JP3293765B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

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JP3293765B2
JP3293765B2 JP30654697A JP30654697A JP3293765B2 JP 3293765 B2 JP3293765 B2 JP 3293765B2 JP 30654697 A JP30654697 A JP 30654697A JP 30654697 A JP30654697 A JP 30654697A JP 3293765 B2 JP3293765 B2 JP 3293765B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術の分野】本発明は、記録用紙の幅方
向に移動する記録ヘッドを有し、印刷デ−タに一致して
インク滴を記録用紙に噴射して画像を形成するインクジ
ェット式記録装置、より詳細にはインクカートリッジの
インクの管理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式プリンタは、インク貯
蔵手段からのインクの供給を受けるインクジェット式記
録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移
動させる紙送り手段を備え、印字信号に対応して記録ヘ
ッドを移動させながら記録用紙にインク滴を吐出させて
記録を行う装置である。
【0003】このようにインクという液体を扱う関係
上、記録ヘッドへのインクの充填や、またインク溶媒の
揮散による目詰まりを防止するために記録ヘッドからイ
ンクを強制的に吸引排出させる処理や、また印字データ
に関係がない駆動信号を供給してノズル開口からインク
滴を吐出させる操作が行われている。
【0004】記録ヘッドの目詰まり解消のために行うイ
ンクの強制的な排出処理は、通常クリーニング操作と呼
ばれ、長時間の休止後に印刷を再開する場合や、またユ
ーザが目詰まりを解消するためにクリーニングスイッチ
を押圧した場合に、記録ヘッドをキャッピング手段によ
り封止して負圧を作用させてインク滴を排出させ、その
後にゴムなどの弾性板からなるワイピングブレード材に
よりワイピング操作が伴う処理である。
【0005】一方、記録ヘッドに駆動信号を印加してイ
ンク滴を吐出させる操作は、通常、フラッシング操作と
呼ばれ、クリーニング操作時にワイピング等でノズル開
口近傍の破壊されたメニスカスを回復させたり、また印
刷中にインク滴の吐出が少ないノズル開口の目詰まりを
防止する目的で一定周期ごとに実行させる操作である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ノズル開口
の高密度配列や、また印字品質の向上のため、記録用紙
上で速やかに乾燥するインクが使用される関係上、記録
ヘッドのノズル開口のサイズが小さくなり、またプレー
トに付着したインクが極めて短時間に乾燥するため、ク
リーニング操作におけるインク排出によりノズル面に付
着したインクが増粘し、続くワイピング操作によりノズ
ル開口に侵入し、さらに引き続くフラッシング操作によ
る圧力変動により気泡を成長させるため、クリーニング
直後では却ってインク滴の吐出不良を招くという問題が
ある。
【0007】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであって、その目的とするところはクリーニング操
作直後の印字不良を確実に解消することができるインク
ジェット式記録装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、印刷データに対応してイン
ク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、選択的
に大気に連通して前記記録ヘッドを封止するとともに、
吸引ポンプからの負圧を受けるキャッピング手段と、前
記記録ヘッドのノズル開口面をワイピングするクリーニ
ング部材と、前記記録ヘッドのノズル開口の目詰まりを
防止するために前記記録ヘッドからインク滴を吐出させ
るフラッシングを制御するフラッシング制御手段と、前
記吸引ポンプにより前記記録ヘッドからインクを吸引さ
せ、また前記クリーニング部材により前記記録ヘッドを
ワイピングさせるクリーニング制御手段と、クリーニン
グ終了後に計時を開始し、クリーニング後にノズル開口
近傍に発生した気泡の消失、または縮小に要する時間を
計時する計時手段とを備えるとともに、前記フラッシン
グ制御手段は、前記計時手段がタイムアップしている場
合に前記フラッシングを実行するようにした。
【0009】
【作用】ワイピングブレードによるクリーニングにより
ノズル開口に侵入した気泡がインクに溶解して縮小、ま
たは消失するまで待つため、フラッシングや印刷のため
のインク滴吐出によりインクの圧力が変化によっても、
気泡がインク滴吐出等の不都合を生じるまで成長するこ
とができない。
【0010】
【発明の実施の形態】そこで以下に本発明の詳細を図示
した実施例に基づいて説明する。図1は、本発明の一実
施例を示すものであって、図中符号1は、キャリッジ
で、タイミングベルト2によりモータ3に接続されてい
て、ガイド部材4に案内されてプラテン5に平行に移動
するように構成されている。キャリッジ1の記録用紙6
と対向する面には、印刷領域側(図中、左側)に黒イン
クを吐出する記録ヘッド7が、また非印刷領域側にカラ
ー印刷用の記録ヘッド8が搭載され、各記録ヘッド7、
8は、それぞれ黒インクカートリッジ9、カラーインク
カートリッジ10からインクの供給を受けて記録用紙6
にインク滴を吐出して印刷するようになっている。
【0011】11は、キャッピング装置で、黒インク用
記録ヘッド7を封止するキャップ12と、カラーインク
用記録ヘッド8を封止するキャップ13を同一のスライ
ダに搭載し、それぞれが単独で駆動可能な2台の吸引ポ
ンプ14、15からなるポンプユニット16にチューブ
を介して接続されていて、記録ヘッド7、8のノズル開
口面を封止できるサイズを備え、非印字時にはノズル開
口を封止し、またクリーニング処理やインク充填操作時
にはポンプユニット16の負圧を受けて記録ヘッド7、
8からインクを強制的に排出させることができるように
構成されている。
【0012】そして、キャップ12、13は、キャップ
内に排出されてここに残留したインクを効果的に図示し
ない廃インクタンクに排出するために、キャリッジ1の
移動や、また駆動手段などにより開閉が制御される大気
開放弁V1、V2を介して大気に連通されている。ま
た、キャッピング装置11の近傍には、記録ヘッド7、
8のノズル開口面を擦過するワイピングブレード17を
備えたクリーニングユニット18が配置されている。
【0013】図2は、同上記録装置の動作を制御する制
御装置の一実施例を示すものであって、印刷制御手段2
0は、ホストからの印刷データに基づいてビットマップ
データを生成し、このデータに基づいてヘッド駆動手段
21により駆動信号を発生させて、記録ヘッド7、8か
らインク滴を吐出させるものである。ヘッド駆動手段2
1は、印刷データに基づく駆動信号の他に、目詰まり解
消やメニスカス調整のために圧力発生室を加圧してイン
ク滴を吐出させる操作、いわゆるフラッシング操作のた
めの駆動信号を記録ヘッド7、8に出力するように構成
されている。
【0014】モータ駆動手段22は、印刷制御手段20
からの信号を受けてキャリッジ1を記録用紙6の幅方向
に一定速度で往復動させるほか、ワイピング時にはワイ
ピング制御手段23の制御を受けて記録ヘッド7、8を
ワイピング可能な距離だけ移動させ、さらに気泡消滅工
程では微小振動制御手段24の制御を受けてキャリッジ
1を微小往復移動させるものである。
【0015】クリーニング制御手段25は、電源スイッ
チ検出手段33により電源の投入が検出された場合や、
また吸引指令検出手段26からの信号により、吸引タイ
マ27により規定された吸引強度、吸引時間、吸引イン
ターバルに基づいてポンプ駆動手段28を制御して、各
吸引ポンプ14、15を所定の速度で回転駆動させ、ま
たワイピングが必要な場合にはワイパ駆動手段29に信
号を出力して、ワイピングブレード17を記録ヘッド
7、8の移動経路に進出させるものである。
【0016】フラッシング制御手段30は、印刷動作が
一定時間継続して印刷制御手段20からフラッシング指
令が出力された場合、及びクリーニング制御手段25か
らの吸引終了信号が出力し、かつ後述するフラッシング
保留タイマ31からのタイムアップ信号が出力している
場合に、印刷制御手段20により記録ヘッド7、8をフ
ラッシング位置、通常はキャッピング装置11のキャッ
プ12、13と一定の間隙をもって対向する位置に移動
させて、目詰まりの防止や、目詰まり解消のために各記
録ヘッド7、8の全てのノズル開口から所定滴数のイン
ク滴を吐出させる。
【0017】フラッシング保留タイマ31は、記録ヘッ
ド7、8に負圧を作用させて記録ヘッド7、8から強制
的にインクを排出させたり、またワイピングブレード1
7にノズル開口面を擦過する等のクリーニング工程が終
了した段階で計時動作を開始し、クリーニング工程で記
録ヘッド7、8のノズル開口近傍に生じた気泡を自然消
滅、または縮小させるに要する時間、例えば20秒を計
時した段階でタイムアップするように構成されている。
フラッシング保留タイマ31のタイムアップ信号は報知
手段32に出力され、フラッシング保留が終了したこと
を、例えばパネル等に設けられているクリーニング動作
中を表示する表示手段の表示形態を変更させてユーザに
知らせるようになっている。
【0018】電源スイッチ検出手段33は、パネル面に
設けられた電源オンーオフ指令スイッチ34の操作を検
出し、装置全体に駆動電力を供給したり、また電源オフ
が指令された場合には所定の処理が終了した段階で装置
への駆動電力を遮断するものである。なお、図中符号3
5は、図示しないケースの制御パネルに設けられたクリ
ーニング指令スイッチを示す。
【0019】次にこのように構成した装置の動作を図3
乃至図7に示したフローチャートに基づいて説明する。 (全体の動作)電源オンーオフ指令スイッチ34が操作
されて電源が投入されると(図3 ステップ イ)、印
刷制御手段20は、紙送り機構により排紙動作やキャリ
ッジ1をホームシークさせる等の初期化処理を実行し、
フラッシング保留フラッグをオフに設定する(図3 ス
テップ ロ)。
【0020】クリーニング制御手段25は、電源投入当
初の自動クリーニングが必要であるか否かを判断し(図
3 ステップ ハ)、印字動作の休止時間が規定値を越
えている場合には後述するクリーニング処理を実行し
(図3 ステップ ニ)、またクリーニング処理を必要
としない場合には電源オン保留フラッグをオンとする
(図3 ステップ ホ)。
【0021】このようにして、印刷データの受付けが可
能となった状態でホストから印刷信号が入力すると(図
3 ステップ ヘ)、印刷開始前フラッシング動作を実
行し(図3 ステップ ト)、印刷開始前フラッシング
の終了後に印刷動作を開始する(図3 ステップ
チ)。
【0022】一方、印刷期間中にクリーニング指令スイ
ッチ35がユーザにより操作されてクリーニング指令検
出手段26から信号が出力すると(図3 ステップ
リ)、クリーニング制御手段25はクリーニング処理を
実行し(図3 ステップ ヌ)、クリーニング終了後に
ステップ(ト)にジャンプして印字開始前フラッシング
を行ってメニスカスの回復を図ってから印字動作を再開
する(図3 ステップチ)。
【0023】このようにして全ての印刷データの印刷が
終了すると(図3 ステップ オ)、印刷制御手段20
は記録ヘッド7、8をキャップ12、13等のインク受
けに移動させ、フラッシング制御手段30により記録ヘ
ッド7、8から印字終了フラッシングを実行させ(図3
ステップ ロ)、次の印刷データの入力を待つ(図3
ステップ ヘ)。
【0024】印刷が終了して電源オンーオフ指令スイッ
チ34により電源オフが指令されると(図3 ステップ
ル)、装置への作動電力の供給を停止する前にフラッ
シング制御手段30は電源オフフラッシング処理を実行
する(図3 ステップ カ)。
【0025】(印刷開始前フラッシング処理)フラッシ
ング制御手段26は、フラッシング保留フラッグがオン
である場合には(図4 ステップ イ)、フラッシング
保留タイマ31の計時時間をチェックする(図4 ステ
ップ ロ)。フラッシング保留タイマ31がタイムアッ
プしている場合には(図4 ステップ ハ)、クリーニ
ング等により取り込まれた気泡が縮小していたり、また
既に消滅している。
【0026】したがって、フラッシングによる圧力発生
室の加圧による圧力変動によっても気泡が印刷不良を引
き起こすサイズまでには成長しないから、クリーニング
用の強いフラッシングを行って(図4 ステップ ホ)
圧力発生室やノズル開口近傍の増粘したインクをキャッ
プ12、13に排出させて印刷時の目詰まりを未然に防
止する。クリーニング用フラッシングが終了した段階
で、フラッシング保留フラッグをオフにし(図4 ステ
ップ ヘ)、印字動作に入る(図4 ステップト)。
【0027】このようなクリーニング用のフラッシング
は、図8(イ)に示したように上昇率α、及び降下率β
の絶対値が大きく、かつ一定電圧V0の維持時間t1の
短い電圧波形を、短い周期T1で印加したり、また必要
に応じては図8 (ロ)に示したように電圧V2を大き
く設定した信号を印加して実行される。
【0028】一方、フラッシング保留タイマ31の計時
時間のチェックにより(図4 ステップ ロ)、フラッ
シング保留タイマ31がタイムアップしていない場合に
は(図4 ステップ ハ)、キャリッジ1やポンプユニ
ット16を作動させて記録ヘッド7、8に振動を与え
る。これにより気泡のインクへの溶解を助けるととも
に、装置が依然として動作状態にあることをユーザに知
らしめ、もってユーザが誤って電源をオフにするのを防
止する(図4 ステップ ニ)。特に記録ヘッド7、8
をキャッピング位置から待避させてポンプユニット16
を作動させると、フラッシング等によりキャップ12、
13に排出されたインクを廃インクタンクに排出でき、
特別の排出工程を必要とすることがなく、装置全体の動
作効率を上げることができる。
【0029】キャリッジ1やポンプユニット16の一定
時間の作動後には、これによる時間経過によりクリーニ
ング等により取り込まれた気泡が縮小したり、また消滅
するから、前述のクリーニング用の強いフラッシングを
行い(図4 ステップ ホ)、フラッシング動作終了後
にフラッシング保留フラッグをオフにして(図4 ステ
ップ ヘ)、印字動作に入る(図4 ステップ ト)。
【0030】他方、フラッシング保留フラッグがオフで
(図4 ステップ イ)、かつ電源オン保留フラッグが
オンである場合には(図4 ステップ チ)、クリーニ
ング等により取り込まれた気泡が存在しないから、気泡
の成長を考慮する必要が無く、電源オンフラッシングを
実行し(図4 ステップ リ)ノズル開口近傍の増粘し
たインクを排出させてから、電源オン保留フラッシング
をオフにし(図4 ステップ ヌ)、印刷動作に入る
(図4 ステップ ト)。
【0031】また電源オン保留フラッシングがオフの場
合には(図4 ステップ チ)、通常のフラッシングを
実行して(図4 ステップ ル)ノズル開口近傍の増粘
したインクを排出して印刷動作に入る(図4 ステップ
ト)。
【0032】(クリーニング処理)クリーニング指令ス
イッチ35の操作等によりクリーニング指令検出手段2
6から信号が出力すると、クリーニング制御手段25
は、紙送り動作などのクリーニング処理に不必要な一切
の動作を禁止し(図5 ステップ イ)、またワイパー
駆動手段29によりワイピングブレード17を記録ヘッ
ド7、8の移動経路に進出させる。そしてワイピング制
御手段23によりモータ3を制御して記録ヘッド7、8
をワイピングブレード17に対して相対移動させて記録
ヘッド7、8のノズルプレートをワイピングし(図5
ステップ ロ)、ノズルプレートの塵埃や紙粉などが除
去する。
【0033】次いでキャリッジ1をキャッピング位置に
移動させて記録ヘッド7、8からインクの大吸引動作を
開始する(図5 ステップ ハ)。なお、吸引ポンプ1
4、15は、その駆動速度により大吸引(図9における
曲線A)と、小吸引(図9における曲線B)の2種類の
吸引能力を発現させることができ、また作動時間ととも
に吸引能力が上昇する。
【0034】すなわち、記録ヘッド7、8をキャップ1
2、13により封止し(図10(イ))、キャップ1
2、13に接続されている大気連通大気開放弁V1、V
2を閉大気開放弁した状態で吸引ポンプ14、15を所
定時間T3だけ高速駆動させてキャップ12、13に強
い負圧を蓄圧する(図10(ロ))。
【0035】この高速駆動による吸引ポンプ14、15
の吸引力はキャップ12、13に負圧を蓄圧させるのに
並行して記録ヘッド7、8にも強い負圧を作用させ、図
14に示したようにズルプレートPのノズル開口N、圧
力発生室H、リザーバR、インク流路L、インク供給針
Cに速いインクの流れを誘起してここに停滞している気
泡をインクの流れに乗せて排出することができる。
【0036】この吸引による排出量は、図14に示した
ように ノズルプレートPのノズル開口Nから圧力発生室H、
リザーバRまでを含めた容量に相当する量、 ノズル開口Nからインク流路Lを含めたインク供給針
Cまでの容積に相当する量、 ノズル開口Nからインクカートリッジ9のインク供給
口Mまでの容積に相当する量、 にはインク供給針Cの下流側に配設されているフィル
タFの気泡を排除できる程度の量、 の何れかが選択されていて、これら流路内に存在する増
粘したインクや気泡を確実に排出することを可能ならし
める。
【0037】このように強い負圧を蓄圧した状態で放置
する負圧解除処理を実行すると(図5 ステップ
ニ)、記録ヘッド7、8からは負圧に見合う量のインク
がキャップ12、13に排出される(図10(ハ))。
このようにして所定時間が経過して記録ヘッド7、8か
ら排出されたインクによりキャップ12、13の空間容
積が減少して負圧が大気圧程度に弱まると、記録ヘッド
7、8からのインクの排出が停止する(図10
(ニ))。このようにして、キャップ12、13に蓄圧
された負圧を解除することにより、次の大気開放バルブ
V1、V2の開放時に、バルブV1、V2からキャップ
12、13に空気が急激に流入するのを防止して、メニ
スカスが破壊されるのを防止する。
【0038】したがって、この負圧解除処理に費やす時
間は、吸引量や、キャップ12、13の容積、インクの
粘度に対応して長く、また記録ヘッド7、8のノズル開
口数が多いほど、短く設定されている。
【0039】このような負圧解除処理によりキャップ1
2、13の圧力が大気圧、またその直前まで上昇した段
階で、キャップ12、13の大気開放バルブV1、V2
を開大気開放弁し(図11(イ))、吸引ポンプ14、
15を間欠的に低速駆動させて吸引動作を実行する(図
5 ステップ ホ)。
【0040】この吸引ポンプ動作は、図7に示したよう
な制御を行うことにより実現できる。すなわち、吸引ポ
ンプ14、15を低速度で一定角度、例えば48構成の
パルスモータによる駆動では15ステップ程度回転させ
(図7 ステップ イ)、ついで一定時間、例えば0.
1秒程度停止させる(図7 ステップ ロ)という動作
を複数回、たとえば20回程度繰り返すこと(図7 ス
テップ ハ)により行われる。
【0041】この工程における吸引量は、最低キャップ
12、13の容積の0.5乃至2倍に、好ましくはキャ
ップ12、13とバルブV1、V2とを接続する管路の
容積をも加算した量に設定されていて、吸引ポンプ1
4、15を低速駆動することにより空気の流れ込みによ
る泡立ちを抑制しつつ、キャップ12、13のインクを
可能な限り排出できる量が選択されている。
【0042】このようにキャップ12、13の圧力が大
気圧に到達する直前に大気開放バルブV1、V2を開放
して吸引ポンプ14、15を作動させるため、キャップ
12、13を記録ヘッド7、8より負圧状態を維持でき
るため、キャップ12、13に排出されたインクがノズ
ル開口の毛細管力でノズル開口に逆流するのを防止しつ
つ、大気の流入によりキャップ12、13のインクを効
率的に排出することができる。
【0043】クリーニング制御手段25は、キャップ1
2、13のインクの排出終了後、記録ヘッド7、8をキ
ャップ12、13の封止から開放し、記録ヘッド7、8
をクリーニング位置に移動させ、またワイピングブレー
ド17を記録ヘッド7、8の移動経路に進出させて記録
ヘッド7、8のノズルプレートをワイピングする(図5
ステップ ヘ)。これによりノズルプレートに付着し
ている、インク吸引時にキャップ内で発生した気泡を含
むインクが払拭される。
【0044】このワイピングには、キャリッジ1を低速
度で移動させて行う低速モードと、低速モードの2.5
倍程度の高速度で移動させて行う高速モードとが用意さ
れている。高速モードのワイピングは、この好ましくは
キャリッジ1を0.1乃至0.5m/s程度で移動さ
せ、また低速モードのワイピングはキャリッジ1を0.
05乃至0.3m/sの速度で移動させて実行される。
【0045】このように2種類のモードを備えることに
より、まず高速モードを実行してノズルプレートに付着
しているインク滴を払拭し、次いで低速モードを実行し
てメニスカスの破壊を可及的に防止しながら表面のイン
ク層を除去することができる。
【0046】これにより、インク滴の除去率の向上と、
メニスカスの破壊防止とのを両立させることができて、
ワイピングの能率を上げることができる。さらには、高
速モードのワイピングによりノズルプレートに付着して
いる大半のインクが拭き取られ、他部材により払拭され
てから低速モードのワイピング動作に移ることができ
る。したがって、低速モードでのワイピングではワイピ
ングブレード17とノズルプレートPの間に存在するイ
ンクK(図15)の量を減少させることができて、低速
モードでのワイピング時にノズル開口Nの毛細管力でイ
ンクKがノズル開口Nに引き込まれるのを防止して、メ
ニスカスの損傷が軽い状態でワイピング動作を終了する
ことができる。
【0047】また、図16に示すようにノズル開口Nを
取り囲むように凹部Dが形成されている場合には、高速
モードのワイピングによりインクカスK等の比較的大き
な異物を凹部Dの壁Wに掃き寄せてノズル開口Nに影響
を与えない位置に排除し、ついで低速モードのワイピン
グにより凹部Dの境界でのワイピングブレード17のリ
バウンドを可及的に防止して、ノズル開口Nの周辺での
拭き残し領域を無くしてノズルプレートNを確実にクリ
ーニングすることができる。
【0048】ワイピング終了後、キャップ12、13を
記録ヘッド7、8から開放して吸引ポンプ14、15を
高速駆動する吸引ポンプ工程を実行する(図5 ステッ
プト)。これによりキャップ12、13に残留している
インクを記録ヘッド7、8に負圧を作用させることなく
廃インクタンクに排出させる。
【0049】この工程における吸引量は、最低キャップ
12、13の容積の0.5乃至5倍に、好ましくはキャ
ップ12、13と吸引ポンプ14、15とを接続する管
路の容積をも加算した量に設定されている。一方、キャ
ップ12、13にはスポンジ等のインク吸収板が収容さ
れていて、ここに吸収されたインクは、キャッピング時
の保湿剤として機能するばかりでなく、呼び水として機
能してキャップ12、13の周囲に付着するインクを毛
細管力により吸収するから、好ましくは、インク吸収板
に含浸されて残留するインク量が、インク吸収板が含浸
可能なインク量の70%以下となる程度の吸引力が望ま
しい。
【0050】このように記録ヘッド7、8をキャップ1
2、13により封止し、かつバルブV1、V2を開大気
開放弁した状態でキャップ12、13内に残留している
インクをあらかた廃インクタンクに排出した段階で、ワ
イピングを実行し、その後に記録ヘッド7、8を開放し
てキャップ12、13に残留しているインクを確実に廃
インクタンクに排出する工程を踏むことにより、記録ヘ
ッド7、8をキャップ12、13から開放して直ちにワ
イピングを実行することにより、キャップ12、13を
開放してキャップ12、13に残留しているインクを廃
インクタンクに排出するのに要する時間、通常約5秒で
の吸引動作の期間中にノズルプレートに付着したインク
の乾燥を防止して湿潤状態で、かつノズルプレートに付
着したインクがノズル開口に吸い込まれる以前にワイピ
ングを施すことができる。
【0051】大吸引の実行が完了して負圧解除の処理が
終了した後にはキャップ12、13にインクが大量に停
滞しているから、大気開放弁V1、V2の開放によりキ
ャップ12、13内のインクは気泡を発生しながら吸引
ポンプ14、15に吸引されて廃インクタンクに排出さ
れる(図11(ロ))。
【0052】なお、上述の工程において、ノズル開口に
気泡が混入し、メニスカスが破壊された状態のノズル開
口が存在する虞がある。そこで、クリーニング制御手段
25は、メニスカス等の破壊を修復するため、記録ヘッ
ド7、8に対して1回目の小吸引の動作を実行する(図
5 ステップ チ)。
【0053】すなわち記録ヘッド7、8をキャップ1
2、13により封止し(図12(イ))、大気開放弁V
1、V2を閉大気開放弁した状態で吸引ポンプ14、1
5を大吸引時よりも短い時間、高速駆動させてキャップ
12、13に弱い負圧を蓄圧させキャップ12、13の
インクを排出する(図12(ロ))。ついでキャップ1
2、13内に蓄圧された弱い負圧を記録ヘッド7、8に
作用させた状態で放置すると、記録ヘッド7、8からイ
ンクが排出される(図12(ハ))。
【0054】このようにして負圧解除処理が終了すると
(図5 ステップ リ)、キャップ12、13の負圧が
大気圧程度に弱まった段階で記録ヘッド7、8からのイ
ンクの排出が停止する(図12(ニ))。このときのイ
ンク排出量は、図10(ニ)の場合より作用する負圧が
弱くなった分だけ減少する。
【0055】小吸引直後には小量のインクがキャップ1
2、13に停滞しているだけであるから、大気開放弁V
1、V2を開放しても気泡が発生することは無い(図1
3(イ))。この状態で吸引ポンプ14、15を低速駆
動して記録ヘッド7、8を封止した状態でキャップ1
2、13に停滞しているインクを泡立てること無く吸引
して廃インクタンクに排出する(図13(ロ))(図5
ステップ ヌ)。また、このインクの排出中にキャッ
プ12、13内のインクが泡立ったとしても、キャップ
12、13内に残留しているインク量が少ないため、泡
立ちの程度も少なく、泡がノズルプレートに接触するこ
とがなく、メニスカスは破壊を受けることがない。
【0056】次いで、クリーニング制御手段25は、記
録ヘッド7、8をワイピングブレード17の作動位置に
移動させて、記録ヘッド7、8のノズルプレートを低速
モードでのワイピング、つまり仕上げワイピングを実行
する(図5 ステップ ル)。このワイピングはステッ
プ(チ)における吸引動作が終了してから長くとも10
秒以内に実行するのが望ましい。
【0057】このように短い時間経過のうちにワイピン
グを実行すると、インク吸引時にノズルプレートに付着
したインクがノズル開口に逆流する以前にノズルプレー
トのインクをワイピングブレード17で払拭することが
できる。
【0058】ついで記録ヘッド7、8をキャップ12、
13から開放し、吸引ポンプ14、15を高速駆動して
キャップ12、13に残留しているインクを廃インクタ
ンクに排出させる(図13(ハ))(図5 ステップ
オ)。
【0059】この工程における吸引量は、最低キャップ
12、13の容積の0.5乃至5倍に、好ましくはキャ
ップ12、13と吸引ポンプ14、15とを接続する管
路の容積をも加算した量に設定されている。一方、キャ
ップ12、13にはスポンジ等のインク吸収板が収容さ
れていて、ここに吸収されたインクは、キャッピング時
の保湿剤として機能するばかりでなく、呼び水として機
能してキャップ12、13の周囲に付着するインクを毛
細管力により吸収するから、好ましくは、インク吸収板
に含浸されて残留するインク量が、インク吸収板が含浸
可能なインク量の70%以下となる程度の吸引力が望ま
しい。
【0060】このようなステップ(チ)乃至(オ)の工
程を必要に応じて複数回繰り返えす(図5 ステップ
ワ)が、2回目の実施にあたってはステップ(チ)にお
ける記録ヘッド7、8からのインクの吸引量を、第1回
目に実施した場合のステップ(チ)の場合より少なくす
ることにより、インクの消費と、流路内のインクの無用
な圧力変動を抑しつつ、ノズル開口近傍に停滞し易い気
泡を排出させることができる。
【0061】このようにして所定回数の微小量の吸引が
終了した段階で、前述の低速モードでのワイピング動作
を実行する(図5 ステップ カ)。この低速モードで
のワイピング動作によりほぼ完全な状態に記録ヘッド
7、8のメニスカスが復元される。
【0062】そして記録ヘッド7、8をキャップ12、
13に対向しない位置に待避さてから吸引ポンプ14、
15を作動させてキャップ12、13のインクを排出す
る(図5 ステップ ヨ)。このように記録ヘッド7、
8がキャップ12、13に対向しない状態でキャップ1
2、13のインクを吸引することで、吸引時に発生した
インクの泡、またはこれの破裂による微小なインク滴が
ノズルプレートに付着するのを防止することができる。
【0063】また、吸引ポンプ14、15をシリコンゴ
ム等のチューブをローラで扱くチューブ吸引ポンプで構
成する場合には、吸引終了後にチューブのへたりを防止
するためにローラをチューブから離反させる操作を必要
とする。この際、チューブの反発等により正圧が作用し
てキャップ12、13から飛び出したインク滴が記録ヘ
ッド7、8に付着するの防止することができる。
【0064】ついで、微小振動制御手段24によりモー
タ3を正逆転させてキャリッジ1を微小量往復移動させ
たり、また通常のフラッシングよりもさらに弱い駆動信
号を記録ヘッド7、8に印加するなどして、ノズル開口
近傍に停滞している気泡に振動を付与して(図5 ステ
ップ タ)、クリーニングなどによりノズル開口近傍に
取り込まれている比較的大きな気泡B(図17(イ))
がインクに溶解するのを促す。これにより気泡Bは微小
な気泡B’に縮小したり、また消滅する(図17
(ロ))。
【0065】ステップ(タ)において印加するフラッシ
ング用の信号は、図8(ト)に示したようにその電圧V
2は、印字やフラッシング時に印加する駆動信号の電圧
V0よりも小さく設定されていて、ノズル開口からイン
ク滴を吐出させることなく、圧力発生室のインクに圧力
変動を与えることができるように設定されている。
【0066】振動付与後に、フラッシング保留フラッグ
をオンとし(図5 ステップ レ)、またフラッシング
保留タイマ31をスタートさせる(図5 ステップ
ソ)。これによりフラッシング保留タイマ31がタイム
アップするまで、例えば10秒以上、フラッシング動作
を禁止させて、クリーニングにより発生した気泡をイン
クに溶解させ、フラッシングによる成長による印字不良
を防止する。なお、フラッシング保留タイマ31の計時
開始時点は、図5における最後の繰り返しにおけるステ
ップ(チ)による吸引の終了時点や、またステップ
(カ)の仕上げワイピングの終了時点としてもよい。
【0067】記録ヘッド7、8をキャッピング位置に移
動させて記録ヘッド7、8をキャップ12、13により
封止して(図5 ステップ ツ)、禁止されていたクリ
ーニング処理以外の動作を可能ならしめる(図5 ステ
ップ ネ)。
【0068】フラッシング保留タイマ31が所定時間を
計時した段階、つまりノズル開口Nの気泡が十分にイン
クに溶解して消滅するに要する時間、またはノズル開口
の気泡が圧力発生室Hに移動するに要する時間、さらに
はフラッシングによる圧力変動によっても印刷に障害を
生じない程度にまで縮小、または消失するに要する時間
が経過した段階で、クリーニング用のフラッシングを実
行し(図5 ステップラ)、フラッシング保留フラッグ
をオフにして待機する(図5 ステップ ム)。
【0069】一方、図5のステップ(ヨ)において吸引
ポンプ14、15を低速駆動したり、図5のステップ
(タ)における振動付与の継続時間を適当に設定するこ
とにより、フラッシング保留タイマ31を使用すること
無く所要の時間を経過させてクリーニング用のフラッシ
ングを実行することができる。これによればタイマが不
要となるばかりでなく、装置の作動をユーザの五感で関
知させることができてユーザが誤って電源をオフにする
のを防止することができる。
【0070】このクリーニング後のフラッシングに使用
される駆動信号は、図8(イ)に示した波形ではある
が、周期T2を長く目に設定したものや、また図8
(ニ)に示したように、圧力発生室を膨張させる側の電
圧変化率α2を小さくしてノズル開口からの気泡の引き
込みを防止しつつ、圧力発生室を収縮させる側の電圧変
化率β2を通常に設定して十分な量のインク滴を吐出さ
せるものなどが選択される。
【0071】また、図8(ホ)に示したように圧力発生
室を膨張させる側の電圧変化率α3を比較的小さく、か
つ電圧保持時間t3を長目に設定してメニスカスを安定
させてから、圧力発生室を収縮させる側の電圧変化率β
3を通常に設定して十分な量のインク滴を吐出させるが
選択される。なお、図8(ヘ)に示したものは、図8
(ホ)に示した信号におけるホールド時間t3を時間t
4、t5に分割したもので、やはりメニスカスを安定さ
せた状態でインク滴を吐出させることができる。
【0072】また反対に図8(ロ)に示したように電圧
V1が高く設定されている駆動信号により、1滴のイン
ク量の多いインク滴を吐出させたり、図8(ハ)に示し
たように適当な周期で印加するようにしてもよい。
【0073】このようにクリーニングが終了して、フラ
ッシングを実行することなく待機状態に移っても、印刷
信号が入力すれば上述した図3のステップ(ト)に示す
ように印刷開始前フラッシングが実行され、印刷可能な
状態にメニスカスを回復することができる。
【0074】(電源オフフラッシング処理)電源オンー
オフ指令スイッチ34が操作されて電源スイッチ検出手
段33から信号が出力すると、フラッシング制御手段3
0は、フラッシング保留フラッグがオンであるか否かを
検出してオンである場合には(図6 ステップ イ)、
フラッシング保留タイマ31が所定時間を計時した段階
で(図6 ステップ ロ)、クリーニング用フラッシン
グを実行し(図6 ステップ ハ)、記録ヘッド7、8
をキャップ12、13により封止する(図6 ステップ
ホ)。
【0075】これにより、特にカラー記録ヘッド8にあ
ってはワイピングブレード17によるノズルプレートの
擦過によりインクの混色が生じている可能性があるた
め、このまま長時間放置すると、圧力発生室まで混色が
進行してしまうが、フラッシングにより混色分のインク
を排出することができ、次の電源投入時にはノズル開口
近傍のインクを排出させる程度の軽いフラッシングだけ
で印刷が可能となる。
【0076】なお、フラッシング保留フラッグがオフで
ある場合には、クリーニングの混色分のインクは排出さ
れているので、クリーニング用フラッシングを実行する
ことなくキャッピング動作に入る(図6 ステップ
ホ)。
【0077】なお、上述の実施例においてはフラッシン
グ保留タイマ31が所定時間を計時するのを待っている
が、電源オンーオフ指令スイッチ34が操作された時点
で即座にクリーニング用フラッシングを実行しても、以
後の長時間の休止により気泡が消滅するから、次の電源
投入時には印刷が可能な状態に回復している。
【0078】さらに上述の実施例においては電源オンー
オフ指令スイッチ34からの信号を検出して所定の終了
動作を行ってから装置への駆動電力の供給を停止する場
合について説明したが、このような機能を備えない記録
装置や、また記録装置の電源プラグのコンセントからの
引き抜き、さらには停電による駆動電力の遮断に際して
は、少なくともフラッシングの有無がフラッグのオン、
オフとして記憶されているので、次の電源投入時に、こ
の遮断電源時のこのフラッグの状態を図3のステップ
(ト)における印字開始前フラッシング処理に加味して
フラッシングを実行してもよい。
【0079】
【発明の効果】以上、説明したように本発明において
は、印刷データに対応してインク滴を吐出するインクジ
ェット式記録ヘッドと、選択的に大気に連通して記録ヘ
ッドを封止するとともに、吸引ポンプからの負圧を受け
るキャッピング手段と、記録ヘッドのノズル開口面をワ
イピングするワイピングブレードと、記録ヘッドのノズ
ル開口の目詰まりを防止するために記録ヘッドからイン
ク滴を吐出させるフラッシングを制御するフラッシング
制御手段と、吸引ポンプにより記録ヘッドからインクを
吸引させ、またワイピングブレードにより記録ヘッドを
ワイピングさせるクリーニング制御手段と、クリーニン
グ終了後に計時を開始し、クリーニング後にノズル開口
近傍に発生した気泡の消失、または縮小に要する時間を
計時する計時手段とを備えるとともに、フラッシング制
御手段は、計時手段がタイムアップしている場合にフラ
ッシングを実行するようにしたので、クリーニングによ
り発生した気泡が、時間の経過とともにインクに溶解さ
せて、フラッシングによる圧力変化による気泡の成長を
防止して、印刷可能な状態に記録ヘッドを整備すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるインクジェット式記録装置
の一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図3】同上装置の全体の動作を示すフローチャートで
ある。
【図4】同上装置の動作の内、印字開始前フラッシング
処理のための動作を示すフローチャートである。
【図5】同上装置の動作の内、クリーニング処理のため
の動作を示すフローチャートである。
【図6】同上装置の動作の内、吸引ポンプの動作を示す
フローチャートである。
【図7】同上装置の動作の内、電源オフクリーニング処
理のための動作を示すフローチャートである。
【図8】図(イ)乃至(ト)は、フラッシング時に記録
ヘッドに印加する信号を示す波形図である。
【図9】同上装置のポンプの吸引力を示す線図である。
【図10】図(イ)〜(ニ)は、ぞれぞれ大吸引工程の
前半におけるキャップ内の様子を示す説明図である。
【図11】図(イ)〜(ハ)は、それぞれ大吸引工程の
後半におけるキャップ内の様子を示す説明図である。
【図12】図(イ)〜(ニ)は、ぞれぞれ小吸引工程の
前半におけるキャップ内の様子を示す説明図である。
【図13】図(イ)〜(ハ)は、それぞれ小吸引工程の
後半におけるキャップ内の様子を示す説明図である。
【図14】インクカートリッジからノズル開口までのイ
ンク流路を示す説明図である。
【図15】ワイピング時にワイピングブレードに付着す
るインクを示す説明図である。
【図16】ノズル開口近傍にクレータ部が形成されてい
るノズルプレートの一実施例を示す図である。
【図17】図(イ)、(ロ)は、ぞれぞれノズル開口近
傍におけるクリーニング処理直後、及びフラッシング保
留タイマのタイムアップ時における気泡の様子を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 7、8 インクジェット式記録ヘッド 9、10 インクカートリッジ 12、13 キャップ 14、15 吸引ポンプ 16 ポンプユニット 17 ワイピングブレード 18 クリーニングユニット V1、V2 大気開放弁
フロントページの続き (72)発明者 川上 和久 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (72)発明者 大塚 信敏 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (72)発明者 小林 淳 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (72)発明者 磯野 正博 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (72)発明者 高橋 宣仁 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (72)発明者 早川 均 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (72)発明者 丸山 典広 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−276671(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175 B41J 2/165 B41J 2/18 B41J 2/185

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷データに対応してインク滴を吐出す
    るインクジェット式記録ヘッドと、選択的に大気に連通
    して前記記録ヘッドを封止するとともに、吸引ポンプか
    らの負圧を受けるキャッピング手段と、前記記録ヘッド
    のノズル開口面をワイピングするワイピングブレード
    と、前記記録ヘッドのノズル開口の目詰まりを防止する
    ために前記記録ヘッドからインク滴を吐出させるフラッ
    シングを制御するフラッシング制御手段と、前記吸引ポ
    ンプにより前記記録ヘッドからインクを吸引させ、また
    前記ワイピングブレードにより前記記録ヘッドをワイピ
    ングさせるクリーニング制御手段と、クリーニング終了
    後に計時を開始し、クリーニング後にノズル開口近傍に
    発生した気泡の消失、または縮小に要する時間を計時す
    る計時手段とを備えるとともに、前記フラッシング制御
    手段は、前記計時手段がタイムアップしている場合に前
    記フラッシングを実行するインクジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記フラッシング制御手段は、前記クリ
    ーニングが終了した段階で計時手段を作動させる請求項
    1に記載のインクジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 前記計時手段は、前記クリーニング工程
    における最後の吸引動作に基づいて計時動作を開始する
    請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記計時手段は、前記クリーニング工程
    における最後のワイピング動作に基づいて計時動作を開
    始する請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 前記タイムアップまでの時間が、前記記
    録ヘッドのノズル開口近傍の気泡がインクに溶解して消
    失するまでの時間である請求項1に記載のインクジェッ
    ト式記録装置。
  6. 【請求項6】 前記タイムアップまでの時間が、前記記
    録ヘッドのノズル開口近傍の気泡が移動するまでの時間
    である請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  7. 【請求項7】 前記タイムアップまでの時間が、10秒
    以上である請求項1に記載のインクジェット式記録装
    置。
  8. 【請求項8】 前記計時手段のタイムアップを報知手段
    により報知するとともに、タイムアップ状態であること
    を記憶する請求項1に記載のインクジェット式記録装
    置。
  9. 【請求項9】 前記タイムアップ後に入力した印刷信号
    により、印刷開始前にフラッシング動作を実行し、前記
    タイムアップ状態の記憶を消去する請求項8に記載のイ
    ンクジェット式記録装置。
  10. 【請求項10】 前記クリーニング制御手段は、最後の
    クリーニング処理が終了した段階で、前記記録ヘッド内
    のインクに振動を与える請求項1に記載のインクジェッ
    ト式記録装置。
  11. 【請求項11】 前記振動が前記キャリッジの微小往復
    移動により行われる請求項10に記載にインクジェット
    式記録装置。
  12. 【請求項12】 前記振動が、前記記録ヘッドに駆動信
    号を与えることにより行われる請求項11に記載にイン
    クジェット式記録装置。
  13. 【請求項13】 前記駆動信号が、印刷時とは異なる波
    形の信号により構成されている請求項12に記載のイン
    クジェット式記録装置。
  14. 【請求項14】 前記計時手段の計時動作中に、フラッ
    シング操作以外の動作を実行する請求項1に記載のイン
    クジェット式記録装置。
  15. 【請求項15】 前記フラッシング以外の動作が、前記
    キャピング手段を前記記録ヘッドから開放させた状態で
    の前記吸引ポンプの駆動である請求項14に記載のイン
    クジェット式記録装置。
  16. 【請求項16】 前記フラッシング以外の動作が、ユー
    ザが五感により関知できる動作である請求項14に記載
    のインクジェット式記録装置。
  17. 【請求項17】 前記計時手段の計時動作中に電源オフ
    が指令された場合、前記フラッシング動作を実行する請
    求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  18. 【請求項18】 前記フラッシング終了後、前記記録ヘ
    ッドを前記キャッピング手段により封止して電源の供給
    を停止する請求項17に記載のインクジェット式記録装
    置。
  19. 【請求項19】 前記フラッシングの終了を記憶する請
    求項17に記載のインクジェット式記録装置。
  20. 【請求項20】 前記フラッシングが前記計時手段の計
    時動作が終了した段階で実行される請求項17に記載の
    インクジェット式記録装置。
  21. 【請求項21】 前記フラッシング動作が前記計時手段
    のタイムアップ後に実行される請求項17に記載のイン
    クジェット式記録装置。
  22. 【請求項22】 前記フラッシング動作が、印刷時とは
    異なる波形の信号を前記記録ヘッドに印加して実行され
    る請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
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