JP3289856B2 - 温度補正装置 - Google Patents

温度補正装置

Info

Publication number
JP3289856B2
JP3289856B2 JP25663593A JP25663593A JP3289856B2 JP 3289856 B2 JP3289856 B2 JP 3289856B2 JP 25663593 A JP25663593 A JP 25663593A JP 25663593 A JP25663593 A JP 25663593A JP 3289856 B2 JP3289856 B2 JP 3289856B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
lens
correction
focal length
subject distance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP25663593A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07110423A (ja
Inventor
弘 向井
康正 杉原
里詠子 長谷川
Original Assignee
ミノルタ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ミノルタ株式会社 filed Critical ミノルタ株式会社
Priority to JP25663593A priority Critical patent/JP3289856B2/ja
Publication of JPH07110423A publication Critical patent/JPH07110423A/ja
Priority to US08/667,488 priority patent/US5679946A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3289856B2 publication Critical patent/JP3289856B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/02Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
    • G02B7/028Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with means for compensating for changes in temperature or for controlling the temperature; thermal stabilisation

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温度補正装置に関する
ものであり、更に詳しくはプラスチックを多用した撮影
レンズの温度補正装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックを多用した撮影レンズの像
点位置は、温度変化によって大きく変動する。そのた
め、温度に応じて像点位置を正確に所定位置に補正する
必要がある。温度変化による像点位置の変動は、レンズ
バックの変動(いわゆるバック変動)となって表れるの
で、バック変動を補正するために、温度を測定する手段
及びレンズ位置を補正する手段が必要となる。これらの
手段を備えたものとして、IC(integrated circuit)内
に設けた温度測定装置で、カメラの制御データを補正す
る温度補正装置が提案されている(特開平4−4331
0号)。
【0003】また、プラスチックを多用した撮影レンズ
がズームレンズの場合、焦点距離によって温度変化に起
因するバック変動量が異なるため、特に温度に対して補
正をどのように行うかが課題となる。ズームレンズに用
いる温度補正装置としては、バック変動の補正(以下
「バック補正」ともいう。)をレンズ繰り出し量の補正
で行う構成(特開昭59−160107号)やプリセット
したフォーカス状態からの温度変化量に基づいてフォー
カス時にバック補正を行う構成(特開平3−18192
4号)が提案されている。また、温度測定データに基づ
き測距データを補正する構成(特開平4−320206
号)も提案されている。
【0004】また、ズームレンズではないが、温度変化
による焦点距離の変動量から倍率の変動量を演算し、演
算結果に基づいてフォーカスの調整を行う構成が提案さ
れている(特開平3−87801号,米国特許第512
4738号)。この場合のバック補正は、有限距離撮影
用として結像倍率が高い場合(製版用カメラに用いる場
合等)に必要となるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平4−
73627号では、温度検知用センサーの出力に基づい
て撮影レンズの温度変化傾向を予測することにより、応
答遅れを補正する構成が提案されているが、急激な温度
変化に対しては、温度予測を正確に行うことは困難であ
る。
【0006】一方、特開昭59−160107号,特開
平3−181924号,特開平4−320206号、特
開平3−87801号,米国特許第5124738号で
は、温度補正がズームとの関係,調整について考慮され
ておらず、焦点距離による像点位置の補正を直接行って
いないため、バック補正を正確に行うことができない。
【0007】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであって、撮影レンズの温度変化によって変動す
る像点位置を、所定位置に正確に補正することができる
撮影レンズの温度補正装置を提供することを目的とする
ものである。
【0008】上記目的を達成するため第1の発明の温度
補正装置は、焦点距離を変化させることにより結像倍率
が可変である撮影レンズの温度変化によって変動する像
点位置を所定位置に補正する撮影レンズの温度補正装置
において、前記撮影レンズの焦点距離を検出する焦点距
離検出手段と、温度測定手段と、前記焦点距離検出手段
で検出された焦点距離及び前記温度測定手段で測定され
た温度に基づいて、予め定められた複数の焦点距離ゾー
ンのいずれに該当するかを特定し、特定された焦点距離
ゾーンごとに予め設定された補正値を用いて前記撮影レ
ンズの繰り出し量の補正演算を行い、演算結果に基づい
て、前記像点位置の補正を行う演算制御手段と、を備え
たことを特徴としている。
【0009】測定する温度としては、例えば鏡胴内温度
であって、温度変化によるバック変動に最も影響を与え
るレンズ近傍の温度,鏡胴内の天空を望む90°の範囲
以外の範囲での温度,撮影レンズの外周での温度を採用
するのが好ましい。
【0010】また、第2の発明の温度補正装置は、上記
第1の発明の温度補正装置に加えて、被写体までの距離
を検出する被写体距離測定手段を備え、前記温度測定手
段で測定された温度及び前記被写体距離検出手段で検出
された被写体距離に基づいて、予め定められた複数の被
写体距離ゾーンのいずれに該当するかを特定し、特定さ
れた被写体距離ゾーンごとに予め設定された補正値を用
いて前記撮影レンズの繰り出し量の補正演算を行い、演
算結果に基づいて、前記像点位置の補正を行う演算制御
手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】上記第2の発明のように、更に被写体距離
を補正演算用のパラメータに加えることにより、焦点距
離、被写体距離及び温度によって前記繰り出し量の補正
演算を行うのが好ましい。被写体距離を撮影レンズの繰
り出し量の補正演算に用いる場合、被写体距離を測定す
る装置における温度補正のための演算を別途行うのが好
ましい。また、前記温度測定手段を撮影レンズ又は撮影
レンズが搭載される装置に設け、最終組立工程での撮影
レンズのピント位置調整を行うときに、温度測定手段で
測定された温度に基づいて、前記焦点距離ゾーンに対応
するように撮影レンズの基準繰り出し量を決定するのが
好ましい。
【0012】
【作用】第1の発明によれば、演算制御手段によって行
われる撮影レンズの繰出し量の補正演算は、焦点距離検
出手段で検出された焦点距離及び前記温度測定手段で測
定された温度に基づいて、予め定められた複数の焦点距
離ゾーンのいずれに該当するかを特定し、特定された焦
点距離ゾーンごとに予め設定された補正値を用いて行わ
れるので、撮影レンズの焦点距離が変化した場合でも、
温度変化による像点位置の補正は当該焦点距離に対応し
て行われる。
【0013】第2の発明によれば、温度測定手段で測定
された温度及び被写体距離検出手段で検出された被写体
距離に基づいて、予め定められた複数の被写体距離ゾー
ンのいずれに該当するかを特定し、特定された被写体距
離ゾーンごとに予め設定された補正値を用いて行われる
ので、撮影レンズの焦点距離や被写体距離が変化した場
合でも、温度変化による像点位置の補正は当該焦点距離
及び被写体距離に対応して行われる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。まず、本発明の第1実施例について説明する。
先に述べたように、プラスチックを多用したズームレン
ズは、温度変化によって像点位置が変動しやすいため、
像点位置を所定位置に正確に補正する必要がある。第1
実施例の特徴は、プラスチックを多用したズームレンズ
において、撮影レンズの鏡胴内の温度を測定する温度検
知用のセンサーを設け、測定された温度に基づいて像点
位置を補正することにある。
【0015】図1は、第1実施例が用いられた撮影レン
ズを含むレンズシャッターカメラの構成を断面的に示し
ている。この撮影レンズは、2群ズーム構成となってい
る。1群は1群玉枠3に固定されており、2群は2群玉
枠4に固定されている。固定鏡胴5に1群用繰り出しの
カムと2群用繰り出しのカムが構成されており、1群が
保持される第1移動鏡胴1と,2群が保持される第2移
動鏡胴2が回転することにより、各群が繰り出される。
シャッター7は、2群の前に取り付けられている。同図
中、6は外装、FLはフィルム面,TBは鏡胴,BDは
カメラボディーを表している。
【0016】第1実施例では、温度センサーSEは鏡胴
TBの中に配置され、鏡胴内温度を測定することで、間
接的に撮影レンズの温度を測定する構成となっている。
バック補正は、温度センサーSEで測定された温度に基
づいて行われる。また、温度センサーSEは、温度変化
による像点移動(バック変動)に最も大きな影響を与える
レンズの近傍に配置するのが好ましい。第1実施例で
は、当該レンズは第2レンズG2に相当する。第2レン
ズG2近傍に温度センサーSEを配置することによっ
て、カメラの環境温度が急激に変化したとしても、像点
移動を生じさせる撮影レンズの温度がバック補正に正確
に反映され、その結果、温度変化によるバック変動の補
正を正確に行うことが可能となる。
【0017】次に、第1実施例に使用することができる
他のズームレンズのレンズデータを示す。但し、レンズ
データにおいて、ri(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi
番目の面の曲率半径、di(i=1,2,3,...)は物体側から数
えてi番目の軸上面間隔を示し、Ni(i=1,2,3,...),νi(i
=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目のレンズのd線に
対する屈折率,アッベ数を示す。また、fは全系の焦点
距離、FNOは開放Fナンバーを示す。
【0018】尚、レンズデータ中、曲率半径に*印を付
した面は非球面で構成された面であることを示し、非球
面の面形状を表わす次の数1の式で定義するものとす
る。
【0019】
【数1】
【0020】但し、数1の式中、 X :光軸方向の基準面からの偏移量 r :近軸曲率半径 h :光軸と垂直な方向の高さ Ai:i次の非球面係数 ε:2次曲面パラメータ である。
【0021】 f=38.0〜47.8〜60.0 FNO=4.4〜5.6〜7.0 [曲率半径] [軸上面間隔] [屈折率] [アッベ数] r1* 32.156 d1 3.400 N1 1.58340 ν1 30.23(ホ゜リカーホ゛ネート系) r2* 11.345 d2 1.420 r3 22.877 d3 5.550 N2 1.52510 ν2 56.38(ホ゜リオレフィン系) r4 -12.028 d4 1.000 r5 ∞(絞り) d5 11.392〜7.102〜3.688 r6* ∞ d6 2.750 N3 1.52510 ν3 56.38(ホ゜リオレフィン系) r7 145.850 d7 7.250 r8 -9.727 d8 2.500 N4 1.52510 ν4 56.38(ホ゜リオレフィン系) r9 -23.453
【0022】[非球面係数] r1 :ε=0.10000×10 A4=-0.38294×10-3 A6=-0.51809×10-7 A8=0.23184×10-8 A10=0.25235×10-10 r2 :ε=0.10000×10 A4=-0.37362×10-3 A6=0.12697×10-5 A8=0.98113×10-8 A10=0.41149×10-11 r6 :ε=0.10000×10 A4=0.60112×10-4 A6=-0.20624×10-6 A8=0.90545×10-8 A10=-0.44973×10-10
【0023】図2は、上記ズームレンズを断面的に示す
レンズ構成図であり、ワイド端でのレンズ配置を示して
いる。このズームレンズは、全てプラスチックで構成さ
れており、第1レンズG1はポリカーボネート(PC)か
ら成っており、第2レンズG2,第3レンズG3,第4
レンズG4は、ポリオレフィン系樹脂から成っている。
【0024】また、このズームレンズは、物体側より順
に、像側に凹の負メニスカスレンズG1,両凸の正レン
ズG2及び絞りSから成る1群Gr1,像側に凹の平凹
レンズG3及び物体側に凹の負メニスカスレンズG4か
ら成る2群Gr2より構成されている。負レンズG1の
両面と,平凹レンズG3の物体側の面は非球面である。
尚、絞りSは、シャッターと兼用になっている。
【0025】屈折率の温度変化量は、PC,ポリオレフ
ィン系樹脂ともΔn/ΔT=-10×10-5であると仮定し
た場合、各レンズの温度に対するバック変動量ΔLBに
与える影響度は、影響度が最大(これについては表1に
基づいて後述する)の第2レンズG2を1とすると、Δ
LB(G1):ΔLB(G2):ΔLB(G3):ΔLB(G4)=-0.3
5:1:-0.13:-0.04で示す関係にある。
【0026】図3は、温度センサーSEの他の配置例を
示している。同図に示すように、レンズコバ面に凹部V
を設け、温度センサーSEを押入する。そして、温度セ
ンサーSEを第2レンズG2に接触させた状態で、レン
ズG2の温度を直接測定する。このように温度センサー
SEを設けることによって、測定精度を更に高めること
ができる。ここでは、温度変化に最も影響を受ける第2
レンズG2に温度センサーSEを取り付けたが、測温す
るレンズは必要に応じて選択すればよい。尚、押入後、
接着剤で温度センサーSEをレンズに固定してもよい。
【0027】温度センサーSEとしては、サーミスタ
(熱に敏感な抵抗体)を用いることができる。温度によっ
てサーミスタの抵抗値が変化するので、測定した抵抗値
から温度を換算して求めることができる。また、図3で
は温度センサーSEを2箇所に設けているが、1箇所又
は2箇所に限らず、温度センサーSEを1枚のレンズの
外周に複数個取り付けたり、複数のレンズに取り付けた
りすることによって、全体の温度分布も含めて精度よく
温度測定を行うことが可能である。
【0028】次に、温度が急変したときに、鏡胴TBや
カメラボディBD内の温度分布がどのようになるか、温
度センサーSE位置によって補正精度がどの程度違う
か、を以下のようにして調べた。治具として図4に示す
カメラボディーBDを用い、常温(26℃)から−10℃
の環境に急冷した(即ち、鏡胴TB外部の温度を26℃
から−10℃に急激に変化させた)。カメラボディーB
D内部の温度変化及び鏡胴TB内部での所定位置での温
度変化を測定して、その結果をそれぞれ図5及び図6に
示す。尚、鏡胴TB内部の主レンズ系としては、図2に
示すズームレンズを用いた。また、鏡胴TBの被写体側
にガラスバリアBRを設けた。
【0029】温度測定位置は、鏡胴TB内(ズームレン
ズ光軸AX上位置)では、第1レンズG1の物体側の位
置G1NO1,第1レンズG2の像側の位置G1NO
2,第1レンズG1と第2レンズG2との空気層での位
置G1Air,第4レンズG4の像側面上の位置G4N
O2及び第4レンズG4の像側の空気層での位置G4A
irである。カメラボディーBD内{鏡胴TBからPO
(=10mm)離れた位置}では、外装6の内壁から光軸
AXに沿ってカメラボディーBD内部に向けて、それぞ
れ深さdA(=2mm),dB(=10mm),dC(=1
7mm)の位置である。
【0030】測定結果(図5及び図6)から、レンズ先端
G1とレンズ後ろG4とでは、最大10℃の温度隔差が
生じること、カメラボディーBD内の空気層の違いで温
度差が大きく、15mmの空気厚さで最大15℃の隔差
が生じること、レンズ内の温度が一様になるのに約40
分必要であることが判明した。
【0031】また、図5及び図6の温度測定データに基
づいて、所定の温度測定位置での最大補正残り量を計算
し、その結果を表1にまとめて示す。この最大補正残り
量とは、ある一定の温度から急激に温度を変化させたと
きに、ある基準位置での温度と個々のレンズの温度との
差、及び個々のレンズの温度変化によるバック変動量の
シミュレーション値に基づいて算出された撮影レンズ系
全体のバック変動量のうちの最大のものをいう。
【0032】上記個々のレンズの温度変化によるバック
変動量とは、1℃当りのバック変動に与える個々のレン
ズの影響度を表すものであり、シミュレーションによっ
て予め算出することが可能である。以下、第iレンズG
iの温度変化によるバック変動量をΔGiで表すことに
する。
【0033】図2の撮影レンズの各バック変動量ΔGi
のシミュレーション値を以下に示す。これらのシミュレ
ーション値から、第2レンズG2の温度変化によるバッ
ク変動量ΔG2が最も大きいことは明らかである。 ΔG1= 0.02 mm/℃ ΔG2=−0.06 mm/℃ ΔG3= 0.003mm/℃ ΔG4= 0.01 mm/℃
【0034】上記最大補正残り量を次のようにして算出
した。まず、図5及び図6に示す実測温度に基づく温度
変化傾向(例えば、温度測定位置G1NO1とG4Ai
rでの温度変化の傾向)にリニアリティがあるものと仮
定する。そして、これらのグラフから第1レンズG1の
温度(T1),第2レンズG2の温度(T2),第3レンズG
3の温度(T3),第4レンズG4の温度(T4)を予測して
求めた。これらの予測温度に対応する温度測定位置,第
1レンズG1と第2レンズG2との空気間隔位置(G1
Air)並びにボディ内部深さdB(=10mm)及びd
C(=17mm)での温度測定位置をそれぞれ基準位置と
した。
【0035】次に、レンズ単体についての予測温度
(T1,T2,T3,T4)に対応する温度測定位置,第1レ
ンズG1と第2レンズG2との空気間隔位置(G1Ai
r)及びボディ内の温度測定位置(dB,dC)のうちの
一つを基準位置として、その基準位置での温度と他のレ
ンズGiについての予測温度との差Δtiを求めた。こ
の温度隔差Δtiとは、例えば第3レンズG3について
の温度測定位置を基準位置とすると、Δt1=T1
3,Δt2=T2−T3,Δt4=T4−T3である。
【0036】前記個々のレンズの温度変化によるバック
変動量ΔGiと温度隔差Δtiを掛けたものの和が補正残
り量である。例えば、第3レンズG3の温度測定位置を
基準位置とすると、その補正残り量は、ΔG1×Δt1
ΔG2×Δt2+ΔG4×Δtである。
【0037】表1は、温度測定位置に対する各測定時間
での補正残り量のうちの最大のもの(最大補正残り量)
を示している。この結果から、温度測定位置によって補
正精度が異なることが分かる。さらには、鏡胴TB内の
温度を測定しないと温度補正の目標値は達成しえないこ
と、第2レンズG2の温度が像点移動に最も大きな影響
を与えるので、第2レンズG2の温度を測定すれば急激
な温度変化に対してもバック補正を高い精度で行い得る
ことが分かる。
【0038】
【表1】
【0039】次に、太陽光による鏡胴TB(図4)内の温
度変化を図7に基づいて説明する。鏡胴TB内の第2レ
ンズG2(図4)の周辺(上,下,左,右の4方向)に温度
センサーSEを配置する。テレ端の状態で鏡胴TBの左
上方向から太陽光を照射させたときの温度変化を測定
し、図7にその測定結果を示す。
【0040】図7の測定結果から、太陽光の当たってい
る側(鏡胴TBの左上側)とその反対側(鏡胴TBの右下
側)とで、最大で約10℃の温度隔差があり、どのポイ
ントを測定するかによって、レンズバックの補正値が大
きく変わることが判明した。
【0041】この温度隔差に対応するための構成として
は、例えば、次のようなものが挙げられる。第1の構成
は、鏡胴TB内に温度センサーSEを配置し、上,下,
左,右方向の4ポイントで温度を測定し、4つの温度セ
ンサーSEの測定値の平均値を用いて、レンズバックの
補正を行うものである。
【0042】第2の構成は、急激な温度変化のある場所
での温度測定を行わない構成である。図8は鏡胴TB内
断面を示しており、θ1は太陽光により温度変化が激し
い領域であり、θ2は太陽光による温度変化が激しくな
い領域である。領域θ2では、温度センサーSEを配置
することが可能である。
【0043】直射日光によって鏡胴の温度が変化する場
合、鏡胴に対して光が当たっている面付近(領域θ1)の
温度は急激に変化する。そのため、この温度と撮影レン
ズ自身の温度との差が大きくなってしまう。従って、領
域θ1で測定した温度を採用すると、像点移動を生じさ
せる撮影レンズ自身の温度が、バック補正に正確に反映
されないことになる。レンズバックを正確に補正するた
めには、上記第1の構成のように平均的な温度を採用す
るのが好ましいが、直射日光によって急激に温度が変化
する領域での温度測定を避けるようにすれば、より撮影
レンズの真の値に近い測定値を得ることができる。
【0044】例えば、日中の太陽光が強い環境下におい
ては、図8においてθ1=90°,θ2=270°であ
る。このように鏡胴TB内の天空を望む90°(=θ1)
の範囲以外の範囲(=θ2)での温度をバック補正用の温
度として採用すれば、太陽光の影響による温度測定誤差
を少なくすることができる。
【0045】次に、温度変化による像点位置のズレ(バ
ック変動量)の補正を行う第2実施例について説明す
る。第2実施例の特徴は、ズームレンズにおいて、温度
補正を焦点距離と被写体距離のパラメータを用いて補正
することにある。つまり、補正の仕方に特徴があり、温
度と焦点距離,温度と被写体距離とに基づいてレンズ繰
り出し量の補正演算を行い、その結果に基づいて像点位
置の補正を行う点にある。
【0046】上記のように、被写体距離及び焦点距離で
温度補正を行う構成となっているので、焦点距離が変わ
った場合でも、高精度のピント調整を行うことができ
る。また、温度と焦点距離のパラメータに、更に被写体
距離を補正演算用のパラメータに加えてレンズ繰り出し
量の補正演算を行うので、より高精度の補正を行うこと
できる。
【0047】図9は、本実施例が用いられたカメラの概
略構成を示している。ズームエンコーダZEは、撮影レ
ンズ(図2に示すズームレンズ)の焦点距離を検出する。
温度センサーSEは、撮影レンズの温度を測定する。マ
イコン10は、焦点距離f及び温度Tに基づいて1群G
r1の繰り出し量の補正演算を行い、その演算結果に基
づいて撮影レンズの像点位置の補正を制御する。尚、1
2はFAモジュール、FLはフィルム面を表している。
【0048】本システムでは、第1群の移動(フォーカ
シング及びバック補正のための移動)は、フォーカシン
グモータFMで行われる。その繰り出し制御はパルスエ
ンコーダPEで第1レンズGr1の移動量をカウントす
ることによって行われる。つまり、マイコン10は、パ
ルスエンコーダPEからのPI情報(図9中の「PIモ
ニター」)で第1群Gr1の移動量をモニターし、それ
に基づいて第1群の移動量(同図中の「PI」)を制御す
る。
【0049】焦点距離fの検出は、2群Gr2の移動量
をズームエンコーダZEでマイコン10に取り込むこと
によって行う。温度センサーSEは鏡胴内に設けられて
いるが、先に述べたように温度センサーSEを第2レン
ズGr2近傍に配置するのが、測温精度の点で好まし
い。
【0050】図10に示すフローチャートに従って、繰
り出し量Lの演算を行う際の動作を説明する。例えばレ
リーズスイッチのONによって、マイコン10にトリガ
ー信号が与えられると、マイコン10は温度センサーS
Eから温度情報Tを得る(#10)。次に、AFモジュー
ル12から得た被写体距離情報D’に温度補正値α(T)
を加えて補正を行うことにより、真の被写体距離Dを算
出する(#20)。
【0051】ここで、温度補正値α(T)による補正つい
て説明する。アクティブAFでは、投光用のLED(lig
ht emitting diode)で被写体に向けて投射を行い、受光
センサーに返ってくる反射光の位置に基づいて、被写体
距離情報を得る。温度によって被写体距離情報に狂いが
生じてしまう原因は、投光用LEDと受光センサーとの
間隔や投光用LEDのレンズと受光センサー用のレンズ
との間隔が、温度によって変化することにある。
【0052】従って、真の被写体距離は次の式(F1)で表
すことができる。 D=α(AH+ΔAHt) =α・AH+α・ΔAHt =D’+α(T) …(F1) 但し、 AH:受光センサー上での位置(基準とする所定の位置
からの距離) ΔAHt:温度によるズレ量(実測,シミュレーション
により既知の値) α:センサー位置から被写体距離に変換する係数 である。このように、AFモジュール12についての被
写体距離の補正演算を別途行うことによって、より精度
よくバック補正を行うことができる。
【0053】また、被写体距離D算出用の温度補正値α
(T)の補正演算を、温度センサーSEとは別にAFモジ
ュール12に近い位置に配置した温度センサーで測定し
た温度に基づいて、独立して行う構成としてもよい。こ
れによると、カメラの品質(被写体距離情報の確認等)を
レンズブロックとAFブロックと分けて検証することが
でき、個々の問題解決を容易に行うことができる。つま
り、AFブロックでの温度補正を正確にしておけば、レ
ンズブロックでの距離が正確か否かの検証を容易に行う
ことができるのである。
【0054】次に、ズームエンコーダZEから得た焦点
距離情報fと、前記温度情報T及び被写体距離情報Dか
らバック補正値ΔLを算出する(#30)。そして、常温
(20℃)でのレンズ繰り出し量L(20)にバック補正値
ΔLを加えて、繰り出し量Lを算出する(#40)。
【0055】上記のように、マイコン10がズームエン
コーダZEで検出された焦点距離f、更にはAFモジュ
ール12で検出された被写体距離D’に基づいて第1レ
ンズGr1の繰り出し量の補正演算を行うので、撮影レ
ンズの焦点距離fが変化した場合でも、温度変化による
像点位置の補正を当該焦点距離fに対応してきめ細かく
行うことが可能である。これによって、ピント精度を向
上させることができる。
【0056】次に、前記繰り出し量Lの演算方法につい
て説明する。図11,図12は、温度,焦点距離,被写
体距離の関係を、バック補正量(図2のズームレンズを
用いた場合のシミュレーション値)で示している。つま
り、図11では、各焦点距離f(TELE,MIDDLE,WIDE)状態
で、被写体が無限遠位置(D=∞)にあるとき、ズームレ
ンズの温度変化によって変動する像点位置を所定位置に
補正する際に要する1群Gr1のレンズ繰り出し量Lを
示している。図12では、各焦点距離f(T,M,W)状態、
各温度(-10,0,10,30,40,50℃)で、被写体距離D(同図中
では、横軸を1/Dとしている)の変化に伴って変動す
る像点位置を所定位置に補正する際に要する1群Gr1
のレンズ繰り出し量Lを示している。
【0057】これらの図中、TELE(T)はテレ端(f=38.
0),MIDDLE(M)は中間焦点距離状態(f=47.8),WIDE(W)
はワイド端(f=60.0)である。また、縦軸のPI数は、
像側への送り方向(最近接から無限方向へのレンズの移
動方向)を正としている。このPI数は、1群Grのレ
ンズ繰り出し量を表しており、レンズ繰り出し量のPI
モニターは、パルスエンコーダPE(図9)からステップ
状に送られるパルスの1カウントを1PI(1PIは約
4.4μmに相当する。)として行われる。
【0058】図11及び図12から、バック変動量は、
温度変化量T0−T(T0:基準温度,T:測定温度),
焦点距離f,被写体距離Dに応じてそれぞれ変化するこ
とが分かる。そこで、繰り出し量Lの演算において、第
1に、焦点距離fを3つの領域に分割して、各領域毎に
バック補正を行うものとする。第2に、温度変化(T0
−T)によるバック変動は直線的に変化するので、直線
補間によりバック補正を行うものとする。第3に、被写
体距離Dによりバック変動は直線的に変化するが、その
変化量は少ないので、ゾーン分割し、定数でバック補正
を行うものとする。
【0059】20℃での繰り出し量L(20)は、基準位
置(即ち、最近接位置)から無限遠方向に繰り込むPI数
で表される。ここで、無限遠方向とは、無限遠被写体に
ピントを合わせるようにフォーカシングレンズ(1群G
r1)を移動する方向である。無限遠位置はレンズの繰
り出し量が最も少ない位置をいい、近接になるほど被写
体側に繰り出すことになる。このシステムでは最も繰り
出した位置(無限遠位置)をスタート位置としているた
め、被写体距離が大きくなるほど1群Gr1が像側に移
動する(移動量が大きくなる)ことになる。
【0060】繰り出し量L(20)は、焦点距離f及び被
写体距離Dについてゾーン分割し、次の演算式(1)で直
線補間を行うことによって求められる。 L(20)=Pij×SP/16+Qij+Kf …(1) ここで、 i:被写体距離ゾーン(遠距離,中距離,近距離の3つ
の領域に分ける) j:焦点距離ゾーン{テレ(tele),ミドル(middle),ワ
イド(wide)の3つの領域に分ける} Pij:被写体距離,焦点距離についての各ゾーンの傾
き係数(=定数;整数値にするために16倍してある) SP:被写体距離のステップNo(被写体距離を0.5
98m〜無限遠まで、0〜129ステップに分割する) Qij:被写体距離,焦点距離についての各ゾーンの定
数 Kf:基準繰り出し量(レンズスタート位置から最近接
位置までのPI数) である。
【0061】20℃から測定温度Tに温度が変化したと
きのレンズ繰り出し量ΔLは、温度T及び焦点距離fに
ついてゾーン分割し、温度T及び被写体距離Dについて
ゾーン分割して定数を与え、次の演算式(2)で直線補間
を行うことによって求められる。 ΔL=L(T)=Xej×(T0−T)/16+Yej+Zie …(2) ここで、 e:温度ゾーン(低温,常温,高温の3つの領域に分け
る) j:焦点距離ゾーン{テレ(tele),ミドル(middle),ワ
イド(wide)の3つの領域に分ける,3分割} Xej:温度,焦点距離についての各ゾーンの傾き係数
(=定数;整数値にするために16倍してある) T:測定温度 T0:基準温度(=10℃) Yej:温度,焦点距離についての各ゾーンの定数 Zie:被写体距離,温度についての各ゾーンでの補正
値 である。
【0062】上記基準温度T0は、補正値演算が簡単に
なるように定めた値である。これを10℃としているの
は、同一ゾーンで温度変化量(T0−T)の正,負の変化
がないようにするためである。また、上記Zieは、後
述する表4のマップで、温度と被写体距離とによって補
正する項目である。これは、被写体距離Dと測定温度T
との関係を示す図12のグラフから、許容レベルを想定
して得られたものである。
【0063】トータル繰り出し量Lは、上記L(20)と
L(T)とを加算したものであり、次の式(3)で求められ
る。 L=[Pij×SP+Xej×(T0−T)]/16+Qij+Yej+Zie+ Kf …(3)
【0064】上記各定数は、カメラのEEPROM(不
図示)に格納する。以下の表2〜表4に、演算用のマッ
プを示す。被写体距離による補正は、マップの定数Zi
eにより行うが、焦点距離による補正と同様に直線補間
によって補正を行ってもよい。尚、被写体距離,温度
(1℃のピッチの測定結果)は、ディジタル的にデータが
構成されているので、ゾーンの境界が離れている(ディ
ジタル分解能)。また、焦点距離は、ズームエンコーダ
ZEのON,OFFスイッチ情報により、3つのゾーン
に分けられるので、ゾーンの境界が重なっている。
【0065】上記のように直線補間をバック補正に採用
しているので、EEPROMには係数データのみ蓄えて
おけばよい。これにより、ROM容量を小さくすること
ができる。
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】次に、基準繰り出し量Kfの算出について
説明する。通常、レンズ,鏡胴の製作,組立てにおける
バラツキによって、像点位置にはズレが生じている。こ
のため、一般にカメラの最終組立工程でこのズレを補正
する調整作業が必要となる。このズレの補正方法として
は、鏡胴の位置をずらして補正するメカ的方法と、レン
ズの繰り出し量をEEPROMに補正量として入力する
ことにより補正する電気的方法とがある。本発明が対象
としている撮影レンズのように、温度変化によってレン
ズバックが変動するものについては、この調整工程にお
いて、温度によってもレンズバックの補正量を変化させ
る必要がある。
【0070】ここでは、図13に示すように、治具を用
いてレンズバックを電気的に補正する方法について説明
する。同図は、図9に示すカメラ側のマイコン10,温
度センサーSE又はズームエンコーダZEと、治具側の
マイコン(不図示)との信号のやり取りのフローを表して
いる。まず、治具側のマイコン10からカメラ側のマイ
コンに、レンズバック(LB)調整コマンド送信を行うこ
とによって、レンズバックの調整を行うことを指示す
る。次に、治具側のマイコンからカメラ側のマイコン1
0に、設定焦点距離送信を行うことによって、テレ(tel
e),ミドル(middle),ワイド(wide)のいずれかの領域で
調整することを指示する。
【0071】カメラ側のマイコン10は、指示された焦
点距離fに応じたレンズ移動を行う。そして、カメラに
設けられている温度センサーSE(図9)によって、撮影
レンズの温度を測定し、測定データを治具側マイコンに
送信する。治具側マイコンは、カメラ側の温度センサー
SEから出力された温度データTSをメモリする。
【0072】カメラ側マイコン10が、最近接位置をス
タート位置としてフォーカシングレンズ(第1レンズG
r1)を無限遠方向に移動させると、カメラのズームエ
ンコーダZEは、フォーカシングレンズの移動量1PI
毎に治具側マイコンへPI信号を送信する。治具側マイ
コンは、PI信号をカウントしながらMTF(modulatio
n transfer function)のピーク位置を探す。MTF(空
間周波数:20本程度)のピーク位置が最もコントラス
トの高い像点位置であり、このピーク位置に通常フィル
ムが配置される。カメラ側で初期リセットを行う一方、
治具側マイコンはMTFピークでのPI数をメモリした
後、後述するようにしてKf値の計算を行う。得られた
計算値Kfをカメラ側のEEPROMにメモリすれば、
Kfの設定作業は終了する。
【0073】次に、温度変化による像点位置の補正のた
めの基準繰り出し量Kfの演算について説明する。焦点
距離をゾーン分割し、以下の式(4)〜(8)に従ってKf値
を算出する。ここでは、焦点距離を5つのゾーン(テ
レ,テレ〜ミドル,ミドル,ミドル〜テレ,テレ)に分
割した場合の演算式を示す。ここで、ゾーンの分割数を
3から5に増やしているのは、繰り出しが基準位置から
の変化量であるのに対し、Kf値は高い精度を必要とす
る基準位置の絶対量を決めるものだからである。
【0074】テレのKf値{Kf(t)}は、式(4)で算出
する。 Kf(t)=PI(t)−Q1j−Y2j−{P1j×SP+X2j×(10−T S(t))}/16 …(4)
【0075】ミドルのKf値{Kf(m)}は、式(5)で算
出する。 Kf(m)=PI(m)−Q1j−Y2j−{P1j×SP+X2j×(10−T S(m))}/16 …(5)
【0076】ワイドのKf値{Kf(w)}は、式(6)で算
出する。 Kf(w)=PI(w)−Q1j−Y2j−{P1j×SP+X2j×(10−T S(W))}/16 …(6)
【0077】補間演算によるテレ〜ミドル間のKf値
{Kf(tm)}は、式(7)で算出する。 Kf(tm)={Kf(t)+Kf(m)}/2 …(7)
【0078】補間演算によるミドル〜ワイド間のKf値
{Kf(mw)}は、式(8)で算出する。 Kf(mw)={Kf(m)+Kf(w)}/2 …(8)
【0079】但し、式(4)〜(8)中、 PI(t):テレ(f=58.2mm)での繰り出しPI数 PI(m):ミドル(f=48.3mm)での繰り出しPI
数 PI(w):ワイド(f=39.1mm)での繰り出しPI
数 TS(t):テレでの測定温度 TS(m):ミドルでの測定温度 TS(w):ワイドでの測定温度 である。
【0080】通常、カメラの最終組立工程での調整・測
定は、温度管理された部屋の中で行われるが、温度変化
によるレンズバック変動が大きいと、更に厳しい温度条
件が保たれた恒温室(決められた室温が維持された環境)
内で行われることになる。しかし、上記のようにカメラ
側の温度センサーSE(鏡胴TB内に限らずカメラボデ
ィーBD内に設けられたものでもよい)で測定された撮
影レンズの温度(センサーからの測温データ)を用いて、
入力する補正値Kfを演算すれば、恒温室が不要とな
り、どんな環境でも高精度のピント位置調整(即ち、基
準繰り出し量を決定するレンズバック調整)が可能とな
る。
【0081】以上説明したように第1の発明の温度補正
装置によれば、演算制御手段が、焦点距離検出手段で検
出された焦点距離及び前記温度測定手段で測定された温
度に基づいて、予め定められた複数の焦点距離ゾーンの
いずれに該当するかを特定し、特定された焦点距離ゾー
ンごとに予め設定された補正値を用いて補正演算を行
い、演算結果に基づいて、撮影レンズのフォーカシング
を制御するので、撮影レンズの温度変化によって変動す
る像点位置を、所定位置に正確に補正することができ
る。従って、焦点距離が変化しても温度変化による像点
位置の変動がその焦点位置に応じてきめ細かく補正さ
れ、ピント精度が向上する。
【0082】
【0083】
【0084】第2の発明の温度補正装置によれば、更に
被写体距離も加えて、焦点距離と被写体距離情報とによ
って前記繰り出し量の補正演算が行われるため、より高
精度の補正が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例が用いられたカメラの概略
構造を示す断面図。
【図2】本発明の第1実施例に用いることができるズー
ムレンズのレンズ構成図。
【図3】本発明の第1実施例に採用することができる温
度センサーの他の取付構造を示す断面図。
【図4】本発明の第1実施例が用いられるカメラの温度
分布を検証するための温度測定位置を示す図。
【図5】図4に示すカメラを急冷したときのカメラボデ
ィー内部温度変化を示すグラフ。
【図6】図4に示すカメラを急冷したときの主レンズ系
温度変化を示すグラフ。
【図7】本発明の第1実施例に用いることができる鏡胴
が太陽光の照射を受けたときの鏡胴各部の温度変化を示
すグラフ。
【図8】本発明の第1実施例に用いることができる鏡胴
のうち、太陽光の照射を受けたときに温度変化の影響を
受けやすい領域を、鏡胴の断面構造で示す図。
【図9】本発明の第2実施例が用いられたカメラの概略
構成を示すブロック図。
【図10】本発明の第2実施例における繰り出し量の算
出動作を示すフローチャート。
【図11】本発明の第2実施例において温度及び焦点距
離とバック補正量との関係を示すグラフ。
【図12】本発明の第2実施例において被写体距離,焦
点距離及び温度とバック補正量との関係を示すグラフ。
【図13】本発明の第2実施例において基準繰り出し量
Kfの算出動作のフローを示す図。
【符号の説明】
Gr1 …1群 Gr2 …2群 G1 …第1レンズ G2 …第2レンズ G3 …第3レンズ G4 …第4レンズ S …絞り(シャッター) 1 …第1移動鏡胴 2 …第2移動鏡胴 3 …1群玉枠 4 …2群玉枠 5 …固定鏡胴 10 …マイコン 12 …AFモジュール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 合議体 審判長 末政 清滋 審判官 北川 清伸 審判官 柏崎 正男 (56)参考文献 特開 平4−235510(JP,A) 特開 平4−320206(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焦点距離を変化させることにより結像倍
    率が可変である撮影レンズの温度変化によって変動する
    像点位置を所定位置に補正する撮影レンズの温度補正装
    置において、 前記撮影レンズの焦点距離を検出する焦点距離検出手段
    と、 温度測定手段と、 前記焦点距離検出手段で検出された焦点距離及び前記温
    度測定手段で測定された温度に基づいて、予め定められ
    た複数の焦点距離ゾーンのいずれに該当するかを特定
    し、特定された焦点距離ゾーンごとに予め設定された補
    正値を用いて前記撮影レンズの繰り出し量の補正演算を
    行い、演算結果に基づいて、前記像点位置の補正を行う
    演算制御手段と、 を備えたことを特徴とする温度補正装置。
  2. 【請求項2】 さらに、前記温度補正装置は、被写体ま
    での距離を検出する被写体距離測定手段を備え、 前記温度測定手段で測定された温度及び前記被写体距離
    検出手段で検出された被写体距離に基づいて、予め定め
    られた複数の被写体距離ゾーンのいずれに該当するかを
    特定し、特定された被写体距離ゾーンごとに予め設定さ
    れた補正値を用いて前記撮影レンズの繰り出し量の補正
    演算を行い、演算結果に基づいて、前記像点位置の補正
    を行う演算制御手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1記載の温度補正装
    置。
  3. 【請求項3】 前記演算制御手段において、特定された
    焦点距離ゾーンでの演算を行う場合、さらに予め製造時
    に焦点距離ゾーンに対応して定められた基準繰り出し量
    の値にしたがって前記撮影レンズの繰り出し量の補正演
    算が行われることを特徴とする請求項1から2のいずれ
    かに記載の温度補正装置。
JP25663593A 1993-10-14 1993-10-14 温度補正装置 Expired - Lifetime JP3289856B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25663593A JP3289856B2 (ja) 1993-10-14 1993-10-14 温度補正装置
US08/667,488 US5679946A (en) 1993-10-14 1996-06-24 Photo-taking lens temperature compensation system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25663593A JP3289856B2 (ja) 1993-10-14 1993-10-14 温度補正装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07110423A JPH07110423A (ja) 1995-04-25
JP3289856B2 true JP3289856B2 (ja) 2002-06-10

Family

ID=17295351

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25663593A Expired - Lifetime JP3289856B2 (ja) 1993-10-14 1993-10-14 温度補正装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5679946A (ja)
JP (1) JP3289856B2 (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5861915A (en) * 1995-05-31 1999-01-19 Sony Corporation Temperature-dependant, frequency-compensated hand deviation correction device for video camera
US6268885B1 (en) * 1996-01-31 2001-07-31 Canon Kabushiki Kaisha Optical apparatus for correcting focus based on temperature and humidity
JP3581513B2 (ja) * 1997-01-23 2004-10-27 キヤノン株式会社 光学機器
JPH10253869A (ja) * 1997-03-07 1998-09-25 Canon Inc 光学素子の位置補正装置、合焦装置および光学機器
US5936717A (en) * 1997-05-06 1999-08-10 Agfa Corporation Thermal compensation focus adjustment
JPH11337798A (ja) * 1998-05-27 1999-12-10 Fuji Photo Film Co Ltd レンズ付きフイルムユニット
JP3532772B2 (ja) * 1998-09-25 2004-05-31 本田技研工業株式会社 乗員の乗車状態検出装置
JP2000199865A (ja) * 1998-12-30 2000-07-18 Canon Inc ファインダ光学系
WO2001029762A2 (en) * 1999-10-20 2001-04-26 Spyrus, Inc. Method and system for an integrated circuit card interface device with multiple modes of operation
CN100555016C (zh) * 2005-09-09 2009-10-28 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 数码相机镜头及应用该镜头的数码相机模组
CN101169505A (zh) * 2006-10-27 2008-04-30 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 镜头模组
US7408728B2 (en) * 2006-12-04 2008-08-05 Quality Vision International, Inc. System and method for focal length stabilization using active temperature control
US7697218B2 (en) * 2007-12-26 2010-04-13 Canon Kabushiki Kaisha Lens control apparatus, lens barrel, imaging apparatus, and optical apparatus
JP2013041934A (ja) * 2011-08-12 2013-02-28 Sony Corp 電子機器及び電子機器の制御方法
KR102514441B1 (ko) * 2015-11-11 2023-03-27 엘지전자 주식회사 카메라 모듈의 오토 포커스 제어 장치 및 방법
CN111722355A (zh) * 2019-03-19 2020-09-29 杭州海康微影传感科技有限公司 基于温度补偿对热成像镜头进行调焦的方法和装置
WO2021072648A1 (en) * 2019-10-15 2021-04-22 Qualcomm Incorporated Active depth sensing based autofocus
CN111722526B (zh) * 2020-06-24 2023-04-18 昆明物理研究所 基于温度补偿多视场切换标定控制方法及计算机可读存储介质
DE102020208415A1 (de) 2020-07-06 2022-01-13 Carl Zeiss Smt Gmbh Optisches element, optisches system, lithographieanlage und verfahren zum betreiben eines optischen elements
CN114415329A (zh) * 2021-12-23 2022-04-29 山东神戎电子股份有限公司 一种改善长焦镜头聚焦清晰点位置偏移的方法
CN114979440B (zh) * 2022-05-23 2024-01-23 广东亿嘉和科技有限公司 高精度光学导航设备及其热影响精度补偿方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59160107A (ja) * 1983-03-02 1984-09-10 Canon Inc カメラにおけるピントの温度変化補正付き自動焦点調整装置
JPS60235110A (ja) * 1984-05-07 1985-11-21 Minolta Camera Co Ltd 焦点検出装置の温度補償装置
JPH01288806A (ja) * 1988-05-16 1989-11-21 Minolta Camera Co Ltd カメラにおけるレンズバック変動補正装置
JPH0387801A (ja) * 1989-08-31 1991-04-12 Hirakawa Kogyosha:Kk 焦点位置の温度補償装置
JPH03181924A (ja) * 1989-12-12 1991-08-07 Canon Inc 自動焦点調節装置を有するカメラ
JPH03198320A (ja) * 1989-12-27 1991-08-29 Nikon Corp 投影光学装置
JP2793880B2 (ja) * 1990-03-20 1998-09-03 オリンパス光学工業株式会社 カメラの測温装置
JP3017250B2 (ja) * 1990-06-11 2000-03-06 オリンパス光学工業株式会社 カメラの温度補正装置
JPH0473627A (ja) * 1990-07-13 1992-03-09 Ricoh Co Ltd カメラの温度補償装置
JP3080683B2 (ja) * 1991-04-19 2000-08-28 富士写真光機株式会社 プラスチックレンズの温度補償装置

Also Published As

Publication number Publication date
US5679946A (en) 1997-10-21
JPH07110423A (ja) 1995-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3289856B2 (ja) 温度補正装置
US5895129A (en) Optical apparatus
US7321469B2 (en) Zoom lens
EP0694799B1 (en) Optical apparatus
EP0672929B1 (en) Device for controlling a zoom lens
JP2002341243A (ja) ズームレンズ及び撮像装置
US10887510B2 (en) Processing apparatus, lens apparatus and image pickup apparatus for reducing the shift of composition during tilt photography
EP3764146B1 (en) Imaging optical system, imaging apparatus, stereo camera, distance measuring apparatus, and mobile object
US5692227A (en) Viewfinder
US20180299669A1 (en) Optical system, and image pickup apparatus and image pickup system including the same
US5815747A (en) Camera having autofocus function independent of photographing optical system
JP5264847B2 (ja) 測距装置、レンズシステムおよび撮像装置
US6169853B1 (en) Zooming optical system
US7817912B2 (en) Optical system of a focus detection apparatus
US6584282B2 (en) Finder optical system and camera having the system
JPH0862487A (ja) 変倍光学系レンズ位置制御装置
JPH03228006A (ja) 撮影系
KR100211775B1 (ko) 줌 렌즈의 초점 거리 보상 장치 및 그 방법
JPH01284811A (ja) カメラシステム
JPH06324260A (ja) 焦点検出装置
JP2018072856A (ja) 可変焦点距離レンズ、撮像装置、可変焦点距離レンズの調整方法
US5493361A (en) Focus correcting apparatus for an auto focus camera
JP2003185908A (ja) 光学機器
JP2001033694A (ja) 撮像装置
JPH05113533A (ja) ズームレンズのレンズ位置制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080322

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090322

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100322

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100322

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110322

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120322

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130322

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130322

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140322

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term