JP3301788B2 - インナ−ロ−タ型直流ブラシレスモ−タ - Google Patents

インナ−ロ−タ型直流ブラシレスモ−タ

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JP3301788B2 JP27340492A JP27340492A JP3301788B2 JP 3301788 B2 JP3301788 B2 JP 3301788B2 JP 27340492 A JP27340492 A JP 27340492A JP 27340492 A JP27340492 A JP 27340492A JP 3301788 B2 JP3301788 B2 JP 3301788B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,例えば,シロッコファ
ンやプロペラファン駆動用等に使用されるインナ−ロ−
タ型直流ブラシレスモ−タに関し,特にモ−タに生じる
振動を有効に吸収することの可能なインナ−ロ−タ型直
流ブラシレスモ−タに関する。
【0002】
【従来の技術】従来,この種,用途に使用されるインナ
ロ−タ型直流ブラシレスモ−タは図7に示すように構成
されていた。同図において,Sは固定子,Rは永久磁石
の回転子磁極mと回転子鉄心rより成る回転子,Kは回
路基板,Cは2つ割りのケ−シングで,ボルトVにより
一体に固定されている。Lはシロッコファン(図示せ
ず)等の負荷が取り付けられる負荷軸である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のこの種直流ブラ
シレスモ−タは前記のように構成されており,例えば,
負荷軸Lにシロッコファンを取り付けて駆動する場合に
は,かなりの振動が発生していた。この振動の原因はブ
ラシレスモ−タ単体が発生するものとシロッコファン側
の振動との同期にあつた。このような振動を吸収するた
めに,従来のものでは,図示しないが,直流ブラシレス
モ−タを固定する固定フレ−ムに取り付ける部分におい
て,例えば,ゴム等の弾性体を介在させて吸収を図つて
いた。しかしながら,このような振動吸収手段では振動
の吸収効果が不十分であり,その改善が求められてい
た。本発明は,従来のものの上記課題(問題点)を解決
するようにしたインナロ−タ型直流ブラシレスモ−タを
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記課題を解
決するために,請求項1に記載のものでは,インナ−ロ
−タ型直流ブラシレスモ−タにおいて,回転子を内周に
凹凸形状を有する外側コアと外周に凹凸形状を有する内
側コアとで構成し, 前記外側コアと前記内側コアとの間
に設けられる緩衝材は,その外周に凹凸形状と内周に凹
凸形状を設け,前記外側コアの内周凹凸部と緩衝材の外
周凸凹部が対応し、前記内側コアの外周凹凸部と緩衝材
の内周凸凹部が対応するように形成すると共に,前記緩
衝材の一部が前記外側コア又は内側コアと密着しない少
なくとも1個の空隙を設けるように構成した。この場
合,請求項2に記載するように,前記外側コアと前記内
側コアの間に大部分の領域において互いに密着するよう
に設け,かつ前記緩衝材の一部が前記外側コア又は前記
内側コアの相互と密着しない少なくとも1個の空隙を有
するようにしても良い。さらに,請求項3に記載するよ
うに,前記緩衝材の一部が前記外側コア及び前記内側コ
アの相互と密着しない空隙を,前記緩衝材の外周部又は
前記内側コアの外周部の一部を切り欠くことで形成する
ようにしても良い。
【0005】
【作用】外側コアと内側コアとの間に設けた凹凸のため
に,外側コア及び内側コアと緩衝材との間で滑り(空回
り)を生じることが防止され,かつ,その緩衝材の介在
のためにロ−タ自体の振動が防止され,さらに該緩衝材
と外側コア及び内側コアとの間の大部分は密着するが,
少なくとも1箇所において空隙を設けたために,緩衝材
のねじれが吸収されて緩衝材の弾力特性が十分に活用さ
れることになるためロ−タ自体における振動は適正に吸
収される。
【0006】
【実施例】以下図に示す本発明の各実施例について詳細
に説明する。図1(A),(B)及び図2(A),
(B)は本発明の第1の実施例に用いる回転子の要部を
示すもので,図2(A)及び(B)は積層されるべき外
側コア1の1枚及び同じく積層されるべき内側コア2の
1枚それぞれの平面図を示す。図1(A),(B)に示
す外側コア1及び内側コア2はこれらの多数枚が積層さ
れたものである。図2(A)において4箇所に示される
1Aは,外側コア1枚1枚にV字状に打ち抜かれて形成
されたかしめ部であつて,上側と下側のコアが強い力で
積層される時,かしめ部1Aによつて互いにかしめ固定
されるものである。尚,図2(B)に示した符号2Aも
同様のかしめ部である。また,1B及び2Bはそれぞれ
治具穴で,これらの治具穴1B,2Bは積層組立の時に
棒状の治具を挿入して組立時の積層ずれを防止するため
に使用される。
【0007】図1(A)を参照すれば,それぞれ積層さ
れた外側コア1及び内側コア2の平面図(断面形状)が
示され,両者の間に緩衝材,例えば緩衝ゴム(耐熱EP
Mゴム)3が挿入されている。ここで,もし外側コア1
及び内側コア2のそれぞれの内面及び外面が円形であ
り,かつ緩衝ゴム3の外面及び内面が同様に円形である
とすると,大きな負荷を高トルクで回転させる場合,外
側コア1,内側コア2及び緩衝ゴム3(3者)は互いに
空回りする恐れが十分にあり不都合である。従って,本
発明では,上記3者相互の空回りを防止するために,外
側コア1の内面には図2(A)に示すような4個の突起
部1Cが,また同様に内側コア2の外面には図2(B)
に示すような4個の突起部2Cが軸対称位置に設けてあ
る。この場合,内側コア2の突起部2Cは外側コア1の
突起部1Cの間,即ち,凹部に相対する位置にある。一
方,緩衝ゴム3にはこれらの突起部1C及び2Cに嵌合
する形状の凹部が設けられている。この突起部及び凹部
の個数は任意に設定可能であり,従って内側コア2の形
状は図示のような糸巻型4角形に限られず,緩衝ゴム3
の空回りを防止するために多角形例えば三角形,5角形
または8角形であつても良い。
【0008】図1(B)は図1(A)に示す線A−O−
Bに沿う断面図であつて,図から明らかな通り,緩衝ゴ
ム3は積層された外側コア1及び積層された内側コア2
の間にそれぞれ密着するように装着されている。4はロ
−タシャフト,4aはこのシャフト4を挿入するための
シャフト穴である。図1(A)において,2箇所に示さ
れる空隙3Aは,図1(B)に示されるように緩衝ゴム
3と外側コア1との間に形成される隙間であつて,この
空隙3Aを設けることによつて緩衝ゴム3の弾力が振動
防止に有効に作用する。この空隙3Aの大きさは緩衝ゴ
ムの弾性係数と関係があり,弾性係数の大きな材料の場
合には,この空隙3Aの大きさは比較的小さく設定し,
一方,弾性係数の小さい材料の場合には比較的大きく設
定することが望ましい。この設定の一例を示せば,硬度
50度のEPMゴムで,緩衝ゴム3の直径の約5%程度
とすれば良い。この実施例において,空隙3Aはロ−タ
シャフト4を対称に2箇所に設けられているが,ロ−タ
シャフト4と対称にさらに2箇所を設けて合計4箇所と
することも可能である。図3は上記のように構成される
本発明の第1の実施例の回転子を示すもので,同図
(A)はボ−リベアリングを除いて見た側面図,同図
(B)は半部縦断正面図で縦長にして描いている。図3
において,1は外側コア,2は内側コア,3は緩衝ゴ
ム,4はロ−タシャフト,5はマグネット,6及び7は
それぞれボ−リベアリングである。
【0009】図4は本発明の第2の実施例を示すもので
あつて,前述した空隙3Aと同等目的で設ける空隙3B
が,内側コア2に設けた2箇所の凹部2Dと緩衝ゴム3
との間に形成されている。図5は本発明の第3の実施例
であって,前記の空隙3Bを4箇所設けるようにした構
成例を示すものである。
【0010】図6は,本発明の第4の実施例を示すもの
で,今までに述べた2種類の空隙3A及び3Bが共に備
えられている。即ち,外側コア1と緩衝ゴム3との間に
形成される空隙3Aと,内側コア2と緩衝ゴム3との間
に形成される空隙3Bとの2種類の空隙が設けられてい
る。
【0011】
【発明の効果】本発明のインナ−ロ−タ型直流ブラシレ
スモ−タは,上記のように構成したから,次のような優
れた効果を有する。外側コアと内側コアに対して,緩
衝材の形状と対応して適切な凹凸を設けるようにしたか
ら,外側コア,内側コアの間に挿入される緩衝ゴムの空
回りが有効に防止される。外側コアと内側コアとの間
に設けられる緩衝材とは大部分では密着するが,少なく
とも1箇所において空隙を設けるようにしたから,この
空隙の部分で,緩衝ゴムのねじりを吸収して弾性効果を
より高めることができ,この結果,ロ−タ自体における
振動を確実に吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるインナ−ロ−タを
示すもので,同図(A)はその平面図,同図(B)は同
図(A)におけるA−O−Bに沿つた断面図である。
【図2】図1のインナ−ロ−タにおける外側コア及び内
側コアを示すもので,同図(A)は外側コアの平面図,
同図(B)は内側コアの平面図である。
【図3】本発明の第1の実施例の回転子の構成を示すも
ので,同図(A)はボ−リベアリングを除いて見た側面
図,同図(B)は半部縦断正面図である。
【図4】本発明の第2の実施例であるインナ−ロ−タの
平面図である。
【図5】本発明の第3の実施例であるインナ−ロ−タの
平面図である。
【図6】本発明の第4の実施例であるインナ−ロ−タの
平面図である。
【図7】従来例の構成である半部を縦断して示した正面
図である。
【符号の説明】
1:外側コア 1C,2C:突起部 2:内側コア 2D:凹部 3:緩衝ゴム(緩衝材) 3A,3B:空隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 29/00 H02K 5/24 H02K 21/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インナ−ロ−タ型直流ブラシレスモ−タ
    において, 回転子を内周に凹凸形状を有する外側コアと外周に凹凸
    形状を有する内側コアとで構成し, 前記外側コアと前記内側コアとの間に設けられる緩衝材
    は,その外周に凹凸形状と内周に凹凸形状を設け,前記
    外側コアの内周凹凸部と緩衝材の外周凸凹部が対応し、
    前記内側コアの外周凹凸部と緩衝材の内周凸凹部が対応
    するように形成すると共に,前記緩衝材の一部が前記外
    側コア又は内側コアと密着しない少なくとも1個の空隙
    を設けるようにしたことを特徴とするインナ−ロ−タ型
    直流ブラシレスモ−タ。
  2. 【請求項2】 インナ−ロ−タ型直流ブラシレスモ−タ
    において, 回転子を内周に凹凸形状を有する外側コアと外周に凹凸
    形状を有する内側コアとで構成し,前記外側コアと前記内側コアとの間に設けられる緩衝材
    は、その外周に凹凸形状と内周に凹凸形状を設け,前記
    外側コアの内周凹凸部と緩衝材の外周凸凹部が対応し、
    前記内側コアの外周凹凸部と緩衝材の内周凸凹部が対応
    するように形成すると共に,前記外側コアと前記内側コ
    アの間に大部分の領域において互いに密着するように設
    け, かつ前記緩衝材の一部が前記外側コア又は前記内側
    コアの相互と密着しない少なくとも1個の空隙を有する
    ようにしたことを特徴とするインナ−ロ−タ型直流ブラ
    シレスモ−タ。
  3. 【請求項3】 前記緩衝材の一部が前記外側コア及び前
    記内側コアの相互と密着しない空隙を, 前記緩衝材の外周部又は前記内側コアの外周部の一部を
    切り欠くことで形成するようにしたことを特徴とする請
    求項1又は2に記載の インナ−ロ−タ型直流ブラシレス
    モ−タ。
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