JP3287595B2 - 電子写真感光体、それを用いた電子写真装置、装置ユニットおよびファクシミリ - Google Patents

電子写真感光体、それを用いた電子写真装置、装置ユニットおよびファクシミリ

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JP3287595B2 JP01103092A JP1103092A JP3287595B2 JP 3287595 B2 JP3287595 B2 JP 3287595B2 JP 01103092 A JP01103092 A JP 01103092A JP 1103092 A JP1103092 A JP 1103092A JP 3287595 B2 JP3287595 B2 JP 3287595B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関
し、詳しくは改良された中間層を有する電子写真感光体
に関する。
【0002】また、本発明は、斯かる電子写真感光体
有する電子写真装置、装置ユニットおよびファクシミリ
に関する。
【0003】
【従来の技術】電子写真感光体を繰り返し用いて画像を
得る場合、画像濃度が一定で、カブリもない優れた画像
が安定して得られることが当然ながら要求される。
【0004】そのためには、感度の安定性と共に、暗部
電位や明部電位の安定性が非常に重要である。
【0005】また、近年一般的に用いられている感光
体、即ち導電性支持体、電荷発生層および電荷輸送層
を、この順に有する電子写真感光体の電荷発生層は、通
常、極めて薄い層、例えばその厚さが0.5μm程度で
あるため、導電性支持体上の汚れ、付着物および傷とい
った欠陥の影響を特に受け易いので、感度ムラや電位ム
ラが生じ易い。
【0006】これらの問題を解決するために、導電性支
持体から感光層へのキャリヤー注入性の改良、支持体と
感光層との接着性の改良、感光層の塗工性の向上および
支持体上の欠陥の被覆などの機能を有する中間層を、支
持体と感光層の間に設けることが提案されている。
【0007】従来、中間層に用いられる材料として、ポ
リアミド(特開昭46−47344号公報、特開昭52
−25638号公報および特開昭58−95351号公
報)、ポリエステル(特開昭52−20836号公報お
よび特開昭54−26738号公報)、ポリウレタン
(特開昭49−10044号公報および特開昭53−8
9435号公報)、カゼイン(特開昭55−10355
6号公報)、ポリペブチド(特開昭53−48523号
公報)、ポリビニルアルコール(特開昭52−1002
40号公報)、ポリビニルピロリドン(特開昭48−3
0936号公報)、酢酸ビニル−エチレン共重合体(特
開昭48−26141号公報)、無水マレイン酸エステ
ル重合体(特開昭52−10138号公報)、ポリビニ
ルブチラール(特開昭57−90639号公報および特
開昭58−106549号公報)、第四級アンモニウム
塩含有重合体(特開昭51−126149号公報および
特開昭56−60448号公報)、エチルセルロース
(特開昭55−143564号公報)などが知られてい
る。
【0008】ところで、中間層を有する電子写真感光体
を用いても、用いる環境(温度および湿度)によって、
その電子写真特性が変化することがある。
【0009】例えば、低温低湿下では中間層の抵抗は高
くなる傾向があり、中間層に電荷が残留し易くなるので
残留電位や明部電位が上昇し、得られる画像にカブリが
生じたり(正現像)、画像の濃度が薄くなったり(反転
現像)することがあった。逆に、高温高湿下では中間層
の抵抗は低くなる傾向があり、支持体から感光層へキャ
リアーが注入し易くなるので暗部電位が低下し、画像濃
度が薄くなったり(正現像)、画像に黒点状の欠陥(黒
ポチ)やカブリが生じたり(反転現像)することがあっ
た。
【0010】また、中間層の耐溶剤性が優れていない場
合には、その上に感光層を積層すると中間層が溶解また
は膨潤してしまい、その結果、電子写真特性が悪化する
こともあった。
【0011】そこで、近年の更なる高画質化の要求に伴
い、低温低湿から高温高湿までの様々な環境において、
より安定した電子写真特性を有する電子写真感光体が検
討されている。
【0012】
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繰り
返し使用の際にも優れた画像を安定して得ることのでき
電子写真感光体を提供することにある。
【0014】また、本発明の目的は、低温低湿から高温
高湿に至る全環境下で、優れた画像を安定して得ること
のできる電子写真感光体を提供することにある。
【0015】更に、本発明の目的は、斯かる電子写真感
光体を有する電子写真装置、装置ユニットおよびファク
シミリを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、導電性
支持体に中間層および樹脂層をこの順に有する電子写真
感光体において、該中間層がアセタール樹脂、2座配位
の配位子が1〜4個配位した有機金属錯体化合物および
導電性粉体を含有する溶液を塗布し、その後該アセター
ル樹脂と該有機金属錯体化合物を反応させることによっ
て形成されることを特徴とする電子写真感光体である。
【0017】また、本発明は斯かる電子写真感光体を有
する電子写真装置、装置ユニットおよびファクシミリで
ある。
【0018】本発明における上記反応生成物はアセター
ル樹脂と有機金属錯体化合物を適当な溶媒中で混合し、
加熱することによって形成される。この反応生成物は、
アセタール樹脂の水酸基と、有機金属錯体化合物中の中
心金属、あるいは中心金属に結合または配位している反
応基とが反応することにより生成される。
【0019】本発明に用いられるアセタール樹脂は下記
【外1】
【0020】(Rは水素原子、置換または無置換のアル
キル基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換ま
たは無置換のアリール基、置換または無置換の芳香族複
素環基を示す。) で示される構造を有する樹脂である。
【0021】アルキル基としては、メチル基、エチル基
およびプロピル基などが挙げられ、シクロアルキル基と
しては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペ
ンチル基およびシクロヘキシル基などが挙げられ、アリ
ール基としては、フェニル基およびナフチル基などが挙
げられ、芳香族複素環としては、ピリジル基などが挙げ
られる。
【0022】本発明に用いられる有機金属錯体化合物
は、下記式(I)乃至(VIII)で示される構造を有
することが特に好ましい。尚、式中の破線は配位結合を
示す。
【0023】
【外2】
【0024】
【外3】
【0025】
【外4】
【0026】
【外5】
【0027】
【外6】
【0028】式中、Mはアルミニウム、チタニウム、
銀、バリウム、コバルト、クロム、銅、鉄、カリウム、
マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、パラ
ジウム、ロジウム、スズ、鉛、バナジウム、亜鉛および
ジルコニウムよりなる群から選ばれる金属原子、該金属
酸化物、該金属硫化物または該金属ハロゲン化物を示
し、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9
10,R11およびR12は、水素原子、アルキル基、アル
ケニル基、アルコキシ基、アリール基、シクロアルキル
基、シクロアルケニル基またはOR13基(R13は、アル
ケニル基、アリール基、またはシクロアルキル基を示
す。)を示し、R1乃至R13は置換基を有しても良く、
またR1乃至R12は同じでも異なっていても良く、Xは
水、カルボニル基、アルキル基、アルコキシ基、シクロ
アルキル基またはシクロアルケニル基を示し、Xは置換
基を有しても良く、mは0,1,2,3,4または5を
示す。
【0029】アルキル基としてはメチル基、エチル基お
よびプロピル基などが挙げられ、アルケニル基として
は、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基およびヘ
キセニル基などが挙げられ、アルコキシ基としては、メ
トキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基などが挙げら
れ、アリール基としてはフェニル基およびナフチル基な
どが挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロプロ
ピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基およびシク
ロヘキシル基などが挙げられ、シクロアルケニル基とし
てはシクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘ
キセニル基、シクロヘプテニル基およびシクロオクテニ
ル基などが挙げられる。
【0030】本発明に用いられる有機金属錯体中の金属
は、アルミニウムおよびチタニウムであることが好まし
く、特にはアルミニウムが好ましい。
【0031】以下に、本発明に用いられる有機金属錯体
化合物の具体例を示すが、本発明に用いられる化合物は
これらに限定されるものではない。
【0032】
【外7】
【0033】
【外8】
【0034】
【外9】
【0035】
【外10】
【0036】
【外11】
【0037】
【外12】
【0038】
【外13】
【0039】
【外14】
【0040】
【外15】
【0041】
【外16】
【0042】
【外17】
【0043】
【外18】
【0044】
【外19】
【0045】これらの中でも、例示No.1、3、4お
よび7で示される化合物が特に好ましい。
【0046】以下に、アセタール樹脂と有機金属錯体化
合物との反応生成物の合成例を示す。
【0047】(合成例1) ブチラール樹脂(S−LECBX−1、積水化学
(株))製、ブチラール化度66%)のメチルエチルケ
トン10重量%溶液に例示No.3の有機金属錯体化合
物を[ブチラール樹脂のOH基のモル数]/[有機アル
ミニウム錯体のモル数]=5/1の比率で加えた。この
溶液をKBr板上に塗工し、150℃で1時間乾燥し
た。得られたサンプルの赤外線吸収スペクトル(IRス
ペクトル)を測定したところ、ブチラールから検出され
る水酸基のピークが、有機金属錯体化合物を添加しない
場合と比較して減少していた。
【0048】(合成例2および3) 有機金属錯体化合物として例示No.19および29の
化合物を用いた以外は合成例1と同様にして反応生成物
を合成し評価したところ、両方ともブチラールから検出
される水酸基のピークが有機金属錯体化合物を添加しな
い場合と比較して減少していた。
【0049】本発明のアセタール樹脂と有機金属錯体化
合物との反応生成物の構造は、アセタール樹脂の構造、
および有機金属錯体化合物の構造などに依存する。両者
の結合状態としては有機金属錯体化合物中の金属原子
が、アセタール樹脂の配位基、即ち水酸基の1つとのみ
結合している場合と、複数の配位基に作用してキレート
環を形成している場合がある。いずれの場合においても
アセタール樹脂と有機金属錯体化合物の反応生成物は、
配位結合部位近傍の立体障害、電荷の分布、溶媒の種類
や金属原子の要求する立体配置などに影響されながら、
エネルギー的に最も安定(架橋構造をとっていると特に
安定である。)な構造をしている。
【0050】アセタール樹脂単体と比較して、本発明の
アセタール樹脂と有機金属錯体化合物の反応生成物は、
塗膜形成時に塗膜欠陥が生じにくく、更に導電性支持体
との接着性にも優れている。
【0051】また、本発明のアセタール樹脂と有機金属
化合物の反応生成物は、アセタール樹脂単体と比較し
て、有機溶剤に対する耐溶剤性が飛躍的に優れており、
そのため本発明においては、中間層上に積層する樹脂
層、即ち感光層や誘電層用塗工液に用いることのできる
溶剤の選択幅が非常に広い。
【0052】つまり、従来では中間層が感光層や誘電層
の塗工時に溶けたり膨潤してしまうために電子写真特性
が劣化してしまったような材料の組み合わせでも、優れ
た特性を有する電子写真感光体とすることができ、ま
た、より多種にわたる感光層を形成することもできる。
【0053】更に本発明においては、低温低湿下におけ
る残留電位の上昇および高温高湿下におけるバリアー機
能の低下に起因する暗部電位の低下などの環境変動をも
効果的に防止することができる。
【0054】これは、各環境下における本発明に用いて
いる反応生成物の体積抵抗の変動量が小さいからである
と考えられる。抵抗の環境変動量が小さい理由は定かで
はないが、有機金属錯体化合物中の金属とアセタール樹
脂中の配位基との配位結合に関与している電子が反応生
成物の導電性に大きく寄与しているため環境変動の影響
を受けにくいのではないかと考えられる。
【0055】本発明においては、アセタール樹脂の構造
や有機金属錯体化合物の構造及び金属の価数、含有率を
選択することにより、中間層の抵抗をコントロールする
ことも可能である。
【0056】また、本発明の中間層用塗工液は、アセタ
ール樹脂と有機金属錯体化合物を溶媒中に溶解したもの
であるが、加熱することにより初めて反応生成物を生じ
る。つまり、加熱前の溶液中では、アセタール樹脂と有
機金属錯体化合物は錯体を形成せずに、単に溶媒中に相
溶している状態であり、中間層の塗工液はゲル化せずに
常に粘度がある程度一定に保たれるので、ポットライフ
も長い。
【0057】尚、本発明において中間層中の有機金属錯
体化合物と反応させる樹脂としては、アセタール樹脂を
単独で用いるだけでなく、アセタール樹脂と他の樹脂と
の共重体を用いることもできる。
【0058】共重合させる樹脂のモノマー成分として
は、オレフィン、メチルメタクリル酸、アクリロニトリ
ル、アクリル、塩化ビニルおよびスチレンなどが挙げら
れ、共重合させる割合は、架橋可能な水酸基の数が共重
合体のエチレン鎖の数に対して5%以上であることが好
ましく、特には10%以上あることが好ましい。
【0059】更に、本発明の中間層は、導電性粉体を含
有する。また、更に、導電性物質、添加剤や他の樹脂を
含有しても良い。
【0060】導電性物質としては、アルミニウム、ニッ
ケル、銅および銀などの金属粉体、金属箔および金属短
繊維、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化インジウムなど
の導電性金属酸化物、ポリピロール、ポリアニリン、高
分子電解質などの高分子導電材、カーボンファイバー、
カーボンブラック、グラファイト粉体、有機および無機
の電解質、またはこれらの導電性物質を表面に被覆した
粉体などが挙げられる。導電性物質と本発明の中間層に
用いられる樹脂との混合比(重量比)は、5:1〜1:
5程度である。この比は導電層の抵抗、表面性および塗
工性などを考慮して決められる。導電性物質が粉体の場
合には、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトラ
イターなどを用いて常法により混合物を調製する。
【0061】添加剤としては界面活性剤、シランカップ
リング剤、チタネートカップリング剤、シリコーンオイ
ルおよびシリコーンレベリング剤などが挙げられる。
【0062】混合する樹脂としては、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ−N−ビニル
イミダゾール、アルキルセルロース、ニトロセルロー
ス、ポリアクリル酸エステル、カゼイン、ゼラチン、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリエチレンオキサイド、ポ
リプロピレンオキサイド、ポリアミノ酸エステル、ポリ
酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルピロリド
ン、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ポリメタクリル
酸エステル、ポリペプチド、ポリ無水マレイン酸、ポリ
アクリルアミド、ポリビニルホルマール、ポリビニルピ
リジン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリビニルブチラール、クロルスルホン化ポリ
エチレンおよび熱可塑性ポリウレタンなどの熱可塑性樹
脂や熱硬化性ポリウレタン、フェノール樹脂およびエポ
キシ樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。
【0063】本発明の中間層の厚さは、電位特性および
導電性支持体の表面状態などを考慮して設定されるもの
であり、0.1〜50μm程度まで設定し得るが、導電
性物質を含有するので、1〜30μmが好ましい。
【0064】また、本発明においてはバリヤー性のコン
トロールなど必要に応じて、中間層上に樹脂を主成分と
する第二の中間層を設けることができる。用いられる樹
脂としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリウレアおよびフェノール樹脂などが挙げられ
る。この第二の中間層の厚さは、0.1〜5μmが好ま
しい。
【0065】本発明の電子写真感光体の層構成として
は、例えば次のようなものが挙げられる。(1)導電性
支持体/中間層/感光層 以下、(1)を例にして詳細に説明する。
【0066】本発明の電子写真感光体の層構成の例を図
1および図2に示す。
【0067】本発明において感光層は電荷発生物質5を
含有する電荷発生層3と電荷輸送物質(不図示)を含有
する電荷輸送層4に機能分離した積層構造でもよく、ま
たは電荷発生物質と電荷輸送物質を同一層に含有した単
一層6でもよい。
【0068】電荷発生層3はスーダンレッド、ダイアン
ブルーおよびジェナスグリーンBなどのアゾ顔料;アル
ゴールイエロー、ピレンキノンおよびインダンスレンブ
リリアントバイオレットRRPなどのキノン顔料;キノ
シアニン顔料;ペリレン顔料;インジゴおよびチオイン
ジゴなどのインジゴ顔料;インドファーストオレンジト
ナーなどのビスベンゾイミダゾール顔料;銅フタロシア
ニンなどのフタロシアニン顔料;およびキナクリドン顔
料などの電荷発生物質をポリビニルブチラール、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹
脂、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースおよびヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースなどの結着剤樹脂に
分散し、この分散液を本発明の中間層2の上に塗工する
ことによって形成できる。このような電荷発生層の膜厚
は5μm以下が好ましく、特には0.01μm〜2μm
が好ましい。
【0069】電荷発生層3の上または下に設ける電荷輸
送層4は、主鎖または側鎖にアントラセン、ピレン、フ
ェナントレンおよびコロネンなどの多環芳香族化合物ま
たはインドール、カルバゾール、オキサゾール、イソオ
キサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、
オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾールおよび
トリアゾールなどの含窒素環式化合物、ヒドラゾン化合
物およびスチリル化合物などの電荷輸送物質を、成膜性
を有する樹脂に溶解した塗工液を用いて形成される。こ
れは電荷輸送物質が一般的に低分子量で、それ自身では
成膜性に乏しいためである。用いられる樹脂としてはポ
リエステル、ポリサルホン、ポリカーボネート、ポリメ
タクリル酸エステル類、ポリスチレンなどが挙げられ
る。電荷輸送層4の厚さは5μm〜40μm、好ましく
は10μm〜25μmである。
【0070】更に、本発明で用いる感光層としては前述
したものの他、ポリ−N−ビニルカルバゾールやポリビ
ニルアントラセンなどの有機光導電性ポリマー層、セレ
ン蒸着層、セレン−テルル蒸着層あるいはアモルファス
シリコン層など挙げることができる。
【0071】また、本発明においては、感光層を外部か
らの機械的、電気的および化学的影響から保護するため
に、保護層として樹脂層や導電性粒子を含有する樹脂層
を感光層上に積層することもできる。
【0072】本発明で用いる導電性支持体1は導電性を
有するものであれば、何れのものでもよく、アルミニウ
ム、銅、モリブデン、クロム、ニッケルおよび真ちゅう
などの金属または合金をドラム状またはシート状などの
形状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔を
プラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニ
ウム、酸化インジウム、酸化スズなどをプラスチックフ
ィルムに蒸着したもの、あるいは導電性物質を適当なバ
インダー樹脂と共に塗布した導電層を有する前記金属、
合金、プラスチックフィルムおよび紙などが挙げられ
る。
【0073】上述した各種層および本発明の中間層2
は、適当な有機溶媒を用い、浸漬コーティング法、スプ
レーコーティング法、スピンナーコーティング法、ロー
ラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法およ
びブレードコーティング法などのコーティング法を用い
て形成することができる。
【0074】
【0075】図3に本発明の電子写真感光体を用いた転
写式電子写真装置の概略構成例を示す。
【0076】図において、3−1は像担持体としてのド
ラム型感光体であり軸3−1aを中心に矢印方向に所定
の周速度で回転駆動される。該感光体3−1はその回転
過程で帯電手段3−2によりその周面に正または負の所
定電位の均一帯電を受け、次いで露光部3−3にて不図
示の像露光手段により光像露光L(スリット露光・レー
ザービーム操作露光など)を受ける。これにより感光体
周面に露光像に対応した静電潜像が順次形成されてい
く。
【0077】その静電潜像はついで現像手段3−4でト
ナー現像されそのトナー現像像が転写手段3−5により
不図示の給紙部から感光体1と転写手段3−5との間に
感光体3−1の回転と同期取りされて給送された転写材
Pの面に順次転写されていく。
【0078】像転写を受けた転写材Pは感光体面から分
離されて像定着手段3−8へ導入されて像定着を受けて
複写物(コピー)として機外へプリントアウトされる。
【0079】像転写後の感光体3−1の表面はクリーニ
ング手段3−6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄
面化され、更に前露光手段3−7により除電処理されて
繰り返して像形成に使用される。
【0080】感光体3−1の均一帯電手段3−2として
はコロナ帯電装置が一般に広く使用されている。また転
写装置3−5もコロナ転写手段が一般に広く使用されて
いる。電子写真装置として、上述の感光体や現像手段、
クリーニング手段などの構成要素のうち、複数のものを
装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユニッ
トを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。例え
ば、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段の少な
くとも1つを感光体とともに一体に支持してユニットを
形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置
本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成に
しても良い。このとき、上記の装置ユニットのほうに帯
電手段および/または現像手段を伴って構成しても良
い。
【0081】光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプ
リンタとして使用する場合には、原稿からの反射光や透
過光を感光体に照射すること、あるいは、センサーで原
稿を読取り信号化し、この信号に従ってレーザービーム
の走査、LEDアレイの駆動、または液晶シャッターア
レイの駆動を行い感光体に光を照射することなどにより
行われる。
【0082】ファクシミリのプリンタとして使用する場
合には、光像露光Lは受信データをプリントするための
露光になる。図4はこの場合の一例をブロック図で示し
たものである。
【0083】コントローラ4−11は画像読取部4−1
0とプリンタ4−19を制御する。コントローラ4−1
1の全体はCPU4−17により制御されている。画像
読取部からの読取データは、送信回路4−13を通して
相手局に送信される。相手局から受けたデータは受信回
路4−12を通してプリンタ4−19に送られる。画像
メモリには所定の画像データが記憶される。プリンタコ
ントローラ4−18はプリンタ4−19を制御してい
る。4−14は電話である。
【0084】回線4−15から受信された画像(回線を
介して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受
信回路4−12で復調された後、CPU4−17は画像
情報の複合処理を行い順次画像メモリ4−16に格納さ
れる。そして、少なくとも1ページの画像がメモリ4−
16に格納されると、そのページの画像記録を行う。C
PU4−17はメモリ4−16より1ページの画像情報
を読み出しプリンタコントローラ4−18に複合化され
た1ページの画像情報を送出する。プリンタコントロー
ラ4−18はCPU4−17からの1ページの画像情報
を受け取るとそのページの画像情報記録を行うべく、プ
リンタ4−19を制御する。
【0085】尚、CPU4−17はプリンタ4−19に
よる記録中に、次のページの受信を行っている。
【0086】以上の様に、画像の受信と記録が行われ
る。
【0087】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明する。
【0088】
【実施例】(実施例1) 10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した
導電性酸化チタン粉体30部、ルチル型酸化チタン粉体
20部、ポリビニルブチラール(ブチラール化率72
%、重量平均分子量20,000)20部と例示化合物
No.155部およびメチルエチルケトン180部をφ
1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で1時間分
散して中間層用塗料を調製した。
【0089】アルミニウムシリンダー(φ60mm×2
60mm)上に、上記塗料を浸漬塗布し、160℃で1
時間乾燥させ、膜厚10μmの中間層を形成した。
【0090】次に、N−メトキシメチル化6ナイロン
(トレジン、帝国化学(株)製)5部をメタノール95
部に溶解し、上記中間層上に浸漬塗布後、80℃で10
分間乾燥させ、膜厚0.2μmの第二の中間層を形成し
た。
【0091】次に、下記構造式
【外20】
【0092】で示されるジスアゾ顔料2部、ポリビニル
ブチラール(ブチラール化率70%、重量平均分子量1
8,000)1部およびシクロヘキサノン30部をφ1
mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で24時間分
散した後、メチルエチルケトン65部を加えて電荷発生
層用分散液を調製した。この分散液を第二の中間層上に
浸漬塗布し、80℃で20分間乾燥させ、膜厚0.15
μmの電荷発生層を形成した。
【0093】次に、下記構造式
【外21】
【0094】で示されるヒドラゾン化合物9.5部およ
びポリカーボネート(重量平均分子量36,000)1
0部をジクロルメタン20部、モノクロルベンゼン40
部の混合溶媒中に溶解し、この溶液を上記の電荷発生層
上に浸漬塗布し、120℃で60分間乾燥させ、膜厚2
5μmの電荷輸送層を形成した。
【0095】このようにして製造した電子写真感光体を
普通紙複写機(NP−4835、キヤノン(株)製)に
取り付け、低温低湿(15℃、10%RH)の環境下で
電子写真特性の評価を行った。
【0096】結果を表に示す。
【0097】(実施例2) 第2の中間層を設けなかった以外は実施例と同様にし
て電子写真感光体を作成し、評価した。
【0098】結果を表に示す。
【0099】(実施例3) 例示No.15の有機金属錯体化合物のかわりに例示化
合物No.25を用いた以外は実施例と同様にして電
子写真感光体を作成し、評価した。
【0100】結果を表に示す。
【0101】(実施例4) 第2の中間層を設けなかった以外は実施例と同様にし
て電子写真感光体を作成し、評価した。
【0102】結果を表に示す。
【0103】(実施例5) 例示No.15の有機金属錯体化合物のかわりに例示化
合物No.63を用いた以外は実施例と同様にして電
子写真感光体を作成し、評価した。
【0104】結果を表に示す。
【0105】(実施例6) 第2の中間層を設けなかった以外は実施例と同様にし
て電子写真感光体を作成し、評価した。
【0106】結果を表に示す。
【0107】(比較例) 有機アルミニウム錯体化合物を用いなかった以外は、実
施例と同様にして電子写真感光体を作成し、評価し
た。
【0108】結果を表に示す。
【0109】(比較例) 有機アルミニウム錯体化合物を用いなかった以外は、実
施例と同様にして電子写真感光体を作成し、評価した
が、連続1,000枚後には画像形成に必要な電位コン
トラストが得られなかった。
【0110】結果を表に示す。
【0111】
【表1】
【0112】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、繰り返
し使用や環境条件に影響されることなく、優れた画像を
安定して得ることのできる電子写真感光体、それを用い
た電子写真装置、装置ユニットおよびファクシミリを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す図
である。
【図2】本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す図
である。
【図3】本発明の電子写真感光体を有する電子写真装置
の概略構成例を示す図である。
【図4】本発明の電子写真感光体を有するファクシミリ
のブロック図例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07F 3/00 C07F 3/00 F 3/02 3/02 Z 3/06 3/06 5/00 5/00 D 5/06 5/06 D C08L 59/00 C08L 59/00 (56)参考文献 特開 平2−146551(JP,A) 特開 平2−146554(JP,A) 特開 平2−234167(JP,A) 特開 平2−59767(JP,A) 特開 平3−141366(JP,A) 特開 平4−124673(JP,A) 特開 平4−162041(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/14

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体に中間層および樹脂層をこ
    の順に有する電子写真感光体において、該中間層がアセ
    タール樹脂、2座配位の配位子が1〜4個配位した有機
    金属錯体化合物および導電性粉体を含有する溶液を塗布
    し、その後該アセタール樹脂と該有機金属錯体化合物を
    反応させることによって形成されることを特徴とする
    子写真感光体
  2. 【請求項2】 前記有機金属錯体化合物が有機アルミニ
    ウム錯体化合物である請求項1記載の電子写真感光体
  3. 【請求項3】 前記有機金属錯体化合物が有機チタニウ
    ム錯体化合物である請求項1記載の電子写真感光体
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の電子
    写真感光体、静電潜像形成手段、形成した静電潜像を現
    像する手段および現像した像を転写材に転写する手段を
    有することを特徴とする電子写真装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の電子
    写真感光体、帯電手段、現像手段およびクリーニング手
    段を一体に支持し、装置本体に着脱自在であることを特
    徴とする装置ユニット。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の電子写真装置およびリモ
    ート端末からの画像情報を受信する手段を有することを
    特徴とするファクシミリ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101974108B (zh) * 2010-10-26 2012-08-08 华南理工大学 一种阳离子型半纤维素的制备方法

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