JP3301851B2 - 平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版

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JP3301851B2
JP3301851B2 JP4539694A JP4539694A JP3301851B2 JP 3301851 B2 JP3301851 B2 JP 3301851B2 JP 4539694 A JP4539694 A JP 4539694A JP 4539694 A JP4539694 A JP 4539694A JP 3301851 B2 JP3301851 B2 JP 3301851B2
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銀錯塩拡散転写法を応
用した明室用平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版は、油脂性のインキを受理す
る親油性の画線部分と、インキを受理しない撥油性の非
画線部分とからなり、一般に該非画線部は水を受け付け
る親水性部分から構成されている。通常の平版印刷で
は、水とインキの両方を版面に供給し、画線部は着色性
のインキを、非画線部は水を選択的に受け入れ、該画線
上のインキを、例えば紙等の被印刷体に転写させること
によって印刷がなされている。
【0003】従って、良い印刷物を得るためには、画線
部と非画線部の親油性及び親水性の差が十分に大きく
て、水及びインキを版面に供給した時に、画線部は十分
量のインキを受け付け、非画線部は全くインキを受付け
ないことが必要である。
【0004】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた平
版印刷版、特にハロゲン化銀乳剤層の上に物理現像核層
を有する平版印刷版は、例えば、米国特許第3,72
8,114号、同第4,134,769号、同第4,1
60,670号、同第4,336,321号、同第4,
501,811号、同第4,510,228号、同第
4,621,041号明細書等に記載されており、露光
されたハロゲン化銀結晶は、DTR現像により化学現像
を生起し黒色の銀となり親水性の非画線部を形成し、一
方、未露光のハロゲン化銀結晶は現像液中の銀塩錯化剤
により銀塩錯体となって表面の物理現像核層まで拡散
し、核の存在により物理現像を生起してインキ受容性の
物理現像銀を主体とする画線部を形成する。
【0005】このように、該平版印刷版ではゼラチン−
ハロゲン化銀乳剤層の上にある物理現像核層上に析出し
た銀像をインキ受容性の画線部として利用するため、一
般の平版印刷版(例えばPS版等)に比して、画線部の
機械的摩耗に対する抵抗性が不十分であり、画線部が欠
落したり、画線部のインキ受容性が徐々に失われ易いと
いう欠点を有している。
【0006】この欠点を克服するために、ゼラチンの硬
膜度を高くしたり、物理現像核の量を多くすれば、該平
版印刷版の耐汚れ性が著しく低下する。また、該平版印
刷版では非画像部の親水性を、主にゼラチン表面の親水
性によって実現しているが、これは一般の平版印刷版で
主に使われる、親水化処理したアルミ表面に比べ、耐汚
れ性が印刷により比較的低下しやすいという欠点を有し
ている。
【0007】平版印刷版の表面凹凸が印刷性に与える影
響は、PS版の分野でも公知であるが、本発明の銀錯塩
拡散転写法を用いた平版印刷版でも、重要な因子である
ことが明らかになった。特に、銀錯塩拡散転写法を用い
た平版印刷版では、非画像部は主としてゼラチン皮膜よ
りなっており、本来は親水性は高いものの、画像部の耐
刷性を向上させるために用いる、マット化剤により表面
のマット性が大きく(表面の凹凸が大きく)設計される
ことが一般的であった。本発明者らは、表面のマット性
と印刷汚れの相関性を検討し、本発明において、該下塗
層中にマット化剤を含有する平版印刷版に於て、該平版
印刷版の中心線平均粗さRa値を特定することにより、
非画像部の印刷汚れを大幅に減少させうることを見いだ
した。
【0008】コンベンショナルの製版の分野では、印刷
物の複雑さ、スキャナーの発達などにより、明室フィル
ムが返し工程に用いられ、多数のフィルム原稿から集版
されて、最終のフィルム(完全版下)が作成される。通
常、このフィルムからPS版に密着焼きされ処理され
て、印刷版として供される。一方、上記の銀塩拡散転写
法を用いる平版印刷版は、通常、ダイレクト製版と呼ば
れ、反射原稿を貼合わせした完全版下を反転ミラーを有
する製版カメラによりカメラ撮影して、拡散転写処理を
行い、直接、平版印刷版を作成するものである。フィル
ム/PS版のシステムと比較し、低コスト、時間節約な
どが特徴であるが、耐刷が数万枚までであること、光学
系に起因する画質の低下が見られることなどが欠点とさ
れている。しかし、上記の特徴を生かし、小ロット印刷
に用いられており、中ロット及び大ロットの印刷の場
合、PS版を使用するという使い分けがされていること
が多い。
【0009】近年、カスタマー側でも印刷物在庫を減少
させようとするため、印刷の小ロット化が進み、かつ再
版・三版というように、同じフィルムを何回も使用し、
印刷するケースが多くなってきている。上記のように、
銀塩拡散転写法を用いる平版印刷版とPS版を併用する
場合、印刷条件、例えば、印刷版仕立て、湿し水、イン
キ等、を変える場合が多く、これらの併用は作業性を低
下させる。この様な背景から集版フィルムから明室下で
密着焼きの可能な銀塩拡散転写法を用いる平版印刷版に
対する要望が出てきた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、明室
下で扱うことのできる銀錯塩拡散転写法を用いた平版印
刷版を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体上に少なくとも一つの下塗層及びハロゲン化銀乳剤
層及び物理現像核を順次塗布されてなる平版印刷版に於
て、 (1) 該ハロゲン化銀乳剤は少なくとも80モル%の塩化
銀を含むネガ型ハロゲン化銀乳剤からなり、 (2) 該ハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒子サイズは0.2
ミクロン以下であり、 (3) 該ハロゲン化銀乳剤はハロゲン化銀1モル当り10
-8〜10-5モルの水溶性ロジウム塩及び/又はポーラロ
グラフの陽極電位と陰極電位の和が正である有機減感剤
の少なくとも1種を用いて製造されており、 (4) 該下塗層バインダー対該ハロゲン化銀乳剤層バイン
ダーの比が1.5:1〜8:1であることを特徴とする
明室用平版印刷版を提供することにより達成された。
【0012】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
少なくとも80モル%の塩化銀を含むネガ乳剤である。
ネガ乳剤とは、直接ポジ用ハロゲン化銀乳剤と区別され
る、ポジ原稿に対してネガ画像を形成する通常タイプの
ハロゲン化銀乳剤である。好ましくは90モル%以上の
塩化銀を含むハロゲン化銀乳剤である。塩化銀が80モ
ル%未満では、明室下での作業ができなくなる。即ち、
明室プリンターを使用する際には、紫外線カットしたフ
ィルターチューブを捲いた蛍光灯下で、明室感材を取り
扱うことになるが、この場合、カブリ又はセーフライト
減感が引き起こされる。ヨウ化銀は、実質的に含まない
ことが好ましいが、極微量、例えば0.2モル%程度は
必要に応じて含むこともできる。
【0013】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤粒子
の平均粒子サイズは、0.2ミクロン以下である。平均
粒子サイズが0.2ミクロンを越えると、上記の明室下
でのカブリ又はセーフライト減感が引き起こされる。
【0014】本発明に用いられる水溶性ロジウム塩は、
従来知られているものが用いられるが、代表的には、ロ
ジウムモノクロライド、ロジウムジクロライド、ロジウ
ムトリクロライド、ロジウムアンモニウムクロライド等
が用いられる。ロジウム塩は、一般にはハロゲン化銀の
混合もしくは物理熟成時に用いることが好ましいが、そ
の後の任意の時期に用いることもできる。ロジウム塩の
量はハロゲン化銀1モル当り10-8〜10-5モル好まし
くは10-7〜5×10-6モルの範囲で選択され、ハロゲ
ン化銀1モル当り10-8モル以下になると明室下での作
業ができなくなる。
【0015】本発明に用いられる有機減感剤は、そのポ
ーラログラフ半波電位、即ち、ポーラログラフィーで決
定されるその酸化還元電位によって特徴づけられる。本
発明に有用な有機減感剤は、ポーラログラフ陽極電位と
ポーラログラフ陰極電位の和が正であるものである。こ
れらの酸化還元電位の測定については、例えば、米国特
許第3,501,307号明細書に記載されている。そ
のような有機減感剤の具体例は、数多くの特許明細書、
文献に記載されており、それらはいずれも本発明におい
て同じ作用をもっているものであって、例えば、特公昭
36−17595、同昭40−26751、同昭43−
13167、同昭45−8833、同昭47−874
6、同昭47−10197、同昭50−37530、特
開昭48−24734、同昭49−84639、同昭5
6−142525、米国特許第2,271,229号、
同第2,541,472号、同第3,035,917
号、同第3,062,651号、同第3,124,45
8号、同第3,326,687号、同第3,671,2
54号等の明細書に記載の化合物が使用できる。
【0016】以下に例を示している。 (D−1)1,3−ジエチル−1’−メチル−2’−フ
ェニルイミダゾ[4,5−b]キノキサリノ−3’−イ
ンドロカルボシアニン・アイオダイド (D−2)ピナクリプトール・イエロー (D−3)1,1’,3,3,3’,3’−ヘキサメチ
ル−5,5’−ジニトロインドカルボシアニン・p−ト
ルエンスルホネート (D−4)5,5−ジクロロ−3,3’−ジエチル−
6,6’−ジニトロチアカルボシアニン・アイオダイド (D−5)1,1’−ジメチル−2,2’−ジフェニル
−3,3’−インドロカルボシアニン・ブロマイド (D−6)1,1’,3,3’−テトラエチルイミダゾ
[4,5−b]キノキサリノカルボシアニン・クロライ
ド (D−7)5−m−ニトロベンジリデンローダニン (D−8)6−クロロ−4−ニトロ−ニトロベンゾトリ
アゾール (D−9)1,1’−ジブチル−4,4’−ビピリジウ
ム・ジブロマイド (D−10)1,1’−エチレン−2,2’−ビピリジ
ウム・ジブロマイド (D−11)4−(p−n−アミノキシフェニル)−
2,6−ジ(p−エチルフェニル)チアピリリウム・パ
ークロレート (D−12)2−メルカプト−4−メチル−5−ニトロ
チアゾール (D−13)2−(o−ニトロスチリル)−3−エチル
ベンゾチアゾリウム・p−トルエンスルホネート (D−14)2−(p−ニトロスチリル)−キノリン・
p−トルエンスルホネート (D−15)フェノサフラニン (D−16)ピナクリプトール・グリーン (D−17)2,3−ジメチル−6−ニトロ−ベンゾチ
アゾリウム・p−トルエンスルホネート
【0017】本発明に用いられる有機減感剤の使用量は
ハロゲン化銀1モル当り50mg〜5g、好ましくは1
00mg〜3gの範囲で選択される。添加時期は、熟成
終了後に添加するのが一般的であるが限定はされない。
【0018】本発明の平版印刷版の下塗層バインダー対
該ハロゲン化銀乳剤層バインダーの比は1.5:1〜
8:1の範囲である。この範囲を逸脱すると、上記の明
室下でのカブリ又はセーフライト減感が増幅される。
【0019】本発明に用いられるバインダーとしては、
主としてゼラチンであるが、その一部を、水溶性ゼラチ
ン、澱粉、デキストリン、アルブミン、アルギン酸ナト
リウム、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボ
キシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、スチレン
−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルメチルエーテル
−無水マレイン酸共重合体、等の親水性高分子の一種又
は二種以上で置換することも出来る。さらにスチレン−
ブダジエン・ラテックス等のビニル重合体水性分散物
(ラテックス)をゼラチン層に添加することも出来る。
【0020】本発明の平版印刷版のゼラチンの含有層と
しては、下塗り層、乳剤層、また物理現像核層でもあり
うる。これらのゼラチン含有量は、ゼラチン硬膜剤で硬
化することができる。ゼラチン硬膜剤としては、例えば
クロム明ばんのような無機化合物、ホルマリン、グリオ
キザール、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのよう
なアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロー
ル化合物、ムコクロル酸、2,3ージヒドロキシー1,
4ージオキサンの様なアルデヒド類、2,4ージクロロ
ー6ーヒドロキシーS−トリアジン塩や、2,4ージヒ
ドロキシー6ークロロートリアジン塩のような活性ハロ
ゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケト
ンやN、N、N−トリアクロイルヘキサヒドロトリアジ
ン、活性な三員環であるエチレンイミノ基やエポキシ基
を分子中に二個以上有する化合物類、高分子硬膜剤とし
てのジアルデヒド澱粉等の種々の化合物の一種もしくは
二種以上をもちいることができる。
【0021】硬膜剤はすべての層に添加することも出
来、幾つか又は一層にのみ添加することも可能である。
勿論、拡散性の硬膜剤は二層同時塗布の場合、何れか一
層にのみ添加することが可能である。添加方法は乳剤製
造時に添加したり、塗布時にインラインで添加すること
もできる。
【0022】下塗り層の高分子結合剤は 、一般に0.
5〜10g/m2、より好ましくは1〜6g/m2である
。下塗り層にはハレーション防止の目的でカーボンブ
ラック等の顔料、染料等を含み得るし、また耐刷力向上
のために平均粒径2〜10ミクロンの固形粉末(例えば
シリカ粒子)を含み得る。さらに現像主薬等の写真用添
加物も含むことが出来る。また下塗り層は特開昭48−
5503、同昭48−100203、同昭49−165
07に記載のようなものであってもよい。
【0023】本発明において、ハロゲン化銀乳剤粒子の
結晶形態に特に制限はなく、立方体ないし14面体粒
子、さらにはコアシェル型、平板状粒子でもよい。ハロ
ゲン化銀結晶は、単分散、多分散結晶であってもよい。
【0024】乳剤層の上部に存在する表面層には物理現
像核を含む。物理現像核としては銀、アンチモン、ビス
マス、カドミウム、コバルト、鉛、ニッケル、パラジウ
ム、ロジウム、金、白金等の金属コロイド微粒子や、こ
れらの金属の硫化物、多硫化物、セレン化物、又はそれ
らの混合物、混晶であっても良い。物理現像核には、親
水性バインダーを含んでいてもいなくても良いが、ゼラ
チン、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチルセル
ロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒドロ
キシエチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、ビニ
ルイミダゾールとアクリルアミドの共重合体、ポリビニ
ルアルコール等の親水性高分子又はそのオリゴマーを含
むことが出来 、その含有量は0.5g/m2以下である
ことが好ましい。さらに物理現像核層には、ハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、カテコール等の現像主薬
や、ホルマリン、ジクロロ−s−トリアジン等の公知の
硬膜剤を含んでいてもよい。
【0025】下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層、物理現像
核層等の各塗布層には、塗布助剤として、陰イオン、陽
イオンもしくは中性界面活性剤のいくつかを含んでいて
もよいし、カブリ防止剤、マット剤、増粘剤、帯電防止
剤等を含むことが出来る。
【0026】本発明の平版印刷版の支持体としては、
紙、又は合成もしくは半合成高分子フィルム、アルミニ
ウム、鉄等の金属板等で平版印刷に耐えるものであれば
使用することが出来る。支持体の表面を一層又はそれ以
上の高分子フィルム、又は金属薄膜で、片面もしくは両
面を被覆することも出来る。これらの支持体の表面を塗
布層との接着を良くする為に表面処理することも可能で
ある。
【0027】特に好ましく用いられる支持体は、両面も
しくは片面をポリオレフィン重合体で被覆した紙、ポリ
エステルフィルム、表面を親水化処理したポリエステル
フィルム、表面処理を行ったアルミニウム板等である。
これらの支持体にはハレーション防止のための顔料や表
面物性改良の為に固形微粒子を含んでいてもよい。又支
持体は裏面露光が可能なように光透過性であっても良
い。
【0028】本発明で使用する現像処理液には、アルカ
リ性物質、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム等、保恒剤とし
ての亜硫酸塩、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、
チオシアン酸塩、環状イミド、2−メルカプト安息香
酸、アミン等、粘稠剤、例えばヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース等、カブリ防止剤、
例えば臭化カリウム、特開昭47−26201に記載の
化合物等、現像剤、例えばハイドロキノン類、カテコー
ル、1−フェニル−3−ピラゾリドン等、現像変性剤、
例えばポリオキシアルキレン化合物、オニウム化合物等
を含むことが出来る。さらに現像処理液には、米国特許
第3,776,728号に記載の如き表面銀層のインキ
乗りを良くする化合物等を使用することが出来る。
【0029】本発明の平版印刷版の現像後の表面銀層
は、任意の公知の表面処理剤でインキ受容性に変換ない
しは受容性を増強せしめ得る。このような処理液として
は、例えば特公昭48−29723、米国特許第3,7
21,559号等に記載されている。印刷方法、あるい
は使用する不感脂化液、給湿液等は普通に良く知られた
方法によることが出来る。以下に本発明を実施例により
説明するが勿論本発明はこれだけに限定されるものでは
ない。
【0030】
【実施例】
【0031】実施例1 135g/m2 両面ポリエチレン被覆紙の片面に平均粒
子サイズ5μのシリカ粒子を含有するマット化層を設
け、反対側の面をコロナ放電加工後、カーボンブラッ
ク、平均粒径7μのシリカ粉末、及び1−フェニル−3
−ピラゾリドン0.1g/m2を含む下塗層(ゼラチン
3.5g/m2)を塗布した。下塗層の硬膜剤として
は、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジ
ンナトリウムを用いた。
【0032】平均粒径0.13ミクロンの立方体結晶か
らなる、ロジウムジクロライドを6.4×10-6モル/
モルAgを含有するゼラチン塩化銀乳剤をダブルジェッ
ト法により調製し、フロキュレーション法により脱塩、
水洗、再溶解した乳剤にカブリ防止剤、界面活性剤、硬
膜剤を加えてメイクアップした後、上記のポリエチレン
被覆紙の下塗層の上に硝酸銀に換算して1.5g/m
2 、ゼラチン1.0g/m2になるように塗布した。
(中間試料1)
【0033】比較として、平均粒径0.13ミクロンの
立方体結晶からなる、ロジウムジクロライドを10-9
ル/モルAgを含有するゼラチン塩化銀乳剤をダブルジ
ェット法により調製し、以下同様にしてメイクアップし
た後、上記のポリエチレン被覆紙の下塗層の上に同様に
塗布した。(中間試料a)
【0034】各々の中間試料の乾燥後、特開昭53−2
1602の実施例2に記載の核塗布液(ポリマーとして
はNo.3のアクリルアミドとイミダゾールとの共重合体を
含み現像主薬としてハイドロキノンを0.8g/m2
割合で含む)を塗布、乾燥し、各々、平版印刷版を作成
した(試料1、比較例A)。
【0035】これらの平版印刷版を、明室用プリンター
を用いてセンシトメトリー用の露光及び像露光を行い、
下記の銀錯塩拡散転写現像液により30℃で1分間現像
処理を行った。
【0036】<転写現像液> 水 700 ml 水酸化カリウム 20 g 無水亜硫酸ナトリウム 50 g 2−メルカプト安息香酸 1.5g 2−メチルアミノエタノール 15 g 水を加えて1リットルとする。
【0037】現像処理後、該原版を2本の絞りローラー
間に通し、余分の現像液を除去し、直ちに下記組成を有
する中和液で25℃20秒間処理し、絞りローラーで余
分の液を除去し室温で乾燥した。
【0038】<中和液> 水 600 ml クエン酸 10 g クエン酸ナトリウム 35 g コロイダルシリカ(20%液) 5 ml エチレングリコール 5 ml 水を加えて1リットルとする。
【0039】次に、約500ルックスの紫外線を除去し
た明室光即ち東芝FL40SWNUの蛍光灯下で5時間
照射した後に、明室用プリンターを用いてセンシトメト
リー用の露光及び像露光を行い、以下同様の処理を行っ
た。
【0040】以上の操作により作成した平版印刷版をオ
フセット印刷機に装着し、下記の不感脂化液を版面にく
まなく与え、下記給湿液を用いて印刷を行った。
【0041】 <不感脂化液> 水 600 ml イソプロピルアルコール 400 ml エチレングリコール 50 g 3−メルカプト−4−アセトアミド− 5−n−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール 1 g
【0042】<給湿液> o−リン酸 10 g 硝酸ニッケル 5 g 亜硝酸ナトリウム 5 g エチレングリコール 100 g コロイダルシリカ(20%液) 28 g 水を加えて2リットルとする。
【0043】印刷機は、ハイデルベルグTOK(ハイデ
ルベルグ社製オフセット印刷機の商標)を使用し、給水
装置としてDDS(直接給水装置)を用い、インキとし
て大日本インキ製ニューチャンピオンFグロス墨Nを使
用した。耐刷性については、非画像部の地汚れ及び銀画
像部の欠落による画像飛びが生じて印刷に供せなくなっ
た時の印刷枚数で判定した。
【0044】本発明の実施態様である試料1は、紫外線
を除去した蛍光灯下で5時間照射では、感度、階調等の
写真性能の変化は見られず、10,000枚の印刷可で
あった。これに対し、比較例Aは、紫外線を除去した蛍
光灯下で5時間照射で、増感が見られ、かつ、上記の蛍
光灯下の照射したものは、1,000枚で印刷画像の欠
落が発生した。
【0045】実施例2 175μの両面に下引層を設けたPETベースの片面に
平均粒子サイズ5μのシリカ粒子を含有するマット化層
を設け、反対側の面をコロナ放電加工後、カーボンブラ
ック、平均粒径7μのシリカ粉末、及び1−フェニル−
3−ピラゾリドン0.1g/m2を含む下塗層(ゼラチ
ン3.5g/m2)を塗布した。下塗層の硬膜剤として
は、ホルマリンを用いた。
【0046】平均粒径0.18ミクロンの立方体結晶か
らなるゼラチン塩化銀乳剤をダブルジェット法により調
製し、フロキュレーション法により脱塩、水洗、再溶解
した乳剤に、有機減感剤としてピナクリプトール・イエ
ロー(D−2)を200mg/モルAg加えて、更に、
カブリ防止剤、界面活性剤、硬膜剤を加えてメイクアッ
プした後、上記のPETベースの下塗層の上に実施例1
と同様に塗布した(中間試料2)。以下実施例1と同様
にして、上塗層を設けた(試料2)。
【0047】以下、実施例1と同様にして、この平版印
刷版を、明室用プリンターを用いてセンシトメトリー用
の露光及び像露光を行い、銀錯塩拡散転写現像液及び中
和液により処理した。また、実施例1と同様にして、こ
の平版印刷版を、紫外線を除去した蛍光灯下で5時間照
射した後、同様に処理した。
【0048】以上の操作により作成した平版印刷版をオ
フセット印刷機に装着し、実施例1と同様にして、印刷
評価した。
【0049】本発明の実施態様である試料2は、紫外線
を除去した蛍光灯下で5時間照射では、感度、階調等の
写真性能の変化は見られず、10,000枚の印刷可で
あった。
【0050】実施例3 実施例2のピナクリプトール・イエローの代わりに、有
機減感剤(D−1)、(D−5)、(D−8)、(D−
10)または(D−13)を、それぞれ200mg/モ
ルAg用いること以外実施例2の試料2と同様にして、
試料3、試料4、試料5、試料6または試料7を作成
し、実施例1と同様に評価した。これらはいずれも、紫
外線を除去した蛍光灯下で5時間照射では、感度、階調
等の写真性能の変化は見られず、10,000枚の印刷
可であった。
【0051】実施例4 175μの両面に下引層を設けたPETベースの片面に
平均粒子サイズ5μのシリカ粒子を含有するマット化層
を設け、反対側の面をコロナ放電加工後、カーボンブラ
ック、平均粒径5μのシリカ粉末、及び1−フェニル−
3−ピラゾリドン0.1g/m2を含み 、表1に記載さ
れたバインダー量を有する下塗層を塗布した。下塗層の
硬膜剤としては、ホルマリンを用いた。
【0052】以下実施例1と同様にして、平均粒径0.
13ミクロンの立方体結晶からなる、ロジウムジクロラ
イドを6.4×10-6モル/モルAgを含有するゼラチ
ン塩化銀乳剤をダブルジェット法により調製した。更
に、実施例1と同様にしてメイクアップした後、上記の
PETベースの下塗層の上に硝酸銀に換算して1.5g
/m2になるように塗布した。また 、バインダー量につ
いては、表1に記載した通りに調整した。以下実施例1
と同様にして、上塗層を設けた。
【0053】以下、実施例1と同様にして、この平版印
刷版を、明室用プリンターを用いてセンシトメトリー用
の露光及び像露光を行い、銀錯塩拡散転写現像液及び中
和液により処理した。また、実施例1と同様にして、こ
の平版印刷版を、紫外線を除去した蛍光灯下で5時間照
射した後、同様に処理した。
【0054】以上の操作により作成した平版印刷版をオ
フセット印刷機に装着し、実施例1と同様にして、印刷
評価した。
【0055】
【表1】
【0056】本発明の実施態様である、試料8、試料
9、及び、試料10はいずれも紫外線を除去した蛍光灯
下で5時間照射では、感度、階調等の写真性能の変化は
見られず、10,000枚の印刷可であった。一方、比
較B、及び、比較Cは共に紫外線を除去した蛍光灯下で
5時間照射では、写真性能の変化が見られ、比較Bは耐
刷の劣化も見られた。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、明室下で扱うことので
きる銀錯塩拡散転写法を用いた平版印刷版を提供するこ
とができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−275553(JP,A) 特開 平5−66564(JP,A) 特開 平1−235957(JP,A) 特開 平1−237552(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/07 G03C 8/06 501

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一つの下塗層及び
    ハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核を順次塗布されてな
    る平版印刷版に於て、(1) 該ハロゲン化銀乳剤は少なく
    とも80モル%の塩化銀を含むネガ型ハロゲン化銀乳剤
    からなり、(2) 該ハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒子サイ
    ズは0.2ミクロン以下であり、(3) 該ハロゲン化銀乳
    剤はハロゲン化銀1モル当り10-8〜10-5モルの水溶
    性ロジウム塩及び/又はポーラログラフの陽極電位と陰
    極電位の和が正である有機減感剤の少なくとも1種を用
    いて製造されており、(4) 該下塗層バインダー対該ハロ
    ゲン化銀乳剤層バインダーの比が1.5:1〜8:1で
    あることを特徴とする明室用平版印刷版
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