以下に添付図面を参照して、本発明に係る収容庫の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態1である収容庫を冷凍機ユニットとともに模式的に示すものであり、図1は、正面から見た場合を示す正面図であり、図2は、回路構成を示す説明図である。
ここで例示する収容庫1は、内部に収容された商品を所望の温度に冷却した状態に保持するためのもので、本体キャビネット(収容庫本体)10と、前面扉(扉体)20とを備えて構成されている。
図3及び図4は、それぞれ図1に示した収容庫1を示すものであり、図3は断面側面図であり、図4は内部構造を正面から見た断面図である。これら図3及び図4にも示すように、本体キャビネット10は、前面に開口(以下、前面開口ともいう)10aが形成された直方体状の形態を成している。すなわち、本体キャビネット10は、天壁部11、背壁部12、底壁部13及び左右一対の側壁部(左側壁部14及び右側壁部15)が組み合わされて構成されている。この本体キャビネット10の底壁部13の下面にはキャスタ16が配設されており、これにより本体キャビネット10は移動可能なものである。
天壁部11は、外部から内部に向かって外側天板111、断熱天板112、天壁冷却器113、天壁蓄冷材114及び内側天板115が順に重なるように配設されて構成されている。
外側天板111は、金属材料から構成された板状体である。断熱天板112は、例えば発泡ウレタンや真空断熱材等で構成された平板状部材である。
天壁冷却器113は、冷媒を通過させるための冷媒管路113aが蛇行する態様で延在して形成されており、全体として平板状の形態を成している。
天壁蓄冷材114は、例えばポリエチレン等の樹脂製のケース内に、水及びゲル化剤等の公知の蓄冷剤を封入して構成されたもので、平板状に形成されている。この天壁蓄冷材114は、天壁冷却器113に熱的に接続されている。内側天板115は、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の良好な金属に形成され、一面が天壁蓄冷材114に密着配置されている。
背壁部12は、外部から内部に向かって外側背板121、断熱背板122、背壁冷却器123、背壁蓄冷材124及び内側背板125が順に重なるように配設されて構成されている。
外側背板121は、金属材料から構成された板状体である。断熱背板122は、例えば発泡ウレタンや真空断熱材等で構成された平板状部材である。
背壁冷却器123は、複数(図示の例では4つ)設けられており、それぞれが上下方向に沿って並ぶように配設されている。尚、以下においては、背壁冷却器123は、上方から順に第1背壁冷却器1231、第2背壁冷却器1232、第3背壁冷却器1233、第4背壁冷却器1234とも称する。このような背壁冷却器123は、それぞれ冷媒を通過させるための冷媒管路1231a,1232a,1233a,1234aが蛇行する態様で延在して形成されており、全体として平板状の形態を成している。
背壁蓄冷材124は、複数(図示の冷媒では4つ)設けられており、それぞれが上下方向に沿って並ぶように配設されている。尚、以下においては、背壁蓄冷材124は、上方から順に第1背壁蓄冷材1241、第2背壁蓄冷材1242、第3背壁蓄冷材1243、第4背壁蓄冷材1244とも称する。このような背壁蓄冷材124は、それぞれ例えばポリエチレン等の樹脂製のケース内に、水及びゲル化剤等の公知の蓄冷剤を封入して構成されたもので、平板状に形成されている。
ここで、背壁冷却器123と背壁蓄冷材124との関係について説明する。第1背壁蓄冷材1241は、第1背壁冷却器1231に熱的に接続されており、第2背壁蓄冷材1242は、第2背壁冷却器1232に熱的に接続されており、第3背壁蓄冷材1243は、第3背壁冷却器1233に熱的に接続されており、第4背壁蓄冷材1244は、第4背壁冷却器1234に熱的に接続されている。
内側背板125は、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の良好な金属に形成され、一面が背壁蓄冷材124に密着配置されている。
底壁部13は、外部から内部に向かって外側底板131、断熱底板132及び内側底板133が順に重なるように配設されて構成されている。
外側底板131は、金属材料から構成された板状体である。断熱底板132は、例えば発泡ウレタンや真空断熱材等で構成された平板状部材である。内側底板133は、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の良好な金属に形成され、一面が断熱底板132に密着配置されている。
左側壁部14は、外部から内部に向かって外側左側板141、断熱左側板142、左側壁冷却器143、左側壁蓄冷材144及び内側左側板145が順に重なるように配設されて構成されている。
外側左側板141は、金属材料から構成された板状体である。断熱左側板142は、例えば発泡ウレタンや真空断熱材等で構成された平板状部材である。
左側壁冷却器143は、複数(図示の例では4つ)設けられており、それぞれが上下方向に沿って並ぶように配設されている。尚、以下においては、左側壁冷却器143は、上方から順に第1左側壁冷却器1431、第2左側壁冷却器1432、第3左側壁冷却器1433、第4左側壁冷却器1434とも称する。このような左側壁冷却器143は、それぞれ冷媒を通過させるための冷媒管路1431a,1432a,1433a,1434aが蛇行する態様で延在して形成されており、全体として平板状の形態を成している。また、第1左側壁冷却器1431は、第1背壁冷却器1231と同一の高さレベルに位置し、第2左側壁冷却器1432は、第2背壁冷却器1232と同一の高さレベルに位置し、第3左側壁冷却器1433は、第3背壁冷却器1233と同一の高さレベルに位置し、第4左側壁冷却器1434は、第4背壁冷却器1234と同一の高さレベルに位置している。
左側壁蓄冷材144は、複数(図示の冷媒では4つ)設けられており、それぞれが上下方向に沿って並ぶように配設されている。尚、以下においては、左側壁蓄冷材144は、上方から順に第1左側壁蓄冷材1441、第2左側壁蓄冷材1442、第3左側壁蓄冷材1443、第4左側壁蓄冷材1444とも称する。このような左側壁蓄冷材144は、それぞれ例えばポリエチレン等の樹脂製のケース内に、水及びゲル化剤等の公知の蓄冷剤を封入して構成されたもので、平板状に形成されている。
ここで、左側壁冷却器143と左側壁蓄冷材144との関係について説明する。第1左側壁蓄冷材1441は、第1左側壁冷却器1431に熱的に接続されており、第2左側壁蓄冷材1442は、第2左側壁冷却器1432に熱的に接続されており、第3左側壁蓄冷材1443は、第3左側壁冷却器1433に熱的に接続されており、第4左側壁蓄冷材1444は、第4左側壁冷却器1434に熱的に接続されている。
内側左側板145は、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の良好な金属に形成され、一面が左側壁蓄冷材144に密着配置されている。
右側壁部15は、外部から内部に向かって外側右側板151、断熱右側板152、右側壁冷却器153、右側壁蓄冷材154及び内側右側板155が順に重なるように配設されて構成されている。
外側右側板151は、金属材料から構成された板状体である。断熱右側板152は、例えば発泡ウレタンや真空断熱材等で構成された平板状部材である。
右側壁冷却器153は、複数(図示の例では4つ)設けられており、それぞれが上下方向に沿って並ぶように配設されている。尚、以下においては、右側壁冷却器153は、上方から順に第1右側壁冷却器1531、第2右側壁冷却器1532、第3右側壁冷却器1533、第4右側壁冷却器1534とも称する。このような右側壁冷却器153は、それぞれ冷媒を通過させるための冷媒管路1531a,1532a,1533a,1534aが蛇行する態様で延在して形成されており、全体として平板状の形態を成している。また、第1右側壁冷却器1531は、第1背壁冷却器1231及び第1左側壁冷却器1431と同一の高さレベルに位置し、第2右側壁冷却器1532は、第2背壁冷却器1232及び第2左側壁冷却器1432と同一の高さレベルに位置し、第3右側壁冷却器1533は、第3背壁冷却器1233及び第3左側壁冷却器1433と同一の高さレベルに位置し、第4右側壁冷却器1534は、第4背壁冷却器1234及び第4左側壁冷却器1434と同一の高さレベルに位置している。
右側壁蓄冷材154は、複数(図示の冷媒では4つ)設けられており、それぞれが上下方向に沿って並ぶように配設されている。尚、以下においては、右側壁蓄冷材154は、上方から順に第1右側壁蓄冷材1541、第2右側壁蓄冷材1542、第3右側壁蓄冷材1543、第4右側壁蓄冷材1544とも称する。このような右側壁蓄冷材154は、それぞれ例えばポリエチレン等の樹脂製のケース内に、水及びゲル化剤等の公知の蓄冷剤を封入して構成されたもので、平板状に形成されている。
このような本体キャビネット10においては、天壁部11、背壁部12、底壁部13及び左右一対の側壁部14,15により、より詳細には、内側天板115、内側背板125、内側底板133、内側左側板145及び内側右側板155により収容室17が画成されている。
前面扉20は、本体キャビネット10の前面開口10aを覆うのに十分な大きさを有している。この前面扉20は、左側縁部がヒンジ機構21を介して本体キャビネット10に取り付けられており、開閉移動することで前面開口10aを開閉させるものである。また、前面扉20は、内部に断熱材20aが配設されることで断熱構造を有している。尚、図1中の符号22はロックレバーであり、図3中の符号23はパッキンである。また、図3及び図4中の符号24は、収容室17を上下に区画する可動棚である。この可動棚24は、左右一対の側壁(内側左側板145及び内側右側板155)に取り付けられた棚取付用板25に架設されている。尚、内側左側板145及び内側右側板155には、可動棚24を任意の高さで取り付けられるよう、種々の高さレベルにおいて棚取付用板25を支持するためのスリット(図示せず)が適宜形成されている。
このような構成を有する収容庫1は、上記構成の他に膨張機構30を備え、更に図5に示すように蓄冷材温度センサS1及び制御手段50を備えている。
膨張機構30は、例えば温度膨張弁や電子膨張弁等により構成されるもので、入口側に接続された冷媒管路2aを通じて供給された冷媒を断熱膨張させて低温低圧の冷媒とするものである。かかる冷媒管路2aの端部には、ジョイント部材である導入カプラ3aが接続されている。
上記膨張機構30の出口側に接続された冷媒管路2bは、途中で複数(例えば13本)に分岐され、それぞれ天壁冷却器113、背壁冷却器123(第1背壁冷却器1231、第2背壁冷却器1232、第3背壁冷却器1233、第4背壁冷却器1234)、左側壁冷却器143(第1左側壁冷却器1431、第2左側壁冷却器1432、第3左側壁冷却器1433、第4左側壁冷却器1434)、右側壁冷却器153(第1右側壁冷却器1531、第2右側壁冷却器1532、第3右側壁冷却器1533、第4右側壁冷却器1534)の入口側に接続されている。これら各冷却器の入口側に接続された冷媒管路2bには、バルブ31が設けられている。バルブ31は、それぞれ制御手段50により与えられる指令により開閉する弁体であり、開成する場合には、自身が配設された冷媒管路2bを冷媒が通過することを許容する一方、閉成する場合には、該冷媒管路2bを冷媒が通過することを規制するものである。
各冷却器の出口側に接続された冷媒管路2cは、途中で1つに合流し、その端部には、ジョイント部材である導出カプラ3bが接続されている。
ここで、上記収容庫1と接続可能な冷凍機ユニット40について説明する。冷凍機ユニット40は、箱状のユニット本体40aを備えている。このユニット本体40aの下面には、キャスタ40bが設けられており、これによりユニット本体40aは、移動可能なものである。
かかるユニット本体40aの内部には、圧縮機41及び放熱器42が配設されている。圧縮機41は、入口側に接続された冷媒管路2dを通じて冷媒を吸引して圧縮することにより高温高圧の冷媒にするものである。この圧縮機41の入口側に接続された冷媒管路2dの端部には、ジョイント部材である吸引カプラ3cが接続されている一方、その途中にアキュムレータ43が配設されている。アキュムレータ43は、該冷媒管路2dを通過する冷媒が気液混合冷媒である場合に、液相冷媒を貯留して気相冷媒を通過させる気液分離手段である。
放熱器42は、入口側が冷媒管路2eを通じて圧縮機41の出口側に接続されており、圧縮機41で圧縮された冷媒を導入して周囲空気と熱交換させて放熱させるものである。そして、放熱器42は、放熱させた冷媒を該放熱器42の出口側に接続された冷媒管路2fを通じて送出するものである。この放熱器42の出口側に接続された冷媒管路2fの端部には、ジョイント部材である供給カプラ3dが接続されている。
このような構成の冷凍機ユニット40は、供給カプラ3dが収容庫1の導入カプラ3aに接続され、かつ吸引カプラ3cが収容庫1の導出カプラ3bに接続されることにより、収容庫1とともに冷媒が循環する冷媒回路を形成するものである。
蓄冷材温度センサS1は、各蓄冷材114等の近傍に配設されており、対応する蓄冷材114等の温度を検出するものである。これら蓄冷材温度センサS1で検出された温度は、蓄冷材温度信号として制御手段50に与えられる。
制御手段50は、メモリ51に記憶されたプログラムやデータにしたがって収容庫1を構成する各バルブ31や冷凍機ユニット40に搭載された圧縮機41の駆動を統括的に制御するものである。尚、メモリ51には、上記プログラムやデータの他、基準温度情報が予め記憶されている。基準温度情報は、各蓄冷材114等が凍結しているか否か、すなわちそれぞれの蓄冷材114等の蓄冷が完了しているか否かの閾値となる基準温度を含むものである。
以上のような構成を有する収容庫1は、導入カプラ3aが供給カプラ3dに接続され、かつ導出カプラ3bが吸引カプラ3cに接続されることにより冷凍機ユニット40に接続され、以下に説明するように、収容室17に商品が収容される前に該収容室17の内部空気が所望の温度となるよう各蓄冷材114等が蓄冷される。以下においては、制御手段50に対して天壁蓄冷材114、最上位の蓄冷材(第1背壁蓄冷材1241、第1左側壁蓄冷材1441、第1右側壁蓄冷材1541)並びに上から3段目の蓄冷材(第3背壁蓄冷材1243、第3左側壁蓄冷材1443、第3右側壁蓄冷材1543)を蓄冷する旨の蓄冷指令が与えられたものとする。
このような蓄冷指令が与えられた制御手段50は、バルブ31a,31b,31d,31f,31h,31j,31mに開指令を送出してこれらバルブ31a等を開成させるとともに、バルブ31c,31e,31g,31i,31k,31nに閉指令を送出してこれらバルブ31c等を閉成させる。このように所定のバルブ31a等を開成させた制御手段50は、所定のケーブルを通じて電気的に接続される圧縮機41に対して駆動指令を送出して該圧縮機41を駆動させる。
このようにして圧縮機41が駆動すると、圧縮機41で圧縮された冷媒(高温高圧冷媒)は、冷媒管路2eを通じて放熱器42に至り、該放熱器42で周囲空気と熱交換することにより凝縮して放熱する。放熱器42で放熱した冷媒は、冷媒管路2f,2aを通過して膨張機構30に至り、該膨張機構30にて断熱膨張する。
膨張機構30で断熱膨張した冷媒は、冷媒管路2bを通過した後に、開成するバルブ31a,31b,31d,31f,31h,31j,31mを通過して天壁冷却器113、最上位の冷却器(第1背壁冷却器1231、第1左側壁冷却器1431、第1右側壁冷却器1531)並びに上から3段目の冷却器(第3背壁冷却器1233、第3左側壁冷却器1433、第3右側壁冷却器1533)に至る。つまり、これら冷却器が蓄冷指令に応じて選択されたことになる。
これら冷却器に至った冷媒は、自身が通過する冷却器に熱的に接続する蓄冷材と熱交換して蒸発することにより該蓄冷材を冷却する。冷却器を通過した冷媒は、冷媒管路2cを通過した後に、アキュムレータ43で気液分離されて圧縮機41に吸引され、再び圧縮されて冷媒回路を循環する。このようにして冷媒回路を循環することにより、各蓄冷材等は冷却されていき徐々に凍結する。
そして、制御手段50は、各蓄冷材温度センサS1から蓄冷材温度信号を入力し、検出温度がメモリ51に記憶する基準温度以下となる場合には、該当する蓄冷材温度センサS1が配設された蓄冷材は凍結したものとしてこの蓄冷材に熱的に接続する冷却器の上流側のバルブ31に閉指令を送出し、該バルブ31を閉成させる。これにより、当該冷却器に冷媒が供給されることが規制され、他の冷却器に冷媒が流れることとなる。
このようにして蓄冷指令により蓄冷対象となる全ての蓄冷材が凍結して、蓄冷処理の開始時に開成させたバルブ31を全て閉成させた制御手段50は、その後に圧縮機41に駆動停止指令を送出して該圧縮機41を駆動停止にさせて、今回の蓄冷処理が終了する。
かかる蓄冷処理を行うことで蓄冷対象となる天壁蓄冷材114、最上位の蓄冷材(第1背壁蓄冷材1241、第1左側壁蓄冷材1441、第1右側壁蓄冷材1541)並びに上から3段目の蓄冷材(第3背壁蓄冷材1243、第3左側壁蓄冷材1443、第3右側壁蓄冷材1543)を凍結させて、収容室17の内部に温度分布を生じさせて内部空気を所望の温度にすることができる。
ここでは、天壁蓄冷材114、最上位の蓄冷材(第1背壁蓄冷材1241、第1左側壁蓄冷材1441、第1右側壁蓄冷材1541)並びに上から3段目の蓄冷材(第3背壁蓄冷材1243、第3左側壁蓄冷材1443、第3右側壁蓄冷材1543)を蓄冷対象とする蓄冷処理について説明したが、これらに限定されず、外気温度や可動棚24の高さレベル、収容される商品に応じて、バルブ31を開閉させるだけで蓄冷対象となる蓄冷材の個数を調整でき、これにより蓄冷材の凍結割合を調整して収容室17の内部に温度分布を生じさせて内部空気を種々の温度に制御することができる。
従って、本実施の形態1である収容庫1によれば、蓄冷指令に応じてバルブ31を開閉させるだけで選択された冷却器に冷媒を供給することができ、従来のように蓄冷材を出し入れする必要がなく、本体キャビネット10の内部温度の調整を容易に行うことができる。
<実施の形態2>
図6及び図7は、それぞれ本発明の実施の形態2である収容庫を冷凍機ユニット40とともに模式的に示すものであり、図6は、正面から見た場合を示す正面図であり、図7は、回路構成を示す説明図である。
ここで例示する収容庫6は、内部に収容された商品を所望の温度に冷却した状態に保持するためのもので、本体キャビネット(収容庫本体)60と、前面扉(扉体)70とを備えて構成されている。
図8及び図9は、それぞれ図6に示した収容庫6を示すものであり、図8は断面側面図であり、図9は内部構造を正面から見た断面図である。これら図8及び図9にも示すように、本体キャビネット60は、前面に開口(以下、前面開口60aともいう)が形成された直方体状の形態を成している。すなわち、本体キャビネット60は、天壁部61、背壁部62、底壁部63及び左右一対の側壁部64,65(左側壁部64及び右側壁部65)が組み合わされて構成されている。この本体キャビネット60の底壁部63の下面にはキャスタ66が配設されており、これにより本体キャビネット60は移動可能なものである。
天壁部61は、外部から内部に向かって外側天板611、断熱天板612、天壁冷却器613、天壁蓄冷材614及び内側天板615が順に重なるように配設されて構成されている。
外側天板611は、金属材料から構成された板状体である。断熱天板612は、例えば発泡ウレタンや真空断熱材等で構成された平板状部材である。
天壁冷却器613は、冷媒を通過させるための冷媒管路613aが蛇行する態様で延在して形成されており、全体として平板状の形態を成している。
天壁蓄冷材614は、例えばポリエチレン等の樹脂製のケース内に、水及びゲル化剤等の公知の蓄冷剤を封入して構成されたもので、平板状に形成されている。この天壁蓄冷材614は、天壁冷却器613に熱的に接続されている。内側天板615は、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の良好な金属に形成され、一面が天壁蓄冷材614に密着配置されている。
背壁部62は、外部から内部に向かって外側背板621、断熱背板622、背壁冷却器623、背壁蓄冷材624及び内側背板625が順に重なるように配設されて構成されている。
外側背板621は、金属材料から構成された板状体である。断熱背板622は、例えば発泡ウレタンや真空断熱材等で構成された平板状部材である。
背壁冷却器623は、複数(図示の例では4つ)設けられており、それぞれが上下方向に沿って並ぶように配設されている。尚、以下においては、背壁冷却器623は、上方から順に第1背壁冷却器6231、第2背壁冷却器6232、第3背壁冷却器6233、第4背壁冷却器6234とも称する。このような背壁冷却器623は、それぞれ冷媒を通過させるための冷媒管路6231a,6232a,6233a,6234aが蛇行する態様で延在して形成されており、全体として平板状の形態を成している。
背壁蓄冷材624は、複数(図示の冷媒では4つ)設けられており、それぞれが上下方向に沿って並ぶように配設されている。尚、以下においては、背壁蓄冷材624は、上方から順に第1背壁蓄冷材6241、第2背壁蓄冷材6242、第3背壁蓄冷材6243、第4背壁蓄冷材6244とも称する。このような背壁蓄冷材624は、それぞれ例えばポリエチレン等の樹脂製のケース内に、水及びゲル化剤等の公知の蓄冷剤を封入して構成されたもので、平板状に形成されている。
ここで、背壁冷却器623と背壁蓄冷材624との関係について説明する。第1背壁蓄冷材6241は、第1背壁冷却器6231に熱的に接続されており、第2背壁蓄冷材6242は、第2背壁冷却器6232に熱的に接続されており、第3背壁蓄冷材6243は、第3背壁冷却器6233に熱的に接続されており、第4背壁蓄冷材6244は、第4背壁冷却器6234に熱的に接続されている。
内側背板625は、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の良好な金属に形成され、一面が背壁蓄冷材624に密着配置されている。
底壁部63は、外部から内部に向かって外側底板631、断熱底板632及び内側底板633が順に重なるように配設されて構成されている。
外側底板631は、金属材料から構成された板状体である。断熱底板632は、例えば発泡ウレタンや真空断熱材等で構成された平板状部材である。内側底板633は、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の良好な金属に形成され、一面が断熱底板632に密着配置されている。
左側壁部64は、外部から内部に向かって外側左側板641、断熱左側板642、左側壁冷却器643、左側壁蓄冷材644及び内側左側板645が順に重なるように配設されて構成されている。
外側左側板641は、金属材料から構成された板状体である。断熱左側板642は、例えば発泡ウレタンや真空断熱材等で構成された平板状部材である。
左側壁冷却器643は、複数(図示の例では4つ)設けられており、それぞれが上下方向に沿って並ぶように配設されている。尚、以下においては、左側壁冷却器643は、上方から順に第1左側壁冷却器6431、第2左側壁冷却器6432、第3左側壁冷却器6433、第4左側壁冷却器6434とも称する。このような左側壁冷却器643は、それぞれ冷媒を通過させるための冷媒管路6431a,6432a,6433a,6434aが蛇行する態様で延在して形成されており、全体として平板状の形態を成している。また、第1左側壁冷却器6431は、第1背壁冷却器6231と同一の高さレベルに位置し、第2左側壁冷却器6432は、第2背壁冷却器6232と同一の高さレベルに位置し、第3左側壁冷却器6433は、第3背壁冷却器6233と同一の高さレベルに位置し、第4左側壁冷却器6434は、第4背壁冷却器6234と同一の高さレベルに位置している。
左側壁蓄冷材644は、複数(図示の冷媒では4つ)設けられており、それぞれが上下方向に沿って並ぶように配設されている。尚、以下においては、左側壁蓄冷材644は、上方から順に第1左側壁蓄冷材6441、第2左側壁蓄冷材6442、第3左側壁蓄冷材6443、第4左側壁蓄冷材6444とも称する。このような左側壁蓄冷材644は、それぞれ例えばポリエチレン等の樹脂製のケース内に、水及びゲル化剤等の公知の蓄冷剤を封入して構成されたもので、平板状に形成されている。
ここで、左側壁冷却器643と左側壁蓄冷材644との関係について説明する。第1左側壁蓄冷材6441は、第1左側壁冷却器6431に熱的に接続されており、第2左側壁蓄冷材6442は、第2左側壁冷却器6432に熱的に接続されており、第3左側壁蓄冷材6443は、第3左側壁冷却器6433に熱的に接続されており、第4左側壁蓄冷材6444は、第4左側壁冷却器6434に熱的に接続されている。
内側左側板645は、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の良好な金属に形成され、一面が左側壁蓄冷材644に密着配置されている。
右側壁部65は、外部から内部に向かって外側右側板651、断熱右側板652、右側壁冷却器653、右側壁蓄冷材654及び内側右側板655が順に重なるように配設されて構成されている。
外側右側板651は、金属材料から構成された板状体である。断熱右側板652は、例えば発泡ウレタンや真空断熱材等で構成された平板状部材である。
右側壁冷却器653は、複数(図示の例では4つ)設けられており、それぞれが上下方向に沿って並ぶように配設されている。尚、以下においては、右側壁冷却器653は、上方から順に第1右側壁冷却器6531、第2右側壁冷却器6532、第3右側壁冷却器6533、第4右側壁冷却器6534とも称する。このような右側壁冷却器653は、それぞれ冷媒を通過させるための冷媒管路6531a,6532a,6533a,6534aが蛇行する態様で延在して形成されており、全体として平板状の形態を成している。また、第1右側壁冷却器6531は、第1背壁冷却器6231及び第1左側壁冷却器6431と同一の高さレベルに位置し、第2右側壁冷却器6532は、第2背壁冷却器6232及び第2左側壁冷却器6432と同一の高さレベルに位置し、第3右側壁冷却器6533は、第3背壁冷却器6233及び第3左側壁冷却器6433と同一の高さレベルに位置し、第4右側壁冷却器6534は、第4背壁冷却器6234及び第4左側壁冷却器6434と同一の高さレベルに位置している。
右側壁蓄冷材654は、複数(図示の冷媒では4つ)設けられており、それぞれが上下方向に沿って並ぶように配設されている。尚、以下においては、右側壁蓄冷材654は、上方から順に第1右側壁蓄冷材6541、第2右側壁蓄冷材6542、第3右側壁蓄冷材6543、第4右側壁蓄冷材6544とも称する。このような右側壁蓄冷材654は、それぞれ例えばポリエチレン等の樹脂製のケース内に、水及びゲル化剤等の公知の蓄冷剤を封入して構成されたもので、平板状に形成されている。
ここで、右側壁冷却器653と右側壁蓄冷材654との関係について説明する。第1右側壁蓄冷材6541は、第1右側壁冷却器6531に熱的に接続されており、第2右側壁蓄冷材6542は、第2右側壁冷却器6532に熱的に接続されており、第3右側壁蓄冷材6543は、第3右側壁冷却器6533に熱的に接続されており、第4右側壁蓄冷材6544は、第4右側壁冷却器6534に熱的に接続されている。
内側右側板655は、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の良好な金属に形成され、一面が左側壁蓄冷材644に密着配置されている。
ここで、右側壁冷却器653と右側壁蓄冷材654との関係について説明する。第1右側壁蓄冷材6541は、第1右側壁冷却器6531に熱的に接続されており、第2右側壁蓄冷材6542は、第2右側壁冷却器6532に熱的に接続されており、第3右側壁蓄冷材6543は、第3右側壁冷却器6533に熱的に接続されており、第4右側壁蓄冷材6544は、第4右側壁冷却器6534に熱的に接続されている。
内側右側板655は、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導率の良好な金属に形成され、一面が左側壁蓄冷材644に密着配置されている。
そして、各冷却器は、次のようにして直列に接続されている。すなわち、図7に示すように、第1右側壁冷却器6531の入口側は、天壁冷却器613の出口側に冷媒管路7aを通じて接続されている。第1背壁冷却器6231の入口側は、第1右側壁冷却器6531の出口側に図示せぬ冷媒管路を通じて接続されている。第1左側壁冷却器6431の入口側は、第1背壁冷却器6231の出口側に図示せぬ冷媒管路を通じて接続されている。
第2左側壁冷却器6432の入口側は、第1左側壁冷却器6431の出口側に冷媒管路7bを通じて接続されている。第2背壁冷却器6232の入口側は、第2左側壁冷却器6432の出口側に図示せぬ冷媒管路を通じて接続されている。第2右側壁冷却器6532の入口側は、第2背壁冷却器6232の出口側に図示せぬ冷媒管路を通じて接続されている。
第3右側壁冷却器6533の入口側は、第2右側壁冷却器6532の出口側に冷媒管路7cを通じて接続されている。第3背壁冷却器6233の入口側は、第3右側壁冷却器6533の出口側に図示せぬ冷媒管路を通じて接続されている。第3左側壁冷却器6433の入口側は、第3背壁冷却器6233の出口側に図示せぬ冷媒管路を通じて接続されている。
第4左側壁冷却器6434の入口側は、第3左側壁冷却器6433の出口側に冷媒管路7dを通じて接続されている。第4背壁冷却器6234の入口側は、第4左側壁冷却器6434の出口側に図示せぬ冷媒管路を通じて接続されている。第4右側壁冷却器6534の入口側は、第4背壁冷却器6234の出口側に図示せぬ冷媒管路を通じて接続されている。尚、各冷却器の接続形態は、一例であり、このような接続形態に限られないことはいうまでもない。
このような本体キャビネット60においては、天壁部61、背壁部62、底壁部63及び左右一対の側壁部64,65により、より詳細には、内側天板615、内側背板625、内側底板633、内側左側板645及び内側右側板655により収容室67が画成されている。
前面扉70は、本体キャビネット60の前面開口60aを覆うのに十分な大きさを有している。この前面扉70は、左側縁部がヒンジ機構71を介して本体キャビネット60に取り付けられており、開閉移動することで前面開口60aを開閉させるものである。また、前面扉70は、内部に断熱材70aが配設されることで断熱構造を有している。尚、図6中の符号72はロックレバーであり、図8中の符号73はパッキンである。また、図8及び図9中の符号74は、収容室67を上下に区画する可動棚である。この可動棚74は、左右一対の側壁(内側左側板645及び内側右側板655)に取り付けられた棚取付用板75に架設されている。尚、内側左側板645及び内側右側板655には、可動棚74を任意の高さで取り付けられるよう、種々の高さレベルにおいて棚取付用板75を支持するためのスリット(図示せず)が適宜形成されている。
このような構成を有する収容庫6は、上記構成の他に膨張機構80を備え、更に図10に示すように蓄冷材温度センサS2、冷媒温度センサT1〜T6及び制御手段100を備えている。
膨張機構80は、例えば電子膨張弁により構成されるもので、入口側に接続された冷媒管路7eを通じて供給された冷媒を断熱膨張させて低温低圧の冷媒とするものである。かかる冷媒管路7eの端部には、ジョイント部材である導入カプラ8aが接続されているとともに、その途中にバルブ81が設けられている。バルブ81は、制御手段100により与えられる指令により開閉する弁体であり、開成する場合には、冷媒管路7eを冷媒が通過することを許容する一方、閉成する場合には、該冷媒管路7eを冷媒が通過することを規制するものである。
上記膨張機構80の出口側に接続された冷媒管路7fは、天壁冷却器613の入口側に接続されている。また、第4右側壁冷却器6534の出口側に接続された冷媒管路7gの端部には、ジョイント部材である導出カプラ8bが接続されている。
ここで、上記収容庫6と接続可能な冷凍機ユニット90について説明する。冷凍機ユニット90は、箱状のユニット本体90aを備えている。このユニット本体90aの下面には、キャスタ90bが設けられており、これによりユニット本体90aは、移動可能なものである。
かかるユニット本体90aの内部には、圧縮機91及び放熱器92が配設されている。圧縮機91は、入口側に接続された冷媒管路7hを通じて冷媒を吸引して圧縮することにより高温高圧の冷媒にするものである。この圧縮機91の入口側に接続された冷媒管路7hの端部には、ジョイント部材である吸引カプラ8cが接続されている一方、その途中にアキュムレータ93が配設されている。アキュムレータ93は、該冷媒管路7hを通過する冷媒が気液混合冷媒である場合に、液相冷媒を貯留して気相冷媒を通過させる気液分離手段である。
放熱器92は、入口側が冷媒管路7iを通じて圧縮機91の出口側に接続されており、圧縮機91で圧縮された冷媒を導入して周囲空気と熱交換させて放熱させるものである。そして、放熱器92は、放熱させた冷媒を該放熱器92の出口側に接続された冷媒管路7jを通じて送出するものである。この放熱器92の出口側に接続された冷媒管路7jの端部には、ジョイント部材である供給カプラ8dが接続されている。
このような構成の冷凍機ユニット90は、供給カプラ8dが収容庫6の導入カプラ8aに接続され、かつ吸引カプラ8cが収容庫6の導出カプラ8bに接続されることにより、収容庫6とともに冷媒が循環する冷媒回路を形成するものである。
蓄冷材温度センサS2は、複数(本実施の形態では5つ)設けられており、天壁蓄冷材614、第1左側壁蓄冷材6441、第2右側壁蓄冷材6542、第3左側壁蓄冷材6443及び第4右側壁蓄冷材6544の近傍にそれぞれ配設されている。より詳細に説明すると、蓄冷材温度センサS2は、天壁蓄冷材614の近傍に配設されたものを除いて、各高さレベルの冷却器において最も下流側の冷却器に熱的に接続された蓄冷材の近傍に配設されている。これら蓄冷材温度センサS2は、対応する蓄冷材の温度を検出するものである。蓄冷材温度センサS2で検出された温度は、蓄冷材温度信号として制御手段100に与えられる。
冷媒温度センサT1〜T6は、複数(本実施の形態では6つ)設けられており、より詳細には、膨張機構80と天壁冷却器613との間の冷媒管路7f、天壁冷却器613と第1右側壁冷却器6531との間の冷媒管路7a、第1左側壁冷却器6431と第2左側壁冷却器6432との間の冷媒管路7b、第2右側壁冷却器6532と第3右側壁冷却器6533との間の冷媒管路7c、第3左側壁冷却器6433と第4左側壁冷却器6434との間の冷媒管路7d、第4右側壁冷却器6534の出口側に接続された冷媒管路7gに配設されている。
膨張機構80と天壁冷却器613との間の冷媒管路7fに配設された冷媒温度センサT1は、当該冷媒管路7fを通過する冷媒の温度を検出するものである。この冷媒温度センサT1で検出された温度は、冷媒温度信号として制御手段100に与えられる。
天壁冷却器613と第1右側壁冷却器6531との間の冷媒管路7aに配設された冷媒温度センサT2は、当該冷媒管路7aを通過する冷媒の温度を検出するものである。この冷媒温度センサT2で検出された温度は、冷媒温度信号として制御手段100に与えられる。
第1左側壁冷却器6431と第2左側壁冷却器6432との間の冷媒管路7bに配設された冷媒温度センサT3は、当該冷媒管路7bを通過する冷媒の温度を検出するものである。この冷媒温度センサT3で検出された温度は、冷媒温度信号として制御手段100に与えられる。
第2右側壁冷却器6532と第3右側壁冷却器6533との間の冷媒管路7cに配設された冷媒温度センサT4は、当該冷媒管路7cを通過する冷媒の温度を検出するものである。この冷媒温度センサT4で検出された温度は、冷媒温度信号として制御手段100に与えられる。
第3左側壁冷却器6433と第4左側壁冷却器6434との間の冷媒管路7dに配設された冷媒温度センサT5は、当該冷媒管路7dを通過する冷媒の温度を検出するものである。この冷媒温度センサT5で検出された温度は、冷媒温度信号として制御手段100に与えられる。
第4右側壁冷却器6534の出口側に接続された冷媒管路7gに配設された冷媒温度センサT6は、当該冷媒管路7gを通過する冷媒の温度を検出するものである。この冷媒温度センサT6で検出された温度は、冷媒温度信号として制御手段100に与えられる。
制御手段100は、メモリ101に記憶されたプログラムやデータにしたがって収容庫6を構成するバルブ81や膨張機構80、冷凍機ユニット90に搭載された圧縮機91の駆動を統括的に制御するものである。尚、メモリ101には、上記プログラムやデータの他、基準温度情報が予め記憶されている。基準温度情報は、各蓄冷材が凍結しているか否か、すなわちそれぞれの蓄冷材の蓄冷が完了しているか否かの閾値となる基準温度を含むものである。
以上のような構成を有する収容庫6は、導入カプラ8aが供給カプラ8dに接続され、かつ導出カプラ8bが吸引カプラ8cに接続されることにより冷凍機ユニット90に接続され、以下に説明するように、収容室67に商品が収容される前に該収容室67の内部空気が所望の温度となるよう各蓄冷材が蓄冷される。
以下においては、制御手段100に対して天壁蓄冷材614、最上位の蓄冷材(第1背壁蓄冷材6241、第1左側壁蓄冷材6441、第1右側壁蓄冷材6541)並びに上から2段目の蓄冷材(第2背壁蓄冷材6242、第2左側壁蓄冷材6442、第2右側壁蓄冷材6542)を蓄冷する旨の蓄冷指令が与えられたものとする。
このような蓄冷指令が与えられた制御手段100は、バルブ81に開指令を送出して該バルブ81を開成させる。このようにバルブ81を開成させた制御手段100は、所定のケーブルを通じて電気的に接続される圧縮機91に対して駆動指令を送出して該圧縮機91を駆動させる。
このようにして圧縮機91が駆動すると、圧縮機91で圧縮された冷媒(高温高圧冷媒)は、冷媒管路7iを通じて放熱器92に至り、該放熱器92で周囲空気と熱交換することにより凝縮して放熱する。放熱器92で放熱した冷媒は、冷媒管路7j,7eを通過して膨張機構80に至り、該膨張機構80にて断熱膨張する。
膨張機構80で断熱膨張した冷媒は、冷媒管路7fを通過した後に、天壁冷却器613、最上位の冷却器(第1右側壁冷却器6531→第1背壁冷却器6231→第1左側壁冷却器6431)、上から2段目の冷却器(第2左側壁冷却器6432→第2背壁冷却器6232→第2右側壁冷却器6532)、上から3段目の冷却器(第3右側壁冷却器6533→第3背壁冷却器6233→第3左側壁冷却器6433)、上から4段目の冷却器(第4左側壁冷却器6434→第4背壁冷却器6234→第4右側壁冷却器6534)の順に流れる。上から4段目の冷却器を通過した冷媒は、冷媒管路7g,7hを通過した後に、アキュムレータ93で気液分離されて圧縮機91に吸引され、再び圧縮されて冷媒回路を循環する。
この場合において、制御手段100は、冷媒温度センサT1,T4のそれぞれの冷媒温度信号を入力してこれらの差分、すなわち冷媒温度センサT4の検出した冷媒温度と冷媒温度センサT1の検出した冷媒温度との差分が一定値になるように膨張機構80の開度を調整して、冷媒温度センサT4が配設される冷媒管路7c、すなわち第2右側壁冷却器6532の出口側で冷媒が過熱蒸気となるようにする。これにより、天壁冷却器613、最上位の冷却器及び上から2段目の冷却器を通過する冷媒は、蓄冷材と熱交換して蒸発することにより該蓄冷材を冷却する。この結果、これら蓄冷材は、徐々に凍結する。一方、上から3段目の冷却器及び上から4段目の冷却器では、既に蒸発した冷媒が通過するため、これらに熱的に接続される蓄冷材は凍結しない。
そして、制御手段100は、蓄冷対象となる冷却器のうち最も下流側に位置する第2右側壁冷却器6532に熱的に接続された第2右側壁蓄冷材6542の近傍の蓄冷材温度センサS2から蓄冷材温度信号を入力し、検出温度がメモリ101に記憶する基準温度以下となる場合には、蓄冷対象となる全ての蓄冷材が凍結したものとして、バルブ81を閉成させ、その後に圧縮機91に駆動停止指令を送出して該圧縮機91を駆動停止にさせて今回の蓄冷処理が終了する。
かかる蓄冷処理を行うことで蓄冷対象となる天壁蓄冷材614、最上位の蓄冷材(第1背壁蓄冷材6241、第1左側壁蓄冷材6441、第1右側壁蓄冷材6541)並びに上から2段目の蓄冷材(第2背壁蓄冷材6242、第2左側壁蓄冷材6442、第2右側壁蓄冷材6542)を凍結させて、収容室67の内部に温度分布を生じさせて内部空気を所望の温度にすることができる。
ここでは、天壁蓄冷材614、最上位の蓄冷材(第1背壁蓄冷材6241、第1左側壁蓄冷材6441、第1右側壁蓄冷材6541)並びに上から2段目の蓄冷材(第2背壁蓄冷材6242、第2左側壁蓄冷材6442、第2右側壁蓄冷材6542)を蓄冷対象とする蓄冷処理について説明したが、これらに限定されず、外気温度や可動棚74の高さレベル、収容される商品に応じて、バルブ81を開成させ、かつ蓄冷対象となる冷却器のうち最も下流側の冷却器の出口での冷媒温度と、膨張機構80から送出された冷媒温度との差となる過熱度が一定値となるよう該膨張機構80の開度を調整するだけで、蓄冷対象となる蓄冷材の個数を調整でき、これにより蓄冷材の凍結割合を調整して収容室67の内部に温度分布を生じさせて内部空気を種々の温度に制御することができる。
従って、本実施の形態2である収容庫6によれば、蓄冷指令に応じてバルブ81を開成させ、かつ蓄冷対象となる冷却器のうち最も下流側の冷却器の出口での冷媒温度と、膨張機構80から送出された冷媒温度との差となる過熱度が一定値となるよう該膨張機構80の開度を調整するだけで、従来のように蓄冷材を出し入れする必要がなく、本体キャビネット60の内部温度の調整を容易に行うことができる。
以上、本発明の好適な実施の形態1及び実施の形態2について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態1及び実施の形態2では、各蓄冷材114等は、天壁部61等の壁部を構成して内蔵されていたが、本発明においては、蓄冷材は、収容室の内壁面に取付棚を介して配設されても良い。
上述した実施の形態1及び実施の形態2では、各壁部に複数の蓄冷材が設けられていたが、本発明においては、各壁部毎に1つの蓄冷材が設けられていても良い。
本発明においては、複数の蓄冷材が配設される場合に、それぞれの蓄冷材に封入される蓄冷剤の種類を適宜変更するようにしてもよい。例えば、同一の高さレベルの蓄冷材に封入される蓄冷剤は同じ種類のものにして、高さレベルの異なる蓄冷材に封入される蓄冷剤の種類を異なるものとし、高さレベルで融点の異なる蓄冷剤を封入させるようにしても良い。