JP3299298B2 - ガス選択透過性複合膜 - Google Patents
ガス選択透過性複合膜Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス選択透過性複合膜
に関し、特に、高いガス透過性と膜の機械的強度を持
ち、自己支持性があり、さらに高レベルのガス選択分離
能を有するガス選択透過性複合膜に関する。
に関し、特に、高いガス透過性と膜の機械的強度を持
ち、自己支持性があり、さらに高レベルのガス選択分離
能を有するガス選択透過性複合膜に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス選択透過性材料の中でも、酸素富化
膜は、工業用、医療用、その他の産業分野で多くの用途
がある。例えば、工業用の用途では、酸素富化空気によ
る化石燃料の燃焼効率の改善、短時間に高温が得られる
省エネルギー効果、低品位石炭の活用、さらに、酸素富
化空気使用に伴う供給空気量減少による窒素酸化物の発
生の減少、環境汚染の低減等に有効である。この工業用
の用途には、酸素濃度が28〜35%程度の酸素富化空
気で十分とされているが、単位時間当りに大量の酸素富
化空気が必要であるため、酸素富化膜を大面積の透過膜
面を有するものにするか、厚さ1/100〜1/100
0μm程度の極薄膜として、大量の空気を処理して酸素
富化空気を製造する装置が必要である。しかし、この要
求を実用上満足する酸素富化膜は、得られていない。
膜は、工業用、医療用、その他の産業分野で多くの用途
がある。例えば、工業用の用途では、酸素富化空気によ
る化石燃料の燃焼効率の改善、短時間に高温が得られる
省エネルギー効果、低品位石炭の活用、さらに、酸素富
化空気使用に伴う供給空気量減少による窒素酸化物の発
生の減少、環境汚染の低減等に有効である。この工業用
の用途には、酸素濃度が28〜35%程度の酸素富化空
気で十分とされているが、単位時間当りに大量の酸素富
化空気が必要であるため、酸素富化膜を大面積の透過膜
面を有するものにするか、厚さ1/100〜1/100
0μm程度の極薄膜として、大量の空気を処理して酸素
富化空気を製造する装置が必要である。しかし、この要
求を実用上満足する酸素富化膜は、得られていない。
【0003】また、医療用の用途では、酸素富化空気
は、喘息や肺疾患等の呼吸器系患者用、その他に使用さ
れている。この用途では、30〜40%の酸素富化空気
を5〜10リットル/分程度の供給速度で供給すること
が要求される。この用途においては、性能の高い酸素富
化膜は、酸素富化空気の製造装置の小型、軽量化、価格
の低減に寄与することができるが、高い酸素透過係数を
有し、酸素透過係数/窒素透過係数の比が4以上である
酸素富化膜は、実用化されていない。
は、喘息や肺疾患等の呼吸器系患者用、その他に使用さ
れている。この用途では、30〜40%の酸素富化空気
を5〜10リットル/分程度の供給速度で供給すること
が要求される。この用途においては、性能の高い酸素富
化膜は、酸素富化空気の製造装置の小型、軽量化、価格
の低減に寄与することができるが、高い酸素透過係数を
有し、酸素透過係数/窒素透過係数の比が4以上である
酸素富化膜は、実用化されていない。
【0004】さらに、発酵槽内での発酵反応を適度な状
態に管理するために、酸素、二酸化炭素の混合比が調整
された混合気体の生産、可燃性液体、航空機燃料タンク
の内部の引火抑制シール等、利用の分野は広範囲に及
ぶ。
態に管理するために、酸素、二酸化炭素の混合比が調整
された混合気体の生産、可燃性液体、航空機燃料タンク
の内部の引火抑制シール等、利用の分野は広範囲に及
ぶ。
【0005】ところで、一般に、膜を利用するガスの富
化濃縮は、膜を介して圧力差をもって混合ガス中の各成
分ガスを透過させることで行われる。すなわち、高圧側
における原料混合ガス中の最も浸透性の大きい成分は、
浸透性の小さい成分より早い速度で膜を通過するため、
透過流ガスの成分構成は浸透性の大きい成分を多く含む
ことになり、一方、残留ガスは浸透性の小さい成分を多
く含むことになる。これによって、混合ガス中の所望の
成分の分離濃縮が可能となる。
化濃縮は、膜を介して圧力差をもって混合ガス中の各成
分ガスを透過させることで行われる。すなわち、高圧側
における原料混合ガス中の最も浸透性の大きい成分は、
浸透性の小さい成分より早い速度で膜を通過するため、
透過流ガスの成分構成は浸透性の大きい成分を多く含む
ことになり、一方、残留ガスは浸透性の小さい成分を多
く含むことになる。これによって、混合ガス中の所望の
成分の分離濃縮が可能となる。
【0006】実用的な規模での膜による混合ガスの分離
技術では、特定の気体成分に対する膜の透過係数と、そ
れぞれのガスの間の透過係数比(分離性能)が高いこと
が望まれる。例えば、酸素富化膜では、ポリオルガノシ
ランやその共重合物、ポリオレフィンなどが知られてい
る。
技術では、特定の気体成分に対する膜の透過係数と、そ
れぞれのガスの間の透過係数比(分離性能)が高いこと
が望まれる。例えば、酸素富化膜では、ポリオルガノシ
ランやその共重合物、ポリオレフィンなどが知られてい
る。
【0007】しかし、単独の膜では、高い透過性と優れ
た分離性能を併せ持つことが困難であるため、膜の極薄
化とそれに伴う支持材との複合化などの種々の提案がな
されている。例えば、ポリ4−メチル−1−ペンテンか
らなる酸素富化膜では、特定の重合度範囲のポリ4−メ
チル−1−ペンテンを使用する技術(特開昭61−12
5424号公報)、ポリ4−メチル−1−ペンテンをシ
クロヘキセン等の有機溶媒に溶解してなる溶液を水面上
に滴下して得られる極薄膜を、多孔質支持体に重ねて、
ガス透過速度の大きい分離膜を作る技術(特開昭55−
41808号公報、同54−146277号公報、同5
8−3602号公報)などが知られている。
た分離性能を併せ持つことが困難であるため、膜の極薄
化とそれに伴う支持材との複合化などの種々の提案がな
されている。例えば、ポリ4−メチル−1−ペンテンか
らなる酸素富化膜では、特定の重合度範囲のポリ4−メ
チル−1−ペンテンを使用する技術(特開昭61−12
5424号公報)、ポリ4−メチル−1−ペンテンをシ
クロヘキセン等の有機溶媒に溶解してなる溶液を水面上
に滴下して得られる極薄膜を、多孔質支持体に重ねて、
ガス透過速度の大きい分離膜を作る技術(特開昭55−
41808号公報、同54−146277号公報、同5
8−3602号公報)などが知られている。
【0008】一方、複合化では、ポリマーの共重合、共
重合体組成物なども提案されているが、積層複合化の例
として、同一の極薄分離膜の多層積層化によるピンホー
ルの防止(特開昭58−3602号公報)、異種分離膜
の積層複合化、例えば、多孔質支持体の表面に、ポリ4
−メチル−1−ペンテンの極薄膜を形成し、さらにその
上にジメチルシロキサン極薄膜をスプレー塗布して異種
ポリマー膜を複合化する方法(特開昭57−4203号
公報)が提案されている。
重合体組成物なども提案されているが、積層複合化の例
として、同一の極薄分離膜の多層積層化によるピンホー
ルの防止(特開昭58−3602号公報)、異種分離膜
の積層複合化、例えば、多孔質支持体の表面に、ポリ4
−メチル−1−ペンテンの極薄膜を形成し、さらにその
上にジメチルシロキサン極薄膜をスプレー塗布して異種
ポリマー膜を複合化する方法(特開昭57−4203号
公報)が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の技
術は、基本的には、極薄膜化により高い気体透過速度を
得ることと、複合化により分離性能の向上を図ることで
あるが、これらの提案になる極薄膜の工業的入手の容易
さ、得られる極薄膜の厚さと性能の安定性、厚さ精度の
再現性等に関して、必ずしも満足しうるものではない。
術は、基本的には、極薄膜化により高い気体透過速度を
得ることと、複合化により分離性能の向上を図ることで
あるが、これらの提案になる極薄膜の工業的入手の容易
さ、得られる極薄膜の厚さと性能の安定性、厚さ精度の
再現性等に関して、必ずしも満足しうるものではない。
【0010】そこで、本発明の目的は、高いガス透過性
と膜の機械的強度を持ち、自己支持性があり、さらに高
レベルのガス選択分離能を有するガス選択透過性複合膜
を提供することにある。
と膜の機械的強度を持ち、自己支持性があり、さらに高
レベルのガス選択分離能を有するガス選択透過性複合膜
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、溶融押出成形により得られた、延伸また
は未延伸のポリ4−メチル−1−ペンテンからなるポリ
マー薄膜(A)と、該ポリマー薄膜(A)の少なくとも
片面に積層された、オルガノポリシロキサンからなるポ
リマー薄膜(B)とを有するガス選択透過性複合膜にお
いて、該ポリマー薄膜(A)の厚さが10〜25μmで
あり、該ポリマー薄膜(B)と該ポリマー薄膜(A)の
酸素透過係数の比が2〜30で、ポリマー薄膜(A)の
少なくとも片面に積層された該ポリマー薄膜(B1 )お
よび(B2 )のうちの厚い方の膜厚が、ポリマー薄膜
(A)の膜厚の0.05〜5倍であり、自己支持性があ
ることを特徴とするガス選択透過性複合膜を提供するも
のである。
に、本発明は、溶融押出成形により得られた、延伸また
は未延伸のポリ4−メチル−1−ペンテンからなるポリ
マー薄膜(A)と、該ポリマー薄膜(A)の少なくとも
片面に積層された、オルガノポリシロキサンからなるポ
リマー薄膜(B)とを有するガス選択透過性複合膜にお
いて、該ポリマー薄膜(A)の厚さが10〜25μmで
あり、該ポリマー薄膜(B)と該ポリマー薄膜(A)の
酸素透過係数の比が2〜30で、ポリマー薄膜(A)の
少なくとも片面に積層された該ポリマー薄膜(B1 )お
よび(B2 )のうちの厚い方の膜厚が、ポリマー薄膜
(A)の膜厚の0.05〜5倍であり、自己支持性があ
ることを特徴とするガス選択透過性複合膜を提供するも
のである。
【0012】前記ポリマー薄膜(B)が、ポリマー薄膜
(A)の両面に積層され、表のポリマー薄膜(B1 )/
裏のポリマー薄膜(B2 )の膜厚比が1/1〜5/1で
あると、好ましい。
(A)の両面に積層され、表のポリマー薄膜(B1 )/
裏のポリマー薄膜(B2 )の膜厚比が1/1〜5/1で
あると、好ましい。
【0013】
【0014】以下、本発明のガス選択透過性複合膜(以
下、「本発明の複合膜」という)について詳細に説明す
る。
下、「本発明の複合膜」という)について詳細に説明す
る。
【0015】本発明の複合膜は、ポリマー薄膜(A)
と、該ポリマー薄膜(A)の少なくとも片面に積層され
たポリマー薄膜(B)とを有するものであり、ポリマー
薄膜(B)は、ポリマー薄膜(A)の片面のみに積層さ
れていてもよいし、ポリマー薄膜(A)の両面に積層さ
れていてもよい。
と、該ポリマー薄膜(A)の少なくとも片面に積層され
たポリマー薄膜(B)とを有するものであり、ポリマー
薄膜(B)は、ポリマー薄膜(A)の片面のみに積層さ
れていてもよいし、ポリマー薄膜(A)の両面に積層さ
れていてもよい。
【0016】本発明の複合膜のポリマー薄膜(A)は、
ガス選択透過性を有する薄膜であり、ポリ4−メチル−
1−ペンテンからなるものである。このポリ4−メチル
−1−ペンテンは、4−メチル−1−ペンテンの単独重
合体、4−メチル−1−ペンテンを主成分とし、かつ他
の不飽和重合成分を少量、例えば、10モル%以下の割
合で含有する共重合体も含まれる。他の不飽和重合成分
としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−
オクテン、1−デセン等のα−オレフィンが挙げられ
る。これらは1種単独でも2種以上の組合せがポリ4−
メチル−1−ペンテン中に含まれていてもよい。
ガス選択透過性を有する薄膜であり、ポリ4−メチル−
1−ペンテンからなるものである。このポリ4−メチル
−1−ペンテンは、4−メチル−1−ペンテンの単独重
合体、4−メチル−1−ペンテンを主成分とし、かつ他
の不飽和重合成分を少量、例えば、10モル%以下の割
合で含有する共重合体も含まれる。他の不飽和重合成分
としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−
オクテン、1−デセン等のα−オレフィンが挙げられ
る。これらは1種単独でも2種以上の組合せがポリ4−
メチル−1−ペンテン中に含まれていてもよい。
【0017】このポリ4−メチル−1−ペンテンは、デ
カリン中135℃で測定される極限粘度〔η〕が0.0
5〜0.5dl/g、好ましくは0.07〜0.3dl
/gの範囲のものがよい。
カリン中135℃で測定される極限粘度〔η〕が0.0
5〜0.5dl/g、好ましくは0.07〜0.3dl
/gの範囲のものがよい。
【0018】また、このポリ4−メチル−1−ペンテン
は、通常の立体特異性触媒の存在下に4−メチル−1−
ペンテンを単独重合する方法;4−メチル−1−ペンテ
ンと、前記他の不飽和重合成分との共重合により得られ
る高分子量重合体を不活性ガス雰囲気中または減圧条件
下にラジカル開始剤の存在下あるいは不存在下に特定条
件下で分解する方法;上記高分子量重合体を得る際に、
分子量調節剤である水素を大量に用いて直接製造する方
法等により製造することができる。
は、通常の立体特異性触媒の存在下に4−メチル−1−
ペンテンを単独重合する方法;4−メチル−1−ペンテ
ンと、前記他の不飽和重合成分との共重合により得られ
る高分子量重合体を不活性ガス雰囲気中または減圧条件
下にラジカル開始剤の存在下あるいは不存在下に特定条
件下で分解する方法;上記高分子量重合体を得る際に、
分子量調節剤である水素を大量に用いて直接製造する方
法等により製造することができる。
【0019】さらに、本発明のポリマー薄膜(A)は延
伸されていてもよいし、延伸されていなくてもよい。ポ
リ4−メチル−1−ペンテンフィルムは、未延伸の状態
でも高レベルのガス選択透過性を有しているので、未延
伸のまま使用することもできる。また、ポリマー薄膜
(A)がポリ4−メチル−1−ペンテンフィルムである
場合には、通常、延伸倍率が10倍未満であることが望
ましく、延伸により未延伸の状態に比べてガスの選択透
過性が向上する利点がある。一方、延伸することでポリ
マーの配向結晶性が上昇して、一般にはガス透過性が抑
制されるが、ガスの選択性向上と透過性の減少とのバラ
ンスから延伸倍率は10倍未満が望ましい。
伸されていてもよいし、延伸されていなくてもよい。ポ
リ4−メチル−1−ペンテンフィルムは、未延伸の状態
でも高レベルのガス選択透過性を有しているので、未延
伸のまま使用することもできる。また、ポリマー薄膜
(A)がポリ4−メチル−1−ペンテンフィルムである
場合には、通常、延伸倍率が10倍未満であることが望
ましく、延伸により未延伸の状態に比べてガスの選択透
過性が向上する利点がある。一方、延伸することでポリ
マーの配向結晶性が上昇して、一般にはガス透過性が抑
制されるが、ガスの選択性向上と透過性の減少とのバラ
ンスから延伸倍率は10倍未満が望ましい。
【0020】本発明の複合膜におけるポリマー薄膜
(A)の膜厚は、10〜25μm程度である。その膜厚
は、適度なガス透過抵抗と自己支持性を有し、かつピン
ホールがない薄膜が得られる点で、また、工業生産性お
よびコスト等の観点から好ましいのである。
(A)の膜厚は、10〜25μm程度である。その膜厚
は、適度なガス透過抵抗と自己支持性を有し、かつピン
ホールがない薄膜が得られる点で、また、工業生産性お
よびコスト等の観点から好ましいのである。
【0021】また、ポリマー薄膜(A)のガス選択透過
性を表す酸素透過係数は、0.5〜35×10-10 cm
3 (STD)・cm/cm2 ・sec・cmHgの範囲
であり、また、酸素透過係数/窒素透過係数の比は、2
〜6の範囲である。
性を表す酸素透過係数は、0.5〜35×10-10 cm
3 (STD)・cm/cm2 ・sec・cmHgの範囲
であり、また、酸素透過係数/窒素透過係数の比は、2
〜6の範囲である。
【0022】本発明の複合膜のポリマー薄膜(A)の製
造は、常用の成形方法にしたがって行うことができ、特
に制限されない。例えば、インフレーション法(水冷法
や空冷法など)、押出キャスト法(Tダイ法)などの溶
融押出成形によるフィルム成形法で容易に製造すること
ができる。
造は、常用の成形方法にしたがって行うことができ、特
に制限されない。例えば、インフレーション法(水冷法
や空冷法など)、押出キャスト法(Tダイ法)などの溶
融押出成形によるフィルム成形法で容易に製造すること
ができる。
【0023】延伸フィルムは、フィルム成形に引き続
き、ポリマーの二次転移点付近で、一軸または二軸方向
に延伸することで成形される。なお、予め成形した巻取
フィルムを加熱炉内で再び昇温して延伸するオフライン
延伸でもよい。
き、ポリマーの二次転移点付近で、一軸または二軸方向
に延伸することで成形される。なお、予め成形した巻取
フィルムを加熱炉内で再び昇温して延伸するオフライン
延伸でもよい。
【0024】本発明の複合膜のポリマー薄膜(B)は、
ポリマー薄膜(A)より高いガス選択透過性を有する膜
であり、オルガノポリシロキサンで形成されるものであ
る。このオルガノポリシロキサンは単体でもよいし、ま
たはオルガノポリシロキサンから得られる誘導体でもよ
い。
ポリマー薄膜(A)より高いガス選択透過性を有する膜
であり、オルガノポリシロキサンで形成されるものであ
る。このオルガノポリシロキサンは単体でもよいし、ま
たはオルガノポリシロキサンから得られる誘導体でもよ
い。
【0025】このオルガノポリシロキサンは、分子内に
Si−O−Si結合を含む化合物であり、下記一般単位
式(1): (R)aSiO(4-a)/2 (1) 〔Rは水素原子、ハロゲン原子、もしくは置換または非
置換の炭化水素基、あるいは下記式(2)、(3)、
(4)、(5)または(6): −OR1 (2) −N(R1 )(R2 ) (3) −ON(R1 )(R2 ) (4) −N(R1 )(COR2 ) (5) −ON=C(R1 )(R2 ) (6) (R1 およびR2 は同一でも異なっていてもよく、水素
原子または炭化水素基である) で表される基であり、aは1〜3の整数であり、aが2
または3のときは、複数のRは同一でも異なっていても
よく、また、相互に結合して環を形成していてもよい〕 で表される直鎖または分岐状の高分子有機ケイ素化合物
である。Rのハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素等が挙げられる。Rの炭化水素基としては、
飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素
基、または芳香族炭化水素基である。飽和または不飽和
の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、t−ブチル基、オクタデシル基等のアルキル基、
ビニル基、アリル基、ブタジエニル基等のアルケニル基
などが挙げられる。脂環式炭化水素基としては、例え
ば、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロ
ペンタジエニル基等が挙げられ、芳香族炭化水素基とし
ては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ
る。また、このRは置換基を有していてもよく、この置
換基を有するRとしては、例えば、ベンジルキシリル基
等のアリールアルキル基、トリル基等のアルキルアリー
ル基、また、クロロメチル基、ブロモフェニル基、テト
ラフルオロメチル基なとが挙げられる。また、式
(2)、(3)、(4)または(5)におけるR1 およ
びR2 は同一でも異なっていてもよく、炭化水素基であ
り、例えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基等のア
ルキル基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン
基、フェニル基等のアリール基、シクロプロピル基、シ
クロヘキシル基等のシクロアルキル基などが挙げられ
る。さらに、Rが2または3のときは、複数のRのいず
れか2つが相互に結合して環を形成していてもよい。
Si−O−Si結合を含む化合物であり、下記一般単位
式(1): (R)aSiO(4-a)/2 (1) 〔Rは水素原子、ハロゲン原子、もしくは置換または非
置換の炭化水素基、あるいは下記式(2)、(3)、
(4)、(5)または(6): −OR1 (2) −N(R1 )(R2 ) (3) −ON(R1 )(R2 ) (4) −N(R1 )(COR2 ) (5) −ON=C(R1 )(R2 ) (6) (R1 およびR2 は同一でも異なっていてもよく、水素
原子または炭化水素基である) で表される基であり、aは1〜3の整数であり、aが2
または3のときは、複数のRは同一でも異なっていても
よく、また、相互に結合して環を形成していてもよい〕 で表される直鎖または分岐状の高分子有機ケイ素化合物
である。Rのハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素等が挙げられる。Rの炭化水素基としては、
飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素
基、または芳香族炭化水素基である。飽和または不飽和
の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、t−ブチル基、オクタデシル基等のアルキル基、
ビニル基、アリル基、ブタジエニル基等のアルケニル基
などが挙げられる。脂環式炭化水素基としては、例え
ば、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロ
ペンタジエニル基等が挙げられ、芳香族炭化水素基とし
ては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ
る。また、このRは置換基を有していてもよく、この置
換基を有するRとしては、例えば、ベンジルキシリル基
等のアリールアルキル基、トリル基等のアルキルアリー
ル基、また、クロロメチル基、ブロモフェニル基、テト
ラフルオロメチル基なとが挙げられる。また、式
(2)、(3)、(4)または(5)におけるR1 およ
びR2 は同一でも異なっていてもよく、炭化水素基であ
り、例えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基等のア
ルキル基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン
基、フェニル基等のアリール基、シクロプロピル基、シ
クロヘキシル基等のシクロアルキル基などが挙げられ
る。さらに、Rが2または3のときは、複数のRのいず
れか2つが相互に結合して環を形成していてもよい。
【0026】このオルガノポリシロキサンまたはその誘
導体の具体例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリ
メチルフェニルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサ
ン−ジメチルシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン
−ポリカーボネートブロック共重合体、ポリビニルフェ
ノール−ポリジメチルシロキサン−ポリスルホンブロッ
ク共重合体、あるいはこれらの誘導体などが挙げられ
る。
導体の具体例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリ
メチルフェニルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサ
ン−ジメチルシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン
−ポリカーボネートブロック共重合体、ポリビニルフェ
ノール−ポリジメチルシロキサン−ポリスルホンブロッ
ク共重合体、あるいはこれらの誘導体などが挙げられ
る。
【0027】上記のオルガノポリシロキサンとしては、
低分子量の化合物から高分子量の化合物まで広範囲の化
合物が含まれるが、ポリマー薄膜(B)としては、平均
分子量が10000以上のものがよい。
低分子量の化合物から高分子量の化合物まで広範囲の化
合物が含まれるが、ポリマー薄膜(B)としては、平均
分子量が10000以上のものがよい。
【0028】また、このオルガノポリシロキサンは、こ
の種の有機ケイ素化合物に配合される各種配合剤を含む
ことができる。この配合剤の具体例として、オルガノポ
リシロキサンまたはその誘導体の架橋高分子化反応を促
進させるための触媒、例えば、微量の白金化合物や錫化
合物、あるいはポリマー薄膜(A)とポリマー薄膜
(B)との密着性を向上させるためのアクリル系共重合
体、その他薄膜の強度を向上させるためのシリカ微粉
末、あるいはその他の物性を改良するための各種添加剤
などが挙げられる。
の種の有機ケイ素化合物に配合される各種配合剤を含む
ことができる。この配合剤の具体例として、オルガノポ
リシロキサンまたはその誘導体の架橋高分子化反応を促
進させるための触媒、例えば、微量の白金化合物や錫化
合物、あるいはポリマー薄膜(A)とポリマー薄膜
(B)との密着性を向上させるためのアクリル系共重合
体、その他薄膜の強度を向上させるためのシリカ微粉
末、あるいはその他の物性を改良するための各種添加剤
などが挙げられる。
【0029】本発明の複合膜のポリマー薄膜(B)の膜
厚は、通常、0.05〜1000μm程度であり、好ま
しくは0.25〜200μm程度である。
厚は、通常、0.05〜1000μm程度であり、好ま
しくは0.25〜200μm程度である。
【0030】また、本発明の複合膜において、ポリマー
薄膜(B)は、前記ポリマー薄膜(A)の片面のみに積
層されていてもよいし、両面に積層されていてもよい。
さらに、ポリマー薄膜(B)は、1層でもよいし、2層
以上から形成されていてもよい。
薄膜(B)は、前記ポリマー薄膜(A)の片面のみに積
層されていてもよいし、両面に積層されていてもよい。
さらに、ポリマー薄膜(B)は、1層でもよいし、2層
以上から形成されていてもよい。
【0031】本発明の複合膜において、ポリマー薄膜
(B)の酸素透過係数は、ポリマー薄膜(A)の酸素透
過係数より大であり、通常、ポリマー薄膜(B)の酸素
透過係数(Po2 ,2 )とポリマー薄膜(A)の酸素透
過係数(Po2 ,1 )の比(Po2 ,2 )/(Po2 ,
1 )は、通常、2〜30程度であり、好ましくは10〜
20程度である。
(B)の酸素透過係数は、ポリマー薄膜(A)の酸素透
過係数より大であり、通常、ポリマー薄膜(B)の酸素
透過係数(Po2 ,2 )とポリマー薄膜(A)の酸素透
過係数(Po2 ,1 )の比(Po2 ,2 )/(Po2 ,
1 )は、通常、2〜30程度であり、好ましくは10〜
20程度である。
【0032】また、本発明の複合膜において、ポリマー
薄膜(A)における酸素透過係数/窒素透過係数の比
(Po2 ,1 /PN2,1 )が、ポリマー薄膜(B)にお
ける酸素透過係数/窒素透過係数の比(Po2 ,2 /P
N2,2 )より大であり、通常、ポリマー薄膜(A)にお
ける酸素透過係数/窒素透過係数の比(Po2 ,1 /P
N2,1 )は、ポリマー薄膜(B)における酸素透過係数
/窒素透過係数の比(Po2 ,2 /PN2,2 )の1.5
倍以上であり、好ましくは2〜3倍程度である。
薄膜(A)における酸素透過係数/窒素透過係数の比
(Po2 ,1 /PN2,1 )が、ポリマー薄膜(B)にお
ける酸素透過係数/窒素透過係数の比(Po2 ,2 /P
N2,2 )より大であり、通常、ポリマー薄膜(A)にお
ける酸素透過係数/窒素透過係数の比(Po2 ,1 /P
N2,1 )は、ポリマー薄膜(B)における酸素透過係数
/窒素透過係数の比(Po2 ,2 /PN2,2 )の1.5
倍以上であり、好ましくは2〜3倍程度である。
【0033】本発明の複合膜において、前記ポリマー薄
膜(A)が延伸または未延伸のポリ4−メチル−1−ペ
ンテンからなる薄膜であり、前記ポリマー薄膜(B)が
オルガノポリシロキサンからなる薄膜であると、オルガ
ノポリシロキサンの高い気体透過性とポリ4−メチル−
1−ペンテンの高い選択透過性との複合効果によって、
ポリマー薄膜(A)またはポリマー薄膜(B)をそれぞ
れ単独で使用した以上の優れたガス選択分離性能を発揮
することができる点で、好ましい。
膜(A)が延伸または未延伸のポリ4−メチル−1−ペ
ンテンからなる薄膜であり、前記ポリマー薄膜(B)が
オルガノポリシロキサンからなる薄膜であると、オルガ
ノポリシロキサンの高い気体透過性とポリ4−メチル−
1−ペンテンの高い選択透過性との複合効果によって、
ポリマー薄膜(A)またはポリマー薄膜(B)をそれぞ
れ単独で使用した以上の優れたガス選択分離性能を発揮
することができる点で、好ましい。
【0034】また、本発明の複合膜が、ポリマー薄膜
(B)が、ポリマー薄膜(A)の両面に積層されたもの
である場合、表のポリマー薄膜(B1 )/裏のポリマー
薄膜(B2 )の膜厚比は、被濃縮ガスに接触する表側の
ポリマー薄膜(B1 )の膜厚を裏側のポリマー薄膜(B
2 )の膜厚と同等か、より厚くすれば、得られる複合膜
において高いガス透過係数とガス選択分離比が得られ、
また、ポリマー薄膜(B 2 )の膜形成におけるピンホー
ルの形成が防止できる点で、1/1〜5/1であるのが
好ましい。
(B)が、ポリマー薄膜(A)の両面に積層されたもの
である場合、表のポリマー薄膜(B1 )/裏のポリマー
薄膜(B2 )の膜厚比は、被濃縮ガスに接触する表側の
ポリマー薄膜(B1 )の膜厚を裏側のポリマー薄膜(B
2 )の膜厚と同等か、より厚くすれば、得られる複合膜
において高いガス透過係数とガス選択分離比が得られ、
また、ポリマー薄膜(B 2 )の膜形成におけるピンホー
ルの形成が防止できる点で、1/1〜5/1であるのが
好ましい。
【0035】さらに、本発明の複合膜が、ポリマー薄膜
(B)が、ポリマー薄膜(A)の両面に積層されたもの
である場合、複合分離膜としての十分な効果を発揮し、
均質な分離性能品質の再現性、コスト性能などにおける
バランスの点から、ポリマー薄膜(A)の厚さが10〜
25μmであり、ポリマー薄膜(A)の両面に積層され
た前記ポリマー薄膜(B1 )および(B2 )のうちの厚
い方の膜厚が、ポリマー薄膜(A)の膜厚の0.05〜
5倍であるのが好ましい。
(B)が、ポリマー薄膜(A)の両面に積層されたもの
である場合、複合分離膜としての十分な効果を発揮し、
均質な分離性能品質の再現性、コスト性能などにおける
バランスの点から、ポリマー薄膜(A)の厚さが10〜
25μmであり、ポリマー薄膜(A)の両面に積層され
た前記ポリマー薄膜(B1 )および(B2 )のうちの厚
い方の膜厚が、ポリマー薄膜(A)の膜厚の0.05〜
5倍であるのが好ましい。
【0036】本発明の複合膜の製造は、ポリマー薄膜
(A)の少なくとも片面にポリマー薄膜(B)を形成す
ることができる方法であれば、いずれの方法にしたがっ
ても行うことができる。例えば、ポリ4−メチル−1−
ペンテンフィルムからなるポリマー薄膜(A)と、ジメ
チルポリシロキサンからなるポリマー薄膜(B)とを有
する本発明の複合膜を例にとると、有機溶媒を加えて適
当な粘度に調整したジメチルポリシロキサンの溶液を、
ポリ4−メチル−1−ペンテンフィルムの表面にバーコ
ーターまたはナイフコータで塗布した後、有機溶媒を緩
やかに蒸発、乾燥させて行うことができる。塗布の方法
は、実験室的には、アプリケーターロールで均一厚さに
塗布する方法があるが、工業的には、ロールコーター、
バーコーター、ナイフコーター、フローコーター等、所
望の膜厚と均一性を得られる限り、その方法、設備は限
定されない。
(A)の少なくとも片面にポリマー薄膜(B)を形成す
ることができる方法であれば、いずれの方法にしたがっ
ても行うことができる。例えば、ポリ4−メチル−1−
ペンテンフィルムからなるポリマー薄膜(A)と、ジメ
チルポリシロキサンからなるポリマー薄膜(B)とを有
する本発明の複合膜を例にとると、有機溶媒を加えて適
当な粘度に調整したジメチルポリシロキサンの溶液を、
ポリ4−メチル−1−ペンテンフィルムの表面にバーコ
ーターまたはナイフコータで塗布した後、有機溶媒を緩
やかに蒸発、乾燥させて行うことができる。塗布の方法
は、実験室的には、アプリケーターロールで均一厚さに
塗布する方法があるが、工業的には、ロールコーター、
バーコーター、ナイフコーター、フローコーター等、所
望の膜厚と均一性を得られる限り、その方法、設備は限
定されない。
【0037】本発明の複合膜を細管状に形成し、ポリマ
ー薄膜(A)を芯層とし、その芯層の内外層の少なくと
もいずれかにポリマー薄膜(B)からなる層を形成した
細管とし、この細管を複数本束ねた複合細管状構造と
し、被濃縮ガスを細管の内側に加圧供給して容易に被濃
縮ガスを選択透過する構造とすれば、この複合細管状の
ガス分離膜を利用して、平膜状のガス分離濃縮機器に比
して、高いガス分離性能の機器を簡易、かつ安価に得る
ことができる。
ー薄膜(A)を芯層とし、その芯層の内外層の少なくと
もいずれかにポリマー薄膜(B)からなる層を形成した
細管とし、この細管を複数本束ねた複合細管状構造と
し、被濃縮ガスを細管の内側に加圧供給して容易に被濃
縮ガスを選択透過する構造とすれば、この複合細管状の
ガス分離膜を利用して、平膜状のガス分離濃縮機器に比
して、高いガス分離性能の機器を簡易、かつ安価に得る
ことができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により、本発明の新規なガス分
離膜の詳細な説明を行うが、本発明の内容は、これらの
実施例に限定されるものではない。
離膜の詳細な説明を行うが、本発明の内容は、これらの
実施例に限定されるものではない。
【0039】(実施例1〜4、比較例1〜3)各例にお
いて、ポリ4−メチル−1−ペンテン(三井石油化学工
業(株)製、TPX MX−002)を押出キャスト法
(T−ダイ成形法)で厚さ100μmに成膜して得られ
たフィルムを、さらに縦方向に4倍に延伸して厚さ25
μmの延伸フィルムを調製した。この延伸フィルムの表
面に、濃度50重量%のジメチルシロキサン(信越化学
製、一液型RTV KE−45W)のシクロヘキサン溶
液を、塗料用ワイヤバーアプリケーターで均一に塗布
後、室温で十分乾燥硬化させて、ポリジメチルシロキサ
ン膜を作成した。ポリジメチルシロキサン膜は、実施例
1および2では、延伸フィルムの片面に、実施例3では
延伸フィルムの両面に、実施例4では、実施例3におけ
る延伸フィルムの両面に形成したポリジメチルシロキサ
ン膜の片面にさらにポリジメチルシロキサン膜を形成す
ることで、それぞれ複合膜を作成した。
いて、ポリ4−メチル−1−ペンテン(三井石油化学工
業(株)製、TPX MX−002)を押出キャスト法
(T−ダイ成形法)で厚さ100μmに成膜して得られ
たフィルムを、さらに縦方向に4倍に延伸して厚さ25
μmの延伸フィルムを調製した。この延伸フィルムの表
面に、濃度50重量%のジメチルシロキサン(信越化学
製、一液型RTV KE−45W)のシクロヘキサン溶
液を、塗料用ワイヤバーアプリケーターで均一に塗布
後、室温で十分乾燥硬化させて、ポリジメチルシロキサ
ン膜を作成した。ポリジメチルシロキサン膜は、実施例
1および2では、延伸フィルムの片面に、実施例3では
延伸フィルムの両面に、実施例4では、実施例3におけ
る延伸フィルムの両面に形成したポリジメチルシロキサ
ン膜の片面にさらにポリジメチルシロキサン膜を形成す
ることで、それぞれ複合膜を作成した。
【0040】得られた複合膜を、圧力法ガス透過率測定
機(理化精機工業製、K−315N−01)に、所定の
面がガス透過の高圧力側(原流側)になるように取付
け、酸素透過係数(Po2 )および窒素透過係数
(PN2)、ならびにその透過係数比(Po2 /PN2)を
算出した。また、比較例1〜3は、ポリ4−メチル−1
−ペンテンフィルムの延伸前と4倍延伸後、およびポリ
ジメチルシロキサン膜のそれぞれ単体膜の状態でのガス
透過係数および透過係数比を求めた。結果を表1に示
す。
機(理化精機工業製、K−315N−01)に、所定の
面がガス透過の高圧力側(原流側)になるように取付
け、酸素透過係数(Po2 )および窒素透過係数
(PN2)、ならびにその透過係数比(Po2 /PN2)を
算出した。また、比較例1〜3は、ポリ4−メチル−1
−ペンテンフィルムの延伸前と4倍延伸後、およびポリ
ジメチルシロキサン膜のそれぞれ単体膜の状態でのガス
透過係数および透過係数比を求めた。結果を表1に示
す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明のガス選択透過性複合膜は、高い
ガス透過性と膜の機械的強度を持ち、自己支持性があ
り、さらに高レベルのガス選択分離能を有するものであ
る。そのため、本発明のガス選択性複合膜は、酸素富化
膜として、膜自体に自己支持性があり、かつ優れたガス
透過性とともに、ガスの選択透過性の指標である分離係
数が高い等の優れた特徴を活かして、医療用酸素富化空
気、商業用燃焼炉、低酸素空気では、可燃性液体の防災
用窒素富化空気シール、食品用含気包装空気等の多くの
利用分野に有用である。
ガス透過性と膜の機械的強度を持ち、自己支持性があ
り、さらに高レベルのガス選択分離能を有するものであ
る。そのため、本発明のガス選択性複合膜は、酸素富化
膜として、膜自体に自己支持性があり、かつ優れたガス
透過性とともに、ガスの選択透過性の指標である分離係
数が高い等の優れた特徴を活かして、医療用酸素富化空
気、商業用燃焼炉、低酸素空気では、可燃性液体の防災
用窒素富化空気シール、食品用含気包装空気等の多くの
利用分野に有用である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−45318(JP,A) 特開 昭57−4203(JP,A) 特開 昭63−134031(JP,A) 特開 昭57−91708(JP,A) 特開 昭59−112802(JP,A) 特開 昭61−107922(JP,A) 特開 昭61−291018(JP,A) 特開 昭62−79832(JP,A) 特開 昭63−274433(JP,A) 特開 平2−139023(JP,A) 特開 平3−143531(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 71/70 B01D 71/26 B01D 69/12 B01D 53/22
Claims (2)
- 【請求項1】溶融押出成形により得られた、延伸または
未延伸のポリ4−メチル−1−ペンテンからなるポリマ
ー薄膜(A)と、該ポリマー薄膜(A)の少なくとも片
面に積層された、オルガノポリシロキサンからなるポリ
マー薄膜(B)とを有するガス選択透過性複合膜におい
て、該ポリマー薄膜(A)の厚さが10〜25μmであ
り、該ポリマー薄膜(B)と該ポリマー薄膜(A)の酸
素透過係数の比が2〜30で、ポリマー薄膜(A)の少
なくとも片面に積層された該ポリマー薄膜(B1 )およ
び(B2 )のうちの厚い方の膜厚が、ポリマー薄膜
(A)の膜厚の0.05〜5倍であり、自己支持性があ
ることを特徴とするガス選択透過性複合膜。 - 【請求項2】前記ポリマー薄膜(B)が、ポリマー薄膜
(A)の両面に積層され、表のポリマー薄膜(B1 )/
裏のポリマー薄膜(B2 )の膜厚比が1/1〜5/1で
ある請求項1に記載のガス選択透過性複合膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10275392A JP3299298B2 (ja) | 1992-04-22 | 1992-04-22 | ガス選択透過性複合膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10275392A JP3299298B2 (ja) | 1992-04-22 | 1992-04-22 | ガス選択透過性複合膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05293346A JPH05293346A (ja) | 1993-11-09 |
JP3299298B2 true JP3299298B2 (ja) | 2002-07-08 |
Family
ID=14335973
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10275392A Expired - Fee Related JP3299298B2 (ja) | 1992-04-22 | 1992-04-22 | ガス選択透過性複合膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3299298B2 (ja) |
-
1992
- 1992-04-22 JP JP10275392A patent/JP3299298B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05293346A (ja) | 1993-11-09 |
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