JP2017133870A - リチウムイオン二次電池の異常劣化検知装置および異常劣化検知方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の異常劣化検知装置および異常劣化検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池の異常劣化を適切に検知することのできるリチウムイオン二次電池の異常劣化検知装置および異常劣化検知方法を提供すること。
【解決手段】本発明のリチウムイオン二次電池の異常劣化検知装置は,ピークシフト量算出部,容量維持率算出部,異常劣化判定部を有する。ピークシフト量算出部は,dQ/dVの値が最大値となる電池電圧Vの値をピーク電圧とし,初期のピーク電圧からの変化量によりピークシフト量を算出する。異常劣化判定部は,ピークシフト量算出部が算出した容量維持率の所定期間における低下量に対する,ピークシフト量算出部が算出したピークシフト量の所定期間における増加量が,リチウムイオン二次電池の通常劣化時について定めた容量維持率の所定期間における低下量に対するピークシフト量の所定期間における増加量よりも大きいときに,異常劣化が生じていると判定する。
【選択図】図6

Description

本発明は,リチウムイオン二次電池の異常劣化検知装置および異常劣化検知方法に関する。
リチウムイオン二次電池では,使用とともに通常劣化が生じるため,蓄電量の最大値(満充電容量)は低下する。つまり,リチウムイオン二次電池の満充電容量の,初期の満充電容量に対する割合である容量維持率は低下する。また,通常劣化の他にも,リチウムイオン二次電池の内部で金属リチウムが析出することによる異常劣化が生じることがある。そして,リチウムイオン二次電池に異常劣化が生じているか否かを判定する従来技術として,特許文献1が挙げられる。
特許文献1には,リチウムイオン二次電池における所定時間t毎の電圧Vの変化量dVおよび蓄電量Qの変化量dQよりQ−dV/dQ曲線を作成し,これを正常時のQ−dV/dQ曲線と比較することにより,異常充電状態を検出する技術が記載されている。具体的に,特許文献1では,作成したQ−dV/dQ曲線に現れるピークが,予め取得しておいた正常時のQ−dV/dQ曲線におけるピークと異なる場合に,そのリチウムイオン二次電池が異常充電状態であると判断するとされている。
特開2012−181976号公報
しかしながら,上記の従来の技術は,酸化還元電位が蓄電量によらずほぼ一定である正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池について,異常劣化が生じているか否かを適切に判定することのできるものである。このため,例えば,蓄電量とともに酸化還元電位が変動する正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池については,異常劣化が生じているか否かを適切に判定することができないという問題があった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,リチウムイオン二次電池の異常劣化を適切に検知することのできるリチウムイオン二次電池の異常劣化検知装置および異常劣化検知方法を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の一態様に係るリチウムイオン二次電池の異常劣化検知装置は,リチウムイオン二次電池に接続された回路に電流が流れた通電期間に,リチウムイオン二次電池の電池電圧Vの変化量dVに対するリチウムイオン二次電池の蓄電量Qの変化量dQの割合であるdQ/dVの値を算出するdQ/dV算出部と,dQ/dVの値が最大値となる電池電圧Vの値をピーク電圧として定めるとともに,定めたピーク電圧の,予め取得したリチウムイオン二次電池の初期のピーク電圧からの変化量であるピークシフト量を算出するピークシフト量算出部と,ピークシフト量算出部によりピークシフト量を算出した場合のリチウムイオン二次電池の満充電容量を算出し,予め取得したリチウムイオン二次電池の初期の満充電容量に対する割合として容量維持率を算出する容量維持率算出部と,容量維持率算出部で算出した容量維持率の所定期間における低下量に対する,ピークシフト量算出部で算出したピークシフト量の所定期間における増加量が,リチウムイオン二次電池の通常劣化時について予め定めた容量維持率の所定期間における低下量に対するピークシフト量の所定期間における増加量よりも大きいときに,リチウムイオン二次電池に異常劣化が生じていると判定する異常劣化判定部とを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池の異常劣化検知装置である。
また,本発明の他の態様におけるリチウムイオン二次電池の異常劣化検知方法は,リチウムイオン二次電池に接続された回路に電流が流れた通電期間に,リチウムイオン二次電池の電池電圧Vの変化量dVに対するリチウムイオン二次電池の蓄電量Qの変化量dQの割合であるdQ/dVの値を算出するdQ/dV算出工程と,dQ/dVの値が最大値となる電池電圧Vの値をピーク電圧として定めるとともに,定めたピーク電圧の,予め取得したリチウムイオン二次電池の初期のピーク電圧からの変化量であるピークシフト量を算出するピークシフト量算出工程と,ピークシフト量算出工程によりピークシフト量を算出した場合のリチウムイオン二次電池の満充電容量を算出し,予め取得したリチウムイオン二次電池の初期の満充電容量に対する割合として容量維持率を算出する容量維持率算出工程と,容量維持率算出工程で算出した容量維持率の所定期間における低下量に対する,ピークシフト量算出工程で算出したピークシフト量の所定期間における増加量が,リチウムイオン二次電池の通常劣化時について予め定めた容量維持率の所定期間における低下量に対するピークシフト量の所定期間における増加量よりも大きいときに,リチウムイオン二次電池に異常劣化が生じていると判定する異常劣化判定工程とを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池の異常劣化検知方法である。
本発明に係るリチウムイオン二次電池の異常劣化検知装置,異常劣化検知方法では,dQ/dVの値が最大値となるピーク電圧を定めるとともに,定めたピーク電圧の,初期のピーク電圧からの変化量であるピークシフト量を算出する。また,そのピークシフト量を算出した場合の容量維持率を算出する。ここで,容量維持率の所定期間における低下量に対するピークシフト量の所定期間における増加量は,リチウムイオン二次電池に異常劣化が生じている場合,異常劣化が生じていない通常時よりも大きい状態となる。よって,この傾向を用いることにより,リチウムイオン二次電池に異常劣化が生じているか否かを適切に判定することができる。従って,本発明に係るリチウムイオン二次電池の異常劣化検知装置,異常劣化検知方法では,リチウムイオン二次電池の異常劣化を適切に検知することができる。
本発明によれば,リチウムイオン二次電池の異常劣化を適切に検知することのできるリチウムイオン二次電池の異常劣化検知装置および異常劣化検知方法が提供されている。
実施形態に係る車両の概略図である。 実施形態に係るリチウムイオン二次電池システムの概略図である。 実施形態に係るリチウムイオン二次電池の概略構成図である。 実施形態に係るリチウムイオン二次電池の正極板等の断面図である。 実施形態に係るリチウムイオン二次電池のV−dQ/dV曲線図である。 実施形態に係るリチウムイオン二次電池の異常劣化判定マップである。 実施形態に係る二次電池システムの制御の流れを示すフローチャートである。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
本形態は,リチウムイオン二次電池を搭載したハイブリッド自動車に本発明を適用したものである。図1に,本形態に係る車両1を示している。車両1は,図1に示すように,車体2,エンジン3,フロントモータ4,リヤモータ5,ケーブル7,二次電池システム6,および,二次電池システム6に接続された電源プラグ8を有するハイブリッド自動車である。二次電池システム6は,フロントモータ4およびリヤモータ5の駆動用電源システムとして搭載されている。そして,車両1は,エンジン3とフロントモータ4およびリヤモータ5とを用いて走行できるように構成されている。
二次電池システム6は,車両1の車体2に取り付けられており,ケーブル7によりフロントモータ4およびリヤモータ5と接続されている。この二次電池システム6は,図2に示すように,複数の二次電池100(単電池)を互いに電気的に直列に接続した組電池10と,電圧検出部40と,電流検出部50と,コントローラ30と,変換装置44とを備えている。
二次電池100は,図3に示すように,電池ケース130の内部に電極体110および電解液120を備えるリチウムイオン二次電池である。電極体110は,正極板P,負極板N,セパレータSを積層してなるものである。電解液120は,有機溶剤にリチウム塩を溶解させてなる非水電解液である。
また,電池ケース130は,ケース本体131と,ケース本体131の上側の開口を塞いでいる封口板132とを有している。ケース本体131と封口板132とは,溶接によって接合され,一体とされている。また,電池ケース130は,直方体形状のものである。さらに,電池ケース130の図3における上面には,正極端子140および負極端子150が設けられている。
図4は,電極体110を構成する正極板P,負極板N,セパレータSの断面図である。正極板P,負極板N,セパレータSはいずれも,図4において紙面奥行き方向に長いシート状のものである。電極体110は,正極板P,負極板N,セパレータSを図4に示すように重ね合わせつつ,図4における左右方向を捲回軸の方向として扁平形状に捲回してなるものである。その捲回により,電極体110においては,正極板P,負極板N,セパレータSが積層されている。
正極板Pは,図4に示すように,正極集電箔P1の両面に,正極活物質層P2を形成してなるものである。正極板Pは,正極集電箔P1に正極活物質層P2が形成されている領域と,正極活物質層P2が形成されておらず正極集電箔P1が露出している領域とを有している。正極集電箔P1としては,アルミニウム箔を用いることができる。
また,正極活物質層P2には,正極活物質PAが含まれている。正極活物質PAは,リチウムイオンを吸蔵および放出することができるものであり,充放電に寄与する材料である。本形態では,正極活物質PAとして,LiNi1/3Co1/3Mn1/3を用いている。このLiNi1/3Co1/3Mn1/3は,二次電池100の充放電による蓄電量の変動とともに,酸化還元電位が変動するものである。
なお,本形態の正極活物質層P2には,正極活物質PAの他にも,導電助材,結着材が含まれている。導電助材は,正極活物質層P2内における導電性を高めることのできる材料である。結着材は,正極活物質層P2内に含まれている材料を互いに結着させて正極活物質層P2を形成するとともに,正極活物質層P2を正極集電箔P1の表面に結着させている材料である。
負極板Nは,図4に示すように,負極集電箔N1の両面に,負極活物質層N2を形成してなるものである。負極板Nは,負極集電箔N1に負極活物質層N2が形成されている領域と,負極活物質層N2が形成されておらず負極集電箔N1が露出している領域とを有している。負極集電箔N1としては,銅箔を用いることができる。
また,負極活物質層N2には,負極活物質NAが含まれている。負極活物質NAは,リチウムイオンを吸蔵および放出することができるものであり,充放電に寄与する材料である。本形態では,負極活物質NAとして,黒鉛を用いている。
なお,本形態の負極活物質層N2には,負極活物質NAの他にも,結着材が含まれている。結着材は,負極活物質層N2内に含まれている材料を互いに結着させて負極活物質層N2を形成するとともに,負極活物質層N2を負極集電箔N1の表面に結着させている材料である。
セパレータSは,ポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE)等よりなる,多数の細孔を有する多孔質シートである。セパレータSは,幅方向(図4において左右方向)の長さが,正極板Pおよび負極板Nよりも短いものである。
そして,図4に示す中央では,正極板Pの正極活物質層P2が形成されている領域と,負極板Nの負極活物質層N2が形成されている領域とが,これらの間にセパレータSが挟み込まれた状態で重ね合わせられている。一方,その右側には,正極板Pの正極集電箔P1の露出領域が突出してしている。また,左側には,負極板Nの負極集電箔N1の露出領域が突出している。
このため,図4の状態で捲回してなる図3に示す電極体110の充放電部111は,正極板Pの正極活物質層P2が形成されている領域および負極板Nの負極活物質層N2が形成されている領域が,セパレータSを介して重なっている部分である。また,図3に示す電極体110における充放電部111の右側に位置する正極端部112は,正極板Pの正極集電箔P1の露出領域よりなる部分である。さらに,図3に示す電極体110における充放電部111の左側に位置する負極端部113は,負極板Nの負極集電箔N1の露出領域よりなる部分である。
また,図3に示すように,電極体110の正極端部112には,正極接続部材141が接続されている。さらに,電極体110の負極端部113には,負極接続部材151が接続されている。正極接続部材141は,電極体110に接続されている側とは反対側の端が,正極端子140に接続されている。負極接続部材151は,電極体110に接続されている側とは反対側の端が,負極端子150に接続されている。そして,二次電池100は,正極端子140および負極端子150を介し,電極体110の充放電部111において充電および放電を行うことができる。また,図2に示す組電池10における二次電池100はそれぞれ,正極端子140および負極端子150により互いに接続されている。
図2に示す電圧検出部40は,組電池10を構成する各二次電池100について,電池電圧V(端子間電圧値)を検出することができる。また,電流検出部50は,組電池10を構成する二次電池100を流れる電流値Iを検出することができる。
コントローラ30は,図2に示すように,ROM31,CPU32,RAM33等を有している。このコントローラ30は,スイッチ41,42を介して,組電池10に電気的に接続されている。コントローラ30は,スイッチ41,42をONにした状態で,組電池10を構成する二次電池100の充放電を制御することができる。例えば,車両1の運転中は,組電池10(二次電池100)とインバータ(モータ)との間における電気のやりとりを制御する。また,本形態のコントローラ30は,電圧検出部40で検出された電池電圧Vに基づいて,組電池10を構成する二次電池100のSOC(State Of Charge)を推定することもできる。
変換装置44は,AC/DCコンバータによって構成されており,外部電源46(商用電源)の電圧を,一定電圧値を有する直流定電圧に変換することができる。この変換装置44は,ケーブル7に含まれるケーブル71を通じて,電源プラグ8に電気的に接続されている。さらに,変換装置44は,スイッチ43を介して,組電池10に電気的に接続されている。
電源プラグ8は,外部電源46に電気的に接続可能に構成されている。この電源プラグ8は,変換装置44と電気的に接続されている。従って,電源プラグ8を通じて,変換装置44と外部電源46とを電気的に接続することができる。
なお,本形態では,電源プラグ8とともにケーブル71を車両1の外部に引き出すことができ,車両1から離れた外部電源46に電源プラグ8を接続できるようになっている。このため,本形態の車両1では,車両1の停車中に,電源プラグ8を外部電源46に電気的に接続することで,外部電源46から供給される電力を用いて,組電池10を構成する二次電池100を充電することができる。
具体的に,コントローラ30は,外部電源46から電源プラグ8を通じて変換装置44に電力が供給されたことを検知すると,スイッチ41,42をOFFにするとともに,スイッチ43をONにする。これにより,外部電源46から供給される電力を用いて,組電池10を構成する二次電池100を充電することができる。詳細には,外部電源46の電圧を,変換装置44により,所定の一定電圧値を有する直流定電圧に変換しつつ,外部電源46から供給される電力を,変換装置44を通じて,組電池10を構成する二次電池100に供給する。
本形態のコントローラ30は,外部電源46を用いた二次電池100の充電時に,二次電池100の電池電圧Vの変化量dVに対する二次電池100の蓄電量Qの変化量dQの割合であるdQ/dVの値を算出する。具体的には,コントローラ30は,外部電源46に電源プラグ8が接続されている間に,外部電源46から供給される電力により,二次電池100の蓄電量Qが予め定めた一定程度に達するまで二次電池100を充電する充電制御を行う。なお,本形態のコントローラ30は,外部電源46に電源プラグ8が接続されたときの充電制御において,二次電池100がその満充電容量となるまで充電する満充電を行う。また,満充電まで充電する充電制御では,二次電池100の電池電圧Vがその上限値となるまで一定電流で充電し,電池電圧Vが上限値となった後には,電池電圧Vが上限値で一定となるように電流値を下げつつ充電を行う。
また,コントローラ30は,充電制御の実行時には,所定時間(例えば1秒)毎に,電流検出部50で検出された電流値Iを積算(∫Idt)して,二次電池100の充電電気量を算出し,算出された充電電気量から二次電池100の蓄電量Qを推定する。さらに,コントローラ30は,電流積算と同期させて,電圧検出部40で検出された二次電池100の電池電圧Vを取得する。
また,コントローラ30は,電圧検出部40で検出された二次電池100の電池電圧Vと推定した蓄電量Qとから,二次電池100の電池電圧Vの変化量dVに対する二次電池100の蓄電量Qの変化量dQの割合であるdQ/dVの値を算出する。換言すれば,二次電池100の蓄電量Qを電池電圧Vで微分して,dQ/dVの値を算出する。具体的には,二次電池100の充電時に,所定時間毎に電池電圧Vと蓄電量Qを取得し,各所定時間毎の電池電圧Vの変化量dVと蓄電量Qの変化量dQとを算出し,これらに基づいて,所定時間毎のdQ/dVの値を算出する。
また,コントローラ30は,dQ/dVの値が最大値となる電池電圧Vの値をピーク電圧Vpとして定める。具体的に,本形態のコントローラ30は,図5に実線で示す,電池電圧Vの値とdQ/dVの値との関係であるV−dQ/dV曲線を取得する。さらに,V−dQ/dV曲線上におけるdQ/dVの値のピーク値Wを求めるとともに,そのdQ/dVの値がピーク値Wを示すときの電池電圧Vをピーク電圧Vpとして定める。なお,ピーク値Wは,V−dQ/dV曲線上における,dQ/dVの値の最大値である。
そして,コントローラ30は,定めたピーク電圧Vpと,初期の二次電池100より予め取得しておいたピーク電圧Vpである初期ピーク電圧Vp0との差をピークシフト量Xとして算出する。そのため,コントローラ30のROM31には,予め取得した初期の二次電池100についてのピーク電圧Vpを,初期ピーク電圧Vp0として記憶させている。なお,本形態において,初期ピーク電圧Vp0は,出荷前の二次電池100について予め取得しておいた値である。
さらに,本形態のコントローラ30は,充電制御において,二次電池100の容量維持率Yを算出する。コントローラ30は,二次電池100の容量維持率Yを,充電制御の実行時に算出される満充電容量の,予め取得しておいた初期の満充電容量に対する割合により算出する。充電制御の実行時における満充電容量は,充電制御により満充電まで充電されたときの二次電池100の蓄電量Qの値を用いる。また,二次電池100の初期の満充電容量は,初期の二次電池100について予め取得し,コントローラ30のROM31に記憶されている。なお,本形態において,初期の満充電容量は,出荷前の二次電池100について予め取得しておいた値である。
つまり,本形態のコントローラ30は,上記のように,充電制御の実行時において,ピークシフト量Xを算出するとともに,そのピークシフト量Xの算出がなされた場合の二次電池100の容量維持率Yについても算出する。
また,図5には,破線により,初期の二次電池100より初期ピーク電圧Vp0を求めたときのV−dQ/dV曲線を示している。図5からわかるように,充放電により使用された後の二次電池100から求められたピーク電圧Vpは,初期の二次電池100より求められた初期ピーク電圧Vp0よりも右側,すなわち,電池電圧Vが高い値を示す位置に移動している。つまり,ピーク電圧Vpは,二次電池100が充放電によって使用されることにより,徐々に高い値を示すこととなる。
そして,本形態のコントローラ30は,充電制御の実行毎に,ピークシフト量Xおよび容量維持率Yを算出することで,図6に示す異常劣化判定マップを作成する。図6に示す異常劣化判定マップは,ピークシフト量Xと容量維持率Yとの関係を複数回,取得するとともにプロットすることで作成されたものである。
図6には,実線により,通常劣化関係を示している。通常劣化関係は,二次電池100が繰り返し充放電された際に通常に劣化する通常劣化時に作成されるピークシフト量Xと容量維持率Yとの関係の推移である。また,図6には,破線により,異常劣化関係を示している。異常劣化関係は,二次電池100に通常劣化とは異なる異常劣化が生じている異常劣化時に作成されるピークシフト量Xと容量維持率Yとの関係の推移である。この異常劣化関係を示す二次電池100においては,その負極板Nに金属リチウムの析出が生じている。金属リチウムの析出は,例えば,低温環境下でハイレート充電がなされた場合等に生じ得る。
図6に示すように,破線で示す異常劣化関係の傾きは,実線で示す通常劣化関係の傾きよりも大きなものである。そこで,コントローラ30は,この通常劣化関係の推移と異常劣化関係の推移との違いを用いることにより,二次電池100に異常劣化が生じているか否かを判定する異常劣化判定を行う。
具体的に,本形態のコントローラ30は,異常劣化判定では,充電制御において算出した容量維持率Yとピークシフト量Xとを用い,容量維持率Yの所定期間における低下量に対する,ピークシフト量Xの所定期間における増加量により判定値を算出する。さらに,算出した判定値を,予め定めた判定閾値と比較する。判定閾値は,車両1の出荷前に,通常劣化時の二次電池100について予め定めた,容量維持率の所定期間における低下量に対するピークシフト量の所定期間における増加量により算出された値である。判定閾値の算出に用いた容量維持率およびピークシフト量は,通常劣化時の二次電池100について,上記と同様に算出したものである。
なお,本形態では,判定閾値として,二次電池100が通常劣化の範囲内であると判定される判定値の上限値を用いている。このような判定閾値としては,例えば,図6に示す通常劣化関係における傾きの最大値を用いることができる。この場合,異常劣化判定の判定値の算出に係る所定期間がどのような期間であっても,判定閾値として同じ値が用いられる。なお,当然,判定閾値としては,異常劣化判定の判定値の算出に係る所定期間ごとに対応する値を用いることもできる。また,判定閾値は,コントローラ30のROM31に記憶されている。そして,コントローラ30は,異常劣化判定では,判定値と判定閾値との比較において,判定値が判定閾値よりも大きいときに,その二次電池100に異常劣化が生じていると判定する。
また,コントローラ30は,異常劣化判定時の容量維持率Yの所定期間における低下量を,今回の異常劣化判定よりも前に算出した容量維持率Yを基準として算出する。具体的には,異常劣化判定時の容量維持率Yの所定期間における低下量を,今回の異常劣化判定に係る充電制御において算出した容量維持率Yと,今回の異常劣化判定よりも前に算出した容量維持率Yとの差により算出する。
また,コントローラ30は,異常劣化判定時のピークシフト量Xの所定期間における増加量を,今回の異常劣化判定よりも前に算出したピークシフト量Xを基準として算出する。具体的には,異常劣化判定時のピークシフト量Xの所定期間における増加量を,今回の異常劣化判定に係る充電制御において算出したピークシフト量Xと,今回の異常劣化判定よりも前に算出したピークシフト量Xとの差により算出する。
より詳細に,本形態のコントローラ30は,出荷後における初回の異常劣化判定時には,今回の異常劣化判定よりも前に算出した容量維持率Yとして,出荷時における初期値(100)を用いる。さらに,本形態のコントローラ30は,出荷後における初回の異常劣化判定時には,今回の異常劣化判定よりも前に算出したピークシフト量Xの値として,出荷時における初期値(0)を用いる。
また,本形態のコントローラ30は,出荷後,2回目以降の異常劣化判定時には,今回の異常劣化判定よりも前に算出した容量維持率Yとして,先回の異常劣化判定に係る充電制御において算出した容量維持率Yの値を用いる。さらに,本形態のコントローラ30は,出荷後,2回目以降の異常劣化判定時には,今回の異常劣化判定よりも前に算出したピークシフト量Xの値として,先回の異常劣化判定に係る充電制御において算出したピークシフト量Xの値を用いる。このため,コントローラ30のROM31には,容量維持率Yおよびピークシフト量Xの初期値,過去の異常劣化判定に係る充電制御において算出した容量維持率Yおよびピークシフト量Xがそれぞれ記憶されている。
なお,図6に示す異常劣化関係は,その製造後,当初から異常劣化が生じていた二次電池100より取得したものである。このため,図6に示す異常劣化関係においては,その容量維持率Yが低下し始めるとともに,ピークシフト量Xが通常劣化関係よりも大きくなっている。しかし,ある程度,容量維持率Yが低下したときに異常劣化が生じた二次電池100においては,その異常劣化が生じるまでは,ピークシフト量Xと容量維持率Yとの関係が通常劣化関係と同じ推移を示す。そして,異常劣化が生じた以降に,容量維持率Yに対するピークシフト量Xが,通常劣化関係より高い状態となる。よって,この場合にも,コントローラ30は,異常劣化が生じた以降の充電制御において,上記の異常劣化判定を行うことにより,二次電池100に異常劣化が生じているか否かを適切に判定することができる。
次に,本形態の二次電池システム6における制御の流れについて,図7のフローチャートにより説明する。まず,コントローラ30は,車両1の電源プラグ8が外部電源46に接続されているか否かを判定する(S101)。そして,車両1の電源プラグ8が外部電源46に接続されたとき(S101:YES),二次電池100の充電制御を開始する(S102)。
また,充電制御を開始するとともに,所定時間毎のdQ/dVの算出を開始する(S103)。さらに,算出したdQ/dVと電池電圧VとによりV−dQ/dV曲線を取得し,V−dQ/dV曲線よりピーク電圧Vpを定めるとともに,定めたピーク電圧Vpと初期ピーク電圧Vp0との差によりピークシフト量Xを算出する(S104)。
また,充電制御の実行時における二次電池100の満充電容量を算出し,初期の満充電容量に対する割合として容量維持率Yを算出する(S105)。
そして,コントローラ30は,ステップS104において算出したピークシフト量XとステップS105において算出した容量維持率Yとを用いて,二次電池100の異常劣化判定を行う(S106)。すなわち,前述したように,容量維持率Yの所定期間における低下量に対するピークシフト量Xの所定期間の増加量により判定値を算出する。算出した判定値が判定閾値よりも大きいときには,二次電池100が異常劣化状態であると判定する(S106:YES)。一方,本形態のコントローラ30は,異常劣化状態であると判定しない場合には,二次電池100の劣化が通常劣化の範囲内であると判定する(S106:NO)。これにより,コントローラ30は,適切に二次電池100に異常劣化が生じているか否かを判定することができる。
また,本形態のコントローラ30は,図7に二点鎖線で示すように,二次電池100が異常劣化状態であると判定したときには(S106:YES),これをユーザー等に通知する(S107)。そのため,本形態の車両1には,二次電池100が異常劣化状態であることを表示する表示部が設けられている。
さらに,本形態のコントローラ30は,図7に二点鎖線で示すように,二次電池100が異常劣化状態であると判定したときには(S106:YES),二次電池100の充放電を制限する制限制御を行う(S108)。これにより,異常劣化が生じている二次電池100が使用されることを防止する。なお,異常劣化判定には,二点鎖線で示すステップS107,ステップS108は必須ではない。
なお,上記では,車両1に搭載されている二次電池システム6のコントローラ30により,異常劣化判定を行うものとして説明している。しかし,異常劣化判定を行うコントローラは,必ずしも車両1に搭載されている必要はない。すなわち,例えば,上記で説明した車両1のコントローラ30と同様にピークシフト量X,容量維持率Y等を算出するとともに異常劣化判定を行うコントローラを,外部電源46側に設けておいてもよい。この場合,車両1の電源プラグ8が外部電源46に接続されたときに,その外部電源46に設けられているコントローラにより,車両1に搭載されている二次電池100の異常劣化判定を行うことができる。
また,異常劣化判定を適切に行うためには,ピークシフト量Xとして適切な値を用いることが好ましい。つまり,充電制御において,V−dQ/dV曲線よりピーク値Wおよびピーク電圧Vpを適切に求めることが好ましい。ここで,ピーク値Wは,完全放電状態の二次電池100を満充電まで充電する充電制御において作成されるV−dQ/dV曲線について,dQ/dVの値の最大値をとることで正確に求まる値である。また,正確なピーク電圧Vpは,完全放電状態から満充電まで充電する充電制御において作成されるV−dQ/dV曲線のピーク値Wを基に求めることができる。
ただし,初期ピーク電圧Vp0は,その取得時である出荷前に既知の値である。また,ピーク電圧Vpは,出荷後,二次電池100が使用されることにより初期ピーク電圧Vp0よりも高い値となる。よって,異常劣化判定は,充電制御が,二次電池100の電池電圧Vが初期ピーク電圧Vp0未満である状態で開始された場合に行うことが好ましい。充電制御の開始時における二次電池100の電池電圧Vが初期ピーク電圧Vp0未満である場合には,その充電制御において,V−dQ/dV曲線よりピーク値Wおよびピーク電圧Vpを適切に取得することができるからである。
また例えば,異常劣化判定に係る充電制御の前に,二次電池100の電池電圧Vが初期ピーク電圧Vp0未満となるように調整を行うこととしてもよい。具体的には,充電制御前に二次電池100の電池電圧Vを検出し,検出した電池電圧Vが初期ピーク電圧Vp0以上である場合には,電池電圧Vが初期ピーク電圧Vp0未満になるまで二次電池100を放電させる。そして,放電により電池電圧Vが初期ピーク電圧Vp0未満になった後,充電制御を行い,その充電制御に基づいて異常劣化判定を行えばよい。なお,このような方法を採用する場合であっても,検出した電池電圧Vが初期ピーク電圧Vp0未満である場合には,そのまま充電制御および異常劣化判定を行うこととすればよい。
また,上記では,二次電池100を充電する充電制御の期間において取得したV−dQ/dV曲線に基づいて異常劣化判定を行うものとしている。しかし,二次電池100が放電された期間においても,当然,V−dQ/dV曲線を取得することは可能である。このため,二次電池100を放電する放電制御を行うとともに,その放電制御の期間において取得したV−dQ/dV曲線よりピーク電圧Vpを定めてピークシフト量Xを算出し,算出されたピークシフト量Xに基づいて異常劣化判定を行うこととしてもよい。
以上詳細に説明したように,本実施の形態のコントローラ30は,二次電池100に接続された回路に充電電流を流す充電制御を行う。充電制御では,二次電池100の電池電圧Vの変化量dVに対する二次電池100の蓄電量Qの変化量dQの割合であるdQ/dVの値を算出する。さらに,dQ/dVの値が最大値となる電池電圧Vの値をピーク電圧Vpとして定めるとともに,ピーク電圧Vpの初期ピーク電圧Vp0からの変化量であるピークシフト量Xを算出する。また,ピークシフト量Xを算出するとともに,ピークシフト量Xを算出した場合の二次電池100の容量維持率Yについても算出する。さらに,コントローラ30は,充電制御において算出した容量維持率Yおよびピークシフト量Xを用い,容量維持率Yの所定期間における低下量に対する,ピークシフト量Xの所定期間における増加量により判定値を算出する。算出した判定値と,二次電池100の通常劣化時について予め定めた判定閾値とを比較する。判定閾値は,二次電池100の通常劣化時について予め定めた容量維持率の所定期間における低下量に対するピークシフト量の所定期間における増加量である。そして,判定値が判定閾値よりも大きいときに,二次電池100に異常劣化が生じていると判定する。これにより,リチウムイオン二次電池の異常劣化を適切に検知することのできるリチウムイオン二次電池の異常劣化検知装置および異常劣化検知方法が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,上記の実施形態では,本発明をハイブリッド自動車に適用した例について説明したが,電気自動車等にも適用することができる。また,本発明は,自動車に限らず,その他のリチウムイオン二次電池を用いる機器などにも適用することができる。
また,上記の実施形態では,出荷後,2回目以降の異常劣化判定時には,今回の異常劣化判定よりも前に算出した容量維持率Yとして,先回の異常劣化判定に係る充電制御において算出した容量維持率Yの値を用いることとしている。また,出荷後,2回目以降の異常劣化判定時には,今回の異常劣化判定よりも前に算出したピークシフト量Xとして,先回の異常劣化判定に係る充電制御において算出したピークシフト量Xの値を用いることとしている。しかし,出荷後,2回目以降の異常劣化判定時にも,今回の異常劣化判定よりも前に算出した容量維持率Y,ピークシフト量Xとして,それぞれの初期値を用いることとしてもよい。また例えば,今回の異常劣化判定よりも前に算出した容量維持率Y,ピークシフト量Xとしては,先回よりも前の異常劣化判定に係る充電制御において算出した容量維持率Y,ピークシフト量Xの値を用いることとしてもよい。
また,上記の実施形態では,満充電容量を,充電制御により満充電まで充電がなされたときの蓄電量Qの値を用いている。しかし,満充電容量は,実際に満充電まで充電をしない場合にも,充電制御の途中に推定により算出することもできる。そして,その満充電容量の推定値により,容量維持率Yを求めることとしてもよい。
また,上記の実施形態では,充電制御を,車両1の電源プラグ8が外部電源46に接続されたときから開始する場合について具体的に説明している。しかし,充電制御前に,一旦,二次電池100を完全放電させることとしてもよい。そして,完全放電状態の二次電池100を満充電まで充電する充電制御において検出された電流値Iを積算することで,満充電容量をより正確に算出することができるからである。つまり,容量維持率Yをより正確に算出し,異常劣化判定をより正確に行うことができるからである。
また,上記の実施形態では,正極活物質としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3を用いたリチウムイオン二次電池について異常劣化判定を行う場合について説明している。しかし,正極活物質としては,LiNi1/3Co1/3Mn1/3以外の材料を用いることもできる。具体的には,例えば,リチウムニッケル系複合酸化物,リチウムコバルト系複合酸化物,リチウムマンガン系複合酸化物等を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池にも適用することができる。ここで,リチウムニッケル系複合酸化物は,リチウムとニッケルとを構成金属元素として含む酸化物のことである(典型的にはLiNiO)。さらに,リチウムニッケル系複合酸化物には,LiNiOのニッケルサイトの一部(典型的には原子数換算でNiの半分以下)を他の金属元素(コバルトやアルミニウム等)によって置換してなるものも含まれる。リチウムコバルト系複合酸化物,リチウムマンガン系複合酸化物についても,リチウムニッケル系複合酸化物と同様の意味である。なお,リチウムニッケル系複合酸化物,リチウムコバルト系複合酸化物,リチウムマンガン系複合酸化物はいずれも,リチウムイオン二次電池の蓄電量の変動とともに酸化還元電位の変動する正極活物質である。また,蓄電量が変動しても酸化還元電位が変動しない正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池についても,本発明により適切に異常劣化が生じているか否かの判定を行うことができる。
1 車両
6 二次電池システム
10 組電池
30 コントローラ
40 電圧検出部
50 電流検出部
100 二次電池
W ピーク値
Vp ピーク電圧
Vp0 初期ピーク電圧
X ピークシフト量
Y 容量維持率

Claims (2)

  1. リチウムイオン二次電池の異常劣化検知装置において,
    リチウムイオン二次電池に接続された回路に電流が流れた通電期間に,リチウムイオン二次電池の電池電圧Vの変化量dVに対するリチウムイオン二次電池の蓄電量Qの変化量dQの割合であるdQ/dVの値を算出するdQ/dV算出部と,
    前記dQ/dVの値が最大値となる前記電池電圧Vの値をピーク電圧として定めるとともに,定めた前記ピーク電圧の,予め取得したリチウムイオン二次電池の初期の前記ピーク電圧からの変化量であるピークシフト量を算出するピークシフト量算出部と,
    前記ピークシフト量算出部により前記ピークシフト量を算出した場合のリチウムイオン二次電池の満充電容量を算出し,予め取得したリチウムイオン二次電池の初期の満充電容量に対する割合として容量維持率を算出する容量維持率算出部と,
    前記容量維持率算出部で算出した前記容量維持率の所定期間における低下量に対する,前記ピークシフト量算出部で算出した前記ピークシフト量の前記所定期間における増加量が,リチウムイオン二次電池の通常劣化時について予め定めた前記容量維持率の前記所定期間における低下量に対する前記ピークシフト量の前記所定期間における増加量よりも大きいときに,リチウムイオン二次電池に異常劣化が生じていると判定する異常劣化判定部とを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池の異常劣化検知装置。
  2. リチウムイオン二次電池の異常劣化検知方法において,
    リチウムイオン二次電池に接続された回路に電流が流れた通電期間に,リチウムイオン二次電池の電池電圧Vの変化量dVに対するリチウムイオン二次電池の蓄電量Qの変化量dQの割合であるdQ/dVの値を算出するdQ/dV算出工程と,
    前記dQ/dVの値が最大値となる前記電池電圧Vの値をピーク電圧として定めるとともに,定めた前記ピーク電圧の,予め取得したリチウムイオン二次電池の初期の前記ピーク電圧からの変化量であるピークシフト量を算出するピークシフト量算出工程と,
    前記ピークシフト量算出工程により前記ピークシフト量を算出した場合のリチウムイオン二次電池の満充電容量を算出し,予め取得したリチウムイオン二次電池の初期の満充電容量に対する割合として容量維持率を算出する容量維持率算出工程と,
    前記容量維持率算出工程で算出した前記容量維持率の所定期間における低下量に対する,前記ピークシフト量算出工程で算出した前記ピークシフト量の前記所定期間における増加量が,リチウムイオン二次電池の通常劣化時について予め定めた前記容量維持率の前記所定期間における低下量に対する前記ピークシフト量の前記所定期間における増加量よりも大きいときに,リチウムイオン二次電池に異常劣化が生じていると判定する異常劣化判定工程とを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池の異常劣化検知方法。
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