JP3298024B2 - プロセス制御方法およびプロセス制御装置 - Google Patents

プロセス制御方法およびプロセス制御装置

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JP3298024B2
JP3298024B2 JP00017493A JP17493A JP3298024B2 JP 3298024 B2 JP3298024 B2 JP 3298024B2 JP 00017493 A JP00017493 A JP 00017493A JP 17493 A JP17493 A JP 17493A JP 3298024 B2 JP3298024 B2 JP 3298024B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業プロセスを制御す
るプロセス制御方法およびプロセス制御装置に係り、特
に、熱交換器の制御のように、フィードバック制御とフ
ィードフォワード制御とを併用する場合の制御手段に関
する。
【0002】
【従来の技術】プロセス制御装置においては、PID制
御に代表されるフィードバック制御が多用されている。
フィードバック制御は、定常状態における小振幅の目標
値変更に対する追従性や定常偏差をゼロにする特性は優
れているが、大振幅の目標値変更や外乱に対する追従性
が良くない。
【0003】この点を改善するために、フィードフォワ
ード制御が使用される。フィードフォワード制御は、目
標値の変化や外乱の量を別の手段で測定し、その変化や
外乱量によるプロセス測定値の変化量を予測し、この変
化量を打ち消すように、先回りして操作量を変更する方
式である。
【0004】ただし、目標値の変化や外乱によるプロセ
ス測定値の変化量を完全に打ち消すことが通常できない
ので、フィードフォワード制御は、フィードバック制御
と併用されるのが一般的である。この種の従来技術は、
松山著『だれでもわかる自動制御』(pp78〜81,省エネ
ルギーセンター,1992)などに示されている。
【0005】この方法は、通常フィードフォワードフィ
ードバック制御系と呼ばれている。しかし、この方法で
は、センサーの非線形性の影響や測定誤差などにより、
特定の領域では、フィードフォワード制御が、制御性に
かえって悪影響を及ぼすような場合も発生する。そのよ
うな場合は、フィードバック制御のみに切換えて制御を
することもなされている。この種の従来技術は、例え
ば、山下・保志著『ディジタルプロセス制御』(pp115〜
133,コロナ社,1969)などに示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のフィードバック
制御は、定常状態における小振幅の目標値変更に対する
追従性や定常偏差をゼロにする特性は優れているが、大
振幅の目標値変更や外乱に対する追従性が良くないとい
う問題があった。
【0007】一方で、フィードフォワード制御は、目標
値変更に対する追従性は優れているが、目標値変化や外
乱によるプロセス測定値の変化量を完全に打ち消すこと
が通常はできない。
【0008】また、両者を組み合わせたフィードフォワ
ードフィードバック制御では、両制御の切換えが、オペ
レータの経験と勘とに頼ってなされており、完全な自動
制御を達成できないのが実状であった。
【0009】本発明の目的は、フィードバック制御とフ
ィードフォワード制御とを併用するプロセス制御系にお
いて、フィードバック制御とフィードフォワード制御と
使用割合を外乱の変化量に基づき的確に判断する手段
を備えたプロセス制御方法およびプロセス制御装置を提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、被加熱流体の熱交換器への入口温度およ
び流量に基づいて熱交換器への蒸気流量を演算するフィ
ードフォワード制御部の出力と被加熱流体の熱交換器か
らの出口温度に基づいて熱交換器への蒸気流量を演算す
るフィードバック制御部の出力とにより熱交換器を制御
する方法において、被加熱流体の熱交換器の入口温度の
変化量を外乱の変化量としフィードフォワード制御部の
出力とフィードバック制御部の出力との使用割合の判断
前記外乱の変化量に基づくファジィ推論により実行
し、当該外乱の変化量に基づくファジィ推論において下
記ルールを用いる熱交換器制御方法を提案する。 (1)外乱の変化量が大きいときにはフィードフォワード
制御部の出力の使用割合を大きくする。 (2)外乱の変化量が中くらいのときにはフィードフォワ
ード制御部の出力とフィードバック制御部の出力との使
用割合をほぼ等しくする。 (3)外乱の変化量が小さいときにはフィードバック制御
部の出力の使用割合を大きくする。
【0011】本発明は、また、被加熱流体の熱交換器へ
の入口温度および流量に基づいて熱交換器への蒸気流量
を演算するフィードフォワード制御部と被加熱流体の熱
交換器からの出口温度に基づいて熱交換器への蒸気流量
を演算するフィードバック制御部と両者の出力に基づい
て熱交換器を制御する手段とを含む熱交換器制御装置に
おいて、前記熱交換器制御手段が、被加熱流体の熱交換
器の入口温度の変化量を外乱の変化量としフィードフォ
ワード制御部の出力とフィードバック制御部の出力との
使用割合前記外乱の変化量に基づき判断するファジィ
推論器を備え、当該外乱の変化量に基づき判断するファ
ジィ推論器が、下記ルールを用いる熱交換器制御装置を
提案する。 (1)外乱の変化量が大きいときにはフィードフォワード
制御部の出力の使用割合を大きくする。 (2)外乱の変化量が中くらいのときにはフィードフォワ
ード制御部の出力とフィードバック制御部の出力との使
用割合をほぼ等しくする。 (3)外乱の変化量が小さいときにはフィードバック制御
部の出力の使用割合を大きくする。
【0012】本発明は、前段スタンドの板厚と目標板厚
との誤差を演算するフィードフォワード制御部の出力と
当段スタンドの目標板厚と実測板厚との誤差を演算する
フィードバック制御部の出力とに基づいて圧延機を制御
する方法において、前段スタンドの板厚と目標板厚との
誤差を外乱の変化量としフィードフォワード制御部の出
力とフィードバック制御部の出力との使用割合の判断を
前記外乱の変化量に基づくファジィ推論により実行し、
当該外乱の変化量に基づくファジィ推論において下記ル
ールを用いる圧延機制御方法を提案する。 (1)外乱の変化量が大きいときにはフィードフォワード
制御部の出力の使用割合を大きくする。 (2)外乱の変化量が中くらいのときにはフィードフォワ
ード制御部の出力とフィードバック制御部の出力との使
用割合をほぼ等しくする。 (3)外乱の変化量が小さいときにはフィードバック制御
部の出力の使用割合を大きくする。
【0013】本発明は、さらに、前段スタンドの板厚と
目標板厚との誤差を演算するフィードフォワード制御部
の出力と当段スタンドの目標板厚と実測板厚との誤差を
演算するフィードバック制御部の出力とに基づいて圧延
機を制御する手段とを含む圧延機制御装置において、前
記圧延機制御手段が、前段スタンドの板厚と目標板厚と
の誤差を外乱の変化量としフィードフォワード制御部の
出力とフィードバック制御部の出力との使用割合前記
外乱の変化量に基づき判断するファジィ推論器を備え、
当該外乱の変化量に基づき判断するファジィ推論器が、
下記のルールを用いる圧延機制御装置を提案する。 (1)外乱の変化量が大きいときにはフィードフォワード
制御部の出力の使用割合を大きくする。 (2)外乱の変化量が中くらいのときにはフィードフォワ
ード制御部の出力とフィードバック制御部の出力との使
用割合をほぼ等しくする。 (3)外乱の変化量が小さいときにはフィードバック制御
部の出力の使用割合を大きくする。
【0014】
【作用】本発明においては、フィードフォワード制御
出力とフィードバック制御の出力を使用割合を外乱の変
化量に基づきファジィ推論により判断するので、外乱の
変化などに対して即応性が求められる場合はフィードフ
ォワード制御を使い、定常状態における偏差をゼロに近
付けるような場合はフィードバック制御を使うというよ
うなルールを制御装置自体に組み込むことができ、オペ
レータの手を煩わすことなく、外乱の変化などに対して
即応性が求められる場合も、定常状態においても、良好
な制御性が得られる。
【0015】
【実施例】次に、図1〜7を参照して、本発明によるプ
ロセス制御方法およびプロセス制御装置の実施例を説明
する。
【0016】図1は、本発明によるプロセス制御装置の
概念を示すブロック図である。本実施例のプロセス制御
装置1は、フィードフォワード調節計11と、フィード
バック調節計12と、ファジィ推論器13とからなる。
プロセス制御装置1は、目標値が与えられると、制御対
象2の出力をその目標値に近付けるように動作する。フ
ァジィ推論器13は、制御対象プラント2の状態に応じ
て、フィードフォワード調節計11の出力を操作量とし
て用いるか、フィードバック調節計12の出力を操作量
として用いるか、両者を併用するかをファジィ推論によ
り決定する。
【0017】本発明をさらに具体的に説明するために、
ここでは熱交換器の制御を例に採るが、本発明は、フィ
ードフォワード制御とフィードバック制御とを併用する
制御システム全般に適用できる。
【0018】図2は、熱交換器の制御に本発明を適用し
たプロセス制御装置の一実施例の構成を示すブロック図
である。被加熱流体は、熱交換器20に流入し、ここで
蒸気により加熱され、系外に熱を運び去る。熱交換器2
0に流入する被加熱流体の温度すなわち入口温度Ti
は、入口温度計21により測定され、フィードフォワー
ド調節計11およびファジィ推論器13に取り込まれ
る。同様に、熱交換器20に流入する被加熱流体の流量
F1は、流量計22により測定され、フィードフォワー
ド調節計11およびファジィ推論器13に取り込まれ
る。熱交換器20から流出する被加熱流体の温度すなわ
ち出口温度Toは、出口温度計23により測定され、フ
ィードバック調節計12に取り込まれる。
【0019】一方、ここでは図示しない上位の制御装置
は、被加熱流体の目標温度Trefをフィードフォワード
調節計11とフィードバック調節計12とファジィ推論
器13とに与える。
【0020】フィードフォワード調節計11は、入口温
度Tiおよび流量F1と目標温度Trefとに基づいて、フ
ィードフォワード制御量を演算し、ファジィ推論器13
に出力する。フィードバック調節計12は、出口温度T
oと目標温度Trefとに基づいて、フィードバック制御量
を演算し、ファジィ推論器13に出力する。ファジィ推
論器13は、入口温度Tiおよび流量F1とフィードフォ
ワード制御量とフィードバック制御量と目標温度Tref
とに基づいて、制御対象プラント2に出力する。フィー
ドフォワード制御量とフィードバック制御量との使用割
を判断し、2次調節弁24を介して蒸気流量調節弁2
5を制御し、熱交換器20に流入する蒸気流量F2を制
御する。なお、蒸気流量F2は、蒸気流量計26により
測定される。
【0021】熱交換器20の特性は、式(1)のように近
似される。 F2=K*F1*(To−Ti) *(1+T1*s)/(1+T2*s)……(1) ここで、F2は操作量としての蒸気流量、Kは比例定
数、F1は被加熱流体の流量、Toは被加熱流体の出口温
度、Tiは被加熱流体の入口温度、T1は熱交換器20の
動特性を左右する一次進み要素の時定数、T2は同じく
熱交換器20の動特性を左右する一次遅れ要素の時定数
である。
【0022】この式を用いてフィードフォワード制御を
実行する場合、式(1)のToを目標温度Trefに置き換え
た式(2)が用いられる。 F2=K*F1*(Tref−Ti) *(1+T1*s)/(1+T2*s)……(2) このフィードフォワード制御を用いると、外乱(F1,T
iの変動)に対して即応性の良い制御を実行できるが、流
量F1,入口温度Tiなどの測定誤差がそのまま出力に現
れ、定常偏差をゼロにできない場合が多い。
【0023】一方、フィードバック制御を実行する場
合、Tref−Toを偏差として、その偏差がゼロに向かう
ように、操作量F2を制御する。このフィードバック制
御には、一般的にはPID制御が用いられる。PID制
御の場合、定常偏差を小さくできるが、外乱に対する即
応性が悪い。
【0024】そこで、本実施例においては、下記の考え
方をファジィルールに変換し、フィードフォワード制御
の出力とフィードバック制御の出力とを使用することに
した。 〈考え方1〉外乱の変化量が大きいときには、主として
フィードフォワード制御を用いる。 〈考え方2〉外乱の変化量が中くらいのときには、フィ
ードフォワード制御とフィードバック制御とを使用す
。 〈考え方3〉外乱の変化量が小さいときには、主として
フィードバック制御を用いる。 〈考え方4〉被熱交換流体の流量が大きく、入口温度変
動が小さいときは、フィードバック制御を主として用い
る。 〈考え方5〉被熱交換流体の流量が小さいときは、フィ
ードフォワード制御とフィードバック制御とを使用す
。 〈考え方6〉被熱交換流体の入口温度変動が大きい場合
には、フィードフォワード制御を用いる。
【0025】以上の考え方をファジィルールに変換する
と以下のようになる。yfをフィードフォワード制御を
使用する割合(0≦yf≦1)、ybをフィードバック制御
を使用する割合(0≦yb≦1)とし、 yb=1−yf ……(3) とおく。 〈ルール1〉もし|Tref−To|が大ならば、yfは大
きくする。 〈ルール2〉もし|Tref−To|が中ならば、yfは中
くらいとする。 〈ルール3〉もし|Tref−To|が大ならば、yfは小
さくする。 〈ルール4〉もしF1が大で|Ti−Tiold|が小なら
ば、yfは小さくする。 〈ルール5〉もしF1が小ならば、yfは中くらいとす
る。 〈ルール6〉もし|Ti−Tiold|が大ならば、yfは大
きくする。 ここで、Trefは、被熱交換流体の出口温度目標値、To
は被熱交換流体の出口温度、Tiは被熱交換流体の入口
温度、Tioldは被熱交換流体の入口温度の1サンプリン
グ前の値、大,中,小などは各々のメンバーシップ関数
を表している。
【0026】図3は、ファジィ推論器13における推論
手順の一例を示すフローチャートである。ステップ1は
制御対象の各種パラメータを取り込む部分であり、ステ
ップ2はファジィ推論の前件部であり、ステップ3はフ
ァジィ推論の後件部であり、ステップ4は脱ファジィ化
部分である。
【0027】ステップ1においては、Tref,Toを取り
込み、|Tref−To|を求める。また、F1を取り込
む。さらに、Ti,Tioldを取り込み、|Ti−Tiold|
を求める。
【0028】ステップ2においては、|Tref−To|が
大である一致度a1を求め、|Tref−To|が中である
一致度a2を求め、|Tref−To|が小である一致度a3
を求める。F1が大である一致度b1を求め、F1が小で
ある一致度b2を求める。|Ti−Tiold|が大である一
致度c1を求め、|Ti−Tiold|が小である一致度c2
を求める。さらに、一致度b1と一致度c2とのうち、小
さい方の値MIN(b1,c2)を求める。
【0029】ステップ3においては、yfが大のメンバ
ーシップ関数に一致度a1を乗算し、yfが中のメンバー
シップ関数に一致度a2を乗算し、yfが小のメンバーシ
ップ関数に一致度a3を乗算する。yfが大のメンバーシ
ップ関数にMIN(b1,c2)を乗算し、yfが中のメ
ンバーシップ関数に一致度b2を乗算する。また、yfが
大のメンバーシップ関数に一致度c1を乗算する。
【0030】ステップ4においては、各メンバーシップ
関数のファジィ論理和を採り、その重心をyfとする。
【0031】ここでは、図面スペースの関係で、図示し
ていないが、その後に、(3)式により、ybを求め、yf
とybの値に基づいて、フィードフォワード制御の出力
とフィードバック制御の出力とを使用し、蒸気流量を制
御する。
【0032】図4は、式(1)で表されるプラントを本発
明により制御したときの制御特性を示す図、図5は、式
(1)で表されるプラントをフィードフォワードフィード
バック制御したときの制御特性を示す図、図6は、式
(1)で表されるプラントをフィードバック(PID)制御
したときの制御特性を示す図、図7は、式(1)で表され
るプラントをフィードフォワード制御したときの制御特
性を示す図である。ここで、プラントのパラメータは、
下記の通りであり、 比例定数K:1℃・m/sec 被加熱流体の流量F1:1m/sec 一次進み要素の時定数T1:20sec 一次遅れ要素の時定数T2:15sec 被熱交換流体の入口温度Ti:10℃ 被熱交換流体の出口温度To:10℃ 被加熱流体の流量F1については、測定誤差が5%ある
ものと仮定している。
【0033】図4に示すように、本発明のファジィ推論
を用いてフィードフォワード制御とフィードバック制御
とを使用する方式においては、目標値変化に対する追従
性,定常特性,外乱に対する特性がともに優れている。
【0034】図5に示すように、従来のフィードフォワ
ードフィードバック制御を用いる方式においては、目標
値変化に対する追従性および外乱に対する特性が十分で
なく、しかも定常時にも誤差が残る。
【0035】図6に示すように、従来のフィードバック
制御(PID)のみを用いる方式においては、定常特性は
優れているものの、目標値変化に対する追従性および外
乱に対する特性が良くない。
【0036】図7に示すように、従来のフィードフォワ
ード制御のみを用いる方式においては、目標値変化に対
する追従性および外乱に対する特性には優れているが、
一般には定常偏差がゼロにならない。流量F1の測定誤
差の影響がそのまま操作量に反映されてしまうからであ
る。
【0037】本実施例によれば、ファジィ推論を用い
て、フィードフォワード制御の出力とフィードバック制
御の出力との使用割合を自動的に調整でき、制御特性が
向上する。
【0038】次に、図8〜図9を参照して、圧延システ
ムにおける圧下制御に本発明を適用した実施例について
説明する。
【0039】図8は圧延システムの概略構成を示す系統
図である。コイル状の圧延材ペイオフリール100は、
入側処理ライン101,ルーパ102を通り、圧延スタ
ンドNo.1(103)〜圧延スタンドNo.4(10
6)で圧延され、テンションリール107に巻き取られ
る。圧延スタンドなどは、電動機108〜114および
そのドライブシステム115により駆動される。プロセ
スコントローラ116〜119は、ドライブシステム1
15を制御する。プロセスコントローラ116〜119
は、ネットワーク120を介して互いに接続され、デー
タを交換できる。ネットワーク120に接続された管理
用コンピュータ122およびマンマシンインターフェイ
ス121は、システム全体を監視し管理するために設け
られている。
【0040】圧延スタンドNo.1(103)〜圧延ス
タンドNo.4(106)は、それぞれの目標板厚を与
えられ、その目標板厚になるように、各スタンドの圧延
ロールギャップをフィードバック制御する。この場合、
複数のスタンドが直列に接続されているため、もし前段
のスタンドで板厚誤差が発生すると、それは次段スタン
ドの外乱となってしまう。そこで、一般的には、前段で
の板厚誤差を測定し、次段の目標板厚を補正する手段が
採られている。しかし、このときのフィードフォワード
が有効に働くためには、圧延材の特性(材質,温度,板
厚,板幅)や圧下率に応じて、圧延ゲインを経験的に補
正しなければならないという問題があった。
【0041】図9は、経験や勘に頼らずに、次段の目標
板厚を自動的に補正する手段を備えた本発明の実施例の
系統構成を示し、より具体的には、第i番目のスタンド
604が圧延材605を圧延する場合の圧下装置の制御
ブロックを示している。一般に、圧延ロールのギャップ
をS,圧延荷重をPとすると、板厚hは、 h=S+P/K ……(4) で表される。ここで、Kは圧延機の特性によって定まる
定数である。
【0042】フィードフォワード演算部200は、前段
のスタンドの圧延荷重Pi-1と圧延ロールのギャップSi
-1とから、式(4)を用いて得られる前段スタンドの板
厚と前段スタンドの目標板厚hpi-1の誤差ΔhFBを求め
る。ここでαi-1は定数、Z−1は前段スタンドから当
該スタンドに圧延材が到着するまでに要する時間分の遅
れを作ることを示している。
【0043】一方、フィードバック演算部300は、そ
のスタンドの目標板厚hpと板厚計606で測定された
実測板厚hxとの偏差ΔhFBを求める。
【0044】ファジィ推論部500は、板幅,圧延材の
材質,温度など圧延材の特性を左右するファジィ入力5
01に基づいて、ΔhFFとΔhFBとの使用割合を推論し、
ΔhAGCを得る。ΔhAGCと圧延材の基準板厚hLOCとを加
算して、指令板厚hAGCを得る。なお、基準板厚hLOC
は、制御ブロック400で示すように、圧延開始時の圧
延ロールのギャップSLOCと測定された圧延荷重PLOCと
に基づいて(4)式により求められる。
【0045】プロセスコントローラは、演算器602が
圧下装置602の圧延荷重Pを換算した板厚と指令板厚
hAGCとに基づいて、圧延機のギャップ指令値SAGCを求
め、圧下装置の調節計601に出力し、圧下装置603
を制御する。
【0046】ファジィ推論部500の演算は、上記実施
例のように、式(2)を用いてフィードフォワードとフ
ィードバックとの使用割合を調節してもよいが、フィー
ドバックの比率yb(0〜1)とフィードフォワードyf
(0〜1)の2出力とし、 hAGC=yf・ΔhFF+yb・hFB ……(5) となるようにしてもよい。
【0047】本実施例によれば、オペレータの手を煩わ
すことなく、フィードフォワード制御の出力とフィード
バックの出力との使用割合を調節できる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、フィードフォワード制
の出力とフィードバック制御の出力を使用割合をファ
ジィ推論により判断するので、大振幅の目標値変化など
の即応性および外乱に対する特性が求められる場合は、
フィードフォワード制御を使い、定常状態における偏差
をゼロに近付けるような場合は、フィードバック制御を
使うというようなルールを制御装置自体に組み込むこと
ができ、オペレータの手を煩わすことなく、あらゆる状
態において、良好な制御性が得られるプロセス制御方法
およびプロセス制御装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプロセス制御装置の概念を示すブ
ロック図である。
【図2】熱交換器の制御に本発明を適用したプロセス制
御装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】ファジィ推論器における推論手順の一例を示す
フローチャートである。
【図4】本発明により制御したときの制御特性を示す図
である。
【図5】フィードフォワードフィードバック制御を用い
た場合の制御特性を示す図である。
【図6】フィードバック制御(PID)のみを用いた場合
の制御特性を示す図である。
【図7】フィードフォワード制御のみを用いた場合の制
御特性を示す図である。
【図8】圧延システムにおける圧下制御に本発明を適用
した実施例の概略構成を示す系統図である。
【図9】図8の圧延システムにおいて、経験や勘に頼ら
ずに、次段の目標板厚を自動的に補正する手段を備えた
本発明の実施例の系統構成を示す図である。
【符号の説明】
1 プロセス制御装置 2 制御対象プラント 11 フィードフォワード調節計 12 フィードバック調節計 13 ファジィ推論部 20 熱交換器 21 入口温度計 22 流量計 23 出口温度計 24 2次調節弁 25 蒸気流量調節弁 26 蒸気流量計 100 コイル状の圧延材ペイオフリール 101 入側処理ライン 102 ルーパ 103 圧延スタンドNo.1 104 圧延スタンドNo.2 105 圧延スタンドNo.3 106 圧延スタンドNo.4 107 テンションリール 108 電動機 109 電動機 110 電動機 111 電動機 112 電動機 113 電動機 114 電動機 115 ドライブシステム 116 プロセスコントローラ 117 プロセスコントローラ 118 プロセスコントローラ 119 プロセスコントローラ 120 ネットワーク 121 マンマシンインターフェイス 122 管理用コンピュータ 200 フィードフォワード演算部 300 フィードバック演算部 400 制御ブロック 500 ファジィ推論部 501 ファジィ入力 601 調節計 602 演算器 603 圧下装置 606 板厚計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梓沢 昇 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (72)発明者 大沼 邦彦 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (56)参考文献 特開 昭59−105106(JP,A) 特開 平3−100702(JP,A) 特開 昭57−50006(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 13/02 G05B 11/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱流体の熱交換器への入口温度およ
    び流量に基づいて熱交換器への蒸気流量を演算するフィ
    ードフォワード制御部の出力と被加熱流体の熱交換器か
    らの出口温度に基づいて熱交換器への蒸気流量を演算す
    るフィードバック制御部の出力とにより熱交換器を制御
    する方法において、被加熱流体の熱交換器の入口温度の変化量を外乱の変化
    量とし フィードフォワード制御部の出力とフィードバッ
    ク制御部の出力との使用割合の判断を前記外乱の変化量
    に基づくファジィ推論により実行し、 当該外乱の変化量に基づくファジィ推論において下記ル
    ールを用いることを特徴とする熱交換器制御方法。 (1)外乱の変化量が大きいときにはフィードフォワード
    制御部の出力の使用割合を大きくする。 (2)外乱の変化量が中くらいのときにはフィードフォワ
    ード制御部の出力とフィードバック制御部の出力との使
    用割合をほぼ等しくする。 (3)外乱の変化量が小さいときにはフィードバック制御
    部の出力の使用割合を大きくする。
  2. 【請求項2】 被加熱流体の熱交換器への入口温度およ
    び流量に基づいて熱交換器への蒸気流量を演算するフィ
    ードフォワード制御部と被加熱流体の熱交換器からの出
    口温度に基づいて熱交換器への蒸気流量を演算するフィ
    ードバック制御部と両者の出力に基づいて熱交換器を制
    御する手段とを含む熱交換器制御装置において、 前記熱交換器制御手段が、被加熱流体の熱交換器の入口
    温度の変化量を外乱の変化量としフィードフォワード制
    御部の出力とフィードバック制御部の出力との使用割合
    前記外乱の変化量に基づき判断するファジィ推論器を
    備え、 当該外乱の変化量に基づき判断するファジィ推論器が、
    下記ルールを用いることを特徴とする熱交換器制御装
    置。 (1)外乱の変化量が大きいときにはフィードフォワード
    制御部の出力の使用割合 を大きくする。 (2)外乱の変化量が中くらいのときにはフィードフォワ
    ード制御部の出力とフィードバック制御部の出力との使
    用割合をほぼ等しくする。 (3)外乱の変化量が小さいときにはフィードバック制御
    部の出力の使用割合を大きくする。
  3. 【請求項3】 前段スタンドの板厚と目標板厚との誤差
    を演算するフィードフォワード制御部の出力と当段スタ
    ンドの目標板厚と実測板厚との誤差を演算するフィード
    バック制御部の出力とに基づいて圧延機を制御する方法
    において、前段スタンドの板厚と目標板厚との誤差を外乱の変化量
    とし フィードフォワード制御部の出力とフィードバック
    制御部の出力との使用割合の判断を前記外乱の変化量に
    基づくファジィ推論により実行し、 当該外乱の変化量に基づくファジィ推論において下記ル
    ールを用いることを特徴とする圧延機制御方法。 (1)外乱の変化量が大きいときにはフィードフォワード
    制御部の出力の使用割合を大きくする。 (2)外乱の変化量が中くらいのときにはフィードフォワ
    ード制御部の出力とフィードバック制御部の出力との使
    用割合をほぼ等しくする。 (3)外乱の変化量が小さいときにはフィードバック制御
    部の出力の使用割合を大きくする。
  4. 【請求項4】 前段スタンドの板厚と目標板厚との誤差
    を演算するフィードフォワード制御部の出力と当段スタ
    ンドの目標板厚と実測板厚との誤差を演算するフィード
    バック制御部の出力とに基づいて圧延機を制御する手段
    とを含む圧延機制御装置において、 前記圧延機制御手段が、前段スタンドの板厚と目標板厚
    との誤差を外乱の変化量としフィードフォワード制御部
    の出力とフィードバック制御部の出力との使用割合
    外乱の変化量に基づき判断するファジィ推論器を備
    え、 当該外乱の変化量に基づき判断するファジィ推論器が、
    下記のルールを用いることを特徴とする圧延機制御装
    置。 (1)外乱の変化量が大きいときにはフィードフォワード
    制御部の出力の使用割合 を大きくする。 (2)外乱の変化量が中くらいのときにはフィードフォワ
    ード制御部の出力とフィードバック制御部の出力との使
    用割合をほぼ等しくする。 (3)外乱の変化量が小さいときにはフィードバック制御
    部の出力の使用割合を大きくする。
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