JP3298332B2 - 生体試料分析システム - Google Patents

生体試料分析システム

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JP3298332B2 JP25319794A JP25319794A JP3298332B2 JP 3298332 B2 JP3298332 B2 JP 3298332B2 JP 25319794 A JP25319794 A JP 25319794A JP 25319794 A JP25319794 A JP 25319794A JP 3298332 B2 JP3298332 B2 JP 3298332B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体試料分析システム
に係り、特に生体試料における複数の分析項目を測定す
るに好適な分析システムに関する。
【0002】
【従来の技術】医師が患者の病態の状態を知るために生
体試料の分析データを得る手順は、一般に次のようであ
る。まず、患者の血液がスクリーニングテストのために
採取される。この生体試料を自動分析装置で測定するに
は、例えば米国特許第5,037,612号に示されたような生
化学自動分析装置および米国特許第5,051,238号に示さ
れたような免疫分析装置を用いることができる。次に医
師は、スクリーニングテストの結果として得られた分析
データを考慮して予備的な診断をする。そして、予備的
な診断において病気の可能性がある場合には、再び患者
の血液が採取される。この生体試料は、病態を正確に把
握するために確定診断用の特定の検査項目のために使用
される。医師は、この特定の検査項目の結果に基づいて
最終的な病名を判断する。なお、特定の検査項目を実行
するためには、上述の公知技術に加えて、例えば特開平
2−92300号公報に示されたような遺伝子分析を適用する
ことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の如き手順によれ
ば、患者は第1回目の採血日より後の日に、第2回目の
採血のために病院へ行かなければならない。加えて、医
師は、一次検査結果に基づく予備的診断と二次検査結果
に基づく確定的診断を、別々の日に下さなければならな
い。このように、従来の方法は、患者にとっては苦痛が
大きく、かつ医師にとっては能率的でない。
【0004】本発明の目的は、一次検査における生体試
料の測定結果に基づいて、同じ試料に関する二次検査の
測定が自動的に実行される分析システムを提供すること
にある。
【0005】本発明の他の目的は、患者から1回採取さ
れた生体試料でもって、一次検査および二次検査におけ
る測定が実行され得る分析システムを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、一次検査にお
いて測定される病態の指標となる予備分析項目および二
次検査において測定するよう選択された分析項目を登録
する手段と,一次検査のために予備分析項目を測定する
手段と,二次検査のために二次検査分析項目を測定する
手段と,予備分析項目が測定された試料に対し二次検査
分析項目用のチェックレベルを登録する手段と,予備分
析項目の測定データとチェックレベルとの比較に基づい
て特定の分析項目を二次検査すべきことを決定する手段
と,この決定手段による決定の対象となった試料を二次
検査分析項目用測定手段でもって分析するように制御す
る手段と、二次検査分析項目の測定結果を出力する手段
を備えたものである。
【0007】測定結果出力手段は、一次検査のための予
備分析項目,二次検査のための分析項目、およびチェッ
クレベルのための適正値を対応づけて画面表示する表示
手段を含み、適正値入力手段は、二次検査分析項目の測
定動作を実行するための分析装置を、システム内の複数
の分析装置の中から選択する機能を有する。二次検査分
析項目用測定手段としては、生化学分析装置,免疫分析
装置,核酸分析装置,クロマトグラフィ分析装置などを
用いることができ、これらの中から特定の病気の診断に
適したものを一次検査の結果に基づいて自動的に選択さ
れる。
【0008】また、本発明は、生体試料の分析項目の一
次検査のためにGOTおよびGPTを測定する生化学分
析手段と,二次検査のために免疫成分を測定する免疫分
析手段と,GOTおよびGPTに関して病気の可能性を
見い出し得る複数種類のチェックインデックスを登録す
る手段と,生化学分析手段による試料のGOTおよびG
PTの内の少なくとも一方の測定結果が複数種類のチェ
ックインデックスの内のいずれに該当するかを決定する
ための手段であって、かつ、該当したチェックインデッ
クスに対応している二次検査測定用分析項目を決定する
ための手段と、二次検査すべきであると決定された分析
項目を測定するために生化学分析手段又は免疫分析手段
の操作を制御する制御手段を備えたものであり、この制
御手段は、試料に関しGOTおよびGPTの測定結果
が、両方ともそれぞれのチェックインデックスに該当す
るときに、二次検査のために上記免疫分析手段の操作を
制御することができる。
【0009】
【作用】本発明においては、分析または検査の対象が、
患者から採取された血液や血清の如き生体試料である。
これらの試料に関し、試薬の混合,反応液の移送,反応
生成物の検出等の処理が自動的になされる。
【0010】患者に由来する試料は、予備分析項目を測
定する一次検査における測定結果により、病気の可能性
があるものと無いものに振り分けられる。一次検査で得
られた測定結果は、予め設定されたチェックレベル又は
チェックインデックスと比較され、その結果として病気
の可能性が高いならば、該当する試料を二次検査におけ
る分析対象として使用する。
【0011】二次検査では、病名を一層確実に決定づけ
るような確定診断用の特定の分析項目が測定される。こ
の二次検査では、一次検査で適用されたところの生化学
分析とは異なる免疫分析,核酸分析又はクロマトグラフ
ィが試料測定のために必要に応じて適用されることが多
い。
【0012】一次検査の測定結果を判定するための基礎
となるチェックレベル又はチェックインデックスは、サ
ンプル処理の操作に先立って、分析システムのオペレー
タによって入力装置を介してそのシステム内のメモリに
登録されるように入力される。試料のテストデータの必
要性の都度にチェックインデックスを入力することも可
能であるが、それよりも、むしろ先に一旦入力された数
値は、その後のチェックインデックスとして利用され
る。
【0013】チェックインデックスを入力するに当り、
オペレータは、CRTの如き画面上に二次検査の条件設
定用メニューが表示されるようにシステムに指示する。
チェックインデックスは、病気の可能性を教示する予備
分析項目の大きさ,数値、又は濃度であって、一次検査
における予備分析項目の測定結果が特定の数値範囲又は
特定の限界値を越える大きさとして指示できるように入
力装置から入力される。予備分析項目の種類によってチ
ェックインデックスの大きさが異なり、さらにチェック
インデックスの違いに応じて二次検査において採用され
る分析項目の種類が選ばれる。二次検査における特定の
分析項目の測定結果は、プリンタの如き出力装置に出力
される。好ましくは、二次検査の測定結果と共に一次検
査の測定結果が対応するもの同士が関連づけて表示され
るように出力される。医師は、特定の分析項目の測定結
果を考慮して病名を診断することができる。
【0014】
【実施例】図1〜図3を参照して本発明に基づく一実施
例を説明する。図1の分析システムは、一次検査の測定
と二次検査の測定を連続的に行うことができる複合分析
部105を備えている。この複合分析部105には、血
液や血清試料中の含有成分を試薬と化学反応させて得ら
れる反応液を光学的に測定する生化学分析装置111と、
試料中の抗原又は抗体を免疫反応を利用して光学的に測
定する免疫分析装置112と、標識したヌクレオチドを
試薬として用いて試料中の特定のオリゴヌクレオチドの
存在を検出する核酸分析装置113と、試料中のグリコ
ヘモグロビンをクロマトグラフィによって分離して検出
するクロマトグラフィ分析装置114が含まれる。な
お、装置111,112および113における具体的な
サンプル処理は、後述する図4又は図5における場合と
同様である。
【0015】複合分析部105は、サンプル供給ステー
ション115と,サンプル収納ステーション116と,
サンプリングピペッター106a〜106dを含む共通
サンプラを備える。分析されるべきサンプルの入ったサ
ンプルカップは、ステーション115からステーション
116の方へ搬送路117を通るように移送される。コ
ントロール装置102は、システム内の各部の動作を制
御すると共に、各分析装置で得られた測定データの演算
処理をし、処理の結果を表示装置104に出力させるこ
とができる。入力装置101からは、サンプルの分析処
理にとって必要な各種のデータをコントロール装置10
2に入力することができ、入力された情報はメモリ10
3に登録される。メモリ103内に登録されている各種
のメニューは、入力装置101からのオペレータの指示
によりCRT 107に表示される。表示装置104に
おけるCRT 107にメニュー画面が表われている間
に、入力装置101のキーボードを操作することにより
測定条件の登録および変更が実行される。表示装置10
4におけるプリンタ108には、測定結果が印字され
る。
【0016】一次検査において予備分析項目を測定する
場合には、共通サンプラーにおける供給ステーション1
15からのサンプルカップが、ピペッター106aの位
置に停止するように移送され、この位置にて生化学分析
装置111に分析されるべき試料の一部が導入される。
【0017】分析装置111による注目した予備分析項
目の測定結果が、その項目のためのチェックインデック
スに該当するときには、そのような結果をもたらしたサ
ンプルのカップが、二次検査のために選択された分析項
目に応じて、ピペッタ106a,106b,106c,10
6dの内のいずれかの位置に停止するように移送され
る。二次検査のための分析項目に応じて指定されたいず
れかの分析装置には、対応するピペッタによってサンプ
ルカップ内の試料の一部が導入される。
【0018】分析装置111による一次検査のための予
備項目の測定結果が、その項目のためのチェックインデ
ックスに該当しないときには、その結果をもたらした試
料のサンプルカップが、いずれのピペッタの位置にも停
止されることなく、収納ステーション116へ移送さ
れ、該サンプルカップが回収される。
【0019】複合分析部105に分析動作を実行させる
前に、オペレータは、供給ステーション115にサンプ
ルカップをセットすると共に、入力装置101を操作し
てメモリ103からCRT107上に二次検査のための条件設
定用のメニュー画面を呼び出す。図2は、そのようなメ
ニュー画面の例である。
【0020】図2における画面中の“No.”は病態に応
じて分類されたタイプを示す。画面中の“1ST”は、
一次検査において分析可能な予備分析項目である。画面
中の“CHECK INDEX”は、一次検査による測
定結果に起因して、二次検査による分析が必要であると
判断するための条件又は異常の程度を示し、数字による
範囲又は限界値によって規定される。このチェックイン
デックスは二次検査における分析項目を特定するための
基準であり、オペレータによって入力装置101から入力
される。さらに、このチェックインデックスの一旦登録
された値は、その後、オペレータによって変更すること
ができる。入力されたチェックインデックのデータは、
“1ST”の分析項目に対応づけてメモリ103に登録
される。図2における画面中の“2ND”は、チェック
インデックスの違いに応じて選ばれる二次検査のための
特定の分析項目である。これらの特定の分析項目は、タ
イプ毎に定められている。画面中の“DEVICE”は、“2
ND”で選ばれた分析項目を分析処理するための分析装
置である。装置Aは生化学分析装置111であり、装置
Bは免疫分析装置112であり、装置Cは核酸分析装置
113であり、装置Dはクロマトグラフィ分析装置11
4である。この“DEVICE”の欄に表示される分析機能
は、この分析システムにおいて採用される分析装置の種
類に依存するので、オペレータによって自由に変更する
ことができる。
【0021】すでに、メニューにおいて全ての条件が設
定されている場合であって、かつその後の変更の必要が
ない場合には、オペレータは、画面の右上の欄に分析す
べき試料の番号を呼び出し、医師が要求しているテスト
すべきタイプの番号をセレクトするだけである。画面上
に順次サンプル番号を呼び出してタイプ番号をセレクト
するという操作を繰り返すことにより、各試料と一次検
査の分析項目と二次検査の分析項目が関係づけられ、全
ての試料のための条件がメモリ103に登録される。
【0022】肝炎の種類としては、アルコール性の肝障
害に起因する慢性肝炎と、ウイルスに起因する慢性肝炎
と、ウイルスに起因する急性肝炎が知られている。これ
らの内のどの種類の病気の可能性があるかを知るため
に、一次検査における分析項目としてGOTおよびGP
Tが測定対象にされることが多い。
【0023】図2のタイプ1に該当するところのアルコ
ールに起因する慢性肝炎では、GOTの活性値が200〜
300 IU(国際単位)という高い値を示す。このよ
うな試料では、GPTは正常値よりも高い活性値を示す
けれども、その上昇程度はそれほど大きくない。従っ
て、GOTの値がGPTの値より大である。このような
試料に対し二次検査においてγ−GTPとALPとLA
Pが測定対象にされる。アルコールに起因する慢性肝炎
では、γ−GTPが50〜400 IUという高い値を
示し、かつ、ALPおよびLAPが正常値の上限より上
昇する。
【0024】図2のタイプ2に該当するところのウイル
スに起因する慢性肝炎では、GOTの活性値が20〜2
00 IUという高い値を示し、かつGPTの活性値が
100〜500 IUという高い値を示す。このような試
料に対し、二次検査においてHBsAgの抗原が測定対
象にされる。慢性のB型ウイルス肝炎の場合、HBsAgが
陽性となる。
【0025】図2のタイプ3に該当するところのウイル
スに起因する急性肝炎では、GOTおよびGPTが両方
とも200〜3000 IUという著しく高い値を示
す。このような試料に対し二次検査においてHBsAg
の抗原が測定対象にされる。急性肝炎の場合、HBsA
gが陽性となる。
【0026】二次検査において病気を特定化するために
明確なデータが得られない場合、例えば測定結果が疑陽
性であるような場合は、分析システムに三次検査を実行
させることが可能である。例えばタイプ3におけるHB
sAgの測定結果が疑陽性であるときに、該当の試料が
核酸分析装置113によって測定され、ウイルスDNA
の存在の有無が確認される。
【0027】図2のタイプ4に該当するところの家族性
高脂血症が疑われる場合には、一次検査のために生化学
分析装置111が用いられ、二次検査のために核酸分析
装置113が用いられる。この場合、一次検査において
TGが正常値範囲である35〜148mg/dlの上限を
超える高い値を示し、かつ、CHOが正常値範囲である
130〜230mg/dlの上限を超える高い値を示すよう
なサンプルは、二次検査に進められる。その二次検査で
は、LDLレセプター遺伝子が測定され、この遺伝子に
異常があるか否かが確認される。
【0028】図2のタイプ5に該当するところのネフロ
ーゼが疑われる場合には、一次検査のために生化学分析
装置111が用いられ、二次検査のために生化学分析装
置111および免疫分析装置112が用いられる。一次
検査においてCHOが230mg/dlを超える高い濃度を示
すサンプルは、二次検査に進められる。この二次検査で
は、LDL−CHOおよびHDL−CHOが測定され
る。ネフロ−ゼの場合には、LDL−CHOが上昇し、
かつHDL−CHOが正常又は低下を示す。
【0029】図2のタイプ6に該当するところの糖尿病
又は甲状腺機能亢進症が疑われる場合は、一次検査にお
いてGLUを測定するために生化学分析装置111が用
いられ、二次検査においてサイロキシン(T4)を測定す
るための免疫分析装置112およびグリコヘモグロビン
測定のためのクロマトグラフィ分析装置114が用いら
れる。糖尿病の場合にはグリコヘモグロビンのA1c成
分の測定値が高くなる。甲状腺機能亢進症の場合にはT
4の測定値が高くなる。
【0030】次に、患者に肝炎が疑われる場合における
分析動作を説明する。
【0031】分析システムのオペレータは、図2の如き
条件設定用のメニュー画面をCRT107に呼び出し、測定す
べき試料の番号を入力すると共に、タイプ1,タイプ
2,タイプ3のそれぞれのためのチェックインデックス
を入力する。次いで、オペレータは、二次検査における
分析項目であるγ−GTP,ALP,LAP,HBsAg
を測定させるための分析装置を入力する。オペレータ
は、入力装置101を操作して、当該試料のためのタイ
プ1〜3の条件をメモリ103に登録する。このような
手順は、他の複数の試料のために繰り返し実行すること
ができる。
【0032】以上のような準備が整ったあと、オペレー
タは、図3のステップ301において、スタート指示を
与えることによって複合分析部105に分析動作をスタ
ートさせる。ステップ302において試料がピペッタ1
06aによって生化学分析装置111に供給され、GO
TおよびGPTが測定される。
【0033】ステップ303は、二次検査のための分析
項目を決定するステップであり、ステップ304は、分
析装置をセレクトするステップである。GOTおよびG
PTの測定値がタイプ1のチェックインデックスに相当
したときは、二次検査において分析装置111によりγ
−GTPとALPとLAPを分析すべきことがコントロ
ール装置102によって決定され、該当試料が分析装置
111に供給される。GOTおよびGPTの測定値がタ
イプ2又はタイプ3のチェックインデックスに相当した
ときは、二次検査においてHBsAgを免疫分析装置1
12で分析すべきことがコントロール装置102によっ
て決定され、対応する試料が分析装置112に供給され
る。GOTおよびGPTの測定値が、タイプ1〜3のチ
ェックインデックスのいずれにも該当しないときには、
サンプルカップが収納ステーション116内に回収され
る。
【0034】ステップ305において、それぞれのタイ
プに基づいて指定された分析装置において二次検査のた
めに選択された分析項目が測定される。ステップ306
において、コントロール装置102は、一次検査で得ら
れた測定結果および二次検査で得られた測定結果を、そ
れぞれの分析項目と対応づけて出力するようにプリンタ
108を動作させる。分析すべき試料がさらに残ってい
れば、同様の操作が繰り返されるが、その後に分析すべ
き試料がなければ、分析システムはステップ307へ進
み、動作を終了する。
【0035】図4は、本発明に基づく他の実施例の概略
構成である。図4の分析システムは、生化学分析の機能
および核酸分析の機能が多くの部分で共用されている。
図4における入力装置101,コントロール装置10
2,メモリ103,CRT表示部107,プリンタ10
8などは、図1の実施例の場合と同様の機能を有する。
サンプルテーブル1,反応テーブル2,試薬テーブル3
5およびピペッティングメカニズム39は、一次および
二次検査において動作される。
【0036】図4において、サンプル用ターンテーブル
1は、血清などの試料を収容した複数のサンプル容器3
3を格納し回転するテーブルである。反応用ターンテー
ブル2は、測定セルをかねた複数の反応容器34がサー
クル上に配列され回転するテーブルである。複数の反応
容器34は反応テーブル2の下部に配設された反応恒温
槽(図示せず)によって一定温度に保たれる。
【0037】サンプルテーブル1および反応テーブル2
は、コントロール装置102によって制御されるパルス
モータ91,92によってそれぞれ所定のサンプル容器
33および反応容器34が所定位置に停止するように回
転自在に駆動される。磁石13が、反応テーブル2の外
側で、かつ、反応容器34の回転円周に近接した所定領
域に配設されている。磁石13の磁力線が前記所定領域
を通過する反応容器34の内部に作用するようになって
いる。
【0038】反応容器34を挾む両側の位置であって、
反応テーブル2の外縁部内側の所定位置には光源ランプ
11が配設され、外縁部外側の所定位置には分光器10
が配設され、光源ランプ11と分光器10とは相対して
いる。また、分光器10は複数検知器を有する多波長同
時測光形であり、一次検査のときの光度計として働く。
反応テーブル2が回転しているときは、反応容器34の
列が光源ランプ11から分光器10への光束12を横切
るように構成されている。反応ターンテーブル2が停止
しているときは、この光束12が、試料吐出位置から時
計方向に数えて所定位置にある反応容器34の中心を透
過するようになっている。
【0039】試薬用ターンテーブル35は、分析操作に
必要な各種の試薬液容器を格納して回転するテーブルで
あり、コントロール装置102によって制御されるパル
スモータ94によって回転し、必要なタイミングで所定
の試薬容器を吸入位置に停止する。試薬テーブル35の
外縁近傍のサークル上には、各種の試薬液容器が格納さ
れている。
【0040】各種の試薬液容器は、第一の分析成分とし
て生化学分析を測定する場合に必要な試薬を収容した容
器80a,80bと、第二分析成分として核酸分析を測
定する場合に必要な各種分析項目にそれぞれ対応する磁
性体粒子標識プローブ液を収容した容器90a,90b
と蛍光性粒子標識プローブ液を収容した容器36a,3
6bと制限酵素液収容容器38と、その他必要な緩衝液
容器(図示せず)等を含んでいる。
【0041】標識された粒子としては、磁性体微粒子や
蛍光性微小粒子を用いるのが最も好適であり、蛍光性微
小粒子にはラテックス粒子または無機物粒子の表面に蛍
光物質層を形成せしめたものを用い、粒子形成組成物と
蛍光物質の混合物を粒子化したものも実用できる。この
場合、蛍光性微小粒子の粒径は0.1〜1.0μmが好適
である。
【0042】自動ピペット機構は、ピペット機構本体3
9と、これと配管41を介して接続されているシリンジ
ポンプ40と、このシリンジポンプ40に接続されてい
る押出液をかねた洗浄液を貯溜する洗浄液槽37とから
構成されている。ピペット機構本体39は、試薬および
サンプルの吸入および吐出を行うためピペッティングノ
ズル43と、ノズル43が取り付けられている可動アー
ム42とからなり、可動アーム42は、コントローラ1
02によって制御される水平回転駆動部45と上下駆動
部44とにより駆動される。可動アーム42の動作にと
もなってノズル43は、それぞれ所定のサンプルテーブ
ル1上のサンプル容器位置,反応テーブル2上の反応容
器位置,試薬テーブル35上の試薬容器位置,被測定液
を流すフローセル47およびノズル洗浄槽46の位置に
移動されるように回転でき、その回転軌跡は円弧a,b
である。そして、前記それぞれの位置において、下降お
よび上昇することができる。
【0043】シースフローセル47は、その内空部を被
測定液が流れ、そのなかの微粒子を測定するフローサイ
トメータである。フローセル47の上方部には注入室入
口48が設けられており、ノズル43が注入室入口48
内に入り、被測定液をフローセル47内に吐出するよう
になっている。フローセル47の内壁に沿って流れるシ
ース液は、シース液槽6内より送液ポンプ9によって一
定流量で送液され、フローセル47からその下方に設け
られた廃液溜95に排出される。反応後の被測定液はシ
ース液の流れの中央を流れるようになっている。
【0044】計測部は、下記のようになっている。
【0045】レーザ光源49は、発振波長が488nm
のアルゴンレーザ光束を出射し、このレーザ光束は、ビ
ームエクスパンダ50でビーム幅を広げられ、レンズ5
1によって絞られ、被測定液の流れに焦点を合わせるよ
うにフローセル47を照射するようになっている。レー
ザ光束がフローセル47を照射し、それにより出射され
た蛍光の集光には、例えば、顕微鏡用の対物レンズ52
が用いられている。また、光電検知器としてのフォトマ
ルチプライヤ53の前には、空間フィルタ54および波
長選択フィルタ55を設け、これにより散乱光およびラ
マン光を除去する。
【0046】フォトマルチプライヤ53の出力をプリア
ンプ18で増幅した後、リニアアンプ19で増幅し、下
限波高弁別器20aおよび上限波高弁別器20bにより
ノイズが除去される。そののち、二つの閾値の間にある
パルスをカウンタ56で積算する。トランス96および
高圧電源97を介してフォトマルチプライヤ53には高
電圧が印加される。
【0047】試料番号,計数結果,検量線,蛍光測定の
ヒストグラム等はCRTディスプレイ107,プリンタ
108,メモリ103に出力する。カウンタ56,ディ
スプレイ107,プリンタ108,メモリ103は、コ
ントローラ102と接続され制御される。
【0048】次に、図4の実施例に係る分析システムの
動作を説明する。
【0049】まず、試料は、サンプルテーブル1が回転
し、サンプル容器33をサンプル吸入位置に移送し、吸
入位置のサンプル容器33から一定量がノズル43によ
り吸入される。反応テーブル2が回転し、サンプル吐出
位置に移送された反応容器34にノズル43内の一定量
の試料が吐出される。
【0050】次いで、試料の分注された特定の反応容器
34は、一次検査の生化学成分の測定のために、反応テ
ーブル2が回転し第一試薬の分注位置に移送される。ノ
ズル43により、試薬テーブル35上の試薬容器80a
内の第一成分測定用の第一試薬が、一定量吸入され、反
応テーブル2の試薬分注位置にある反応容器34内に分
注される。このため反応容器34内では、試料と第一試
薬との化学反応が進行する。
【0051】分注動作が終わると、反応テーブル2は、
反時計方向に360°+反応容器1ピッチ分、すなわ
ち、1サイクル回転して停止する。反応テーブル2の回
転中においては、反応テーブル2上の反応容器34は光
束12を通過する。それぞれの反応容器34が光束12
を通過するときには、分光器10によって光吸収測定が
なされる。測定は、例えば、20秒を1サイクルとして
排液装置59によって排液されるまでの一定時間分光器
10によって繰り返しなされる。
【0052】いま、一次検査の測定のための第二の試薬
が必要な場合は、反応テーブル2の回転および停止して
いる間の時間を、例えば20秒とすると、20秒を1サ
イクルとして上記の動作が繰り返される。すなわち、特
定の反応容器34の位置は、サイクルが進むにつれて、
反応テーブル2を停止した時における位置が反応容器1
ピッチ分ずつ反時計方向に進み、第二の試薬分注位置と
なる。
【0053】特定の反応容器34は、第二の試薬分注位
置において、ノズル43により試薬テーブル35上の試
薬容器80bからの第二の試薬が分注される。このよう
にして、特定の反応容器34内には、サンプル,第一試
薬,第二試薬が分注され化学反応が進行する。
【0054】一次検査における分注動作が終わると反応
テーブル2は、反時計方向に360°+反応容器1ピッチ
分、すなわち、1サイクル回転して停止する。反応テー
ブル2の回転中においては、反応テーブル2上の前記反
応容器34には光束12が通過する。
【0055】それぞれの反応容器34を光束12が通過
するときには、分光器10によって光吸収測定がなされ
る。分光器10の信号値は、マルチプレクサ60により
必要な測定波長信号が選択され、一次検査の分析成分の
濃度が得られる。濃度信号は、A/D変換器61により
コントローラ102に取りこまれ、チェックインデック
スと比較され、二次検査の成分分析の要否が決定され
る。結果は読出書込記憶装置103に記憶される。
【0056】次に、二次検査にて核酸を分析する場合に
ついて、HBV、すなわちB型肝炎ウイルスを例として
説明する。
【0057】分析項目は、操作開始後に加えられる粒子
プローブの種類により特定される。粒子標識プローブ液
容器90aには、一本鎖HBV−DNAプローブタイプ
1を固定化した磁性体ラテックス粒子試薬が準備されて
いる。
【0058】一方、蛍光性粒子標識プローブ液容器36
aには、蛍光性物質としてのクマリン誘導体が含有され
ている蛍光ラテックス粒子に一本鎖HBV−DNAプロ
ーブタイプ2を結合させた蛍光標識ラテックス粒子試薬
が準備されている。
【0059】それぞれの一本鎖HBV−DNAプロー
ブ、すなわち一本鎖HBV−DNAプローブタイプ1と
一本鎖HBV−DNAプローブタイプ2は、測定対象の
核酸成分に対して相補的なヌクレオチド配列を有する
が、互いには相補的なヌクレオチド配列を持たないもの
である。制限酵素液としては、蛍光標識ラテックス粒子
に結合させた一本鎖HBV−DNAプローブタイプ2と
測定対象の核酸成分がハイブリダイズして形成した二本
鎖DNAを切断する制限酵素として、例えば、HaeIIIを
準備する。
【0060】分析操作が開始されると、反応容器34に
は、サンプル容器33からノズル43によって分取され
た試料が注入される。次に、ノズル43により磁性体ラ
テックス粒子試薬液容器90aから磁性体ラテックス粒
子試薬が分取され、試料が注入されている特定の反応容
器34内に吐出される。これにより試料中のHBV−D
NAは、一本鎖HBV−DNAプローブタイプ1を固定
化した磁性体ラテックス粒子と結合反応をする。特定の
反応容器34は所定温度、例えば37℃のもとで一定時
間、例えば15分間反応テーブル上にて反応が維持され
る。
【0061】次に、蛍光標識ラテックス粒子試薬を、試
薬テーブル35上の容器36aからノズル43により一
定容量吸入し、対応する反応容器34内に吐出する。反
応容器34は所定温度、例えば37℃のもとで一定時
間、例えば15分間反応テーブル2上で反応を維持す
る。これにより、磁性体ラテックス粒子による反応生成
物に一本鎖HBV−DNAプローブタイプ2が反応す
る。
【0062】反応容器34の周囲の磁石13が配置され
ている所定の領域に特定の反応容器34が移送される
と、磁性体ラテックス粒子とハイブリダイズした反応生
成物と未反応の磁性体ラテックス粒子は磁石13の作用
により反応容器34の内壁に吸着するが、未反応の蛍光
標識ラテックス粒子は液中に遊離する。この未反応の蛍
光標識ラテックス粒子は、ノズル43から放出される洗
浄液によって洗浄され、その洗浄液は反応容器34外に
排出される。このように、反応容器34内へ洗浄液が吐
出され、さらにその洗浄液を排出する操作が繰り返され
る。結果として、反応容器34内の余剰蛍光標識ラテッ
クス粒子は、この反応容器34外に排出される。
【0063】次いで、試薬テーブル35の回転により、
試薬テーブル35上の吸入位置に制限酵素液容器38が
位置付けられる。制限酵素液容器38内の制限酵素HaeI
II25を含む液が、ノズル43により一定量吸入され、反
応テーブル2上の対応する反応容器34に吐出される。
反応容器34内では、蛍光標識ラテックス粒子に結合さ
せた一本鎖HBV−DNAプローブタイプ2と測定対象
の核酸成分とがハイブリダイズして形成した二本鎖DN
Aが、所定の切断箇所で切断される。これにより、反応
容器34内の液に蛍光標識ラテックス粒子が遊離する。
このような遊離反応のためにも所定の時間、例えば15
分間が必要である。これらの遊離体を含む被測定液は、
ノズル43によって吸入されシースフローセル47内に
吐出される。フローセル47内の遊離粒子を計数して第
二成分の核酸濃度を求める。
【0064】図4に記載した分析システムによる測定結
果の一例を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】なお、一次検査として生化学分析項目であ
るGOT,GPTの測定結果がそれぞれ30以上,42
以上であるときに、二次検査として核酸分析を実施して
肝炎ウィルスに感染しているか否かを測定した。
【0067】本発明の他の実施例に係る分析システム
を、図5による説明する。
【0068】図5は、本発明に基づく一実施例である分
析シスムを示す一部ブロック図を含む略示説明図であ
る。図5においては、図中、図4と同一符号のものは同
等機能部分あるので、詳細な説明は省略する。また、サ
ンプルテーブル1,反応テーブル2,反応テーブル3,
試薬テーブル35,自動ピペット機構,フローセル4
7,レーザ光源49より構成される計測部等は、図4に
示した分析システムとほぼ同様であるので、詳細な説明
は省略する。
【0069】試薬テーブル35の各種試薬と、反応テー
ブル3と、自動ピペット機構について図4とは異なった
点のみ説明する。
【0070】試薬テーブル35上の各種の試薬液容器
は、一次検査として免疫分析項目を測定する場合、必要
な試薬を収容した容器80a(80b以下は図示せ
ず)、二次検査として核酸分析項目を測定する場合、必
要な各種分析項目にそれぞれ対応する粒子標識プローブ
液を収容した容器90a,90bと、蛍光性粒子標識プ
ローブ液を収容した容器36a,36bと制限酵素液収
容容器38と、その他必要な緩衝液容器(図示せず)等
である。粒子標識プローブと蛍光性粒子標識プローブと
は、その粒子径が異なる。
【0071】反応テーブル3の構成は、反応テーブル2
とほぼ同様であるが、そのサークル上に配列されている
複数の反応容器34bの構造が下記のごとくなってい
る。
【0072】反応容器34bは、上部にフィルタを設
け、壁部に小孔を有する小室からなり、フィルタは、そ
のフィルタの孔径が前期粒子標識の一つを通し、他の一
つを阻止する大きさとなっている。また、小室内の試薬
液が、小孔を通じて前期反応容器34b外に排出される
ように、その小孔には吸引装置101が接続されてい
る。
【0073】反応テーブル3は、サンプルテーブル1,
反応テーブル2と同様に、コントローラCによって制御
されるパルスモータ94に所定の反応容器34bが所定
の位置となるように回転自在に構成されている。
【0074】自動ピペット機構は、先の図4の例と同様
であるが、サンプルテーブル1,試薬テーブル35と反
応テーブル2間とのサンプル,試薬等の分注およびサン
プルテーブル1,試薬テーブル35,反応テーブル2と
反応テーブル3間との試料,試薬,反応液等の分注を行
い、その動作軌跡はa,bである。
【0075】図5の実施例に係る分析システムの動作を
説明する。
【0076】一次検査用の免疫分析項目は、反応テーブ
ル2と反応容器34aと光源11と分光器10等により
図4の例と同様にして測定されるので詳細な説明は省略
し、二次検査用の核酸分析について説明する。
【0077】試料の移送は、ノズル43によってサンプ
ル吸入位置にあるサンプル容器33内の試料を一定量吸
入する。一定量の試料は、サンプル吐出位置に移送され
た反応容器34a内に吐出される。試薬テーブル35
は、パルスモータ94により所定の角度回転し、必要な
タイミングで指定された試薬容器をノズル43による吸
入位置に停止するように位置づける。第一試薬の粒子標
識プローブは、ノズル43によって第一の試薬分注位置
にある反応容器34a内に注入される。また、第二試薬
の蛍光性粒子標識プローブは、ノズル43によって第二
の試薬分注位置にある反応容器34a内に注入される。
【0078】反応容器34aの反応室中で反応させた試
料と粒子標識プローブと蛍光性粒子標識プローブとのハ
イブリダイゼーション反応液は、反応テーブル2の反応
液分注位置においてノズル43によって、反応容器34
bのフィルタ部に注入される。
【0079】反応テーブル3のフィルタ洗浄位置におい
ては、吸引装置101が作動して、フィルタの孔径より
も小さな未反応の蛍光性粒子プローブを、反応容器34
bの小室の壁に設けられた小孔を通じて小室外に排出す
る。ノズル43によって洗浄液を反応容器34b内のフ
ィルタ部に注入して吸引装置101を作動されることを
繰り返して、フィルタ部の洗浄を完全に実施する。
【0080】洗浄を終了した反応容器34bのフィルタ
部には、反応テーブル3の制限酵素液分注位置におい
て、ノズル43によって制限酵素液収容容器38から制
限酵素液が分注される。所定時間を経過した後に、反応
テーブル3の測定液取り出し位置において、吸引装置1
01が作動して測定液がとりだされてノズル43によっ
てフローセル内に導入する。フローセル47内に導入さ
れた測定液の蛍光性粒子は、計測部により測定する。
【0081】二次検査としてHIVを測定する場合につ
いて、具体的に試薬を特定して、反応容器34b内にお
ける分析操作仮定を説明する。
【0082】粒子標識プローブ液容器90aには、一本
鎖HIV−DNAプローブタイプ1を固定化したラテッ
クス粒子試薬、例えば、直径0.9μm を準備する。
【0083】一方、蛍光性粒子標識プローブ液容器36
aには、蛍光性物質としてのクマリン誘導体が含有され
ている蛍光ラテックス粒子、例えば、直径0.1μm に
一本鎖HIV−DNAプローブタイプ2を結合させた蛍
光標識ラテックス粒子試薬を準備する。
【0084】それぞれの一本鎖HIV−DNAプロー
ブ、すなわち一本鎖HIV−DNAプローブタイプ1と
一本鎖HIV−DNAプローブタイプ2とは、測定対象
の核酸成分に体して総補的なヌクレオチド配列を持つ
が、互いには相補的なヌクレオチド配列を持たないもの
を使用した。
【0085】制限酵素液としては、蛍光標識ラテックス
粒子に結合させた一本鎖HIV−DNAプローブタイプ
2と測定対象の核酸成分がハイブリダイズして形成した
二本鎖DNAを切断する制限酵素として、例えばHaeIII
を準備する。
【0086】反応テーブル3上の反応液分注位置では、
反応容器34bの下部に吸引装置101としてポンプが
配置されている。また、フィルタは孔径0.6μm 、直
径10mmのメインブレンフィルタを使用した。
【0087】分析操作が開始されると、ノズル43によ
りラテックス粒子試薬液容器90aからラテックス粒子
試薬が分取され、対応する反応容器34b内の小室に吐
出することによって、当該反応容器HIV分析用である
ことを特定する。
【0088】このようにして準備された反応容器34b
の小室には、次いでサンプル容器33からノズル43に
よって分取された試料が添加される。サンプル中のHI
V−DNAは、一本鎖HIV−DNAプローブタイプ1
を固定化したラテックス粒子と反応する。この反応を1
5分間行わせ、ハイブリダイズ反応形成させる。
【0089】次に、蛍光標識ラテックス粒子試薬を試薬
容器36aからノズル43で一定容量吸入し対応する反
応容器34bの反応室に吐出する。
【0090】反応容器34bは、所定温度、例えば37
℃のもとで一定時間、例えば15分間反応テーブル3上
で反応を維持する。これにより、ハイブリダイズ反応生
成物には、さらに一本鎖HIV−DNAプローブタイプ
2が反応する。
【0091】反応テーブル3のフィルタ洗浄位置におい
ては、ノズル43によって洗浄液を反応容器34b内の
フィルタ部に注入して吸引ポンプを作動させることを繰
り返し、洗浄を完全に行う。
【0092】次いで、試薬テーブル35の回転によりそ
の吸入位置に制限酵素液容器38が位置付けられる。容
器38内の制限酵素HaeIII25を含む液が、ノズル43に
より一定量吸入され、反応テーブル3上の対応する前期
反応容器34bのフィルタ部に吐出される。フィルタ部
では、蛍光標識ラテックス粒子に結合させた一本鎖HI
V−DNAプローブタイプ2と測定対象が核酸成分がハ
イブリダイズして形成した二本鎖DNAが、所定の切断
箇所で切断される。これにより、反応容器34b内の液
に蛍光標識ラテックス粒子が浮遊する。
【0093】遊離体を含む被測定液は、反応テーブル3
上の測定液取り出し位置において、吸引ポンプが作動し
て測定液が取り出されてノズル43によって吸入されフ
ローセル47に吐出される。遊離粒子を計測して二次検
査の成分である核酸濃度が得られる。上述した実施例に
よれば、生化学分析,免疫分析又は核酸分析による試料
の測定を必要に応じて実行でき、もって病気の診断のた
めに役立つ分析データを得ることができる分析システム
が提供される。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、その検査結果によって
病気の可能性を示す指標となる予備分析項目を一次検査
の対象として特定の分析装置により一次検査分析を実行
し、二次検査すべきか否かを振り分ける基準としてチェ
ックレベル又はチェックインデックスを複数種類につき
予め設定しておき、二次検査をする場合には一次検査の
場合よりも病気をより特定できる分析項目を選択的に測
定可能にするために、分析システム内に複数種の分析装
置を設けた分析装置および二次検査用分析項目を選択す
きるようにしたので、病態の診断にとって適切な情報を
迅速に提供することができる。また、一次採取された検
体に対して一次検査と二次検査を連続して自動的に分析
測定でき、それらの測定結果を同時に報告できるので、
患者および医師の負担を大幅に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の分析システムにおける全体
の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施例における表示装置上に表示された
二次検査のための条件設定用メニュー画面の例を示す図
である。
【図3】図1の実施例における主要な処理を示すフロー
チャートである。
【図4】本発明の他の実施例の分析システムの概略構成
を示す図である。
【図5】本発明のもう1つの実施例の概略構成を示す図
である。
【符号の説明】
1…サンプルテーブル、2,3…反応テーブル、33…
サンプル容器、35…試薬テーブル、47…フローセ
ル、102…コントロール装置、103…メモリ、10
4…表示装置、105…複合分析部、107…CRT、
111…生化学分析装置、112…免疫分析装置、11
3…核酸分析装置、114…クロマトグラフィー分析装
置、117…搬送路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−5694(JP,A) 特開 平6−102272(JP,A) 特開 平1−196569(JP,A) 特開 昭63−206660(JP,A) 特開 平6−194370(JP,A) 特開 平2−195260(JP,A) 特開 平6−130071(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 35/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次検査において測定される予定の予備分
    析項目および二次検査において測定される予定の分析項
    目を登録する手段と,一次検査のために予備分析項目を
    測定する手段と,二次検査のために二次検査分析項目を
    測定する手段と,予備分析項目が測定された試料に対し
    二次検査分析項目用のチェックレベルを登録する手段
    と,予備分析項目の測定データと前記チェックレベルと
    の比較に基づいて特定の分析項目を二次検査すべきこと
    を決定する手段と,この決定手段による決定の対象とな
    った試料を前記二次検査分析項目用測定手段でもって分
    析するように制御する手段と,前記二次検査分析項目の
    測定結果を出力する手段と、を備えた生体試料分析シス
    テムであって、 前記二次検査分析項目用測定手段が複数の分析装置から
    なり、 前記決定された特定の二次検査分析項目を該複数の分析
    装置のうちのいずれの分析装置で分析するかを選択し、
    試料を選択された分析装置へ搬送する搬送手段と、該搬
    送手段を制御する手段を備えたことを特徴とする生体試
    料分析システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の分析システムにおいて、上
    記測定結果出力手段は、一次検査のための予備分析項
    目,二次検査のための分析項目、およびチェックレベル
    のための適正値を対応づけて画面表示する表示手段を含
    むことを特徴とする生体試料分析システム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の分析システムにおいて、上
    記適正値を入力するための入力手段を備えたことを特徴
    とする生体試料分析システム。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の分析システムにおいて、上
    記入力手段は、二次検査分析項目の測定動作を実行する
    ための分析装置を、システム内の複数の分析装置の中か
    ら選択する機能を有するものであることを特徴とする生
    体試料分析システム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の分析システムにおいて、上
    記予備分析項目用測定手段は生化学分析装置であり、上
    記二次検査分析項目用測定手段は免疫分析装置又は核酸
    分析装置であり、さらに、これらの分析装置に共用され
    る試料供給手段を備えたことを特徴とする生体試料分析
    システム。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の分析システムにおいて、上
    記測定結果出力手段は、二次検査分析項目の測定結果と
    共に予備分析項目の測定結果を出力するように構成され
    ていることを特徴とする生体試料分析システム。
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