較として、バッテリ2の初期SOCが従
来の方法で設定された。40℃において、1C速度で、
3.35AHの充電が行われた。実際に受け入れられた
充電量は、C/3速度で6.0Vまでの放電により3.
26AHと測定された。これは、図8(B)にカーブ1
として示されている。
【0064】バッテリ1について、本発明の方法により
初期SOCに設定された後、一定電流100Aのパルス
電流の充電及び放電プログラムが、50℃で実施され
た。充電及び放電の1サイクルは、10秒間の100A
のパルス電流での充電及びこれに続く10分の休みと、
その次の10秒間の100Aのパルス電流での放電及び
これに続く10分の休みとで構成される。ここにおい
て、QaiはQciに等しい。この100Aパルス電流
の充電及び放電の対応する電圧は、図7(A)に示され
ている。V0は、基本的にすべてのサイクルにおいて等
しい。トータルの充電量は3.59AHであり、トータ
ルの放電量は3.61AHである。
【0065】100Aパルス電流の充電放電プログラム
の後、バッテリ1は40℃に冷やされた。そして、バッ
テリ1は、1C速度で6Vまで放電された。測定された
放電量は、3.28AHである。これは、図7(B)に
カーブ3として示されている。初期SOCとの比較によ
れば、100Aパルス電流の充電放電の後のSOC変化
は+0.05AHである。この結果は、本発明の方法で
初期SOCが設定されたバッテリにおいては、SOC5
0%、50℃における100Aパルス電流の10秒間充
電に対し、100%の充電受け入れ能力があることを示
している。
【0066】従来の方法によって初期SOCが設定され
たバッテリ2の充電受け入れ能力についての比較テスト
が行われた。40℃において従来の方法で初期SOCの
セットが終了した後、バッテリ2の温度は50℃に上昇
され、10Aの一定パルス電流の充電放電プログラムが
バッテリ2について実施された。このプログラムは、上
述の場合と同様に多数の充電放電サイクルからなってい
る。各サイクルは、10Aパルス電流の10秒間の充電
及びこれに続く5分の休みと、10Aパルス電流の10
秒間の放電及びこれに続く5分間の休みからなってい
る。図8(A)は、10Aパルス電流の充電放電に対応
する電圧を示している。10Aパルス電流によるトータ
ルの充電量は1.00AHであり、10Aパルス電流に
よるトータルの放電量は1.00AHである(Qai=
Qci)。
【0067】10Aパルス電流の充電及び放電後のバッ
テリ2の最終SOCは、40℃における6VまでのC/
3速度の放電により定量測定された。結果は、2.82
AHの放電量であった。これは図8(B)にカーブ2と
して示されている。この計算は、充電電流がHEVのバ
ッテリにおける充電受け入れ要求に比べずっと小さい1
0Aであるにも拘わらず、充電効率がわずか55.1%
であることを示している。
【0068】実際に、例2におけるすべての条件は、例
1において温度が40℃であり、例2において温度が5
0℃である点以外はすべて同一である。例1と例2の比
較から、従来の方法で初期SOCが設定されたバッテリ
2の充電受け入れ能力は、バッテリ温度に非常に敏感で
あることがわかる。上昇された温度において、バッテリ
2の充電受け入れ能力は大きく減少する。しかし、本発
明の新しい方法で初期SOCが設定されたバッテリ1に
おいては、バッテリ温度の影響は非常に少なく、上昇さ
れた温度においても高い充電受け入れ能力を維持でき
る。
【0069】「例3」上述の例1と同様のバッテリにつ
いて、本発明の方法と、従来の方法により初期充電を行
った。バッテリ1は、本発明の2段階の方法で初期充電
が行われた。第1のステップでは、40℃において、1
C速度で7AH充電した。C/3速度での6.0Vまで
の放電により検出した実際に受け入れられた充電量は
6.18AHであった。これは、図9(B)にカーブ1
として示されている。第2のステップは、40℃におけ
る1C速度での1.1AHの放電である。これは図9
(B)にカーブ2として示されている。従って、これら
2つのステップによって設定された実際のSOCは、
5.08AH(約82%)である。すべての電荷は活性
のある粒子の外殻を放電状態として、中心部に蓄えられ
た。
【0070】バッテリ2の初期SOCが従来の方法で設
定された。40℃において、1C速度で、5.45AH
の充電が行われた。実際に受け入れられた充電量は、1
C速度で6.0Vまでの放電により5.22AH(約8
4%のSOC)と測定された。
【0071】本発明の方法により82%の初期SOCが
設定された後、バッテリ1について、一定電流80Aの
パルス電流の充電及び放電プログラムが、40℃で実施
された。パルスシーケンスは、上記例1及び例2と同一
のta、tc、tsを有している。この80Aパルス電
流の充電及び放電の対応する電圧は、図9(A)に示さ
れている。80Aパルス電流によるトータルの充電量は
3.09AHであり、80Aパルス電流によるトータル
の放電量は3.09AHである。この80Aパルス電流
による充電放電の実施後の最終SOCは、40℃におけ
る1C速度の6.0Vまでの放電により5.00AHと
測定された。この結果は、図9(B)にカーブ3として
示されている。従って、SOC変化は、−0.08AH
であり、チャージャの誤差範囲よりまだ小さい。そこ
で、本発明の方法で初期SOCが40℃において80%
に設定されたバッテリ1の充電効率は、100%である
ことがわかる。
【0072】一方、従来の方法によって初期SOC80
%が設定された後、40℃において40Aの一定パルス
電流の充電放電プログラムがバッテリ2について実施さ
れた。ta、tc、tsの値は、この例のバッテリ1に
ついての80Aパルス電流の充電及び放電と同じであ
る。40Aパルス電流の充電及び放電に対応するバッテ
リ2の電圧は図10(A)に示されている。バッテリ2
の最終SOCは、40℃における6Vまでの1C速度の
放電により4.69AHと測定された。従って、トータ
ルのSOC変化は、−0.53AHである。このSOC
変化は充電効率73%に等しい。
【0073】この例は、本発明の初期SOCの設定につ
いての新しい方法が高いSOC条件において充電受け入
れ能力を高めるのに効果的であることを示している。
【0074】「例4」この例においては、本発明の方法
におけるバッテリ1の初期SOCは、例1及び例2とは
異なった充電分布に設定されている。この例では、初期
SOCの設定は3ステップで行われる。第1のステップ
は、25℃において、1C速度で7AH充電した。25
℃で、1C速度での6.0Vまでの放電により検出した
実際に受け入れられた充電量は6.62AHであった。
第2のステップは、25℃における1C速度での5.2
AHの放電である。第3のステップは、25℃で、1C
速度で、バッテリに2AH充電した。これによって、実
際には1.93AH充電された。従って、この3つのス
テップで設定された最終的なSOCは、3.34AHで
あり、1.42AH(バッテリ容量の21%)は、活性
な粒子の中心部分に蓄えられ、他の1.92AH(バッ
テリ容量の29%)は活性粒子の外側層に蓄えられる。
この状況は、図3(C)の状態IIIに示してあり、こ
こにおいて、Y%=21%、X%=50%である。
【0075】初期SOCが設定された場合には、バッテ
リ1の温度は50℃に上昇され、35Aの一定パルス電
流の充電及び放電プログラムが実施された。このパルス
電流の充電放電プログラムは、多数の充電及び放電サイ
クルによって構成され、各サイクルは35Aパルス電流
の10秒間充電及びそれに続く5分の休みと、35Aパ
ルス電流の10秒間の放電とこれに続く5分間の休みか
ら構成される。従って、これによりQai=Qciとい
う条件が満足されている。35Aパルス電流による充電
放電に応答する電圧は、図11(A)に示されている。
35Aパルス電流によるトータルの充電量は、2.04
AHであり、35Aパルス電流によるトータルの放電量
は、2.04AHである。
【0076】パルス電流充電及び放電後の最終的なSO
Cは、1C速度での6Vまでの放電で計測され、3.3
4AHであり、これは初期設定SOCの値と同一であ
る。この結果は、50℃、初期SOC50%(活性粒子
の中心部21%、外殻部29%の充電分布を持つ)にお
いて、100%充電効率があることを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ハイブリッド車の動力システムの全体構成を
示す図である。
【図2】 全体動作を示すフローチャートである。
【図3】 陽極の粒子の充電状態を示す図である。
【図4】 パルス充電及び放電パターンにおける電流変
化及び電圧変化を示す図である。
【図5】 本発明による40℃、SOC50%設定にお
ける100Aパルス電流充電効率を示す図である。
【図6】 従来の方法による40℃、SOC50%設定
における25Aパルス電流充電効率を示す図である。
【図7】 本発明の方法による50℃、SOC50%設
定における100Aパルス電流充電効率を示す図であ
る。
【図8】 従来の方法による50℃、SOC50%設定
における10Aパルス電流充電効率を示す図である。
【図9】 本発明の方法による40℃、SOC80%設
定における80Aパルス電流充電効率を示す図である。
【図10】 従来の方法による40℃、SOC80%設
定における40Aパルス電流充電効率を示す図である。
【図11】 本発明による50℃、SOC50%(中心
部21%、外殻29%)設定における35Aパルス電流
充電効率を示す図である。
【符号の説明】
10 エンジン、12 発電機、16 バッテリ、18
モータ、20 バッテリコントロールユニット、22
チャージャ・ディスチャージャ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/24 - 10/34 H01M 10/42 - 10/48 H01M 4/32 H02J 7/00 - 7/12 B60L 11/12 B60L 11/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル酸化物を活物質として含むニッ
    ケル陽極を有するニッケルバッテリの充電方法であっ
    て、 初期充電ステップとして、 上記ニッケルバッテリを満充電する満充電ステップと、 満充電の後、当該ニッケルバッテリが十分な放電能力お
    よび電流受け入れ能力を有するSOC(充電状態)20
    〜80%内の所定の初期充電状態X%まで放電する初期
    放電ステップと、 を備え、 初期充電ステップの実行により、ニッケル陽極を構成す
    る物質の中心に近い部分において充電がなされ、初期放
    電ステップの実行により、ニッケル陽極を構成する物質
    の外殻部分が放電されることを特徴とするニッケルバッ
    テリの充電方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、 上記ニッケル陽極は、微粒子から形成されており、その
    粒子径は1μm〜100μmであることを特徴とするニ
    ッケルバッテリの充電方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法であっ
    て、 上記満充電ステップまたは上記初期放電ステップにおけ
    る充電または放電は、定電流で行われることを特徴とす
    るニッケルバッテリの充電方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の方
    法であって、 上記ニッケル陽極を有するニッケルバッテリは、このニ
    ッケルバッテリの充電電流を発生する発電機と、このニ
    ッケルバッテリからの放電電流で駆動されるモータを搭
    載するハイブリッド車に搭載されるものであることを特
    徴とするニッケルバッテリの充電方法。
  5. 【請求項5】 ニッケル酸化物を活物質として含むニッ
    ケル陽極を有するニッケルバッテリの充電装置であっ
    て、 上記ニッケルバッテリに充電電流を供給して充電する充
    電手段と、 上記ニッケルバッテリから放電電流を放出させて放電さ
    せる放電手段と、 上記ニッケルバッテリの満充電を検出する満充電検出手
    段と、 当該ニッケルバッテリが十分な放電能力および電流受け
    入れ能力を有する、SOC(充電状態)20〜80%内
    の所定の初期充電状態X%までの放電の完了を検出する
    初期放電検出手段と、 を有し、 上記ニッケルバッテリの初期充電を行う際に、上記ニッ
    ケルバッテリを一旦満充電状態にまで充電した後、上記
    所定の初期充電量まで放電させることにより、ニッケル
    陽極を構成する物質の中心に近い部分において充電がな
    され、ニッケル陽極を構成する物質の外殻部分が放電さ
    れた状態にすることを特徴とするニッケルバッテリの充
    電装置。
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