JP3290477B2 - 固体電解コンデンサの製法 - Google Patents

固体電解コンデンサの製法

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JP3290477B2
JP3290477B2 JP28624592A JP28624592A JP3290477B2 JP 3290477 B2 JP3290477 B2 JP 3290477B2 JP 28624592 A JP28624592 A JP 28624592A JP 28624592 A JP28624592 A JP 28624592A JP 3290477 B2 JP3290477 B2 JP 3290477B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体電解コンデンサの製
法に関する。さらに詳しくは、固体電解コンデンサの内
部に電解質となる二酸化マンガン層を均一かつ高品質に
形成することにより、電気的特性を向上させることがで
きる固体電解コンデンサの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より知られている固体電解コンデン
サは、つぎのように製造される。
【0003】まず、タンタル、アルミニウム、ニオブな
どの金属粉末を成形し、焼結することにより陽極素子を
形成する。ついで、陽極酸化などにより、前記金属粉末
の周囲に酸化皮膜を形成する。ついで、硝酸マンガン水
溶液に前記酸化皮膜が形成された陽極素子を浸漬させ、
引き出したのちに200 〜400 ℃で熱分解する。これを多
数回繰り返し、陽極素子内部の金属粉末周囲の前記酸化
皮膜上に二酸化マンガン層を形成する。そののち、陽極
素子の周囲にグラファイト層および銀層などからなる電
極とする金属層を形成することにより、固体電解コンデ
ンサが製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記二酸化マ
ンガン層形成工程では、焼結された金属粉末の周囲に均
一、かつ、一定厚さの二酸化マンガン層を形成するため
には、陽極素子内部へしみ込み易い低濃度の硝酸マンガ
ン水溶液を使用し、該水溶液への浸漬および引き上げ後
の熱分解を多数回繰り返さなければならない。そのた
め、酸化皮膜が熱劣化を起こし、漏れ電流が増大する。
また、前記熱分解の工数が増大するため、コストアップ
になるという問題もある。
【0005】また、高濃度の硝酸マンガン水溶液を用い
て、熱分解工程の回数を減らすことを考えると、二酸化
マンガン層が陽極素子の外周表面を覆ってしまい、硝酸
マンガン水溶液の陽極素子内部へのしみ込み量が低下し
てしまう。このため、酸化皮膜の表面に形成される二酸
化マンガン層は酸化膜を完全に覆うことができなくな
り、コンデンサ形成後の静電容量の減少または誘電正接
(損失係数)tanδの増大などの問題が生じ、歩留ま
りおよび品質の低下をもたらす。
【0006】さらに熱分解を200 〜400 ℃の高温常圧下
で行っているため、陽極素子内部まで充分昇温しようと
すると、陽極素子の表面温度が350 〜400 ℃に昇温する
ことがある。350 〜400 ℃まで高温になると、MnO2
が酸化してMn2 3 になる。Mn2 3 は比抵抗がM
nO2 の約10倍と大きいため、Mn2 3 が陽極素子表
面に形成されると電気伝導性が低下し、特性が劣化す
る。
【0007】本発明は、かかる問題を解消し、陽極素子
内部に均一かつ高品質な二酸化マンガン層を形成するこ
とにより、容量の低下または漏れ電流を抑制し、電気的
特性を向上させることができる固体電解コンデンサの製
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の固体電解コンデ
ンサの製法は、(a)金属粉末を成形して焼結すること
により、陽極素子を形成する工程、 (b)前記金属粉末および陽極素子の周囲に酸化皮膜を
形成する工程、 (c)前記酸化皮膜上に二酸化マンガン層を形成する工
程、および (d)前記陽極素子の周囲に金属層を形成する工程から
なる固体電解コンデンサの製法であって、前記二酸化マ
ンガン層の形成工程を、 (e)硝酸マンガン水溶液に前記陽極素子を浸漬したの
ち引き上げることにより陽極素子周囲に硝酸マンガン水
溶液を付着させる工程、 (f)周囲に硝酸マンガン水溶液を付着させた陽極素子
を減圧槽内に放置することにより該硝酸マンガン水溶液
を前記陽極素子内部に浸透させる工程、 (g)ついで硝酸マンガン水溶液が浸透した前記陽極素
子を環境温度(0〜60℃)から昇温することにより、硝
酸マンガン水溶液を減圧下で熱分解して二酸化マンガン
層を形成する工程の(e)〜(g)の3工程を連続して
行いながら、複数回繰り返すことを特徴としている。
【0009】
【0010】また、第2発明の固体電解コンデンサの製
法は、(a)金属粉末を成形して焼結することにより、
陽極素子を形成する工程、 (b)前記金属粉末および陽極素子の周囲に酸化皮膜を
形成する工程、 (c)前記酸化皮膜上に二酸化マンガン層を形成する工
程、および (d)前記陽極素子の周囲に金属層を形成する工程から
なる固体電解コンデンサの製法であって、前記二酸化マ
ンガン層の形成工程を、 (e)硝酸マンガン水溶液に前記陽極素子を浸漬したの
ち引き上げることにより陽極素子周囲に硝酸マンガン水
溶液を付着させ、 (f)周囲に硝酸マンガン水溶液を付着させた陽極素子
を減圧槽内に放置することにより該硝酸マンガン水溶液
を前記陽極素子内部に浸透させ、 ()ついで硝酸マンガン水溶液が浸透した前記陽極素
子を減圧下で環境温度(0〜60℃)から昇温し始め、温
度の上昇とともに大気圧に近づけ、分解終了時に大気圧
することにより、硝酸マンガン水溶液を熱分解して二
酸化マンガン層を形成することを特徴としている。そう
することにより、低級酸化物Mn2 3 が生成しづらい
点で好ましい。
【0011】ここに減圧下とは、100Torr 以下の真空雰
囲気をいう。
【0012】また、第発明の固体電解コンデンサの製
法は、(a)金属粉末を成形して焼結することにより、
陽極素子を形成する工程、 (b)前記金属粉末および陽極素子の周囲に酸化皮膜を
形成する工程、 (c)前記酸化皮膜上に二酸化マンガン層を形成する工
程、および (d)前記陽極素子の周囲に金属層を形成する工程から
なる固体電解コンデンサの製法であって、前記二酸化マ
ンガン層の形成工程を、 (h)減圧層内で硝酸マンガン水溶液に前記陽極素子を
浸漬し、前記硝酸マンガン水溶液を前記陽極素子内部に
浸透させ、 (g)ついで硝酸マンガン水溶液が浸透した前記陽極素
子を減圧下で昇温することにより、硝酸マンガン水溶液
を熱分解して二酸化マンガン層を形成することを特徴と
している。
【0013】また、第4発明の固体電解コンデンサの製
法は、(a)金属粉末を成形して焼結することにより、
陽極素子を形成する工程、 (b)前記金属粉末および陽極素子の周囲に酸化皮膜を
形成する工程、 (c)前記酸化皮膜上に二酸化マンガン層を形成する工
程、および (d)前記陽極素子の周囲に金属層を形成する工程から
なる固体電解コンデンサの製法であって、前記二酸化マ
ンガン層の形成工程を、 (h)減圧層内で硝酸マンガン水溶液に前記陽極素子を
浸漬し、前記硝酸マンガン水溶液を前記陽極素子内部に
浸透させ、 ()ついで硝酸マンガン水溶液が浸透した前記陽極素
子を減圧下で昇温し始め、温度の上昇とともに大気圧に
近づけ、分解終了時に大気圧にすることにより、硝酸マ
ンガン水溶液を熱分解して二酸化マンガン層を形成する
ことを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の二酸化マンガン形成工程の方法によれ
ば、まず硝酸マンガン水溶液に陽極素子を浸漬させて引
き上げたのち減圧槽内に放置することにより、表面に付
着した硝酸マンガン水溶液の表面張力が低下して、硝酸
マンガン水溶液が陽極素子内部に浸透しやすくなる。し
たがって高濃度の硝酸マンガン水溶液でも効果的に浸透
させることができる。そののち、熱分解することによ
り、均一かつ一定厚さの二酸化マンガン層を形成でき
る。
【0015】さらに、減圧下で熱分解すると比較的低温
で熱分解し、高温にし過ぎるおそれもないため、比抵抗
の大きいMn2 3 なども生成せず、特性が向上する。
【0016】さらに、第2発明の二酸化マンガン形成工
程の方法によれば、減圧槽内で硝酸マンガン水溶液に陽
極素子を浸漬し、前記硝酸マンガン水溶液を前記陽極素
子内部に浸透させることにより、焼結体内の空隙の気泡
が抜け易く、硝酸マンガン水溶液を陽極素子内部に効果
的に浸透させることができる。
【0017】
【実施例】つぎに図面を参照しながら、本発明の固体電
解コンデンサの製法について説明する。
【0018】図1は、本発明の一実施例であるタンタル
電解コンデンサの製造工程を示す説明図、図2は図1の
製造工程における二酸化マンガン層形成工程を示す説明
図である。
【0019】まず、金属粉末を成形して焼結することに
より、陽極素子1を形成する(図1(a)参照)。具体
例としては、タンタル粉末を一辺1mm程度の直方体状
に成形し、その上面から内部にワイヤ2を埋め込んだの
ち、焼結して陽極素子1を形成する。
【0020】つぎに、前記金属粉末および陽極素子1の
周囲に酸化皮膜3を形成する(図1(b)参照)。具体
例としては、陽極素子1を0.1 重量%(以下、単に%で
表示する)リン酸水溶液4に浸漬し、20〜100 Vで、2
〜10時間の陽極酸化を行うことにより、陽極素子1の表
面およびその内部の金属粉末の表面、ならびにワイヤ2
の一部表面に酸化皮膜3、すなわち五酸化タンタル(T
2 5 )膜を形成する。
【0021】つぎに、前記酸化皮膜3上に二酸化マンガ
ン層5を形成する(図1(c)、(d)参照)。この二
酸化マンガン層5の形成法は、硝酸マンガン水溶液6に
前記陽極素子1を浸漬した(図2(a)参照)のち、引
き上げることにより陽極素子の周囲に硝酸マンガン水溶
液を付着させ、ついで硝酸マンガン水溶液が付着した陽
極素子を減圧槽7内に放置する(図2(b)参照)こと
により前記硝酸マンガン水溶液を前記陽極素子1内部に
浸透させ、そののちたとえば、減圧下において硝酸マン
ガンを環境温度(0〜60℃)から昇温させて熱分解する
(図2(c)参照)ことにより二酸化マンガン層5を形
成する。
【0022】ここで陽極素子1を浸漬する硝酸マンガン
水溶液の濃度は13.9〜74.5%のものが好ましく、57.5〜
68.0%であればさらに好ましい。これはあまり濃度が薄
いと陽極素子内部への浸透はし易いが、分解してできる
二酸化マンガンの量が少なく、また一般には濃度が濃い
と陽極素子内部に浸透しにくいが、本発明により減圧下
におくことにより濃度が濃くても比較的浸透し易いから
である。また、減圧槽内の圧力としては100Torr 以下で
あることが好ましく、とくに好ましいのは10-1〜10-3To
rrである。これは減圧の圧力が低い程陽極素子内部への
浸透は進行し易いが、10-3Torr以下になると浸透し易さ
はあまり変わらない反面設備が高価になるからである。
また減圧下におく時間は1〜5分間放置すれば充分内部
まで浸透する。さらに、硝酸マンガン水溶液の分解は大
気圧では195 〜250 ℃で10〜60分間の加熱処理を行うこ
とにより、分解して二酸化マンガン層が生成される。一
方、この硝酸マンガン水溶液の熱分解は減圧下で行うと
低温度で分解できる。たとえば76Torrの減圧下では200
℃で分解し、前述の硝酸マンガン水溶液を浸透させた減
圧槽内の減圧下で熱分解することが好ましい。さらに減
圧して10-1〜10-3Torrの減圧下では、180 〜80℃で熱分
解するため、一層好ましい。このように減圧下では比較
的低い温度で熱分解することができるため、温度が少々
上昇し過ぎてもMnO2 がさらに酸化して高抵抗のMn
2 3 が生成することはない。また減圧しているため、
雰囲気ガスにはあまり影響を受けないが、チッ素雰囲気
下であれば、Mn2 3 の生成防止の点で好ましい。
【0023】さらに、減圧下で前記陽極素子の熱分解を
行う際に、減圧下で昇温を始め、温度の上昇とともに常
圧に近づけ、分解終了時に大気圧になるように、加熱温
度および真空度を制御すれば、陽極素子の外側付近での
分解防止およびMn2 3 の生成防止の点で好ましい。
【0024】また、他の製法として、前述の浸漬してか
ら減圧する代わりに減圧槽内で硝酸マンガン水溶液に陽
極素子を浸漬し、前記硝酸マンガン水溶液を前記陽極素
子内部に浸透させてもよい。なお、その他の工程は前述
と同様の工程を行う。減圧の程度も前述と同程度で行
う。また、減圧下で陽極素子を硝酸マンガン水溶液に浸
漬するばあい、陽極素子の上面が硝酸マンガン水溶液の
液面と同じ高さまたは上になるように、硝酸マンガン水
溶液に浸漬させると、焼結体内部の空隙から気泡が抜け
易く好ましい。この減圧下で1〜5分間硝酸マンガン水
溶液中に浸漬することにより、前述の製法と同様に、効
果的に陽極素子内部に硝酸マンガン水溶液を浸透させる
ことができる。
【0025】さらに、浸透後、続いて減圧槽内で熱分解
を行えば、前述と同様に比較的低い温度で熱分解するこ
とができる。
【0026】具体例としては、酸化皮膜3を有する陽極
素子1を濃度75%の硝酸マンガン水溶液6に約1秒間浸
漬させ、引き上げたのち減圧槽7に入れ、酸素雰囲気の
76Torrの減圧下で陽極素子1を5分間放置して付着した
硝酸マンガン水溶液を前記陽極素子1内部に浸透させ
た。減圧槽7はポンプPを作動させて内部の空気を吸い
出すことにより、76Torrまで減圧される。つぎにそのま
ま減圧下で、約200 ℃に昇温して約10分間熱分解させ
た。叙上の浸透−減圧−熱分解の工程を3回繰り返した
のち、電解二酸化マンガンの微細粒子(平均粒径が0.2
μm程度)と濃度64%の硝酸マンガン水溶液とを1:10
の重量の割合で混合した分散液中に陽極素子1を浸漬さ
せて硝酸マンガン水溶液を周囲に付着させたのち、常圧
分解炉にて、230 ℃で分解させ、陽極素子1の側壁周囲
に二酸化マンガン層5を形成した。
【0027】ついで、前記陽極素子1の周囲に金属層を
形成する(図1(e)参照)。具体例としては、グラフ
ァイト分散液またはそのペースト内に陽極素子1を上面
が漬からない程度の深さで浸漬し、焼成してグラファイ
ト層10を電極下地層として形成する。さらに、えられた
陽極素子を銀含有液またはそのペースト内に上面が漬か
らない程度の深さで浸漬したのち、乾燥して銀層11を電
極外層として形成する。前記電極下地層となるグラファ
イト層10および電極外層となる銀層11は、コンデンサの
一方の電極となる。このばあい、銀層11に代えてNiメ
ッキ層を電極外層に採用することもできる。なお、他方
の電極はワイヤ2である。ついで、陽極、陰極双方の外
部リード端子を接続し、エポキシ樹脂などを用いて外装
を行えば製造は完了する(図示せず)。
【0028】また、熱分解の他の条件として、たとえば
10-1Torrの減圧下で約150 ℃に昇温して約10分間熱分解
を行ったが、同様に二酸化マンガン層を形成できた。こ
のばあい、前述の76Torrの減圧下のばあいに比べ、一層
低い温度で熱分解ができ、好ましい。
【0029】つぎに、本発明の製法によってえられたタ
ンタル電解コンデンサ(試料1)の特性を従来の製法に
よりえられたタンタル電解コンデンサ(試料2)と対比
させて表1に示す。なお、熱分解の回数は本実施例の試
料1では3回で行ったが、従来例の試料2では9回で行
っている。
【0030】また、コンデンサの仕様は4V、4.7 μF
である。
【0031】
【表1】
【0032】ここで容量低下率とは,入力パルスが100k
Hzのときの静電容量を入力パルスが120Hz のときの静電
容量で除してえられる比率である(単位は%)。
【0033】表1からわかるように、本発明の製法によ
ってえられた試料1のコンデンサは熱分解の回数が、従
来の製法によってえられた試料2のコンデンサよりも少
ないにもかかわらず、容量低下率、誘電正接(損失係
数)tanδおよび漏れ電流も大幅に低減されているこ
とがわかる。
【0034】なお、前記実施例では、浸漬−減圧−熱分
解の工程において熱分解を減圧下で行っているが、大気
圧で行ってもよい。このばあい、前述のように温度が上
り過ぎてMn2 3 が生成しないように、温度、時間を
制御する必要がある。
【0035】以上説明した実施例ではタンタルからなる
固体電解コンデンサの例で説明したが、タンタル以外の
アルミニウムまたはニオブなどの固体電解コンデンサを
製造するばあいでも、本発明を使用することにより同様
の効果がえられる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、硝酸マンガン水溶液へ
の浸漬と熱分解の回数を少なくすることができるため、
工数を低減でき、コストダウンを達成できるとともに、
コンデンサ素子内部に充分に硝酸マンガン水溶液を内部
にしみ込ませることができ、二酸化マンガン層を充分に
形成できる。さらに、酸化皮膜の熱劣化も防ぐことがで
き、漏れ電流を大幅に低減することができると共に、内
部まで均一かつ高品質の二酸化マンガン層を形成できる
ため、容量低下を防ぎ、誘電正接(損失係数)tanδ
および漏れ電流も大幅に低減することができる。したが
って、高信頼性でしかも高性能の固体電解コンデンサを
うることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるタンタル電解コンデン
サの製造工程を示す説明図である。
【図2】図1の製造工程における二酸化マンガン層形成
工程の詳細を示す説明図である。
【符号の説明】
1 陽極素子 3 酸化皮膜 5 二酸化マンガン層 6 硝酸マンガン水溶液 7 減圧槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−215918(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)金属粉末を成形して焼結すること
    により、陽極素子を形成する工程、 (b)前記金属粉末および陽極素子の周囲に酸化皮膜を
    形成する工程、 (c)前記酸化皮膜上に二酸化マンガン層を形成する工
    程、および (d)前記陽極素子の周囲に金属層を形成する工程から
    なる固体電解コンデンサの製法であって、 前記二酸化マンガン層の形成工程を、 (e)硝酸マンガン水溶液に前記陽極素子を浸漬したの
    ち引き上げることにより陽極素子周囲に硝酸マンガン水
    溶液を付着させる工程、 (f)周囲に硝酸マンガン水溶液を付着させた陽極素子
    を減圧槽内に放置することにより該硝酸マンガン水溶液
    を前記陽極素子内部に浸透させる工程、 (g)ついで硝酸マンガン水溶液が浸透した前記陽極素
    子を減圧下で昇温することにより、硝酸マンガン水溶液
    を熱分解して二酸化マンガン層を形成する工程の(e)
    〜(g)の3工程を連続して行いながら、複数回繰り返
    すことを特徴とする固体電解コンデンサの製法。
  2. 【請求項2】 (a)金属粉末を成形して焼結すること
    により、陽極素子を形成する工程、 (b)前記金属粉末および陽極素子の周囲に酸化皮膜を
    形成する工程、 (c)前記酸化皮膜上に二酸化マンガン層を形成する工
    程、および(d)前記陽極素子の周囲に金属層を形成す
    る工程 からなる固体電解コンデンサの製法であって、 前記二酸化マンガン層の形成工程を、 (e)硝酸マンガン水溶液に前記陽極素子を浸漬したの
    ち引き上げることにより陽極素子周囲に硝酸マンガン水
    溶液を付着させ、 (f)周囲に硝酸マンガン水溶液を付着させた陽極素子
    を減圧槽内に放置することにより該硝酸マンガン水溶液
    を前記陽極素子内部に浸透させ、 ()ついで硝酸マンガン水溶液が浸透した前記陽極素
    子を減圧下で昇温し始め、温度の上昇とともに大気圧に
    近づけ、分解終了時に大気圧にすることにより、硝酸マ
    ンガン水溶液を熱分解して二酸化マンガン層を形成する
    ことを特徴とする固体電界コンデンサの製法。
  3. 【請求項3】 (a)金属粉末を成形して焼結すること
    により、陽極素子を形成する工程、 (b)前記金属粉末および陽極素子の周囲に酸化皮膜を
    形成する工程、 (c)前記酸化皮膜上に二酸化マンガン層を形成する工
    程、および (d)前記陽極素子の周囲に金属層を形成する工程から
    なる固体電解コンデンサの製法であって、 前記二酸化マンガン層の形成工程を、 (h)減圧層内で硝酸マンガン水溶液に前記陽極素子を
    浸漬し、前記硝酸マンガン水溶液を前記陽極素子内部に
    浸透させ、 (g)ついで硝酸マンガン水溶液が浸透した前記陽極素
    子を減圧下で昇温することにより、硝酸マンガン水溶液
    を熱分解して二酸化マンガン層を形成することを特徴と
    する固体電解コンデンサの製法。
  4. 【請求項4】 (a)金属粉末を成形して焼結すること
    により、陽極素子を形成する工程、 (b)前記金属粉末および陽極素子の周囲に酸化皮膜を
    形成する工程、 (c)前記酸化皮膜上に二酸化マンガン層を形成する工
    程、および (d)前記陽極素子の周囲に金属層を形成する工程から
    なる固体電解コンデンサの製法であって、 前記二酸化マンガン層の形成工程を、 (h)減圧層内で硝酸マンガン水溶液に前記陽極素子を
    浸漬し、前記硝酸マンガン水溶液を前記陽極素子内部に
    浸透させ、 ()ついで硝酸マンガン水溶液が浸透した前記陽極素
    子を減圧下で昇温し始め、温度の上昇とともに大気圧に
    近づけ、分解終了時に大気圧にすることにより、硝酸マ
    ンガン水溶液を熱分解して二酸化マンガン層を形成する
    ことを特徴とする固体電界コンデンサの製法。
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