JP3289856B2 - 温度補正装置 - Google Patents
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- G02B7/02—Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
- G02B7/028—Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with means for compensating for changes in temperature or for controlling the temperature; thermal stabilisation
Description
ものであり、更に詳しくはプラスチックを多用した撮影
レンズの温度補正装置に関するものである。
点位置は、温度変化によって大きく変動する。そのた
め、温度に応じて像点位置を正確に所定位置に補正する
必要がある。温度変化による像点位置の変動は、レンズ
バックの変動(いわゆるバック変動)となって表れるの
で、バック変動を補正するために、温度を測定する手段
及びレンズ位置を補正する手段が必要となる。これらの
手段を備えたものとして、IC(integrated circuit)内
に設けた温度測定装置で、カメラの制御データを補正す
る温度補正装置が提案されている(特開平4−4331
0号)。
がズームレンズの場合、焦点距離によって温度変化に起
因するバック変動量が異なるため、特に温度に対して補
正をどのように行うかが課題となる。ズームレンズに用
いる温度補正装置としては、バック変動の補正(以下
「バック補正」ともいう。)をレンズ繰り出し量の補正
で行う構成(特開昭59−160107号)やプリセット
したフォーカス状態からの温度変化量に基づいてフォー
カス時にバック補正を行う構成(特開平3−18192
4号)が提案されている。また、温度測定データに基づ
き測距データを補正する構成(特開平4−320206
号)も提案されている。
による焦点距離の変動量から倍率の変動量を演算し、演
算結果に基づいてフォーカスの調整を行う構成が提案さ
れている(特開平3−87801号,米国特許第512
4738号)。この場合のバック補正は、有限距離撮影
用として結像倍率が高い場合(製版用カメラに用いる場
合等)に必要となるものである。
73627号では、温度検知用センサーの出力に基づい
て撮影レンズの温度変化傾向を予測することにより、応
答遅れを補正する構成が提案されているが、急激な温度
変化に対しては、温度予測を正確に行うことは困難であ
る。
平3−181924号,特開平4−320206号、特
開平3−87801号,米国特許第5124738号で
は、温度補正がズームとの関係,調整について考慮され
ておらず、焦点距離による像点位置の補正を直接行って
いないため、バック補正を正確に行うことができない。
たものであって、撮影レンズの温度変化によって変動す
る像点位置を、所定位置に正確に補正することができる
撮影レンズの温度補正装置を提供することを目的とする
ものである。
補正装置は、焦点距離を変化させることにより結像倍率
が可変である撮影レンズの温度変化によって変動する像
点位置を所定位置に補正する撮影レンズの温度補正装置
において、前記撮影レンズの焦点距離を検出する焦点距
離検出手段と、温度測定手段と、前記焦点距離検出手段
で検出された焦点距離及び前記温度測定手段で測定され
た温度に基づいて、予め定められた複数の焦点距離ゾー
ンのいずれに該当するかを特定し、特定された焦点距離
ゾーンごとに予め設定された補正値を用いて前記撮影レ
ンズの繰り出し量の補正演算を行い、演算結果に基づい
て、前記像点位置の補正を行う演算制御手段と、を備え
たことを特徴としている。
であって、温度変化によるバック変動に最も影響を与え
るレンズ近傍の温度,鏡胴内の天空を望む90°の範囲
以外の範囲での温度,撮影レンズの外周での温度を採用
するのが好ましい。
第1の発明の温度補正装置に加えて、被写体までの距離
を検出する被写体距離測定手段を備え、前記温度測定手
段で測定された温度及び前記被写体距離検出手段で検出
された被写体距離に基づいて、予め定められた複数の被
写体距離ゾーンのいずれに該当するかを特定し、特定さ
れた被写体距離ゾーンごとに予め設定された補正値を用
いて前記撮影レンズの繰り出し量の補正演算を行い、演
算結果に基づいて、前記像点位置の補正を行う演算制御
手段と、を備えたことを特徴とする。
を補正演算用のパラメータに加えることにより、焦点距
離、被写体距離及び温度によって前記繰り出し量の補正
演算を行うのが好ましい。被写体距離を撮影レンズの繰
り出し量の補正演算に用いる場合、被写体距離を測定す
る装置における温度補正のための演算を別途行うのが好
ましい。また、前記温度測定手段を撮影レンズ又は撮影
レンズが搭載される装置に設け、最終組立工程での撮影
レンズのピント位置調整を行うときに、温度測定手段で
測定された温度に基づいて、前記焦点距離ゾーンに対応
するように撮影レンズの基準繰り出し量を決定するのが
好ましい。
われる撮影レンズの繰出し量の補正演算は、焦点距離検
出手段で検出された焦点距離及び前記温度測定手段で測
定された温度に基づいて、予め定められた複数の焦点距
離ゾーンのいずれに該当するかを特定し、特定された焦
点距離ゾーンごとに予め設定された補正値を用いて行わ
れるので、撮影レンズの焦点距離が変化した場合でも、
温度変化による像点位置の補正は当該焦点距離に対応し
て行われる。
された温度及び被写体距離検出手段で検出された被写体
距離に基づいて、予め定められた複数の被写体距離ゾー
ンのいずれに該当するかを特定し、特定された被写体距
離ゾーンごとに予め設定された補正値を用いて行われる
ので、撮影レンズの焦点距離や被写体距離が変化した場
合でも、温度変化による像点位置の補正は当該焦点距離
及び被写体距離に対応して行われる。
明する。まず、本発明の第1実施例について説明する。
先に述べたように、プラスチックを多用したズームレン
ズは、温度変化によって像点位置が変動しやすいため、
像点位置を所定位置に正確に補正する必要がある。第1
実施例の特徴は、プラスチックを多用したズームレンズ
において、撮影レンズの鏡胴内の温度を測定する温度検
知用のセンサーを設け、測定された温度に基づいて像点
位置を補正することにある。
ズを含むレンズシャッターカメラの構成を断面的に示し
ている。この撮影レンズは、2群ズーム構成となってい
る。1群は1群玉枠3に固定されており、2群は2群玉
枠4に固定されている。固定鏡胴5に1群用繰り出しの
カムと2群用繰り出しのカムが構成されており、1群が
保持される第1移動鏡胴1と,2群が保持される第2移
動鏡胴2が回転することにより、各群が繰り出される。
シャッター7は、2群の前に取り付けられている。同図
中、6は外装、FLはフィルム面,TBは鏡胴,BDは
カメラボディーを表している。
TBの中に配置され、鏡胴内温度を測定することで、間
接的に撮影レンズの温度を測定する構成となっている。
バック補正は、温度センサーSEで測定された温度に基
づいて行われる。また、温度センサーSEは、温度変化
による像点移動(バック変動)に最も大きな影響を与える
レンズの近傍に配置するのが好ましい。第1実施例で
は、当該レンズは第2レンズG2に相当する。第2レン
ズG2近傍に温度センサーSEを配置することによっ
て、カメラの環境温度が急激に変化したとしても、像点
移動を生じさせる撮影レンズの温度がバック補正に正確
に反映され、その結果、温度変化によるバック変動の補
正を正確に行うことが可能となる。
他のズームレンズのレンズデータを示す。但し、レンズ
データにおいて、ri(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi
番目の面の曲率半径、di(i=1,2,3,...)は物体側から数
えてi番目の軸上面間隔を示し、Ni(i=1,2,3,...),νi(i
=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目のレンズのd線に
対する屈折率,アッベ数を示す。また、fは全系の焦点
距離、FNOは開放Fナンバーを示す。
した面は非球面で構成された面であることを示し、非球
面の面形状を表わす次の数1の式で定義するものとす
る。
レンズ構成図であり、ワイド端でのレンズ配置を示して
いる。このズームレンズは、全てプラスチックで構成さ
れており、第1レンズG1はポリカーボネート(PC)か
ら成っており、第2レンズG2,第3レンズG3,第4
レンズG4は、ポリオレフィン系樹脂から成っている。
に、像側に凹の負メニスカスレンズG1,両凸の正レン
ズG2及び絞りSから成る1群Gr1,像側に凹の平凹
レンズG3及び物体側に凹の負メニスカスレンズG4か
ら成る2群Gr2より構成されている。負レンズG1の
両面と,平凹レンズG3の物体側の面は非球面である。
尚、絞りSは、シャッターと兼用になっている。
ィン系樹脂ともΔn/ΔT=-10×10-5であると仮定し
た場合、各レンズの温度に対するバック変動量ΔLBに
与える影響度は、影響度が最大(これについては表1に
基づいて後述する)の第2レンズG2を1とすると、Δ
LB(G1):ΔLB(G2):ΔLB(G3):ΔLB(G4)=-0.3
5:1:-0.13:-0.04で示す関係にある。
示している。同図に示すように、レンズコバ面に凹部V
を設け、温度センサーSEを押入する。そして、温度セ
ンサーSEを第2レンズG2に接触させた状態で、レン
ズG2の温度を直接測定する。このように温度センサー
SEを設けることによって、測定精度を更に高めること
ができる。ここでは、温度変化に最も影響を受ける第2
レンズG2に温度センサーSEを取り付けたが、測温す
るレンズは必要に応じて選択すればよい。尚、押入後、
接着剤で温度センサーSEをレンズに固定してもよい。
(熱に敏感な抵抗体)を用いることができる。温度によっ
てサーミスタの抵抗値が変化するので、測定した抵抗値
から温度を換算して求めることができる。また、図3で
は温度センサーSEを2箇所に設けているが、1箇所又
は2箇所に限らず、温度センサーSEを1枚のレンズの
外周に複数個取り付けたり、複数のレンズに取り付けた
りすることによって、全体の温度分布も含めて精度よく
温度測定を行うことが可能である。
カメラボディBD内の温度分布がどのようになるか、温
度センサーSE位置によって補正精度がどの程度違う
か、を以下のようにして調べた。治具として図4に示す
カメラボディーBDを用い、常温(26℃)から−10℃
の環境に急冷した(即ち、鏡胴TB外部の温度を26℃
から−10℃に急激に変化させた)。カメラボディーB
D内部の温度変化及び鏡胴TB内部での所定位置での温
度変化を測定して、その結果をそれぞれ図5及び図6に
示す。尚、鏡胴TB内部の主レンズ系としては、図2に
示すズームレンズを用いた。また、鏡胴TBの被写体側
にガラスバリアBRを設けた。
ズ光軸AX上位置)では、第1レンズG1の物体側の位
置G1NO1,第1レンズG2の像側の位置G1NO
2,第1レンズG1と第2レンズG2との空気層での位
置G1Air,第4レンズG4の像側面上の位置G4N
O2及び第4レンズG4の像側の空気層での位置G4A
irである。カメラボディーBD内{鏡胴TBからPO
(=10mm)離れた位置}では、外装6の内壁から光軸
AXに沿ってカメラボディーBD内部に向けて、それぞ
れ深さdA(=2mm),dB(=10mm),dC(=1
7mm)の位置である。
G1とレンズ後ろG4とでは、最大10℃の温度隔差が
生じること、カメラボディーBD内の空気層の違いで温
度差が大きく、15mmの空気厚さで最大15℃の隔差
が生じること、レンズ内の温度が一様になるのに約40
分必要であることが判明した。
づいて、所定の温度測定位置での最大補正残り量を計算
し、その結果を表1にまとめて示す。この最大補正残り
量とは、ある一定の温度から急激に温度を変化させたと
きに、ある基準位置での温度と個々のレンズの温度との
差、及び個々のレンズの温度変化によるバック変動量の
シミュレーション値に基づいて算出された撮影レンズ系
全体のバック変動量のうちの最大のものをいう。
変動量とは、1℃当りのバック変動に与える個々のレン
ズの影響度を表すものであり、シミュレーションによっ
て予め算出することが可能である。以下、第iレンズG
iの温度変化によるバック変動量をΔGiで表すことに
する。
のシミュレーション値を以下に示す。これらのシミュレ
ーション値から、第2レンズG2の温度変化によるバッ
ク変動量ΔG2が最も大きいことは明らかである。 ΔG1= 0.02 mm/℃ ΔG2=−0.06 mm/℃ ΔG3= 0.003mm/℃ ΔG4= 0.01 mm/℃
した。まず、図5及び図6に示す実測温度に基づく温度
変化傾向(例えば、温度測定位置G1NO1とG4Ai
rでの温度変化の傾向)にリニアリティがあるものと仮
定する。そして、これらのグラフから第1レンズG1の
温度(T1),第2レンズG2の温度(T2),第3レンズG
3の温度(T3),第4レンズG4の温度(T4)を予測して
求めた。これらの予測温度に対応する温度測定位置,第
1レンズG1と第2レンズG2との空気間隔位置(G1
Air)並びにボディ内部深さdB(=10mm)及びd
C(=17mm)での温度測定位置をそれぞれ基準位置と
した。
(T1,T2,T3,T4)に対応する温度測定位置,第1レ
ンズG1と第2レンズG2との空気間隔位置(G1Ai
r)及びボディ内の温度測定位置(dB,dC)のうちの
一つを基準位置として、その基準位置での温度と他のレ
ンズGiについての予測温度との差Δtiを求めた。こ
の温度隔差Δtiとは、例えば第3レンズG3について
の温度測定位置を基準位置とすると、Δt1=T1−
T3,Δt2=T2−T3,Δt4=T4−T3である。
変動量ΔGiと温度隔差Δtiを掛けたものの和が補正残
り量である。例えば、第3レンズG3の温度測定位置を
基準位置とすると、その補正残り量は、ΔG1×Δt1+
ΔG2×Δt2+ΔG4×Δt4である。
での補正残り量のうちの最大のもの(最大補正残り量)
を示している。この結果から、温度測定位置によって補
正精度が異なることが分かる。さらには、鏡胴TB内の
温度を測定しないと温度補正の目標値は達成しえないこ
と、第2レンズG2の温度が像点移動に最も大きな影響
を与えるので、第2レンズG2の温度を測定すれば急激
な温度変化に対してもバック補正を高い精度で行い得る
ことが分かる。
度変化を図7に基づいて説明する。鏡胴TB内の第2レ
ンズG2(図4)の周辺(上,下,左,右の4方向)に温度
センサーSEを配置する。テレ端の状態で鏡胴TBの左
上方向から太陽光を照射させたときの温度変化を測定
し、図7にその測定結果を示す。
る側(鏡胴TBの左上側)とその反対側(鏡胴TBの右下
側)とで、最大で約10℃の温度隔差があり、どのポイ
ントを測定するかによって、レンズバックの補正値が大
きく変わることが判明した。
は、例えば、次のようなものが挙げられる。第1の構成
は、鏡胴TB内に温度センサーSEを配置し、上,下,
左,右方向の4ポイントで温度を測定し、4つの温度セ
ンサーSEの測定値の平均値を用いて、レンズバックの
補正を行うものである。
での温度測定を行わない構成である。図8は鏡胴TB内
断面を示しており、θ1は太陽光により温度変化が激し
い領域であり、θ2は太陽光による温度変化が激しくな
い領域である。領域θ2では、温度センサーSEを配置
することが可能である。
合、鏡胴に対して光が当たっている面付近(領域θ1)の
温度は急激に変化する。そのため、この温度と撮影レン
ズ自身の温度との差が大きくなってしまう。従って、領
域θ1で測定した温度を採用すると、像点移動を生じさ
せる撮影レンズ自身の温度が、バック補正に正確に反映
されないことになる。レンズバックを正確に補正するた
めには、上記第1の構成のように平均的な温度を採用す
るのが好ましいが、直射日光によって急激に温度が変化
する領域での温度測定を避けるようにすれば、より撮影
レンズの真の値に近い測定値を得ることができる。
ては、図8においてθ1=90°,θ2=270°であ
る。このように鏡胴TB内の天空を望む90°(=θ1)
の範囲以外の範囲(=θ2)での温度をバック補正用の温
度として採用すれば、太陽光の影響による温度測定誤差
を少なくすることができる。
ック変動量)の補正を行う第2実施例について説明す
る。第2実施例の特徴は、ズームレンズにおいて、温度
補正を焦点距離と被写体距離のパラメータを用いて補正
することにある。つまり、補正の仕方に特徴があり、温
度と焦点距離,温度と被写体距離とに基づいてレンズ繰
り出し量の補正演算を行い、その結果に基づいて像点位
置の補正を行う点にある。
温度補正を行う構成となっているので、焦点距離が変わ
った場合でも、高精度のピント調整を行うことができ
る。また、温度と焦点距離のパラメータに、更に被写体
距離を補正演算用のパラメータに加えてレンズ繰り出し
量の補正演算を行うので、より高精度の補正を行うこと
できる。
略構成を示している。ズームエンコーダZEは、撮影レ
ンズ(図2に示すズームレンズ)の焦点距離を検出する。
温度センサーSEは、撮影レンズの温度を測定する。マ
イコン10は、焦点距離f及び温度Tに基づいて1群G
r1の繰り出し量の補正演算を行い、その演算結果に基
づいて撮影レンズの像点位置の補正を制御する。尚、1
2はFAモジュール、FLはフィルム面を表している。
シング及びバック補正のための移動)は、フォーカシン
グモータFMで行われる。その繰り出し制御はパルスエ
ンコーダPEで第1レンズGr1の移動量をカウントす
ることによって行われる。つまり、マイコン10は、パ
ルスエンコーダPEからのPI情報(図9中の「PIモ
ニター」)で第1群Gr1の移動量をモニターし、それ
に基づいて第1群の移動量(同図中の「PI」)を制御す
る。
をズームエンコーダZEでマイコン10に取り込むこと
によって行う。温度センサーSEは鏡胴内に設けられて
いるが、先に述べたように温度センサーSEを第2レン
ズGr2近傍に配置するのが、測温精度の点で好まし
い。
り出し量Lの演算を行う際の動作を説明する。例えばレ
リーズスイッチのONによって、マイコン10にトリガ
ー信号が与えられると、マイコン10は温度センサーS
Eから温度情報Tを得る(#10)。次に、AFモジュー
ル12から得た被写体距離情報D’に温度補正値α(T)
を加えて補正を行うことにより、真の被写体距離Dを算
出する(#20)。
て説明する。アクティブAFでは、投光用のLED(lig
ht emitting diode)で被写体に向けて投射を行い、受光
センサーに返ってくる反射光の位置に基づいて、被写体
距離情報を得る。温度によって被写体距離情報に狂いが
生じてしまう原因は、投光用LEDと受光センサーとの
間隔や投光用LEDのレンズと受光センサー用のレンズ
との間隔が、温度によって変化することにある。
すことができる。 D=α(AH+ΔAHt) =α・AH+α・ΔAHt =D’+α(T) …(F1) 但し、 AH:受光センサー上での位置(基準とする所定の位置
からの距離) ΔAHt:温度によるズレ量(実測,シミュレーション
により既知の値) α:センサー位置から被写体距離に変換する係数 である。このように、AFモジュール12についての被
写体距離の補正演算を別途行うことによって、より精度
よくバック補正を行うことができる。
(T)の補正演算を、温度センサーSEとは別にAFモジ
ュール12に近い位置に配置した温度センサーで測定し
た温度に基づいて、独立して行う構成としてもよい。こ
れによると、カメラの品質(被写体距離情報の確認等)を
レンズブロックとAFブロックと分けて検証することが
でき、個々の問題解決を容易に行うことができる。つま
り、AFブロックでの温度補正を正確にしておけば、レ
ンズブロックでの距離が正確か否かの検証を容易に行う
ことができるのである。
距離情報fと、前記温度情報T及び被写体距離情報Dか
らバック補正値ΔLを算出する(#30)。そして、常温
(20℃)でのレンズ繰り出し量L(20)にバック補正値
ΔLを加えて、繰り出し量Lを算出する(#40)。
コーダZEで検出された焦点距離f、更にはAFモジュ
ール12で検出された被写体距離D’に基づいて第1レ
ンズGr1の繰り出し量の補正演算を行うので、撮影レ
ンズの焦点距離fが変化した場合でも、温度変化による
像点位置の補正を当該焦点距離fに対応してきめ細かく
行うことが可能である。これによって、ピント精度を向
上させることができる。
て説明する。図11,図12は、温度,焦点距離,被写
体距離の関係を、バック補正量(図2のズームレンズを
用いた場合のシミュレーション値)で示している。つま
り、図11では、各焦点距離f(TELE,MIDDLE,WIDE)状態
で、被写体が無限遠位置(D=∞)にあるとき、ズームレ
ンズの温度変化によって変動する像点位置を所定位置に
補正する際に要する1群Gr1のレンズ繰り出し量Lを
示している。図12では、各焦点距離f(T,M,W)状態、
各温度(-10,0,10,30,40,50℃)で、被写体距離D(同図中
では、横軸を1/Dとしている)の変化に伴って変動す
る像点位置を所定位置に補正する際に要する1群Gr1
のレンズ繰り出し量Lを示している。
0),MIDDLE(M)は中間焦点距離状態(f=47.8),WIDE(W)
はワイド端(f=60.0)である。また、縦軸のPI数は、
像側への送り方向(最近接から無限方向へのレンズの移
動方向)を正としている。このPI数は、1群Grのレ
ンズ繰り出し量を表しており、レンズ繰り出し量のPI
モニターは、パルスエンコーダPE(図9)からステップ
状に送られるパルスの1カウントを1PI(1PIは約
4.4μmに相当する。)として行われる。
温度変化量T0−T(T0:基準温度,T:測定温度),
焦点距離f,被写体距離Dに応じてそれぞれ変化するこ
とが分かる。そこで、繰り出し量Lの演算において、第
1に、焦点距離fを3つの領域に分割して、各領域毎に
バック補正を行うものとする。第2に、温度変化(T0
−T)によるバック変動は直線的に変化するので、直線
補間によりバック補正を行うものとする。第3に、被写
体距離Dによりバック変動は直線的に変化するが、その
変化量は少ないので、ゾーン分割し、定数でバック補正
を行うものとする。
置(即ち、最近接位置)から無限遠方向に繰り込むPI数
で表される。ここで、無限遠方向とは、無限遠被写体に
ピントを合わせるようにフォーカシングレンズ(1群G
r1)を移動する方向である。無限遠位置はレンズの繰
り出し量が最も少ない位置をいい、近接になるほど被写
体側に繰り出すことになる。このシステムでは最も繰り
出した位置(無限遠位置)をスタート位置としているた
め、被写体距離が大きくなるほど1群Gr1が像側に移
動する(移動量が大きくなる)ことになる。
写体距離Dについてゾーン分割し、次の演算式(1)で直
線補間を行うことによって求められる。 L(20)=Pij×SP/16+Qij+Kf …(1) ここで、 i:被写体距離ゾーン(遠距離,中距離,近距離の3つ
の領域に分ける) j:焦点距離ゾーン{テレ(tele),ミドル(middle),ワ
イド(wide)の3つの領域に分ける} Pij:被写体距離,焦点距離についての各ゾーンの傾
き係数(=定数;整数値にするために16倍してある) SP:被写体距離のステップNo(被写体距離を0.5
98m〜無限遠まで、0〜129ステップに分割する) Qij:被写体距離,焦点距離についての各ゾーンの定
数 Kf:基準繰り出し量(レンズスタート位置から最近接
位置までのPI数) である。
きのレンズ繰り出し量ΔLは、温度T及び焦点距離fに
ついてゾーン分割し、温度T及び被写体距離Dについて
ゾーン分割して定数を与え、次の演算式(2)で直線補間
を行うことによって求められる。 ΔL=L(T)=Xej×(T0−T)/16+Yej+Zie …(2) ここで、 e:温度ゾーン(低温,常温,高温の3つの領域に分け
る) j:焦点距離ゾーン{テレ(tele),ミドル(middle),ワ
イド(wide)の3つの領域に分ける,3分割} Xej:温度,焦点距離についての各ゾーンの傾き係数
(=定数;整数値にするために16倍してある) T:測定温度 T0:基準温度(=10℃) Yej:温度,焦点距離についての各ゾーンの定数 Zie:被写体距離,温度についての各ゾーンでの補正
値 である。
なるように定めた値である。これを10℃としているの
は、同一ゾーンで温度変化量(T0−T)の正,負の変化
がないようにするためである。また、上記Zieは、後
述する表4のマップで、温度と被写体距離とによって補
正する項目である。これは、被写体距離Dと測定温度T
との関係を示す図12のグラフから、許容レベルを想定
して得られたものである。
L(T)とを加算したものであり、次の式(3)で求められ
る。 L=[Pij×SP+Xej×(T0−T)]/16+Qij+Yej+Zie+ Kf …(3)
図示)に格納する。以下の表2〜表4に、演算用のマッ
プを示す。被写体距離による補正は、マップの定数Zi
eにより行うが、焦点距離による補正と同様に直線補間
によって補正を行ってもよい。尚、被写体距離,温度
(1℃のピッチの測定結果)は、ディジタル的にデータが
構成されているので、ゾーンの境界が離れている(ディ
ジタル分解能)。また、焦点距離は、ズームエンコーダ
ZEのON,OFFスイッチ情報により、3つのゾーン
に分けられるので、ゾーンの境界が重なっている。
しているので、EEPROMには係数データのみ蓄えて
おけばよい。これにより、ROM容量を小さくすること
ができる。
説明する。通常、レンズ,鏡胴の製作,組立てにおける
バラツキによって、像点位置にはズレが生じている。こ
のため、一般にカメラの最終組立工程でこのズレを補正
する調整作業が必要となる。このズレの補正方法として
は、鏡胴の位置をずらして補正するメカ的方法と、レン
ズの繰り出し量をEEPROMに補正量として入力する
ことにより補正する電気的方法とがある。本発明が対象
としている撮影レンズのように、温度変化によってレン
ズバックが変動するものについては、この調整工程にお
いて、温度によってもレンズバックの補正量を変化させ
る必要がある。
いてレンズバックを電気的に補正する方法について説明
する。同図は、図9に示すカメラ側のマイコン10,温
度センサーSE又はズームエンコーダZEと、治具側の
マイコン(不図示)との信号のやり取りのフローを表して
いる。まず、治具側のマイコン10からカメラ側のマイ
コンに、レンズバック(LB)調整コマンド送信を行うこ
とによって、レンズバックの調整を行うことを指示す
る。次に、治具側のマイコンからカメラ側のマイコン1
0に、設定焦点距離送信を行うことによって、テレ(tel
e),ミドル(middle),ワイド(wide)のいずれかの領域で
調整することを指示する。
点距離fに応じたレンズ移動を行う。そして、カメラに
設けられている温度センサーSE(図9)によって、撮影
レンズの温度を測定し、測定データを治具側マイコンに
送信する。治具側マイコンは、カメラ側の温度センサー
SEから出力された温度データTSをメモリする。
タート位置としてフォーカシングレンズ(第1レンズG
r1)を無限遠方向に移動させると、カメラのズームエ
ンコーダZEは、フォーカシングレンズの移動量1PI
毎に治具側マイコンへPI信号を送信する。治具側マイ
コンは、PI信号をカウントしながらMTF(modulatio
n transfer function)のピーク位置を探す。MTF(空
間周波数:20本程度)のピーク位置が最もコントラス
トの高い像点位置であり、このピーク位置に通常フィル
ムが配置される。カメラ側で初期リセットを行う一方、
治具側マイコンはMTFピークでのPI数をメモリした
後、後述するようにしてKf値の計算を行う。得られた
計算値Kfをカメラ側のEEPROMにメモリすれば、
Kfの設定作業は終了する。
めの基準繰り出し量Kfの演算について説明する。焦点
距離をゾーン分割し、以下の式(4)〜(8)に従ってKf値
を算出する。ここでは、焦点距離を5つのゾーン(テ
レ,テレ〜ミドル,ミドル,ミドル〜テレ,テレ)に分
割した場合の演算式を示す。ここで、ゾーンの分割数を
3から5に増やしているのは、繰り出しが基準位置から
の変化量であるのに対し、Kf値は高い精度を必要とす
る基準位置の絶対量を決めるものだからである。
する。 Kf(t)=PI(t)−Q1j−Y2j−{P1j×SP+X2j×(10−T S(t))}/16 …(4)
出する。 Kf(m)=PI(m)−Q1j−Y2j−{P1j×SP+X2j×(10−T S(m))}/16 …(5)
出する。 Kf(w)=PI(w)−Q1j−Y2j−{P1j×SP+X2j×(10−T S(W))}/16 …(6)
{Kf(tm)}は、式(7)で算出する。 Kf(tm)={Kf(t)+Kf(m)}/2 …(7)
{Kf(mw)}は、式(8)で算出する。 Kf(mw)={Kf(m)+Kf(w)}/2 …(8)
数 PI(w):ワイド(f=39.1mm)での繰り出しPI
数 TS(t):テレでの測定温度 TS(m):ミドルでの測定温度 TS(w):ワイドでの測定温度 である。
定は、温度管理された部屋の中で行われるが、温度変化
によるレンズバック変動が大きいと、更に厳しい温度条
件が保たれた恒温室(決められた室温が維持された環境)
内で行われることになる。しかし、上記のようにカメラ
側の温度センサーSE(鏡胴TB内に限らずカメラボデ
ィーBD内に設けられたものでもよい)で測定された撮
影レンズの温度(センサーからの測温データ)を用いて、
入力する補正値Kfを演算すれば、恒温室が不要とな
り、どんな環境でも高精度のピント位置調整(即ち、基
準繰り出し量を決定するレンズバック調整)が可能とな
る。
装置によれば、演算制御手段が、焦点距離検出手段で検
出された焦点距離及び前記温度測定手段で測定された温
度に基づいて、予め定められた複数の焦点距離ゾーンの
いずれに該当するかを特定し、特定された焦点距離ゾー
ンごとに予め設定された補正値を用いて補正演算を行
い、演算結果に基づいて、撮影レンズのフォーカシング
を制御するので、撮影レンズの温度変化によって変動す
る像点位置を、所定位置に正確に補正することができ
る。従って、焦点距離が変化しても温度変化による像点
位置の変動がその焦点位置に応じてきめ細かく補正さ
れ、ピント精度が向上する。
被写体距離も加えて、焦点距離と被写体距離情報とによ
って前記繰り出し量の補正演算が行われるため、より高
精度の補正が可能となる。
構造を示す断面図。
ムレンズのレンズ構成図。
度センサーの他の取付構造を示す断面図。
分布を検証するための温度測定位置を示す図。
ィー内部温度変化を示すグラフ。
温度変化を示すグラフ。
が太陽光の照射を受けたときの鏡胴各部の温度変化を示
すグラフ。
のうち、太陽光の照射を受けたときに温度変化の影響を
受けやすい領域を、鏡胴の断面構造で示す図。
構成を示すブロック図。
出動作を示すフローチャート。
離とバック補正量との関係を示すグラフ。
点距離及び温度とバック補正量との関係を示すグラフ。
Kfの算出動作のフローを示す図。
Claims (3)
- 【請求項1】 焦点距離を変化させることにより結像倍
率が可変である撮影レンズの温度変化によって変動する
像点位置を所定位置に補正する撮影レンズの温度補正装
置において、 前記撮影レンズの焦点距離を検出する焦点距離検出手段
と、 温度測定手段と、 前記焦点距離検出手段で検出された焦点距離及び前記温
度測定手段で測定された温度に基づいて、予め定められ
た複数の焦点距離ゾーンのいずれに該当するかを特定
し、特定された焦点距離ゾーンごとに予め設定された補
正値を用いて前記撮影レンズの繰り出し量の補正演算を
行い、演算結果に基づいて、前記像点位置の補正を行う
演算制御手段と、 を備えたことを特徴とする温度補正装置。 - 【請求項2】 さらに、前記温度補正装置は、被写体ま
での距離を検出する被写体距離測定手段を備え、 前記温度測定手段で測定された温度及び前記被写体距離
検出手段で検出された被写体距離に基づいて、予め定め
られた複数の被写体距離ゾーンのいずれに該当するかを
特定し、特定された被写体距離ゾーンごとに予め設定さ
れた補正値を用いて前記撮影レンズの繰り出し量の補正
演算を行い、演算結果に基づいて、前記像点位置の補正
を行う演算制御手段と、 を備えたことを特徴とする請求項1記載の温度補正装
置。 - 【請求項3】 前記演算制御手段において、特定された
焦点距離ゾーンでの演算を行う場合、さらに予め製造時
に焦点距離ゾーンに対応して定められた基準繰り出し量
の値にしたがって前記撮影レンズの繰り出し量の補正演
算が行われることを特徴とする請求項1から2のいずれ
かに記載の温度補正装置。
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