JP3292686B2 - 低温庫 - Google Patents

低温庫

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JP3292686B2 JP23741997A JP23741997A JP3292686B2 JP 3292686 B2 JP3292686 B2 JP 3292686B2 JP 23741997 A JP23741997 A JP 23741997A JP 23741997 A JP23741997 A JP 23741997A JP 3292686 B2 JP3292686 B2 JP 3292686B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵商品等の物品
が収納される貯蔵室を該貯蔵室内に配置した蓄冷剤によ
って低温に保つ低温庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の低温庫は、冷蔵商品等の
物品を収納可能な貯蔵室と、冷却源となる蓄冷剤とを備
えており、前記貯蔵室を蓄冷剤によって低温に保つよう
にしている。また、この低温庫には、商用交流電源によ
る作動を可能とした冷却機が設けられており、該冷却機
を作動させることによって前記蓄冷剤の蓄冷を適宜行う
ことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】蓄冷剤によって貯蔵室
を所望の保冷温度に保つには、該蓄冷剤を貯蔵室内に収
納された物品と近い位置、例えば、貯蔵室の内壁面に配
置しておいたほうが好ましい。
【0004】しかし、蓄冷剤を貯蔵室の内壁面に配置す
ると、収納物品の位置及び量や運搬時の振動によるずれ
等を原因として、該収納物品が蓄冷剤に接触する恐れが
ある。凍結状態にある蓄冷剤の表面温度は所期の保冷温
度よりも当然低いため、収納物品が蓄冷剤に接触する
と、該物品が局部的または全体的に0℃以下に下がって
凍結してしまう危険性がある。
【0005】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、収納物品が蓄冷剤に接触
することを防止して、該物品を所期の保冷温度で保持で
きる低温庫を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、冷蔵商品等の物品が収納される貯蔵室
と、貯蔵室の内壁面に配置され貯蔵室内を低温に保つ蓄
冷剤とを備えた低温庫において、熱伝導性の高い金属材
料から形成され蓄冷剤を非接触で覆うように貯蔵室の内
壁面に取り付けられた隔壁板と、隔壁板の裏面にその熱
が蓄冷剤に及ばないように付設された加熱手段と、隔壁
板の温度を検出する温度検出手段と、隔壁板の温度が所
定温度以下にならないように加熱手段を制御する温度制
御手段とを備えた、ことをその特徴としている。
【0007】この低温庫によれば、熱伝導性の高い金属
材料から形成され蓄冷剤を非接触で覆うように貯蔵室の
内壁面に取り付けられた隔壁板と、隔壁板の裏面にその
熱が蓄冷剤に及ばないように付設された加熱手段と、隔
壁板の温度を検出する温度検出手段と、隔壁板の温度が
所定温度以下にならないように加熱手段を制御する温度
制御手段とを備えているので、隔壁板の温度が所定温度
以下にならないように制御することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]図1乃至図3は本発明の第1実施形態
に係るもので、図1は低温庫の外観斜視図、図2は低温
庫の縦断面図、図3は低温庫の電気回路図である。
【0009】まず、図1及び図2を参照して低温庫の構
成について説明する。図中の1は前面を開口した断熱性
の低温庫本体、1aは低温庫本体1の下面に設けられた
排水孔、2は低温庫本体1の前面開口を開閉自在に覆う
断熱性の観音式扉、3は低温庫本体1の下面に設けられ
たキャスターである。低温庫本体1内の空間は、冷蔵商
品等の物品Gの収納を可能とした貯蔵室SRとなってお
り、また、低温庫本体1の上部には機械室MRが設けら
れている。
【0010】4は電動圧縮機、5は凝縮器、6は凝縮器
冷却用の送風機で、それぞれ機械室MR内に配置されて
いる。7は低温庫本体の1の内壁面(図示例のものでは
背面,側面及び上面)に埋設または付設された蒸発パイ
プ、8は単一形状が長方形を成す蓄冷剤で、蒸発パイプ
7に熱的に接触するように前記内壁面の上部に所定の配
列で複数個配置されている。
【0011】本実施形態の低温庫は、前記の電動圧縮機
4,凝縮器5及び蒸発パイプ7と図示省略のキャピラリ
チューブ等の膨張手段によって構成された冷却機を具備
しており、該冷却機を商用交流電源(図3の符号21)
により作動させることで、複数の蓄冷剤8に対する同時
蓄冷を可能としている。
【0012】9は隔壁板で、貯蔵室SRの内壁面の面毎
に配置された複数の蓄冷剤8を、該蓄冷剤8と間隔をお
いて非接触で覆い隠すように、該内壁面にネジやフック
等を用いて着脱自在に取り付けられている。また、各隔
壁板9には、円形,楕円形または多角形を成す多数の通
気孔9aが所定の配列で形成されている。各隔壁板9は
好ましくは熱伝導性の高い金属材料、例えばアルミニウ
ムやステンレス等から形成され、蓄冷剤8の冷気は前記
通気孔9a及び隔壁板9自体を通じて貯蔵室SR側に放
出される。
【0013】10は蓄冷剤8の温度を検出するサーミス
タ等の温度センサ、11は低温庫本体1の前面に設けら
れた表示パネル、12は表示パネル11の下側に設けら
れた蓄冷運転スイッチである。表示パネル11には、蓄
冷剤8の温度や蓄冷完了等が表示される。
【0014】次に、図3を参照して前記低温庫における
電気回路について説明する。図中の21は商用交流電
源、22は直流電源回路、23はマイコン、24は駆動
回路である。直流電源回路22は商用交流電源21から
の入力電圧を整流,降圧し、マイコン23に所定の直流
電圧を供給する。マイコン23は、蓄冷運転スイッチ1
2の操作信号と温度センサ10の検出信号(蓄冷剤温
度)に基づき、後述するプログラムに従って駆動回路2
4に制御信号を送出すると共に、表示パネル18に蓄冷
剤8の温度や蓄冷完了等を表示する。駆動回路24は、
マイコン23からの制御信号に基づき電動圧縮機4に駆
動電圧を供給する。
【0015】蓄冷剤8の蓄冷を行うときには、商用交流
電源21を接続した状態で、蓄冷運転スイッチ12を投
入する。これにより、冷却機が作動して蒸発パイプ7に
生じる冷却作用によって蓄冷剤8が蓄冷される。この蓄
冷運転によって、蓄冷剤温度センサ10で検出される蓄
冷剤8の温度が所定の蓄冷温度まで下がると冷却機の作
動が停止して蓄冷が完了する。
【0016】蓄冷剤蓄冷後は、保冷庫の貯蔵室SR内に
冷蔵商品等の物品Gを収納して扉2を閉め、該保冷庫を
トラック等の車両に搭載して目的地まで運搬する。この
運搬時には、貯蔵室SR内に収納された物品Gが蓄冷剤
8の冷気を利用して冷却保持される。
【0017】貯蔵室SRの内壁面に配置した蓄冷剤8
が、隔壁板9により非接触状態で覆われているので、収
納物品Gの位置及び量や運搬時の振動によるずれ等に拘
わらず、該収納物品Gが蓄冷剤8に接触することを確実
に防止することができ、また、貯蔵室SR内に収納され
た物品Gと蓄冷剤8との最小間隔を、前記隔壁板9によ
って適正に確保することができる。
【0018】これにより、収納物品Gが蓄冷剤8に接触
して局部的または全体的に凍結してしまうことや、収納
物品Gが必要以上に冷却されてしまうことを防止して、
収納物品Gを所期の保冷温度で適正に保持することがで
きる。
【0019】[第2実施形態]図4乃至図6は本発明の
第2実施形態を示すもので、図4(a)(b)は低温庫
の要部拡大縦断面図と隔壁板の裏面図、図5は低温庫の
電気回路図、図6は隔壁板温度制御プログラムのフロー
チャートである。
【0020】本実施形態の低温庫と第1実施形態の低温
庫との構成上の違いは、図4(a)(b)に示すよう
に、隔壁板9の裏面の通気孔9aを除く部分にコードヒ
ータ13を蛇行状に付設した点と、隔壁板9の裏面と蓄
冷剤8との間隔を若干広くしてコードヒータ13の熱が
蓄冷剤8に及ばぬようにした点と、隔壁板9の温度を検
出するサーミスタ等の温度センサ14を設けた点にあ
る。ちなみに図中の13aはコードヒータ13の接続コ
ネクタである。他の構成は第1実施形態と同じであるた
め、同一符号を引用しその説明を省略する。
【0021】また、本実施形態の低温庫と第1実施形態
の低温庫との電気回路上の違いは、図5に示すように、
蓄冷運転と保冷運転との切替を行う運転切替スイッチ1
2’を設けた点と、前記隔壁板温度センサ14の検出信
号をマイコン23に取り込むようにした点と、商用交流
電源21によって作動する充電器25を設けこれに蓄電
池26を接続した点と、商用交流電源21の給電線と蓄
電池26の給電線に運転切替スイッチ12’と連動する
スイッチ27,28をそれぞれ介装した点にある。ちな
みに、この場合の蓄電池26は低温庫の機械室MR内に
配置される。
【0022】図5に示した電気回路では、商用交流電源
21に接続した状態で、運転切替スイッチ12’を蓄冷
運転に切り替えると、スイッチ27が閉じスイッチ28
が開いて、直流電源回路22と駆動回路24と充電器2
5に所定の交流電圧が供給され、直流電源回路22から
マイコン23に所定の直流電圧が供給される。これによ
り、充電器25によって蓄電池26の充電が実施される
と共に、冷却機が作動して蒸発パイプ7に生じる冷却作
用によって蓄冷剤8が蓄冷される。この蓄冷運転によっ
て蓄冷剤8の温度が所定の蓄冷温度まで下がると冷却機
の作動が停止して蓄冷が完了する。ちなみに、蓄電池2
6の充電は充電器25によって個別に制御される。
【0023】また、商用交流電源21との接続を解除し
た状態で、運転切替スイッチ12’を保冷運転に切り替
えると、図とは逆にスイッチ27が開きスイッチ28が
閉じて、蓄電池26からマイコン23と駆動回路24に
所定の直流電圧が供給される。これにより、コードヒー
タ13に断続的に直流電圧が供給され、隔壁板9の温度
が一定に保たれる。
【0024】ここで、隔壁板9の温度制御方法について
図6を参照して詳述する。保冷運転に入った後(ステッ
プST1)、隔壁板温度センサ14で検出される隔壁板
9の温度Tが下限設定温度TL、例えば1℃以下になる
と(ステップST2)、コードヒータ13への給電が開
始され、該ヒータ熱によって隔壁板9が加熱される(ス
テップST3)。コードヒータ13による加熱によって
隔壁板9の温度が上限設定温度TH、例えば1.6℃以
上になると(ステップST4)、コードヒータ13への
給電が停止される(ステップST5)。この給電停止
(加熱停止)により再び隔壁板9の温度Tが下限設定温
度TL、例えば1℃以下になると(ステップST2)、
コードヒータ13への給電が開始される。このようにし
て、保冷運転時には、隔壁板9の温度が0℃以下になら
ないように、コードヒータ13への給電が制御される。
【0025】依って、貯蔵室SR内に収納した物品Gが
隔壁板9に触れるようなことがあっても、該隔壁板9の
温度が0℃以下にならないよう制御されているため、隔
壁板9に接触した収納物品Gが局部的または全体的に凍
結してしまうことはない。
【0026】尚、前述の第1,第2実施形態では、蓄冷
剤全体を通気孔付きの隔壁板で覆い隠したものを例示し
たが、収納物品が蓄冷剤と接触することを防止する意味
からすれば、必ずしも蓄冷剤全体を覆い隠す必要はな
く、図7(a)に示すように、収納物品が接触し得る範
囲のみに隔壁板31を配置するようにして、蓄冷剤8の
一部を露出させるようにしてもよい。また、図7(b)
に示すように、上下端に開口32aを有する隔壁板32
を用いる場合には、該隔壁板32に必ずしも通気孔は必
要ない。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
蓄冷剤を覆う隔壁板の温度が所定温度以下にならないよ
うに制御されるので、収納物品が隔壁板に触れるような
ことがあっても隔壁板に接触した収納物品が局部的また
は全体的に凍結してしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る低温庫の外観斜視
【図2】本発明の第1実施形態に係る低温庫の縦断面図
【図3】本発明の第1実施形態に係る低温庫の電気回路
【図4】本発明の第2実施形態に係る低温庫の要部拡大
縦断面図と隔壁板の裏面図
【図5】本発明の第2実施形態に係る低温庫の電気回路
【図6】本発明の第2実施形態に係る隔壁板温度制御プ
ログラムのフローチャート
【図7】隔壁板の変形例を示す要部拡大縦断面図
【符号の説明】
1…低温庫本体、2…扉、SR…貯蔵室、G…物品、8
…蓄冷剤、9…隔壁板、9a…通気孔、13…コードヒ
ータ、14…隔壁板温度センサ、31…隔壁板、32…
隔壁板、32a…開口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−37626(JP,A) 特開 平11−14220(JP,A) 特開 平5−296642(JP,A) 特開 平2−29580(JP,A) 特開 平11−14219(JP,A) 実開 平2−44673(JP,U) 実開 昭64−1378(JP,U) 実開 昭57−137978(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25D 16/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷蔵商品等の物品が収納される貯蔵室
    と、貯蔵室の内壁面に配置され貯蔵室内を低温に保つ蓄
    冷剤とを備えた低温庫において、熱伝導性の高い金属材料から形成され蓄冷剤を非接触で
    覆うように貯蔵室の内壁面に取り付けられた隔壁板と、 隔壁板の裏面にその熱が蓄冷剤に及ばないように付設さ
    れた加熱手段と、 隔壁板の温度を検出する温度検出手段と、 隔壁板の温度が所定温度以下にならないように加熱手段
    を制御する温度制御手段とを備えた、 ことを特徴とする低温庫。
  2. 【請求項2】 所定温度が0℃である、 ことを特徴とする請求項1記載の低温庫。
  3. 【請求項3】 隔壁板が多数の通気孔を有する、 ことを特徴とする1または2記載の低温庫。
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