JP3292680B2 - グレーチングの溝体への敷設方法 - Google Patents

グレーチングの溝体への敷設方法

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JP3292680B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、U字形状の溝体の
上端に嵌めて、その溝体の上部開口部に敷設するグレー
チングの溝体への敷設方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】グレーチングは長方形の枠体の内側に、
ベアリングバー2・連結バー3等の支承材を格子状に配
設した基本形状を有し、溝側壁を対向立設したコンクリ
ート製の横断面U字形状の溝体の上端に嵌めて装着さ
れ、その上面を車輌や歩行者が通行できるようにして使
用される。そして、そのグレーチングは溝体の掃除や保
守点検・交換が自由に行えるように、溝体から外し可能
の状態に敷設される。
【0003】以上のグレーチングの溝体への敷設方法は
以下の手順・手法によって行われている。即ち、図2参
照、まずグレーチング1を敷設する溝体10を形成する
において、溝体10の左右の溝側壁11A・11Bのコ
ンクリート型枠14を、溝体10の底となるコンクリー
ト台盤15の上に立設配設する。そして、そのコンクリ
ート型枠14は溝側壁11A・11Bの両面を枠囲いす
る内側型板12と外側型板13を対向立設したものが用
いられ、それぞれの内側型板12は上端内側に、長手方
向に伸長する角材20を釘止め打設すると共に、その角
材20の外周に、アンカーボルト22つきアングル材2
1が外側下側コーナーに嵌めて釘止め添着され、溝側壁
11A・11Bを打設するためのコンクリート型枠14
が形成される。
【0004】続いて、そのコンクリート型枠14の上部
開口部から生コンクリート23を打設し、コンクリート
固化後に、アングル材21を残したまま角材20を含む
コンクリート型枠14を外して、上端内側にグレーチン
グ装着凹溝24を有する一対の溝側壁11A・11Bを
形成する。そして、そのグレーチング装着凹溝24にグ
レーチング1を嵌め外し自在にして嵌め着け装着され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上の従来の溝体10
の形成方法とグレーチングの敷設方法は、予め所定形状
にコンクリート形成した溝体10に、グレーチング1を
後付け装着するので、ツーステップ工法となり作業プロ
セスが煩雑化して手数がかかる。そして、溝側壁11A
・11Bにグレーチング装着凹溝24を設けるために、
コンクリート型枠14に角材20やアングル材21を取
付け固定する作業が必要になるので、コンクリート型枠
14の構造が複雑化して、コンクリート打設前の型枠設
定に手数と時間がかかると共にコスト高になる。
【0006】そして、規格化して工場量産したグレーチ
ングを、基準寸法に一律統一して形成した溝体に装着す
るので、工場量産によって避け得ない「形状ばらつき」
「寸法ばらつき」が存在するグレーチングと溝体の間に
がたつきが生じ、車体等の通過時に「がたがた」するも
のがある品質上の不具合がある。本発明は、以上の従来
技術の難点を解消するグレーチングの溝体への敷設方法
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の技術課題を解決す
る本発明は「溝体の左右の溝側壁を、内側型板と外側型
板を対向立設したコンクリート型枠にコンクリート打設
して形成し、前記溝体の上部開口部にグレーチングを着
脱自在に嵌めて敷設するにおいて、前記コンクリート型
枠の内側型板を対となる外側型板より、前記グレーチン
グの高さ分だけ低く設定すると共に、前記グレーチング
にコンクリート非接着質のフィルムまたはペーパーを巻
き着けた皮膜つきグレーチングを前記内側型板の上端に
載設して、該皮膜つきグレーチングの左右側端部分の若
干を対となる前記外側型板の方向へ突き出してセット
し、しかるのち、前記型枠にコンクリートを打設すると
共に、コンクリート固化後に前記皮膜を除去し、前記溝
体を成形すると同時に前記グレーチングを溝体へ敷設装
着することを特徴とするグレーチングの溝体への敷設方
法」に成っている。
【0008】即ち、本発明のグレーチングの敷設方法
は、コンクリート非接着質の樹脂フィルムまたはペーパ
ーの皮膜を有するグレーチングをコンクリート型枠の一
部として利用し、コンクリートとグレーチングの直接接
合を回避して「溝体のコンクリート打設成形 と「溝体
へ着脱自在に装着するグレーチングの敷設」を同時に行
うものである。
【0009】なお、前記のグレーチングの敷設方法にお
けるフィルム・ペーパーからなる皮膜は、グレーチング
の全外周に設ける必要はなく、少くとも「溝体成形のた
めに打設するコンクリートと接合する左右側端部分」と
「コンクリート打設作業時に、コンクリート付着や土足
による汚損を生じ易い上面」に存在すれば良い。
【0010】
【作用】以上の本発明のグレーチングの溝体への敷設方
法は、打設コンクリートとグレーチングの接合部位にコ
ンクリート非接着質の皮膜が介在するので、コンクリー
トとグレーチングとの接着がなく溝体のコンクリート打
設と溝体へ脱着自在に敷 設装着するグレーチングの敷設
が同時に可能になると共に、前記従来の角材20・アン
グル材21は無用にしてコンクリート型枠14の構造と
設定作業が簡素化され、型枠設定からグレーチング敷設
に至る一連の工事プロセスが簡素化し能率化する。
【0011】そして、コンクリート打設時のグレーチン
グは、表面や側端部分が皮膜によって保護されるのでそ
の打設作業時にコンクリートが付着したり土足による汚
れ発生のおそれがなく、美麗な外観状態を維持すること
ができると共に、溝体成形が「プレセットしたグレーチ
ングの側端部分をコンクリート型枠の一部とする工事手
法」であることから、成形された溝体と個個のグレーチ
ングの相互の接合部分の形状は「ピタッ」とフィット
し、両者の間にがたつきが発生することはない。
【0012】
【発明の実施の形態】まず、本発明のグレーチングの溝
体への敷設方法の一実施形態を図1に基づいて説明す
る。即ち、金属製帯材の帯幅方向を縦にして所要間隔で
並設したベアリングバー2と、ベアリングバー2の中間
上端に喰い込ませ溶着して直交状に配設した連結バー3
と(図示の連結バー3は角棒をねじったツイストバ
ー)、ベアリングバー2の両端に長方形一枚板の側板4
を溶着した長方形格子体のグレーチング1を、横断面U
字の溝体10に敷設するにおいて、まずグレーチング1
は、前後端面を除くグレーチング1の横断方向の全面に
樹脂フィルム5を巻き着けて、上下両面と左右側端の側
板4に樹脂質フィルム5からなる皮膜6を設け、この皮
膜6がたるんだり皺にならないように緊着してグレーチ
ング1を包み込んだ皮膜つきグレーチング1Aに加工さ
れる。
【0013】そして、溝体10を設ける現地において
は、溝体10の左右の溝側壁11A・11Bを形成する
内側型板12と外側型板13からなるコンクリート型枠
14を、コンクリート台盤15上にセットすると共に、
その内側型板12を外側型板13よりグレーチング1の
高さHに相当する分だけ低くしてセットする。そして、
そのセットによって対向する一対の内側型板12に皮膜
つきグレーチング1Aを 載置して、左右側端部分の若干
を対となる外側型板13の方向へ突き出す突出部7を設
けてセットする。
【0014】しかるのち、その左右一対のコンクリート
型枠14の上方開口部から生コンクリート23を打設し
て固化させ、その固化後にコンクリート型枠14を外す
と共にグレーチング1の皮膜6を剥離除去し、溝体10
のコンクリート成形と同時に、その溝体10の上部開口
部にグレーチング1を着脱自在に装着敷設する。なお、
皮膜6の剥離は、グレーチング1が溝体10に敷設され
ている状態で露出している部分のみを剥ぎ取ったり、或
は、溝体10が小形にして作業者が溝体10に入れない
ときには、そのグレーチング1を溝体10から一旦外し
て、内側型板12の除去と同時に剥離される。かくし
て、溝体10へのグレーチング1の敷設が終了する。
【0015】なお、本発明のグレーチングの溝体への敷
設方法は、前記の実施例に限定されず皮膜6をコンクリ
ート非接着質のペーパーによって形成することがある。
【0016】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明のグレーチ
ングの溝体への敷設方法は、コンクリート溝体の成形と
溝体へのグレーチングの敷設セットが同時に可能にな
り、その一連の工事プロセスが簡素化能率化して工期短
縮と工事コスト低減が促進される。そして、工事型枠に
プレセットしたグレーチングの一部をコンクリート型枠
として利用するので、溝体とグレーチングとのフィット
性が極めて良く、グレーチングの溝体に対する「ガタガ
タ」騒音を防止してグレーチングの溝体への敷設品質を
向上する。以上の諸効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施形態のグレーチングの溝体への敷
設方法を示し、(A)はグレーチングへ皮膜を設ける加
工方法を示す斜視図、(B)はその敷設方法の手順・工
法を示す正面図
【図2】従来のグレーチングの溝体への敷設方法の説明
【符号の説明】
1 グレーチング 2 ベアリングバー 3 連結バー 4 左右側板 5 フィルム 6 皮膜 7 突出部 10 溝体 11A・11B 溝側壁 12 内側型板 13 外側型板 14 コンクリート型枠 20 角材 21 アングル材 23 生コンクリート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03F 5/06 E03F 5/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溝体の左右の溝側壁を、内側型板と外側
    型板を対向立設したコンクリート型枠にコンクリート打
    設して形成し、前記溝体の上部開口部にグレーチングを
    着脱自在に嵌めて敷設するにおいて、前記コンクリート
    型枠の内側型板を対となる外側型板より、前記グレーチ
    ングの高さ分だけ低く設定すると共に、前記グレーチン
    グにコンクリート非接着質のフィルムまたはペーパーを
    巻き着けた皮膜つきグレーチングを前記内側型板の上端
    に載設して、該皮膜つきグレーチングの左右側端部分の
    若干を対となる前記外側型板の方向へ突き出してセット
    し、しかるのち、前記型枠にコンクリートを打設すると
    共に、コンクリート固化後に前記皮膜を除去し、前記溝
    体を成形すると同時に前記グレーチングを溝体へ敷設装
    着することを特徴とするグレーチングの溝体への敷設方
    法。
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