JP2004108661A - 保冷庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】2種類以上の保冷温度を設定可能な保冷庫を提供すること。
【解決手段】断熱構造の保冷室1と、保冷室1の開口部を開閉する扉2と、保冷室内1の熱を吸収して室内を保冷する蓄冷剤6と、蓄冷剤6を冷却して蓄冷させる蒸発器9を含む冷却装置3とを備えた保冷庫において、蓄冷剤6を保冷室1内と断熱隔離する断熱室10と、保冷室1内の空気を断熱室10内に吸込むための吸込口15と、断熱室10内の冷気を保冷室1内に吹出すための吹出口11と、吹出口11から断熱室10内の冷気を保冷室1内に吹出させるファン13と、ファン13を少なくとも2種類の保冷室内設定温度に対応させて駆動制御するファン駆動制御手段102とを設けた。
【選択図】 図4
【解決手段】断熱構造の保冷室1と、保冷室1の開口部を開閉する扉2と、保冷室内1の熱を吸収して室内を保冷する蓄冷剤6と、蓄冷剤6を冷却して蓄冷させる蒸発器9を含む冷却装置3とを備えた保冷庫において、蓄冷剤6を保冷室1内と断熱隔離する断熱室10と、保冷室1内の空気を断熱室10内に吸込むための吸込口15と、断熱室10内の冷気を保冷室1内に吹出すための吹出口11と、吹出口11から断熱室10内の冷気を保冷室1内に吹出させるファン13と、ファン13を少なくとも2種類の保冷室内設定温度に対応させて駆動制御するファン駆動制御手段102とを設けた。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラック等の輸送機に積載され、冷凍食品や生鮮食品等を保冷して輸送するための保冷庫に関し、特に、1台で複数の保冷温度を設定可能な保冷庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の保冷庫においては、その保冷設定温度は、基本的に、蓄冷器に収納されている蓄冷剤固有の融解潜熱グレードに対応する1種類の温度帯に決まっていた(例えば、特許文献1参照)。このため、冷凍食品のように冷凍保冷が必要なものと、生野菜のように冷蔵保冷が必要なものでは、保冷温度が全く異なるので、このような物流用途に応えるためには、融解潜熱の異なる蓄冷剤を用いた2種類以上の保冷庫を用意する必要があった。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−186880号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、輸送業者は、輸送商品の種類に応じて2種類以上の保冷庫を用意しなければならず、その管理にコストがかかる上に、トラック等の輸送機への保冷庫の乗せ換えに多大の労力を要していた。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、2種類以上の保冷温度を設定可能な保冷庫を提供することにより、管理コストの低減と輸送機への保冷庫の乗せ換え労力を低減することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る保冷庫は、断熱構造の保冷室と、該保冷室の開口部を開閉する扉と、該保冷室内の熱を吸収して室内を保冷する蓄冷剤と、該蓄冷剤を冷却して蓄冷させる蒸発器を含む冷却装置とを備えた保冷庫において、前記蓄冷剤を前記保冷室内と断熱隔離する断熱室と、該保冷室内の空気を該断熱室内に吸込むための吸込口と、該断熱室内の冷気を該保冷室内に吹出すための吹出口と、該吹出口から該断熱室内の冷気を該保冷室内に吹出させるファンと、該ファンを少なくとも2種類の保冷室内設定温度に対応させて駆動制御するファン駆動制御手段と、を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に係る保冷庫は、上記請求項1において、前記ファン駆動制御手段は、前記ファンを駆動するバッテリと、前記保冷室内の温度を検出する室内温度センサと、少なくとも2種類の保冷室内設定温度を設定出力する室内温度設定手段と、該室内温度センサの出力値と該室内温度設定手段の出力値とに基づいて前記バッテリから前記ファンへの通電を制御する比較制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の請求項3に係る保冷庫は、上記請求項1または2において、前記断熱室を前記保冷室の上部に設置することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項4に係る保冷庫は、上記請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記断熱室の底部に、該断熱室内の結露を排出するドレン穴を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の請求項5に係る保冷庫は、上記請求項1〜4のいずれか一つにおいて、前記蓄冷剤の温度を検出する蓄冷剤温度センサと、該蓄冷剤の凍結温度と該凍結温度よりも高い所定の半凍結温度の少なくとも2種類の蓄冷剤冷却設定温度を設定出力する蓄冷剤温度設定手段と、該蓄冷剤温度センサの出力値と該蓄冷剤温度設定手段の出力値とに基づいて電源から前記冷却装置への通電を遮断する遮断手段と、を備えた冷却装置停止手段を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る保冷庫の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1はこの発明の保冷庫の外観を示す正面図、図2は蓄冷剤の外観を示す斜視図、図3は断熱室を断面にした保冷庫の上部を示す図、図4はファン駆動制御手段のブロック図、図5は冷却装置停止手段のブロック図である。
【0012】
この保冷庫101は、トラック等の輸送機に積載され、冷凍食品や生鮮食品等を保冷した状態で輸送するものであり、図1〜図3に示すように、断熱構造の保冷室1と、この保冷室1の開口部を開閉する断熱構造の扉2と、保冷室内の熱を吸収して室内を保冷する蓄冷剤6と、この蓄冷剤6を冷却して蓄冷させる蒸発器9を含む冷却装置3とを備えて構成されている。
【0013】
保冷室1は、前面に被保冷物を出し入れするための開口部を有する縦長直方体の箱型形状であり、保冷室1の天板1aの上には、蒸発器9を除く冷却装置3を収納する機械室4が設置されている。2bは扉2を開閉するための把手、1bは保冷庫を移動させるためのキャスタである。
【0014】
冷却装置3は、保冷室1の上に設置された機械室4内に設置された電動駆動の圧縮機7、凝縮器8及び膨張弁12と、保冷室1内の蓄冷剤6近傍に設置された蒸発器9とから概ね構成され、他に、図示しないアキュムレータや凝縮器8を空冷する空冷ファン8b等も備えている。圧縮機7、凝縮器8、膨張弁12、蒸発器9及びアキュムレータは、図示しない冷媒配管により順次接続されていて、圧縮機7で圧縮された冷媒を凝縮器8で凝縮液化し、膨張弁12により減圧した後、蒸発器9で蒸発させ、このときの蒸発潜熱により蓄冷剤6を冷却することにより蓄冷する。
【0015】
保冷室1の上部には、断熱部材10a、10b、10c、…により保冷室と熱隔離された断熱室10が設けられ、この断熱室10内に蒸発器9と蓄冷剤6が収納されている。また、側部の断熱部材10aには、保冷室1内の空気を断熱室10内に吸込むための吸込口15が設けられ、底部の断熱部材10cには、断熱室10内の冷気を保冷室1内に吹出すための吹出口11と、断熱室10内の結露を排出するドレン穴16が設けられている。断熱部材10cは、ドレン穴16に向けて下り勾配が設けられている。吹出口11の近傍には、吹出口11から断熱室10内の冷気を吹出させるファン13が設置されている。
【0016】
断熱室10は、保冷室1の下部に設けてもよいが、本実施の形態では保冷室1の上部に設けたので、ファン13により吹出口11から吹出された冷気は比重が重いため保冷室1内を自然降下するので、ファン13の駆動動力が少なくて済む。
【0017】
また、断熱室10にドレン穴16を設けたので、断熱室10内の結露が排出され、断熱室10内で凍結してファン13の駆動を妨げたりすることはない。
【0018】
次に、図4を参照してファン13の駆動制御手段102について説明する。24は、ファン13の駆動電源を供給するバッテリ、25はバッテリ24からファン13への通電をON/OFFする電源スイッチで、これらは機械室4に収納されている。18は、保冷室1内温度を検出する室内温度センサで、断熱室10の吸込口15近傍の保冷室1内に設置されている。19は、少なくとも2種類の保冷室1内設定温度信号を選択出力する室内温度設定手段としての切換スイッチで、機械室4の前面に設置されている。
【0019】
17は、たとえば、保冷室1内温度を−18℃以下に保冷する冷凍保冷温度と−5℃程度に保冷する冷蔵保冷温度の2種類の設定温度信号を切換スイッチ19に出力する保冷温度設定部17bと、室内温度センサ18の出力信号と切換スイッチ19の出力信号とを入力してその大小を比較し、室内温度センサ18の出力値が切換スイッチ19の出力値より大きいとき(室内温度が設定温度より高いとき)には電源スイッチ25を制御してバッテリ24からファン13へ通電し、逆のときには通電を断つ比較制御手段17aとを備えるコントローラであり、機械室4に収納されている。冷蔵保冷温度は、用途に応じて任意の温度に設定可能であり、また2種類以上を設定することもできる。
【0020】
生鮮食品等の冷蔵保冷品を保冷するときは、切換スイッチ19を冷蔵保冷温度に設定する。コントローラ17の比較制御手段17aは、室内温度センサ18からの室内温度信号と切換スイッチ19からの冷蔵保冷温度信号(たとえば−5℃)とを比較し、室内温度信号が高い場合は、電源スイッチ25を制御してバッテリ24からファン13へ通電しファン13を駆動して断熱室10内の冷気を保冷室1内へ吹出させ、保冷室内温度が冷蔵保冷温度まで下がるとファン13への通電を断ちファンを停止させる。このようなファン13の駆動制御が繰り返され、保冷室1内温度は冷蔵保冷温度に保たれる。
【0021】
冷凍食品等を冷凍保冷するときは、切換スイッチ19を冷凍保冷温度に設定すれば、上記と同様なファン13の駆動制御が行われ、保冷室1内温度は冷凍保冷温度に保たれる。蓄冷剤6が断熱室10に収納されているので、蓄冷剤6の冷却温度にかかわらず、保冷室1内温度は、ファン13の駆動制御だけで設定温度に保たれる。
【0022】
次に、図5を参照して冷却装置停止手段103について説明する。26は、冷却装置3の駆動電源であり、通常、冷却装置の運転は、配送ターミナルの保管倉庫において行われるので、市販電力を供給する。27は、駆動電源26から冷却装置3への通電をON/OFFする電源スイッチで、機械室4に収納されている。21は、断熱室10内の蓄冷剤6の温度を検出する蓄冷剤温度センサである。22は、少なくとも2種類の蓄冷剤冷却設定温度を設定出力する蓄冷剤温度設定手段としての切換スイッチで、機械室4の前面に設置されている。
【0023】
20は、たとえば、蓄冷剤温度を−25℃以下に冷却して凍結させる完全凍結温度と、−12℃程度に冷却して半凍結させる半凍結温度の2種類の設定温度信号を切換スイッチ22に出力する冷却温度設定部20bと、蓄冷剤温度センサ21の出力と切換スイッチ22の出力とを入力してその大小を比較し、蓄冷剤温度センサ21の出力値が切換スイッチ22の出力値より大きいとき(蓄冷剤温度が設定温度より高いとき)には、電源スイッチ27を制御して駆動電源26から冷却装置3へ通電してこれを駆動し、逆のときには通電を断って停止させる遮断手段20aを備えるコントローラであり、機械室4に収納されている。半凍結温度は、用途に応じて任意の温度に設定可能であり、また2種類以上を設定することもできる。
【0024】
蓄冷剤6は、完全凍結させると非常に大きい融解潜熱を蓄冷することになり、保冷庫101を冷蔵保冷に使用するときには、完全凍結の潜熱総量を必要としないことが多く、完全凍結はエネルギーの無駄使いとなるが、この冷却装置停止手段103を設けることによりエネルギーの浪費が防止できる。
【0025】
次に、この冷却装置停止手段103の作用を説明する。保冷庫101を冷蔵保冷に使用するときは、切換スイッチ22を半凍結温度に設定する。コントローラ20の遮断手段20aは、蓄冷剤温度センサ21からの蓄冷剤温度信号と切換スイッチ22からの半凍結温度信号とを比較し、蓄冷剤温度信号が高い場合は、電源スイッチ27を制御して電源26から冷却装置3へ通電しこれを駆動して蓄冷剤6を冷却して蓄冷させる。蓄冷剤温度が設定された半凍結温度まで下がると冷却装置3への通電を断ちこれを停止させる。
【0026】
保冷庫101を冷凍保冷に使用するときは、切換スイッチ22を完全凍結温度に設定すれば、上記と同様な冷却装置3の駆動が行なわれ、蓄冷剤6が完全凍結温度まで下がると冷却装置3が停止する。
【0027】
なお、本実施の形態では、上記のような冷却装置停止手段103を設けているが、蓄冷剤温度センサ21の検出温度を保冷庫外に設置した温度計に表示し、この温度計の表示温度を見て、オペレータが冷却装置3を停止させてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に係る保冷庫によれば、蓄冷剤を断熱室で保冷室と隔離し、少なくとも2種類のそれぞれの保冷室内設定温度になるようにファンが駆動制御されるので、1つの保冷庫を用意するだけで輸送商品を所望の保冷温度で保冷することができる。
【0029】
また、本発明の請求項2に係る保冷庫によれば、室内温度センサの検出温度に基づいてファンを駆動制御するので、保冷室内の温度を正確にコントロールすることができる。
【0030】
また、本発明の請求項3に係る保冷庫によれば、断熱室内冷気がその比重によって保冷室内に自然循環しようとするので、ファンの駆動電力が少なくて済む。
【0031】
また、本発明の請求項4に係る保冷庫によれば、断熱室内に溜まる結露が排出され、断熱室内で凍結してファンの駆動を妨げたりすることがない。
【0032】
また、本発明の請求項5に係る保冷庫によれば、要求保冷温度が蓄冷剤の凍結温度よりも高いときには、蓄冷剤を所定の半凍結温度まで冷却できたときに冷却装置の運転を止めるので、過冷却による冷却装置の電力労費がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保冷庫の外観を示す正面図である。
【図2】蓄冷剤の外観を示す斜視図である。
【図3】断熱室を断面にした保冷庫の上部を示す図である。
【図4】ファン駆動制御手段のブロック図である。
【図5】冷却装置停止手段のブロック図である。
【符号の説明】
1 保冷室
2 扉
3 冷却装置
4 機械室
6 蓄冷剤
10 断熱室
11 吹出口
12 膨張弁
13 ファン
15 吸込口
16 ドレン穴
17,20 コントローラ
18 室内温度センサ
19,22 切換スイッチ
21 蓄冷剤温度センサ
24 バッテリ
25,27 電源スイッチ
26 電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラック等の輸送機に積載され、冷凍食品や生鮮食品等を保冷して輸送するための保冷庫に関し、特に、1台で複数の保冷温度を設定可能な保冷庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の保冷庫においては、その保冷設定温度は、基本的に、蓄冷器に収納されている蓄冷剤固有の融解潜熱グレードに対応する1種類の温度帯に決まっていた(例えば、特許文献1参照)。このため、冷凍食品のように冷凍保冷が必要なものと、生野菜のように冷蔵保冷が必要なものでは、保冷温度が全く異なるので、このような物流用途に応えるためには、融解潜熱の異なる蓄冷剤を用いた2種類以上の保冷庫を用意する必要があった。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−186880号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、輸送業者は、輸送商品の種類に応じて2種類以上の保冷庫を用意しなければならず、その管理にコストがかかる上に、トラック等の輸送機への保冷庫の乗せ換えに多大の労力を要していた。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、2種類以上の保冷温度を設定可能な保冷庫を提供することにより、管理コストの低減と輸送機への保冷庫の乗せ換え労力を低減することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る保冷庫は、断熱構造の保冷室と、該保冷室の開口部を開閉する扉と、該保冷室内の熱を吸収して室内を保冷する蓄冷剤と、該蓄冷剤を冷却して蓄冷させる蒸発器を含む冷却装置とを備えた保冷庫において、前記蓄冷剤を前記保冷室内と断熱隔離する断熱室と、該保冷室内の空気を該断熱室内に吸込むための吸込口と、該断熱室内の冷気を該保冷室内に吹出すための吹出口と、該吹出口から該断熱室内の冷気を該保冷室内に吹出させるファンと、該ファンを少なくとも2種類の保冷室内設定温度に対応させて駆動制御するファン駆動制御手段と、を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に係る保冷庫は、上記請求項1において、前記ファン駆動制御手段は、前記ファンを駆動するバッテリと、前記保冷室内の温度を検出する室内温度センサと、少なくとも2種類の保冷室内設定温度を設定出力する室内温度設定手段と、該室内温度センサの出力値と該室内温度設定手段の出力値とに基づいて前記バッテリから前記ファンへの通電を制御する比較制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の請求項3に係る保冷庫は、上記請求項1または2において、前記断熱室を前記保冷室の上部に設置することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項4に係る保冷庫は、上記請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記断熱室の底部に、該断熱室内の結露を排出するドレン穴を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の請求項5に係る保冷庫は、上記請求項1〜4のいずれか一つにおいて、前記蓄冷剤の温度を検出する蓄冷剤温度センサと、該蓄冷剤の凍結温度と該凍結温度よりも高い所定の半凍結温度の少なくとも2種類の蓄冷剤冷却設定温度を設定出力する蓄冷剤温度設定手段と、該蓄冷剤温度センサの出力値と該蓄冷剤温度設定手段の出力値とに基づいて電源から前記冷却装置への通電を遮断する遮断手段と、を備えた冷却装置停止手段を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る保冷庫の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1はこの発明の保冷庫の外観を示す正面図、図2は蓄冷剤の外観を示す斜視図、図3は断熱室を断面にした保冷庫の上部を示す図、図4はファン駆動制御手段のブロック図、図5は冷却装置停止手段のブロック図である。
【0012】
この保冷庫101は、トラック等の輸送機に積載され、冷凍食品や生鮮食品等を保冷した状態で輸送するものであり、図1〜図3に示すように、断熱構造の保冷室1と、この保冷室1の開口部を開閉する断熱構造の扉2と、保冷室内の熱を吸収して室内を保冷する蓄冷剤6と、この蓄冷剤6を冷却して蓄冷させる蒸発器9を含む冷却装置3とを備えて構成されている。
【0013】
保冷室1は、前面に被保冷物を出し入れするための開口部を有する縦長直方体の箱型形状であり、保冷室1の天板1aの上には、蒸発器9を除く冷却装置3を収納する機械室4が設置されている。2bは扉2を開閉するための把手、1bは保冷庫を移動させるためのキャスタである。
【0014】
冷却装置3は、保冷室1の上に設置された機械室4内に設置された電動駆動の圧縮機7、凝縮器8及び膨張弁12と、保冷室1内の蓄冷剤6近傍に設置された蒸発器9とから概ね構成され、他に、図示しないアキュムレータや凝縮器8を空冷する空冷ファン8b等も備えている。圧縮機7、凝縮器8、膨張弁12、蒸発器9及びアキュムレータは、図示しない冷媒配管により順次接続されていて、圧縮機7で圧縮された冷媒を凝縮器8で凝縮液化し、膨張弁12により減圧した後、蒸発器9で蒸発させ、このときの蒸発潜熱により蓄冷剤6を冷却することにより蓄冷する。
【0015】
保冷室1の上部には、断熱部材10a、10b、10c、…により保冷室と熱隔離された断熱室10が設けられ、この断熱室10内に蒸発器9と蓄冷剤6が収納されている。また、側部の断熱部材10aには、保冷室1内の空気を断熱室10内に吸込むための吸込口15が設けられ、底部の断熱部材10cには、断熱室10内の冷気を保冷室1内に吹出すための吹出口11と、断熱室10内の結露を排出するドレン穴16が設けられている。断熱部材10cは、ドレン穴16に向けて下り勾配が設けられている。吹出口11の近傍には、吹出口11から断熱室10内の冷気を吹出させるファン13が設置されている。
【0016】
断熱室10は、保冷室1の下部に設けてもよいが、本実施の形態では保冷室1の上部に設けたので、ファン13により吹出口11から吹出された冷気は比重が重いため保冷室1内を自然降下するので、ファン13の駆動動力が少なくて済む。
【0017】
また、断熱室10にドレン穴16を設けたので、断熱室10内の結露が排出され、断熱室10内で凍結してファン13の駆動を妨げたりすることはない。
【0018】
次に、図4を参照してファン13の駆動制御手段102について説明する。24は、ファン13の駆動電源を供給するバッテリ、25はバッテリ24からファン13への通電をON/OFFする電源スイッチで、これらは機械室4に収納されている。18は、保冷室1内温度を検出する室内温度センサで、断熱室10の吸込口15近傍の保冷室1内に設置されている。19は、少なくとも2種類の保冷室1内設定温度信号を選択出力する室内温度設定手段としての切換スイッチで、機械室4の前面に設置されている。
【0019】
17は、たとえば、保冷室1内温度を−18℃以下に保冷する冷凍保冷温度と−5℃程度に保冷する冷蔵保冷温度の2種類の設定温度信号を切換スイッチ19に出力する保冷温度設定部17bと、室内温度センサ18の出力信号と切換スイッチ19の出力信号とを入力してその大小を比較し、室内温度センサ18の出力値が切換スイッチ19の出力値より大きいとき(室内温度が設定温度より高いとき)には電源スイッチ25を制御してバッテリ24からファン13へ通電し、逆のときには通電を断つ比較制御手段17aとを備えるコントローラであり、機械室4に収納されている。冷蔵保冷温度は、用途に応じて任意の温度に設定可能であり、また2種類以上を設定することもできる。
【0020】
生鮮食品等の冷蔵保冷品を保冷するときは、切換スイッチ19を冷蔵保冷温度に設定する。コントローラ17の比較制御手段17aは、室内温度センサ18からの室内温度信号と切換スイッチ19からの冷蔵保冷温度信号(たとえば−5℃)とを比較し、室内温度信号が高い場合は、電源スイッチ25を制御してバッテリ24からファン13へ通電しファン13を駆動して断熱室10内の冷気を保冷室1内へ吹出させ、保冷室内温度が冷蔵保冷温度まで下がるとファン13への通電を断ちファンを停止させる。このようなファン13の駆動制御が繰り返され、保冷室1内温度は冷蔵保冷温度に保たれる。
【0021】
冷凍食品等を冷凍保冷するときは、切換スイッチ19を冷凍保冷温度に設定すれば、上記と同様なファン13の駆動制御が行われ、保冷室1内温度は冷凍保冷温度に保たれる。蓄冷剤6が断熱室10に収納されているので、蓄冷剤6の冷却温度にかかわらず、保冷室1内温度は、ファン13の駆動制御だけで設定温度に保たれる。
【0022】
次に、図5を参照して冷却装置停止手段103について説明する。26は、冷却装置3の駆動電源であり、通常、冷却装置の運転は、配送ターミナルの保管倉庫において行われるので、市販電力を供給する。27は、駆動電源26から冷却装置3への通電をON/OFFする電源スイッチで、機械室4に収納されている。21は、断熱室10内の蓄冷剤6の温度を検出する蓄冷剤温度センサである。22は、少なくとも2種類の蓄冷剤冷却設定温度を設定出力する蓄冷剤温度設定手段としての切換スイッチで、機械室4の前面に設置されている。
【0023】
20は、たとえば、蓄冷剤温度を−25℃以下に冷却して凍結させる完全凍結温度と、−12℃程度に冷却して半凍結させる半凍結温度の2種類の設定温度信号を切換スイッチ22に出力する冷却温度設定部20bと、蓄冷剤温度センサ21の出力と切換スイッチ22の出力とを入力してその大小を比較し、蓄冷剤温度センサ21の出力値が切換スイッチ22の出力値より大きいとき(蓄冷剤温度が設定温度より高いとき)には、電源スイッチ27を制御して駆動電源26から冷却装置3へ通電してこれを駆動し、逆のときには通電を断って停止させる遮断手段20aを備えるコントローラであり、機械室4に収納されている。半凍結温度は、用途に応じて任意の温度に設定可能であり、また2種類以上を設定することもできる。
【0024】
蓄冷剤6は、完全凍結させると非常に大きい融解潜熱を蓄冷することになり、保冷庫101を冷蔵保冷に使用するときには、完全凍結の潜熱総量を必要としないことが多く、完全凍結はエネルギーの無駄使いとなるが、この冷却装置停止手段103を設けることによりエネルギーの浪費が防止できる。
【0025】
次に、この冷却装置停止手段103の作用を説明する。保冷庫101を冷蔵保冷に使用するときは、切換スイッチ22を半凍結温度に設定する。コントローラ20の遮断手段20aは、蓄冷剤温度センサ21からの蓄冷剤温度信号と切換スイッチ22からの半凍結温度信号とを比較し、蓄冷剤温度信号が高い場合は、電源スイッチ27を制御して電源26から冷却装置3へ通電しこれを駆動して蓄冷剤6を冷却して蓄冷させる。蓄冷剤温度が設定された半凍結温度まで下がると冷却装置3への通電を断ちこれを停止させる。
【0026】
保冷庫101を冷凍保冷に使用するときは、切換スイッチ22を完全凍結温度に設定すれば、上記と同様な冷却装置3の駆動が行なわれ、蓄冷剤6が完全凍結温度まで下がると冷却装置3が停止する。
【0027】
なお、本実施の形態では、上記のような冷却装置停止手段103を設けているが、蓄冷剤温度センサ21の検出温度を保冷庫外に設置した温度計に表示し、この温度計の表示温度を見て、オペレータが冷却装置3を停止させてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に係る保冷庫によれば、蓄冷剤を断熱室で保冷室と隔離し、少なくとも2種類のそれぞれの保冷室内設定温度になるようにファンが駆動制御されるので、1つの保冷庫を用意するだけで輸送商品を所望の保冷温度で保冷することができる。
【0029】
また、本発明の請求項2に係る保冷庫によれば、室内温度センサの検出温度に基づいてファンを駆動制御するので、保冷室内の温度を正確にコントロールすることができる。
【0030】
また、本発明の請求項3に係る保冷庫によれば、断熱室内冷気がその比重によって保冷室内に自然循環しようとするので、ファンの駆動電力が少なくて済む。
【0031】
また、本発明の請求項4に係る保冷庫によれば、断熱室内に溜まる結露が排出され、断熱室内で凍結してファンの駆動を妨げたりすることがない。
【0032】
また、本発明の請求項5に係る保冷庫によれば、要求保冷温度が蓄冷剤の凍結温度よりも高いときには、蓄冷剤を所定の半凍結温度まで冷却できたときに冷却装置の運転を止めるので、過冷却による冷却装置の電力労費がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保冷庫の外観を示す正面図である。
【図2】蓄冷剤の外観を示す斜視図である。
【図3】断熱室を断面にした保冷庫の上部を示す図である。
【図4】ファン駆動制御手段のブロック図である。
【図5】冷却装置停止手段のブロック図である。
【符号の説明】
1 保冷室
2 扉
3 冷却装置
4 機械室
6 蓄冷剤
10 断熱室
11 吹出口
12 膨張弁
13 ファン
15 吸込口
16 ドレン穴
17,20 コントローラ
18 室内温度センサ
19,22 切換スイッチ
21 蓄冷剤温度センサ
24 バッテリ
25,27 電源スイッチ
26 電源
Claims (5)
- 断熱構造の保冷室と、該保冷室の開口部を開閉する扉と、該保冷室内の熱を吸収して室内を保冷する蓄冷剤と、該蓄冷剤を冷却して蓄冷させる蒸発器を含む冷却装置とを備えた保冷庫において、
前記蓄冷剤を前記保冷室内と断熱隔離する断熱室と、該保冷室内の空気を該断熱室内に吸込むための吸込口と、該断熱室内の冷気を該保冷室内に吹出すための吹出口と、該吹出口から該断熱室内の冷気を該保冷室内に吹出させるファンと、該ファンを少なくとも2種類の保冷室内設定温度に対応させて駆動制御するファン駆動制御手段と、を設けたことを特徴とする保冷庫。 - 前記ファン駆動制御手段は、前記ファンを駆動するバッテリと、前記保冷室内の温度を検出する室内温度センサと、少なくとも2種類の保冷室内設定温度を設定出力する室内温度設定手段と、該室内温度センサの出力値と該室内温度設定手段の出力値とに基づいて前記バッテリから前記ファンへの通電を制御する比較制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の保冷庫。
- 前記断熱室を前記保冷室の上部に設置することを特徴とする請求項1または2に記載の保冷庫。
- 前記断熱室の底部に、該断熱室内の結露を排出するドレン穴を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の保冷庫。
- 前記蓄冷剤の温度を検出する蓄冷剤温度センサと、該蓄冷剤の凍結温度と該凍結温度よりも高い所定の半凍結温度の少なくとも2種類の蓄冷剤冷却設定温度を設定出力する蓄冷剤温度設定手段と、該蓄冷剤温度センサの出力値と該蓄冷剤温度設定手段の出力値とに基づいて電源から前記冷却装置への通電を遮断する遮断手段と、を備えた冷却装置停止手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の保冷庫。
Priority Applications (1)
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JP2002272170A JP2004108661A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 保冷庫 |
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JP (1) | JP2004108661A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016014506A (ja) * | 2014-07-02 | 2016-01-28 | 富士電機株式会社 | 収容庫 |
-
2002
- 2002-09-18 JP JP2002272170A patent/JP2004108661A/ja active Pending
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