JP3314570B2 - 連続圧延機の制御装置 - Google Patents

連続圧延機の制御装置

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JP3314570B2 JP01229295A JP1229295A JP3314570B2 JP 3314570 B2 JP3314570 B2 JP 3314570B2 JP 01229295 A JP01229295 A JP 01229295A JP 1229295 A JP1229295 A JP 1229295A JP 3314570 B2 JP3314570 B2 JP 3314570B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧延機による被圧延材の
圧延に係り、被圧延材の板厚,張力、及び圧延機の圧延
荷重の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被圧延材の圧延機による圧延において
は、圧延のスケジュールに基づき、圧延ロール間隔,速
度配分,張力設定等を行うセットアップ系と、セットア
ップ系により決定された動作点に近傍において、圧延機
の制御を行う圧延自動制御に区分できる。
【0003】また、圧延自動制御は、圧延材の板幅方向
中央部の板厚を制御する自動板厚制御(AGC),圧延
材に働く張力を制御する自動張力制御(ATR),圧延
材の板幅を制御する自動板幅制御(AWC),圧延材の
平坦度を制御する自動形状制御(ASC)などに分けら
れる。
【0004】近年、圧延製品の精度向上のため、圧延自
動制御に複数の機能を適用することが多くなってきてい
る。このことは、「板圧延の理論と実際」(日本鉄鋼協
会編)第11章,第12章に詳しく説明されている。更
に、板圧延に適応される複数の自動圧延制御間の干渉を
抑制するための非干渉制御についても提案されている
(特開昭62−214818号)。
【0005】上記公報には、板厚精度向上のための板厚
外乱抑制を行うための、圧延ロール速度調整による張力
調整方法とロールギャップ調整方法について述べられて
いる。圧延張力とロールギャップは、互いに影響し合い
板厚精度に劣化を招くため、上記公報記載の発明におい
ては、圧延機の数式モデルを用い板厚変化,張力変化,
圧下力変化の検出量より、板厚の外乱を抑制するロール
ギャップと、ロール速度の制御量を算出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、圧延
制御には、圧延現象の線形近似をし制御の動作点を与え
るセットアップ系と、与えられた動作点近傍において制
御を行う自動制御系がある。自動制御系にはAGC,A
SC,ATR等の各種制御があり、圧延制御ではこれら
はいくつか組み合わされて用いられることが一般的にな
っている。これらの制御は、セップアップ系の動作点が
正しければ、互いに独立に動作可能であるが、一般に正
しい動作点を与えることは困難であり、また、圧延現象
自体が非線形系である為、単一の動作点では十分な精度
を得ることが不可能であることが多い。このため、圧延
自動制御系においては、適用された系の間で干渉が生じ
ることがある。この例として、AGCとATRが適応さ
れた圧延機について、設定荷重のセットアップ不良があ
った場合について考えてみる。
【0007】セットアップとして与えられた設定荷重
が、適切な板厚精度を得るには広すぎた場合、AGC
は、その誤差を吸収するため張力を増加しようとする。
しかしこのとき張力が設定値より大きかった場合ATR
は張力を減ずる方向に動作する。その結果、板厚,張力
とも所望の精度が得られなくなる。このため、現在の圧
延制御では、板厚の精度を優先させ、張力については、
バンド制御をする事で干渉の問題を回避している。しか
し、このようなバンド制御方法をとったとしても、セッ
トアップのずれが大きい場合制御に飽和が生じるといっ
た問題がある。
【0008】このため最近では系の数式モデルを用い多
変数理論を適応することで系を非干渉化し制御精度を向
上しようという試みがなされている。しかし圧延現象自
体が十分解明されていない点、圧延機自体が非線形であ
る点、また、圧延中に圧延機や、被圧延材のパラメータ
が変化することから、セップアップによる線形化が十分
な精度を与えることは不可能であり、系の数式モデルに
よる非干渉化では十分な精度を得ることができない。
【0009】本発明の目的は、圧延機による圧延におい
て、板厚,張力,荷重の各制御量に要求される制御精度
の優先順位に従って、圧延自動制御に適応される複数の
制御系間の干渉を防止し、所望の制御精度を実現するこ
とを目的とする。
【0010】さらに本発明は、上記目的を達成するため
の手段として、系の状態量の定性的な関係を用いること
で、モデルの不確かさや、非線形性さに左右されない制
御系を構築することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
め本発明では、板厚,張力,圧下力の各制御量の設定値
からのずれを認識する手段と、前記各制御量間の定性的
な相互関係から、各制御量に要求される制御精度の優先
順位に従って、各制御系間を協調させるための制御ルー
ルと、前記認識量を入力とし、該制御ルールを用い各制
御系の制御指令値を演算する制御演算部を持ち、張力と
荷重を同時に制御し、板厚と張力を互いに協調させて制
御するようにした。
【0012】
【作用】本発明では、板厚,張力,圧下力の各検出量
と、各々の設定値から、状態量の設定値からのずれを認
識し、上記認識量から、板厚と張力を協調して制御する
ための、張力と荷重の制御量を演算することで、板厚と
張力,荷重を互いに干渉することなく、優先順位にした
がって制御することが可能となる。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図1に示す。圧延は上下一
対となった圧延ロール2の間を被圧材を通すことにより
行われる。圧延機は、圧延ロール2と圧延ロール2に圧
延力を与えるためのバックアップロール3,圧延ロール
2の回転速度を制御する速度制御装置5,圧延ロール2
の間隔を制御する圧下制御装置4、及び、圧延力をロー
ルの反力である荷重として検出するための荷重検出器7
を1組として、圧延機スタンド1を構成する。図1は、
圧延機スタンドが4組直列に並んだ4スタンド連続圧延
機を示しており、符号1〜7については、1〜4スタン
ドに対応してA〜Dの添え字をつけて示す。
【0014】圧延機は、圧延スタンド1〜4と、圧延材
を圧延機スタンド1に送り出すためのペイオフリール9
及び圧延された圧延材を巻き取るためのテンションリー
ル10より構成される。圧延機に取り付けられる検出器
としては、板厚計6、及び張力計8が一般的である。本
実施例では、1スタンド1A入側にNo.1スタンド入側
板厚計6A,1スタンド1A出側にNo.4スタンド出側
板厚計6B,4スタンド4A出側にNo.4出側板厚計6
Cが、1スタンド1Aと2スタンド1B間にNo.1スタ
ンド〜No.2スタンド間張力計8A,2スタンド1Bと
3スタンド1C間にNo.2スタンド〜No.3スタンド間
張力計8B,3スタンド1Cと4スタンド1D間にNo.
3スタンド〜No.4スタンド間張力計8Cが取り付けら
れているものとする。
【0015】圧延を行う場合、まずセットアップ制御装
置15が、目標とする各スタンド(1A〜1D)の出側
板厚(出側板厚設定値と呼ぶ)より、圧延機スタンド間
の張力及び設定荷重を計算し、それに基づいて、圧延ロ
ール2の間隔及び、各圧延機スタンド1Aから1Dの圧
延機速度を決め、圧下制御装置4A〜4D及び速度制御
装置5A〜5Dに出力する。圧下制御装置4A〜4D
は、圧延ロール2の間隔が圧延ロール間隔指令に合致す
るように制御を行う。同様に、速度制御装置5A〜5D
は、圧延ロール2の周速度が、圧延速度指令に合致する
ように制御を行う。
【0016】圧延において、板厚制御は圧延機スタンド
1の前後の圧延材にかかる張力を変化させるか、また
は、圧延ロールの間隔を操作し、圧延材にかかる圧延圧
力を変化させることで行われる。この場合張力について
は、圧延機スタンドの入側張力を変化させた方が張力変
動が大となるので、通常前段の圧延機スタンドiの圧延
ロール周速を操作する。No.iスタンド〜No.(i+
1)スタンド間張力を考える場合、No.iスタンドの圧
延ロール周速度を操作するか、No.(i+1)スタンド
の圧延ロール間隔を操作して張力を変化させる。例え
ば、No.4圧延機スタンド1Dの出側板厚を変化させた
い場合、No.4圧延機スタンド1Dの圧延ロール2Dの
間隔を変化させるか、No.3圧延スタンド1Cの圧延ロ
ール2Cの周速度を変化させNo.3スタンド〜No.4ス
タンド間張力を変化させてNo.4圧延スタンド1Dの出
側板厚を変化させる。
【0017】以上のような観点より、4スタンド連続圧
延機の板厚,張力についての圧延自動制御として、No.
1圧延スタンド1Aの入側板厚計6Aの検出信号を用い
て圧延ロール2Aの間隔を操作してNo.1圧延スタンド
出側の板厚をフィードフォワード的に制御するNo.1ス
タンド圧下F.FAGC11、及びNo.1圧延スタンド出側板厚
計6Bの検出信号を用いて、圧延ロール2Aの間隔を操
作し、No.1圧延機スタンド出側板厚をモニタ的に制御
するNo.1スタンド圧下モニタAGC12、No.4圧延
機スタンド1D出側板厚計6Cの検出信号を用いて、N
o.3圧延機スタンド1Cの圧延ロール2Cの周速度を操
作し、No.4圧延機スタンド1D出側板厚をモニタ的に
制御するNo.4スタンド速度モニタAGC13、No.4
圧延機スタンド1D出側板厚計6Cの検出信号を用い
て、No.1圧延機スタンド1Dの圧延ロール2Dの間隔
を操作し、No.4圧延機スタンド1D出側板厚をモニタ
的に制御するNo.4スタンド圧下モニタAGC16、N
o.i〜No.(i+1)圧延機スタンド(i=1〜3)間
張力計8Aから8Cの検出信号を用いてNo.i圧延機ス
タンド(1A〜1C)の圧延ロール2A〜2C周速度を
PI制御を用いて操作し、No.i〜No.(i+1)スタ
ンド間張力を制御するスタンド間ATR14A〜14c がある。
ただし、この構成は本実施例についてのものであり、他
にも種々の構成が考えられる。
【0018】ここで、No.4圧延機スタンド1Dの出側
板厚制御がNo.4スタンド速度モニタAGCのみにより
行われた場合についての問題点が考察してみる。このと
きNo.4スタンド速度モニタAGC13は、セットアッ
プにより与えられた設定速度の近傍で制御を行ってお
り、また、No.3〜No.4スタンド間ATR14は、張
力を与えられた設定値のバンド内に入れるリミット制御
を行っているとする。ここでセットアップの誤差により
No.4スタンド1Dの圧延ロール2D間隔が必要な板厚
を得るには狭すぎた場合を考える。このような状態は、
セットアップ制御系において圧延現象が完全に把握され
ておらず、また、圧延中に状態変化が起こるため、圧延
開始前に一度だけ行われるセットアップ制御では発生し
易い現象である。このときNo.4スタンド速度モニタA
GC13は、No.3スタンド1Cの圧延ロール2Cの周
速度を増加し、No.3〜No.4スタンド間の張力を減少
させることで、No.4スタンド1D出側板厚を厚くし、
実板厚を設定板厚に近づけようとする。ところが、No.
3スタンド1D圧延ロール間隔が狭すぎる場合No.4ス
タンド速度モニタAGCの制御量が過大になりすぎ、N
o.4スタンド1D出側板厚が設定値に達する前にNo.3
〜No.4スタンドATR14Cの下限バンド幅を超え、ATR
13が働き始める。このときAGC13の出力とATR
14の出力は互いに打ち消し合うことになり、前者とも
十分な制御精度が得られなくなる。
【0019】次に図1で示したようにNo.4スタンドに
圧下モニタAGCを付加することで上述のような問題を
解消することを考える。
【0020】図2は、No.4スタンド1D,圧下ロール
2Dの圧延荷重Pと、No.3〜No.4スタンド間隔張力
T、及びNo.4スタンド出側板厚hの相互関係を、それ
ぞれの設定値との偏差により示したものである。図にお
いて荷重偏差ΔPが正(ΔP>0)、張力偏差がΔT<
0、かつ板厚偏差がΔh>0である状態を考える。こ
の状態から板厚偏差を減少させる方法としては、圧延荷
重Pを増加させるか入側張力Tを増加させるかのいずれ
かが考えられる。圧延荷重を増加させた場合、圧延荷重
増加により出側板厚は減少する。また、張力について
は、板厚が減少するため減少することになる(状態
)。その結果、の状態においては圧延荷重の増加に
より板厚偏差Δhは減少するが、張力偏差ΔTは増大す
ることになる。一方、入側張力を増加した場合、張力の
増加により板厚は減少する(状態)。(圧延荷重につ
いても、板厚の減少により減少するが、値としてわずか
であるため、ここでは無視する。) また、状態の様に、ΔP<0,ΔT>0,Δh>0の
状態においては、前述の例とは逆に圧延荷重を増加する
ことで張力偏差,板厚偏差とも零に近づけることができ
る(状態)。一方、の状態から張力を増加させた場
合は、板厚偏差は減少するが、張力偏差は増大すること
になる(状態)。
【0021】上記のことから、前述のNo.3〜No.4ス
タンド間張力について、No.4スタンド速度モニタAG
C13とNo.3〜No.4スタンド間ATR14の間に干
渉が生じた場合について考える。この状態は、図2と同
じ表現を用いると、図3の状態の様に示される。図3
の状態は、図2の状態の各値の符号が逆転した場合
に等しい。このため図2の状態とは逆に圧延荷重を
減少することで、張力,板厚の偏差を減少できる(図3
の状態)。
【0022】この方法によれば、各値が制御リミットに
かかった状態だけではなく、どの圧延状態においても張
力と圧延荷重を制御することで、板厚と張力を共にそれ
らの偏差が零に収束する方向に制御することが可能であ
る。
【0023】以上述べた、張力と圧延荷重による板厚,
張力制御を以下簡単のため協調制御と呼ぶ。本実施例で
は、協調制御を実現するための手段としてファジィ制御
を用いた方法を示す。
【0024】ファジィ制御は、熟練者の経験や、定性的
な手順など明確に定量化されていないルールを用いて制
御することを可能とする手法であり、図2に示す制御を
実現するのに適していると言える。図4は、ファジィ制
御を用いた協調制御の制御フローを示したものである。
図4で、入力された圧延荷重P,張力T,板厚hの実検
出値は、それぞれの設定値P0 ,T0 ,h0 と比較され
偏差として要素推論部27に出力される。要素推論部2
7では、予め決められた非ファジィ量をファジイ化する
メンバシップ関数を用い、圧延荷重,張力,板厚の偏差
より、それぞれの量について設定値からのずれの度合を
示す確信度を演算する。ファジィ推論部28では、予め
決めておいたファジィ推論ルールを用い要素推論部27
で演算された各確信度から制御出力を演算する。ここ
で、本実施例における制御出力としては、入側張力によ
る板厚制御ゲイン、つまり、No.4スタンド速度モニタ
AGCの制御ゲインαs と、圧延荷重による板厚制御ゲイ
ン、つまり、No.4スタンド圧下モニタAGCのゲイン
αg の変化量である。ファジィ推論部28は、図3で述
べた定性的な制御則をファジィルール化したファジィ推
論ルール部と、ファジィ推論により得られた各ゲインの
変化の度合の確信度から、実際のゲインの変化量を算出
する非ファジィ部から成っている。
【0025】図5は協調制御を行うための装置である。
図5は、図1の全体構成から最後部2段を取り出して詳
しく書き直したものである。
【0026】No.3〜No.4スタンド間張力Tは、張力
計8Cにより検出され、要素推論部27及びNo.3〜N
o.4スタンドATR14C部に入力される。No.4スタンド圧
延荷重Pは、荷重計7Dにより検出され、要素推論部2
7と圧下装置4Dに入力される。また、No.4スタンド
出側板厚hは、板厚計6Cにより検出され、要素推論部
27とNo.4スタンド圧下モニタAGC16に入力され
る。要素推論部27ではセットアップ制御装置15から
入力される板厚,張力,圧延荷重の設定値と、それぞれ
の実検出値のずれの度合の確信度を演算しファジィ推論
部28へ出力する。ファジィ推論部では、要素推論部2
7から入力された各確信度からNo.4スタンド速度モニ
タAGC13の制御ゲインαs とNo.4スタンド圧下モ
ニタAGC16の制御ゲインαg を演算する。ただし、
αs とαg はαs+αg=1の関係を満す必要がある。N
o.4スタンド圧下モニタAGC16では板厚偏差Δhと
αg から圧延荷重指令を決め圧下制御部40に出力し、
圧下により板厚を制御する。また、No.4スタンド速度
モニタAGC13では、Δhとαs からNo.3スタンド
速度指令を決め速度制御部5Cに出力し、No.3スタン
ド速度を制御することでNo.3〜No.4スタンド間張力
を制御し、板厚の制御を行っている。
【0027】次に、要素推論部27の詳細について述べ
る。図6は、要素推論部27を構成するメンバシップ関
数の一例である。要素推論部27への入力は、板厚,張
力及び圧延荷重の実検出値及び設定値である。各検出値
は、各々の設定値と比較され、設定値よりも小さい度
合,設定値と等しい度合、及び設定値よりも大きい度合
の確信度が演算される。一例として板厚について考えて
みる。実検出板厚が図6中に示した様にh1 であった場
合、板厚偏差が負である度合の確信度HNはaN、零で
ある度合の確信度HZはaz 、正である度合の確信度H
Pは0であると演算される。張力及び圧延荷重について
も同様であり、張力偏差が正である度合,零である度
合,負である度合の各確信度をTP,TZ,TNで、圧
延荷重偏差が正である度合,零である度合,負である度
合の各確信度をPP,PZ,PNで示している。
【0028】次に、ファジィ推論部28の詳細について
述べる。まず、ファジィ推論ルールの基になる制御手順
を図7に示す。図において+記号は状態量つまり板厚や
圧延荷重,張力が設定値よりも大きいことを示してい
る。また±は零の場合、−は負の場合を示している。図
7中、例えば板厚が+,荷重が+張力が−である状態
は、図2の状態と同じであり、図2に示した様に張力
を増加することで板厚,張力とも偏差を零に向わせるこ
とができる。
【0029】本実施例では、この操作を実現する方法と
して、張力による板厚制御の割合を荷重による板厚制御
の割合より大きくするという方法(図中記号T>Pに相
当)を取っている。
【0030】図7の制御手順から協調制御を行うための
ファジィ推論ルールは、図8の様に与えられる。図中、
前件部のHP,PPなどは、前述の要素推論部で得られ
た確信度である。また、後件部はゲインαs の大きさの
度合の確信度を示しており、SB,SM,SSがそれぞ
れαs の大きさの度合の確信度が大,中,小であること
を示す。
【0031】ファジィ推論は、一般にIF〜THEN〜
の形式で表わされる。図8の推論ルールをIF〜THE
N〜形式で示すと、例えば、板厚がHP,張力TP,圧
延荷重がPNの場合 IF(板厚偏差が正)(HP)&(張力偏差が正)(TP)&
(圧延荷重が負)(PN) THEN(αs を小にする)(SS) と示される。本実施例においては、図7に示した27通
りについてルールが決められ、それぞれについて、S
B,SM,SSが演算される。これらの演算された確信
度は、非ファジィ化され、制御出力としてゲインαs
大きさが演算される。このとき、αg は、 αs+αg=1 の関係からαs を用いて算出されることになる。
【0032】上述までの制御は、暗黙の内に板厚精度を
優先する制御となっている。しかし、圧延作業工程にお
いては、板厚よりも張力が優先される場合もある。この
ような場合、協調制御では、図8のファジィ推論ルール
を図9の様に改めることで、張力を優先する制御が可能
となる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
互いに影響し合う板厚,張力,圧延荷重が正確なモデル
を用いることなく独立に制御可能となる。また、板厚,
張力,荷重の制御精度に優先順位をつけ、その優先順位
にしたがってこれらを協調して制御することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す図。
【図2】圧延荷重,張力,板厚の定性的な関係を示す
図。
【図3】協調制御の一例を示す図。
【図4】協調制御の制御フローを示す図。
【図5】板厚張力協調制御の構成の一例を示す図。
【図6】要素推論部の一構成例を示す図。
【図7】協調制御の制御手順の一例を示す図。
【図8】協調制御のファジィ推論ルールの一例を示す
図。
【図9】張力を優先した場合のファジィ推論ルールを示
す図。
【符号の説明】
1…圧延機スタンド、13…No.4スタンド速度モニタ
AGC、14C…No.3〜No.4スタンド間ATR、1
5…セットアップ制御装置、19…圧延荷重,張力協調
制御装置、27…要素推論部、28…ファジィ推論部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 裕 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (72)発明者 中島 正明 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (72)発明者 片山 恭紀 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/00 - 37/78

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対象とする圧延機の圧延ロールの圧延荷重
    と、 前記圧延機と該圧延機の前段の圧延機との間の被圧延材
    の張力による、被圧延材の板厚制御装置であって、 前記板厚と、前記圧延荷重と、前記張力の設定値を決定
    するセットアップ制御装置と、 前記板厚と前記張力と前記圧延荷重のそれぞれの検出装
    置を持ち、 該検出装置の検出値と前記セットアップ装置による設定
    値の偏差から、前記板厚制御装置の操作指令量を演算
    し、 前記板厚と、前記張力と前記圧延荷重を互いに影響する
    ことなく制御可能とする圧延機制御装置。
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