JP3085851B2 - 熱間圧延機のモデル同定装置及び制御装置 - Google Patents

熱間圧延機のモデル同定装置及び制御装置

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JP3085851B2
JP3085851B2 JP06119241A JP11924194A JP3085851B2 JP 3085851 B2 JP3085851 B2 JP 3085851B2 JP 06119241 A JP06119241 A JP 06119241A JP 11924194 A JP11924194 A JP 11924194A JP 3085851 B2 JP3085851 B2 JP 3085851B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱間タンデム圧延機
の各スタンド間にルーパが配置された熱間圧延機を制御
対象とし、そのプロセスモデルを用いて、圧延材張力及
びルーパの高さを制御する場合のモデル同定装置及び制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延や冷間圧延における最終製品の
評価基準の一部に板厚及び板幅がある。このうち、板厚
に対して自動板厚制御(AGC)が行われ、板幅に対し
て自動板幅制御が行われる。一方、圧延中の材料にかか
る張力は板厚や板幅に影響するため、張力をある値に保
つ制御が行われる。
【0003】とくに、熱間圧延における圧延材料は加熱
処理されて高温となり圧延材料の変形抵抗が小さくなっ
ており、張力が大きいと材料の破断を起こしやすくな
る。この破断を防止するべく張力を小さく設定すると外
乱や誤設定により無張力の状態になることがあり、その
状態が長く続くと圧延機スタンド間での大きなループの
発生となって事故を引き起こすことがある。そこで熱間
圧延機ではとくにルーパ装置が設けられ、このルーパ装
置によって張力制御が行われ、また材料の通板性を良く
する観点からルーパの高さ制御が行われる。
【0004】主電動機とルーパ電動機とを用いた圧延材
張力およびルーパ高さ制御装置において、圧延材張力か
らルーパ高さへの干渉とルーパの回転速度から張力への
干渉とがある。従来からの張力制御には、それらの干渉
を抑えることなくPI(比例積分)制御により圧延材張
力及びルーパ高さを制御する方法、いわゆる、従来制御
と、これらの干渉を抑えるような非干渉化補償装置を付
加して圧延材張力とルーパ高さとを独立に制御する非干
渉制御方法と、ルーパと圧延材張力の干渉系を多変数系
としてとらえ、最適制御理論(Linear Quadratic)や
ILQ(Inverse LQ)制御理論、H∞制御理論等に
よる多変数制御を適用する方法等があり、それぞれ実機
に適用されていた。
【0005】また、張力変動が起こる原因は一般にマス
フロー変化によるものと考えられている。マスフローを
変化させる要因としては、スタンドの入側の板厚外乱、
加熱炉内で材料を支えるスキッドにより温度が降下する
ために付くスキッドマーク等の材料温度外乱、スタンド
のロール偏芯外乱がある。これらの板厚変化を抑制する
ようにAGCは制御するが、AGCによるロールギャッ
プ開度変化はマスフロー変化を導くことがある。さら
に、タンデム圧延機のi番目のスタンドとi+1番目の
スタンドとの間の張力に対しては、i+1番目の圧下装
置によるロールギャップ開閉の影響が大きいことが知ら
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したルーパと張力
の従来制御や多変数制御では、ルーパ高さと張力との間
の干渉や動特性などを表したモデルを使用して制御ゲイ
ンを決定している。このため、モデルが実際のプロセス
と異なる場合には、制御ゲインが大き過ぎたり小さ過ぎ
たりして、良好な制御ができない場合がある。
【0007】ルーパと張力のモデルは、その詳細を後述
するための図2に示すように、モデルの構造はほぼ特定
されているが、その中の材料のヤング率Eは、未だに確
固とした値は不明である。また、スタンド間張力の変化
からスタンド間材料速度の変化への影響係数(以下、張
力フィードバック係数という)K10は、次式で表され
る。
【0008】
【数1】 である。
【0009】ここで、上記の各影響係数は不明であり、
圧延条件によっても変化するものであるから、モデルの
中で用いる張力フィードバック係数K10の値も実際とは
かなり異なると考えてよい。
【0010】いま、ヤング率Eと張力フィードバック係
数K10が張力発生系でどのように働くかを考える。材料
速度から張力への伝達関数は、スタンド間距離L(固定
値)とラプラス演算子Sとを用いて、次のように表され
る。
【0011】
【数2】 したがって、張力フィードバック係数K10がゲインと応
答時定数とに関係し、材料のヤング率Eが応答の時定数
に関係している。上記の伝達関数は一次遅れ形をしてい
ることから、材料速度をステップ的に変更して張力の変
化を調べることにより、ゲイン1/K10と時定数L/
(E・K10)がわかる。しかし、この方法を実施するた
めには材料速度から張力への応答が完了するまで張力制
御ループを切って試験を行わなければならない。操業中
に張力制御ループを切ることは危険であり、この方法は
あまり行われていない。
【0012】コントローラはヤング率E及び張力フィー
ドバック係数K10の値を事前に予測し、予測値を使用し
て制御ゲインを設計するが、例えば、張力フィードバッ
ク係数K10の値を実際の値よりも小さく見積っている
と、上記伝達関数のゲインは実際より大きくなり、制御
ゲインは小さく設計され、制御応答が悪くなる。逆に、
張力フィードバック係数K10の値を実際の値よりも大き
く見積ると、上記伝達関数のゲインは実際より小さくな
り、制御ゲインは大きく設計され、張力の振動が起こり
やすくなる。
【0013】本発明の目的は、上記の問題点を解決する
ためになされたもので、熱間タンデム圧延機における圧
延材のスタンド間張力とルーパ角度とを制御するに当た
り、実際の制御中にプロセスモデルの中の不確定な変数
をオンラインで同定する熱間圧延機のモデル同定装置を
提供するにある。本発明の他の目的は、同定して得られ
た値を用いることにより、制御の開始開始時点から良好
な制御を行うことのできる熱間圧延機の制御装置を提供
するにある。本発明のもう一つの目的は、ルーパ角度の
振動及び張力の振動を未然の防ぐと共に、同じような圧
延材料に対する圧延の安定性を向上させることのできる
熱間圧延機の制御装置を提供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱間圧延機
のモデル同定装置は、圧延材張力を主にルーパ電動機の
電流又はトルクによって制御し、ルーパが配置されたス
タンド間のルーパの高さを主に圧延機主電動機の速度に
よって制御するとき、その制御中に、ルーパ高さの目標
値又は圧延機主電動機の速度指令値を変更し、そのとき
の操作量である圧延機主電動機の速度指令値とルーパ高
さの実績値とに基づいて、圧延材のヤング率と、張力フ
ィードバック係数とを同定し、スタンド間張力とルーパ
高さとの干渉系を多変数系としてとらえ、その干渉を抑
えつつ、圧延材張力を主に圧延機主電動機の速度によっ
て制御し、前記ルーパが配置されたスタンド間のルーパ
の高さを主にルーパ電動機の電流又は速度によって制御
するとき、その制御中に、スタンド間張力目標値又は圧
延機主電動機の速度指令値を変更し、そのときの操作量
である圧延機主電動機の速度指令値とスタンド間張力実
績値とに基づいて、圧延材のヤング率と、張力フィード
バック係数とを同定するものである。
【0015】本発明に係る熱間圧延機の制御装置は、圧
延材張力を主にルーパ電動機の電流又はトルクによって
制御し、前記ルーパが配置されたスタンド間のルーパの
高さを主に圧延機主電動機の速度によって制御すると
き、この制御に対応する上記のモデル同定装置と、同定
されたスタンドのルーパと張力の制御パラメータを変更
すると共に、同定したスタンドと異なるスタンド間の圧
延材のヤング率と、スタンド間張力の変化からそのスタ
ンド間の材料速度の変化への影響係数とを推定し、その
推定値によって制御パラメータを変更するパラメータ変
更手段とを備える。
【0016】また、スタンド間張力とルーパ高さとの干
渉系を多変数系としてとらえ、その干渉を抑えつつ、圧
延材張力を主に圧延機主電動機の速度によって制御し、
前記ルーパが配置されたスタンド間のルーパの高さを主
にルーパ電動機の電流又は速度によって制御するとき、
この制御に対応する上記のモデル同定装置と、同定され
たスタンドのルーパと張力の制御パラメータを変更する
と共に、同定したスタンドと異なるスタンド間の圧延材
のヤング率と、スタンド間張力の変化からそのスタンド
間の材料速度の変化への影響係数とを推定し、その推定
値によって制御パラメータを変更するパラメータ変更手
段とを備える。
【0017】さらに、本発明に係る熱間圧延機の制御装
置は、圧延材張力を主にルーパ電動機の電流又はトルク
によって制御し、前記ルーパが配置されたスタンド間の
ルーパの高さを主に圧延機主電動機の速度によって制御
する場合、制御器の出力にトータルゲインを乗じ、制御
中にルーパ角度が振動して制御不能に陥ったとき、振動
を抑える方向に前記トータルゲインを徐々に減少させる
ゲイン調整手段と、そのゲイン調整によりルーパ角度の
振動が収まったとき、その時点のトータルゲイン値と圧
延状態とを記録し、次に同じ状態で圧延する材料に対し
てそのトータルゲイン値を使用するトータルゲイン学習
手段と、ルーパ角度の振動が収まらないとき、振動が収
まる方向に自動板厚制御のゲインを調整する自動板厚制
御ゲイン調整手段とを備え、スタンド間張力とルーパ高
さとの干渉系を多変数系としてとらえ、その干渉を抑え
つつ、圧延材張力を主に圧延機主電動機の速度によって
制御し、前記ルーパが配置されたスタンド間のルーパの
高さを主にルーパ電動機の電流又は速度によって制御す
る場合、制御器の出力にトータルゲインを乗じ、制御中
に圧延材張力が振動して制御不能に陥ったとき、振動を
抑える方向に前記トータルゲインを徐々に減少させるゲ
イン調整手段と、そのゲイン調整により圧延材張力の振
動が収まったとき、その時点のトータルゲイン値と圧延
状態とを記録し、次に同じ状態で圧延する材料に対して
そのトータルゲイン値を使用するトータルゲイン学習手
段と、圧延材張力の振動が収まらないとき、振動が収ま
る方向に自動板厚制御のゲインを調整する自動板厚制御
ゲイン調整手段とを備える。
【0018】
【作用】本発明に係る熱間圧延機のモデル同定装置にお
いては、それぞれ制御を実施しながら操作量とルーパ角
度実績値とをデータとして収集したり、操作量と張力実
績値とをデータとして収集し、その収集データに基づい
てデータを収集したスタンド間のでのヤング率と張力フ
ィードバック係数とを同定するので、操業に無用な外乱
を与えず、また、オンラインで同定することができる。
【0019】本発明に係る熱間圧延機の制御装置におい
ては、同定したスタンド間でのルーパと張力制御のため
の制御パラメータとして使用すると共に、その同定値を
もとに他のスタンド間の材料のヤング率と張力フィード
バック係数とを推定し、制御パラメータの一部として使
用する。例えば、速度の遅い前段のルーパで同定を行
い、材料が後段に達する前に後段ルーパと張力制御のパ
ラメータを変更することにより、前段のルーパと張力制
御は、制御の開始時点から良好な制御を行うことができ
る。
【0020】また、本発明に係る他の熱間圧延機の制御
装置においては、コントローラのゲイン調整の目的で、
コントローラの後ろにトータルゲインを付加し、ルーパ
角度が振動的になったら、あるいは、張力が振動的にな
ったら、振動が抑えられるまでトータルゲインを小さく
する。このとき、トータルゲインと材料の種類、板厚、
板幅、圧延条件を記録しておき、次回に同様の材料を圧
延する場合、このトータルゲインの値を反映させる。な
お、トータルゲインには、上下限を設定し、上下限を超
える場合には、AGCからの干渉が大きいものとして、
AGCゲインであるスケールファクタを現状値から下げ
るようにする。これによって、ルーパ角度の振動及び張
力の振動を未然の防ぐと共に、同じような圧延材料に対
する圧延の安定性を向上させることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例によって詳
細に説明する。図1は本発明の第1実施例の構成を構成
を示すブロック図である。同図において、圧延材1は第
iスタンド圧延機2、第i+1スタンド圧延機3、・・
・、第jスタンド圧延機4、第j+1スタンド圧延機5
の順に圧延される。ここで、タンデム圧延機の全スタン
ド数をnとすると、n=5〜7が一般的である。以下に
示すルーパ等の装置は各スタンド間に設置されるが、i
スタンドとi+1スタンドの2スタンド間の状態を考察
すれば、容易に他のスタンドへも拡張できるので、ここ
では主にiスタンドとi+1スタンドの2スタンド間を
考え、必要に応じて、jスタンドとj+1スタンドの2
スタンド間にも言及する。なお、iはj+1≦i≦n−
1の範囲である。
【0022】この第iスタンド圧延機2及び第i+1ス
タンド圧延機3間にルーパ6が設けられている。このル
ーパ6を駆動するルーパ電動機8に対応して、その電流
を制御する電流制御装置10及び設定された圧延材張力を
保つようなルーパのトルクを発生させる電流指令値を演
算して電流制御装置10に与える制御装置12が設けられて
いる。
【0023】一方、第iスタンド圧延機主電動機(以
下、圧延機主電動機を主機という)16の速度を制御する
ために主機速度制御装置18が設けられ、主機速度とその
速度指令値との偏差を小さくするような制御が行われ
る。そして、ルーパの高さに換算されるルーパ角度がル
ーパ角度検出器14で検出されるようになっている。ルー
パ高さ制御装置20はルーパ角度の指令値θi REF と、ル
ーパ角度検出器14で検出されたルーパ角度θi とが一致
するような速度指令値を演算して主機速度制御装置18に
加えるようになっている。
【0024】また、圧延材張力及びルーパ高さの制御中
に、ルーパ6の高さの目標値又は第iスタンド主機16の
速度指令値を変更し、そのときの操作量である圧延機主
電動機の速度指令値とルーパ高さの実績値とに基づい
て、圧延材のヤング率Eと、張力フィードバック係数K
10とを同定するモデル同定手段22が設けられている。
【0025】これと同様にして、第jスタンド圧延機4
及び第j+1スタンド圧延機5間にルーパ7が設けられ
ている。このルーパ7を駆動するルーパ電動機8に対応
して、その電流を制御する電流制御装置11及び設定され
た圧延材張力を保つようなルーパのトルクを発生させる
電流指令値を演算して電流制御装置11に与える制御装置
13が設けられている。
【0026】一方、第jスタンド主機17の速度を制御す
るために主機速度制御装置19が設けられ、主機速度とそ
の速度指令値との偏差を小さくするような制御が行われ
る。そして、ルーパの高さに換算されるルーパ角度がル
ーパ角度検出器15で検出されるようになっている。ルー
パ高さ制御装置21はルーパ角度の指令値θj REF と、ル
ーパ角度検出器15で検出されたルーパ角度θj とが一致
するような速度指令値を演算して主機速度制御装置19に
加えるようになっている。
【0027】また、圧延材張力及びルーパ高さの制御中
に、ルーパ7の高さの目標値又は第jスタンド主機17の
速度指令値を変更し、そのときの操作量である圧延機主
電動機の速度指令値とルーパ高さの実績値とに基づい
て、圧延材のヤング率Eと、張力フィードバック係数K
10とを同定するモデル同定手段23が設けられている。
【0028】さらに、第i〜第jスタンドに対して1個
だけ設けられたパラメータ変更手段24は、モデル同定手
段22,23によってそれぞれ同定された値によって各スタ
ンド圧延機のルーパと張力の制御パラメータを変更する
と共に、同定装置を持たない他のスタンド圧延機の圧延
材のヤング率と、張力フィードバック係数とを推定し、
その推定値によって他のスタンドの制御パラメータを変
更するものである。
【0029】図2は図1に示した制御系のうち、二つの
スタンド間の張力及びルーパ高さを制御する系のブロッ
ク図である。以下、図2のブロック図の構成を、第iス
タンド及び第i+1スタンドに対応させて説明する。図
中、Sはラプラス演算子を表す。材料のループ量lはル
ーパ角度θの関数F2 (θ)で表現され、ルーパ角度指
令値θREF がブロック33によりループ量指令値l
REF に、ルーパ角度θがブロック34によりループ量lに
それぞれ変換される。これは、ルーパ角度はスタンド間
材料速度と非線形の関係にあり、ループ量はスタンド間
の材料速度と線形関係にあるため、制御には角度をルー
プ量に変換して用いるようにしたものである。
【0030】ブロック35は図1におけるルーパ高さ制御
装置20と同等のものである。このルーパ高さ制御装置に
よって出力されたロール速度指令値の変更量ΔVR REF
は主機速度制御系に対応するブロック36に入力され、実
際のロール周速ΔVR に変換される。なお、ブロック36
は図1における第iスタンド主機16及び主機速度制御装
置18を併せたものに対応する。ブロック37中のfは先進
率であり、ここでロール周速ΔVR が材料速度に変換さ
れる。ブロック38は材料速度差が積分されてループ量に
なることを示すものである。
【0031】また、ルーパの角度θが変化することによ
ってループ量も変化するため、関数F2 (θ)で表され
るブロック46でループ量に変換する。ループ量の変化に
材料のヤング率Eを掛け、スタンド間距離Lで割ったも
のがユニット張力tf となる。ブロック39はその変換を
行う。ブロック40は前述した張力フィードバック係数K
10を表すものである。材料張力はルーパ電動機8に対す
る負荷トルクとなるが、ブロック41はその変換係数F2
で表わされている。ブロック42はトルクから回転速度へ
の伝達関数であり、ブロック43は回転速度からルーパ角
度θへの伝達関数である。また、ブロック44はルーパダ
ンピング(回転に対する抵抗分)を表している。また、
ルーパ角度が変化するとスタンド間材料の質量が変化
し、ルーパにかかるトルクも変化するが、これを表すも
のがブロック45に示すF1 (θ)である。図2中のブロ
ック42,,43,44,45が図1におけるルーパ6及びルー
パ電動機8を併せたものに相当している。張力制御装置
12はルーパ角度に応じて一定張力を保つような電流基準
を演算し、電流制御装置10に渡す。電流制御装置10はこ
の電流に応じたトルクを発生させる。
【0032】因みに、図2のブロック図の変数の意味は
次の通りである。 gL :ルーパとルーパ電動機都の間のギヤ比 J :ルーパ電動機慣性能率 K10:張力フィードバック係数 E :圧延材のヤング率 L :スタンド間距離 tf :前方張力 VR :ロール周速 Z :ルーパダンピング係数 f :先進率 θ :ルーパ高さ(角度で表す) ωL :ルーパ回転速度 Tv :主機速度制御系時定数 F3 :張力からルーパ電動機トルクへの影響係数 図2に示したブロック図を、さらに簡略化すると図3に
示したものとなる。これは後述する同定方法に都合の良
い形になっている。ここで、ブロック47はルーパ角度基
準ΔθREF とルーパ角度実績Δθとの偏差を次式によっ
てループ長に変換するものである。 F2 * (θ)=d(F2 (θ))/dθ …(3) また、図2に示すロール速度指令値の変更量ΔVR REF
からルーパ角度実績Δθまで、すなわち、ブロック35〜
46を一括して示したものが図3中のブロック48である。
このブロック48においては、張力制御は理想的に働いて
いるものとして、図2中のブロック10及び12を省略して
いる。そして、主機速度応答時定数Tvをゼロとすれ
ば、ブロック48のGp (S)、すなわち、図2における
ロール速度指令値の変更量ΔVR REF からルーパ角度実
績Δθまでの伝達関数は次式のようになる。
【0033】
【数3】 次に、図3を用いて材料のヤング率Eと、張力フィード
バック係数K10を閉ループの制御を行いながら同定する
方法について説明する。閉ループ制御を行いながらプロ
セスモデルを同定する方法は、論文Fred Hans-en et a
l. “Closed-Loop Identification via the Fractional
Representation:Experimental Design”Proceedings o
f 1989 American Control Conference に記載されてい
る。この概要は以下のとおりである。
【0034】図4(a) に示すようなコントローラGc
既に一部が同定されている制御対象Gp (既知の情報を
利用して同定した制御対象をノミナルプラントといい、
pで表す)があり、目標値入力r1 と手介入的な操作
量r2 を入力できるものとする。コントローラGc と制
御対象Gp は次のように分解して表す。 Gc =Xo /Yo …(8) Gp =No /Do …(9) 図4(b) に示すように、αとβを次のように定義する。
【0035】 α=Xo 1 +Yo 2 …(10) β=Rα+Ww …(11) 真のプラントPを操作量uと外乱wとによって表す。
【0036】 y=Gu+Hw→Dy=Nu+Mw …(12) 操作量uから出力yへの真の伝達関数Gは次のように表
される。
【0037】
【数4】 外乱wから出力yへの真の伝達関数Hは次のように表さ
れる。
【0038】
【数5】 ここで
【0039】
【数6】 従って、閉ループプラントG,Hを同定することは、閉
ループR,Wを同定することに帰着される。この方法を
使用して、具体的にルーパを従来制御(PI制御により
圧延材張力及びルーパ高さを制御する)を行いながら、
モデルを同定する方法は以下の通りである。
【0040】先ず、図2中のヤング率Eと張力フィード
バック係数K10とを同定するために、図3のωn ,ζ,
10を同定する。(6) ,(7) 式において簡単化のために
Z=0とすれば、
【0041】
【数7】 未知数はE,K10,α(=1+f)である。(19)式から α=KG L 2 f=KG L 2 −1 …(20) (17)式から
【0042】
【数8】 (18)式から
【0043】
【数9】 次に、図3に示した各ブロックを、双一次関数を用いて
離散化する。双一次関数は、連続系から離散値系へ変換
する方法の一つである。
【0044】
【数10】 ただし、 T:サンプリングピッチ である。
【0045】そこで最初に、ルーパ高さ制御ブロック35
を離散値化する。
【0046】
【数11】 次に、制御対象を示すブロック48の伝達関数Gp (s)
を離散値化する。
【0047】
【数12】
【0048】
【数13】 とおく。
【0049】
【数14】 さて、今までの数式展開をまとめ、図1におけるモデル
同定手段22を以下に具体的に説明する。図4のコントロ
ーラGc 及び制御対象Gp は次のようになる。
【0050】
【数15】 上記Xo ,Yo ,Do 等を使用して(15),(16)式のRと
Sを同定する。そこで、次の仮定を行う。 (仮定)ノイズwは不可観測であるためwは白色雑音と
する。実際のwは板厚変化、材料温度変化、ロール偏芯
等によって発生するものと考えられる。この仮定による
プロセス同定の手順は以下のとおりである。 (同定手順−1)r1 =r2 =0でデータu,yを測定
する。すなわち、高さ目標値r1 を一定、手動介入なし
としてr2 =0とする。(10),(11)式から β=Sw→βw …(32) とおく。ノイズwが対象プロセスに印加されコントロー
ラが制御動作を行ってもよいが、wは白色雑音であるこ
とが望ましい。
【0051】 βw =Do y−No u …(33) (同定手順−2)r2 =0とし、ルーパ角度目標値r1
を変更する。そして、角度目標値r1 、操作量u(ロー
ル周速指令変更量ΔVR REF ),制御量y(ルーパ角度
実績)を測定する。(10),(11),(32)式から β=Rα+Ww=RXo 1 +βw …(34) 上記(仮定)のもとでは、βw は常に同じような値を持
っていると考えられる。従って、図4から
【0052】
【数16】 が得られ、(34),(36)式から
【0053】
【数17】 が得られる。(37)式においてr1 ,y,u,βw は測定
データから求められ、Xo ,Do ,No は既知である。
従って、Rのみが未知である。 (同定手順−3)r1 =0としr2 を変更する。手介入
操作量r2 ,操作量u(ロール周速指令変更量ΔVR
REF )、制御量y(ルーパ角度実績)を測定する。(1
0),(11),(32)式から β=Rα+Ww=RYo 1 +βw …(38) が得られ、(34),(36)式から
【0054】
【数18】 が得られ。従って、Rのみ未知である。
【0055】なお、(同定手順−2)及び(同定手順−
3)のうち、いずれを行うか、あるいは、両方を行って
Rを比較するかは操業上の問題もあり、適宜選択するこ
ととする。
【0056】さて、(同定手順−2)及び(同定手順−
3)の中のRは次のようにして導出する。(同定手順−
2)において、r1 が0でなく、r2 =0の場合には、
(37)式を変形すると次式が得られる。
【0057】 RXo 1 =Do y−No u−βw …(40) R{F2 (T+2T2 )r1 +(T−2T2 )Z-1r1 } =(Ao +A1 -1+A2 -2+A3 -3)y −(Bo +B1 -1+B2 -2+B3 -3)u−βw …(41) この(41)式を次の(42)式のように書き換える。
【0058】 Q1 (Z)=R(Z)V1 (Z) …(42) 続いて、Q1 及びV1 を時間領域に変換すると次式が得
られる。
【0059】 q1 (t)=Ao y(t)+A1 y(t−T)+A2 y(t−2T) +A3 y(t−3T) −{Bo u(t)+B1 u(t−T)+B2 u(t−2T) +B3 u(t−3T)}−βw …(43) v1 (t) =F2 (T+2T2 )r1 (t)+F2 (T−2T2 )r1 (t−T) …(44) 上記(43),(44)式の中で、Ao ,A1 ,A2 ,A3 ,B
o ,B1 ,B2 ,B3、F2 は既知であり、r1 ,y,
uは収集したデータを用いる。
【0060】Rの同定には、例えば次に示す移動平均型
自己回帰モデル(ARMAモデル)を使用することがで
きる。
【0061】
【数19】 1 (t)+a1 1 (t−T) +a2 1 (t−2T)+…+an 1 (t−nT) =bo 1 (t)+b1 1 (t−T) +b2 1 (t−2T)+…+bn 1 (t−nT)…(46) ただし a1 ,…,an ,b1 ,…,bn :同定すべきパラメー
タ である。
【0062】(同定手順−3)において、r1 =0で、
2 が0でない場合には、(39)式を変形すると次式が得
られる。
【0063】 RYo 2 =Do y−No u−βw …(47) R{2T1 2 −2T1 Z-1r2 } =(Ao +A1 Z-1+A2 Z-2+A3 Z-3)y −(Bo +B1 -1+B2 -2+B3 -3)u−βw …(48) この(48)式を次の(49)式のように書き換える。
【0064】 Q2 (Z)=R(Z)V2 (Z) …(49) 続いて、Q2 及びV2 を時間領域に変換すると次式が得
られる。
【0065】 q1 (t)=Ao y(t)+A1 y(t−T)+A2 y(t−2T) +A3 y(t−3T) −{Bo u(t)+B1 u(t−T)+B2 u(t−2T) +B3 u(t−3T)}−βw …(50) v2 (t)=2T1 2 (t)−2T1 2 (t−T) …(51) そして、上述したと同様にして移動平均型自己回帰モデ
ル(ARMAモデル)を使用することによってRを同定
することができる。
【0066】ここで、ノイズwが0である場合の同定結
果の一例を示す。なお、真の制御対象を次のように仮定
する。
【0067】
【数20】 また、ノミナルな制御対象Gp を単に1/Sとして、ル
ーパ角度目標値をステップ的に変化させ、その時の操作
量と角度実績に基づき上記(同定手順−2)により同定
した結果は次のとおりであった。
【0068】
【数21】 上述した二つの同定結果を比較すると分母の第4項めが
やや異なっているが、ほぼ同じ値が得られている。
【0069】次に、白色ノイズが信号の1/10のレベ
ルにあると仮定して、上述したと同様の同定を行うと以
下のとおりであった。
【0070】
【数22】 この同定結果によれば、分母の第4項めがかなり大きく
異なっており、ノイズがある場合に速い応答の同定は、
同定精度が悪くなることが分かる。ただし、この分母の
第4項めは主機速度応答を示す項であり、予め分かって
いるので同定した結果から取除くことは可能である。
【0071】しかして、同定した結果と、(21),(22)式
などから、材料のヤング率E及び張力フィードバック係
数K10を計算することができる。
【0072】図5はモデル同定手段22の構成例を示すブ
ロック図である。速度指令値変更手段221 は圧延機主電
動機の速度指令値の変更量を出力するもので、この変更
量がスイッチSW1 を介して主機速度制御装置18に入力
される。また、角度目標値変更手段222 はルーパ高さの
目標値変更量を出力するもので、この変更量がスイッチ
SW2 を介してルーパ高さ制御装置20に入力される。速
度指令値変更手段221及び角度目標値変更手段222 の各
変更量は、ステップ状でも、正弦波状でも、あるいは、
インパルス状でもよく、最も都合のよいものを用いる。
同定入力手段223 は、速度指令値変更手段221 及び角度
目標値変更手段222 のうちのいずれを使用するか、ある
いは、両方を使用するかを決定すると共に、圧延中のど
のタイミングで信号を加えるかを決定し、この決定に従
ってスイッチSW1 及び/又はスイッチSW2 のオン、
オフを制御するものである。モデル計算手段224 は変更
量を入力した時、そのときの操作量である圧延機主電動
機の速度指令値(ルーパ高さ制御装置20の出力)とルー
パ高さの実績値θi とに基づいて、上記(8) 〜(51)式を
利用することによって、圧延材のヤング率Eと、張力フ
ィードバック係数K10を計算するものである。
【0073】かくして、この実施例によれば、操業に無
用な外乱を与えず、オンラインにて材料のヤング率と張
力フィードバック係数とを同定することができ、また、
同定した値を使用することによって良好な圧延が可能と
なる。
【0074】図6は本発明の第2実施例の構成を示すブ
ロック図である。これは、スタンド間張力とルーパ高さ
との干渉系を多変数系としてとらえ、その干渉を抑えつ
つ、圧延材張力を主に圧延機主電動機の速度によって制
御し、ルーパが配置されたスタンド間のルーパの高さを
主にルーパ電動機の電流又は速度によって制御する場合
の構成例である。
【0075】すなわち、iスタンド及びi+1スタンド
に注目した場合、張力検出器25で測定した張力を張力制
御装置31へフィードバックし、張力目標値tfi REF と一
致するように、張力制御装置31が主機速度変更量の指令
値を主機速度制御装置18に加える。一方、ルーパ角度検
出器14で測定されたルーパ角度の実績値をルーパ位置制
御装置29にフィードバックし、角度目標値θi REF と一
致するようにルーパ電動機8の速度指令値を演算してル
ーパ電動機速度制御装置27に加える。
【0076】同様に、jスタンド及びj+1スタンドに
注目した場合、張力検出器26で測定した張力を張力制御
装置32へフィードバックし、張力目標値tfj REF と一致
するように、張力制御装置32が主機速度変更量の指令値
を主機速度制御装置19に加える。一方、ルーパ角度検出
器15で測定されたルーパ角度の実績値をルーパ位置制御
装置30にフィードバックし、角度目標値θj REF と一致
するようにルーパ電動機9の速度指令値を演算してルー
パ電動機速度制御装置27に加える。
【0077】なお、多変数制御においては、張力とルー
パ角度との非干渉化あるいは協調のために張力制御装置
31とルーパ位置制御装置29の間で、あるいは、張力制御
装置32とルーパ位置制御装置30との間で信号のやりとり
が行われることが多いが、ここでは説明の簡単化のため
に省略してある。
【0078】この多変数制御における張力制御系のブロ
ック図を図7(a) に示す。ブロック57は図6の張力制御
装置31又は32に相当するものであり、ここでは比例積分
型のコントローラとしているが、状態フィードバックと
積分、あるいは、高次伝達関数で表されるコントローラ
でもよく、特定の形に限定されるものではない。また、
制御器57は張力実績をフィードバックして、張力目標値
に張力実績を一致させるような操作量を出力する。ブロ
ック58は図2におけるブロック38及びブロック39を併せ
たものである。図7(b) は図4を用いて説明した理論を
適用することができるように、図7(a) の構成を変換し
たものであり、ノミナルな制御対象Gpはブロック59で
示される。
【0079】多変数制御の場合も、従来制御の方法と同
様に、制御対象Gp の中のパラメータを同定することが
できる。図6中のモデル同定手段22A は、この考えに従
って圧延材張力及びルーパの高さの制御中に、スタンド
間張力目標値tfi REF 又は圧延機主電動機の速度指令値
を変更し、そのときの操作量である圧延機主電動機の速
度指令値(張力制御装置31の出力)とスタンド間張力実
績値tfiとに基づいて、圧延材のヤング率Eと、張力フ
ィードバック係数K10とを同定するものである。図6中
のモデル同定手段23A もまた、これと同様に、圧延材張
力及びルーパの高さの制御中に、スタンド間張力目標値
fj REF 又は圧延機主電動機の速度指令値を変更し、そ
のときの操作量である圧延機主電動機の速度指令値(張
力制御装置31の出力)とスタンド間張力実績値tfjとに
基づいて、圧延材のヤング率Eと、張力フィードバック
係数K10とを同定するものである。
【0080】さらに、第i〜第jスタンドに対して1個
だけ設けられたパラメータ変更手段24は、モデル同定手
段22,23によってそれぞれ同定された値によって各スタ
ンド圧延機のルーパと張力の制御パラメータを変更する
と共に、同定装置を持たない他のスタン間の圧延材のヤ
ング率と、張力フィードバック係数とを推定し、その推
定値によって他のスタンドの制御パラメータを変更する
ものである。
【0081】図8はモデル同定手段22A の構成例を示す
ブロック図である。速度指令値変更手段225 は圧延機主
電動機の速度指令値の変更量を出力するもので、この変
更量がスイッチSW3 を介して主機速度制御装置18に入
力される。また、張力目標値変更手段226 は張力の目標
値変更量を出力するもので、この変更量がスイッチSW
4 を介して張力制御装置31に入力される。速度指令値変
更手段225 及び張力目標値変更手段226 の各変更量は、
ステップ状でも、正弦波状でも、あるいは、インパルス
状でもよく、最も都合のよいものを用いる。同定入力手
段227 は、速度指令値変更手段225 及び張力目標値変更
手段226 のうちのいずれを使用するか、あるいは、両方
を使用するかを決定すると共に、圧延中のどのタイミン
グで信号を加えるかを決定し、この決定に従ってスイッ
チSW3 及び/又はスイッチSW4 のオン、オフを制御
するものである。モデル計算手段228 は変更量を入力し
た時、そのときの操作量である圧延機主電動機の速度指
令値(張力制御装置31の出力)と張力の実績値tfiとに
基づいて、上記(8) 〜(51)式を利用することによって、
圧延材のヤング率Eと、張力フィードバック係数K10
計算するものである。
【0082】かくして、この実施例においても、操業に
無用な外乱を与えず、オンラインにて材料のヤング率と
張力フィードバック係数とを同定することができ、ま
た、同定した値を使用することによって良好な圧延が可
能となる。
【0083】なお、圧延材のヤング率及び張力フィード
バック係数は圧延材料によって異なるものであり、材料
圧延の初期にそれらの値が分かっておれば、それ以降の
制御パラメータにオンラインで反映させることができ
る。上記実施例では圧延材のヤング率及び張力フィード
バック係数を同定するためにモデル同定手段22及び23を
設けたり、あるいは、モデル同定手段22A 及び23A を設
けたりしているが、この代わりに、モデル同定手段を1
個だけ設けるようにしてもよい。
【0084】例えば、第1〜第2スタンド間において、
ルーパ角度目標値のステップ応答を行い、圧延材料のヤ
ング率Eと張力フィードバック係数K10を同定したとす
る。この結果を第2〜第3スタンド間、・・・、第6〜
第7スタンド間の圧延材料のヤング率Eと張力フィード
バック係数の類推に利用する。この場合、ヤング率Eは
材料温度の関数になるので、材料温度が低くなる段階で
は、次式を用いて補正を行う。
【0085】 Ei =E1 +a(TM1−TMi) …(52) ただし Ei :第i〜第i+1スタンド間のヤング率 E1 :第1〜第2スタンド間のヤング率 a :係数 TM1:第iスタンド絶対温度( ゜K) TMi:第iスタンド絶対温度( ゜K) である。
【0086】係数aは操業中に各スタンドでルーパ角度
目標値のステップ応答を行い、圧延材料のヤング率Eを
同定することにより求められる。
【0087】なお、ヤング率及び張力フィードバック係
数はともにコントローラのパラメータを構成する重要な
ものであり、測定ノイズ等により同定した結果が実際の
値と大きく異なることも考えられる。この対処として、
ヤング率E及び張力フィードバック係数K10ともに上下
限を設け、それを超える値を使用しないこととする。
【0088】多変数制御を使用する場合も、同様に張力
目標値を変更して関係するデータを収集し、多変数制御
を実施しながら材料のヤング率E及び張力フィードバッ
ク係数を演算することができる。
【0089】また、後段のスタンドで同定した値を前段
のスタンドに用いることもできる。
【0090】これによって、制御の開始時点から良好な
制御を行うことができる。
【0091】図9は本発明の第3の実施例の構成を示す
ブロック図である。図中、図2と同一の要素には同一の
符号を付してその説明を省略する。これはルーパ高さ制
御器35の出力側にトータルゲインKT 60が付加されてい
る。トータルゲインKT は最初は一般に1である。圧延
中にルーパ角度が振動するか、どうかをゲイン調整手段
61が常に監視し、振動して制御できない状態になったと
きは、トータルゲンKT を小さくしていき、振動が収ま
る間で小さくする。トータルゲイン学習手段66は、その
材料の鋼種、板厚、板幅及びトータルゲインの値を記憶
しておき、次回に同じ材料が圧延されるとき、トータル
ゲインの学習値として反映させる。
【0092】ただし、トータルゲインには上下限値を設
けておき、ルーパ角度が振動してトータルゲインを小さ
くしていき、下限値に到達した場合、振動の原因は自動
板厚制御(AGC)63によるロールギャップ開度の変化
から材料速度への影響係数、すなわち、ブロック64に示
した
【0093】
【数23】 にあるものとして、ブロック62においてAGCのゲイン
(スケールファクタ)を調整する。
【0094】この実施例によれば、同じような圧延を行
う場合、ルーパ角度の振動を未然に防ぐことができる。
また、ルーパ制御では除去しきれない外乱を小さくする
ことができ、圧延の安定性を向上させることができる。
【0095】図10は本発明の第4の実施例の構成を示
すブロック図である。図中、図7と同一の要素には同一
の符号を付してその説明を省略する。これは多変数制御
の張力制御器57の出力側にトータルゲインKT 67が付加
されている。トータルゲインKT は最初は一般に1であ
る。圧延中に張力が振動するか、どうかをゲイン調整手
段68が常に監視し、振動して制御できない状態になった
ときは、トータルゲンKT を小さくしていき、振動が収
まるまで小さくする。トータルゲイン学習手段70は、そ
の材料の鋼種、板厚、板幅及びトータルゲインの値を記
憶しておき、次回に同じ材料が圧延されるとき、トータ
ルゲインの学習値として反映させる。
【0096】ただし、トータルゲインには上下限値を設
けておき、ルーパ角度が振動してトータルゲインを小さ
くしていき、下限値に到達した場合は、振動の原因は自
動板厚制御(AGC)63によるロールギャップ開度の変
化から材料速度への影響係数、すなわち、ブロック64に
示した。
【0097】
【数24】 にあるものとして、ブロック69においてAGCのゲイン
を調整する。
【0098】この実施例によれば、同じような圧延を行
う場合、張力の振動を未然に防ぐことができる。また、
ルーパ制御では除去しきれない外乱を小さくすることが
でき、圧延の安定性を向上させることができる。
【0099】なお、上記実施例では圧延機として4段圧
延機を、ルーパとして電動機駆動のものを用いる熱間圧
延機について説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、他の形態の圧延機にも適用可能である。
【0100】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、本
発明に係る熱間圧延機のモデル同定装置によれば、それ
ぞれ制御を実施しながら操作量と、ルーパ角度実績値又
は張力実績値とをデータとして収集し、このデータに基
づいてスタンド間でのヤング率と張力フィードバック係
数とを同定するので、操業に無用な外乱を与えず、ま
た、オンラインで同定することができる。
【0101】また、本発明に係る熱間圧延機の制御装置
においては、同定した値をそのスタンドの張力制御に使
うだけでなく、他のスタンドの材料のヤング率と張力フ
ィードバック係数とを推定し、制御パラメータの一部と
して使用するので、開始時点から全スタンドで良好な制
御を行うことができる。
【0102】さらに、本発明に係る他の熱間圧延機の制
御装置においては、コントローラの後ろにトータルゲイ
ンを付加し、ルーパ角度、あるいは、張力が振動的にな
ったら、振動が抑えられるまでトータルゲインを小さく
するので、ルーパ角度の振動及び張力の振動を未然に防
ぐことができる。また、材料の種類、板厚、板幅、圧延
条件を記録しておき、次回に同様の材料を圧延する場
合、このトータルゲインの値を反映させることにより、
同じような圧延材料に対する圧延の安定性を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成を圧延系統と併せて
示したブロック図。
【図2】本発明の第1実施例の全体の構成を示すブロッ
ク図。
【図3】本発明の第1実施例の全体の構成を簡略化して
示したブロック図。
【図4】本発明の第1実施例の原理を説明するためのブ
ロック図。
【図5】本発明の第1実施例の主要素の詳細な構成を示
すブロック図。
【図6】本発明の第2実施例の構成を圧延系統と併せて
示したブロック図。
【図7】本発明の第2実施例の全体の構成を簡略化して
示したブロック図。
【図8】本発明の第2実施例の主要素の詳細な構成を示
すブロック図。
【図9】本発明の第3実施例の全体の構成を示すブロッ
ク図。
【図10】本発明の第4実施例の全体の構成を示すブロ
ック図。
【符号の説明】
2,3,4,5 第i〜第j+1スタンド圧延機 6,7 ルーパ 8,9 ルーパ電動機 10,11 ルーパ電動機電流制御装置 12,13 張力制御装置 14,15 ルーパ角度検出器 16,17 スタンド圧延機主電動機 18,19 主機速度制御装置 20,21 ルーパ高さ制御装置 22,22A,23,23A モデル同定手段 24 パラメータ変更手段 60,67 トータルゲイン 61,68 ゲイン調整手段 62,69 AGCゲイン調整手段 63,70 AGC(自動板厚制御装置) 64 影響係数ブロック 66 トータルゲイン学習手段

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱間タンデム圧延機の各スタンド間にルー
    パが配置された熱間圧延機を制御対象とし、そのプロセ
    スモデルを用いて、圧延材張力を主にルーパ電動機の電
    流又はトルクによって制御し、前記ルーパが配置された
    スタンド間のルーパの高さを主に圧延機主電動機の速度
    によって制御するに当たり、圧延材張力及びルーパ高さ
    の制御中に、ルーパ高さの目標値又は圧延機主電動機の
    速度指令値を変更し、そのときの操作量である圧延機主
    電動機の速度指令値とルーパ高さの実績値とに基づい
    て、圧延材のヤング率と、スタンド間張力の変化からそ
    のスタンド間の材料速度の変化への影響係数とを同定す
    る熱間圧延機のモデル同定装置。
  2. 【請求項2】熱間タンデム圧延機の各スタンド間にルー
    パが配置された熱間圧延機を制御対象とし、そのプロセ
    スモデルを用いて、スタンド間張力とルーパ高さとの干
    渉系を多変数系としてとらえ、その干渉を抑えつつ、圧
    延材張力を主に圧延機主電動機の速度によって制御し、
    前記ルーパが配置されたスタンド間のルーパの高さを主
    にルーパ電動機の電流又は速度によって制御するに当た
    り、圧延材張力及びルーパの高さの制御中に、スタンド
    間張力目標値又は圧延機主電動機の速度指令値を変更
    し、そのときの操作量である圧延機主電動機の速度指令
    値とスタンド間張力実績値とに基づいて、圧延材のヤン
    グ率と、スタンド間張力の変化からそのスタンド間の材
    料速度の変化への影響係数とを同定する熱間圧延機のモ
    デル同定装置。
  3. 【請求項3】熱間タンデム圧延機の各スタンド間にルー
    パが配置された熱間圧延機を制御対象とし、そのプロセ
    スモデルを用いて、圧延材張力を主にルーパ電動機の電
    流又はトルクによって制御し、前記ルーパが配置された
    スタンド間のルーパの高さを主に圧延機主電動機の速度
    によって制御する熱間圧延機の制御装置において、 圧延材張力及びルーパ高さの制御中に、ルーパ高さの目
    標値又は圧延機主電動機の速度指令値を変更し、そのと
    きの操作量である圧延機主電動機の速度指令値とルーパ
    高さの実績値とに基づいて、圧延材のヤング率と、スタ
    ンド間張力の変化からそのスタンド間の材料速度の変化
    への影響係数とを同定するモデル同定装置と、 同定されたスタンド間のルーパと張力の制御パラメータ
    を変更すると共に、同定したスタンドと異なるスタンド
    間の圧延材のヤング率と、スタンド間張力の変化からそ
    のスタンド間の材料速度の変化への影響係数とを推定
    し、その推定値によって制御パラメータを変更するパラ
    メータ変更手段と、 を備えたことを特徴とする熱間圧延機の制御装置。
  4. 【請求項4】熱間タンデム圧延機の各スタンド間にルー
    パが配置された熱間圧延機を制御対象とし、そのプロセ
    スモデルを用いて、スタンド間張力とルーパ高さとの干
    渉系を多変数系としてとらえ、その干渉を抑えつつ、圧
    延材張力を主に圧延機主電動機の速度によって制御し、
    前記ルーパが配置されたスタンド間のルーパの高さを主
    にルーパ電動機の電流又は速度によって制御する熱間圧
    延機の制御装置において、 圧延材張力及びルーパの高さの制御中に、スタンド間張
    力目標値又は圧延機主電動機の速度指令値を変更し、そ
    のときの操作量である圧延機主電動機の速度指令値とス
    タンド間張力実績値とに基づいて、圧延材のヤング率
    と、スタンド間張力の変化からそのスタンド間の材料速
    度の変化への影響係数を同定するモデル同定装置と、 同定されたスタンドのルーパと張力の制御パラメータを
    変更すると共に、同定したスタンドと異なるスタンド間
    の圧延材のヤング率と、スタンド間張力の変化からその
    スタンド間の材料速度の変化への影響係数とを推定し、
    その推定値によって制御パラメータを変更するパラメー
    タ変更手段と、 を備えたことを特徴とする熱間圧延機の制御装置。
  5. 【請求項5】熱間タンデム圧延機の各スタンド間にルー
    パが配置された熱間圧延機を制御対象とし、そのプロセ
    スモデルを用いて、圧延材張力を主にルーパ電動機の電
    流又はトルクによって制御し、前記ルーパが配置された
    スタンド間のルーパの高さを主に圧延機主電動機の速度
    によって制御する熱間圧延機の制御装置において、 制御器の出力にトータルゲインを乗じ、制御中にルーパ
    角度が振動して制御不能に陥ったとき、振動を抑える方
    向に前記トータルゲインを徐々に減少させるゲイン調整
    手段と、 前記ゲイン調整手段によるゲイン調整によりルーパ角度
    の振動が収まったとき、その時点のトータルゲイン値と
    圧延状態とを記録し、次に同じ状態で圧延する材料に対
    してそのトータルゲイン値を使用するトータルゲイン学
    習手段と、 前記ゲイン調整手段によるゲイン調整によってもルーパ
    角度の振動が収まらないとき、振動が収まる方向に自動
    板厚制御のゲインを調整する自動板厚制御ゲイン調整手
    段と、 を備えたことを特徴とする熱間圧延機の制御装置。
  6. 【請求項6】熱間タンデム圧延機の各スタンド間にルー
    パが配置された熱間圧延機を制御対象とし、そのプロセ
    スモデルを用いて、スタンド間張力とルーパ高さとの干
    渉系を多変数系としてとらえ、その干渉を抑えつつ、圧
    延材張力を主に圧延機主電動機の速度によって制御し、
    前記ルーパが配置されたスタンド間のルーパの高さを主
    にルーパ電動機の電流又は速度によって制御する熱間圧
    延機の制御装置において、 制御器の出力にトータルゲインを乗じ、制御中に圧延材
    張力が振動して制御不能に陥ったとき、振動を抑える方
    向に前記トータルゲインを徐々に減少させるゲイン調整
    手段と、 前記ゲイン調整手段によるゲイン調整により圧延材張力
    の振動が収まったとき、その時点のトータルゲイン値と
    圧延状態とを記録し、次に同じ状態で圧延する材料に対
    してそのトータルゲイン値を使用するトータルゲイン学
    習手段と、 前記ゲイン調整手段によるゲイン調整によっても圧延材
    張力の振動が収まらないとき、振動が収まる方向に自動
    板厚制御のゲインを調整する自動板厚制御ゲイン調整手
    段と、 を備えたことを特徴とする熱間圧延機の制御装置。
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