JP7475856B2 - インクジェット記録装置、制御方法及びプログラム - Google Patents

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本発明は、記録媒体上に画像を記録するためのインクジェット記録装置、制御方法及びプログラムに関する。
複数の吐出口が設けられた記録ヘッドを用いてインク滴を付与することにより、記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録装置が知られている。記録ヘッドからのインク滴の吐出を安定した状態に維持するため、記録ヘッドに対するメンテナンス処理が適宜行われている。メンテナンス処理としては、吐出口から強制的にインクを吸引することにより記録ヘッド内部の泡や不純物を除去する吸引動作や、吐出口表面の液滴を払拭するためのワイピング、画像の記録に先立って吐出動作を整える予備吐出等が含まれる。
一般的に、発数の多い予備吐出は、吸引動作を実施可能なキャップ上で行われる。吸引動作を実施することで、予備吐出で吐出されたインクが蒸発し、固着することを抑制できる。また、キャップ上で予備吐出を実施する場合には、キャップを開けたまま実施する方法と、キャップを閉めた状態で実施する方法とを選択可能である。
特許文献1には、予備吐出発数が多いときはミストによる影響が大きいと判断し、キャップを閉めた状態で予備吐出を実施することが記載されている。また、キャップ内に予備吐出されたインクが吐出口面に付着する可能性があるため、大気連通弁を開放した状態でポンプを動作させる、所謂空吸引動作を行い、キャップ内のインクを排出することが記載されている。また、キャップから跳ね返ったインクが吐出口面に付着していることを考慮し、キャップを開けた後にワイピング動作を行い、予備吐出を行うことが記載されている。
特開2004-90233号公報
特許文献1に記載された方法のように、キャップを閉めた状態で予備吐出を実行した後にキャップを開けた際、空気が入り込み、記録ヘッドとキャップの間に泡が発生することが本発明者らの検討により明らかになった。この泡によってインクが混色し、その後記録される画像の品位が低下する可能性がある。本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、泡起因の混色による記録画像の品位低下を抑制することを目的とする。
本願発明は、複数種類のインクにそれぞれ対応する複数の吐出口が形成された吐出口面を備える記録ヘッドと、前記吐出口面を覆うとともに、前記複数の吐出口から吐出されるインクを受容するキャップと、画像が記録されていないときに、前記複数の吐出口からインクを予備吐出させる予備吐出手段と、前記キャップの内部と大気とが連通した状態で前記キャップ内のインクを吸引する吸引動作を行う吸引手段と、前記吐出口面に付着したインクを拭き取るワイピングを行うワイピング手段と、前記キャップが前記吐出口面を覆った状態で前記予備吐出手段による第1の予備吐出を実行し、前記キャップが前記吐出口面から離れた後に前記ワイピング手段によるワイピングを行った後に、前記キャップが前記吐出口面から離れた状態で前記予備吐出手段による第2の予備吐出を実行するように、前記予備吐出手段及び前記ワイピング手段を制御する制御手段と、を備え、前記複数種類のインクは、水溶性樹脂を含有するインクを含み、且つ、色材を含有するインクを含み、前記制御手段は、前記第1の予備吐出が開始されてから完了するまでの間に前記吸引動作を実行するように前記吸引手段を制御可能であり、前記第1の予備吐出が開始されてから完了するまでの間に前記吸引動作が実行された場合の前記第2の予備吐出における吐出数は、前記第1の予備吐出が開始されてから完了するまでの間に前記吸引動作が実行されていない場合の前記第2の予備吐出における吐出数よりも多いことを特徴とする。
本発明により、キャップを開ける際に発生する泡に起因する、インクの混色による記録画像の品位低下を抑制することができる。
インクジェット記録装置の内部構成を示す斜視図 回復機構108を示す模式図 キャップ202の構成を説明するための拡大断面図 インクジェット記録装置の制御構成を説明するためのブロック図 キャップ202と予備吐出を説明するための図 空吸引動作を説明するための図 混色を解消するための回復処理を示すフローチャート 記録画像の混色について評価した結果を示す表 第2の実施形態における回復処理を示すフローチャート 記録画像の混色について評価した結果を示す表
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。
図1(a)は、本実施形態に用いるインクジェット記録装置の内部構成を示す斜視図である。キャリッジ(CR)モータ102を駆動源としたタイミングベルト103の移動に伴い、記録ヘッドを搭載したキャリッジ101が、ガイドシャフト104に案内支持されながら、図のX方向に往復移動する。フレキシブルケーブル105は、キャリッジ101の移動に追従しながら、装置本体の基板と記録ヘッドを電気的に接続している。搬送ローラ対106は、記録媒体107を挟持するとともに、その回転に伴って記録媒体107をX方向と交差するY方向に搬送する。キャリッジ101がX方向に移動する主走査において、記録データに従って記録ヘッドからインク滴が吐出される。このような主走査と、搬送ローラ対106の回転に伴う記録媒体の搬送動作と、を交互に繰り返すことにより、記録媒体上に画像が段階的に形成される。尚、キャリッジ101の移動範囲の一方の端部には、記録ヘッドの吐出機能を良好に維持する吐出回復処理を行うための回復機構108が設けられている。
キャリッジ101には、記録ヘッド及びインクタンク(不図示)が着脱自在に搭載される。本実施形態では、記録ヘッドを一体に取り付けたホルダに、さらにインクタンクが取り付けられたタンクホルダが装着され、これらが一体でキャリッジ101に搭載される。
図1(b)は、記録ヘッド109における、吐出口が形成された吐出口面を示す模式図である。記録ヘッド109には、Y方向において1インチ当たり1200個の密度で1280個の吐出口が並ぶ、吐出口列が設けられている。各吐出口の中には記録素子が設けられている。本実施形態の記録ヘッドは、インク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドである。そして、記録ヘッドに設けられた記録素子は、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する電気熱変換体であり、熱エネルギーによって吐出口内のインクが吐出される。そして、インク色毎に吐出口列が設けられている。ブラックインクを吐出する吐出口列110BK、シアンインクを吐出する吐出口列110C、マゼンタインクを吐出する吐出口列110M、およびイエローインクを吐出する吐出口列110Yが、図のX方向に並んで設けられている。尚、本実施形態において、吐出口列110BK、110C、110M、110Yのそれぞれは、1インチ当たり600個の密度で吐出口が並ぶ2列の吐出口列(Odd列及びEven列)が、1/1200インチずれて千鳥状に配置されたものである。この2列の吐出口列を1列の吐出口列とみなすことで、記録媒体上に1インチ当たり1200個のドットを形成することができる。各吐出口から吐出されるインク滴の量(吐出量)は約4.5plである。ただし、ブラックインクは高濃度を実現するため、他色のインクよりも吐出量を多く設定してもよい。尚、インクを吐出する方式は熱エネルギーを利用する方式に限られず、圧電素子によってインクを吐出する方式等、他の方式であってもよい。
本実施形態の記録ヘッド109は、X方向に走査しながら、X方向に2400dpi(dot/inch)、Y方向に1200dpiの記録密度でドットを形成する。尚、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの4色のインクを吐出する記録ヘッド109は、各色で独立に構成されていてもよく、一体に構成されていてもよい。また、上記4色のインクの他に、粒状性向上を目的として淡シアンインクや淡マゼンタインクを追加してもよく、発色向上を目的としてレッドインク、グリーンインク、ブルーインクを追加してもよい。
図2は、図1に示したインクジェット記録装置の回復機構108の詳細な構成例を示す模式図である。本図において、201は、ガイドシャフト104と係合するためのキャリッジ101の軸受け部である。記録ヘッド109は、インクタンク213と接続された状態で、キャリッジ101に保持されている。キャップ202は、記録ヘッド109の吐出口面を覆うことができ、Z方向に移動可能である。キャリッジ101がホームポジションに位置するとき、不図示の上昇下降機構にてキャリッジ101が上昇することでキャップ202が吐出口面に当接し、下降することでキャップ202が吐出口面から離れる構成である。キャップに連通した吸引チューブ203、キャップに連通した大気連通チューブ204を備える。大気連通弁機構205は、大気連通チューブ204に連結されている。大気連通弁205は、大気と連通した状態としていない状態を切り替えるための弁であり、その切替は不図示のカム機構によって開閉される。吸引ポンプ206は、チューブポンプである。ポンプベース207は、内側にチューブガイド面(不図示)が半円形状に形成されている。コロホルダー208は、2個のコロ(ローラ)209を備え、回転軸210を中心とする回転に応じて吸引チューブ203をしごきながら移動することにより、キャップ内に負圧を発生させる。
ブレードホルダー212は、ブレード211を保持する。キャップ202が下方に移動して待機しているとき、ブレードホルダー212が+Y方向にスライドすることにより、ブレード211が吐出口面に当接しながら吐出口面に残留したインク滴や紙粉などのごみをワイピングする。
図3は、キャップ202の構成を説明するための拡大断面図である。キャップ202には、吸引用の連通口31(以降、吸引口)があり、吸引チューブ203と連結されている。大気連通用の連通口32(以降、大気連通口)は、大気連通チューブ204と連結されている。キャップ202内部には、インクを受容するための多孔質の吸収体33が備えられている。
吸引ポンプ206の駆動によって吸引排出されるインクは、不図示の廃インク吸収体内に収容される。尚、図2及び図3は、キャップ202が上記離間ポジションに位置している場合を示している。本実施形態の吸引ポンプ206はチューブポンプであるが、その他の方式の吸引ポンプであっても構わない。また、吸引口31と大気連通口32は、複数種類のインクをできるだけ均一に吸引するため、キャップ内のX方向中央部に設けることが一般であるが、いずれかのインクに近づけた構成であっても構わない。
また、吸引動作を行うためのキャップは、複数種類のインクそれぞれに対して個別に用意されていてもよい。パーソナルユース向けに小型に製造された記録装置においては、複数の吐出口列の吸引動作を1つのキャップによって一括して行う構成が主流であり、本実施形態においても一括して吸引動作を行う。
尚、複数種類のインクについて同一キャップで吸引動作を行うと、異なる色のインクがキャップ内で混ざり合い、混色インクとしてキャップ内に充填される。さらに、吸引動作後、または、キャップ内と大気を連通させてキャップ内のインクを吸引除去した後にキャップを記録ヘッドから離すと、記録ヘッドの吐出口面に付着して残った混色インクが吐出口内に入ってしまう場合がある。混色インクが入った状態で画像の記録動作を実行すると、一種類のインクで記録されるべき画像に他色のインクが混ざってしまい、画質が低下する、所謂混色現象が発生する。尚、インクタンク内部は、吐出口に対して常に負圧になるように設定されているため、記録ヘッドの吐出口面に付着したインクは吐出口を介して記録ヘッド内に吸い込まれ、記録ヘッド内部でさらに拡散してしまう可能性がある。
そこで、一連の吸引動作後はすぐに画像の記録動作を開始せず、吐出口内の混色インクを排出するためのインク吐出を行い、画像品位の低下を抑制する必要がある。
(画像処理システムの構成例)
次に、インクジェット記録装置の記録制御を実行するための制御構成について説明する。図4は、図1に示したインクジェット記録装置の制御構成を説明するためのブロック図である。まず、スキャナやデジタルカメラ等の画像入力機器401やハードディスク等の記憶媒体に保存されている多値の画像データが、画像入力部402に入力される。画像入力部402は、記録装置外部に接続されたホストコンピュータであり、インターフェイス回路403を介して、記録装置である画像出力部404に対して記録すべき画像情報を転送する。画像入力部402には、画像データを転送する際に必要なCPU405やROM406が配置されている。ホストコンピュータの形態としては、情報処理装置としてのコンピュータのほか、イメージリーダなどの形態とすることもできる。
記録制御部407は、CPU408及び入出力ポート409を含み、制御プログラムなどを記憶したROM410や、各種画像処理を実施する際のワークエリアとなるRAM411、不揮発性メモリNVRAM412が配置されている。ROM410は、CPU408の制御プログラムや記録動作に必要なパラメータなどの各種データを格納する。RAM411は、CPU408のワークエリアとして使用されるとともに、画像入力部402から受信した画像データや生成した記録データなどの各種データの一時保管等に用いられる。そして、記録制御部407において変換された画像データに基づき、記録ヘッド109に設けられた吐出口からインクを吐出することにより、記録媒体上に画像が記録される。
記録制御部407には、入出力ポート509を通じて、キャリッジ101やLFを動作させるための各種モータ418、吸引動作モータ419、記録ヘッド109の各駆動回路413、414、415が接続される。吸引動作モータ419は、図2を用いて説明した記録ヘッド109からインクの吸引排出動作を行うための吸引ポンプ206を動作させるための駆動源である。また、入出力ポート409には、周辺環境の温湿度を検知する温湿度センサ421などのセンサ類が接続される。表示部操作部コントローラ416は、インクジェット記録装置の表示部や操作部420をコントロールする。
(インクの組成)
インクジェット記録用のインクに用いられる着色剤としては、色剤の彩度・色再現性等の画像品質の高さ、利用できる色剤の種類の豊富さ、水への溶解性、目詰まりなどの信頼性の点から水溶性染料が用いられている。しかし、染料インクにより印刷された印刷物は、耐光性及び耐水性が低いという課題がある。一方、顔料は、染料に比べて耐光性および耐水性に優れており、インクジェット記録用インクの着色剤としての利用が進められている。本実施形態では、色材として顔料を用いたインクについて説明する。
ここで、本実施形態で用いる顔料インクの処方について、詳細に説明する。なお、文中「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
(ブラック顔料分散液の調製)
先ず、顔料20.0部、樹脂水溶液60.0部、及び水20.0部を、0.3mm径のジルコニアビーズの充填率を80%としたビーズミル(LMZ2;アシザワファインテック製)に入れ、回転数1,800rpmで5時間分散した。なお、顔料としては、カーボンブラック(商品名:プリンテックス90;デグサ製)を用いた。また、樹脂水溶液としては、スチレン-アクリル酸共重合体であるジョンクリル678(ジョンソンポリマー製)を、酸価と当量の水酸化カリウムで中和したものを含む、樹脂(固形分)の含有量が20.0%である水溶液として用いた。その後、回転数5,000rpmで30分間遠心分離を行うことにより凝集成分を除去し、さらにイオン交換水で希釈することで、顔料の含有量が15.0%、水溶性樹脂(分散剤)の含有量が9.0%であるブラック顔料分散液を得た。
(マゼンタ顔料分散液の調製)
顔料をC.I.ピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタE02;クラリアント製)に変更した。それ以外は、上記のブラック顔料分散液の調製と同様の手順により、顔料の含有量が15.0%、水溶性樹脂(分散剤)の含有量が9.0%であるマゼンタ顔料分散液を得た。
(シアン顔料分散液の調製)
顔料をC.I.ピグメントブルー15:3(商品名:トナーシアンBG;クラリアント製)に変更した。それ以外は、上記のブラック顔料分散液の調製と同様の手順により、顔料の含有量が15.0%、水溶性樹脂(分散剤)の含有量が9.0%であるシアン顔料分散液を得た。
(イエロー顔料分散液の調製)
顔料をC.I.ピグメントイエロー74(商品名:Hansa Brilliant Yellow 5GX;クラリアント製)に変更した。それ以外は、上記のブラック顔料分散液の調製と同様の手順により、顔料の含有量が15.0%、水溶性樹脂(分散剤)の含有量が9.0%であるイエロー顔料分散液を得た。
<インクの調整>
表1の上段に示す各成分(単位:%)を混合した後、ポアサイズが1.2μmであるメンブレンフィルター(HDCIIフィルター;ポール製)にて加圧ろ過することで、顔料インク1~6をそれぞれ調製した。イオン交換水の使用量は、成分の合計量が100.0%となる含有量とした。なお、アセチレノールE100は川研ファインケミカル製の界面活性剤である。表1の下段には、顔料インク中の顔料の含有量(単位:%)を示した。このようにして得られたインクをそれぞれカートリッジに充填した。
また、シリコン系の界面活性剤としてBYK333を添加しているが、シリコン系の界面活性剤であり、表面張力を低下させることで、記録媒体上での濡れ広がりを良くする効果が得られる。また、フッ素系の界面活性剤も表面張力を低下させる目的で使用されるが、これらの界面活性剤はシャンプーなどに添加するように、インクとして泡立ちやすくなってしまうという弊害もある。
また、分散体を作成するうえで、水溶性の樹脂を用いているが、インクとして粘り気がでることで泡が消えにくくなってしまう場合がある。この泡立ちやすく、消えにくいという特性によって、後述する泡による混色が課題となる。
Figure 0007475856000001
ところで、電源OFF中などの記録動作を行っていない間は、吐出口からの水分蒸発を抑制するために記録ヘッドをキャップしておく。しかし、水分蒸発を完全に抑えることは難しいため、非記録時間が長くなるにつれて吐出口からの水分蒸発が進み、吐出口付近のインクの粘度が上昇してしまう。そこで、キャップされた状態から記録動作を開始する際には、蒸発して増粘インクを排出するための予備吐出を行う。予備吐出における吐出数(発数)は、非記録時間に応じて変更し、正常にインク滴が吐出されるように回復させることが好ましい。
尚、正常に吐出できる状態となるまで回復させるための予備吐出の発数が多い場合には、ミストによって装置内が汚れてしまう可能性がある。ミストとは、装置内に浮遊するインク滴のことである。吐出されるインク滴に付随する小インク滴、キャップに着弾したインク滴の一部が跳ね返って発生する小インク滴だけでなく、空気抵抗などの影響により速度が下がった吐出インク滴そのものが着弾せずにミストとして装置内に浮遊することがわかっている。このようなミストによる影響を回避するため、本実施形態においては、画像の記録動作前に実施する予備吐出は、キャップ202を閉め、吐出口面に当接させた状態で行う。
次に、図5及び図6を用いて、キャップ202を閉めて予備吐出を実施した後、キャップを開ける際に発生するインクの混色について説明する。
図5(a)は、記録ヘッド109の吐出面を覆うためにキャップ202が閉められた状態を示す図であり、X方向の断面図で示している。記録装置が画像の記録動作を指示するジョブを受け付ける前は、本図の状態である。キャップ202によって吐出口面を覆うことにより各吐出口からの水分の蒸発を抑制し、記録動作の開始前に実施される予備吐出や吸引回復処理を少なくすることができる。
前述の記録制御部407より画像の記録動作を指示する指令を受け付けた場合、記録動作を行うためにキャップ202を開ける必要がある。また、水分の蒸発によって増粘したインクを、ポンプ206による吸引動作もしくは予備吐出動作によって排出することで、インクの吐出性能を回復させた後に、画像の記録動作を開始する。本明細書において、記録動作前の予備吐出を記録前予備吐出と称する。記録前予備吐出は、キャップ202を開ける前後のいずれにおいても実施可能であるが、浮遊ミストによる装置本体への弊害を考慮すると、キャップ202を閉めたままで実施することが好ましい。本実施形態においては、キャップ202を閉めた状態で記録前予備吐出を実施する。
図5(b)は、キャップ202を開けた直後の状態を示している。キャップ202を開ける際に吸引ポンプ206のコロ209や大気連通口弁205が閉まっていると、吸引口31もしくは大気連通口32から空気が入らず、記録ヘッド109の吐出口からインクが吸い出され、キャップ202内に落ちてしまう可能性がある。従って、コロ209もしくは大気連通口弁205の少なくとも一方が大気解放された状態で、キャップ202を開ける必要がある。本実施形態においては、吸引口31と大気連通口32の両方が大気解放された状態にした後にキャップ202を開ける。
尚、キャップ202を閉めた状態においては、空気が漏れないようにキャップ202と吐出口面とが密着させることが好ましい。そのため、キャップ202を開ける際には、瞬間的にキャップ202内の圧力が低下するが、図の点線の矢印で示したように吸引口31及び大気連通口32から空気が入り込むことで大気圧に戻る。尚、キャップを閉めた状態で記録前予備吐出を実施したことによりキャップ202内にはインクが存在するが、その状態でキャップが開けられると、吸引口31と大気連通口32からの空気がインクと交じり合い、泡41が発生する。本実施形態では、吐出口面とキャップとの密着性を高くするために、キャップ202にゴム部材を用いているが、キャップ202を開ける際にゴム部材は変形しやすく、容積変化によるキャップ内の圧力が低下する。従って、キャップ202の素材としてゴム部材を用いることにより、変形しにくい部材を用いる場合に比べて、発生する泡の量が増えてしまう。
図5(c)は、記録動作を開始するためにキャリッジを走査させ、キャップ202上を移動した状態を示す図であり、Y方向の断面図で示している。本実施形態の記録装置において、吸引口31と大気連通口32はX方向における中央部に配置されているため、発生する泡51の量も中央部に近づくにつれて多くなる。また、泡の色はキャップ内のすべてのインク色が混ざったものになり、相対的には直上の吐出口列の色に近くなる。
キャリッジをX方向に走査させることにより、吐出口面とキャップ202の間に架橋した泡51が、元々触れていなかった吐出口にも接触し、吐出口内に入ってしまう。キャリッジが走査する前には、各吐出口列のインクが混ざった泡が直上に存在したが、キャリッジの移動に伴って異なる色の泡が吐出口に入り、インクの混色が生じてしまうのである。
図6は、予備吐出と同時に実行される空吸引動作を説明するための図である。空吸引動作を行うと、予備吐出のみを実行する場合よりも泡の発生が多く、インクの混色が多くなる。前述したように、記録前予備吐出における吐出数は、前回の吐出からの経過時刻が長いほど多くする必要がある。記録前予備吐出により吐出されたインクが、キャップ202の容積に対して一定以上の割合になると、予備吐出において吐出されたインクが吐出口に触れてしまうという課題がある。また、吐出口に触れなかったとしても、キャップ202を開けた際の振動等で、キャップ202内から漏れ出てしまう場合も考えられる。そこで、予備吐出による吐出数が予め定めた発数を超える場合には、予備吐出と同時に空吸引動作を実行する必要がある。
空吸引動作とは、大気連通口弁205を閉めた状態で行う吸引とは異なり、大気連通口弁205を解放し、キャップ202内が大気と連通した状態でポンプ206を動作させ、インクを排出するものである。そして、この空吸引動作は、予備吐出を行いながら同時に実施することが可能である。キャップ202開けた状態でも空吸引動作を実行可能であるが、本明細書では、キャップ202を閉め且つ大気と連通した状態で実施する吸引動作のことを空吸引動作と呼ぶ。尚、空吸引動作と予備吐出は、時間的に少なくとも一部が重複していればよく、前述したような予備吐出によるインクがキャップ202から溢れる前にインクを排出することができれば、その順番は限定されない。予備吐出動作を開始してから終了するまでの間に空吸引を実施し、キャップ内のインクを排出することが好ましい。尚、空吸引動作を実施する際には、キャップ202からのインクの排出速度が、予備吐出によって吐出されたインクがキャップ202内を満たす速度よりも十分速くなるように、予備吐出によるインク吐出量及びインクの排出速度を設定する。
図6(a)は、キャップ202を閉めた状態で記録前予備吐出を実行すると同時に空吸引動作を実行する場合の、泡61の発生を示す図である。空吸引動作を実行すると、点線の矢印で示したように、大気連通口32から入った空気がキャップ202内で予備吐出によって排出されたインクとともに吸引口31を通る。その際に泡61が生成されるが、インクの大部分は、吸引ポンプ206を通過して排出される。空吸引動作が行われている間は、泡61が生成され続ける。図5を用いて説明した、キャップ202を開ける際に生じる泡51の量と比較すると、空吸引動作による泡61の量の方が多い傾向にある。このため、吐出口面の広い領域に泡61が接触し、吐出口内に他のインクが入り、複数種類のインクが混ざってしまう現象が生じる。
図6(a)に示す状態から、記録動作を開始するためにキャップ202を開けると、図6(b)で示すように、泡61がキャップ202と吐出口面の間に架橋してしまい、異なるインクが混ざる度合いが大きくなり、記録画像の画質がさらに低下する。尚、空吸引動作を実行する際はコロ209を閉じているため、コロ209を再度開ける前にキャップを開けると、点線の矢印で表したように大気連通口から空気が流入し、泡が発生する。以上が、空吸引動作による泡の発生のメカニズムである。
以上説明したように、キャップを閉めた状態で予備吐出と空吸引動作を行うことにより、泡が多く発生し、吐出口面付近のインク混色の度合いが大きくなってしまう。このインク混色を解消するには吐出口内に侵入した泡を排出する必要があるが、前述したように混色の要因によって発生する混色の程度が異なるため、必要となる発数が異なる。
図7は、本実施形態における混色を解消するための回復処理を示すフローチャートである。記録動作を開始する指示を取得すると、ステップS701において、前回の吐出時刻からの経過時間を元に、記録前予備吐出の発数を決定する。そして、ステップS702において、決定された発数に基づき、キャップ202内に吐出されるインク量が閾値よりも多いか否かを判断する。閾値よりも多い場合にはステップS703及びS704に進み、閾値よりも少ない場合にはステップS705に進む。すなわち、ステップS703の記録前予備吐出Aの発数は、ステップS704の記録前予備吐出Bの発数よりも多いという関係が成り立つ。予備吐出によるインク量が閾値よりも多い場合は、前述したように空吸引動作が必要となるため、ステップS703の記録前予備吐出Aと同時に、ステップS704の空吸引動作を実行する。予備吐出によるインク量が閾値よりも少ない場合は、ステップS705の記録前予備吐出Bを実行する。尚、前述したように、空吸引動作は、記録前予備吐出Aが開始されてから終了するまでの間に実行されればよく、必ずしも同時である必要はない。
予備吐出が終了すると、ステップS706及びステップS707において、キャップ202を開け、吐出口面からキャップ202を離す。前述したように、キャップ202を開ける際には、キャップ202と吐出口面を架橋した泡51または泡61が生じる。このため、そのままキャリッジを+X方向に移動させると、泡によるインクの混色が発生してしまう。そこで、ステップS708及びステップS709において、ワイピング動作を実行する。架橋した泡の中をブレード211がスライドすることで、泡を除去することが可能である。次にステップS710においてワイプ後予備吐出Aを実行し、ステップS709においてワイプ後予備吐出Bを実行する。ワイピング動作後に実行されるワイプ後予備吐出は、吐出口面に付着したミストやインクをブレードで拭きとることによって、吐出口に他色のインクが入り込んだものを除去する目的である。本実施形態においては、上記要因の他、ブレード211によって拭き残った泡を除去する役割も担っている。尚、図5及び図6を用いて説明したように、記録前予備吐出と同時に空吸引動作を実行した場合と実行していない場合では、実行した場合の方が混色の度合いが多いため、ワイプ後予備吐出Aの発数をワイプ後予備吐出Bの発数よりも多くすることが好ましい。
ワイプ後予備吐出の終了後、空吸引動作を実行した場合には、ステップS712において、コロ209を解除する。そして、ステップS713において、記録媒体を記録ヘッドの吐出口面と対向する位置まで給紙する給紙動作を実行する。そして、ステップS714において画像の記録動作を実行し、処理を終了する。
図8は、記録画像の混色について評価した結果を示す表であり、ここでは、本実施形態、比較例1、比較例2について述べる。ここでは、単色画像を記録した際に、別の色が混ざっているかどうかで混色を評価した。本実施形態では、図8における記録前予備吐出Aとして1つの吐出口当たり5,000発を吐出した場合と、記録前予備吐出Bとして1つの吐出口当たり20,000発を吐出した場合の記録物への混色の評価結果を示している。空吸引動作を実行する場合には、泡による混色の程度が大きいため、ワイプ後予備吐出Aの発数を1,000発とし、空吸引動作を実行しない場合には、ワイプ後予備吐出Bの発数を500発とした。これにより、記録された画像においてインクの混色が生じていないことを確認した。
比較例1では、空吸引動作を実行した場合と実行していない場合のいずれにおいても、ワイピングによって架橋した泡を除去する制御を入れていない。前述したように、架橋した泡がそのまま吐出口内へ入ってしまうため、どちらの条件でも記録された画像において混色が確認された。また、空吸引動作を実行した方が、混色の程度が大きくなることも確認された。
比較例2では、空吸引動作を実行したにも関わらず、ワイプ後予備吐出Aの発数を増やしていない場合において、記録された画像における混色が確認された。予備吐出後にワイピング動作を実行するため、ワイピング動作を実施していない比較例1に比べると混色の程度は軽微であるが、ワイプ後予備吐出による効果が小さいため、記録画像においてわずかに混色が発生した。
以上、本実施形態においては、画像の記録動作を実施するための指令を受け付けると、キャップを閉めた状態で記録前予備吐出を実行し、キャップを開けるまでに発生している泡による記録画像の混色を解消するため、ワイピングとワイプ後予備吐出を実行する。そして、記録前予備吐出と同時に空吸引動作を実行するか否かに基づいて、後に実行されるワイプ後予備吐出の発数を切り替える。空吸引動作を実行した方が泡による混色の影響が大きいため、空吸引動作を実行しない場合に比べてワイプ後予備吐出の発数を多くする。これにより、吐出口付近のインクの混色を解消するための予備吐出の発数を適切に設定することが可能となる。また、キャップを開けることなく記録前予備吐出を実施するため、記録装置内への浮遊ミストを抑制することが可能となる。
(第2の実施形態)
前述の第1の実施形態において、記録前予備吐出を開始してから終了するまでの間に空吸引動作を実行されたか否かに応じてワイプ後予備吐出の吐出数を切り替えた。キャップ202と吐出口を架橋した泡は、ワイピング動作によって除去することができるため、ワイプ後予備吐出の発数を大きく増やすことがなくインクの混色が解消できる。しかしながら、ワイピングによって除去しきれない泡が吐出口面に残ることがあり、その泡がワイプ後予備吐出の後に吐出口内へ入ってしまう場合がある。そこで、本実施形態においては、ワイピング動作で拭ききれない泡による混色を抑制するための処理を行う。
図9は、本実施形態における回復処理を示すフローチャートである。図9(a)は、キャップオープン時のシーケンスであり、図9(b)は、連続記録時のシーケンスである。記録前予備吐出を実施してからキャップ202を開け、ワイピングとワイプ後予備吐出を実施するのは第1の実施形態と同様である。本実施形態では、ステップS713の給紙動作の後に、ステップS901において給紙後予備吐出Aを行う。この給紙後予備吐出Aは、なるべく記録動作の直前に実施することが好ましい。
ワイピングによって除去しきれなかった泡は微小であるため、時間経過とともに次々に消泡するが、一部が消泡する前に吐出口内へと入り、インクの混色を引き起こす。空吸引動作(ステップS704)を実施する場合には、発生する泡の量が多いものの、ステップS712においてコロ解除動作を実施することにより、消泡するのに必要な時間を稼ぐことができる。一方、複数枚の記録媒体に対して記録動作を行う際、給紙する毎に給紙後予備吐出Aを実施すると浮遊ミストが生じる懸念がある。
図9(b)は、連続記録時のシーケンスを示すフローチャートであり、複数枚の画像を連続して記録する際の、2枚目以降の記録媒体に対する処理である。ステップS714で1枚目に対する記録動作が完了した後、キャップ202を閉めずに、ステップS902において給紙動作を実施する。そして、ステップS903において、給紙後予備吐出Bを実行する。この給紙後予備吐出Bの吐出数は、図9(a)のフローで示した給紙後予備吐出Aの吐出数よりも少なくする。ステップS904の2枚目以降の記録動作では、キャップを開ける動作が入らないため、泡による混色が発生せず、給紙後予備吐出Aの吐出数ほどは必要がない。従って、給紙後予備吐出の発数を減らすことが可能であり、予備吐出数を減らすことにより浮遊ミストの発生を抑制することができる。
尚、本実施形態では、ワイピング時に除去しきれなかった泡がワイプ後予備吐出の後まで残存している場合を想定している。一般的に低温環境下では泡の粘度が下がるため、消泡しにくい。そのため、低温環境下では、常温環境下に比べて給紙後予備吐出Aの発数をさらに1割程度以上増やすことで、インクの混色を抑制する効果が期待できる。
(第3の実施形態)
前述したように、空吸引動作を実施する際には、インクの排出が効果的にできるよう、予備吐出における単位時間あたりの吐出量を設定する必要がある。単位時間あたりに吐出するインク量を抑える方法としては、同時に吐出する色数を減らす方法もしくは吐出周波数を落とす方法が考えられる。例えば、4色のうち2色のみ予備吐出を行うと、全色同時に行う場合と比較して、単位時間あたりに吐出されるインク量が半分になる。ところが、前述したように空吸引動作を実施する間は泡がキャップ内202全面を満たしているため、予備吐出を実施していない色に泡が侵入し、混色してしまうという新たな課題が発生する。吐出口内は負圧に維持されているため、吐出口内に侵入した泡は未吐出時間が続くほど、奥深くに進み、混色解消に必要となる予備吐発数が増えてしまう。そこで、発数の多いインクを先に吐出することで、空吸引動作中に発生する吐出口への侵入による混色を軽減する。
上述した課題は、一部の色の発数が多い場合に特に顕著になる。キャップ内の色が全て同じ発数の場合には、同じタイミングで予備吐出を実施すれば、特定の色の吐出口内に偏って泡が侵入してしまう可能性は低い。しかしながら、インクによって非記録時間経過後の一回目の吐出性能が異なるため、必要な予備吐出発数が全ての色で同じであるとは限らない。最も多く必要な色に合わせることは可能だが、予備吐出によって消費されるインク消費量が多くなってしまうという。そこで、本実施形態では、色毎の発数を最適化したうえで、泡がノズル内に侵入することを抑制する。
図10は、記録画像の混色についての評価結果を示す表である。混色の評価は、第1の実施形態と同様に、単色画像を記録した際に別の色が混ざっているかどうかで判断する。本実施形態、比較例1、比較例2のいずれにおいても、空吸引動作及びワイピング動作を実施しており、ワイプ後予備吐出は1,000発としている。タイミング(1)~(5)は記録前予備吐出を5等分したときの、それぞれのタイミングでの吐出数を表しており、数字が大きくなるほど、経過時間が後になる。
本実施形態では、記録前予備吐出をシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)は20000発、ブラック(BK)は50,000発吐出した場合の吐出順序を示している。最も発数の多いブラックを初めに吐出を開始し、他の色の吐出数と同じ残り20,000発となったタイミング(4)から、4色全ての色の吐出を実施する。図10のタイミング(1)~(3)においてブラックのみを吐出している間は、他の3色の吐出口のなかへ泡が侵入してしまう。タイミング(4)になり、4色同時に予備吐出を行うことで、吐出口に侵入した他色を排出し、各色での混色が解消される。
一方、比較例1では、最初から4色全ての予備吐出を開始したのち、タイミング(3)以降でブラックを単独で吐出させている。ブラックのみを吐出している間、他の色の吐出口は泡が侵入していくため、混色評価においてブラック以外の色にブラックインクが侵入して混色が発生してしまう。
また、比較例2では、4色全てで50,000発の記録前予備吐出を実施している。一部の色のみ吐出しているタイミングがないため、混色は発生しないが、本実施形態と比較して予備吐出発数を多くする必要がある。
以上、図10を用いて説明したように記録前予備吐出の発数が色によって異なる場合、最も発数の多い色から予備吐出を開始することで、混色を解消しつつ、予備吐出の発数の低減を可能とする。
(その他の実施形態)
前述した実施形態では、記録開始命令を起点にキャップを開ける場合について説明したが、他の理由であってもよい。キャップを開けた後に、閉めるまでに記録開始が可能な状態であるならば、本発明を適応可能である。また、前述の実施形態では、複数種類のインクにそれぞれ対応する吐出口列を、1つのキャップで覆う構成について説明したが、複数のキャップを用いる構成でも構わない。
また、前述の実施形態では、複数回の走査の間に記録媒体を搬送して画像を記録する所謂シリアル記録方式の記録ヘッドで説明した。複数の吐出口列を備える記録ヘッドを用いて1回の走査で画像を記録する、所謂フルライン記録の記録ヘッドにおいても本発明を適用可能である。
また、紙や布、不織布、OHPフイルム等の記録媒体を用いる記録装置全てに適用が可能であり、記録媒体の種類には限られない。具体的な適用装置としては、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの事務機や大量生産機、半導体素子などの工業用途等を挙げることができる。
また、前述の実施形態では、本発明の特徴的な処理を行う記録制御部407がインクジェット記録装置内部に備えられている形態について説明したが、記録制御部407はインクジェット記録装置内部に備えられている必要はない。例えば、インクジェット記録装置と接続されるホストコンピュータ(画像入力部402)のプリンタドライバに上記記録制御部407の機能を持たせるようにしてもよい。このように、ホストコンピュータとインクジェット記録装置を含んで構成されるインクジェット記録システムも本発明の範疇である。この場合、ホストコンピュータは、インクジェット記録装置にデータを供給するデータ供給装置として機能し、また、インクジェット記録装置を制御する制御装置としても機能することになる。
101 キャリッジ
109 記録ヘッド
202 キャップ
206 吸引ポンプ

Claims (13)

  1. 複数種類のインクにそれぞれ対応する複数の吐出口が形成された吐出口面を備える記録ヘッドと、
    前記吐出口面を覆うとともに、前記複数の吐出口から吐出されるインクを受容するキャップと、
    画像が記録されていないときに、前記複数の吐出口からインクを予備吐出させる予備吐出手段と、
    前記キャップの内部と大気とが連通した状態で前記キャップ内のインクを吸引する吸引動作を行う吸引手段と、
    前記吐出口面に付着したインクを拭き取るワイピングを行うワイピング手段と、
    前記キャップが前記吐出口面を覆った状態で前記予備吐出手段による第1の予備吐出を実行し、前記キャップが前記吐出口面から離れた後に前記ワイピング手段によるワイピングを行った後に、前記キャップが前記吐出口面から離れた状態で前記予備吐出手段による第2の予備吐出を実行するように、前記予備吐出手段及び前記ワイピング手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記複数種類のインクは、水溶性樹脂を含有するインクを含み、且つ、色材を含有するインクを含み、
    前記制御手段は、前記第1の予備吐出が開始されてから完了するまでの間に前記吸引動作を実行するように前記吸引手段を制御可能であり、
    前記第1の予備吐出が開始されてから完了するまでの間に前記吸引動作が実行された場合の前記第2の予備吐出における吐出数は、前記第1の予備吐出が開始されてから完了するまでの間に前記吸引動作が実行されていない場合の前記第2の予備吐出における吐出数よりも多いことを特徴とする記録装置。
  2. 前記第1の予備吐出の実行後に行われるワイピングは、前記吐出口面に付着した泡を拭き取るためのワイピングであることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記制御手段は、前記第1の予備吐出における吐出数が第1の吐出数である場合に前記第1の予備吐出が開始されてから完了するまでの間に前記吸引動作が実行され、且つ、前記第1の予備吐出における吐出数が前記第1の吐出数よりも少ない第2の吐出数である場合に前記第1の予備吐出が開始されてから完了するまでの間に前記吸引動作が実行されないように、前記吸引手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記制御手段は、前記記録ヘッドによる画像の記録を指示する情報を取得した場合に、前記第1の予備吐出、ワイピング及び前記第2の予備吐出を実行するように、前記予備吐出手段及び前記ワイピング手段を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 前記キャップの内部と大気とが連通した状態と連通していない状態とを切り替える切替手段をさらに備え、
    前記吸引動作は、前記切替手段により前記キャップの内部と大気とが連通した状態で行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 記記録ヘッドと対向する位置まで記録媒体を給紙する給紙動作を実行する給紙手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記第2の予備吐出の後に、前記給紙手段による給紙動作を実行することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置。
  7. 前記制御手段は、前記給紙手段による給紙動作が実行された後、且つ、記録媒体に画像を記録する前に、第3の予備吐出を実行することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 複数枚の記録媒体に対して画像を記録する場合、前記制御手段は、2枚目の給紙動作の後の前記第3の予備吐出の吐出数を、1枚目の給紙動作の後の前記第3の予備吐出の吐出数よりも少なくすることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  9. 前記複数種類のインクは、水溶性樹脂と色材を含有するインクを含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置。
  10. 前記複数種類のインクは、色材として顔料を含有するインクを含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の記録装置。
  11. 前記複数種類のインクは、色材として顔料を含有する第1インクと、前記第1インクに含有される顔料とは異なる色の顔料を含有する第2インクと、を含むことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の記録装置。
  12. 複数種類のインクにそれぞれ対応する複数の吐出口が形成された吐出口面を備える記録ヘッドと、
    前記吐出口面を覆うとともに、前記複数の吐出口から吐出されるインクを受容するキャップと、
    画像が記録されていないときに、前記複数の吐出口からインクを予備吐出させる予備吐出手段と、
    前記キャップの内部と大気とが連通した状態で前記キャップ内のインクを吸引する吸引動作を行う吸引手段と、
    前記吐出口面に付着したインクを拭き取るワイピングを行うワイピング手段と、
    を備える記録装置のための制御方法であって、
    前記複数種類のインクは、水溶性樹脂を含有するインクを含み、且つ、色材を含有するインクを含み、
    前記キャップが前記吐出口面を覆った状態で前記予備吐出手段による第1の予備吐出を実行し、前記キャップが前記吐出口面から離れた後に前記ワイピング手段によるワイピングを行った後に、前記キャップが前記吐出口面から離れた状態で前記予備吐出手段による第2の予備吐出を実行するように、前記予備吐出手段及び前記ワイピング手段を制御し、
    前記第1の予備吐出が開始されてから完了するまでの間に前記吸引動作を実行するように前記吸引手段を制御可能であり、
    前記第1の予備吐出が開始されてから完了するまでの間に前記吸引動作が実行された場合の前記第2の予備吐出における吐出数は、前記第1の予備吐出が開始されてから完了するまでの間に前記吸引動作が実行されていない場合の前記第2の予備吐出における吐出数よりも多いことを特徴とする制御方法。
  13. 請求項12に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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