JP4093810B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents

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  • Refrigerator Housings (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄冷剤を用いて貯蔵室を低温に保つ冷却貯蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりこの種冷却貯蔵庫は、例えば低温物品輸送システムにおいて用いられる。この物流システムにおいて、冷却貯蔵庫の輸送中は交流電源が使用できないため、冷却貯蔵庫にバッテリを搭載し、冷却貯蔵庫の断熱箱体内には蓄冷剤が配設され、この蓄冷剤の融解潜熱により冷却された冷気を前記バッテリから給電される直流(DC)送風機によって貯蔵室に循環し、冷却している。
【0003】
また、貯蔵室内には、貯蔵室内の温度を検出する温度検出手段が設けられており、この温度検出手段の出力により貯蔵室内を所定の温度、即ち、冷凍または冷蔵の温度に冷却している。
【0004】
しかしながら、上述の如く冷却貯蔵庫内は一つの温度帯しか設けられていないため、物品が少量であっても冷凍及び冷蔵の両者の物品がある場合には、冷凍用及び冷蔵用の二台の冷却貯蔵庫を配送手段に搭載しなければならなかった。
【0005】
そこで、冷凍及び冷蔵の両者の物品を一台の冷却貯蔵庫にて収容するために、例えば特開2001−272163号公報に示す如く、冷却貯蔵庫の貯蔵室内に仕切板を設け冷凍室及び冷蔵室を形成し、冷凍室内を前記蓄冷剤の融解潜熱によって冷却する冷却貯蔵庫が開発されてきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の二つの温度帯を有する冷却貯蔵庫では、各室から冷気をそれぞれ吸い込むためのダクトを構成していたため、構造が複雑化してコストの高騰を引き起こすと共に、特に物流機器の如く厳しい使用環境では破損・故障の原因となる問題もあった。
【0007】
そこで、本発明は係る従来の課題を解決するために成されたものであり、一台の冷却貯蔵庫にて、貯蔵室内に二温度帯を形成しながらダクト構造を簡素化した冷却貯蔵庫を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷却貯蔵庫では、断熱箱体内に貯蔵室を構成し、蓄冷剤の融解潜熱によって貯蔵室内を冷却して成るものであって、蓄冷剤を収納する蓄冷室と、貯蔵室内を複数室に区画する仕切部材と、区画された各室に蓄冷剤にて冷却された冷気を供給するための吐出ダクトと、仕切部材に形成され、当該仕切部材にて区画された各室を連通する連通口と、区画された各室のうち蓄冷室側に位置する室と当該蓄冷室とを連通する吸込口と、各室の温度に基づいて各室への冷気供給量を独立して調節する温度調節手段とを備えているので、仕切部材で区画される各室を異なる温度に独立して制御し、各室内に異なる温度帯にて冷却を必要とする収納物をそれぞれ収納することができるようになる。また、収納物の荷崩れも起こりにくくなる。
【0009】
特に、仕切部材で区画される各室のうち蓄冷室側ではない室の冷気は、仕切部材の連通口から蓄冷室側の室に流入し、当該室の冷気と共に吸込口から蓄冷室に吸い込まれることになるので、冷気を循環するためのダクト構造が簡素化され、コストの低減と耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0010】
また、吐出ダクトは、蓄冷剤にて冷却された冷気を蓄冷室側に位置する室に供給した後、他の室に供給する構造とされているので、上述の如く蓄冷室側でない室をより温度の高い冷蔵室とし、蓄冷室側の室をより温度の低い冷凍室にする際などに、冷蔵室への冷気温度を上昇させて、当該冷蔵室内の温度制御性を改善することができるようになる。
【0011】
この場合、吐出ダクトの各室に対応する位置にそれぞれ形成され、各室に冷気をそれぞれ供給するための冷気吐出口と、仕切部材に形成され、蓄冷室側に位置する室に供給された冷気を、他の室側の吐出ダクトに案内するための案内ダクトとを備え、この案内ダクトの冷気流入口を、蓄冷室側に位置する室の冷気吐出口から離間した位置に形成したので、蓄冷室側の室に供給された冷気が直接他の室に達することが無くなる。これにより、当該他の室に温度保障ヒータなどを設けること無く、当該他の室が過冷却状態に陥ることを防止することができるようになる。
【0012】
請求項2の発明では、上記に加えて案内ダクトの冷気流入口に、蓄冷室側に位置する室の冷気吐出口から離間する方向に突出する風向板を設けたので、蓄冷室側の室に供給された冷気が直接他の室に至る不都合を一層良好に解消することができるようになる。
【0013】
請求項3の発明では、請求項1又は請求項2の発明に加えて案内ダクトの冷気流入口にバーリング加工を施したので、冷気流入口から吸い込まれた冷気の流れを整え、前記他の室への冷気供給を円滑に行うことができるようになると共に、冷気流入口周辺の強度の向上も図ることが可能となる。
【0014】
請求項4の発明では、上記各発明に加えて連通口に冷気流通量調節手段を設けているので、例えば蓄冷室側でない室をより温度の高い冷蔵室とするなどの際に、外気温が低い状況において連通口の冷気流通量調節手段により冷気の流通量を減少させることで、当該冷蔵室の過冷却を効果的に防止することが可能となる。一方、両室を同温度で使用する際には連通口の冷気流通量を増大させることで、所謂プルダウン特性が向上する。
【0015】
請求項5の発明では、上記各発明に加えて連通口は、仕切部材に段落して形成されているので、仕切部材上に載置された物品により連通口が塞がれてしまう不都合を回避し、他の室内に多量の物品が収納された際にも冷気循環を確保することができるようになる。
【0016】
請求項6の発明では、上記各発明に加えて吐出ダクトの各室上部に対応する位置にそれぞれ形成され、各室に冷気をそれぞれ供給するための冷気吐出口を備え、各冷気吐出口を斜め下方に指向させたので、同様に各室に収納された物品により各冷気吐出口が塞がれてしまう不都合を回避し、各室内に多量の物品が収納された際にも冷気循環を確保することができるようになる。
【0017】
請求項7の発明では、上記各発明に加えて吸込口には、貯蔵室側に張り出す吸込口ガードを設けたので、同様に蓄冷室側の室に収納された物品により吸込口が塞がれてしまう不都合を回避し、当該室内に多量の物品が収納された際にも冷気循環を確保することができるようになる。
【0018】
請求項8の発明では、上記各発明に加えて仕切部材は着脱可能とされ、取り外した状態で貯蔵室の壁面に沿って収納可能とされているので、使用目的に応じて仕切部材を取り外すことにより、目的の温度帯の室の収納空間を拡張することができるようになる。また、取り外した際の保管場所を確保する必要も無くなるので、部品管理も容易となる。
【0019】
請求項9の発明では、上記に加えて仕切部材が着脱可能に載置される取付具を備え、この取付具の上面には断熱材が設けられているので、仕切部材を安定的に保持することができるようになると共に、仕切部材により仕切られた各室間の断熱も効果的に行えるようになる。
【0020】
請求項10の発明では、上記各発明に加えて貯蔵室の開口を開閉自在に閉塞する観音開き式の一対の扉を備え、両扉を閉じたときに各扉の側面が相互に当接するようにしたので、比較的狭い設置場所でも扉の開閉が可能となると共に、両扉相互の当接面積を大きくして冷気漏洩を防止し、簡単な構成で断熱性能の改善を図ることができるようになる。
【0021】
請求項11の発明では、上記に加えて両扉の側面は段付き形状とされているので、両扉の当接面積を拡大させて、断熱性能を一層の改善を図ることができるようになる。特に、この場合には扉の加工も比較的容易であるので、生産性の悪化も防止される。
【0022】
請求項12の発明では、請求項10の発明に加えて両扉の側面は傾斜しているので、同様に両扉の当接面積を拡大させて、断熱性能を一層の改善を図ることができるようになる。特に、この場合には外側で重合する側の扉を閉じるちからが両扉を密着させる方向に作用するので、断熱性能はより一層向上する。
【0023】
請求項13の発明では、請求項10、請求項11又は請求項12の発明に加えて両扉の側面に、各扉を閉じたときに相互に当接する断熱材を設けたので、両扉間の断熱性能がより一層向上するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の冷却貯蔵庫Rについて図1を参照して説明する。図1は本発明の冷却貯蔵庫Rの斜視図、図2は同縦断側面図、図3は同縦断正面図をそれぞれを示している。
【0025】
実施例の冷却貯蔵庫Rは、配送ベースにおいて交流電源が接続された状態では、当該交流電源の供給を受けて圧縮機を運転し、蓄冷剤を凍結させる蓄冷運転を行うと共に、食品などの物品(収納物)を収納後、交流電源が切断された状態でトラックなどの配送車の荷台に積載され、当該配送中は蓄冷剤の融解潜熱によって冷却された冷気を貯蔵室に循環させて冷却する保冷運転を行う物流用冷却貯蔵庫である。
【0026】
この冷却貯蔵庫Rは前面に開口する断熱箱体1から成り、この断熱箱体1内には物品を収納するための貯蔵室2が形成されると共に、この貯蔵室2の前面には開閉を行うための観音開き式の左右一対の扉15A、15Bが設けられており、断熱箱体1下方には機械室3が構成されている。また、冷却貯蔵庫Rの下面四隅には、移動用の車輪4・・・が取り付けられている。
【0027】
尚、31は機械室3の前面を覆う開閉可能なパネルであり、このパネル31には通風用のスリット32が形成されている。また、このパネル31からは図示しない制御装置に接続された温度調節摘み33A、33Bが前方に臨んで設けられている。
【0028】
また、貯蔵室2内には、貯蔵室2内を上下に区画形成するための断熱パネルによって構成された仕切部材5が着脱自在に取り付けられる。これにより、仕切部材5の上方には、上貯蔵室2A(他の室)が形成されると共に、仕切部材5の下方には下貯蔵室2B(蓄冷室側の室)が形成される。また、上貯蔵室2A及び下貯蔵室2Bのそれぞれには各室2A、2Bの温度をそれぞれ検出するための温度センサ22A、22Bが設けられており、これら温度センサ22A、22Bは前述した制御装置に接続されている。そして、この仕切部材5は貯蔵室2の内壁に取り付けられた断面略L字状の取付具6の上面に載置することにより保持される。
【0029】
また、貯蔵室2の向かって左側面には、断熱箱体1との間に間隔を存してダクト板7が取り付けられており、このダクト板7と断熱箱体1間には吐出ダクト9が構成される。前記ダクト板7には、仕切部材5の下側に対応して複数の中間吸込口11がスリット状に並設されており、この中間吸込口11の下縁に対応する吐出ダクト9内には閉塞板8が設けられて吐出ダクト9内を上下に仕切っている。
【0030】
そして、これら上下に仕切られた吐出ダクト9が各室2A、2Bの側方にそれぞれ対応すると共に、上下に仕切られた吐出ダクト9のそれぞれの部分の上部に対応して冷気吐出口10A、10Bが形成され、各室2A、2B内上部に開口している。また、各冷気吐出口10A、10Bには送風機12A、12Bがそれぞれ設けられている。各送風機12A、12Bの吸込側は上述の如く上下に仕切られた吐出ダクト9内にそれぞれ連通しており、吐出側は前記上貯蔵室2A及び下貯蔵室2Bにそれぞれ連通している。そして、各送風機12A、12Bはそれぞれ前記機械室3内に設置されたバッテリ25によって運転されるものとする。
【0031】
前記仕切部材5の向かって右側には上下貯蔵室2A、2Bを相互に連通するスリット状の複数の連通口13が形成されている。この連通口13は図4に示す如く段落して形成されており、この段落箇所には前後にスライド可能な冷気流通量調節手段としてのスライド板14が取り付けられている。
【0032】
このスライド板14にも複数のスリット状透孔14Aが形成されており、スライド板14をスライドさせて各透孔14Aを各連通口13に合致させた状態では、連通口13が全開となり、透孔14Aと連通口13を完全にずらした状態では連通口13はスライド板14によって全閉とされる。そして、スライド板14の位置は連通口13の係る全開と全閉の間で任意に調整可能とされている。
【0033】
また、連通口13が段落形成されていることで、仕切部材5上に多量の物品が載置された場合にも、当該連通口13が塞がれる不都合が回避される。
【0034】
また、貯蔵室2(下貯蔵室2B)の底面前部は階段状に段落ちされており、当該段落部分には断熱箱体1の底面と所定間隔を存して断熱仕切板16が架設され、これによって、断熱箱体1の前下部には貯蔵室2と区画された蓄冷室17が構成されている。そして、前記下貯蔵室2Bは仕切部材5の蓄冷室17側に位置することになる。この蓄冷室17内には平板状の蓄冷剤18が左右にわたってそれぞれ間隔を存して複数設けられている。また、これらの蓄冷剤18内には機械室3内に設置された圧縮機19、凝縮器23、凝縮器用送風機24と共に冷却装置を構成する冷却器20によって冷却される。
【0035】
更に、断熱仕切板16の向かって右側には吸込口21が形成されている。この吸込口21は上側の貯蔵室2(下貯蔵室2B)と下側の蓄冷室17の右側とを連通している。また、前記吐出ダクト9は蓄冷室17の向かって左側に連通している。
【0036】
一方、図5は前記扉15A、15Bの突き合わせ部分の拡大平断面図を示している。扉15A、15Bは内部に断熱材が充填された断熱扉であり、その内面の周囲には断熱箱体1の開口周囲に密着するガスケット36がそれぞれ取り付けられている。また、各扉15A、15Bが突き合わされるそれぞれの側面には断熱材37が貼付されている。この断熱材37は所定の弾性を有しており、両扉15A、15Bを閉じた状態で相互に当接することで、実質的に扉15A、15Bをそれらの側面同士で当接させる。
【0037】
扉15A、15Bは観音開き式であるので、一枚扉式のものに比べて、扉当たりの寸法は小さくなり、配送車の荷台などの狭い空間でも容易に開閉可能となる。また、扉15A、15Bの突き合わせ部分では各扉15A、15Bの側面が当接し、且つ、断熱材37、37も介在しているので、両扉15A、15Bの突き合わせ部分からの冷気漏洩は効果的に防止させ、断熱性能が向上する。
【0038】
他方、前記制御装置には、上貯蔵室2Aの温度を検出する前記温度センサ22Aと、下貯蔵室2Bの温度を検出する前記温度センサ22Bと、前記温度調節摘み33A、33Bが接続されており、これらの出力に基づいて送風機12A及び12Bが制御される。温度調節摘み33A及び33Bは上貯蔵室2A及び下貯蔵室2B内の温度を設定するものであり、前記温度センサ22A、22Bによる制御にそれぞれ対応している。
【0039】
以上の構成で、冷却貯蔵庫Rは、配送ベースにおいて交流電源が接続された状態で、交流電源の供給を受けて前記圧縮機19を運転し、蓄冷剤18を凍結させる。そして、冷却貯蔵庫R内に食品などの物品を収納後、交流電源が切断された状態でトラックなどの配送車の荷台に積載され、当該配送中は蓄冷剤18の融解潜熱によって冷却された冷気を貯蔵室2に循環させて冷却を行う。
【0040】
このとき、予め使用者が貯蔵室2内を例えば冷凍及び冷蔵とする場合には、前記仕切部材5を取付具6に設置し、前記温度調節摘み33A、33Bによって上貯蔵室2Aを冷蔵の温度帯(冷蔵室として使用)に設定し、下貯蔵室2Bを冷凍の温度帯(冷凍室として使用)に設定する。これにより、前記制御装置によって送風機12A及び12Bの運転が制御される。
【0041】
次に、貯蔵室2内の冷気の流れを説明する。前記制御装置により上貯蔵室2A及び下貯蔵室2Bの送風機12A及び12Bがそれぞれ運転されると、蓄冷室17内にて予め凍結された蓄冷剤18の融解潜熱によって冷却された冷気は、送風機12Bによって閉塞板8より下方の吐出ダクト9内を上昇した後、下貯蔵室2B内に吐出される。
【0042】
また、下貯蔵室2B内の冷気は、送風機12Aによって中間吸込口11・・から吸引され、閉塞板8より上方の吐出ダクト9内を上昇した後、上貯蔵室2A内に吐出される。そして、上貯蔵室2A内を循環した冷気は仕切部材5の連通口13(スライド板14により開放されているものとする)より下貯蔵室2B内に戻る。下貯蔵室2B内に吐出された冷気は、当該下貯蔵室2B内を循環した後、前記連通口13から流入した冷気と共に、断熱仕切板16の吸込口21から蓄冷室17内に帰還する。蓄冷室17内に帰還した冷気は、蓄冷剤18間を通過して熱交換し、冷却された後、前述と同様に吐出ダクト9に吸い込まれる循環を繰り返す。
【0043】
このとき、上貯蔵室2A及び下貯蔵室2B内の温度は温度センサ22A及び22Bによって検出され、制御装置は各室の温度と前記温度調節摘み33A、33Bで設定された温度によって送風機12A、12Bの運転を制御する。これにより、上貯蔵室2A内は冷蔵の温度帯である冷蔵室に、下貯蔵室2B内は冷凍の温度帯である冷凍室にそれぞれ制御されることになる。
【0044】
特に、このとき冷蔵室となる上貯蔵室2A内には下貯蔵室2B内に吐出された後の冷気が吐出ダクト9を介して供給されるので、比較的温度は高めとなる。これにより、上貯蔵室2Aの温度制御性は向上する。
【0045】
ここで、特に冬場などの低温季には、送風機12Aを停止させても上貯蔵室2A内が冷蔵温度帯より低下してしまう場合がある。係る場合にはスライド板14をスライドさせて連通口13・・を全閉とすれば、上下の室の冷気流通が阻止できるので、上貯蔵室2Aの過冷却を防止若しくは緩和できるようになる。
【0046】
また、上述の例では上貯蔵室2Aを冷蔵室、下貯蔵室2Bを冷凍室として使用する例で説明したが、両室2A、2Bを冷蔵若しくは冷凍の同温度帯で制御し、使用することも可能である。その場合には、両温度調節摘み33A、33Bを当該同一の温度帯に設定することになる。また、係る場合はスライド板14により連通口13・・を全開状態とすれば、仕切部材5上下の冷気流通が良好となるので、上貯蔵室2Aのプルダウン特性や温度制御性が改善される。
【0047】
ここで、貯蔵室2内を一つの温度帯として貯蔵室2内を拡張使用したい場合には、前記仕切部材5を取り外せば良い。この場合には両温度調節摘み33A、33Bを同一の温度帯に設定する。尚、仕切部材5の有無を検知するスイッチを設ければ、制御装置によって自動的に何れかの温度センサ22A(22B)のみによる制御に切り換え可能となる。
【0048】
ここで、仕切部材5の寸法は貯蔵室2の底面及び背面よりも小さい寸法とされており、取り外した状態では図6の如く貯蔵室2の背面や底面(断熱仕切板16上)に沿って収納可能となる。これにより、取り外した際の保管場所の危惧の無くなるので、部品管理も容易となる。
【0049】
次に、図11乃至図13は本発明の他の実施例の冷却貯蔵庫Rを示している。尚、各図において、図1乃至図6と同一符号は同一若しくは同様の機能を奏するものとする。また、機械室3内には同様に圧縮機19等が設置されているものとする。
【0050】
この場合、取付具6の上面には断熱材41が取り付けられ、仕切部材5はこの断熱材41を介して取付具6に着脱可能に載置保持される。係る断熱材41によって各室2A、2B間の断熱性能は一層良好となる。
【0051】
また、仕切部材5の下面には左右に渡って案内ダクト42が凹陥形成されており、仕切部材5が取付具6に載置された状態で、この案内ダクト42の向かって左端は前記ダクト板7の中間吸込口11に対応して連通する。更に、案内ダクト42の向かって右端には冷気流入口43が複数形成されており、各冷気流入口43の周囲には案内ダクト42側に突出するバーリング加工が施されている。
【0052】
また、案内ダクト42の冷気流入口43は連通口13の向かって左方であって、冷気吐出口10Bから離間した位置に形成されている。更に、この冷気流入口43の両側には冷気吐出口10Bから離間する方向、即ち、斜め下右方に向かって突出する風向板44、44が形成されている(図13では示さず)。
【0053】
また、この場合各室2A、2Bの左側上部に位置する各冷気吐出口10A、10B及び各送風機12A、12Bは斜め下方に指向されている。これにより、各室2A、2B内に多量の物品が収納された際にも冷気吐出口10A、10Bが塞がれてしまう不都合を回避できる。
【0054】
また、連通口13の下方に対応する位置の下貯蔵室2B右側面にはダクト板46により下降ダクト47が形成されており、この下降ダクト47の上端は連通口13下側に対応して連通し、下端は斜め右下方に指向した冷気流出口48にて下貯蔵室2B内に開口している。冷気流出口48がこのように斜め下方に開口することで物品によって塞がれる不都合を回避している。
【0055】
この冷気流出口48は吸込口21の上方に対応している。また、この吸込口21には貯蔵室2側に張り出した吸込口ガード49が取り付けられており、これにより、断熱仕切板16上に多量の物品が載置された場合にも吸込口21が塞がれてしまう不都合を回避できるようにしている。
【0056】
以上の構成で、この場合の貯蔵室2内の冷気の流れを説明する。前記制御装置により上貯蔵室2A及び下貯蔵室2Bの送風機12A及び12Bがそれぞれ運転されると、蓄冷室17内にて予め凍結された蓄冷剤18の融解潜熱によって冷却された冷気は、送風機12Bによって閉塞板8より下方の吐出ダクト9内を上昇した後、下貯蔵室2B内に向けて斜め下方に吐出される。
【0057】
また、下貯蔵室2B内に吐出された冷気は内部を循環する。そして、下貯蔵室2B内右上部に至った冷気は、送風機12Aによって冷気流入口43から仕切部材5の案内ダクト42内に吸引され、そこを通過して中間吸込口11に至り、閉塞板8より上方の吐出ダクト9内を上昇した後、上貯蔵室2A内に向けて斜め下方に吐出される。
【0058】
このように冷気流入口43が冷気吐出口10Bから離間しているため、冷気吐出口10Bから下貯蔵室2B内に吐出された冷気が直接上貯蔵室2Aに至る不都合を解消できる。特に、風向板44、44が冷気吐出口10Bから離間する方向に突出しているので、冷気流入口43へは下貯蔵室2B内を或る程度循環させた後の冷気を流入させることが可能となる。また、冷気流入口43はバーリング加工されているので、案内ダクト42に流入する冷気の流れも整えられ、上貯蔵室2Aへの冷気供給は円滑に行われるようになる。
【0059】
そして、上貯蔵室2A内を循環した冷気は仕切部材5の連通口13(スライド板14により開放されているものとする)より下降ダクト47内に入り、冷気流出口48から下貯蔵室2B内に戻る。一方、下貯蔵室2B内に吐出された冷気は、当該下貯蔵室2B内を循環した後、前記冷気流出口48から流入した冷気と共に、断熱仕切板16の吸込口ガード49を経て吸込口21から蓄冷室17内に帰還する。蓄冷室17内に帰還した冷気は、蓄冷剤18間を通過して熱交換し、冷却された後、前述と同様に吐出ダクト9に吸い込まれる循環を繰り返す。
【0060】
尚、温度制御方式は前述したものと同様である。また、連通口13の段落形状も同様である。そして、仕切部材5を取り外し、貯蔵室2の底面の断熱仕切板16上に載置された場合には、この連通口13の段落形状が吸込口ガード49に合致し、連通口13が吸込口21に対応することになる。
【0061】
このように本発明の冷却貯蔵庫Rでは、断熱箱体1内に貯蔵室2を構成し、蓄冷剤18の融解潜熱によって貯蔵室2内を冷却して成るものであって、蓄冷剤18を収納する蓄冷室17と、貯蔵室2内を複数室2A、2Bに区画する仕切部材5と、区画された各室2A、2Bに蓄冷剤18にて冷却された冷気を供給するための吐出ダクト9と、仕切部材5に形成され、当該仕切部材5にて区画された各室2A、2Bを連通する連通口13・・と、区画された下貯蔵室2Bと蓄冷室17とを連通する吸込口21と、各室2A、2Bの温度に基づいて各室2A、2Bへの冷気供給量を独立して調節する制御装置及び送風機12A、12Bとを備えているので、仕切部材5で区画される各室2A、2Bを異なる温度に独立して制御し、各室2A、2B内に異なる温度帯にて冷却を必要とする物品をそれぞれ収納することができるようになる。また、仕切部材5により貯蔵室2内を上下に分けて使用できることで、収納物品の荷崩れも起こりにくくなる。
【0062】
特に、仕切部材5で区画される上貯蔵室2Aの冷気は、仕切部材5の連通口13・・から下貯蔵室2Bに流入し、当該下貯蔵室2Bの冷気と共に吸込口21から蓄冷室17に吸い込まれることになるので、冷気を循環するための帰還用のダクトを形成する必要も無くなり、ダクト構造が簡素化され、コストの低減と耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0063】
また、連通口13にはスライド板14を設けているので、前述の如く上貯蔵室2Aを冷蔵室とするなどの際に、外気温が低い状況において連通口13の冷気の流通量を減少させることで、当該冷蔵室の過冷却を効果的に防止することが可能となる。一方、両室2A、2Bを同温度で使用する際には連通口13の冷気流通量を増大させることで、所謂プルダウン特性が向上する。
【0064】
また、図11乃至図12の如く仕切部材5に案内ダクト42を形成し、案内ダクト42の冷気流入口43を、下貯蔵室2Bの冷気吐出口10Bから離間した位置に形成すれば、下貯蔵室2Bに供給された冷気が直接上貯蔵室2Aに達することが無くなる。これにより、当該上貯蔵室2Aに温度保障ヒータなどを設けること無く、当該上貯蔵室2Aが過冷却状態に陥ることを防止することができるようになる。
【0065】
また、案内ダクト42の冷気流入口43に、下貯蔵室2Bの冷気吐出口10Bから離間する方向に突出する風向板44を設ければ、下貯蔵室2Bに供給された冷気が直接上貯蔵室2Aに至る不都合を一層良好に解消することができるようになる。更に、案内ダクト42の冷気流入口43にバーリング加工を施せば、冷気流入口43から吸い込まれた冷気の流れを整え、上貯蔵室2Aへの冷気供給を円滑に行うことができるようになると共に、冷気流入口43周辺の強度の向上も図ることが可能となる。
【0066】
ここで、上記実施例では蓄冷室17からの冷気を吐出ダクト9にて先ず下貯蔵室2Bに吐出し、この下貯蔵室2Bの冷気を上貯蔵室2Aに吐出するようにしたが、請求項1又は請求項2の発明ではそれに限らず、図7の如く一連の吐出ダクト9により両室2A、2Bと蓄冷室17とを連通させてもよい(閉塞板8無し)。また、図8の如くダクト板7Aにより蓄冷室17と各室2A、2Bとを独立して連通する吐出ダクト9A、9Bを形成してもよい。
【0067】
但し、前記実施例のように吐出ダクト9により、蓄冷剤18にて冷却された冷気を下貯蔵室2Bに供給した後、上貯蔵室2Aに供給する構造とすれば、上貯蔵室2Aをより温度の高い冷蔵室とし、下貯蔵室2Bをより温度の低い冷凍室にする際などに、冷蔵室への冷気温度を上昇させて、当該冷蔵室内の温度制御性を改善することができるようになる。
【0068】
尚、図9の如く両扉15A、15Bの側面を段付き形状とすれば、両扉15A、15Bの当接面積を拡大させて、断熱性能を一層の改善を図ることができるようになる。特に、この場合には扉15A、15Bの加工も比較的容易であるので、生産性の悪化も防止される。
【0069】
また、図10の如く両扉15A、15Bの側面を傾斜させても、同様に両扉15A、15Bの当接面積を拡大させて、断熱性能を一層の改善を図ることができるようになる。特に、この場合には外側で重合する扉15Bを閉じるちからが両扉15A、15Bを密着させる方向に作用するので、断熱性能はより一層向上する。
【0070】
更に、上記実施例では物流にて使用される車輪付きの冷却貯蔵庫にて本発明を説明したが、厨房にて使用される場合にも本発明は有効である。また、車輪を備えない蓄冷剤使用の冷却貯蔵庫にも本発明は適用可能である。
【0071】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、断熱箱体内に貯蔵室を構成し、蓄冷剤の融解潜熱によって貯蔵室内を冷却して成る冷却貯蔵庫において、蓄冷剤を収納する蓄冷室と、貯蔵室内を複数室に区画する仕切部材と、区画された各室に蓄冷剤にて冷却された冷気を供給するための吐出ダクトと、仕切部材に形成され、当該仕切部材にて区画された各室を連通する連通口と、区画された各室のうち蓄冷室側に位置する室と当該蓄冷室とを連通する吸込口と、各室の温度に基づいて各室への冷気供給量を独立して調節する温度調節手段とを備えているので、仕切部材で区画される各室を異なる温度に独立して制御し、各室内に異なる温度帯にて冷却を必要とする収納物をそれぞれ収納することができるようになる。また、収納物の荷崩れも起こりにくくなる。
【0072】
特に、仕切部材で区画される各室のうち蓄冷室側ではない室の冷気は、仕切部材の連通口から蓄冷室側の室に流入し、当該室の冷気と共に吸込口から蓄冷室に吸い込まれることになるので、冷気を循環するためのダクト構造が簡素化され、コストの低減と耐久性の向上を図ることができるようになる。
【0073】
また、吐出ダクトは、蓄冷剤にて冷却された冷気を蓄冷室側に位置する室に供給した後、他の室に供給する構造とされているので、上述の如く蓄冷室側でない室をより温度の高い冷蔵室とし、蓄冷室側の室をより温度の低い冷凍室にする際などに、冷蔵室への冷気温度を上昇させて、当該冷蔵室内の温度制御性を改善することができるようになる。
【0074】
この場合、吐出ダクトの各室に対応する位置にそれぞれ形成され、各室に冷気をそれぞれ供給するための冷気吐出口と、仕切部材に形成され、蓄冷室側に位置する室に供給された冷気を、他の室側の吐出ダクトに案内するための案内ダクトとを備え、この案内ダクトの冷気流入口を、蓄冷室側に位置する室の冷気吐出口から離間した位置に形成したので、蓄冷室側の室に供給された冷気が直接他の室に達することが無くなる。これにより、当該他の室に温度保障ヒータなどを設けること無く、当該他の室が過冷却状態に陥ることを防止することができるようになる。
【0075】
請求項2の発明では、上記に加えて案内ダクトの冷気流入口に、蓄冷室側に位置する室の冷気吐出口から離間する方向に突出する風向板を設けたので、蓄冷室側の室に供給された冷気が直接他の室に至る不都合を一層良好に解消することができるようになる。
【0076】
請求項3の発明では、請求項1又は請求項2の発明に加えて案内ダクトの冷気流入口にバーリング加工を施したので、冷気流入口から吸い込まれた冷気の流れを整え、前記他の室への冷気供給を円滑に行うことができるようになると共に、冷気流入口周辺の強度の向上も図ることが可能となる。
【0077】
請求項4の発明では、上記各発明に加えて連通口に冷気流通量調節手段を設けているので、例えば蓄冷室側でない室をより温度の高い冷蔵室とするなどの際に、外気温が低い状況において連通口の冷気流通量調節手段により冷気の流通量を減少させることで、当該冷蔵室の過冷却を効果的に防止することが可能となる。一方、両室を同温度で使用する際には連通口の冷気流通量を増大させることで、所謂プルダウン特性が向上する。
【0078】
請求項5の発明では、上記各発明に加えて連通口は、仕切部材に段落して形成されているので、仕切部材上に載置された物品により連通口が塞がれてしまう不都合を回避し、他の室内に多量の物品が収納された際にも冷気循環を確保することができるようになる。
【0079】
請求項6の発明では、上記各発明に加えて吐出ダクトの各室上部に対応する位置にそれぞれ形成され、各室に冷気をそれぞれ供給するための冷気吐出口を備え、各冷気吐出口を斜め下方に指向させたので、同様に各室に収納された物品により各冷気吐出口が塞がれてしまう不都合を回避し、各室内に多量の物品が収納された際にも冷気循環を確保することができるようになる。
【0080】
請求項7の発明では、上記各発明に加えて吸込口には、貯蔵室側に張り出す吸込口ガードを設けたので、同様に蓄冷室側の室に収納された物品により吸込口が塞がれてしまう不都合を回避し、当該室内に多量の物品が収納された際にも冷気循環を確保することができるようになる。
【0081】
請求項8の発明では、上記各発明に加えて仕切部材は着脱可能とされ、取り外した状態で貯蔵室の壁面に沿って収納可能とされているので、使用目的に応じて仕切部材を取り外すことにより、目的の温度帯の室の収納空間を拡張することができるようになる。また、取り外した際の保管場所を確保する必要も無くなるので、部品管理も容易となる。
【0082】
請求項9の発明では、上記に加えて仕切部材が着脱可能に載置される取付具を備え、この取付具の上面には断熱材が設けられているので、仕切部材を安定的に保持することができるようになると共に、仕切部材により仕切られた各室間の断熱も効果的に行えるようになる。
【0083】
請求項10の発明では、上記各発明に加えて貯蔵室の開口を開閉自在に閉塞する観音開き式の一対の扉を備え、両扉を閉じたときに各扉の側面が相互に当接するようにしたので、比較的狭い設置場所でも扉の開閉が可能となると共に、両扉相互の当接面積を大きくして冷気漏洩を防止し、簡単な構成で断熱性能の改善を図ることができるようになる。
【0084】
請求項11の発明では、上記に加えて両扉の側面は段付き形状とされているので、両扉の当接面積を拡大させて、断熱性能を一層の改善を図ることができるようになる。特に、この場合には扉の加工も比較的容易であるので、生産性の悪化も防止される。
【0085】
請求項12の発明では、請求項10の発明に加えて両扉の側面は傾斜しているので、同様に両扉の当接面積を拡大させて、断熱性能を一層の改善を図ることができるようになる。特に、この場合には外側で重合する側の扉を閉じるちからが両扉を密着させる方向に作用するので、断熱性能はより一層向上する。
【0086】
請求項13の発明では、請求項10、請求項11又は請求項12の発明に加えて両扉の側面に、各扉を閉じたときに相互に当接する断熱材を設けたので、両扉間の断熱性能がより一層向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の冷却貯蔵庫の斜視図である。
【図2】 図1の冷却貯蔵庫の縦断側面図である。
【図3】 図1の冷却貯蔵庫の縦断正面図である。
【図4】 図1の冷却貯蔵庫の仕切部材の斜視図である。
【図5】 図1の冷却貯蔵庫の扉の突き合わせ部分の拡大平断面図である。
【図6】 図1の冷却貯蔵庫の仕切部材を取り外した状態の縦断側面図である。
【図7】 本発明の冷却貯蔵庫のダクト構造の他の実施例を示す縦断正面図である。
【図8】 本発明の冷却貯蔵庫のダクト構造のもう一つの他の実施例を示す縦断側面図である。
【図9】 本発明の冷却貯蔵庫の扉突き合わせ部分の構造の他の実施例を示す拡大平断面図である。
【図10】 本発明の冷却貯蔵庫の扉突き合わせ部分の構造のもう一つの他の実施例を示す拡大平断面図である。
【図11】 本発明のもう一つの他の実施例の冷却貯蔵庫の縦断側面図である。
【図12】 図11の冷却貯蔵庫の縦断正面図である。
【図13】 図11の冷却貯蔵庫の仕切部材の下方斜視図である。
【符号の説明】
R 冷却貯蔵庫
1 断熱箱体
2 貯蔵室
2A 上貯蔵室
2B 下貯蔵室
3 機械室
4 車輪
5 仕切部材
7、7A ダクト板
8 閉塞板
9 吐出ダクト
10A、10B 冷気吐出口
11 中間吸込口
12A、12B 送風機
13 連通口
14 スライド板
15A、15B 扉
16 断熱仕切板
17 蓄冷室
18 蓄冷剤
21 吸込口
22A、22B 温度センサ
37 断熱材
41 断熱材
42 案内ダクト
43 冷気流入口
44 風向板
49 吸込口ガード

Claims (13)

  1. 断熱箱体内に貯蔵室を構成し、蓄冷剤の融解潜熱によって前記貯蔵室内を冷却して成る冷却貯蔵庫において、
    前記蓄冷剤を収納する蓄冷室と、
    前記貯蔵室内を複数室に区画する仕切部材と、
    区画された各室に前記蓄冷剤にて冷却された冷気を供給するための吐出ダクトと、
    前記仕切部材に形成され、当該仕切部材にて区画された各室を連通する連通口と、
    前記区画された各室のうち前記蓄冷室側に位置する室と当該蓄冷室とを連通する吸込口と、
    前記各室の温度に基づいて各室への冷気供給量を独立して調節する温度調節手段と
    前記吐出ダクトの前記各室に対応する位置にそれぞれ形成され、各室に冷気をそれぞれ供給するための冷気吐出口と、
    前記仕切部材に形成され、前記蓄冷室側に位置する室に供給された冷気を、前記他の室側の前記吐出ダクトに案内するための案内ダクトとを備え、
    前記吐出ダクトにより、前記蓄冷剤にて冷却された冷気を前記蓄冷室側に位置する室に供給した後、他の室に供給すると共に、前記案内ダクトの冷気流入口を、前記蓄冷室側に位置する室の冷気吐出口から離間した位置に形成したことを特徴とする冷却貯蔵庫。
  2. 前記案内ダクトの冷気流入口には、前記蓄冷室側に位置する室の冷気吐出口から離間する方向に突出する風向板を設けたことを特徴とする請求項1の冷却貯蔵庫。
  3. 前記案内ダクトの冷気流入口にはバーリング加工を施したことを特徴とする請求項1又は請求項2の冷却貯蔵庫。
  4. 前記連通口には冷気流通量調節手段を設けたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3の冷却貯蔵庫。
  5. 前記連通口は、前記仕切部材に段落して形成されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4の冷却貯蔵庫。
  6. 前記吐出ダクトの前記各室の上部に対応する位置にそれぞれ形成され、各室に冷気をそれぞれ供給するための冷気吐出口を備え、各冷気吐出口を斜め下方に指向させたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5の冷却貯蔵庫。
  7. 前記吸込口には、前記貯蔵室側に張り出す吸込口ガードを設けたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6の冷却貯蔵庫。
  8. 前記仕切部材は着脱可能とされ、取り外した状態で前記貯蔵室の壁面に沿って収納可能とされていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6又は請求項7の冷却貯蔵庫。
  9. 前記仕切部材が着脱可能に載置される取付具を備え、該取付具の上面には断熱材が設けられていることを特徴とする請求項8の冷却貯蔵庫。
  10. 前記貯蔵室の開口を開閉自在に閉塞する観音開き式の一対の扉を備え、両扉を閉じたときに各扉の側面が相互に当接することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8又は請求項9の冷却貯蔵庫。
  11. 前記両扉の側面は段付き形状とされていることを特徴とする請求項10の冷却貯蔵庫。
  12. 前記両扉の側面は傾斜していることを特徴とする請求項10の冷却貯蔵庫。
  13. 前記両扉の側面には各扉を閉じたときに相互に当接する断熱材を設けたことを特徴とする請求項10、請求項11又は請求項12の冷却貯蔵庫。
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