JP3626032B2 - 自動分析方法および自動分析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動分析方法及び自動分析装置に係り、特に、生化学分析の他に、免疫分析等を行う複合システムに好適な自動分析方法及び自動分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
血液,尿などの生体由来の試料(検体)を分析する自動分析装置においては、従来は検体中に含まれる酵素や脂質等の測定に適した生化学分析装置による分析が主流であったが、近年、感染症や腫瘍マーカー等の陰性,陽性の有無を問う免疫分析や感染症の抗原が生体中で増加する際に検出される抗原のDNAやRNA等の遺伝子の分析をするのに適した遺伝子分析の依頼も増加しており、免疫分析や遺伝子分析を専門に行うための装置も普及しており、特に感染症や腫瘍マーカー等の分析だけでなく血清中のホルモン等の分析も高感度で行うことの出来る免疫分析装置に対する需要が高まっている。
【0003】
臨床検査での感染症や腫瘍マーカー等の項目の分析比率が高まるに連れて、検査室での作業効率向上のために、同一のサンプルカップ中の検体を用いて生化学分析等検体キャリーオーバー回避が不要な項目と、その他免疫分析,遺伝子分析等、その分析項目中に検体キャリーオーバー回避が必要な測定項目を分析する装置の要求が高まりつつある。この要求を満たすためには、生化学分析を主に行う分析ユニットと、その他、免疫分析項目の分析を主に行う免疫分析ユニットあるいは遺伝子分析を主に行う遺伝子分析ユニット等を組み合わせて成る複合システムが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる複合システムにおいては、次のような検体を扱うことからシステム全体のスループットが低下するという問題があった。
【0005】
1)一般に、免疫分析における各分析項目の分析に要する時間は、生化学分析の各分析項目の分析に要する時間に比べて長時間である。従って、分析に長時間を要する項目を含む検体と、この分析項目に比して短時間で分析の終了する項目を含む検体とが、同一の検体ラック上にある場合、分析に長時間を要する項目を含む検体の分析結果を待って、短時間で分析の終了する項目を含む検体の分析を行うようにすると、分析システムとしてのスループットは、分析に長時間を要する項目を含む検体の分析時間に依存することになり、スループットが低下することになる。
【0006】
2)また、同一のサンプルカップ中の検体について、その分析項目中に検体キャリーオーバー回避が必要な測定項目と、検体キャリーオーバー回避が不要な項目を分析する装置の場合、特に感染症や腫瘍マーカー等の分析を行う免疫分析の場合、検体キャリーオーバーはあってはならず、そのため検体キャリーオーバー対策が免疫分析ユニットに比して不十分な生化学分析ユニットからの検体キャリーオーバーの免疫分析への影響を防止する必要がある。分析項目中に検体キャリーオーバー回避が必要な測定項目と検体キャリーオーバー回避が不要な項目を分析する装置の場合、検体キャリーオーバ回避の不要な項目の終了した後に、検体キャリーオーバー回避の必要な項目を分析した場合、検体キャリーオーバーが起こる可能性が高いものである。具体的には、感染症や腫瘍マーカー等の分析の場合、ある検体の前に分注した検体が陽性反応を示した時、本来、陰性であるはずの検体中に分注の際に分注ノズルを介して前の検体の一部が混入して検体を汚染してしまい、その結果、検体キャリーオーバーが起こる可能性が高くなる。
このようなキャリオーバーを回避するために、キャリオーバー回避が必要な分析項目を含む分析を行った後、再検査の必要性が無い検体の場合のみ引き続き検体キャリーオーバ回避の不要な項目での分析を行うようにすることで検体キャリーオーバを回避することができる。
しかしながら、複数の検体ラックを搭載した検体ラック中の少なくとも1つ以上の検体の分析項目中に検体キャリーオーバー回避が必要な測定項目が含まれるために、その他の検体キャリーオーバー回避が不要な検体もまた、検体ラックとしては検体キャリーオーバー回避の為の動作を強要されてしまい、検体の載った検体ラックは免疫分析項目の分析が終了するまでの間、次の分析を行うことが出来ず、その時間だけシステム全体のスループットが低下することになる。
【0007】
また、一つの検体が分析時間の長い分析項目と分析時間の短い分析項目を含む場合や、一つの検体が検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目と検体キャリオーバー回避が不要な分析項目を含む場合等においても、同様に、システム全体のスループットが低下するという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、検体の分析項目によらず、スループットの向上した自動分析方法及び自動分析装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体と検体キャリオーバーの回避が不要な分析項目のみを含む検体が搭載された検体ラックを、検体キャリオーバーの回避が必要な分析を行う第1の分析ユニットと、検体キャリオーバーの回避が不要な分析を行う第2の分析ユニットとに搬送して、検体ラックに搭載された検体の分析を行う自動分析方法において、上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体を第1の分析ユニットで先に分注を行って分析を開始し、分析結果の出力を待つ間に、第2の分析ユニットに上記検体ラックを搬送して上記検体キャリオーバーの回避が不要な分析項目のみを含む検体の分析を行うとともに、上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体の分析結果がでた後に、第2の分析ユニットにて上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体の分析をするようにしたものである。
かかる方法により、検体キャリオーバーが不要な分析項目を含む検体の分析を早く行えるため、スループットを向上し得るものとなる。
【0012】
(2)上記目的を達成するために、本発明は、検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体と検体キャリオーバーの回避が不要な分析項目のみを含む検体が搭載された検体ラックを、検体キャリオーバーの回避が必要な分析を行う第1の分析ユニットと、検体キャリオーバーの回避が不要な分析を行う第2の分析ユニットとに搬送して、検体ラックに搭載された検体の分析を行う自動分析方法において、上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体を第1の分析ユニットで先に分注を行って分析を開始し、分析結果の出力を待つ間に、第2の分析ユニットに上記検体ラックを搬送して上記検体キャリオーバーの回避が不要な分析項目のみを含む検体の分析を行うとともに、上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体に再検査が設定された際には、上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体の分析結果により、再検査が必要な場合には、前記第1の分析ユニットにて再検査後に、第2の分析ユニットにて上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体の分析をするようにしたものである。
かかる方法により、キャリオーバーを回避し得るものとなる。
【0017】
(3)上記目的を達成するために、本発明は、検体キャリオーバーの回避が必要な分析を行う第1の分析ユニットと、検体キャリオーバーの回避が不要な分析を行う第2の分析ユニットとを有し、検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体と検体キャリオーバーの回避が不要な分析項目のみを含む検体が搭載された検体ラックを、上記第1の分析ユニット及び第2の分析ユニットに搬送して、検体ラックに搭載された検体の分析を行う自動分析装置において、上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体を第1の分析ユニットで先に分注を行って分析を開始し、分析結果の出力を待つ間に、第2の分析ユニットに上記検体ラックを搬送して上記検体キャリオーバーの回避が不要な分析項目のみを含む検体の分析を行うとともに、上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体の分析結果がでた後に、第2の分析ユニットにて上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体の分析をするようにしたものである。
かかる構成により、検体キャリオーバーが不要な分析項目を含む検体の分析を早く行えるため、スループットを向上し得るものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図8を用いて、本発明の一実施形態による自動分析装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による自動分析装置の全体構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による自動分析装置の全体構成を示すシステムブロック図である。
【0020】
本実施形態による自動分析装置は、検体ラック投入部1と、ID読み取り部2と、搬送ライン3と、戻し搬送ライン4と、分析モジュール5,6,7,8と、検体ラック待機部9と、検体ラック回収部10と、全体管理用コンピュータ11とを備えている。
【0021】
検体ラック投入部1は、ぞれぞれ複数個の検体(試料)を保持する複数個の検体ラックを投入する部分である。分析モジュール5,6,7,8は、搬送ライン3に沿って配置されているとともに、搬送ライン3に取り外し可能に接続されている。分析モジュールの数は任意でよく、本実施形態では、4個の場合を示している。4個の分析モジュール5,6,7,8は、2つの分析ユニットを構成している。即ち、第1の分析ユニットは、搬送ライン3の上流側の2個,即ち、分析モジュール5,6で構成され、これらは、免疫分析モジュールとされている。また、第2の分析ユニットは、下流側の2個,即ち、分析モジュール7,8で構成され、これらは、生化学分析モジュールとされている。なお、生化学分析モジュールを構成する分析モジュールの数は、2個に限らず、3個以上でもよいものえある。
なお、本実施形態では、生化学分析モジュールと免疫分析モジュールとの組み合わせの場合を示しているが、その他の分析モジュール、例えば、遺伝子分析モジュールとの組み合わせで構成されていても良いものである。
【0022】
搬送ライン3は、検体ラック投入部1からの検体ラックを、分析モジュール5,6,7,8のうちの所定の分析モジュールに搬送する。また、搬送ライン3は、分析モジュール5,6,7,8での分析が終了した検体を保持する検体ラックを、検体回収部10に収納するように搬送する。分析モジュール5,6,7,8は、それぞれ、引き込み線51,61,71,81を有している。検体ラックの搬送ライン3から分析モジュール5,6,7,8へのそれぞれの搬送は、その検体ラックを引込み線51,61,71,81にそれぞれ引き込むことによって行われる。戻し搬送ライン4は、分析モジュール5,6,7,8のいずれかで分析処理した検体ラックを、再検査が必要である場合や、更に別の分析モジュールで分析する必要のある場合に、搬送ライン3の入り口に戻すためのものである。検体ラック待機部9は、各分析モジュールで分析された検体をほかの分析モジュールで更に分析する場合、各分析モジュールでの分注,分析が終ってからの再検査すべきかどうかの判断結果が出るまで一時的に待機させる部分である。
【0023】
分析モジュール5,6,7,8は、それぞれの分析モジュール内の必要な処理のための制御を行うコンピュータ12,13,14,15を備えている。また、検体ラック投入部1は、検体ラック投入部1,搬送ライン3,再検査用搬送ライン4および検体ラック回収部10内の必要な制御を行うコンピュータ16を備えている。更に、検体ラック待機部9は、検体ラック内の必要な制御を行うコンピュータ17を備えている。コンピュータ12,13,14,15,16,17およびID読み取り部2は、全体管理用のコンピュータ11に接続されている。コンピュータ11には、更に必要な情報を入力する操作部18および分析結果を表示する表示部19が接続されている。
【0024】
検体ラックによって保持された検体は、検体に関する情報(受付番号,患者氏名,依頼分析項目等)を示す検体IDを有し、また、検体ラックは、ラック番号等のラック識別情報を示すラックIDを有する。検体ラック投入部1置かれた検体ラックは、搬送ライン3によって搬送されるが、検体ラックが搬送ライン3に移った際に、検体IDや検体ラックIDが、ID読み取り部2で読み取られ、コンピュータ11に送られる。コンピュータ11は、その情報に基づいて、依頼された分析項目の分析がいずれの分析モジュールで行われるかを決定し、コンピュータ16や決定された分析モジュールのコンピュータ12,…,15にその情報を与える。
【0025】
次に、図2を用いて、本実施形態による分析装置に用いる免疫分析モジュールの構成について説明する。なお、図2においては、図1に示した免疫分析モジュール5を例にして説明するが、免疫分析モジュール6も、同様の構成である。また、図1と同一符号は、同一部分を示している。
図2は、本発明の一実施形態による分析装置に用いる免疫分析モジュールの構成を示す平面図である。
【0026】
複数の試薬容器20は、試薬ディスク21上に円状に配列される。試薬ディスク21は、モーターにより回転される。複数個の反応容器22は、恒温槽23上に円状に配置される。恒温槽23は、モータにより回転される。恒温槽23の回転動作によって、反応容器22は、反応容器設置位置24から試料分注位置25,試薬分注位置26及び反応液吸引位置27へと移動される。
【0027】
試料分注ピペッタ28は、試料吸引位置29から試料分注位置25に、モータにより移動可能である。検体ラック30が引き込み線51に引き込まれ、その検体ラックによって保持されて、試料吸引位置29に位置付けられた検体(試料)を試料分注位置25にある反応容器22に分注するときは、試料分注ピペッタ278のノズルの先端に使い捨てチップ31が装着される。
【0028】
試薬分注ピペッタ32は、試薬吸引位置33から試薬分注位置26に移動可能である。シッパ34は、反応液吸引位置27,緩衝液吸引位置35およびフローセル内部用洗浄位置36間で移動可能である。又、シッパ34は、チューブを介して、検出ユニット37内のフローセルまで反応液を送る機能を持っている。
【0029】
チップおよび反応容器移送機構38は、使い捨てチップ31を、チップ保管位置39からチップ装着位置55へ、また、反応容器33を、反応容器保管位置40あら反応容器設置位置24へと移送する。試薬分注ピペッタ32およびシッパ34は、それぞれの洗浄位置で自身のノズルを洗浄する。
【0030】
次に、免疫分析モジュール5の動作を説明する。
最初に、チップおよび反応容器移送機構38は、使い捨てチップ31をチップ装着位置55へ、また、反応容器22を反応容器設置位置24へ移送する。検体が試料吸引位置29に位置付けられると、試薬ディスク21は、その検体の分析に用いる試薬の入った試薬容器20を試薬吸引位置33に位置付けるように回転すると共に、試料分注ピペッタ28は、ノズルに使い捨てチップ31を装着した後、試料吸引位置29に移動し、試料(検体)を吸引する。試料吸引後、試料分注ピペッタ28は試料分注位置25に移動され、吸引した試料を反応容器22に放出する。その放出後、試料分注ピペッタ28は、チップ廃棄位置41に移動されて、先端のチップは廃棄される。
【0031】
試料が放出された反応容器22は、反応ディスク23の回転により、試薬分注位置26に移動される。試薬分注ピペッタ32は、試薬吸引位置33にある試薬を吸引し、これを試薬分注位置26に移動された反応容器22に放出される。試薬と試料との免疫反応液の入った反応容器22は、一定時間経過後、反応ディスク23の回転により、反応液吸引位置27に移動される。シッパ34は、その反応液を吸引し、さらに、緩衝液吸引位置35に移動して緩衝液を吸引し、チューブを介して検出ユニット37内のフローセルに移す。これによって光学的測定が行われ、免疫分析項目の分析結果が得られる。その後、シッパ34は、フローセル内部用洗浄位置36に移動され、フローセル内部用洗浄液を吸引して、チューブを介してフローセルに流し、フローセルを洗浄する。
【0032】
次に、図3を用いて、本実施形態による分析装置に用いる生化学モジュールの構成について説明する。なお、図3においては、図1に示した生化学分析モジュール7を例にして説明するが、生化学分析モジュール8も、同様の構成である。また、図1と同一符号は、同一部分を示している。
図3は、本発明の一実施形態による分析装置に用いる生化学分析モジュールの構成を示す平面図である。
【0033】
生化学モジュール7は、複数の第1の試薬41が、それぞれ円状に配列された第1の試薬ディスク43と、複数の第2の試薬42が、それぞれ円状に配列された第2の試薬ディスク44と、第1および第2の試薬分注ピペッタ45,46とを含む試薬系と、試料分注ピペッタ47を含むサンプル系と、恒温槽48からの恒温槽が循環する反応ディスク49上に複数個の反応容器50が配列されている反応系と、多波長光度計52を含む測定系(分析系)とを備えている。
【0034】
検体ラック30が引き込み線71に引き込まれ、その検体ラックに保持されて、試料吸引位置に位置付けられた検体(試料)は、試料分注ピペッタ47により吸引され、反応ディスク49の反応容器50に試料分注位置において放出される。試料が放出された反応容器50は、反応ディスク49の回転により、第1の試薬分注位置に移動され、そこで、その反応容器50には第1の試薬ディスク43に保持されている第1の試薬41が、第1の試薬ピペッタ45により分注される。第1の試薬が分注された反応容器50は、攪拌位置に移動され、そこで攪拌位置53により試料と第1の試薬との攪拌が行われる。
【0035】
更に、第2の試薬の添加が必要な場合は、攪拌処理済みの反応容器50は、第2の試薬分注位置に移動され、そこで、反応容器50には、第2の試薬ディスク44に保持されている第2の試薬42が第2の試薬ピペッタ46によって分注される。分注済みの反応容器50は、攪拌位置に移動され、そこで、攪拌装置53により反応容器50内の試料,第1の試薬及び第2の試薬の攪拌が行われ、その反応液が生成される。
反応液が入った反応容器50は、測定位置に移動され、そこで、多波長光度計52により、反応液の多波長吸光度測定が行われ、生化学分析項目の分析結果が得られる。
【0036】
次に、図4〜図8を用いて、本実施形態による自動分析装置のシステム操作の手順について説明する。
図4は、本発明の一実施形態による自動分析装置のシステム操作の手順を示すフローチャートである。
【0037】
ステップS401において、オペレーターは、試薬を各分析モジュール内の所定の位置に設置し、そして、各試薬がどの分析モジュールにあって、どの分析項目に対してのものであるかの情報を、コンピュータ11内の記憶装置に記憶し、登録する。この登録は、オペレータが操作部18を操作することにより行っても良いし、あるいは試薬が有する試薬IDを自動的に読み取って行うようにしても良いものである。また、検体ラックに検体を設置し、各検体毎に、検査項目を設定して、登録する。
【0038】
ここで、図5及び図6を用いて、検査項目の設定例について説明する。
図5は、本発明の一実施形態による自動分析装置における生化学分析の分析項目の設定例の説明図であり、図6は、本発明の一実施形態による自動分析装置における免疫分析の分析項目の設定例の説明図である。
【0039】
図5に示すように、検体種別,検体番号,患者ID,サンプルカップ等の検体情報を入力するとともに、図示されているSheet1〜Sheet5の各タグを用いて、分析項目を設定する。Sheet1〜Sheet4は、生化学分析の分析項目を一覧になって記載されており、Sheet5には、免疫分析の分析項目の一覧が記載されている。
図5に示す例では、Sheet1が選択されており、生化学分析の分析項目として、AST,ALT,IP,…,ISE等が設定されていることを示している。
図6に示す例では、Sheet5が選択されており、免疫分析の分析項目として、TSH,T3T,T4,…,T−UP等が設定されていることを示している。
【0040】
次に、図4のステップS402において、オペレータは、全ての項目、全ての検体に対して無条件に自動再検査ロジックを働かせるかどうか、また働かせるとすればどの再検査ロジックを働かせるかを、操作部18を操作して指定する。
【0041】
次に、全項目,全検体に対して無条件に自動再検査を行わない場合は、ステップS403において、オペレーター自身が、分析項目毎および、あるいは検体毎に対して自動再検査ロジックを働かせるかどうか、また働かせるとすればどの再検査ロジックを働かせるかを操作部18を操作して指定する。これは、真に再検査が必要な分析項目についてだけ再検査を自動的に行おうというもので、装置全体としての処理能力低下の最小化を図るのに大きく寄与するものである。
【0042】
自動再検査ロジックは、具体的には、例えば、次のような条件を示すものである。これらは、あらかじめコンピュータ11の記憶装置に記憶され登録されており、オペレータが指定して選択することができる。
(1)無条件に必ず自動再検査を実施する。
(2)分析項目それぞれについて予め設定された分析(測定)レンジを外れた場合は自動再検査を実施する。
(3)同一被験者由来の検体について、今回分析値と前回分析値との差が予め設定された限界値を超えた場合は自動再検査を実施する。
【0043】
ここで、図7を用いて、自動再検査ロジックの設定例について説明する。
図7は、本発明の一実施形態による自動分析装置における自動再検査ロジックの設定例の説明図である。
【0044】
図示する例では、各分析ユニット上に載った試薬情報として、項目名,有効項目数,試薬がどの分析ユニットに搭載されているのかを示す分析ユニット,分析ユニット上のどの試薬ポジションにいるのかを示すポジション,その試薬がどの項目グループに属するのかを示すグループ,そして、再検査を依頼されている場合は再検査登録の項目にチェックマークが示されている。この時、再検査の依頼は再検登録を押すことで全ての項目を再検査する、あるいはしないという登録を行うことも出来るし、マニュアル登録を押すことで項目毎の登録も可能である。
【0045】
図示する例では、「再検査登録」の欄の中で、丸印が付されているCEA,HCG,CA19−9,CK125の各免疫分析の項目について、自動再検査が設定されていることを示している。「キャリオーバー回避」の欄は、キャリオーバーの回避が必要か否かを登録するものであり、本例では、「再検査登録」と同様に、CEA,HCG,CA19−9,CK125の各免疫分析の項目について、キャリオーバー回避が必要なことが設定されていることを示している。
【0046】
次に、図4のステップS404において、オペレータは、自動再検査を行う場合の分析(測定)チャンネル使用アルゴリズムの指定を、操作部18を操作して行う。自動再検査を行う場合の分析チャンネル使用アルゴリズムは、具体的には、例えば、次のような条件を示すものである。これらは、予めコンピュータ11の記憶装置に記憶され登録されており、オペレータがどれかを指定して選択することができる。
(1)無条件に必ず自動再検査を実施する。
(2)再検査前の分析(測定)時と同じ分析(測定)チャンネルを使用する。
(3)再検査前の分析時と違う分析チャンネルを使用する。これは、再検査前の分析チャンネルが異常である場合に有効である。
(4)再検査前の分析時と同じ分析チャンネルを含む複数の分析チャンネルを使用する。これは信頼性の高い分析結果を得たい場合に有効である。
(5)再検査前の分析時と同じ分析チャンネルを含まない複数の分析測定チャンネルを使用する。これは、再検査前の分析チャンネルが異常であって、かつ信頼性の高い分析結果を得たい場合に有効である。
【0047】
各分析モジュールは、1つの分析(測定)チャンネルしかもっていないものとしているが、複数の分析チャンネルを持っていてもよいものである。また、上記(3)および(4)における複数の分析チャンネルは、1つの分析モジュール内での複数の分析チャンネルであってもよいし、あるいは、同じ分析ユニットの範囲内において複数の分析モジュールにまたがる複数の分析チャンネルであってもよいものである。
なお、自動再検査ロジック情報および分析チャンネル使用アルゴリズムは、コンピュータ11内の記憶装置に登録されるが、その外部に設けられた記憶装置に記憶し登録するようにしてもよいものである。
【0048】
以上のようなオペレータによる操作が終了すると、ステップS405において、分析が開始され、ステップS406において、その分析結果が出力される。
さらに、分析結果によっては、ステップS407において、自動再検査ロジックが働いた後、ステップS408において、分析が終了する。
【0049】
なお、上述したシステム操作フローにおいては、試薬と検体を同時に設置、登録後のシステムフローを示したが、試薬の設置後にS402、S403に対応するように各項目あるいは全項目に対して自動再検査を行うかどうかの設定を行った後、各項目あるいは全項目に対して自動再検査を行う場合、どのような自動再検査ロジックを行うか設定した後、各検体あるいは測定予定の全検体に対してS402、S403に示すように各検体毎にあるいは全検体に対して自動再検査を行うかどうか、もし行う場合はどのような自動再検査ロジックを行うか設定した後、分析を行ってもよいものである。
【0050】
次に、図8を用いて、本発明の一実施形態による自動分析装置における検体ラック搬送処理の流れについて説明する。
図8は、本発明の一実施形態による自動分析装置における検体ラック搬送処理を示すフローチャートである。
【0051】
本実施形態における分析ロジックは、基本的には、次のようなものである。
今、同じ検体ラックが免疫分析モジュール5と生化学分析モジュール7の2箇所に立ち寄って、その検体ラックによって保持された検体について免疫分析項目の分析と生化学分析項目の分析を行うものとする。免疫分析項目の分析は、生化学分析項目の分析に比べて、分析に長時間を要するものである。
【0052】
例えば、検体ラックに保持されている検体が、自動再検査の指定がない検体ある場合や、あるいは操作部18にて再検査をしないと登録された検体である場合、最初に、検体ラックは搬送ライン3によって免疫分析モジュール5に搬送され、ここで分注され、免疫分析が行われる。その分注が終了すると、検体ラックは、搬送ライン3によって生化学分析モジュール7に搬送されて、ここで検体ラックに保持されている検体は生化学分析される。生化学分析を終了した検体ラックは、搬送ライン3によって検体ラック回収部10に搬送され、回収される。
【0053】
また、検体ラックに保持されている検体が、自動再検査の指定のある検体で、かつ、自動再検査の指定のある免疫分析項目を含む場合は、検体ラックは免疫分析のための分注の終了後、搬送ライン3によって検体ラック待機部9に搬送され、一時的に待機される。その間にコンピュータはある決められたアルゴリズムあるいはロジックに従って再検査の要否を判断し、その判断結果として再検査が必要な場合は、検体ラックは搬送ライン3及び戻し搬送ライン4によって搬送ライン4によって搬送ライン3の入口側に戻され、更に搬送ライン3によって分析モジュール5に搬送され、その検体ラックに保持されている検体が再度分注され、再検査、即ち再度の免疫分析がなされる。分析モジュール5での再度の免疫分析のための分注が終了した後は、検体ラックは、該当検体ラックに保持された検体が再検査指定のない検体である場合は、分析モジュール8および検体ラック待機部9に立ち寄ること無しに搬送ライン3によって検体ラック回収部10に搬送され回収される。
【0054】
さらに、分析モジュール7で分注済みの検体ラックについては、その検体ラックに保持された検体が再検査指定の検体でかつ再検査指定のある生化学分析項目を含む場合は分析モジュール5で分注済みの検体ラックについて、その検体ラックに保持された検体が再検査指定のある検体でかつ再検査指定のある免疫分析項目を含む場合と同様のステップが実行される。
【0055】
なお、検体ラックが分析モジュール5,6,7,8のいずれか、例えば分析モジュール5で免疫分析処理中に分析モジュール8で生化学分析を行いたい別の検体ラックがある場合は、その検体ラックを搬送ライン3によって分析モジュール5,6,7のいずれにも立ち寄らせることなく、分析モジュール8に直接搬送するようにしても良いものである。この意味では、搬送ライン3は、追い越し搬送ラインと呼ぶこともできる。
【0056】
以上のようにして、本実施形態では、生化学分析モジュールでの生化学分析と免疫分析モジュールでの免疫分析の両方を行う場合、免疫分析モジュールでの免疫分析が生化学分析モジュールでの生化学分析に先行して行われる。更に、免疫分析のための分注を終了した検体は、再検査が必要であるとの判断結果が出た場合は検体ラックは生化学分析モジュールでの生化学分析に先行して再度、免疫分析モジュールでの免疫分析が実行されるように搬送される。このため、生化学分析モジュールからの検体キャリーオーバーの免疫分析への影響が防止される。
【0057】
そして、検体ラック上には、複数の検体が設置されるわけであるが、それぞれの検体は、検体A)生化学分析だけ分析項目を行うもの、検体B)生化学分析と、自動再検査が設定されていない免疫分析の分析項目を行うもの、検体C)生化学分析と、自動再検査が設定されている免疫分析の分析項目を行うものが、混在しているため、検体ラック上の検体の種類に応じて、検体ラック毎の搬送処理を行うようにしている。即ち、本実施形態においては、検体ラック毎の搬送処理を行うようにして、分析時間を短縮するようにしているものである。なお、検体C)生化学分析と、自動再検査が設定されている免疫分析の分析項目を行うものは、キャリオーバー回避が必要なものとして、以下において説明する。
【0058】
ステップS501において、検体ラックが、図1に示した検体ラック投入部1に投入される。ここでは、この検体ラックには、上述した検体A),B),C)が載せられているものとする。
次に、ステップS502において、その投入された検体ラックが、搬送ライン3へ移送される。
次に、ステップS503において、検体IDおよびラックIDが、ID読み取り部2によって読み取られ、その情報がコンピュータ11に送られる。
【0059】
次に、ステップS504において、コンピュータ11は、その検体ラック上に免疫分析項目について分析依頼された検体があるかどうかの判断を行う。もし免疫分析項目が依頼されていない場合は、ステップS511に進んで、生化学分析モジュールに搬送される。免疫分析項目が依頼されている場合には、ステップS505に進む。免疫分析は、分析に長時間を要するため、最初に、免疫分析を行うようにしている。
本実施形態の説明では、検体A),B),C)が検体ラックに載せられているので、ステップS505に進む。もし、検体ラックに、検体A)のみが載せられている場合には、ステップS511に進むことになる。
【0060】
次に、ステップS505において、コンピュータ11は、自動再検査を依頼されているか否かを判断する。免疫分析項目の依頼があったときでも、その項目の自動再検査が依頼されていない場合には、ステップS510に進む。自動再検査が依頼されている場合には、ステップS506に進む。
本実施形態の説明では、検体A),B),C)が検体ラックに載せられているので、ステップS506に進む。例えば、検体ラックに、上述した検体B)のみが載置されている場合には、ステップS510に進むことになる。
【0061】
ここで、ステップS510について説明するに、コンピュータ11は、キャリオーバー回避が必要かどうかを判断する。キャリオーバー回避が必要であると設定されている場合には、ステップS506にすすみ、そうでない場合には、ステップS511に進んで、生化学分析モジュールに搬送される。
即ち、本実施形態においては、自動再検査が依頼されている場合や、キャリオーバー回避が必要であると設定されている場合には、最初に、免疫分析を行うよにしている。
【0062】
自動再検が依頼されている場合や、キャリオーバー回避が必要であると設定されている場合には、ステップS506において、検体ラックは、免疫分析モジュールに搬送される。
次に、ステップS507において、検体ラックから検体B)と検体C)を分注して、免疫分析項目の分析を開始する。そして、この免疫分析の分析結果が出力される前に、次のステップに進むようにしている。
【0063】
次に、ステップS508において、コンピュータ11は、既に、検体ラックに対して生化学分析項目の分析が終了しているか否かを判断する。ここでは、検体A)のように、生化学分析のみを行う検体の有無を判断しており、かかる検体があるときには、ステップS511に進み、そうでない場合には、ステップS509に進む。
本実施形態における説明では、検体B),C)の他に、検体A)が載っているので、ステップS510に進むことになる。免疫分析は、長時間を要するため、このまま検体A)を待機状態にすると、分析に長時間を要することとなるため、検体A)の生化学分析を実行するように、ステップS511に進む。
【0064】
ステップS511において、検体ラックは、生化学分析モジュールに搬送される。
次に、ステップS512において、検体ラック上の免疫分析項目に関する自動再検査を依頼された検体以外の検体に対して生化学分析項目の分析を行う。
本実施形態における説明では、検体ラック上の検体A),B)について生化学分析を行う。なお、検体ラック上の検体C)は、自動再検査が依頼されているため、キャリオーバーを回避するため、この時点では、生化学分析は行わないものである。
【0065】
次に、ステップS513において、生化学分析における自動再検査を依頼されている検体の再検査の有無が確認される。自動再検査が依頼されている検体がある場合には、ステップS514に進み、ない場合には、ステップS520に進む。
本実施形態における説明では、検体A)は、自動再検査が依頼されていないので、ステップS520に進むことになる。
【0066】
ステップS520において、検体ラック上に免疫分析項目に関する分析項目の再検査を要する検体があるか否かを判断する。そして、かかる検体がある場合には、ステップS506に進み、そうでない場合には、ステップS521に進む。本実施形態における説明では、検体C)は、免疫分析で、自動再検査が依頼されているので、再検査が必要であると判定されると、ステップS506に進むことになる。但し、再検査が不要であると判定されると、ステップS521に進むことになる。
【0067】
そして、ステップS506において、検体ラックは、免疫分析モジュールに搬送され、ステップS507において、免疫分析項目の再分析が行われる。
次に、ステップS508において、コンピュータ11は、既に、検体ラックに対して生化学分析項目の分析が終了しているか否かを判断する。ここでは、検体A)のように、生化学分析のみを行う検体の有無を判断しているため、ステップS509に進む。
【0068】
次に、ステップS509において、コンピュータ11は、既に、自動再検査を依頼されて再検査が終了し、かつ、生化学分析項目が依頼されている検体があるか否かを判断する。かかる検体がある場合には、ステップS511に進む、そうでない場合には、ステップS523に進む。
ここでは、検体C)は、免疫分析の再検査が終了しているが、生化学分析も依頼されているため、ステップS511に進む。なお、検体ラック上に、面積分析のみを依頼された検体がある場合には、ステップS523に進むことになる、
そして、ステップS511において、検体ラックは、生化学分析モジュールに搬送される。
次に、ステップS512において、検体ラック上の免疫分析項目に関する自動再検査を依頼された検体以外の検体に対して生化学分析項目の分析を行う。
本実施形態における説明では、検体ラック上の検体A),B)の生化学分析は既に終了しているため、免疫分析の再検査の終了した検体C)の生化学分析が行われるものである。
【0069】
次に、ステップS513において、生化学分析における自動再検査を依頼されている検体の再検査の有無が確認される。自動再検査が依頼されている検体がある場合には、ステップS514に進み、ない場合には、ステップS520に進む。
本実施形態における説明では、検体A)は、自動再検査が依頼されていないので、ステップS520に進むことになる。
【0070】
ステップS520において、検体ラック上に免疫分析項目に関する分析項目の再検査を要する検体があるか否かを判断する。そして、かかる検体がある場合には、ステップS506に進み、そうでない場合には、ステップS521に進む。
ここでは、検体C)の再検査は、終了しているため、ステップS521に進む。
【0071】
また、ステップS521において、検体ラック上に、免疫分析項目が依頼された検体があるか否かを判断する。ある場合には、ステップS506に進み、そうでない場合には、ステップS522に進む。
ここでは、検体B)があるため、再び、ステップS506に進むことになる。
【0072】
また、ステップS522において、検体ラック上に、免疫分析項目に関する分析項目の再検査を要する検体があるが、再検査の必要がなかった検体はあるかどかを判断する。かかる検体がある場合には、ステップS506に進み、ない場合には、ステップS523に進む。
例えば、ステップS520における判断で、検体C)の再検査が不要であると判断されると、ステップS511に進んで、ステップS512において、検体C)の生化学分析が行われることになる。
そして、ステップS523において、検体ラックは、検体収納部9に収納される。
【0073】
次に、生化学分析における再検査が依頼されている場合について説明する。
かかる場合には、ステップS513の判断で、ステップS514に進むことになる。
そして、ステップS514において、検体ラックを、検体ラック待機部9へ搬送する。
【0074】
次に、ステップS515において、自動再検査分析項目の分析順番を待つ。
次に、ステップS516において、再検査の必要があるか否かを判断する。再検査が不要な場合には、ステップS520に進み、再検査が必要な場合には、ステップS517に進む。
【0075】
そして、ステップS517において、測定チャンネル選択アルゴリズムに従い、生化学分析モジュールへ搬送する。
次に、ステップS518において、生化学分析の再検査を行う。
次に、ステップS519において、生化学分析を終了し、以下、ステップS520以降に進むことになる。
【0076】
以上の説明では、生化学分析モジュールでの生化学分析と免疫分析モジュールでの免疫分析の両方を行い、自動再検査を実行する場合には、免疫分析モジュールでの免疫分析が、生化学分析モジュールでの生化学分析に先行して行われる。
また、免疫分析のための分注を終了した検体は、再検査が必要であるかどうかの判断が終了するまで、一時的に検体ラック待機部に待機、あるいは、生化学分析ユニットに搬送されて、免疫分析項目に関する再検査の依頼がされていない他の検体に対して分注、分析が行われている間も、生化学分析ユニットでの分注が行われない事から、生化学分析モジュールからの検体キャリーオーバの免疫分析への影響が防止される。
また、免疫分析の結果、再検査の必要が無く、かつ再検査の依頼されている検体に関して生化学項目の分析が依頼されていない場合、この時点で検体ラックを収納することができることから、システム全体のスループットを下げることなく、生化学分析モジュールでの生化学分析と免疫分析モジュールでの免疫分析の両方を行うことが可能となる。
【0077】
なお、以上の説明では、検体ラックに複数検体が載っているものとして説明したが、1つの検体ラックに1つの検体が載っている場合においても、図8に示した検体ラックの搬送処理は、同様に、適用できるものである。
即ち、検体ラックに載せられた1つの検体が、分析に長時間を要する分析項目と分析が短時間で終了する分析項目を含む検体であり、分析に長時間を要する分析項目を第1の分析ユニットで先に分注を行って分析を開始し、分析結果の出力を待つ間に第2の分析ユニットに上記検体ラックを搬送して分析が短時間で終了する分析項目を含む検体の分析を行うようにするものである。
また、検体ラックに載せられた1つの検体が、検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目と検体キャリオーバーの回避が不要な分析項目を含む検体であり、検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を第1の分析ユニットで先に分注を行って分析を開始し、上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目の分析結果がでた後に、第2の分析ユニットにて上記検体キャリオーバーの回避が不要な分析項目の分析をするものである。
さらに、検体ラックに載せられた1つの検体が、検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目と検体キャリオーバーの回避が不要な分析項目を含む検体であり、検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体に再検査が設定された際には、上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体の分析結果により、再検査が必要な場合には、再検査後に、第2の分析ユニットにて上記検体キャリオーバーの回避が不要な分析項目の分析をするものである。
【0078】
以上説明したように、本実施形態によれば、検体の分析項目によらず、スループットの向上することができる。
また、検体キャリオーバーを回避することができる。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、検体の分析項目によらず、スループットの向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による自動分析装置の全体構成を示すシステムブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による分析装置に用いる免疫分析モジュールの構成を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施形態による分析装置に用いる生化学分析モジュールの構成を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態による自動分析装置のシステム操作の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態による自動分析装置における生化学分析の分析項目の設定例の説明図である。
【図6】本発明の一実施形態による自動分析装置における免疫分析の分析項目の設定例の説明図である。
【図7】本発明の一実施形態による自動分析装置における自動再検査ロジックの設定例の説明図である。
【図8】本発明の一実施形態による自動分析装置における検体ラック搬送処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…検体ラック投入部
2…ID読み取り部
3…搬送ライン
4…戻し搬送ライン
5,6,7,8…分析モジュール
9…検体ラック待機部
10…検体ラック回収部
11…全体管理用コンピュータ
12,13,14,15,16,17…各分析モジュール用コンピュータ
18…操作部
19…表示部
51,61,71,81…引込線

Claims (3)

  1. 検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体と検体キャリオーバーの回避が不要な分析項目のみを含む検体が搭載された検体ラックを、検体キャリオーバーの回避が必要な分析を行う第1の分析ユニットと、検体キャリオーバーの回避が不要な分析を行う第2の分析ユニットとに搬送して、検体ラックに搭載された検体の分析を行う自動分析方法において、
    上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体を第1の分析ユニットで先に分注を行って分析を開始し、分析結果の出力を待つ間に、第2の分析ユニットに上記検体ラックを搬送して上記検体キャリオーバーの回避が不要な分析項目のみを含む検体の分析を行うとともに、
    上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体の分析結果がでた後に、第2の分析ユニットにて上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体の分析をすることを特徴とする自動分析方法。
  2. 検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体と検体キャリオーバーの回避が不要な分析項目のみを含む検体が搭載された検体ラックを、検体キャリオーバーの回避が必要な分析を行う第1の分析ユニットと、検体キャリオーバーの回避が不要な分析を行う第2の分析ユニットとに搬送して、検体ラックに搭載された検体の分析を行う自動分析方法において、
    上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体を第1の分析ユニットで先に分注を行って分析を開始し、分析結果の出力を待つ間に、第2の分析ユニットに上記検体ラックを搬送して上記検体キャリオーバーの回避が不要な分析項目のみを含む検体の分析を行うとともに、
    上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体に再検査が設定された際には、上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体の分析結果により、再検査が必要な場合には、前記第1の分析ユニットにて再検査後に、第2の分析ユニットにて上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体の分析をすることを特徴とする自動分析方法。
  3. 検体キャリオーバーの回避が必要な分析を行う第1の分析ユニットと、検体キャリオーバーの回避が不要な分析を行う第2の分析ユニットとを有し、検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体と検体キャリオーバーの回避が不要な分析項目のみを含む検体が搭載された検体ラックを、上記第1の分析ユニット及び第2の分析ユニットに搬送して、検体ラックに搭載された検体の分析を行う自動分析装置において、
    上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体を第1の分析ユニットで先に分注を行って分析を開始し、分析結果の出力を待つ間に、第2の分析ユニットに上記検体ラックを搬送して上記検体キャリオーバーの回避が不要な分析項目のみを含む検体の分析を行うとともに、
    上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体の分析結果がでた後に、第2の分析ユニットにて上記検体キャリオーバーの回避が必要な分析項目を含む検体の分析をすることを特徴とする自動分析装置。
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