JP3286437B2 - タイヤ空気圧判定装置 - Google Patents

タイヤ空気圧判定装置

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JP3286437B2 JP31415993A JP31415993A JP3286437B2 JP 3286437 B2 JP3286437 B2 JP 3286437B2 JP 31415993 A JP31415993 A JP 31415993A JP 31415993 A JP31415993 A JP 31415993A JP 3286437 B2 JP3286437 B2 JP 3286437B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイヤ空気圧判定装置
に関し、特に所定数の車輪速データの収集時間を短縮し
て高頻度で空気圧異常判定を行えるように構成したもの
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々のタイヤ空気圧警報装置
が提案され、例えば、タイヤ空気圧をセンサで検知しタ
イヤ空気圧の低下を判定するようにしたもの、或いは、
タイヤ空気圧が低下すると、空気圧が低下した車輪の回
転数が増加することから、4輪の車輪速を夫々検出する
車輪速センサを設け、車輪速センサで検出した車輪速に
基いてタイヤ空気圧の低下を判定するようにしたもの、
等が提案されている。
【0003】例えば、特開昭63−305011号公報
には、4つ車輪の車輪速センサからの出力を用いて、対
角線上にある1対の車輪の車輪速の合計と、他の対角線
上にある1対の車輪の車輪速の合計との差が所定値以上
のときに、合計車輪速が大きい方の1対の車輪の何れか
のタイヤの空気圧が低下したと判定し、その1対の車輪
の車輪速のうちの大きい方の車輪速が、4輪の車輪速の
平均値よりも所定値以上大きいときに、その車輪の空気
圧が低下したと判定し、その判定結果を警報するように
構成したタイヤ空気圧警報装置が記載されている。
【0004】車両のタイヤの製作誤差は、0.3%程度
の大きさであるが、タイヤ空気圧の低下によるタイヤの
動半径の変化量も0.3%程度の大きさであることも多
く、タイヤ空気圧判定には、高精度の制御が必要であ
る。そこで、タイヤ空気圧判定は、車両の定常走行状態
における、車輪数100回転(例えば、200回転)分
の所定量の車輪速データの平均値又は加算値を用いて実
行されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のよう
に、定常走行状態における車輪数100回転分の車輪速
データを収集するには、仮に、連続的に定常走行してい
る場合でも、5〜10分程度の時間がかかるが、定常走
行と非定常走行とを繰り返すことも多いことから、所定
量の車輪速データを蓄積するまでの時間が長くなり、そ
の車輪速データ蓄積に要するかなり長い時間に亙ってタ
イヤ空気圧の異常を判定できず、その期間中にタイヤ空
気圧が異常になる場合には、適切に警報できないという
問題がある。本発明の目的は、車輪速データ収集時間を
短縮し、高頻度でタイヤ空気圧の異常を検知できるよう
な車両のタイヤ空気圧判定装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1のタイヤ空気圧
判定装置は、車両の4輪の車輪速センサの検出信号を用
いてタイヤ空気圧の低下を検知して警報を出力するタイ
ヤ空気圧判定装置において、車両の定常走行時に、4輪
の車輪速センサの検出信号から4輪の車輪速相当値を求
める第1データ収集手段と、対角線上にある1対の車輪
の車輪速相当値の合計と、もう1対の車輪の車輪速相当
値の合計に基づいて初期設定値を求める初期設定手段
と、車両の定常走行時以外のときに、駆動輪の車輪速セ
ンサの検出信号から駆動輪の車輪速相当値を求めて、こ
の駆動輪車輪速相当値に車両のスリップ度合いに応じた
補正量で以て補正を施す第2データ収集手段と、定常走
行時は、前記第1データ収集手段により求められた車輪
速相当値に基づいて算出される判定変数と前記初期設定
手段により求められた初期設定値との偏差によりタイヤ
空気圧の判定を行うとともに、定常走行時以外は、前記
第1データ収集手段により求められた従動輪車輪速相当
値と前記第2データ収集手段により求められた駆動輪車
輪速相当値とに基づいて算出される前記判定変数と前記
初期設定手段により求められた初期設定値との偏差によ
りタイヤ空気圧の判定を行う空気圧判定手段とを備えた
ものである。
【0007】請求項2のタイヤ空気圧判定装置は、車両
の4輪の車輪速センサの検出信号を用いてタイヤ空気圧
の低下を検知して警報を出力するタイヤ空気圧判定装置
において、車両の定常走行時に、4輪の車輪速センサの
検出信号から4輪の車輪速相当値を求める第1データ収
集手段と、車両の定常走行時以外のときに、従動輪の車
輪速センサの検出信号から従動輪の車輪速相当値を求め
るとともに、駆動輪の車輪速センサの検出信号から駆動
輪の車輪速相当値を求めて、この駆動輪車輪速相当値に
車両のスリップ度合いに応じた補正量で以て補正を施す
第2データ収集手段と、定常走行時は、前記第1データ
収集手段により求められた車輪速相当値に基づいてタイ
ヤ空気圧の判定を行うとともに、定常走行時以外は、前
記第1データ収集手段により求められた従動輪車輪速相
当値と前記第2データ収集手段により求められた駆動輪
車輪速相当値とに基づいてタイヤ空気圧の判定を行う空
気圧判定手段とを備え、前記第2データ収集手段は、駆
動輪の輪荷重、路面摩擦係数、エンジン出力、車速のう
ちの少なくとも1つをパラメータとして、前記補正量を
求めるように構成されたものである。 請求項3のタイヤ
空気圧判定装置は、車両の4輪の車輪速センサの検出信
号を用いてタイヤ空気圧の低下を検知して警報を出力す
るタイヤ空気圧判定装置において、車両の定常走行時
に、4輪の車輪速センサの検出信号から4輪の車輪速相
当値を求める第1データ収集手段と、車両の定常走行時
以外のときに、従動輪の車輪速センサの検出信号から従
動輪の車輪速相当値を求めるとともに、駆動輪の車輪速
センサの検出信号から駆動輪の車輪速相当値を求めて、
この駆動輪車輪速相当値に車両のスリップ度合いに応じ
た補正量で以て補正を施す第2データ収集手段と、定常
走行時は、前記第1データ収集手段により求められた車
輪速相当値に基づいてタイヤ空気圧の判定を行うととも
に、定常走行時以外は、前記第1データ収集手段により
求められた従動輪車輪速相当値と前記第2データ収集手
段により求められた駆動輪車輪速相当値とに基づいてタ
イヤ空気圧の判定を行う空気圧判定手段とを備え、前記
第2データ収集手段は、車両の走行状態が予め設定され
た補正可能走行状態か否か判定する走行状態判定手段を
備え、この走行状態判定手段により補正可能走行状態に
あると判定されたときだけ、前記補正を施すように構成
されたものである。
【0008】請求項4のタイヤ空気圧判定装置は、車両
の4輪の車輪速センサの検出信号を用いてタイヤ空気圧
の低下を検知して警報を出力するタイヤ空気圧判定装置
において、車両の定常走行時に、4輪の車輪速センサの
検出信号から4輪の車輪速相当値を求める第1データ収
集手段と、車両の定常走行時以外のときに、従動輪の車
輪速センサの検出信号から従動輪の車輪速相当値を求め
るとともに、駆動輪の車輪速センサの検出信号から駆動
輪の車輪速相当値を求めて、この駆動輪車輪速相当値に
車両のスリップ度合いに応じた補正量で以て補正を施す
第2データ収集手段と、定常走行時は、前記第1データ
収集手段により求められた車輪速相当値に基づいてタイ
ヤ空気圧の判定を行うとともに、定常走行時以外は、前
記第1データ収集手段により求められた従動輪車輪速相
当値と前記第2データ収集手段により求められた駆動輪
車輪速相当値とに基づいてタイヤ空気圧の判定を行う空
気圧判定手段とを備え、車両の定常走行時、第1データ
収集手段から車輪速相当値を受けて、車両の左側の駆動
輪と左側の従動輪の車輪速差相当値と、車両の右側の駆
動輪と右側の従動輪の車輪速差相当値とを求める偏差算
出手段を設け、前記第2データ収集手段は、偏差算出手
段で求めた左側の車輪速差相当値と左側の従動輪の車輪
速相当値とに基いて、左側の駆動輪の車輪速相当値を補
正するとともに、右側の車輪速差相当値と右側の従動輪
の車輪速相当値とに基いて、右側の駆動輪の車輪速相当
値を補正するように構成されたものである。
【0009】
【発明の作用及び効果】請求項1のタイヤ空気圧判定装
置においては、第1データ収集手段は、車両の定常走行
時に、4輪の車輪速センサの検出信号から4輪の車輪速
相当値求める。初期設定手段は、対角線上にある1対
の車輪の車輪速相当値の合計と、もう1対の車輪の車輪
速相当値の合計に基づいて初期設定値を求める。第2デ
ータ収集手段は、車両の定常走行時以外のときに、駆動
輪の車輪速センサの検出信号から駆動輪の車輪速相当値
を求めてこの駆動輪車輪速相当値に車両のスリップ度合
いに応じた補正量で以て補正を施す。空気圧判定手段
は、定常走行時は、第1データ収集手段で求めた車輪速
相当値に基づいて算出される判定変数と前記初期設定値
との偏差によりタイヤ空気圧の判定を行い、定常走行時
以外は、第1データ収集手段で求めた従動輪車輪速相当
値と第2データ収集手段で求めた駆動輪車輪速相当値と
に基づいて算出される判定変数と前記初期設定値との偏
差によりタイヤ空気圧の判定を行う
【0010】このように、車両の定常走行時以外の時の
駆動輪の車輪速相当値に、車両のスリップ度合いに応じ
た補正量で以て補正を施すことで、定常走行時以外の時
にも駆動輪の車輪速相当値を蓄積することができるか
ら、タイヤ空気圧の判定を行ない得る所定量の車輪速の
データの収集時間を短縮でき、タイヤ空気圧の判定の頻
度を高めて信頼性を高めることができる。
【0011】ここで、請求項2の装置においては、車両
の定常走行時以外の時の駆動輪の車輪速相当値に、車両
のスリップ度合いに応じた補正量で以て補正を施すこと
で、定常走行時以外の時にも4輪の車輪速相当値を蓄積
することができるから、タイヤ空気圧の判定を行ない得
る所定量の車輪速のデータの収集時間を短縮でき、タイ
ヤ空気圧の判定の頻度を高めて信頼性を高めることがで
きる。 しかも、第2データ収集手段は、駆動輪の輪荷
重、路面摩擦係数、エンジン出力、車速のうちの少なく
とも1つをパラメータとして、前記補正量を求めるの
で、駆動輪のスリップに直接関係するこれら物理量をパ
ラメータとして、補正量を適切に設定できるから、車輪
速相当値の信頼性低下を防止できる。
【0012】請求項3の装置においては、車両の定常走
行時以外の時の駆動輪の車輪速相当値に、車両のスリッ
プ度合いに応じた補正量で以て補正を施すことで、定常
走行時以外の時にも4輪の車輪速相当値を蓄積すること
ができるから、タイヤ空気圧の判定を行ない得る所定量
の車輪速のデータの収集時間を短縮でき、タイヤ空気圧
の判定の頻度を高めて信頼性を高めることができる。
かも、第2データ収集手段の走行状態判定手段は、車両
の走行状態が予め設定された補正可能走行状態か否か判
定し、第2データ収集手段は、走行状態判定手段により
補正可能走行状態にあると判定されたときだけ、前記補
正を施すようにしたので、駆動輪の車輪速相当値を補正
することによりそのデータの信頼性が低下するのを確実
に防止できる。
【0013】請求項4の装置においては、車両の定常走
行時以外の時の駆動輪の車輪速相当値に、車両のスリッ
プ度合いに応じた補正量で以て補正を施すことで、定常
走行時以外の時にも4輪の車輪速相当値を蓄積すること
ができるから、タイヤ空気圧の判定を行ない得る所定量
の車輪速のデータの収集時間を短縮でき、タイヤ空気圧
の判定の頻度を高めて信頼性を高めることができる。
かも、偏差算出手段は、車両の定常走行時、第1データ
収集手段から車輪速相当値を受けて、車両の左側の駆動
輪と従動輪の車輪速差相当値と、車両の右側の駆動輪と
従動輪の車輪速差相当値とを求め、第2データ収集手段
は、偏差算出手段で求めた左側の車輪速差相当値と左側
の従動輪の車輪速相当値とに基いて、左側の駆動輪の車
輪速相当値を補正するとともに、右側の車輪速差相当値
と右側の従動輪の車輪速相当値とに基いて、右側の駆動
輪の車輪速相当値を補正する。このように、簡単な演算
処理を介して、左右の駆動輪の車輪速相当値を補正でき
るから、実用性に優れる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しつつ説明する。本実施例は、アンチスキッドブレーキ
制御とトラクション制御を行う制御装置を備えた乗用の
後輪駆動型自動車のタイヤ空気圧判定装置に本発明を適
用した場合の実施例である。第1図に示すように、この
自動車は、左右の前輪1,2が従動輪、左右の後輪3,
4が駆動輪とされ、エンジン5の出力トルクが自動変速
機6からプロペラシャフト7、差動装置8および左右の
駆動軸9,10を介して左右の後輪3,4に伝達され
る。
【0015】各車輪1〜4には、車輪と一体的に回転す
るディスク11〜14と、制動圧の供給を受けて、これ
らディスク11〜14の回転を制動するキャリパ21〜
224などからなるブレーキ装置31〜34が夫々設け
られ、これらのブレーキ装置31〜34を作動させるブ
レーキ制御システム設けられている。このブレーキ制御
システムは、運転者によるブレーキペダル25の踏込力
を増大させる倍力装置26と、この倍力装置26によっ
て増大された踏込力に応じた制動圧を発生させるマスタ
ーシリング27とを有する。
【0016】このマスターシリング27からの前輪用制
動圧供給ライン28が2経路に分岐され、これら前輪用
分岐制動圧ライン29,30が左右の前輪1,2のブレ
ーキ装置31,32のキャリパ21,22に夫々接続さ
れ、左前輪1のブレーキ装置31に通じる一方の前輪用
分岐制動圧ライン29には、第1バルブユニット36が
設けられ、右前輪2のブレーキ装置32に通じる他方の
前輪用分岐制動圧ライン30にも、第1バルブユニット
36と同様の第2バルブユニット37が設けられてい
る。
【0017】一方、マスターシリンダ27からの後輪用
制動圧供給ライン41には、第1、第2バルブユニット
36,37と同様の第3バルブユニット44が設けられ
ている。この後輪用制動圧供給ライン41は、第3バル
ブユニット44の下流側で2経路に分岐されて、これら
後輪用分岐制動圧ライン42,43が左右の後輪3,4
のブレーキ装置33,34のキャリパ23,24に夫々
接続されている。このブレーキ制御システム、第1バル
ブユニット36を介して左前輪1のブレーキ装置31の
制動圧を可変制御する第1チャンネルと、第2バルブユ
ニット37を介して右前輪2のブレーキ装置32の制動
圧を可変制御する第2チャンネルと、第3バルブユニッ
ト43を介して左右の後輪3,4の両ブレーキ装置3
3,34の制動圧を可変制御する第3チャンネルとが設
けられ、これら第1〜第3チャンネルが互いに独立して
制御されるように構成してある。
【0018】前記ブレーキ制御システムには、第1〜第
3チャンネルを制御してアンチスキッドブレーキング制
御(ABS制御)を実行するとともに、エンジン/変速
機制御装置60を介してエンジントラクション制御(T
CS制御)を実行するコントロールユニット40が設け
られ、このコントロールユニット40は、ブレーキペダ
ル25のON/OFFを検出するブレーキスイッチ46
からのブレーキ信号と、ハンドル舵角を検出する舵角セ
ンサ47からの舵角信号と、各車輪の回転速度を夫々検
出する車輪速センサ51〜54からの車輪速信号とを受
けて、これらの信号に応じた制動圧制御信号を第1〜第
3バルブユニット36,37,44に夫々出力すること
により、左右の前輪1,2および後輪3,4のスリップ
に対するABS制御を第1〜第3チャンネル毎に並行し
て行なうとともに、駆動輪3,4のスリップ率が目標ス
リップ率以下となるようにTCS制御する制御信号をエ
ンジン/変速機制御装置60へ出力する。但し、ABS
制御とTCS制御は、一般的な制御であるので、その説
明は省略する。更に、前記コントロールユニット40
は、後述のタイヤ空気圧判定制御用のコントロールユニ
ット50に対して、ABS制御とTCS制御の頻度に関
するデータを供給する。
【0019】次に、本願特有のタイヤ空気圧判定装置に
ついて説明する。このタイヤ空気圧判定装置は、前記4
つの車輪速センサ51〜54と、4輪1〜4の輪荷重を
検出する輪荷重センサ61〜64と、空気圧判定変数の
初期値設定を指令する為の初期設定スイッチ55(これ
は、インストルメントパネルに付設されている)と、イ
ンストルメントパネルに付設されたワーニングランプ5
6、コントロールユニット50、などで構成され、コン
トロールユニット50には、舵角センサ47、車輪速セ
ンサ51〜54、輪荷重センサ61〜64、初期設定ス
イッチ55、等からの信号が供給され、コントロールユ
ニット40からABS制御とTCS制御の頻度に関する
データが供給され、エンジン/変速機制御装置60から
エンジンのスロットル開度TVOとエンジン回転数Ne
と変速機6の現在の変速段のギヤ比Grに関するデータ
も供給され、コントロールユニット50は、ワーニング
ランプ56を駆動制御する。
【0020】前記各車輪速センサ51〜54は、ディス
ク21〜24に形成された又はディスク21〜24に隣
接状に設けられた図示外の検出用ディスクに形成された
48個の検出部を電磁ピックアップで検出し、車輪速パ
ルスP1〜P4を出力する。前記コントロールユニット
50は、車輪速センサ51〜54からの検出信号を濾波
するフィルタ及びフィルタで濾波された検出信号を波形
整形する回路、輪荷重センサ61〜64の検出信号等の
アナログの各種検出信号をA/D変換するAD変換器、
入力出力インターフェイスと、CPUとROMとRAM
とからなるマイクロコンピュータ等からなり、ROMに
は、後述のタイヤ空気圧判定制御の制御プログラムやマ
ップが予め入力格納してあり、RAMには、その制御に
必要な種々のメモリ類(バッファ、メモリ、フラグ、カ
ウンタ、ソフトタイマ等)が設けられている。
【0021】次に、コントロールユニット50により実
行されるタイヤ空気圧判定制御について説明する。タイ
ヤ空気圧判定制御は、何れかのタイヤを交換したり、何
れかのタイヤ空気圧を変更した場合等に初期設定スイッ
チ55からの指令に応じて実行され、空気圧判定変数D
の初期値D0を設定する為の初期値設定処理と、自動車
の走行時に常時実行され、4輪のタイヤ空気圧の低下を
検知してワーニングランプ56に警報を出力するタイヤ
空気圧判定処理とからなる。
【0022】最初に、初期値設定処理のフローチャート
について、図2〜図7を参照して説明する。尚、図中、
Si(i=1,2,3・・・)は、各ステップを示す。
図2に示すように、初期設定スイッチ55の操作に応じ
て制御が開始されると、カウンタIが0に設定され(S
1)、次にS2において、車輪速センサ51〜54から
の車輪速パルスP1〜P4を読込み、そのパルス数をカ
ウントして各輪1回転分の48個のパルスを検出する間
の時間を計時することで、4輪の1回転時間T1〜T4
が演算され、バッファに格納される。次に、S3におい
て、前記S2で求めた4輪の1回転時間T1〜T4を用
いて4輪の車輪速Vw1,Vw2,Vw3,Vw4が演
算されてメモリに格納される。
【0023】次に、S4〜S7において、図4に示す旋
回判定処理と、図5に示す加減速判定処理と、図6に示
す低μ路判定処理と、図7に示す悪路判定処理とが順に
実行される。そして、後述のように、旋回判定処理によ
り、旋回走行中と判定されると、フラグFtが1にセッ
トされ、また、加減速判定処理により、加減速中と判定
されると、フラグFadが1にセットされ、また、低μ
路判定処理により、低μ路と判定されると、フラグFμ
が1にセットされ、また、悪路判定処理により、悪路で
あると判定されると、フラグFakが1にセットされ
る。
【0024】次に、S8において、フラグFt,Fa
d,Fμ,Fakが全て0か否か判定し、その判定がYe
s のときには、S9において今回の車輪1回転時間のデ
ータT1〜T4がメモリに格納され、次に、カウンタI
がインクリメントされ(S11)、次にカウンタIのカ
ウント値Iが所定数N0(例えば、N0=200)以上
か否か判定し、I<N0のときには、S2へ戻ってS2
以降を繰り返し、I≧N0になると、S13へ移行し
て、前記所定数N0だけの車輪1回転時間T1〜T4の
平均値Tm1〜Tm4が演算され、その後図3のS14
へ移行する。尚、S8の判定においてフラグFt,Fa
d,Fμ,Fakのうちの何れか1つでも1の場合に
は、S10において今回の1回転時間のデータT1〜T
4がバッファから消去される。
【0025】次に、図3に示すように、S14におい
て、車輪1回転時間T1〜T4の平均値Tm1〜Tm4
を用いて、今回の判定変数D(i)が、図示の演算式、
つまり、次の演算式により演算されて、メモリに格納さ
れる。 D(i)=〔(Tm2+Tm3)−(Tm1+Tm
4)〕×2/(Tm1+Tm2+Tm3+Tm4) 次に、S15において今回の判定変数D(i)の絶対値
が所定値C0以下か否か判定し、Yes のときは、前回の
判定変数D(i−1)と今回の判定変数D(i)の差の
絶対値が所定値γ以下か否か判定し(S16)、その判
定がYes のときは、カウンタKaがインクリメントされ
(S17)、次にS18においてカウンタKaのカウン
ト値Kaが10以上か否か判定し、その判定が No のと
きにはS1へリターンしてS1以降を繰り返し、S18
の判定がYes になると、S19において、判定変数の初
期値D0が、図示の演算式に示すように過去の10組の
判定変数の平均値として演算されてメモリに格納され、
次にカウンタKaが0にリセットされ、この初期値設定
処理が終了する。尚、前記平均値Tm1〜Tm4の代わ
りに、前記所定数N0だけの車輪1回転時間T1〜T4
の加算値を用いてもよい。
【0026】S15の判定が No の場合には、判定変数
の値が異常であるとして、S21へ移行し、また、S1
6の判定が No の場合にも、前回の値に対して今回の値
が異常に変化していることに鑑みて、S21へ移行し、
S21において今回の判定変数D(i)がメモリから消
去され、その後S1へリターンする。以上のように、自
動車の定常走行状態における10組の判定変数の平均値
として判定変数の初期値D0が高精度に決定され、後述
のタイヤ空気圧判定処理においては、この初期値D0が
タイヤ空気圧判定に適用される。
【0027】次に、前記S4における旋回状態を判定す
る旋回判定処理について、図4により説明する。最初
に、S30において、前輪の車輪速差(Vw1−Vw
2)の絶対値ΔVw、前輪の車輪速差ΔVwf=(Vw
1−Vw2)、後輪の車輪速差ΔVwr=(Vw3−V
w4)が演算される。
【0028】次に、前輪の車輪速差の絶対値ΔVwが
0.5Km/h以下か否か判定され(S31)、その判
定結果がYes のときには、S34において非旋回状態と
判定され、フラグFtが0に設定され、その後終了す
る。一方、ΔVwが0.5Km/h以下でないときに
は、S32において、ΔVwfとΔVwrとが、同符号
か否か判定する為に、ΔVwf×ΔVwr>0か否か判
定され、Yes のときには、S333おいて、旋回状態で
あると判定され、フラグFtが1にセットされ、その後
終了する。また、S32の判定結果がNoのときには、S
34において非旋回状態と判定され、フラグFtが0に
設定され、その後終了する。
【0029】次に、前記S5において加減速状態を判定
する加減速判定処理について、図5を参照しつつ説明す
る。最初に、前輪車輪速Vw1,Vw2を時間微分した
前輪車輪加速度AVw1,AVw2が演算され(S4
0)、次に、前輪車輪加速度AVw1,AVw2の絶対
値がどちらも所定値a以上か否か判定され(S41)、
その判定結果がYes のときには、S42において、加減
速状態と判定され、フラグFadが1にセットされて終
了し、また、S41の判定結果がNoのときには、S43
において、非加減速状態と判定され、フラグFadが0
に設定されて終了する。
【0030】次に、前記S6において低μ路走行状態を
判定する低μ路判定処理について、図6を参照しつつ説
明する。最初に、S50において、車速V(車体速)が
前輪車輪速Vw1,Vw2の平均値として演算される。
次に、S51において、後輪3のスリップ率SL3=
(Vw3−V)/Vと、後輪4のスリップ率SL4=
(Vw4−V)/Vとが演算される。
【0031】次に、S52において、スリップ率SL
3,SL4がどちらも所定値SL0以上か否か判定さ
れ、Yes のときには、低μ路走行と判定され、フラグF
μが1にセットされて終了し、また、S52の判定結果
がNoのときには、S54において高μ路と判定され、フ
ラグFμが0に設定されて終了する。
【0032】次に、S7において悪路走行状態か否か判
定する悪路判定処理について、図7を参照しつつ説明す
る。最初に、S60において、前輪車輪速Vw1,Vw
2を用いて、前輪車輪加速度AVw1,AVw2が演算
され、次に、加減速フラグFadが0か否か(つまり、
加減速状態でないか否か)判定され(S61)、加減速
状態のときにはS2へリターンし、また、加減速状態で
ないときには、S62において、フラグFaが1か否か
判定される。フラグFaが1でないときには、S63に
おいて、カウンタM,Nが0にセットされ、且つ、タイ
マTcがリセット後スタートされ、次に、フラグFaが
1にセットされ(S64)、S65へ移行する。尚、S
62の判定でYes のときには、S62からS65へ移行
する。
【0033】S65においては、前輪1の車輪加速度A
Vw1の絶対値が所定値Ao以上か否か判定され、その
判定がYes のときには、S66へ移行して、カウンタM
がインクリメントされる。S67においては、前輪2の
車輪加速度AVw2の絶対値が所定値Ao以上か否か判
定され、その判定がYes のときには、S68へ移行し
て、カウンタNがインクリメントされる。次に、S69
では、タイマTcの計時時間Tcが所定時間T0以上に
なったか否か判定され、所定時間T0経過するまでは、
S69からS2へリターンするのを繰り返し、計時時間
Tcが所定時間T0以上になると、S69からS70へ
移行し、S70においてフラグFaが0にリセットさ
れ、次に、S71において、カウンタMのカウント値M
が所定値m以下で、且つ、カウンタNのカウント値Nが
所定値m以下か否か判定される。
【0034】S71の判定がYes のときには、S73に
おいて良路と判定され、フラグFakが0に設定されて
終了し、また、S71の判定がNoのときには、S72に
おいて悪路と判定され、フラグFakが1に設定されて
終了する。つまり、悪路走行時には、従動輪1,2の車
輪速が変動しやすくなることに鑑み、左右の各前輪1,
2の車輪加速度や減速度が所定時間T0内に、異常に大
きくなる回数をカウントして、そのカウント値M,Nか
ら悪路走行状態を判定するようにしてある。
【0035】次に、前記コントロールユニット50で実
行されるタイヤ空気圧判定処理のフローチャートについ
て、図8以降の図面に基いて説明する。このタイヤ空気
圧判定処理は、自動車の走行時には常時実行される処理
であり、この処理が開始されると、最初にカウンタJが
0にリセットされ(S80)、次に、前記初期値設定処
理におけるS2と同様に、車輪速パルスP1〜P4の読
込みとカウントを介して、4輪の1回転時間T1〜T4
が演算されてバッファに格納される(S81)。次に、
S82において、前記4輪の1回転時間T1〜T4を用
いて、4輪の車輪速Vw1,Vw2,Vw3,Vw4が
演算されてメモリに格納される。
【0036】次に、S83において各種検出信号(舵角
θh、車輪速パルスP1〜P4、輪荷重センサ61〜6
4からの輪荷重W1〜W4、エンジン/変速機制御装置
60からのスロットル開度TVOとエンジン回転数Ne
と変速機のギヤ比Gr、コントロールユニット40から
のABS/TCSの頻度データ等)が読み込まれる。次
に、S84において、定常走行判定処理が実行される
が、この定常走行判定処理は、図10に示すように、旋
回判定処理と、加減速判定処理と、悪路判定処理とから
なり、これらの処理は、図4、図5、図7により初期値
設定処理において説明した処理と同様であるので説明を
省略する。
【0037】次に、S85において、フラグFt,Fa
d,Fakが全て0か否か判定し、その判定がYes のと
き、つまり、旋回中や加減速中や悪路走行中でない場合
には、S86において、メモリに格納される1回転時間
T1〜T4に、S81で得た1回転時間T1〜T4が付
与されて、そのデータがメモリに格納され、次にカウン
タJがインクリメントされ(S87)てからS94へ移
行する。一方、S85の判定が No のときは、S88に
おいて補正可能走行状態判定処理(図11参照)が実行
され、その処理において自動車の現在の走行状態が、後
述の補正可能走行状態であるときには、フラグFamが
1にセットされる。
【0038】次に、S89において、フラグFamが1
か否か、つまり、自動車の現在の走行状態が、後述の補
正可能走行状態か否か判定し、その判定がYes のときに
は、S90において、図12〜図14に示すマップに基
いて、補正値τと補正係数k1,k2とが演算される。
この補正値τと補正係数k1,k2とは、駆動輪3,4
のスリップ率に応じて、駆動輪の1回転時間T3,T4
を補正するものであり、これらについては、図12〜図
14により後述する。
【0039】次に、S91において、メモリに格納され
る1回転時間T1,T2に、S81で得た1回転時間T
1,T2が夫々付与され、メモリに格納される1回転時
間T3に、S81で得た1回転時間T3に駆動輪3の補
正量(τ×k1×k2)を加算した値(T3+τ×k1
×k2)が付与され、また、メモリに格納される1回転
時間T4に、S81で得た1回転時間T4に駆動輪4の
補正量(τ×k1×k2)を加算した値(T4+τ×k
1×k2)が付与される。次に、S92においてカウン
タJをインクリメント後S94へ移行する。S89の判
定が No のときは、S93において、今回の1回転時間
のデータT1〜T4がバッファから消去され、その後S
94へ移行する。
【0040】次に、S94において、カウンタJのカウ
ント値Jが所定数N0(例えば、N0=200)以上か
否か判定し、その判定が No のときにはS81へリター
ンし、また、その判定がYes のときには、S95へ移行
する。図9に示すように、S95において、前記所定数
N0分の4輪の1回転時間T1〜T4の平均値Tm1〜
Tm4が演算され、次にS96において、空気圧判定変
数Dが、図示の演算式,つまり、前記S14と同様の演
算式により演算され、次に、S97において、前記のよ
うに求めた空気圧判定変数Dと、初期値設定処理で求め
た初期値D0との差の絶対値が、所定値Δ以上か否か判
定する。
【0041】何れかの車輪のタイヤ空気圧が低下する
と、その車輪の動半径が小さくなって、1回転時間の平
均値Tm1〜Tm4が小さくなるため、S97の判定を
介して、タイヤ空気圧の低下を検知することができる。
S97の判定がYes の場合には、S99においてタイヤ
空気圧異常と判定し、S100においてワーニングラン
プ56が所定時間点灯され、その後リターンする。一
方、S97の判定が No のときには、S98においてタ
イヤ空気圧正常と判定し、その後リターンする。尚、前
記1回転時間の平均値Tm1〜Tm4の代わりに、前記
所定数N0分の4輪の1回転時間T1〜T4の加算値を
用いてもよい。
【0042】次に、S87における補正可能走行状態判
定処理について、図11を参照しつつ説明する。最初
に、S120において、ABS/TCSの作動頻度が高
いか否か判定するが、この判定は、コントロールユニッ
ト40から受けるABS/TCSの頻度データに基いて
判定され、ABS制御又はTCS制御の作動から作動ま
での期間が、例えば、30分以内の場合には、ABS/
TCSの作動頻度が高いと判定され、補正可能走行状態
ではないとしてS126へ移行し、また、S120の判
定がNo のときはS121へ移行する。尚、S120に
おいて、ABS/TCSの作動頻度は、ABS/TCS
制御が作動する時の加減速度で以て判別するようにして
もよい。
【0043】次に、従動輪1,2の車輪速の平均値から
求めた車速Vが所定値C1(例えば、C1=150Km
/h)以上か否か判定し、その判定がYes のときは、補
正可能走行状態ではないとしてS126へ移行し、ま
た、S121の判定が No のときにはS122へ移行す
る。S122においては、車速Vの増加率である加速度
Aが所定値C2(例えば、C2=0.2G)以上か否か
判定し、その判定がYes のときは補正可能走行状態では
ないとしてS126へ移行し、また、S122の判定が
No のときにはS123へ移行する。
【0044】次に、S123において舵角センサ47で
検出された舵角θhの変化率である舵角速度dθhが所
定値C3以上か否か判定し、その判定がYes のときは補
正可能走行状態ではないとしてS126へ移行し、ま
た、S123の判定が No のときにはS124へ移行す
る。次に、S124において、旋回内輪の輪荷重Wiが
ほぼ0か否か判定し、その判定がYes のときは補正可能
走行状態ではないとしてS126へ移行し、また、S1
24の判定が No のときにはS125へ移行する。尚、
旋回内輪の輪荷重Wiは、輪荷重センサ61〜64の検
出信号と、舵角θhから得られる。
【0045】次に、S125においては、補正可能走行
状態であるとして、フラグFamが1にセットされ、そ
の後リターンし、また、S126においては、補正不可
能走行状態であるとして、フラグFamが0にリセット
され、その後リターンする。以上のように、S120〜
S124の判定が全て No となる場合には、駆動輪3,
4のスリップ率が比較的小さいことから、このような走
行状態の場合には、駆動輪3,4の1回転時間T3,T
4を、スリップ率に応じた補正量(τ×k1×k2)で
以て補正することで、有効な1回転時間T3,T4とし
て活用する。
【0046】次に、前記S90における補正量(τ×k
1×k2)を求める方法について、図12〜図14を参
照しつつ説明する。図12に示すマップは、自動車の駆
動力(横軸)と、輪荷重比Wrとをパラメータとして、
補正値τを設定したもので、駆動力Dfは、エンジン/
変速機制御装置60から供給されるエンジンのスロット
ル開度TVO、エンジン回転数Ne、変速機の現在の変
速段のギヤ比Grとを用いて、駆動力Df=α×TVO
×Ne×Grとして決定される。但し、αは所定の係数
である。
【0047】前記輪荷重比Wrは、輪荷重センサ63,
64で検出される輪荷重W3,W4の、所定の標準的輪
荷重Woに対する比であり、駆動輪3の輪荷重比Wr=
W3/Wo、駆動輪4の輪荷重比Wr=W4/Woであ
る。エンジンの駆動力Dfが大きい程、駆動輪のスリッ
プ率が大きくなり、また、輪荷重が大きい程、駆動輪の
スリップ率が小さくなることから、図12のような特性
のマップに設定されている。エンジンの現在の駆動力
と、駆動輪3,4の輪荷重W3,W4をマップに適用し
て、各駆動輪3,4の為の補正値τが演算される。
【0048】図13に示すマップは、路面摩擦係数μ
(路面μ)をパラメータとして、補正係数k1を設定し
たものである。前記路面摩擦係数μは、車速Vとその加
速度Vgと、表1のμテーブルとに基いて演算される
が、この路面摩擦係数μとして、時々刻々の最新のデー
タが必要であることから、路面摩擦係数μは、割り込み
処理にて時々刻々演算される。
【0049】即ち、100msecのタイマと、500
msecのタイマとを用い、加速開始から車体加速度V
gが十分に大きくならない500msec経過までは1
00msec毎に100msec間の車速Vの変化か
ら、次の(1)式により車体加速度Vgを求め、また、
車体加速度Vgが十分に大きくなった500msec経
過後は、100msec毎に500msec間の車速V
の変化から、次の(2)式により車体加速度Vgを求め
る。
【0050】尚、V(k)は現時点、V(k−100)
は100msec前、V(k−500)は500mse
c前の各車速Vで、H1、H2は夫々所定の定数であ
る。 Vg=H1×〔V(k)−V(k−100)〕 (1) Vg=H2×〔V(k)−V(k−500)〕 (2) 前記路面摩擦係数μは、前記のように求めた車速Vと、
車体加速度Vgとを用いて、表1に記載したμテーブル
から3次元補完により演算する。
【0051】
【表1】
【0052】前記のように求められる路面摩擦係数μ
を、図13のマップに適用して、駆動輪3,4に共通の
補正係数k1が演算されるが、路面摩擦係数μが低い
程、駆動輪のスリップ率が大きくなることに鑑み、路面
摩擦係数μが小さくなる程、補正係数k1が増大する特
性に設定してある。但し、図13のマップにおいて、補
正係数k1を点線で示すように、低μ路、中μ路、高μ
路の3段階に分けて設定してもよい。
【0053】図14に示すマップは、車速Vをパラメー
タとして、補正係数k2を設定したもので、車速Vとし
ては、受動輪1,2の車輪速の平均値が用いられる。自
動車の車速Vが大きくなる程、駆動輪3,4のスリップ
率が大きくなることに鑑み、車速Vの増大に応じて、補
正係数k2が増大する特性に設定してある。
【0054】以上のように、駆動力Dfと、輪荷重W
3,W4とをパラメータとして補正値τを駆動輪毎に求
め、路面摩擦係数μをパラメータとして補正係数k1を
求め、車速Vをパラメータとして補正係数k2を求め、
前記S91で説明したように、これらの積である補正量
τ×k1×k2を駆動輪3,4の1回転時間T3,T4
に加算して、1回転時間T3,T4を補正するため、駆
動輪のスリップによる1回転時間T3,T4の誤差を適
正に補正することができ、これら補正後の1回転時間T
3,T4をも、タイヤ空気圧判定に適用可能なデータと
なる。
【0055】次に、以上説明したタイヤ空気圧判定装置
の作用について説明する。前記S88〜S91に示すよ
うに、自動車の走行状態が定常走行でなくとも、駆動輪
のスリップ率が比較的小さな補正可能走行状態にあると
きには、駆動輪3,4の1回転時間T3,T4を、駆動
輪のスリップ率に応じた補正量τ×k1×k2で補正す
ることで、駆動輪3,4の1回転時間T3,T4のデー
タを、タイヤ空気圧判定に適用可能なデータとすること
ができる。その結果、所定数N0の1回転時間T1〜T
4を収集する時間を著しく短縮することができるから、
タイヤ空気圧判定の頻度を高め、タイヤ空気圧判定の精
度及び信頼性を高めることができる。
【0056】次に、別実施例に係るタイヤ空気圧判定処
理について、図15を参照しつつ説明する。図15は、
前記図8のルーチンに部分的な変更を付加したもので、
図8のフローチャートと同じステップには、同じステッ
プ番号を付して説明を省略する。即ち、S87の後のS
130においては、自動車の左側の車輪1,3について
の1回転時間の時間差ΔLがΔL=T3−T1(但し、
ΔL<0)として演算され、また、右側の車輪2,4に
ついての1回転時間の時間差ΔRがΔR=T4−T2
(但し、ΔR<0)として演算され、これら時間差Δ
L,ΔRがメモリに格納され、次にS131においてフ
ラグFが1にセットされ、次にS132においてタイマ
TMがリセット後スタートされ、その後S94へ移行す
る。
【0057】一方、S89の判定がYes のとき、つま
り、走行状態が補正可能走行状態のときには、S133
において、フラグFが1か否か判定し、その判定がYes
のときには、S134において、メモリに格納される1
回転時間T1,T2に、夫々、S81で得られた1回転
時間T1,T2が付与されるとともに、メモリに格納さ
れる1回転時間T3に、(T1+ΔL)が付与され、ま
た、メモリに格納される1回転時間T4に、(T2+Δ
R)が付与され、これらのデータはメモリに格納され
る。
【0058】つまり、自動車の左右の各側において、補
正可能走行状態における駆動輪とその前側の従動輪の1
回転時間の時間差は、定常走行状態の時の時間差とほぼ
等しくなるものとして、駆動輪3,4のスリップ率に関
係する補正量で以て、1回転時間T3,T4を補正する
ようにしてある。次に、S135において、タイマTM
の計時時間TMが所定時間T0以上か否か判定し、時間
差ΔL,ΔRを設定後、所定時間T0以上経過していな
い場合に限り、その時間差ΔL,ΔRを適用可能である
として、S136へ移行してフラグFが0にリセットさ
れ、次にS137においてカウンタJがインクリメント
され、その後S94へ移行する。
【0059】一方、S89の判定が No のとき、S13
3の判定が No のとき、S135の判定がYes のときに
は、S138へ移行してS81で求めた1回転時間T1
〜T4のデータがバッファから消去される。尚、S95
以降は前記実施例と同様である。以上説明した別実施例
においては、マップ等を用いることなく、簡単な補正演
算を介して、1回転時間T3,T4をかなり精度よく補
正できるので、前記実施例と同様、所定数N0の1回転
時間T1〜T4を蓄積する時間を著しく短縮することが
できるから、タイヤ空気圧判定の頻度を高め、タイヤ空
気圧判定の精度及び信頼性を高めることができ、しか
も、実用的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るタイヤ空気圧判定装置と
その関連装置の構成図である。
【図2】タイヤ空気圧判定装置の初期値設定処理のフロ
ーチャートの一部である。
【図3】タイヤ空気圧判定装置の初期値設定処理のフロ
ーチャートの残部である。
【図4】図2のフローチャートの旋回判定処理のフロー
チャートである。
【図5】図2のフローチャートの加減速判定処理のフロ
ーチャートである。
【図6】図2のフローチャートの低μ路判定処理のフロ
ーチャートである。
【図7】図2のフローチャートの悪路判定処理のフロー
チャートである。
【図8】タイヤ空気圧判定装置のタイヤ空気圧判定処理
のフローチャートの一部である。
【図9】タイヤ空気圧判定装置のタイヤ空気圧判定処理
のフローチャートの残部である。
【図10】図8のフローチャートの定常走行判定処理の
フローチャートである。
【図11】図8のフローチャートの補正可能走行状態判
定処理のフローチャートである。
【図12】タイヤ空気圧判定処理における補正値τを設
定したマップの線図である。
【図13】タイヤ空気圧判定処理における補正係数k1
を設定したマップの線図である。
【図14】タイヤ空気圧判定処理における補正係数k2
を設定したマップの線図である。
【図15】別実施例に係るタイヤ空気圧判定処理のフロ
ーチャートの一部である。
【符号の説明】
1,2 前輪(従動輪) 3,4 後輪(駆動輪) 47 舵角センサ 50 コントロールユニット 51,52,53,54 車輪速センサ 61,62,63,64 輪荷重センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 23/00 - 23/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の4輪の車輪速センサの検出信号を
    用いてタイヤ空気圧の低下を検知して警報を出力するタ
    イヤ空気圧判定装置において、 車両の定常走行時に、4輪の車輪速センサの検出信号か
    ら4輪の車輪速相当値を求める第1データ収集手段と、対角線上にある1対の車輪の車輪速相当値の合計と、も
    う1対の車輪の車輪速相当値の合計に基づいて初期設定
    値を求める初期設定手段と、 車両の定常走行時以外のときに、駆動輪の車輪速センサ
    の検出信号から駆動輪の車輪速相当値を求めて、この駆
    輪車輪速相当値に車両のスリップ度合いに応じた補正
    量で以て補正を施す第2データ収集手段と、定常走行時は、前記第1データ収集手段により求められ
    た車輪速相当値に基づいて算出される判定変数と前記初
    期設定手段により求められた初期設定値との偏差により
    タイヤ空気圧の判定を行うとともに、 定常走行時以外は、前記第1データ収集手段により求め
    られた従動輪車輪速相当値と前記第2データ収集手段に
    より求められた駆動輪車輪速相当値とに基づいて算出さ
    れる前記判定変数と前記初期設定手段により求められた
    初期設定値との偏差によりタイヤ空気圧の判定を行う空
    気圧判定手段と、 を備えたことを特徴とするタイヤ空気圧判定装置。
  2. 【請求項2】 車両の4輪の車輪速センサの検出信号を
    用いてタイヤ空気圧の低下を検知して警報を出力するタ
    イヤ空気圧判定装置において、 車両の定常走行時に、4輪の車輪速センサの検出信号か
    ら4輪の車輪速相当値を求める第1データ収集手段と、 車両の定常走行時以外のときに、従動輪の車輪速センサ
    の検出信号から従動輪の車輪速相当値を求めるととも
    に、駆動輪の車輪速センサの検出信号から駆動輪の車輪
    速相当値を求めて、この駆動輪車輪速相当値に車両のス
    リップ度合いに応じた補正量で以て補正を施す第2デー
    タ収集手段と、 定常走行時は、前記第1データ収集手段により求められ
    た車輪速相当値に基づいてタイヤ空気圧の判定を行うと
    ともに、定常走行時以外は、前記第1データ収集手段に
    より求められた従動輪車輪速相当値と前記第2データ収
    集手段により求 められた駆動輪車輪速相当値とに基づい
    てタイヤ空気圧の判定を行う空気圧判定手段とを 備え、 前記第2データ収集手段は、駆動輪の輪荷重、路面摩擦
    係数、エンジン駆動力、車速のうちの少なくとも1つを
    パラメータとして、前記補正量を求めるように構成され
    たことを特徴とするタイヤ空気圧判定装置。
  3. 【請求項3】 車両の4輪の車輪速センサの検出信号を
    用いてタイヤ空気圧の低下を検知して警報を出力するタ
    イヤ空気圧判定装置において、 車両の定常走行時に、4輪の車輪速センサの検出信号か
    ら4輪の車輪速相当値を求める第1データ収集手段と、 車両の定常走行時以外のときに、従動輪の車輪速センサ
    の検出信号から従動輪の車輪速相当値を求めるととも
    に、駆動輪の車輪速センサの検出信号から駆動輪の車輪
    速相当値を求めて、この駆動輪車輪速相当値に車両のス
    リップ度合いに応じた補正量で以て補正を施す第2デー
    タ収集手段と、 定常走行時は、前記第1データ収集手段により求められ
    た車輪速相当値に基づいてタイヤ空気圧の判定を行うと
    ともに、定常走行時以外は、前記第1データ収集手段に
    より求められた従動輪車輪速相当値と前記第2データ収
    集手段により求められた駆動輪車輪速相当値とに基づい
    てタイヤ空気圧の判定を行う空気圧判定手段とを 備え、 前記第2データ収集手段は、車両の走行状態が予め設定
    された補正可能走行状態か否か判定する走行状態判定手
    段を備え、この走行状態判定手段により補正可能走行状
    態にあると判定されたときだけ、前記補正を施すように
    構成されたことを特徴とするタイヤ空気圧判定装置。
  4. 【請求項4】 車両の4輪の車輪速センサの検出信号を
    用いてタイヤ空気圧の低下を検知して警報を出力するタ
    イヤ空気圧判定装置において、 車両の定常走行時に、4輪の車輪速センサの検出信号か
    ら4輪の車輪速相当値を求める第1データ収集手段と、 車両の定常走行時以外のときに、従動輪の車輪速センサ
    の検出信号から従動輪の車輪速相当値を求めるととも
    に、駆動輪の車輪速センサの検出信号から駆動輪の車輪
    速相当値を求めて、この駆動輪車輪速相当値に車両のス
    リップ度合いに応 じた補正量で以て補正を施す第2デー
    タ収集手段と、 定常走行時は、前記第1データ収集手段により求められ
    た車輪速相当値に基づいてタイヤ空気圧の判定を行うと
    ともに、定常走行時以外は、前記第1データ収集手段に
    より求められた従動輪車輪速相当値と前記第2データ収
    集手段により求められた駆動輪車輪速相当値とに基づい
    てタイヤ空気圧の判定を行う空気圧判定手段とを 備え、 車両の定常走行時、第1データ収集手段から車輪速相当
    値を受けて、車両の左側の駆動輪と左側の従動輪の車輪
    速差相当値と、車両の右側の駆動輪と右側の従動輪の車
    輪速差相当値とを求める偏差算出手段を設け、 前記第2データ収集手段は、偏差算出手段で求めた左側
    の車輪速差相当値と左側の従動輪の車輪速相当値とに基
    いて、左側の駆動輪の車輪速相当値を補正するととも
    に、右側の車輪速差相当値と右側の従動輪の車輪速相当
    値とに基いて、右側の駆動輪の車輪速相当値を補正する
    ように構成されたことを特徴とするタイヤ空気圧判定装
    置。
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