JP2001280795A - 冷蔵庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵室内の冷気の流れを良くし、温度分布を
より均一にする冷蔵庫を提供する。 【解決手段】 前面開口を有する断熱箱体内に形成され
る貯蔵室と、この貯蔵室の背面板１８に形成された冷気
吹出部２７と、貯蔵室内に形成された冷気吸込部２８と
を有する冷蔵庫１において、前記冷気吹出部２７は貯蔵
室の略全幅にわたって開口を有し、冷気吹出部２７の開
口にハニカム形状の格子枠３１を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は貯蔵室内に冷気の吹
出部と吸込部とを設け、貯蔵室内に冷気を循環して成る
冷蔵庫に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、従来の冷蔵庫は、冷蔵庫本体前
方に開口する外箱と、この外箱内に間隔を持たせて組み
込まれた内箱と、これら外箱と内箱間に充填発泡された
発泡ポリウレタン断熱材とから構成されている。内箱は
仕切壁にて上下に区画されて貯蔵室が形成され、前面開
口が開閉式扉で開閉自在に密閉されている。

【０００３】冷蔵庫本体の後下部には、冷却室が設けら
れ、この冷却室内に熱交換器が縦設され、さらに、熱交
換器の上方には冷却ファンが設けられている。

【０００４】各貯蔵室には冷気の吹出部および吸込部が
設けられ、これら吹出部および吸込部が冷気通路を介し
て冷却室と連通している。冷却室で冷却された冷気が、
冷気通路を介して各貯蔵室の吹出部から吹き出され、貯
蔵室内を循環した後、吸込部より排出され、冷却室に戻
される。

【０００５】図４は従来の冷蔵庫の貯蔵室内を示す正面
図である。冷蔵室７の後部には背面板１８が形成され、
貯蔵室内には食品等を載置する複数の棚２６、２６・・
が設けられ、これら棚２６に区画された区域毎に、区域
上部の背面板１８に冷気の吹出部３７が設けられてい
る。吹出部３７が、図に示すように、区画された背面板
１８のそれぞれ左右２ヵ所に配置されており、スリット
形状の格子枠４１が一体成形されている。

【０００６】また、貯蔵室の前下部には冷気の吸込部３
８が設けられており、この吸込部３８が左右２ヵ所に分
けて配置され、スリット形状の格子枠４２が一体成形さ
れている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、冷蔵庫の大
型化が進むなかで、食品の温度管理が重視されるように
なってきており、特に容量が大きくなるほど貯蔵室内の
温度分布が悪くなるため、より精密な温度管理が求めら
れている。

【０００８】しかしながら、従来の冷蔵庫は以上のよう
に構成されているので、冷蔵庫に配置された棚の奥に置
かれた食品は充分冷やされるが、保存される食品の量が
増えると、冷気の流れが悪くなり、特に吹出部が食品等
により塞がれると、手前に置かれた食品や扉に設けられ
た棚の食品に冷気が届き難く、冷やされ難いので、食品
の保存状態が悪くなるという問題があった。

【０００９】また、貯蔵室内に供給された冷気が吸込部
に向かって流れ込むため、吸込部の端に冷気の流れの滞
る区画ができ、温度のムラが生じていた。

【００１０】本発明は上述のような従来の問題点を解消
したものであり、貯蔵室内の冷気の流れを良くし、温度
分布をより均一にする冷蔵庫を提供することを目的とす
る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１の発明は、前面開口を有する断熱箱体内に
形成される貯蔵室と、この貯蔵室の背面板に形成された
冷気吹出部と、貯蔵室内に形成された冷気吸込部とを有
する冷蔵庫において、前記冷気吹出部は貯蔵室の略全幅
にわたって開口を有したことを特徴とする。

【００１２】請求項２の発明は、前面開口を有する断熱
箱体内に形成される貯蔵室と、この貯蔵室の背面板に形
成された冷気吹出部と、貯蔵室内に形成された冷気吸込
部とを有する冷蔵庫において、前記冷気吹出部の開口に
ハニカム形状の格子枠を有することを特徴とする。

【００１３】請求項３の発明は、請求項１または２に記
載の冷蔵庫において、前記貯蔵室内に棚を配置し、この
棚で区画された区域の背面板上部に前記冷気吹出部を配
設したことを特徴とする。

【００１４】請求項４の発明は、前面開口を有する断熱
箱体内に形成される貯蔵室と、この貯蔵室の背面板に形
成された冷気吹出部と、貯蔵室内に形成された冷気吸込
部とを有する冷蔵庫において、前記冷気吸込部は前記貯
蔵室内の前部下面に貯蔵室の略全幅にわたって開口を有
したことを特徴とする。

【００１５】請求項５の発明は、請求項４記載の冷蔵庫
において、前記冷気吸込部はハニカム形状の格子枠を有
することを特徴とする。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下この発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。なお、図４と同一の構成要素には
同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。

【００１７】図１は本発明の一実施形態における冷蔵庫
の縦断面図である。図１において、冷蔵庫１の本体２
は、前方に開口する鋼板製の外箱３と、この外箱３内に
間隔を持たせて組み込まれた前方に開口する合成樹脂製
の内箱４と、これら外箱３と内箱４間に充填発泡された
発泡ポリウレタン断熱材５とから構成されている。内箱
４は仕切壁６にて上下に区画され、上から順に、冷蔵室
７、野菜室８、冷凍室９が形成されている。冷蔵室７の
前面開口は回転式扉１２Ａ、野菜室８および冷凍室９の
前面開口は引き出し式扉１２Ｂ、１２Ｃで開閉自在に密
閉されている。

【００１８】冷凍室９の後部には、冷却室１３が設けら
れ、この冷却室１３内に冷却器１４が縦設されている。
冷却器１４の上方には冷却ファン１５が設けられ、その
上方には、冷却室１３から冷蔵室７、野菜室８に冷気を
供給するための冷気通路となる冷気ダクト１６と、この
冷気ダクト１６への冷気量をコントロールするダンパ１
７とが設けられ、冷蔵室７内に設けられた温度センサ２
１で貯蔵室の雰囲気温度を検知して制御部（図示せず）
によりダンパ１７の開閉を制御している。

【００１９】また、冷凍室９の後上部には冷気の吹出部
２４、後下部には冷気の吸込部２５、吹出部２４と吸込
部２５との間に温度センサ２３が設けられており、この
温度センサ２３により検知される冷凍室９の雰囲気温度
に基づき、制御部（図示せず）が、周知の冷凍サイクル
を構成して冷却器１４を冷却する圧縮機（図示せず）及
び前記冷却ファン１５をオン／オフ制御している。

【００２０】図２は本発明の一実施形態における冷蔵室
の縦断面図である。冷蔵室７の後部には背面板１８が形
成され、背面板１８の所定位置には冷蔵室７の雰囲気温
度を検知する温度センサ２１が設けられている。冷蔵室
７内には食品等を載置する複数の棚２６、２６・・が設
けられ、これら棚２６に区画された区域毎に、区域上部
の背面板１８に冷気吹出部２７（以下単に吹出部とい
う）が設けられている。また、冷蔵室７の前下部には冷
気吸込部２８（以下単に吸込部という）が設けられてい
る。

【００２１】冷蔵室７内には、図１に示すように、前記
冷却室１３内に設けられた冷却ファン１５により、冷気
ダクト１６、ダンパ１７を通して、冷蔵室７の後部の吹
出部２７からそれぞれの棚２６に区画された区域内に冷
気を供給する。吹き出された冷気が、それぞれの棚２６
を通って棚２６で区画された区域を冷蔵に適した温度に
保ち、前部に送られる。前部に送られた冷気が下降し、
吸込部２８から吸い込まれる。

【００２２】図３は冷蔵室内を示す正面図である。冷蔵
室７の後部に設けられた背面板１８には、天井面のすぐ
下およびそれぞれの棚２６のすぐ下に、冷蔵室７のほぼ
横幅と同じ幅の吹出部２７が設けられ、この吹出部２７
の開口には、ハニカム形状の格子枠３１が嵌め込まれて
いる。

【００２３】冷蔵室７の前下部には、冷蔵室７のほぼ横
幅と同じ幅の吸込部２８が設けられ、この吸込部２８の
開口には、ハニカム形状の格子枠３２が嵌め込まれてい
る。この吸込部２８に連通して仕切壁６内に通風路３３
が設けられている。

【００２４】このように、吹出部２７が冷蔵室７の横幅
のほぼ全幅にわたって形成されているので、従来のよう
な部分的に配置された吹出部２７と異なり、棚２６に多
くの食品が保存されていたとしても、冷気の流れが滞る
こと無く、冷気が食品の間や上のスペースを通って流
れ、冷気を十分円滑に流すとともに食品を冷蔵温度に保
つことができる。

【００２５】また、吸込部２８が冷蔵室７の前下部の横
幅、ほぼ全幅にわたって形成されているので、冷蔵室７
の後部からそれぞれの棚２６を通って前部で下降した冷
気を、吸込部２８全体で受け止め吸い込ませることがで
き、従来のような部分的に配置された吸込部３８と異な
り、吸込部２８の端に冷気の流れない区域ができるよう
なことはない。

【００２６】また、ハニカム形状の格子３１、３２はス
リット形状の格子に比べ、まっすぐな冷気の流れを作
り、棚２６で区画された区域の手前から奥までの温度分
布の差を少なくし、より均一な温度に保持することがで
きる。また、扉１２Ａが開閉されて棚２６の手前に置か
れた食品や扉棚に置かれた食品の温度が上昇しても、ま
っすぐな冷気の流れがより手前まで流れ、急冷すること
ができる。

【００２７】冷蔵庫１の大容量化により冷蔵室７の横幅
が広くなった場合でも、この横幅の全幅にわたって吹出
部２７および吸込部２８を形成し、棚２６の上の食品を
全幅から吹き出して冷やし、全幅で吸い込むことによ
り、冷蔵室７内の冷気の流れる流路をより広い幅の範囲
に作り、両側部分まで冷気が渡り、冷蔵室７内の温度を
ムラなくより均一に冷やすことができ、食品類を充分に
冷却することができる。

【００２８】以上、一実施形態に基づいて本発明を説明
したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実
施形態では冷蔵室７で説明しているが、冷蔵室７に限ら
ず、野菜室８、冷凍室９等、他の貯蔵室においても、吹
出部２７、吸込部２８を全幅にわたってハニカム形状の
格子で形成すると良く、これにより、冷気の流れを前後
左右にわたって円滑にし、冷えムラをより少なくし、食
品を充分に冷却することができる。

【００２９】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、冷
蔵庫本体の貯蔵室に、貯蔵室の全幅にわたって開口を有
する冷気吹出部と吸込部とを形成したことにより、吹出
部の一部が塞がれても、冷気を吹き出すことができて冷
却の供給不足にならず、また、吸込部への冷気の流れが
全幅にわたっているので、両側いっぱいに冷気が流れる
ように吸い込み、貯蔵室内をムラのない、より均一な温
度に保つことができる。

【００３０】また、ハニカム形状の格子枠を設けたこと
により、スリット形状の格子枠に比べ、よりまっすぐに
冷気を吹き出し、冷気の到達範囲を広げ貯蔵室内の吹出
部から吸込部までをより均一な温度に保つことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態における冷蔵庫の縦断面図
である。

【図２】本発明の一実施形態における冷蔵室の縦断面図
である。

【図３】本発明の一実施形態における冷蔵室内を示す正
面図である。

【図４】従来の貯蔵室内の一例を示す正面図である。

【符号の説明】

１ 冷蔵庫 ２ 冷蔵庫本体 ３ 外箱 ４ 内箱 ５ 断熱材 ６ 仕切壁 ７ 冷蔵室 ８ 野菜室 ９ 冷凍室 １２Ａ 冷蔵室扉 １２Ｂ 野菜室扉、 １２Ｃ 冷凍室扉 １３ 冷却室 １４ 冷却器 １５ 冷却ファン １６ 冷気ダクト １７ ダンパ １８ 背面板 ２１ 冷蔵室温度センサ ２２ 野菜室温度センサ ２３ 冷凍室温度センサ ２４ 吹出部 ２５ 吸込部 ２６ 棚 ２７ 吹出部 ２８ 吸込部 ３１ ハニカム形状の吹出部格子枠 ３２ ハニカム形状の吸込部格子枠 ３７ 吹出部 ３８ 吸込部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面開口を有する断熱箱体内に形成され
   る貯蔵室と、この貯蔵室の背面板に形成された冷気吹出
   部と、貯蔵室内に形成された冷気吸込部とを有する冷蔵
   庫において、 前記冷気吹出部は貯蔵室の略全幅にわたって開口を有し
   たことを特徴とする冷蔵庫。
2. 【請求項２】 前面開口を有する断熱箱体内に形成され
   る貯蔵室と、この貯蔵室の背面板に形成された冷気吹出
   部と、貯蔵室内に形成された冷気吸込部とを有する冷蔵
   庫において、 前記冷気吹出部の開口にハニカム形状の格子枠を有する
   ことを特徴とする冷蔵庫。
3. 【請求項３】 前記貯蔵室内に棚を配置し、この棚で区
   画された区域の背面板上部に前記冷気吹出部を配設した
   ことを特徴とする請求項１または２に記載の冷蔵庫。
4. 【請求項４】 前面開口を有する断熱箱体内に形成され
   る貯蔵室と、この貯蔵室の背面板に形成された冷気吹出
   部と、貯蔵室内に形成された冷気吸込部とを有する冷蔵
   庫において、 前記冷気吸込部は前記貯蔵室内の前部下面に貯蔵室の略
   全幅にわたって開口を有したことを特徴とする冷蔵庫。
5. 【請求項５】 前記冷気吸込部はハニカム形状の格子枠
   を有することを特徴とする請求項４記載の冷蔵庫。