JP2010011708A - 電池パックの充電制御方法、放電制御方法および充放電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】電池構成材料の劣化を抑制するとともに、高出力を維持しつつメモリー効果を抑制できる、アルカリ蓄電池からなる電池パックの充放電制御方法および充放電システムを提供する。
【解決手段】電池パックは、少なくとも1つのアルカリ蓄電池を含み並列に接続された複数の電池ブロックと、前記各電池ブロックに流れる電流の値を調整可能な電流調整手段とを有する。この電池パックを充電または放電する際に、前記各電池ブロックに異なる充電電流または放電電流を流す。
【選択図】図1
【解決手段】電池パックは、少なくとも1つのアルカリ蓄電池を含み並列に接続された複数の電池ブロックと、前記各電池ブロックに流れる電流の値を調整可能な電流調整手段とを有する。この電池パックを充電または放電する際に、前記各電池ブロックに異なる充電電流または放電電流を流す。
【選択図】図1
Description
本発明は、アルカリ蓄電池からなる電池パックの充放電制御方法および充放電システムに関する。
ニッケル水素蓄電池をはじめとするアルカリ蓄電池は、ハイブリッド車(以下、HEVと記す)や非常用電源などの産業用途を中心に需要が拡大しつつある。なかでもHEVにおいては、メイン電源であるアルカリ蓄電池は、モータ駆動(放電)と、発電機からの回生電力の貯蓄(充電)との双方を行う必要がある。よって、アルカリ蓄電池の充電状態(State of charge:SOC)を常に監視し、SOCに応じて充放電を制御する必要がある。
正極活物質に水酸化ニッケルを用いるアルカリ蓄電池は、完全放電(SOCがほぼ0%)や完全充電(SOCがほぼ100%)を行わないサイクルを繰り返すとメモリー効果が生じる。すなわち、蓄電池の残容量に対する起電力値が低下し、容量が見かけ上減少する。メモリー効果の発生を抑制するために、アルカリ蓄電池においては幅広いSOC領域での充放電を行うことが望ましい。
ただし、HEVのような用途では、瞬時に大電流での充放電が絶え間なく行われる。よって、個々に容量差を有する複数のアルカリ蓄電池を接続した際に、最も容量の小さい蓄電池が過充電や過放電に入ることを回避する必要がある。そこで、完全放電や完全充電が行われないように、充電を禁止する上限SOC(充電終止電圧)と、放電を禁止する下限SOC(放電終止電圧)とを設け、両終止電圧の間で充放電を制御する方法が採用されている。
メモリー効果を低減させるために、従来から種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1は、電池の放電電流から電池電圧を演算して推定電池電圧を求め、実際の測定電圧がこの推定電池電圧より低くなるとき、放電下限電圧を低く補正することにより、充放電領域の幅を広くする方法を開示している。また、他の手段としてシステムの充放電電流の値を変化させて、両終止電圧間の充放電領域の幅を広くする方法が考えられる。
特開2001−186682号公報
しかし、特許文献1のように放電終止電圧を下げると、正極に含まれるコバルト化合物の還元が促進されるため、正極が劣化しやすい。また、充電終止電圧を上げると、正極から発生する酸素の量が増加するため、負極活物質である水素吸蔵合金の酸化が促進される。その結果、負極の反応抵抗が上昇する。すなわち、終止電圧を変動させると、電池構成材料の劣化が促進される。また、システムの充放電電流値を変化させると、電流が小さい間はシステムの出力が低下し、電流が高い場合はより早く終止電圧に到達してしまうために、システムとして十分な機能を発揮できなくなる。
すなわち、アルカリ蓄電池の充放電において終止電圧を変動させると、電池の耐久性が低下する。さらに、アルカリ蓄電池の充放電において充放電電流を変動させると、システムの出力が低下する。そのため、特に耐久性と高出力を必要とする用途、例えばHEV用途等にアルカリ蓄電池を適用することが困難であった。
そこで、本発明は、電池構成材料の劣化を抑制するとともに、高出力を維持しつつメモリー効果を抑制できる、電池パックの充放電制御方法および充放電システムを提供することを目的とする。
本発明にかかる電池パックの充電制御方法は、少なくとも1つのアルカリ蓄電池を含むブロックが複数並列に接続され、かつ前記各ブロックに流れる電流の値を調整可能な電池パックの充電制御方法であって、前記各ブロックへ異なる充電電流を流すことを特徴とする。また、前記各のブロックに流れる充電電流を合計した値を一定としつつ、各ブロックに流れる充電電流を、制御によって定期的に変動させることを特徴とする。
本発明においては、いずれかのブロックが充電終止電圧に達すると、各ブロックの充電電流を変動させることが好ましい。また充電終止電圧は、充電状態(SOC)の70〜85%に相当する電圧であることが好ましい。本発明の好ましい一態様においては、充電終止電圧を、電池パック温度に応じて設定する。
本発明にかかる電池パックの放電制御方法は、少なくとも1つの前記アルカリ蓄電池を含むブロックが複数並列に接続され、かつ前記各ブロックに流れる電流の値を調整可能な電池パックの放電制御方法であって、前記各ブロックへ異なる放電電流を流すことを特徴とする。また、前記各ブロックに流れる放電電流を合計した値を一定としつつ、各ブロックに流れる放電電流を、制御によって定期的に変動させることを特徴とする。
本発明においては、いずれかのブロックが放電終止電圧に達すると、各ブロックの放電電流を変動させることが好ましい。また放電終止電圧は、充電状態(SOC)の15〜30%に相当する電圧であることが好ましい。本発明の好ましい一態様においては、放電終止電圧を、電池パックの温度に応じて設定する。
また、本発明にかかる充放電システムは、
少なくとも1つのアルカリ蓄電池を含み並列に接続された複数のブロックと、前記各ブロックに流れる電流の値を調整可能な電流調整手段とを有する電池パックと、
前記電池パックの電圧を検知する電圧検知手段と、
前記電池パックの温度を検知する温度検知手段と、
予め設定された充電終止電圧および放電終止電圧を記憶する記憶手段と、
前記電圧検知手段において検知される電圧が前記充電終止電圧に達すると、前記各ブロックに流れる充電電流を変更する充電制御手段、および/または、
前記電圧検知手段において検知される電圧が前記放電終止電圧に達すると、前記各ブロックに流れる放電電流を変更する放電制御手段とを備える。
少なくとも1つのアルカリ蓄電池を含み並列に接続された複数のブロックと、前記各ブロックに流れる電流の値を調整可能な電流調整手段とを有する電池パックと、
前記電池パックの電圧を検知する電圧検知手段と、
前記電池パックの温度を検知する温度検知手段と、
予め設定された充電終止電圧および放電終止電圧を記憶する記憶手段と、
前記電圧検知手段において検知される電圧が前記充電終止電圧に達すると、前記各ブロックに流れる充電電流を変更する充電制御手段、および/または、
前記電圧検知手段において検知される電圧が前記放電終止電圧に達すると、前記各ブロックに流れる放電電流を変更する放電制御手段とを備える。
本発明の好ましい一態様において、前記記憶手段は、複数の充電終止電圧を記憶しており、前記充電制御手段が、電池パックの温度に応じて、複数の充電終止電圧から適切な充電終止電圧を選択する。
本発明の好ましい一態様において、前記記憶手段は、複数の放電終止電圧を記憶しており、放電制御手段が、電池パックの温度に応じて、複数の放電終止電圧から適切な放電終止電圧を選択する。
本発明の好ましい一態様において、充放電システムは、さらに、前記各ブロックの充電状態(SOC)を記憶する手段と、ブロック間の充電状態を比較する充電制御手段とを備え、他のブロックよりも充電状態が低いブロックには他のブロックよりも大きい電流で充電を行う。
本発明の好ましい一態様において、充放電システムは、さらに、前記各ブロックの充電状態(SOC)を記憶する手段と、ブロック間の充電状態を比較する放電制御手段とを備え、他のブロックよりも充電状態が低いブロックには他のブロックよりも小さい電流で放電を行う。
本発明によれば、アルカリ蓄電池の構成材料の劣化を抑制するとともに、高出力を維持しつつメモリー効果を抑制することができる。
最初に、本発明にかかる電池パックの充放電制御方法の原理を説明する。本発明で使用する電池パックは、少なくとも1つのアルカリ蓄電池を含む複数の電池ブロックで構成されるとともに、それら各電池ブロックが並列に接続されている。
前述したように、アルカリ蓄電池の充放電において、充電終止電圧を上げたり、放電終止電圧を下げたりすると、電池の構成材料が劣化してしまう。また、充放電電流の値を変動させると、電池としての十分な出力が得られなくなる。そこで、本発明にかかる充放電制御方法においては、アルカリ蓄電池の電池パックに対し、電池パックは複数のブロックからなる並列構造に組み、充放電で各ブロックに流れる充放電電流が異なるように制御することで、電池パック全体として大電流の充放電を可能にするとともに、十分な出力を確保している。
さらに本発明にかかる充放電制御方法では、終止電圧を変動させる必要がないため、アルカリ蓄電池の耐久性を低下させることもない。これにより、アルカリ蓄電池の耐久性を低下させることなく、かつ高出力を保持しながら、メモリー効果を抑制することができる。
本発明の充放電制御方法について、図面を参照しながら説明する。図1(A)、(B)に、本発明で用いる、複数の電池ブロック(以下、「ブロック」と略す)を並列に接続した電池パックの構成を示す。電池パック1は、並列に接続された3つのブロック10a、10bおよび10cと、これらのブロックに流す電流の値を調整する電流調整器12を含む。また各ブロック10a、10bおよび10cは、それぞれ直列に接続された複数のアルカリ蓄電池11を含む。なお、各ブロック10a、10bおよび10cに含まれるアルカリ蓄電池11の数は等しいものとする。
電池パック1に流れる電流は、電流調整器12によってブロック10a、10bおよび10cの電流に分配される。電流調整器12における電流の分配率は、後述する制御部2からの制御信号によって変えることができる。以下、本発明にかかる電池パック1の充電制御方法および放電制御方法について、それぞれ説明する。
(1)充電制御方法
図1(A)に示すように、電池パック1全体としての充電電流の値をIp1とし、ブロック10aの充電電流の値をIa1、ブロック10bの充電電流の値をIb1、ブロック10cの充電電流の値をIc1とすると、Ip1=Ia1+Ib1+Ic1となる。電流調整器12によって各ブロック10a〜10cに流す電流値を変え、Ia1>Ib1>Ic1とすると、ブロック10aは分極が大きくなり、最初に充電終止電圧に到達する。なおこの際、電池パック全体の充電電流Ip1は常に一定となるように制御する。
図1(A)に示すように、電池パック1全体としての充電電流の値をIp1とし、ブロック10aの充電電流の値をIa1、ブロック10bの充電電流の値をIb1、ブロック10cの充電電流の値をIc1とすると、Ip1=Ia1+Ib1+Ic1となる。電流調整器12によって各ブロック10a〜10cに流す電流値を変え、Ia1>Ib1>Ic1とすると、ブロック10aは分極が大きくなり、最初に充電終止電圧に到達する。なおこの際、電池パック全体の充電電流Ip1は常に一定となるように制御する。
その後、電流調整器12によって各ブロック10a〜10cに流す電流値を変え、Ib1>Ic1>Ia1となるように充電を行う。このとき、ブロック10aは分極が小さくなるため、充電が深くなっても(すなわちSOCが大きくなっても)充電終止電圧に到達しなくなる。これにより、ブロック10aのメモリー効果は抑制されることになる。
ブロック10bが充電終止電圧に到達すると、再び電流調整器12によって各ブロック10a〜10cに流す電流値を変え、Ic1>Ia1>Ib1となるように充電を行う。以降、このサイクルを繰り返す。電池パック1全体の充電電流Ip1は常に一定となるように制御しているため、電池パックの充電出力が低下することはない。
(2)放電制御方法
放電に関しても、充電の場合と考え方は同じである。図1(B)に示すように、電池パック1全体としての放電電流をIp2とし、ブロック10aの放電電流をIa2、ブロック10bの放電電流をIb2、ブロック10cの放電電流をIc2とすると、Ip2=Ia2+Ib2+Ic2となる。電流調整器12によって各ブロック10a〜10cに流す電流値を変え、Ia2>Ib2>Ic2とすれば、Ia2は分極が大きくなり、最初に放電終止電圧に到達する。なおこの際、電池パック1全体の充電電流Ip2は常に一定となるように制御する。
放電に関しても、充電の場合と考え方は同じである。図1(B)に示すように、電池パック1全体としての放電電流をIp2とし、ブロック10aの放電電流をIa2、ブロック10bの放電電流をIb2、ブロック10cの放電電流をIc2とすると、Ip2=Ia2+Ib2+Ic2となる。電流調整器12によって各ブロック10a〜10cに流す電流値を変え、Ia2>Ib2>Ic2とすれば、Ia2は分極が大きくなり、最初に放電終止電圧に到達する。なおこの際、電池パック1全体の充電電流Ip2は常に一定となるように制御する。
その後、電流調整器12によって各ブロック10a〜10cに流す電流値を変え、Ib2>Ic2>Ia2となるように放電を行う。このとき、ブロック10aは分極が小さくなるため、放電が深くなっても(すなわちSOCが小さくなっても)放電終止電圧に到達しなくなる。これにより、ブロック10aのメモリー効果は抑制されることになる。
ブロック10bが放電終止電圧に到達すると、再び電流調整器12によって各ブロック10a〜10cに流す電流値を変え、Ic2>Ia2>Ib2となるように放電を行う。以降、このサイクルを繰り返す。電池パック1全体の放電電流Ip2は常に一定となるように制御しているため、電池パック1の放電出力が低下することもない。
上記のような充電および/または放電を行うことで、終止電圧を変動させることなく、電池パックを高出力で維持しつつメモリー効果を有効に抑制することができる。すなわち、効率的に充放電システムを稼動させることができる。
なお、上記の制御方法による放電および充電の少なくとも一方を行えば、本発明の効果は得られるが、放電および充電の両方を上記の制御方法により行うことで、メモリー効果をさらに有効に抑制することができる。
充電終止電圧は、SOC70〜85%に相当する電圧であることが好ましい。充電終止電圧がSOC70%以上に相当する電圧であることで、メモリー効果を有効に抑制することができる。一方、充電終止電圧がSOC85%以下に相当する電圧であることで、正極からの酸素の発生を十分に抑制することができる。
放電終止電圧は、充電状態(SOC)の15〜30%に相当する電圧であることが好ましい。放電終止電圧がSOC15%以上に相当する電圧であることで、正極に含まれるコバルトの還元を十分に抑制することができる。一方、放電終止電圧がSOC30%以下に相当する電圧であることで、メモリー効果を有効に抑制することができる。
本発明の好ましい一態様においては、充電終止電圧を、充電電流値や電池温度に応じて設定する。充電電流値や電池温度が異なると電池の分極状態も異なり、充電時における閉回路電圧も変動する。すなわち、電池の構成材料が劣化しやすい条件や、メモリー効果を抑制できる電圧の範囲も異なる。したがって、それぞれの条件に適した充電終止電圧で制御を行うことで、メモリー効果をより有効に抑制することができる。
本発明の好ましい一態様においては、放電終止電圧を、放電電流値や電池温度に応じて設定する。放電電流値や電池温度が異なると、電池の分極状態も異なり、放電時における閉回路電圧も変動する。すなわち、電池の構成材料が劣化しやすい条件や、メモリー効果を抑制できる電圧の範囲も異なる。したがって、充電時と同様に、それぞれの条件に適した放電終止電圧で制御を行うことで、メモリー効果をより有効に抑制することができる。
次に、充電終止電圧および放電終止電圧の設定方法について説明する。充電終止電圧および放電終止電圧は、所定のSOCに相当する電圧とすることが、設定が容易である観点から好ましい。所定のSOCに相当する電圧は、例えば以下の方法によって、百分率による数値化を行うことができる。
予め、SOCと電圧電流特性(I−V値)との関係を示す検量線を作成しておく。適宜I−V値を測定し、検量線と照合すれば、SOCをモニタリングすることができる。これに加え、充放電電流の積算値(理論的なSOCが算出可能)にてモニタリングされたSOCの補正を行うことにより、SOCの百分率による数値化をさらに高い精度で行うことができる。
次に、本発明にかかる充放電制御方法を採用した充放電システムの構成と動作について、図面を参照して説明する。図2は、本発明にかかる充放電システムをHEVに適用した場合のシステム構成を示す。本発明にかかる充放電システム100は、電池パック1、制御部2、記憶部3およびインバータ4を含む。なおインバータ3は、内燃機関(エンジン)、発電機およびモータを含むHEVの車両駆動系5に接続されている。通常、インバータ4および車両駆動系5は専用の制御部によって制御されるが、説明を簡単にするため、ここでは、制御部2が車両駆動系5の制御も併せて行うものとする。
前述したように電池パック1は、電流調整器12を介して並列に接続された複数のブロック(本実施の形態ではブロック10a、10bおよび10cの3つ)を含み、また各ブロックは直列に接続された複数のアルカリ蓄電池11を含む。複数の蓄電池を直列に接続することで、HEVが必要とする出力電圧を得ている。
電池パック1に内蔵された電流調整器12は、制御部2からの制御信号Spに基づいて、電池パック1の電流値Ipを各ブロック10a、10bおよび10cに分配する。
電池パック1の各ブロック10a、10bおよび10cには、電流センサ13a、13bおよび13cがそれぞれ直列に接続されている。また電池パック1には、電池パック全体の電流を検出する電流センサ13pが接続されている。電流センサ13a、13b、13cおよび13pで検出した電流値Ia、Ib、IcおよびIpは制御部2に入力される。更に電池パック1には、両端電圧を検出する電圧センサ14と温度を検出する温度センサ15が接続されている。電圧センサ14で検出した電池パック1の両端電圧Vpと温度センサ15で検出した電池パック1の温度Tpも制御部2に入力される。
制御部2は充電制御手段21と放電制御手段22を含む。また制御部2には記憶部3が接続されている。記憶部3には、電池パック1の充電終止電圧および放電終止電圧、ならびにSOCと(I−V値)との関係が記憶されている。
電池パック1の充電は、車両駆動系5内の発電機によって行われる。図示しない内燃機関の運動エネルギーや停止時の摩擦エネルギーに基づいて発電機で発生した交流の電流が、制御部2からの制御信号Siに基づき、インバータ4で直流の電流に変換され、電池パック1に供給される。また放電時には、電池パック1から供給され、インバータ4で直流から交流に変換された電流が、車両駆動系5内のモータに供給され、電気エネルギーが運動エネルギーに変換される。
以下、本実施の形態にかかる充放電システム100の充放電動作について、図2を参照して説明する。なお、前述の図1(A)では各ブロック10a、10bおよび10cの充電電流をIa1、Ib1およびIc1とし、図1(B)では各ブロック10a、10bおよび10cの放電電流をIa2、Ib2およびIc2とした。しかし、煩雑さを避けるため、以下の説明では充電電流、放電電流ともに、Ia、IbおよびIcと表示する。
最初に充電動作について説明する。制御部2は、温度センサ15で検知した電池パック1の表面温度と、電流センサ13a〜13cで検知した電流値Ia〜Icに応じて、適切な充電終止電圧を設定する。また制御部2は、電圧センサ14で検出した電圧値Vpが充電終止電圧に達すると、制御信号Spによって電流調整器12を制御し、各ブロック10a〜10cに流れる電流値を変更する。その後、制御部2は、電池パック1の電圧Vpが所定値に達するまで充電を行う。
次に、放電動作について説明する。制御部2は、温度センサ15で検知した電池パック1の表面温度Tpと、電流センサ12a〜12cで検知した電流Ia〜Icに応じて、適切な放電終止電圧を設定する。制御部2は、電圧センサ14で検出した電圧値Vpが放電終止電圧に達すると、制御信号Spによって電流調整器12を制御し、各ブロック10a〜10cに流れる電流値を変更する。その後、制御部2は、電池パック1の電圧Vpが所定値に達するまで放電を行う。
本発明の好ましい一態様において、記憶部3は複数の充電終止電圧を記憶している。このとき、充電制御手段21は、充電電流および/または電池パック1の温度Tpに応じて、複数の充電終止電圧から適切な充電終止電圧を選択する。
本発明の好ましい一態様において、記憶部3は複数の放電終止電圧を記憶している。このとき、放電制御手段22は、放電電流および/または電池パック1の温度Tpに応じて、複数の放電終止電圧から適切な放電終止電圧を選択する。
次に、ブロック11の構成単位であるアルカリ蓄電池の構造および製法について説明する。アルカリ蓄電池は、正極、負極、セパレータおよびアルカリ電解液を含む。アルカリ蓄電池の種類は特に限定されないが、例えばニッケル水素蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池が挙げられる。
アルカリ蓄電池の正極は、必須成分として正極活物質を含み、任意成分として導電材や、他の添加剤を含む。正極活物質としては、水酸化ニッケルが挙げられる。導電材としては、例えば、金属コバルト、コバルト化合物等が挙げられる。コバルト化合物としては、コバルト酸化物、コバルト水酸化物等が挙げられる。他の添加剤としては、例えば、希土類化合物、酸化亜鉛等が挙げられる。これらを混合し、三次元金属多孔体に充填したり、二次元金属多孔体に塗布したりすることで、正極が得られる。
アルカリ蓄電池の負極は、必須成分として負極活物質を含み、任意成分として添加剤を含む。ニッケル水素蓄電池の場合、負極活物質には水素吸蔵合金が用いられる。ニッケルカドミウム蓄電池の場合、負極活物質にはカドミウムやカドミウム化合物が用いられる。添加剤としては、炭素材料や、結着剤が挙げられる。これらを混合し、三次元金属多孔体に充填したり、二次元金属多孔体に塗布したりすることで、負極が得られる。
セパレータとしては、ポリオレフィン樹脂からなる不織布等を用いることができる。
電解液は、例えば、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液を用いればよい。
電解液は、例えば、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液を用いればよい。
上述した正極および負極を、間にセパレータを挟んだ状態で捲回または積層して電極群を作製する。得られた電極群を電池缶に挿入し、アルカリ水溶液からなる電解液を注入した後封口すると、アルカリ蓄電池が得られる。電池の形状は特に限定されないが、例えば円筒型や角型が挙げられる。
以下、本発明にかかる充放電制御方法について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
《実施例1》
1.アルカリ蓄電池の作製
正極活物質として水酸化ニッケルを含む、長尺状の正極を作製した。また、負極活物質として水素吸蔵合金を含む、長尺状の負極を作製した。正極と負極とを、スルホン化処理したポリプロピレン不織布からなるセパレータを挟んだ状態で捲回し、電極群を構成した。この電極群を内径30mm、長さ60mmの円筒型の電池缶に挿入した。電池缶に水酸化カリウム水溶液を電解液として注入した後封口し、公称容量6Ahのニッケル水素蓄電池を得た。
《実施例1》
1.アルカリ蓄電池の作製
正極活物質として水酸化ニッケルを含む、長尺状の正極を作製した。また、負極活物質として水素吸蔵合金を含む、長尺状の負極を作製した。正極と負極とを、スルホン化処理したポリプロピレン不織布からなるセパレータを挟んだ状態で捲回し、電極群を構成した。この電極群を内径30mm、長さ60mmの円筒型の電池缶に挿入した。電池缶に水酸化カリウム水溶液を電解液として注入した後封口し、公称容量6Ahのニッケル水素蓄電池を得た。
2.充放電システムの作製
ニッケル水素蓄電池を12セル直列に接続して、ブロックを作製し、このブロック3個(10a、10b、10c)を並列に接続して電池パック1を構成した。電池パック1、電流センサ13a〜13c、電圧センサ14、温度センサ15、制御部2、記憶部3およびインバータ4を図2に示すように接続し、充放電システム100を作製した。
ニッケル水素蓄電池を12セル直列に接続して、ブロックを作製し、このブロック3個(10a、10b、10c)を並列に接続して電池パック1を構成した。電池パック1、電流センサ13a〜13c、電圧センサ14、温度センサ15、制御部2、記憶部3およびインバータ4を図2に示すように接続し、充放電システム100を作製した。
3.充放電システムの充放電制御
充放電システム100の充放電制御について図3および図4を参照して説明する。なお、図3および図4では、各ブロックに流れる電流を分かり易く表示するため、電流調整器12を省略している。
充放電システム100の充放電制御について図3および図4を参照して説明する。なお、図3および図4では、各ブロックに流れる電流を分かり易く表示するため、電流調整器12を省略している。
最初に図3を参照して放電制御について説明する。充放電システム100に対して、システム全体の放電電流Ipが60A必要な場合を想定し、最初に図3(A)に示すように、ブロック10aの放電電流Iaを30A、ブロック10bの放電電流Ibを20A、ブロック10cの放電電流Icを10Aとして、各ブロックの放電終止電圧に達するまで放電を行った。
その後、図3(B)に示すように、ブロック10aの放電電流Iaを10A、ブロック10bの放電電流Ibを30A、ブロック10cの放電電流Icを20Aに変更し、放電終止電圧に達するまで放電を行った。
さらにその後、図3(C)に示すように、ブロック10aの放電電流Iaを20A、ブロック10bの放電電流Ibを10A、ブロック10cの放電電流Icを30Aに変更し、同様に放電終止電圧に達するまで放電を行った。このとき、放電終止電圧は最大電流である30A放電における各SOCの電圧で放電終止電圧を設定した。
このような一連のサイクルをシステム全体の電圧がある一定値になるまで、放電を行った。このとき、各ブロックの電気容量に差が出ないように、記憶部3で各ブロックのSOCを記憶し、SOCが高いブロックに大きい放電電流を流すように制御して各ブロックの放電容量がほぼ同じとなるようにしている。
次に、図4を参照して充電制御について説明する。上記の放電を行った後、システム全体の充電電流Ipが60A必要な場合を想定し、最初に、図4(A)に示すように、ブロック10aの充電電流Iaを30A、ブロック10bの充電電流Ibを20A、ブロック10cの充電電流Icを10Aとして、各ブロックの充電終止電圧に達するまで充電を行った。
その後、図4(B)に示すように、ブロック10aの充電電流Iaを10A、ブロック10bの充電電流Ibを30A、ブロック10cの充電電流Icを20Aに変更し、充電終止電圧に達するまで充電行った。
さらにその後、図4(C)に示すように、ブロック10aの充電電流Iaを20A、ブロック10bの充電電流Ibを10A、ブロック10cの充電電流Icを30Aに変更し、同様に充電終止電圧に達するまで充電を行った。このとき、充電終止電圧は最大電流である30A充電における各SOCの電圧で充電終止電圧を設定した。
このような一連のサイクルをシステム全体の電圧がある一定値になるまで、充電を行った。このとき、各ブロックの電気容量に差が出ないように、記憶部で各ブロックのSOCを記憶し、SOCが低いブロックに大きい充電電流を流すように制御して各ブロックの充電容量がほぼ同じとなるようにしている。
この充放電サイクルを1サイクルとして、電池表面温度が25℃の条件下で1000サイクルの充放電を実施した。
《実施例2〜5》
放電終止電圧を、それぞれSOC15%、30%、10%、35%に相当する電圧としたこと以外、実施例1と同様にして充放電サイクルを行った。
放電終止電圧を、それぞれSOC15%、30%、10%、35%に相当する電圧としたこと以外、実施例1と同様にして充放電サイクルを行った。
《実施例6〜9》
充電終止電圧を、SOC70%、85%、65%、90%に相当する電圧としたこと以外、実施例1と同様にして充放電サイクルを行った。
充電終止電圧を、SOC70%、85%、65%、90%に相当する電圧としたこと以外、実施例1と同様にして充放電サイクルを行った。
《実施例10》
電池表面温度を45℃とした。さらに、電池表面温度を25℃と仮定したときのSOC80%に相当する電圧を充電終止電圧とし、電池表面温度を25℃と仮定したときのSOC20%に相当する電圧を放電終止電圧としたこと以外、実施例1と同様にして充放電サイクルを行った。
電池表面温度を45℃とした。さらに、電池表面温度を25℃と仮定したときのSOC80%に相当する電圧を充電終止電圧とし、電池表面温度を25℃と仮定したときのSOC20%に相当する電圧を放電終止電圧としたこと以外、実施例1と同様にして充放電サイクルを行った。
《実施例11》
電池表面温度を45℃とした。さらに、電池表面温度を45℃としたときのSOC80%に相当する電圧を充電終止電圧とし、電池表面温度を45℃としたときのSOC20%に相当する電圧を放電終止電圧としたこと以外、実施例1と同様にして充放電サイクルを行った。
電池表面温度を45℃とした。さらに、電池表面温度を45℃としたときのSOC80%に相当する電圧を充電終止電圧とし、電池表面温度を45℃としたときのSOC20%に相当する電圧を放電終止電圧としたこと以外、実施例1と同様にして充放電サイクルを行った。
《比較例1》
各ブロックに流れる充放電電流をすべて20Aとした以外、実施例1と同様にして充放電サイクルを行った。このとき、充放電終止電圧は20A充放電における各SOCの電圧で充放電終止電圧を設定した。
各ブロックに流れる充放電電流をすべて20Aとした以外、実施例1と同様にして充放電サイクルを行った。このとき、充放電終止電圧は20A充放電における各SOCの電圧で充放電終止電圧を設定した。
《比較例2》
各ブロックに流れる充放電電流をすべて20Aとした以外、実施例11と同様にして充放電サイクルを行った。このとき、充放電終止電圧は20A充放電における各SOCの電圧で充放電終止電圧を設定した。
各ブロックに流れる充放電電流をすべて20Aとした以外、実施例11と同様にして充放電サイクルを行った。このとき、充放電終止電圧は20A充放電における各SOCの電圧で充放電終止電圧を設定した。
《比較例3》
各ブロックに流れる充放電電流をすべて20Aとした。さらに、放電終止電圧をSOC20%に相当する電圧とし、充放電50サイクルごとに放電終止電圧を0.100Vずつ低下させたこと以外、実施例1と同様にして充放電サイクルを行った。
各ブロックに流れる充放電電流をすべて20Aとした。さらに、放電終止電圧をSOC20%に相当する電圧とし、充放電50サイクルごとに放電終止電圧を0.100Vずつ低下させたこと以外、実施例1と同様にして充放電サイクルを行った。
《比較例4》
各ブロックに流れる充放電電流をすべて20Aとした。さらに、充電終止電圧をSOC80%に相当する電圧とし、充放電50サイクルごとに充電終止電圧を0.100Vずつ上昇させたこと以外、実施例1と同様にして充放電サイクルを行った。
なお、上記実施例および比較例では、初期状態において、あらゆるSOC、電流値、温度におけるI−V値を測定し、検量線を作成した。
各ブロックに流れる充放電電流をすべて20Aとした。さらに、充電終止電圧をSOC80%に相当する電圧とし、充放電50サイクルごとに充電終止電圧を0.100Vずつ上昇させたこと以外、実施例1と同様にして充放電サイクルを行った。
なお、上記実施例および比較例では、初期状態において、あらゆるSOC、電流値、温度におけるI−V値を測定し、検量線を作成した。
充放電時のI−V値を測定してSOCをモニタリングして百分率化し、制御に反映させた。各条件におけるSOCおよびI−V値の一部を、表1および表2に示す。表1は、電流値30A、電池表面温度が25℃の時のI−V値を示す。表2は、電流値30A、電池表面温度が45℃の時のI−V値を示す。
(1)メモリー効果の評価
1000サイクル終了後の各電池において、充電終止電圧から、放電終止電圧に到達するまでの放電容量を評価した。この放電容量が初期の放電容量に対して55%未満のものをメモリー効果が「顕著」、55%以上、80%未満のものをメモリー効果が「有り」、80%以上、95%未満のものをメモリー効果が「少し有り」、95%以上のものをメモリー効果が「無し」とした。
1000サイクル終了後の各電池において、充電終止電圧から、放電終止電圧に到達するまでの放電容量を評価した。この放電容量が初期の放電容量に対して55%未満のものをメモリー効果が「顕著」、55%以上、80%未満のものをメモリー効果が「有り」、80%以上、95%未満のものをメモリー効果が「少し有り」、95%以上のものをメモリー効果が「無し」とした。
(2)電池容量の評価
上記(1)の評価を行った後、電池温度を25℃、電流値を3Aとし、主電源の電圧が12Vに達するまで放電を行った。その後、以下に示す充放電試験を3サイクル実施し、3サイクル目の放電容量を主電源の電池容量とした。ここでの放電容量が初期容量の95%以上のものを「同等」、90%以上、95%未満のものを「やや低下」、90%未満のものを「低下」とした。
充電―3Aにて2.4時間
休止―1時間
放電―3Aにて電圧が12Vに達するまで
上記(1)の評価を行った後、電池温度を25℃、電流値を3Aとし、主電源の電圧が12Vに達するまで放電を行った。その後、以下に示す充放電試験を3サイクル実施し、3サイクル目の放電容量を主電源の電池容量とした。ここでの放電容量が初期容量の95%以上のものを「同等」、90%以上、95%未満のものを「やや低下」、90%未満のものを「低下」とした。
充電―3Aにて2.4時間
休止―1時間
放電―3Aにて電圧が12Vに達するまで
(3)出力試験
上記(2)の評価を行った後の充放電システムに対して3Aで1時間充電を行った後、以下に示す4種類の充放電をそれぞれ行った。
充放電a:放電−6Aにて20秒、休止5分、充電−6Aにて20秒、休止5分
充放電b:放電−18Aにて20秒、休止5分、充電−18Aにて20秒、休止5分
充放電c:放電−36Aにて20秒、休止5分、充電−36Aにて20秒、休止5分
充放電d:放電−60Aにて20秒、休止5分、充電−60Aにて20秒、休止5分
上記(2)の評価を行った後の充放電システムに対して3Aで1時間充電を行った後、以下に示す4種類の充放電をそれぞれ行った。
充放電a:放電−6Aにて20秒、休止5分、充電−6Aにて20秒、休止5分
充放電b:放電−18Aにて20秒、休止5分、充電−18Aにて20秒、休止5分
充放電c:放電−36Aにて20秒、休止5分、充電−36Aにて20秒、休止5分
充放電d:放電−60Aにて20秒、休止5分、充電−60Aにて20秒、休止5分
この4種類の放電において、放電開始から10秒後の電圧降下量VAを読み取り、このVAを各電流値で除することにより、DCIR(内部抵抗値)を算出し、実施例1の充放電システムの内部抵抗値を基準として各充放電システムの内部抵抗の差を求めた。ここで実施例1との差が1mΩ未満のものを「同等」、1mΩ以上、3mΩ未満のものを「やや上昇」、3mΩ以上のものを「上昇」とし、出力特性の指標とした。各測定条件および結果を、表3に示す。
各ブロックへの充放電電流を20Aとした比較例1では、顕著なメモリー効果が発生していた。一方、各ブロックへの充放電電流を変化させた各実施例では、メモリー効果が抑制されていた。
ただし、放電終止電圧をSOC35%相当の電圧とした実施例5や、充電終止電圧をSOC65%相当の電圧とした実施例8では、比較例1ほどではないものの、メモリー効果が見られた。
実施例5では深い放電ができなかったことに起因するメモリー効果、実施例8では、深い充電ができなかったことに起因するメモリー効果によるものである。
放電終止電圧をSOC10%相当の電圧とした実施例4では電池パック1の内部抵抗がやや上昇し、電池容量もやや低下する結果となった。これは放電が深く入りすぎたために、正極に含まれるコバルト化合物が電解液へ徐々に溶出し、正極の導電性が低下したことに起因する。さらに充電終止電圧をSOC90%相当の電圧とした実施例9では主電源の内部抵抗がやや上昇する結果となった。これは充電が深く入りすぎたために、正極から発生する酸素の量が増加し、負極の活物質である水素吸蔵合金の表面に酸化膜が生成したために反応抵抗が上昇したことに起因する。
以上より、放電終止電圧はSOC15〜30%相当の電圧であることが好ましく、充電終止電圧はSOC70〜80%相当の電圧であることが好ましいことがわかった。
電池表面温度を45℃とし、充電終止電圧および放電終止電圧を適した値に設定していない実施例10では、主電源の内部抵抗がやや上昇していた。これは、酸素発生電圧が低下して、酸素発生量が増加したためと考えられる。一方、電池表面温度に適した充電終止電圧および放電終止電圧を設定した実施例11では、実施例10よりも主電源の内部抵抗の上昇が抑制されていた。なお、実施例10および11では、電池表面温度を45℃としたが、他の電池表面温度でも同様の効果が得られた。
ただし、電池表面温度に適した充電終止電圧および放電終止電圧に設定した場合でも、各ブロックの電流を同じとした比較例2では、メモリー効果が顕著に発生していた。
以上より、充電終止電圧および放電終止電圧を電池表面温度に応じて設定することで、本発明の効果がより大きくなることがわかった。
各ブロックへの充放電電流を20Aとし、放電終止電圧をSOC20%に相当する電圧から50サイクルごとに0.100V低下させた比較例4では、メモリー効果の抑制は見られたものの、主電源の内部抵抗上昇および容量低下が顕著であった。
また、各ブロックへの充放電電流を20Aとし、充電終止電圧をSOC80%に相当する電圧から50サイクルごとに0.100V上昇させた比較例5では、主電源の内部抵抗上昇が顕著であった。
以上より、充電終止電圧および放電終止電圧は、変動させないことが好ましいことがわかった。
以上説明したように、本発明の充放電制御方法によれば、アルカリ蓄電池の構成材料の劣化を抑制し、耐久性を低下させることなく、メモリー効果を抑制することができる。これにより、優れた耐久性を有し、かつメモリー効果が抑制された充放電システムを提供することができる。
なお、本実施例ではブロックの3個を並列に接続した例を用いたが、2個以上であれば同様の効果が得られる。また、充放電電流に関して、本実施例では30A、20A、10Aで説明したが、特に限られるものではなく、他の電流値においても同様の効果が得られる。
本発明の充放電システムの用途は特に限定されないが、HEV、家庭用コージェネ、産業用などの用途に特に適している。
1 電池パック
2 制御部
3 記憶部
4 インバータ
5 車両駆動系
10a〜10c ブロック
11 アルカリ蓄電池
12 電流調整器
13a、13b、13c、13p 電流センサ
14 電圧センサ
15 温度センサ
21 充電制御手段
22 放電制御手段
100 充放電システム
2 制御部
3 記憶部
4 インバータ
5 車両駆動系
10a〜10c ブロック
11 アルカリ蓄電池
12 電流調整器
13a、13b、13c、13p 電流センサ
14 電圧センサ
15 温度センサ
21 充電制御手段
22 放電制御手段
100 充放電システム
Claims (17)
- 少なくとも1つのアルカリ蓄電池を含むブロックが複数並列に接続され、かつ前記各ブロックに流れる電流の値を調整可能な電池パックの充電制御方法であって、
前記各ブロックへ異なる充電電流を流すことを特徴とする、電池パックの充電制御方法。 - 前記各ブロックに流れる充電電流を合計した値を一定としつつ、各ブロックに流れる充電電流を定期的に変動させることを特徴とする、請求項1に記載の電池パックの充電制御方法。
- 前記複数のブロックのうちいずれかのブロックが充電終止電圧に達すると、各ブロックの充電電流を変動させることを特徴とする、請求項1または2に記載の電池パックの充電制御方法。
- 前記各ブロックの充電状態を監視し、充電状態が低いブロックは他のブロックよりも大きい電流で充電を開始することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の電池パックの充電制御方法。
- 前記充電終止電圧が、充電状態の70〜85%に相当する電圧であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の電池パックの充電制御方法。
- 前記充電終止電圧を、前記充電電流または前記電池パックの温度に応じて設定することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の電池パックの充電制御方法。
- 少なくとも1つのアルカリ蓄電池を含むブロックが複数並列に接続され、かつ前記各ブロックに流れる電流の値を調整可能な電池パックの放電制御方法であって、
前記各ブロックへ異なる放電電流を流すことを特徴とする、電池パックの放電制御方法。 - 前記各ブロックに流れる放電電流を合計した値を一定としつつ、各ブロックへの放電電流を定期的に変動させることを特徴とする、請求項7に記載の電池パックの放電制御方法。
- 前記複数のブロックのうちいずれかのブロックが放電終止電圧に達すると、各ブロックの放電電流を変更することを特徴とする、請求項7または8に記載の電池パックの放電制御方法。
- 前記各ブロックの充電状態を監視し、充電状態が高いブロックは他のブロックよりも大きい電流で放電を開始することを特徴とする、請求項7ないし9のいずれかに記載の電池パックの放電制御方法。
- 前記放電終止電圧が、充電状態の15〜30%に相当する電圧であることを特徴とする、請求項7ないし10のいずれかに記載の電池パックの放電制御方法。
- 前記放電終止電圧を、前記放電電流または前記電池パックの温度に応じて設定することを特徴とする、請求項7ないし11のいずれかに記載の電池パックの放電制御方法。
- 少なくとも1つのアルカリ蓄電池を含み並列に接続された複数のブロックと、前記各ブロックに流れる電流の値を調整可能な電流調整手段とを有する電池パックと、
前記電池パックの電圧を検知する電圧検知手段と、
前記電池パックの温度を検知する温度検知手段と、
予め設定された充電終止電圧および放電終止電圧を記憶する記憶手段と、
前記電圧検知手段において検知される電圧が前記充電終止電圧に達すると、前記各ブロックに流れる充電電流を変更する充電制御手段、および/または、
前記電圧検知手段において検知される電圧が前記放電終止電圧に達すると、前記各ブロックに流れる放電電流を変更する放電制御手段と
を備える充放電システム。 - 前記記憶手段は複数の充電終止電圧を記憶しており、前記充電制御手段は、前記電池パックの温度に応じて、前記複数の充電終止電圧から適切な充電終止電圧を選択する、請求項13に記載の充放電システム。
- 前記記憶手段は、複数の放電終止電圧を記憶しており、前記放電制御手段は、前記電池パックの温度に応じて、前記複数の放電終止電圧から適切な放電終止電圧を選択する、請求項13に記載の充放電システム。
- 前記各ブロックの充電状態を記憶する手段と、
ブロック間の充電状態を比較する充電制御手段とをさらに備え、
他のブロックよりも充電状態が低いブロックには前記他のブロックよりも大きい電流で充電を行う、請求項14に記載の充放電システム。 - 前記各ブロックの充電状態を記憶する手段と、
ブロック間の充電状態を比較する放電制御手段とをさらに備え、
他のブロックよりも充電状態が低いブロックには前記他のブロックよりも小さい電流で放電を行う、請求項15に記載の充放電システム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008171437A JP2010011708A (ja) | 2008-06-30 | 2008-06-30 | 電池パックの充電制御方法、放電制御方法および充放電システム |
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