JP3286409B2 - タイヤ空気圧警報装置 - Google Patents

タイヤ空気圧警報装置

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JP3286409B2 JP20453193A JP20453193A JP3286409B2 JP 3286409 B2 JP3286409 B2 JP 3286409B2 JP 20453193 A JP20453193 A JP 20453193A JP 20453193 A JP20453193 A JP 20453193A JP 3286409 B2 JP3286409 B2 JP 3286409B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイヤ空気圧警報装置
に関し、特に車輪速センサで検出する車輪速データの信
頼性を改善したものに関する。
【0002】
【従来の技術】車両のタイヤの空気圧がある程度以上低
下した状態で走行することは好ましくないので、従来よ
り、種々のタイヤ空気圧警報装置が提案されている。例
えば、タイヤ空気圧をセンサで検知しタイヤ空気圧の低
下を判定するようにしたもの、或いは、タイヤ空気圧が
低下すると、空気圧が低下した車輪の回転数が増加する
ことから、4輪の車輪速を夫々検出する車輪速センサを
設け、それら車輪速センサで検出した車輪速に基いてタ
イヤ空気圧の低下を判定するようにしたもの、等が提案
されている。
【0003】例えば、特開昭63−305011号公報
には、4つ車輪の車輪速センサからの出力を用いて、対
角線上にある1対の車輪の車輪速の合計と、他の対角線
上にある1対の車輪の車輪速の合計との差が所定値以上
のときに、合計車輪速が大きい方の1対の車輪の何れか
のタイヤの空気圧が低下したと判定し、その1対の車輪
の車輪速のうちの大きい方の車輪速が、4輪の車輪速の
平均値よりも所定値以上大きいときに、その車輪の空気
圧が低下したと判定し、その判定結果を警報するように
構成したタイヤ空気圧警報装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】車両のタイヤの製作誤
差は、0.3%程度の大きさであるが、タイヤ空気圧の
低下によるタイヤの動半径の変化量も0.3%程度の大
きさであることも多いことから、タイヤ空気圧判定に
は、かなり高精度の制御が必要である。前記タイヤ空気
圧判定は、車両の定常走行状態における車輪速センサの
検出信号に基いて実行されるが、車両が定常走行状態で
あっても、低摩擦路面走行時や上り坂走行時には、駆動
輪のスリップ量が大きくなるし、路面に間欠的に存在す
る砂利や雪等により駆動輪のスリップ量が大きくなる
し、その他の要因によっても駆動輪のスリップ量が大き
くなることがある。
【0005】駆動輪のスリップ量が大きいときには、車
輪速の検出精度が低下し、タイヤ空気圧判定の精度が低
下することから、車輪速センサで検出した検出信号を精
選し、真に有効な検出信号を用いて車輪速を高い精度で
求めない限り、タイヤ空気圧判定の信頼性や精度を高め
ることが難しい。本発明の目的は、車輪速センサからの
検出信号を精選して、タイヤ空気圧判定の信頼性や精度
を高めることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1のタイヤ空気圧
警報装置は、車両の4輪の車輪速センサの検出信号を用
いてタイヤ空気圧の低下を検知して警報を出力するタイ
ヤ空気圧警報装置において、車両の4輪の車輪速を夫々
検出する車輪速センサと、前記4つの車輪速センサから
出力されるパルス状の各検出信号を読み込んでカウント
し、その各カウント値がが夫々所定数に達する毎に得ら
れる4輪の車輪速相当データをメモリに格納していくデ
ータ収集手段と、前記4つの車輪速センサのうちの何れ
か1つの車輪速センサから最初に出力された検出信号が
前記データ収集手段に入力された後、第1所定時間内に
前記最初に検出信号が出力された車輪速センサ以外の車
輪速センサのうちの少なくとも1つからの検出信号が入
力されないときには、前記データ収集手段に、4つ
出信号のカウント値をリセットさせる第1リセット手段
とを備えたものである。
【0007】請求項2のタイヤ空気圧警報装置は、請求
項1の発明において、前記第1リセット手段により検出
信号のカウントのリセット後に、前記データ収集手段に
各検出信号のカウントを再開させるカウント再開手段を
設けたものである。請求項3のタイヤ空気圧警報装置
は、車両の4輪の車輪速センサの検出信号を用いてタイ
ヤ空気圧の低下を検知して警報を出力するタイヤ空気圧
警報装置において、車両の4輪の車輪速を夫々検出する
車輪速センサと、前記4つの車輪速センサから出力され
パルス状の各検出信号を読み込んでカウントし、その
各カウント値が夫々所定数に達する毎に得られる4輪の
車輪速相当データをメモリに格納していくデータ収集手
段と、何れか1つの車輪速センサからの検出信号のカウ
ント値が前記所定数に達した時点から第2所定時間内
に、その他の車輪速センサの少なくとも1つからの検出
信号のカウント値が前記所定数に達しないときには、前
記データ収集手段に、4つの検出信号のカンウト値をリ
セットさせる第2リセット手段とを備えたものである。
【0008】請求項4のタイヤ空気圧警報装置は、車両
の4輪の車輪速センサの検出信号を用いてタイヤ空気圧
の低下を検知して警報を出力するタイヤ空気圧警報装置
において、車両の4輪の車輪速を夫々検出する車輪速セ
ンサと、前記4つの車輪速センサから出力されるパルス
状の各検出信号を読み込んでカウントし、その各カウン
ト値が所定数に達する毎に得られる4輪の車輪速相当デ
ータをメモリに格納していくデータ収集手段と、前記4
つの車輪速センサのうち何れか1つの車輪速センサから
最初に出力された検出信号が前記データ収集手段に入力
された後、第1所定時間内に前記最初に検出信号が出力
された車輪速センサ以外の車輪速センサのうち少なくと
も1つからの検出信号が入力されないときには、前記デ
ータ収集手段に、4つの検出信号のカウント値をリセッ
トさせる第1リセット手段と、何れか1つの車輪速セン
サからの検出信号のカウント値が前記所定数に達した時
点から第2所定時間内に、その他の車輪速センサの少な
くとも1つからの検出信号のカウント値が前記所定数に
達しないときには、前記データ収集手段に、4つの検出
信号のカウント値をリセットさせる第2リセット手段と
を備えたものである。
【0009】
【発明の作用及び効果】請求項1のタイヤ空気圧警報装
置においては、データ収集手段は、4つの車輪速センサ
からのパルス状の各検出信号を読み込んでカウントし、
その各カウント値がが夫々所定数に達する毎に得られる
4輪の車輪速相当データをメモリに格納していく。第1
リセット手段は、検出信号の読込み開始時に、何れか1
つの車輪速センサから最初に出力された検出信号がデー
タ収集手段に入力された後、第1所定時間内に残りの
輪速センサの少なくとも1つからの検出信号が入力され
ないときには、データ収集手段に4つの検出信号のカウ
ント値をリセットさせる。即ち、車輪の回転状態が不安
定で、何れかの従動輪の車輪速が低下したり、何れかの
駆動輪の車輪速が大きくなったりすると、第1所定時間
内に4つの車輪速センサからの検出信号が入力されない
ので、このような場合には、4つの検出信号のカウント
値をリセットさせることで、車輪の回転状態が不安定な
状態における車輪速の検出を中止して検出信号の信頼性
を高めることができ、これにより、タイヤ空気圧判定の
信頼性と精度を高めることができる。
【0010】請求項2のタイヤ空気圧警報装置は、請求
項1の発明において、第1リセット手段により検出信号
のカウントのリセット後に、カウント再開手段は、デー
タ収集手段に各検出信号のカウントを再開させるので、
車輪速センサからの検出が停滞することがない。
【0011】請求項3のタイヤ空気圧警報装置において
は、データ収集手段は、4つの車輪速センサからのパル
ス状の各検出信号を読み込んでカウントし、その各カウ
ント値が夫々所定数に達する毎に得られる4輪の車輪速
相当データをメモリに格納していく。終了リセット手段
は、何れか1つの車輪速センサからの検出信号のカウン
ト値が前記所定数に達した時点から第2所定時間内に、
その他の車輪速センサの少なくとも1つからの検出信号
のカウント値が前記所定数に達しないときには、データ
収集手段に、4つの検出信号のカンウト値をリセットさ
せる。請求項1と同様に、車輪の回転状態が不安定のと
きには、第2所定時間内に4つの検出信号のカウント値
が前記所定数に達しないので、この場合にも、4つの検
出信号のカンウト値をリセットさせることで、車輪の回
転状態が不安定な状態における車輪速の検出を中止して
検出信号の信頼性を高めることができ、これにより、タ
イヤ空気圧判定の信頼性と精度を高めることができる。
【0012】請求項4のタイヤ空気圧警報装置において
は、請求項1の発明及び請求項2の発明と同様の、デー
タ収集手段と、第1リセット手段と、第2リセット手段
とを設けたので、カウント開始時と、カウント終了時の
両方において、検出信号を精選して、検出信号の信頼性
を高め、タイヤ空気圧判定の信頼性と精度を高めること
ができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しつつ説明する。本実施例は、アンチスキッドブレーキ
装置を備えた乗用の後輪駆動型自動車のタイヤ空気圧警
報装置に本発明を適用した場合の実施例である。第1図
に示すように、この自動車は、左右の前輪1,2が従動
輪、左右の後輪3,4が駆動輪とされ、エンジン5の出
力トルクが自動変速機6からプロペラシャフト7、差動
装置8および左右の駆動軸9,10を介して左右の後輪
3,4に伝達されるように構成してある。各車輪1〜4
には、車輪と一体的に回転するディスク11〜14と、
制動圧の供給を受けて、これらディスク11〜14の回
転を制動するキャリパ21〜224などからなるブレー
キ装置31〜34が夫々設けられ、これらのブレーキ装
置31〜34を作動させるブレーキ制御システム設けら
れている。
【0014】このブレーキ制御システムは、運転者によ
るブレーキペダル25の踏込力を増大させる倍力装置2
6と、この倍力装置26によって増大された踏込力に応
じた制動圧を発生させるマスターシリング27とを有す
る。このマスターシリング27からの前輪用制動圧供給
ライン28が2経路に分岐され、これら前輪用分岐制動
圧ライン29,30が左右の前輪1,2のブレーキ装置
31,32のキャリパ21,22に夫々接続され、左前
輪1のブレーキ装置31に通じる一方の前輪用分岐制動
圧ライン29には、第1バルブユニット36が設けら
れ、右前輪2のブレーキ装置32に通じる他方の前輪用
分岐制動圧ライン30にも、第1バルブユニット36と
同様の第2バルブユニット37が設けられている。
【0015】一方、マスターシリンダ27からの後輪用
制動圧供給ライン40には、第1、第2バルブユニット
36,37と同様の第3バルブユニット43が設けられ
ている。この後輪用制動圧供給ライン40は、第3バル
ブユニット43の下流側で2経路に分岐されて、これら
後輪用分岐制動圧ライン41,42が左右の後輪3,4
のブレーキ装置33,34のキャリパ23,24に夫々
接続されている。このブレーキ制御システム、第1バル
ブユニット36を介して左前輪1のブレーキ装置31の
制動圧を可変制御する第1チャンネルと、第2バルブユ
ニット37を介して右前輪2のブレーキ装置32の制動
圧を可変制御する第2チャンネルと、第3バルブユニッ
ト43を介して左右の後輪3,4の両ブレーキ装置3
3,34の制動圧を可変制御する第3チャンネルとが設
けられ、これら第1〜第3チャンネルが互いに独立して
制御されるように構成してある。
【0016】前記ブレーキ制御システムには、第1〜第
3チャンネルを制御するコントロールユニット44が設
けられ、このコントロールユニット44は、ブレーキペ
ダル25のON/OFFを検出するブレーキスイッチ4
6からのブレーキ信号と、ハンドル舵角を検出する舵角
センサ47からの舵角信号と、各車輪の回転速度を夫々
検出する車輪速センサ51〜54からの車輪速信号とを
受けて、これらの信号に応じた制動圧制御信号を第1〜
第3バルブユニット36,37,43に夫々出力するこ
とにより、左右の前輪1,2および後輪3,4のスリッ
プに対する制動制御(ABS制御)を第1〜第3チャン
ネル毎に並行して行う。
【0017】次に、本願特有のタイヤ空気圧警報装置に
ついて説明する。このタイヤ空気圧警報装置は、前記4
つの車輪速センサ51〜54と、タイヤ空気圧判定の初
期設定を指令する為の初期設定スイッチ55(これは、
インストルメントパネルに付設されている)と、インス
トルメントパネルに付設されたワーニングランプ56、
コントロールユニット50、などで構成され、コントロ
ールユニット50には、車輪速センサ51〜54、初期
設定スイッチ55、等からの信号が供給され、ワーニン
グランプ56は、コントロールユニット50で駆動制御
される。
【0018】前記各車輪速センサ51〜54は、ディス
ク21〜24に形成された又はディスク21〜24に隣
接させて設けられた図示外の検出用ディスクに形成され
た48個の検出部を電磁ピックアップで検出する構成の
ものである。前記コントロールユニット50は、車輪速
センサ51〜54からの検出信号を濾波するフィルタ及
びフィルタで濾波された検出信号を波形整形する回路、
アナログの各種検出信号をA/D変換するAD変換器、
入力出力インターフェイスと、CPUとROMとRAM
とからなるマイクロコンピュータ等からなり、ROMに
は、後述のタイヤ空気圧判定制御の制御プログラムやマ
ップが予め入力格納してあり、RAMには、その制御に
必要な種々のメモリ類(バッファ、メモリ、フラグ、カ
ウンタ、ソフトタイマ等)が設けられている。尚、前記
フィルタは、時定数可変のものであり、高速走行時には
精度低下防止の為にその時定数が大きく設定され、低速
走行時には精度が得られるのでその時定数が小さく設定
される。
【0019】以下、前記コントロールユニット50で実
行されるタイヤ空気圧判定制御について、図2以降の図
面に基いて説明する。但し、フローチャートの図中、符
号Si(i=1,2,・・・)は、各ステップを示すも
のである。図2と図3は、前記車輪速センサ51〜54
からのパルス状の検出信号を読み込んでメモリに格納し
ていく検出信号読込み処理を示すものである。この検出
信号読込み処理は、基本的に自動車の走行中には常時実
行されるが、この処理の概要について説明しておくと、
各車輪速センサ51〜54は、車輪1回転当り48個の
パルス信号P1〜P4(車輪速パルス)を出力すること
から、パルス信号P1〜P4の信号数をカウンタI1〜
I4で夫々カウントし、パルス信号P1〜P4が48個
出力される時間(つまり、車輪が1回転する時間)を、
タイマTC1〜TC4で計時し、その計時時間を車輪速
データとしてメモリに格納していく。
【0020】但し、パルス信号P1〜P4のカウント開
始後、所定時間(図11に示す時間ts)内に4つのパ
ルス信号P1〜P4が入力されないときには、路面状態
が一定でなく、車輪の回転状態が不安定であるので、カ
ウントと計時をリセットする。同様に、パルス信号P1
〜P4のカウント終了時、所定時間(図11に示す時間
te)内に4つのパルス信号P1〜P4が入力されない
ときには、路面状態が一定でなく車輪の回転状態が不安
定であるのでカウントと計時をリセットする。更に、以
上のカウントと計時は、自動車の定常走行状態において
実行し、車輪速データの信頼性を高める為に、非定常走
行状態に移行する前の所定期間における車輪速データを
消去し、且つ、非定常走行状態解消後の所定期間におけ
る車輪速データを収集しないようにする。
【0021】次に、前記検出信号読込み処理について図
2と図3のフローチャートに基いて説明する。制御の開
始後、4つの車輪1〜4に対応するタイマTC1〜TC
4がリセットされ、且つ、フラグF1〜F4がリセット
され(S1)、次に、車輪速センサ51〜54からのパ
ルス信号P1〜P4が読み込まれ(S2)、次に、S2
8とS32で夫々セットされるフラグFg3,Fg4が
共に0か否か判定され(S3)、その判定がYes のとき
には、S4へ移行し、また、その判定が No のときに
は、S23へ移行する。
【0022】S4においては、パルス信号Pi(但し、
i=1〜4)が入力されたか否か、つまり、パルス信号
P1〜P4の何れかが入力されたか否か判定され、Yes
のときには、その入力されたパルス信号Piをカウント
するカウンタIi(但し、i=1〜4)がインクリメン
トされる(S5)。一方、S4の判定が No のときに
は、S12へ移行する。S6では、前記カウンタIiに
対応するフラグFi(但し、i=1〜4)が0か否か
(カウント開始前か否か)判定し、フラグFiが0のと
きには、S7において、カウンタIiに対応するタイマ
TCiがリセット後スタートされ、次に、フラグFiが
1にセットされる(S8)。尚、S6の判定で No のと
きには、S12へ移行する。
【0023】S9においては、フラグFg1が0か否か
判定し、最初フラグFg1=0のときには、S10にお
いてタイマTM1がリセット後スタートされ、次に、フ
ラグFg1が1にセットされ(S11)、その後S12
へ移行する。こうして、何れかのパルス信号Piの入力
からタイマTM1が計時を開始し、各パルス信号P1〜
P4が入力されると、それに対応するフラグF1〜F4
がセットされ、そのフラグに対応するタイマTC1〜T
C4がスタートし、そのフラグに対応するカウンタI1
〜I4によるカウントが実行される。
【0024】次に、S12では、タイマTM1で計時す
る極く短い所定時間(図11のts)内に4つのパルス
信号P1〜P4が入力されたか否か、フラグF1〜F4
に基いて判定され、その判定結果がYes のときには、S
14においてカウンタIiのカウント値Ii=48パル
スか否か判定し、 No のときにはS2へ移行するが、I
i=48パルスのときには、S15において、カウンタ
Iiに対応するタイマTCiの計時が停止される。尚、
S12の判定結果が No のときには、S13においてカ
ウンタKがインクリメントされてからS1へリターンす
る。
【0025】こうして、車輪1〜4の回転状態が不安定
で、パルス信号P1〜P4の48個毎のカウント開始後
所定時間内に4つのパルス信号P1〜P4が入力されな
いときには、パルス信号P1〜P4のカウントをリセッ
トし、S1以降が繰り返えし実行されるが、所定時間内
に4つのパルス信号P1〜P4が入力された場合には、
48個のパルス信号P1〜P4をカウントしたカウンタ
Iiに対応するタイマTC1〜TC4から順に、タイマ
TC1〜TC4が停止する。こうして、4つの車輪1〜
4の車輪1回転に要する時間T1〜T4が検出される。
【0026】次に、何れかのタイマTCi(但し、i=
1〜4)が停止すると、S16において、フラグFg2
が0か否か判定し、その判定結果がYes のときには、S
17において、タイマTM2がリセット後スタートさ
れ、次にフラグFg2が1にセットされ(S18)、つ
まり、何れかのパルス信号P1〜P4が48個入力され
ると、タイマTM2がリセット後スタートされる。次
に、S19において、タイマTM2で計時する極く短い
所定時間(図11のte)内に、カウンタI1〜I4が
全て48パルス以上になったか否か判定され、その判定
結果がYes のときには、S20において、4つの車輪1
〜4の1回転時間T1〜T4のデータ(以下、車輪速デ
ータ(T1〜T4)という)がメモリに格納され、次
に、カウンタJがインクリメントされ(S21)、その
後、S23へ移行する。
【0027】但し、S19の判定結果が No のときに
は、S22においてカウンタLがインクリメントされて
S1へリターンしてS1以降が繰り返えし実行される。
こうして、車輪1〜4の回転状態が不安定で、パルス信
号P1〜P4の48個毎(各検出サイクル毎)のカウン
ト終了時に所定時間内に4つのパルス信号P1〜P4が
入力されないときには、車輪速データ(T1〜T4)が
メモリに格納されず、S1以降が繰り返えし実行され
る。
【0028】次に、S21の次に、図3のS23へ移行
し、S23において車両の走行状態が旋回状態か否か判
定し、また、S24において加速減速状態か否か判定
し、また、S25において低μ路(低摩擦状態路面)を
走行中か否か判定し、また、S25の次のS29におい
て悪路走行中か否か判定する。尚、S23〜S25及び
S29は、定常走行状態か否かを判定するルーチンであ
り、これらの判定ルーチンについては、図6〜図9に基
いて後述する。
【0029】旋回状態のとき、又は、加速減速状態のと
き、又は、低μ路走行状態のときには、S26へ移行
し、フラグFg3が0か否か判定され、フラグFg3=
0のときには、S27において、メモリに格納してある
車輪速データ(T1〜T4)のうちの最新の10回転分
の車輪速データT1〜T4がメモリから消去され、それ
に伴って、カウンタJのカウント値Jが(J−10)に
変更され、次に、S28において、フラグFg3が1に
セットされてからS1へリターンし、また、S26の判
定結果が No のときには、そのままS1へリターンする
(図12参照)。そして、一旦フラグFg3がセットさ
れると、次回のS3の判定では No と判定されるため、
S3からS23へ移行し、旋回状態又は加速減速状態又
は低μ路走行状態が継続する限り、S26を経てS1へ
リターンする。従って、この間、車輪速データ(T1〜
T4)がメモリに蓄積されることはない(図12参
照)。
【0030】S29の判定により悪路走行中のときに
は、S30において、フラグFg4が0か否か判定さ
れ、フラグFg4=0のときには、S31において、メ
モリに格納してある車輪速データ(T1〜T4)のうち
の最新の15回転分の車輪速データ(T1〜T4)がメ
モリから消去され、それに伴って、カウンタJのカウン
ト値Jが(J−15)に変更され、次に、S32におい
て、フラグFg4が1にセットされてからS1へリター
ンし、S30の判定が No のときには、そのままS1へ
リターンする(図13参照)。
【0031】そして、一旦フラグFg4がセットされる
と、次回のS3の判定では No と判定されるため、S3
からS23へ移行し、悪路走行状態が継続する限り、S
30を経てS1へリターンする。従って、悪路走行状態
が継続する間は、車輪速データ(T1〜T4)がメモリ
に蓄積されることはない(図13参照)。こうして、定
常走行状態において得られた車輪速データ(T1〜T
4)であっても、非定常走行状態へ移行直前の所定数の
車輪速データ(T1〜T4)が消去され、これにより、
車輪速データ(T1〜T4)の信頼性を高めることがで
きる。
【0032】次に、S33〜S39は、非定常走行状態
が解消したとき、その解消時点から所定時間の間は、車
輪速データ(T1〜T4)の蓄積を禁止する為のルーチ
ンであり、非定常走行状態から定常走行状態に切り換わ
ったときには、S29の判定結果が No となるため、S
33へ移行する。S33においては、フラグFg3=0
で、且つ、フラグFg4=0か否か判定され、S26や
S30へ移行しなかったとき(つまり、非定常走行状態
に切り換わらなかったとき)、又は、S38においてフ
ラグFg3及びフラグFg4がリセットされたとき以降
には、S33の判定結果がYes となるため、S33から
S1へリターンする。
【0033】一方、一旦非定常走行状態に移行し、S2
8又はS32において、フラグFg3又はフラグFg4
が1にセットされ、その後定常走行状態に切り換わった
ときには、S33の判定結果が No となってS34へ移
行し、S34においてフラグFg5が0か否か判定さ
れ、その判定がYes のときには、S35においてタイマ
TM3がリセット後スタートされ、次にフラグFg5が
1にセットされ(S36)、その後S37へ移行する。
また、S34の判定結果が No のときにはS37へ移行
する。
【0034】S37では、タイマTM3の計時時間TM
3が短い所定時間C(図12、図13参照)以上か否か
判定し、計時時間TM3が所定時間C未満のときには、
S37からS1へリターンするが、次回のS3における
判定は No となるため、S3からS23へ移行し、S2
3〜S25、S29、S33〜S37を繰り返してリタ
ーンするので、所定時間Cの経過前には、車輪速データ
(T1〜T4)がメモリに蓄積されることはない(図1
2、図13参照)。そして、所定時間Cが経過すると、
S37の判定がYes となって、S38へ移行し、フラグ
Fg3,Fg4が0にリセットされ(S38)、次にフ
ラグFg5が0にリセットされてから、S1へリターン
する。次回、S3の判定がYes となるため、S3からS
4へ移行することになる。こうして、非定常走行状態か
ら定常走行状態へ移行後、所定時間Cが経過するまで
は、車輪速データ(T1〜T4)が蓄積されることがな
いから、車輪速データ(T1〜T4)の信頼性を高める
ことができる。
【0035】次に、前記S23における旋回状態を判定
する旋回判定処理について、図6により説明する。尚、
この処理は、所定短時間毎の割り込み処理にて実行され
る。最初に、メモリから所定数の車輪速データ(T1〜
T4)が読み込まれ(S90)、次に、前輪1,2の車
輪速データ(T1,T2)の各平均値に基いて前輪車輪
速Vw1,Vw2が演算され、また、後輪3,4の車輪
速データ(T3,T4)の各平均値に基いて後輪車輪速
Vw3,Vw4が演算される(S91)。次に、S92
において、前輪の車輪速差(Vw1−Vw2)の絶対値
ΔVw、前輪の車輪速差ΔVwf=(Vw1−Vw
2)、後輪の車輪速差ΔVwr=(Vw3−Vw4)が
演算される。
【0036】次に、前輪の車輪速差の絶対値ΔVwが
0.5Km/h以下か否か判定され(S93)、その判
定結果がYes のときには、S96において非旋回状態と
判定され、フラグFtが0に設定され、その後終了す
る。一方、ΔVwが0.5Km/h以下でないときに
は、S94において、ΔVwfとΔVwrとが、同符号
か否か判定する為に、ΔVwf×ΔVwr>0か否か判
定され、Yes のときには、S95において、旋回状態で
あると判定され、フラグFtが1にセットされ、その後
終了する。また、S94の判定結果がNoのときには、S
96において非旋回状態と判定され、フラグFtが0に
設定され、その後終了する。尚、S23の判定は、フラ
グFtに基いて実行される。
【0037】次に、前記S24において加減速状態を判
定する加減速判定処理について、図7を参照しつつ説明
する。尚、この処理は、所定短時間毎の割り込み処理に
て実行される。最初に、メモリから所定数の前輪1,2
の車輪速データ(T1,T2)が読み込まれ(S10
0)、次に前輪1,2の車輪速データ(T1,T2)の
各平均値に基いて、前輪車輪速Vw1,Vw2が演算さ
れ、また、前輪車輪速Vw1,Vw2を時間微分した前
輪車輪加速度AVw1,AVw2が演算され(S10
1)、次に、前輪車輪加速度AVw1,AVw2の絶対
値がどちらも所定値a以上か否か判定され(S10
2)、その判定結果がYes のときには、S103におい
て、加減速状態と判定され、フラグFadが1にセット
されて終了し、また、S102の判定結果がNoのときに
は、S104において、非加減速状態と判定され、フラ
グFadが0に設定されて終了する。尚、S24の判定
は、フラグFadに基いて実行される。
【0038】次に、前記S25において低μ路走行状態
を判定する低μ路判定処理について、図8を参照しつつ
説明する。尚、この処理は、所定短時間毎の割り込み処
理にて実行される。最初に、メモリから所定数の車輪速
データ(T1〜T4)が読み込まれ(S110)、次
に、S111において、前輪1,2の車輪速データ(T
1,T2)の各平均値に基いて、前輪車輪速Vw1,V
w2が演算され、また、後輪3,4の車輪速データ(T
3,T4)の各平均値に基いて、後輪車輪速Vw3,V
w4が演算され、車速V(車体速)が前輪車輪速Vw
1,Vw2の平均値として演算される。次に、S112
において、後輪3のスリップ率SL3=(Vw3−V)
/Vと、後輪4のスリップ率SL4=(Vw4−V)/
Vとが演算される。
【0039】次に、S113において、スリップ率SL
3,SL4がどちらも所定値SL0以上か否か判定さ
れ、Yes のときには、低μ路走行と判定され、フラグF
μが1にセットされて終了し、また、S113の判定結
果がNoのときには、高μ路走行と判定され、フラグFμ
が0に設定されて終了する。尚、S25の判定は、フラ
グFμに基いて実行される。
【0040】次に、S29において悪路走行状態か否か
判定する悪路判定処理について、図9を参照しつつ説明
する。尚、この処理は、所定短時間毎の割り込み処理に
て実行される。最初に、S120,S121において、
前記S100,S111と同様に、前輪車輪加速度AV
w1,AVw2が演算され、次に、加減速フラグFad
が0か否か(つまり、加減速状態でないか否か)判定さ
れ(S122)、加減速状態のときにはS120へリタ
ーンし、また、加減速状態でないときには、S123に
おいて、フラグFaが1か否か判定される。フラグFa
が0のときには、S124において、カウンタM,Nが
0にセットされ、且つ、タイマTcがリセット後スター
トされ、次に、フラグFaが1にセットされ(S12
5)、S126へ移行する。尚、S123の判定でYes
のときには、S123からS126へ移行する。
【0041】S126においては、前輪1の車輪加速度
AVw1の絶対値が所定値Ao以上か否か判定され、そ
の判定がYes のときには、S127へ移行して、カウン
タMがインクリメントされる。S128においては、前
輪2の車輪加速度AVw2の絶対値が所定値Ao以上か
否か判定され、その判定がYes のときには、S129へ
移行して、カウンタNがインクリメントされる。次に、
S130では、タイマTcの計時時間Tcが所定時間T
0以上になっかか否か判定され、所定時間T0経過する
までは、S130からS120へリターンするのを繰り
返し、計時時間Tcが所定時間T0以上になると、S1
30からS131へ移行し、S131においてフラグF
aが0にリセットされ、次に、S132において、カウ
ンタMのカウント値Mが所定値m以下で、且つ、カウン
タNのカウント値Nが所定値m以下か否か判定される。
【0042】S132の判定がYes のときには、S13
4において良路と判定され、フラグFakが0に設定さ
れて終了し、また、S132の判定がNoのときには、S
133において悪路と判定され、フラグFakが1に設
定されて終了する。つまり、悪路走行時には、従動輪
1,2の車輪速が変動しやすくなることに鑑み、左右の
各前輪1,2の車輪加速度や減速度が所定時間T0内
に、異常に大きくなる回数をカウントして、そのカウン
ト値M,Nから悪路走行状態を判定するようにしてあ
る。尚、前記S29の判定は、フラグFakに基いて実
行される。
【0043】次に、前記図2、図3に示した検出信号読
込み処理によって収集した一群の車輪速データ(T1〜
T4)を用いて、タイヤの空気圧の低下を判定し、空気
圧の低下に対して警報を出力するタイヤ空気圧判定処理
について、図4、図5を参照しつつ説明する。尚、この
処理は、車輪速データ読込み処理に対する割り込み処
理、又は並行的な処理にて実行されるもので、基本的に
自動車の走行中には、常時実行される。
【0044】最初に、メモリに格納してある各種データ
(以下の制御に必要な車輪速データ、カウンタのデータ
等)が読み込まれ(S50)、次に、カウンタJのカウ
ント値Jが400以上か否か判定され(S51)、その
判定が No のときにはリターンし、J≧400になる
と、S52に移行して、フラグFg6が0か否か判定さ
れ、フラグFg6=0のときには、S53において、前
記カウンタK,Lのカウント値K,Lの合計値(K+
L)≦80か否か判定される。
【0045】前記カウント値Kは、パルス信号P1〜P
4のカウント開始を中止した回数を示し、カウント値L
は、パルス信号P1〜P4のカウント終了時に、車輪速
データ(T1〜T4)の格納を中止した回数を示し、合
計値(K+L)は、車輪1〜4の回転状態の不安定状態
を示すパラメータ、つまり、車輪速データ(T1〜T
4)の信頼性を示すパラメータである(図14の×印参
照)。例えば、路面状態が良好で、車輪1〜4の回転状
態が安定していて、順調にデータが蓄積された場合に
は、合計値(K+L)が小さな値となり、また、悪路程
ではなくとも路面状態が良好でない場合には、合計値
(K+L)が大きな値となる。
【0046】S53の判定がYes のときには、タイヤ空
気圧判定に用いる車輪速データ(T1〜T4)のデータ
数の設定値J0が400に設定される(S54)。この
場合、4輪に関する車輪400回転分の車輪速データ
(T1〜T4)を用いて、タイヤ空気圧判定を行うこと
になる。S53の判定結果が No のときには、S55に
おいて、合計値(K+L)が120以下か否か判定さ
れ、その判定がYes のときには、設定値J0が500に
設定され(S56)、次にフラグFg6を1にセット後
リターンする。S55の判定結果が No のときには、S
58において、合計値(K+L)が160以下か否か判
定され、その判定でYes のときには、設定値J0が60
0に設定され(S59)、次にフラグFg6を1にセッ
ト後リターンする。
【0047】S58の判定結果が No のときには、蓄積
された400回転分の車輪速データ(T1〜T4)の信
頼性が低過ぎることから、その車輪速データ(T1〜T
4)の適用を禁止するため、S68へ移行し、カウンタ
J,K,Lが0にリセットされ、且つ、設定値J0が4
00に設定され、J=0のときからメモリに蓄積された
車輪速データ(T1〜T4)が消去され(S68)、そ
の後リターンする。合計値(K+L)が80以下の場合
には、S61において、カウンタJのカウント値Jが設
定値J0以上か否か判定されるが、この場合、車輪40
0回転分の車輪速データ(T1〜T4)が既に蓄積済み
であるため、その判定がYes となってS62へ移行す
る。S62ではフラグFg6が0にセットされる。尚、
合計値(K+L)が80以下の場合には、フラグFg6
は0のままである。
【0048】一方、S57からリターンした場合には、
S50〜S52、S61を繰り返えし、車輪100回転
分に相当する100組の車輪速データ(T1〜T4)が
追加されると、S61の判定がYes となり、S62へ移
行してフラグFg6が0にリセットされる。また、S6
0からリターンした場合には、S50〜S52、S61
を繰り返えし、車輪200回転分に相当する200組の
車輪速データ(T1〜T4)が追加されると、S61の
判定結果がYes となり、S62へ移行してフラグFg6
が0にリセットされる。
【0049】こうして、タイヤ空気圧判定に用いる一群
の車輪速データ(T1〜T4)が準備されると、S63
において、車輪400回転分又は500回転分又は60
0回転分の車輪速データ(T1〜T4)の合計時間Tt
1〜Tt4と、1回転当りの平均時間Tm1〜Tm4が
演算される。前記のように、種々の条件下に、車輪速デ
ータ(T1〜T4)を収集しても、例えば、自動車が上
り坂を走行する場合には、駆動輪のスリップ量が大きく
なって、タイヤ空気圧判定の信頼性が低下するし、ま
た、低μ路程ではないが、路面に間欠的に存在するよう
な水や砂利や雪や凹凸の影響で駆動輪のスリップが発生
することもあるし、また、スプリット路面においても片
側の駆動輪がスリップするし、また、乗員や積荷の影響
により車輪速データ(T1〜T4)にバラツキが発生す
ることがあることに鑑み、S64〜S67において、前
記平均1回転時間Tm1〜Tm4をタイヤ空気圧判定に
適用可能か否か判定する。つまり、S64〜S67は、
車輪速データ適否判定ルーチンである。
【0050】S64において、左側の前後輪の車輪速の
変化が同方向であり、且つ右側の前後輪の車輪速の変化
が同方向であるか否か判定するため、ΔTm1×ΔTm
3≧0で、且つ、ΔTm2×ΔTm4≧0か否か判定す
る。但し、図15に示すように、ΔTmi(但し、i=
1〜4)は、前回値に対する今回値の変化量である。S
64の判定結果が No のときには、4つの車輪速の変化
が異状であるので、S68へ移行し、S68において今
回の平均1回転時間Tm1〜Tm4をタイヤ空気圧判定
に適用するのを禁止するため、カウンタJ,K,Lが0
にリセットされ、設定値J0が400に設定され、J=
0のときからメモリに蓄積された車輪速データ(T1〜
T4)が消去され、その後リターンする。
【0051】S64の判定結果がYes のときには、S6
5において、ΔTmi(但し、i=1〜4)の絶対値が
所定値α以下か否か判定され、ΔTm1〜ΔTm4のう
ちの1つ又は複数の絶対値が所定値αよりも大きい場合
には、車輪速の変化が異状であるので、S68へ移行す
る。S65の判定がYes のときには、S66において、
左側駆動輪(後輪3)のスリップ率SL=(Tm1−T
m3)/Tm1と、右側駆動輪(後輪4)のスリップ率
SR=(Tm2−Tm4)/Tm2とが演算される。次
に、S67において、スリップ率SL,SRが0以上
で、且つ、所定値β以下か否か判定され、その判定結果
が No のときには、上り坂等の影響により、駆動輪のス
リップ量が過大であるとして、S68へ移行する。
【0052】S67の判定結果かYes のときには、今回
求めた平均1回転時間Tm1〜Tm4をタイヤ空気圧判
定に適用可能であるとして、図5のS69へ移行する。
S69においては、タイヤ空気圧判定の判定変数Dが、
図示の演算式にて演算され、その判定変数Dが今回の判
定変数D(i)としてメモリに格納される。次に、S7
0において、前回の判定変数D(i−1)と今回の判定
変数D(i)との差の絶対値が所定値γ以下か否か判定
され、その判定結果が No のときには、今回の判定変数
D(i)が前回の判定変数D(i−1)に比較して異状
に変化しており、その判定変数D(i)を用いて直ちに
タイヤ空気圧低下と判定することは好ましくないので、
S71において、今回の判定変数D(i)によるタイヤ
空気圧判定が禁止され、次に、S72において、カウン
タJ,K,Lが0にリセットされ、設定値J0が400
に設定され、J=0のときからメモリに蓄積された車輪
速データ(T1〜T4)が消去され、その後リターンす
る(図16参照)。
【0053】次に、S70の判定がYes のときには、前
記データ数の設定値J0に応じた判定しきい値ε×Δを
設定する為に、S73とS74により、設定値J0=4
00のときには、ε=1.0に設定され、また、S75
とS76により、設定値J0=500のときには、ε=
4/3に設定され、また、S77とS78により、設定
値J0=600のときには、ε=5/3に設定され、そ
の後S79へ移行する。S79においては、今回の判定
変数Dと判定変数初期値D0との差の絶対値が判定しき
い値ε×Δ(但し、Δは所定の定数であり、0.02〜
0.05の範囲の値である)以上か否か判定される。
尚、判定変数初期値D0の演算処理のルーチンについて
は、図10に基いて後述する。S79の判定が No のと
きには、4輪のタイヤ空気圧が正常と判定され、その後
S83へ移行し、S83においては、S72と同様にカ
ウンタJ,K,Lが0にリセットされ、設定値J0が4
00に設定され、メモリの車輪速データ(T1〜T4)
が消去され、その後リターンする。
【0054】次に、S79の判定がYes のときには、S
81において、4輪の何れかのタイヤ空気圧が異状(低
下状態)であると判定され、次に、ワーニングランプ5
6が所定時間点灯され、その後S83へ移行する。ここ
で、図16に示すように、タイヤ空気圧が正常の場合に
は、(D−D0)の絶対値が判定しきい値ε×Δ以下と
なる。即ち、タイヤ空気圧が低下すると、空気圧が低下
した車輪の車輪速が大きくなる。例えば、前輪2又は後
輪3の空気圧が低下した場合には、判定変数Dが初期値
D0に比較して大きくなり、また、前輪1又は後輪4の
空気圧が低下した場合には、判定変数Dが初期値D0に
比較して小さくなることから、(D−D0)の絶対値と
判定しきい値ε×Δとを比較することで、タイヤ空気圧
の低下を判定することができる。
【0055】そして、タイヤ空気圧低下時、図16の黒
丸で示すように、判定変数Dが大きく変動するが、車輪
速データのバラツキや、走行状態のバラツキによって
も、一時的に、判定変数Dが大きく変化することが有り
得る。そこで、空気圧判定の信頼性を高める為に、S7
0を設け、判定変数Dが前回値から大きく変化した場合
には、空気圧判定を禁止するようにした。但し、実際に
何れかのタイヤの空気圧が低下した場合には、今回の判
定変数Dと次回の判定変数Dとの差は大きくならず、S
70の判定がYes となり、S79において、確実に空気
圧低下を判定することができる。
【0056】以上説明したように、このタイヤ空気圧判
定制御によれば、各検出サイクル毎、つまり、車輪1回
転毎に、パルス信号のカウント開始段階と、カウント終
了段階において、車輪速データの信頼性を向上でき、ま
た、非定常走行状態の期間とその前後の期間における車
輪速データの蓄積を禁止することで、車輪速データの信
頼性を向上できる。更に、S54、S56、S59のス
テップにより、車輪速データ(T1〜T4)の信頼性が
低下するのに応じて設定値J0を大きくして、1回の空
気圧判定に用いる車輪速データの数を多くするので、車
輪速データ(T1〜T4)の信頼性の低下補償すること
ができる。
【0057】更に、S64〜S67のステップを介し
て、路面状態や走行状態のバラツキに起因してタイヤ空
気圧判定の信頼性ヤ精度が低下するのを確実に防止でき
る。更に、S70により、判定変数Dが前回値から大き
く変化したときには、その判定変数Dによる空気圧判定
を禁止するので、タイヤ空気圧の誤判定を防止し、空気
圧判定の信頼性や精度を向上できる。更に、S73〜S
78のステップにより、車輪速データ(T1〜T4)の
信頼性が低下するのに応じて、判定しきい値ε×Δを大
きく設定するので、タイヤ空気圧の誤判定を防止し、空
気圧判定の信頼性や精度を向上できる。
【0058】次に、前記判定変数初期値D0を求める初
期値設定処理について、図10を参照しつつ説明する。
この初期値設定処理は、自動車を新たに使用開始した場
合や、4輪のうちの何れかのタイヤを交換した場合な
ど、4輪のタイヤの状態が変更された場合、或いは、タ
イヤの摩耗等が進行して4輪のタイヤの状態が変化した
場合等に、初期設定スイッチ55が操作されると実行さ
れる。最初に、S140において、初期設定スイッチ5
5が操作されたか否か判定され、 No のときには、リタ
ーンし、初期設定スイッチ55が操作されると、S14
1において、図2、図3、図4のS1〜S68と同じ処
理が実行される。
【0059】次に、S142において、今回の判定変数
D(i)が、図示の演算式にて演算されてメモリに格納
され、次に、S143において判定変数D(i)の絶対
値が所定値C0以下か否か判定され、その判定結果が N
o のときには、路面状態や走行状態の影響により、不適
切な判定変数D(i)となった可能性が高いため、S1
49へ移行して、その判定変数D(i)がメモリから消
去され、次に、S150においてカウンタJ,K,Lが
0にリセットされ、且つ、設定値J0が400に設定さ
れ、その後リターンする。
【0060】一方、S143の判定がYes のときには、
S144において、前回の判定変数D(i−1)と今回
の判定変数D(i)の差の絶対値が所定値γ以下か否か
判定され、その判定結果が No のときには、前回の判定
変数D(i−1)に対する今回の判定変数D(i)の変
動量が大きく信頼性に欠けるので、S149へ移行す
る。S144の判定がYes のときには、カウンタKaが
インクリメントされる。尚、カウンタKaは、制御開始
時に0に初期設定されるものとする。
【0061】次に、S146において、カウンタKaの
カウント値Kaが10以上か否か判定され、その判定結
果が No のときには、S141(つまり、図2のS1)
へリターンして以上の処理が繰り返えされ、10個の判
定変数Dがメモリに蓄積されて、S146の判定がYes
になると、S147において、判定変数初期値D0が、
前記10個の判定変数D(i−9)、D(i−8)、・
・・・D(i)の平均値として演算されて、その判定変
数初期値D0がメモリに格納され、次に、カウンタKa
が0にリセットされ、この初期設定処理が終了する。以
上のようにして、判定変数初期値D0を、精選された1
0個の判定変数Dの平均値から演算するため、判定変数
初期値D0の信頼性を高めることができる。
【0062】次に、前記実施例の一部を変更した種々の
変形例について説明する。最初に、図4のS64〜S6
7のステップに代わりに適用可能な6例の車輪速データ
適否判定ルーチンについて、図17〜図23に基いて説
明する。 1)第1変形例(図17、図18参照) 図17、図18に示すように、S160〜S162は、
図4のS64〜S66と同様のステップであるので説明
を省略する。S163において、スリップ率SL,SR
のなまし値SLf,SRfが、図示の演算式により演算
される。
【0063】次に、S164において、(SL−SL
f)の絶対値が所定値δ(尚、δは、約0.001の値
である)以下で、且つ、(SR−SRf)の絶対値が所
定値δ以下か否か判定され、その判定結果が No のとき
には、S165へ移行し、また、S164の判定結果が
Yes のときには、図5のS69へ移行する。尚、S16
5は、図4のS68と同様のステップであるので説明を
省略する。つまり、図18に示すように、スリップ率S
L,SRのなまし値SLf,SRfに比較して、スリッ
プ率SL,SRがδ以上大きく変動した場合にのみ、そ
の一群(車輪400又は500又は600回転分)の車
輪速データ(T1〜T4)が不採用とされ、そのデータ
に基づくタイヤ空気圧判定が禁止され、その一群の車輪
速データ(T1〜T4)が消去される。
【0064】2)第2変形例(図19参照) 図19に示すように、S170において、4輪の平均1
回転時間Tmが、図示の演算式にて演算され、次に、S
171において、左右の駆動輪3,4のスリップ率S
L,SRが、図示の演算式にて演算され、次に、S17
2において、前回のスリップ率SL(i−1)に対する
今回のスリップ率SL(i)の変化方向と、前回のスリ
ップ率SR(i−1)に対する今回のスリップ率SR
(i)の変化方向とが同方向に変化しているか否かにつ
いて、図示の不等式により判定され、その判定結果が N
o のときには、前記S68と同様のS174に移行す
る。
【0065】S172の判定結果がYes のときには、S
173において、前回のスリップ率SL(i−1)に対
する今回のスリップ率SL(i)の変化率が所定値λ
(尚、λは、約0.003である)以下で、且つ、前回
のスリップ率SR(i−1)に対する今回のスリップ率
SR(i)の変化率が所定値λ以下か否かについて、図
示の2つの不等式により判定され、その判定結果が No
のときには、駆動輪のスリップ量が大きいためS174
へ移行し、また、その判定結果がYes のときには、図5
のS69へ移行する。
【0066】3)第3変形例(図20参照) 図20に示すように、S180において、前後輪の車輪
速比FRrが、次の演算式にて演算される。 FRr=(Tm1+Tm2)/(Tm3+Tm4) 次に、演算181において、前記車輪速比FRrのなま
し値FRrfが、次の演算式にて演算される。 FRrf=(7×FRrf+FRr)/8 次に、S182において、(FRr−FRrf)の絶対
値が所定値C1以下か否か判定され、その判定結果が N
o のときには、駆動輪のスリップ量が大きいため、S6
8と同様のS183に移行し、また、その判定結果がYe
s のときには、図5のS69へ移行する。
【0067】4)第4変形例(図21参照) 図21に示すように、S190において、前輪1,2の
1回転時間差ΔFと、後輪3,4の1回転時間差ΔRと
が、図示の式にて演算され、次に、S191において、
ΔFの絶対値がΔRの絶対値以下か否か判定され、その
判定が No のときには、駆動輪のスリップ量が大きいた
め、S68と同様のS192に移行し、また、その判定
がYes のときには、図5のS69へ移行する。
【0068】5)第5変形例(図22参照) 図22に示すように、左右の前輪1,2の平均1回転時
間Tmが、Tm=(Tm1+Tm2)/2の式で演算さ
れ、次に、S201において、(Tm3−Tm)の絶対
値が所定値ν以下で、且つ、(Tm4−Tm)の絶対値
が所定値ν以下か否か判定され、その判定が No のとき
には、駆動輪のスリップ量が大きいため、S8と同様の
S202に移行し、また、その判定がYes のときには、
図5のS69へ移行する。 6)第6変形例(図23参照) 図23に示すように、演算210において、各輪につい
ての平均1回転時間Tm1〜Tm4の前回値に対する今
回値の変化量ΔTm1,ΔTm2,ΔTm3,ΔTm4
が図示の式にて演算され、次に、S211において、そ
れらの変化量ΔTm1,ΔTm2,ΔTm3,ΔTm4
が同符号か否か判定され、その判定結果が No のときに
は、車輪の回転が不安定であるため、S68と同様のS
213へ移行し、また、その判定結果がYes のときに
は、S212へ移行する。S212においては、前記変
化量ΔTm1,ΔTm2,ΔTm3,ΔTm4の絶対値
が、夫々、所定値C2以下か否か判定され、その判定結
果が No のときには、加減速状態か或いは駆動輪のスリ
ップ量が大きいためS213へ移行し、また、その判定
結果がYes のときには、図5の69へ移行する。
【0069】7)第7変形例(図24参照) 前記図5のS69〜S78に代わりの判定変数設定ルー
チンについて説明する。図24に示すように、S22
0、S221、S222、S224、S226、S22
9は、夫々、図5のS69、S70、S73、S75、
S77、S72と同様のステップであるので説明を省略
する。S228は、今回の判定変数D(i)が不適切な
場合であり、このS228では、今回の判定変数D
(i)に前回の判定変数D(i−1)が付与され、S2
29へ移行する。
【0070】設定値J0=400の場合には、S222
からS223へ移行して、判定変数Dが、過去の2つの
判定変数の移動平均値として設定され、また、設定値J
0=500の場合には、S224からS225へ移行し
て、判定変数Dが、過去の3つの判定変数の移動平均値
として設定され、また、設定値J0=600の場合に
は、S226からS227へ移行して、判定変数Dが、
過去の4つの判定変数の移動平均値として設定され、S
223又はS225又はS227からS79へ移行す
る。このように、車輪速データの信頼性が低くなるのに
応じて、移動平均を求めるデータ数を増すことで、判定
変数Dの信頼性を高めることができる。
【0071】8)第8変形例(図25参照) 前記図5のS69〜S78の代わりの判定変数設定ルー
チンについて説明する。図25に示すように、S24
0、S241、S242、S244、S246、S25
9は、夫々、図5のS69、S70、S73、S75、
S77、S72と同様のステップであるので説明を省略
する。S249は、今回の判定変数D(i)が不適切な
場合であり、このS249では、今回の判定変数D
(i)に前回の判定変数D(i−1)が付与され、S2
50へ移行する。
【0072】設定値J0=400の場合には、S242
からS243へ移行して、判定変数Dのなまし値Df
が、図示のような5倍なましの演算式により演算され、
また、設定値J0=500の場合には、S244からS
245へ移行して、判定変数Dのなまし値Dfが、図示
のような6倍なましの演算式により演算され、また、設
定値J0=600の場合には、S246からS247へ
移行して、判定変数Dのなまし値Dfが、図示のような
7倍なましの演算式により演算され、S243又はS2
45又はS247からS248へ移行し、S248にお
いて、判定変数Dが、今回演算されたなまし値Dfに等
しく設定され、その後S79へ移行する。このように、
設定値J0が大きくなるのに応じて、なまし度合いを大
きくするので、判定変数Dの信頼性を高めることができ
る。
【0073】9) 尚、前記実施例におけるタイマとし
ては、CPUからのクロック信号をカウントするカウン
タ、又は、ABS制御装置における所定周期(例えば、
8ms)の制御サイクルをカウントするカウンタ等を適
用してもよい。また、車輪速センサ51〜54からのパ
ルス信号P1〜P4を検出する各サイクル中において
も、パルス信号P1〜P4の入力状態が不安定になった
否か常時監視しておき、入力状態が不安定になったとき
には、図2のS1へリターンしてカウントをやり直すよ
うに構成してもよい。
【0074】尚、前記実施例における車輪速データ(T
1〜T4)、つまり、1回転時間(T1〜T4)は、
「車輪速相当値」に相当するものであるが、この1回転
時間(T1〜T4)の代わりに、車輪速(Vw1〜Vw
4)を適用した空気圧判定制御に構成してもよい。
【0075】I〕第1別実施例 次に、前記タイヤ空気圧判定制御の第1別実施例とその
変形例について、表1と図26〜図37の図面に基いて
説明する。但し、フローチャートの図中、符号Si(i
=310,311,・・・)は各ステップを示すもので
ある。最初に、このタイヤ空気圧判定制御の概要につい
て説明すると、基本的に4つの車輪速センサ51〜54
で検出される車輪速Vw1〜Vw4 に基いてタイヤ空気圧判
定を行うのであるが、自動車の使用開始時や1又は複数
のタイヤを交換したとき等に、補償係数Cxの初期設定
処理を実行して、タイヤの製作誤差や特性を補償する為
の補償係数Cxを初期設定する。その後、定期的(所定
走行距離毎、又は、所定期間毎)にタイヤ空気圧判定処
理を実行して、何れかのタイヤの空気圧異常を判定し、
タイヤ空気圧が低下している場合には、ワーニングラン
プ56を介して警報を出力する。
【0076】前記初期設定処理は、路面状態に応じて設
定される車速域のときに実行し、また、タイヤ空気圧判
定処理は、路面状態に応じて別途設定される車速域のと
きに実行する。尚、このタイヤ空気圧判定制御は、初期
設定処理と、タイヤ空気圧判定処理と、悪路指数演算処
理と、路面摩擦係数演算処理(これのフローチャートは
省略)とを含む。更に、この別実施例におけるフラグや
カウンタヤタイマは、前記実施例のフラグやカウンタに
対して独立のものである。
【0077】次に、前記補償係数Cxの初期設定処理に
ついて、図26のフローチャートを参照しつつ説明す
る。この処理は、前記初期設定スイッチ55がON操作
されると開始され、次に前記車輪速センサ51〜56や
スイッチ55や図示外の傾斜検出センサ(車体の前後方
向の傾斜を検出するセンサ)からの信号をディジタル化
した各種データが読み込まれ、車輪速センサ51〜54
からの検出信号に基いて、車輪1〜4の車輪速Vw1〜V
w4が演算され(S310)、次に、初期設定処理の実行
中を示す為に、ワーニングランプ56が点灯され、且つ
タイヤ空気圧判定処理を禁止する為にフラグFが0にリ
セットされる(S311)。
【0078】次に、係数Cxの初期設定条件が成立か否
かの判定が実行される(S312)が、自動車が加減速
状態でないこと、定常直進走行状態であって、車速Vが
図30のマップに示す路面状態に応じて設定された係数
Cxの初期設定許可車速域に入っていること、が充足さ
れたときには、条件成立と判定されてS313へ移行
し、また、条件不成立のときはそのままリターンする。
尚、車速Vについては後述するものとし、加減速は、車
速Vの変化から検知される。
【0079】ここで、図30に示した係数Cxの初期設
定許可車速域の下限値は、過度に低速でない所定値(例
えば、20Km/H)に設定され、初期設定許可車速域の上限
値は、走行路面の路面状態(路面摩擦状態、悪路度合
い、路面の勾配)に応じて40〜50Km/Hの範囲の値に
設定されている。前記下限値に関して、過度の低速状態
では、車輪速センサからのパルス信号の数が少ないため
に、車輪速Vw1〜Vw4の検出精度が低下することから、
前記20Km/H位の所定値に設定することが望ましい。
【0080】前記上限値に関して、低μ状態のときの4
0Km/Hから高μ状態のときの50Km/Hへリニアに増大す
るように設定され、また、悪路度合い重のときの40Km
/Hから悪路度合い軽(良路)のときの50Km/Hへリニア
に増大するように設定され、上り勾配大のときの40Km
/Hから上り勾配小(平地路又は下り坂)のときの50Km
/Hへリニアに増大するように設定され、尚、μは、路面
の摩擦係数である。50Km/H超の高速状態では、駆動輪
のスリップ量が増加したり、前輪1,2と後輪3,4の
輪荷重が変化したりして、車輪速Vw1〜Vw4の検出精度
が低下するので、50Km/H以下の車速のときに、初期設
定処理を実行することが望ましく、低μのときには駆動
輪のスリップ量が増加するので、40Km/H以下の車速の
ときに、初期設定処理を実行することが望ましく、悪路
の度合いが重のときにも車輪速Vw1〜Vw4のバラツキが
大きくなるので、40Km/H以下の車速のときに、初期設
定処理を実行することが望ましい。
【0081】尚、走行路面の勾配は、前記傾斜検出セン
サの検出信号から演算され、路面μの演算方法と悪路状
態を示す悪路指数(フラグFak)の演算方法については
後述する。次に、S312において条件成立と判定され
ると、S313において、タイヤの製作誤差を加味して
タイヤ交換時等における4つのタイヤの初期状態を補償
する為の係数Cxが4輪の車輪速Vw1〜Vw4を用いて、
一方の対角線関係にある左前輪1と右後輪4の車輪速の
和(Vw1+Vw4)と、他方の対角線関係にある右前輪2
と左後輪3の車輪速の和(Vw2+Vw3)との比として、
次式で演算される。 補償係数Cx=(Vw1+Vw4)/(Vw2+Vw3) 次に、係数Cxが適正値か否か判定されるが、タイヤの
製作誤差によるタイヤ径の誤差が最大0.3 %であること
から、係数Cxが略1の所定範囲(例えば、0.95〜1.0
5)に入っている場合に、係数Cxが適正値であると判
定される。
【0082】係数Cxが適正値であるときには、S31
5において係数Cxの書き換え処理が実行され、前回の
係数Cx(i-1) に今回のCx(i) が与えられ、次に、ワ
ーニングランプ56が消灯され且つタイヤ空気圧判定処
理を許可する為にフラグFが1にセットされ、その後S
319へ移行する。一方、S314の判定結果がNoのと
きは、S317において、係数Cxが不定か否か判定さ
れ、不定のときにはS312へ移行し、係数Cxが不定
でないときには、S318においてワーニングランプ5
6が所定時間(例えば、2秒間)点滅され、その後S3
19へ移行する。S319では、フラグFが1か否か判
定し、その判定が No のときはリターンし、その判定が
Yes のときはこの処理を終了する。但し、1回のスイッ
チ55のON操作に基いて、複数回の初期設定処理を実
行して複数の係数Cxを求め、それら複数の係数Cxの
平均値から最終の係数Cxを決定してもよい。こうし
て、タイヤ交換時等における4つのタイヤの初期状態を
補償する為の係数Cxが決定され、RAMのメモリに格
納される。
【0083】ここで、走行路面の路面μを求める演算処
理について説明する。先ず、車速Vとしては車体速を適
用するものとし、この車速Vは、基本的に従動輪(前輪
1,2)の車輪速Vw1, Vw2の平均値に等しく設定さ
れ、その車速Vが、初期設定処理およびタイヤ空気圧判
定処理に適用される。路面μは、車速Vとその加速度V
gとに基いて演算されるが、この演算には、500ms
のタイマと100msのタイマとを用い、加速開始後車
体加速度Vgが十分に大きくならない500ms経過ま
では100ms毎に100ms間の車速Vの変化から、
次式により車体加速度Vgが演算される。
【0084】 Vg=K1×〔V(i)−V(i−100)〕 車体加速度Vgが十分に大きくなった500ms経過後
は100ms毎に500msの間の車速Vの変化から、
次式により車体加速度Vgが演算される。 Vg=K2×〔V(i)−V(i−500)〕 尚、前記の式中、V(i)は現時点の車速、V(i−1
00)は100ms前の車速、V(i−500)は50
0ms前の車速、K1、K2は夫々所定の定数である。
前記路面μは、前記のように求めた車速Vと車体加速度
Vgとを用いて表1に示したμテーブルから、3次元補
完により演算され、この路面μが、初期設定処理および
タイヤ空気圧判定処理に適用される。
【0085】
【表1】
【0086】ここで、前記走行路面の悪路状態を示す悪
路指数を求める演算処理について、図29のフローチャ
ートを参照しつつ説明する。この演算処理は、例えば、
車輪速Vw1を用いて判定する処理であり、この悪路指数
演算処理の開始後、各種データが読み込まれ(S35
0)、次にS351において、フラグFAが0か否か判
定されるが、フラグFAは初期化時に0に設定される関
係上、最初の判定結果はYes となってS352へ移行す
る。S352では、カウンタKがクリアされ、タイマT
がリセット後スタートされ、次に、S353においてフ
ラグFAが1にセットされ、その後S354へ移行す
る。S351の判定結果がNoのときにはS352とS3
53をスキップしてS354へ移行する。S354で
は、左側前輪1の車輪加速度AVw1(但し、車輪減速度
も含む)が、車輪速Vw1を時間微分することにより演算
される。
【0087】次に、S355において、車輪加速度AV
w1の絶対値が、所定の悪路判定しいき値A0以上か否か
判定され、その判定結果がYes のときは、カウンタKが
インクリメントされ(S356)、その後S357へ移
行し、前記判定結果がNoのときは、S356をスキップ
してS357へ移行する。S357では、タイマTのカ
ウント時間Tが所定時間T1(例えば、1000ms)
以上か否か判定され、所定時間T1経過しないうちは、
S357からリターンするのを繰り返して、所定時間T
1の間に、車輪加速度AVw1の絶対値が悪路判定しきい
値A0以上となる回数がカウンタKでカウントされてい
く。
【0088】前記所定時間T1経過すると、S357か
らS358へ移行し、次回の所定時間と回数のカウント
の為に、フラグFAが0にリセットされ、次に、S35
9〜S363において、カウンタKのカウント値Kに基
いて、K≦3のときに悪路フラグFak(悪路指数)が0
に設定され、また、3<K≦7のときに悪路フラグFak
が1に設定され、また、7<Kのときに悪路フラグFak
が2に設定される。但し、前記数値3,7は、所定時間
T1との関連において設定されるものである。こうし
て、初期設定処理の間の所定時間T1毎に、左側前輪1
の車輪速Vw1に基いた悪路フラグFakが0、1、2のう
ちの何れかの値に設定される。以上と同様にして、各車
輪速Vw2〜Vw4に基いて悪路フラグFakが0、1、2の
うちの何れかの値に設定され、これら4つの悪路フラグ
Fakの平均値を、四捨五入することで、初期設定処理お
よびタイヤ空気圧判定処理の為の悪路指数が演算され
る。
【0089】次に、タイヤ空気圧判定処理について、図
27と図28のフローチャートを参照しつつ説明する。
このタイヤ空気圧判定処理は、例えば、500Kmの走
行距離毎に実行される処理であり、この処理の開始後、
前記センサ51〜54やスイッチ55からの信号をディ
ジタル化した各種データが読み込まれ(S320)、次
に、フラグFが1か否か判定され(S321)、Yes の
ときには、S322においてタイヤ空気圧判定条件成立
か否か判定される。このタイヤ空気圧判定条件に関し
て、自動車が加減速状態でないこと、定常直進走行状態
であって、車速が図31のマップに示す路面状態に応じ
て設定されたタイヤ空気圧判定許可車速域に入っている
こと、が充足されたときには、条件成立と判定されてS
323へ移行し、条件不成立のときはS324へ移行す
る。
【0090】ここで、図31に示したタイヤ空気圧判定
許可車速域の下限値は、過度に低速でない所定値(例え
ば、20Km/H)に設定され、また、タイヤ空気圧判定許可
車速域の上限値は、走行路面の路面状態(路面摩擦状
態、悪路度合い、路面の勾配)に応じて40Km/H〜最高
車速の範囲の値に設定されている。前記下限値に関し
て、過度の低速状態では、車輪速センサ27〜30からのパ
ルス信号の数が少ない(データ数が少ない)ために、車
輪速Vw1〜Vw4の検出精度が低下することから、前記20
Km/H位の所定値に設定することが望ましい。
【0091】前記上限値に関して、低μ状態のときの4
0Km/Hから高μ状態のときの最高車速へリニアに増大す
るように設定され、また、悪路度合いが重のときの40
Km/Hから悪路度合いが軽(良路)のときの最高車速へリ
ニアに増大するように設定され、また、上り勾配大のと
きの40Km/Hから上り勾配小(平地路又は下り坂)のと
きの最高車速へリニアに増大するように設定されてい
る。そして、50Km/H超の高速状態では、駆動輪のスリ
ップ量が増加して車輪速Vw1〜Vw4の検出精度が低下す
るが、多少の精度低下は生じても、50Km/H超の高速走
行状態におけるタイヤ空気圧の低下を検出することが望
ましいので、前記のように設定してある。低μのときに
は駆動輪のスリップ量が増加するので、40Km/H以下の
車速のときに、タイヤ空気圧判定処理を実行することが
望ましく、また、悪路度合い重のときにも車輪速Vw1〜
Vw4のバラツキが大きくなるので、40Km/H以下の車速
のときに、タイヤ空気圧判定処理を実行することが望ま
しい。
【0092】S323においては、図28のタイヤ空気
圧判定のサブルーチンが実行され、その後リターンし、
S321又はS322の判定結果がNoのときは、S32
4において、タイヤ空気圧判定のサブルーチンにおける
タイマTがリセットされ、フラグFa,Ftが0にリセ
ットされるとともに、カウンタI,Jが0にリセットさ
れ、その後リターンする。次に、S323のタイヤ空気
圧判定のサブルーチンについて、図28を参照しつつ説
明する。先ず、フラグFtが1か否か判定され(S33
0)、最初はNoなのでS331において、タイマTがス
タートされ且つフラグFtが1にセットされてS332
へ移行する。また、フラグFtが1にセットされている
状態では、S330からS332へ移行する。次に、S
332において、空気圧判定変数Eが、図示の式、つま
り、次式により演算される。
【0093】E=2×[Cx(Vw2+Vw3)-( Vw1+Vw4)]
/[ Vw1+Vw2+Vw3+Vw4 ] 上式において、係数Cxは、予めタイヤの初期状態を補
償するように設定してあるため、タイヤ空気圧が正常で
ある場合には、空気圧判定変数Eは略0に等しい値にな
るが、右前輪2又は左後輪3のタイヤ空気圧が低下して
いる場合には、車輪速Vw2又は車輪速Vw3が大きくなる
ため空気圧判定変数Eは正方向に増大し、また、左前輪
1又は右後輪4のタイヤ空気圧が低下している場合に
は、車輪速Vw1又は車輪速Vw4が大きくなるため空気圧
判定変数Eは負方向に増大する。
【0094】次に、S333において判定変数Eが所定
値Δ0(例えば、0.020 〜0.050 の範囲の所定値)以上
か否か判定され、その判定結果がYes のときは、フラグ
Faが1か否か判定され(S334)、フラグFaが1
でないときには、判定変数Eが所定値Δ0以上の回数を
カウントするカウンタIが1にセットされ且つフラグF
aが1にセットされ(S335)、その後S341へ移
行する。フラグFaが1にセットされている状態では、
S334からS336に移行してカウンタIがインクリ
メントされ、その後S341ヘ移行する。
【0095】一方、S333の判定結果がNoのときは、
S337へ移行して判定変数Eが所定値−Δ0以下か否
か判定され、Yes のときはフラグFaが2か否か判定さ
れ(S338)、フラグFaが2でないときには、判定
変数Eが所定値−Δ0以下の回数をカウントするカウン
タJが1にセットされ且つフラグFaが2にセットされ
(S339)、その後S341へ移行する。また、フラ
グFaが2にセットされている状態では、S338から
S340に移行してカウンタJがインクリメントされ、
その後S341ヘ移行する。
【0096】次に、S341において、タイマTのカウ
ント値Tが所定時間T0(例えば、2秒)経過したか否
か判定されるが、最初のうちは、その判定結果がNoであ
るため、S341からリターンするのを繰り返していっ
て、図3のS320〜S322、S330〜S341が
繰り返えして実行され、タイマTのカウント値Tとカウ
ンタIのカウント値I又はカウンタJのカウント値Jが
増加していく。尚、図32には、タイヤ空気圧正常時の
空気圧判定変数Eの挙動を図示し、図33には、右側前
輪2又は左側後輪3のタイヤ空気圧異常時の空気圧判定
変数Eの挙動を図示してある。
【0097】そして、所定時間T0経過すると、S34
1の判定結果がYes となるため、S342へ移行し、カ
ウンタIのカウント値Iが所定値K0以上か又はカウン
タJのカウント値Jが所定値K0以上か否かの判定が実
行され、その判定結果がNoのときには、S343におい
てタイヤ空気圧が正常と判定されてS346へ移行し、
また、S342の判定結果がYes のときには、S344
においてタイヤ空気圧異常(低下)と判定され、S34
5において、ドライバーにタイヤ空気圧低下を警報する
為に、ワーニングランプ56が所定時間(例えば、2秒
間)点灯され、S346へ移行する。S346において
は、次回のタイヤ空気圧判定処理に備えて、タイマT、
フラグFa、フラグFt、カウンタI、カウンタJが、
夫々0にリセットされ、今回のタイヤ空気圧判定処理が
終了する。
【0098】次に、以上説明したタイヤ空気圧判定制御
の作用について説明する。インストルメントパネルに初
期設定スイッチ55を設け、そのスイッチ55を操作す
ることにより、タイヤ交換時等の必要な時に係数Cxを
初期設定する初期設定処理を実行するので、交換後の4
輪のタイヤの製作誤差を補償した係数Cxを設定するこ
とができる。そして、初期設定処理は、走行路面の路面
状態に応じて設定される車速域のときに実行するので、
低μ路における駆動輪のスリップ、悪路における車輪速
のバラツキ、上り坂における駆動輪のスリップ、輪荷重
の変動、等に起因する誤差要因を極力排除し、係数Cx
を高精度に初期設定できる。
【0099】その初期設定処理後には、自動車の走行中
には常時、補償係数Cxを用いてタイヤ空気圧判定処理
を実行する。このタイヤ空気圧判定処理は、定常直進走
行時であって走行路面の路面状態に応じて設定される車
速域のときに実行するので、初期設定処理の場合と同様
に、低μ路における駆動輪のスリップ、悪路における車
輪速のバラツキ、上り坂における駆動輪のスリップ、輪
荷重の変動、等に起因する誤差要因を極力排除して、タ
イヤ空気圧判定の精度や信頼性を高めることができる。
そして、このタイヤ空気圧判定処理では、タイマT、カ
ウンタI、カウンタJを用いて、所定時間T0における
E≧Δ0となるカウント値Iや、E≦−Δ0となるカウ
ント値Jをカウントし、それらのカウント値I,Jが所
定値K0以上のときに、タイヤ空気圧異常と判定するの
で、多くのサンプリングデータに基いて精度良くタイヤ
空気圧判定を行うことができる。
【0100】次に、この別実施例の一部を変更した3例
の変形例について説明する。 1)第1変形例(図34、図35参照) 図34は、図26に相当する初期値設定処理のフローチ
ャートであり、図26と同一のステップには、同一符号
を付して説明を省略する。この変形例では、補償係数C
xの代わりに、タイヤの製作誤差や特性等を補償するた
めの初期値E0が適用され、S312Aにおいて、S3
12と同様に初期値E0初期設定条件が成立か否かの判
定が実行され、条件成立のときは、S313Aにおい
て、図示の式にて初期値E0が演算される。S314A
では、初期値E0が適正値か否か判定されるが、例え
ば、−0.05〜0.05の範囲のときに適正値であると判定さ
れ、S315Aにおいて初期値E0の書換え処理が実行
される。また、初期値E0が適正値でないときには、S
317Aにおいて、初期値E0が不定か否かの判定が、
S317と同様に実行される。
【0101】次に、前記図27のタイヤ空気圧判定処理
のうちのタイヤ空気圧判定サブルーチンについて図35
により説明するが、図35は、図28に相当する図であ
り、図28と同一のステップには、同一符号を付して説
明を省略する。本変形例におけるタイヤ空気圧判定変数
Eは、S332Aに示す式で演算され、S333Aで
は、(E−E0)が所定値Δ0以上か否か判定され、ま
た、S337Aでは、(E−E0)が所定値−Δ0以下
か否か判定される。本変形例のように、初期値E0を用
いると、演算処理が簡単化する。
【0102】2)第2変形例(図36、図37参照) この第2変形例のタイヤ空気圧判定制御では、車輪速セ
ンサ51〜54から供給されるパルス信号P1〜P4の
パルス数を所定時間以上の期間にわたってカウントし、
各車輪毎のパルス数の合計値を比較することで、タイヤ
空気圧の異常を判定するようになっている。このタイヤ
空気圧判定制御は、図36のパルス信号読込み処理と、
図37のタイヤ空気圧判定処理とからなる。前記車輪速
センサ51〜54は、夫々、車輪が1回転する毎に、4
8個のパルス信号を出力するが、前記RAMには、車輪
速センサ51〜54から出力されるパルス信号を一次記
憶する4つのバッファ(B1〜B4)が設けられてい
る。
【0103】図36のフローチャートにおいて、所定走
行距離毎に、ルーチンが開始されると、前記同様に各種
データが読み込まれ(S370)、次にS322と同様
に、タイヤ空気圧判定条件成立か否かの判定が実行され
(S371)、その判定結果がYes のときは、S372
において、例えば8msの間、パルス信号P1〜P4が
読込みまれて、そのデータがバッファ(B1〜B4)に
一次記憶され、その後リターンして繰り返し実行され、
また、S371の判定結果がNoのときはそのままリター
ンして繰り返し実行される。このようにして、タイヤ空
気圧判定条件成立しているときには、バッファ(B1〜
B4)に8ms間のパルス信号P1〜P4が更新しつつ
記憶される。
【0104】次に、前記パルス信号読込み処理と並行的
に、図37のタイヤ空気圧判定処理が実行される。図3
7のルーチンが開始されると、バッファ(B1〜B4)
のデータが読み込まれ(S380)、次に読込み回数を
カウントするカウンタIがインクリメントされて読込み
回数がカウントされ(S381)、次に、S382にお
いてパルス信号P1〜P4のパルス数Nw1〜Nw4が演算
される。このパルス数Nw1〜Nw4の演算は、前回までの
合計パルス数Nw1〜Nw4に今回のパルス数Δw1〜Δw4を
夫々加算することで実行される。
【0105】次に、カウンタIが所定値I0(例えば、
100)以上か否かの判定が実行され(S383)、そ
の判定結果がNoのときはS380へ戻ってS380以降
が実行され、S383の判定結果がYes になると、S3
84において、パルス数Nw1〜Nw4の最大値Nwmaxと、
パルス数Nw1〜Nw4の平均値Nwmとが演算される。次
に、(Nwmax−Nwm)が所定値C以上か否か判定され、
その判定結果がNoのときはS386へ移行し、判定結果
がYes のときはS387においてタイヤ空気圧異常(低
下)と判定され、次にワーニングランプ56が所定時間
点灯され(S388)、次にパルス数Nw1〜Nw4を記憶
するメモリ及びカウンタIが夫々クリアされる(S38
8)。
【0106】タイヤ空気圧が低下した車輪の回転数が大
きくなることから、タイヤ空気圧が低下した車輪の車輪
速センサからのパルス数が最大になるので、前記のよう
に、(Nwmax−Nwm)が所定値以上か判定することで、
タイヤ空気圧異常を検知することができる。この変形例
では、タイヤ交換後における初期設定処理を実行してい
ないが、タイヤ交換後に図36、図37と同様の初期設
定処理を実行して、合計初期パルス数INw1〜INw4を
求めておき、タイヤ空気圧判定処理において求めたパル
ス数Nw1〜Nw4と合計初期パルス数INw1〜INw4との
比(Nw1/INw1)〜(Nw4/INw4)をパラメータと
して、タイヤ空気圧異常を検知するように構成してもよ
い。この場合、比(Nw1/INw1)〜(Nw4/INw4)
が所定値以上となるものを、タイヤ空気圧異常と判定す
るものとする。尚、初期設定処理時の車速Vと、タイヤ
空気圧判定処理時の車速Vとが同じとは限らないので、
前記の比(Nw1/INw1)〜(Nw4/INw4)を用いる
ことが必要である。
【0107】尚、この実施例においては、パルス数Nw1
〜Nw4を求めるようにしたが、このパルス数Nw1〜Nw4
と、車輪1回転当りのパルス数48個と、カウント値I
0および1回当りの車輪速読込み時間8msとのデータ
に基いて、4つの車輪1〜4についての車輪1回転当り
の時間Tw1〜Tw4を演算し、この時間Tw1〜Tw4をパラ
メータとしてタイヤ空気圧異常を判定するように構成し
てもよい。そして、この場合にも、前記同様に、初期設
定処理を実行し、その初期設定処理時における車輪1回
転当りの時間ITw1〜ITw4を予め求めておき、時間T
w1〜Tw4と時間ITw1〜ITw4との比(Tw1/ITw1)
〜(Tw4/ITw4)をパラメータとしてタイヤ空気圧異
常を判定するように構成してもよい。
【0108】3)第3変形例(図38、図39参照) 前記S312における初期設定条件又はS322におけ
るタイヤ空気圧判定条件の成立の有無を判定は、図3
8、図39に示す判定サブルーチンにより実行してもよ
い。但し、この処理の実行の為に、ブレーキスイッチか
らのブレーキ信号BSs、舵角センサからの舵角信号θ
h、走行距離計からの走行距離信号DD、車体の前後方
向の傾斜を検出する傾斜検出センサからの傾斜信号θ
k、車体に作用する横加速度を検出する横加速度センサ
からの横加速度信号Gh、ヨーレイトセンサからのヨー
レイト信号ψv、アクティブサスペンション装置におけ
る4輪の車高調整用油圧作動室の油圧を検出する油圧セ
ンサからの油圧信号Hp1〜Hp4、パーキングブレー
キスイッチからのパーキングブレーキ信号PBs、アン
チスキッド制御とトラクション制御(TRC制御)を行
うコントロールユニット44からのABS作動信号及び
TRC作動信号、等の種々の信号もコントロールユニッ
ト50に供給されているものとする。
【0109】先ず、S400においてパーキングブレー
キがONか否か判定され、パーキングブレーキがONの
とき(誤操作によりパーキングブレーキONの状態で走
行しているとき)は、制動状態に相当し、前輪と後輪の
輪荷重が不均一となり、車輪速検出精度が低下するため
S418において条件不成立と判定される。
【0110】次に、S401において加減速中か否かの
判定が実行されるが、車速Vとして車体速を適用するも
のとし、車速Vは、左右の従動輪(前輪1,2)の車輪
速Vw1, Vw2の平均値に等しく設定され、その車速Vの
変化から加減速中か否か判定され、加減速中であるとき
には、前輪と後輪の輪荷重が不均一となったり、駆動輪
のスリップ量が大きくなったりして車輪速検出精度が低
下するため、S418において条件不成立と判定され
る。
【0111】次に、S402において、舵角信号θhに
基いて、旋回中か否か判定され、旋回中のときは、内輪
と外輪の車輪速の差が大きくなりタイヤ空気圧判定を実
行するのが望ましくないため、S418において条件不
成立と判定される。次に、S403において、ABS作
動信号に基いてABS作動中か否か判定され、ABS作
動中のときには、制動状態となることが多く、車輪速検
出精度が低下するため、S418において条件不成立と
判定される。次に、S404において、TRC作動信号
に基いてTRC作動中か否か判定され、TRC作動中の
ときには、制動状態となることが多く、車輪速検出精度
が低下するため、S418において条件不成立と判定さ
れる。
【0112】次に、S405において、傾斜検出センサ
からの路面の傾斜信号θkに基いて、走行中の路面が上
り坂道か判定され、上り坂道のときには加速状態と同様
に車輪速検出精度が低下するのでS418において条件
不成立と判定される。次に、S406において、前述の
悪路フラグFakと同様に4輪について夫々演算される悪
路フラグFakの平均値に基いて、走行中の路面が悪路か
否か判定され、悪路のときには、4つの車輪速のバラツ
キが大きくなるので、S418において条件不成立と判
定される。
【0113】次に、S407においてカント路面か否か
判定されるが、カント路面を走行中のときには、ヨーレ
イトが発生していないのに左側前後輪1,3と左側前後
輪2,4の車輪速に差が発生したり、横加速度が発生し
たりするので、ヨーレイト信号ψv、車輪速Vw1〜Vw
4、横加速度信号Ghに基いて、カント路面か否か判定
され、カント路面を走行中のときには、低レベル側の前
後輪の輪荷重が大きくなり、車輪速検出精度が低下する
ので、S418にて条件不成立と判定される。
【0114】次に、S408において雪道等を走行中に
両駆動輪3,4がスピン状態となるスタック中か否か判
定されるが、車輪速Vw1〜Vw4と車速Vとに基いてスタ
ック中か否か判定され、スタック中のときには、異常な
車輪速が検出されてタイヤ空気圧判定が困難になるの
で、S418において条件不成立と判定される。次に、
S409において後輪3,4がスリップ中か否か判定さ
れるが、後輪の車輪速Vw3,Vw4と、車速Vに基いて、
後輪3,4がスリップ中か否か判定され、後輪がスリッ
プ中のときには、異常な車輪速が検出されてタイヤ空気
圧判定が不可能になるので、S418において条件不成
立と判定される。
【0115】次に、S410において両後輪のみ悪路判
定か否か判定されるが、左側後輪3に対応する悪路判定
と右側後輪4に対応する悪路判定のみが悪路と判定した
場合には、両後輪3,4にチェーンを装着している可能
性が高く、この場合車輪速の検出精度が低下するため、
S418において条件不成立と判定される。次に、S4
11において両前輪のみ悪路判定か否か判定されるが、
左側前輪1に対応する悪路判定と右側前輪2に対応する
悪路判定のみが悪路と判定した場合には、両前輪1,2
に誤ってチェーンを装着している可能性が高く、この場
合車輪速の検出精度が低下するため、S418において
条件不成立と判定される。
【0116】次に、S412において両後輪の車輪速が
両前輪の車輪速に比較して低速か否か判定されるが、両
後輪3,4にチェーンを装着している可能性が高く、こ
の場合車輪速の検出精度が低下するためS418におい
て条件不成立と判定される。次に、S413において両
前輪の車輪速が両後輪の車輪速に比較して低速か否か判
定されるが、両前輪1,2にチェーンを装着している可
能性が高く、この場合車輪速の検出精度が低下するため
S418において条件不成立と判定される。次に、S4
14において、車高調整用油圧作動室の油圧Hp1〜H
p4の全部が、設定値以上か否か判定され、車室やトラ
ンク内に大重量の荷物を積載して輪荷重が過大になる
と、車輪速の検出精度が低下するため、S418におい
て条件不成立と判定される。
【0117】次に、S415において前記油圧Hp1〜
Hp4のうち、両後輪に対応する油圧Hp3,Hp4だ
けが、両前輪に対応する油圧Hp1,Hp2に比較して
高いか否か判定され、トランクに大重量の荷物を積載し
た状態で油圧Hp3,Hp4だけが高いときには、後輪
の輪荷重が大きく、車輪速検出精度が低下するため、S
418において条件不成立と判定される。次に、S41
6において車速Vが許可車速域に入っているか否か判定
される。この許可車速域とは、図30に示す係数Cxの
初期設定許可車速域、又は、図31に示すタイヤ空気圧
判定許可車速域のことであり、その判定結果が No のと
きは、S418において条件不成立と判定される。そし
て、S400〜S415の判定結果が全て No で、かつ
S416の判定結果がYes のときには、車輪速Vw1〜V
w4を高精度で検出できるため、S417において条件成
立と判定される。
【0118】II〕第2別実施例 以下、前記コントロールユニット50で実行されるタイ
ヤ空気圧判定制御の第2別実施例について、図40〜図
46を参照しつつ説明する。但し、フローチャートの図
中、符号Si(i=501,502,・・・)は、各ス
テップを示すものである。尚、この第2別実施例は、前
記第1別実施例を部分的に変更したものに相当するの
で、第1別実施例において既に説明した事項について
は、簡単に説明する。
【0119】最初に、このタイヤ空気圧判定制御の概要
について説明すると、前記補償係数Cxを設定する初期
設定処理は、初期設定用の第1車速域(例えば、10〜
55Km/H)のときに実行し、タイヤ空気圧判定処理は、
空気圧判定用の第2車速域(例えば、10Km/H〜最高車
速)のときに実行する。尚、このタイヤ空気圧判定制御
は、前記初期設定処理と、タイヤ空気圧判定処理とを含
む。
【0120】次に、前記係数Cxの初期設定処理につい
て、図40のフローチャートを参照しつつ説明する。こ
の係数Cxの初期設定処理は、タイヤを交換した場合等
に初期設定スイッチ55がON操作されると開始され、
次に前記車輪速センサ51〜54やスイッチ55からの
信号をディジタル化した各種データが読み込まれ、車輪
速センサ51〜54からの検出信号に基いて4輪1〜4
の車輪速Vw1〜Vw4が演算され(S501)、次に、初
期設定処理の実行中を示す為に、ワーニングランプ56
が点灯され、タイヤ空気圧判定処理を禁止する為にフラ
グFが0にリセットされる(S502)。
【0121】次に、係数Cxの初期設定条件が成立か否
かの判定が実行される(S503)が、自動車が加減速
状態でないこと、定常直進走行状態であって、前記初期
設定用の車速域に入っていること、が充足されたときに
は、条件成立と判定されてS504移行し、また、条件
不成立のときはそのままリターンする。尚、車速Vにつ
いては、前記と同様である。S503の判定がYes のと
きには、S504〜S509において、タイヤ空気圧判
定の判定しきい値(図42のS533及びS537のα
βΔ0)を補正する為の補正係数αが、次のように設定
される。
【0122】車速Vが10Km/H以上で25Km/H未満の車
速帯のときには、S504、S505により補正係数α
が1.10に設定され、また、車速Vが25Km/H以上で40
Km/H未満の車速帯のときには、S506、S507によ
り補正係数αが1.05に設定され、また、車速Vが40Km
/H以上で55Km/H未満の車速帯のときには、S508、
S509により補正係数αが1.00に設定される(図43
参照)。即ち、車速Vが40Km/H以上で55Km/H未満の
ときに、車輪速Vw1〜Vw4の検出精度が最も高くなり、
車速Vが低下するのに応じて車輪速Vw1〜Vw4の検出精
度が低下することから、車速Vが低下するのに応じてα
を大きくして、タイヤ空気圧判定の判定しきい値を大き
く補正するようになっている。尚、前記数値1.10、1.05
は、一例を示すもので、これらの数値に限定されるもの
ではない。
【0123】前記S505、S507又はS509か
ら、S510へ移行し、S510において、タイヤの製
作誤差や特性を加味してタイヤ交換時等における4つの
タイヤの初期状態を補償する為の係数Cxが、4輪の車
輪速Vw1〜Vw4を用いて、図示の演算式により演算され
る。次に、S511において、係数Cxが適正値か否か
判定されるが、タイヤの製作誤差によるタイヤ径の誤差
が最大0.3 %であることから、係数Cxが略1の所定範
囲(例えば、0.95〜1.05)に入っている場合に、係数C
xが適正値であると判定される。
【0124】係数Cxが適正値であるときには、S51
2において係数Cxの書き換え処理が実行され、前回の
係数Cx(i-1) が今回のCx(i) で書き換えられ、次
に、S513においてワーニングランプ56が消灯され
且つタイヤ空気圧判定処理を許可する為にフラグFが1
にセットされ、その後S516へ移行する。一方、S5
11の判定結果がNoのときは、S514において係数C
xが、不定か否か判定され、不定のときにはS503へ
移行してS503以降が再実行され、また、不定でない
ときには、S515においてワーニングランプ56が所
定時間(例えば、2秒間)点滅され、その後S516へ
移行する。S516では、フラグFが1か否か判定さ
れ、その判定が No のときはリターンし、また、その判
定がYes のときはこの処理が終了する。
【0125】但し、1回のスイッチ55のON操作に基
いて、同一の車速帯において、複数回の初期設定処理を
実行して複数の係数Cxを求め、それら複数の係数Cx
の平均値から最終の係数Cxを決定するように構成する
ことも可能である。こうして、タイヤ交換時等における
4つのタイヤの初期状態を補償する為の係数Cxが決定
され、RAMのメモリに格納される。尚、低μ路走行時
や、悪路走行時や、坂道走行時には、初期設定処理を禁
止するように構成してもよい。
【0126】次に、タイヤ空気圧判定処理について、図
41、図42のフローチャートを参照しつつ説明する。
このタイヤ空気圧判定処理は、自動車の走行中には常時
実行される処理であり、この処理の開始後、各種データ
が読み込まれ、車輪速センサ51〜54からの検出信号
に基いて車輪速Vw1〜Vw4が演算され(S520)、次
に、前記フラグFが1か否か判定され(S521)、Ye
s のときには、S522においてタイヤ空気圧判定条件
成立か否か判定される。このタイヤ空気圧判定条件に関
して、自動車が加減速状態でないこと、定常直進走行状
態であって、タイヤ空気圧判定用の車速域に入っている
こと、が充足されたときには、条件成立と判定されてS
523へ移行し、条件不成立のときはS529へ移行す
る。
【0127】次に、条件成立の場合には、S523〜S
527において、タイヤ空気圧判定時の車速Vに応じて
判定しきい値を補正する為の補正係数βが設定される。
車速Vが10Km/H以上で50Km/H未満の車速帯のときに
は、S523、S524により補正係数βが1.00に設定
され、また、車速Vが50Km/H以上で100Km/H未満の
車速帯のときには、S523、S524により補正係数
βが1.10に設定され、また、車速Vが100Km/H以上の
車速帯のときには、S527おいて補正係数βが1.20に
設定される(図44参照)。
【0128】即ち、車速Vが10Km/H以上で50Km/H未
満のときには、初期設定処理の車速Vに近い車速のとき
にタイヤ空気圧判定を実行するため、空気圧判定変数D
の誤差が小さくなることから、補正係数βが1.00に設定
され、また、車速Vが増大するのに応じて、初期設定処
理の車速Vから大きくズレた車速のときにタイヤ空気圧
判定を実行するため、空気圧判定変数Dの誤差が大きく
なることに鑑みて、車速Vの増大に応じて補正係数βを
大きく設定する。尚、前記数値1.10、1.20は、一例を示
すもので、これらの数値に限定されるものではない。
【0129】次に、S528において、図42のタイヤ
空気圧判定のサブルーチンが実行されてその後リターン
し、S521又はS522の判定結果がNoのときは、S
529において、タイヤ空気圧判定のサブルーチンにお
けるタイマTがリセットされ、フラグFa,Ftが0に
リセットされるとともに、カウンタI,Jが0にリセッ
トされ、その後リターンする。次に、S528のタイヤ
空気圧判定サブルーチンについて、図42のフローチャ
ートを参照しつつ説明する。先ず、フラグFtが1か否
か判定され(S530)、最初はNoなのでS531にお
いて、タイマTがスタートされ且つフラグFtが1にセ
ットされてS532へ移行する。また、フラグFtが1
にセットされている状態では、S530からS532へ
移行する。次に、S532において、空気圧判定変数E
が、図示の式、つまり、次式により演算される。
【0130】E=2×[Cx(Vw2+Vw3)-( Vw1+Vw4)]
/[ Vw1+Vw2+Vw3+Vw4 ] 上式において、係数Cxは、予めタイヤの初期状態を補
償するように設定してあるため、タイヤ空気圧が正常で
ある場合には、空気圧判定変数Eは略0に等しい値にな
るが、右前輪2又は左後輪3のタイヤ空気圧が低下して
いる場合には、車輪速Vw2又は車輪速Vw3が大きくなる
ため、空気圧判定変数Eは正方向に増大し、また、左前
輪1又は右後輪4のタイヤ空気圧が低下している場合に
は、車輪速Vw1又は車輪速Vw4が大きくなるため空気圧
判定変数Eは負方向に増大する。
【0131】次に、S533において判定変数Eが、判
定しきい値αβΔ0(但し、所定の基本値Δ0は、例え
ば、0.020 〜0.050 の範囲の値である)以上か否か判定
され、その判定結果がYes のときは、フラグFaが1か
否か判定され(S534)、フラグFaが1でないとき
には、判定変数Eが判定しきい値αβΔ0以上の回数を
カウントするカウンタIが1にセットされ且つフラグF
aが1にセットされ(S535)、その後S541へ移
行する。また、フラグFaが1にセットされている状態
では、S534からS536に移行してカウンタIがイ
ンクリメントされ、その後S541ヘ移行する。
【0132】一方、S533の判定結果がNoのときは、
S537へ移行して判定変数Eが、判定しきい値−αβ
Δ0以下か否か判定され、Yes のときはフラグFaが2
か否か判定され(S538)、フラグFaが2でないと
きには、判定変数Eが判定しきい値−αβΔ0以下の回
数をカウントするカウンタJが1にセットされ且つフラ
グFaが2にセットされ(S539)、その後S541
へ移行する。また、フラグFaが2にセットされている
状態では、S538からS540に移行してカウンタJ
がインクリメントされ、その後S541ヘ移行する。
【0133】次に、S541において、タイマTのカウ
ント値Tが所定時間T0(例えば、2秒)経過したか否
か判定されるが、最初のうちは、その判定結果がNoであ
るため、S541からリターンするのを繰り返していっ
て、図41のS520〜S527、S530〜S541
が繰り返えして実行され、タイマTのカウント値Tとカ
ウンタIのカウント値I又はカウンタJのカウント値J
が増加していく。
【0134】そして、所定時間T0経過すると、S54
1の判定結果がYes となるため、S542へ移行し、カ
ウンタIのカウント値Iが所定値K0以上か又はカウン
タJのカウント値Jが所定値K0以上か否かの判定が実
行され、その判定結果がNoのときには、S543におい
てタイヤ空気圧が正常と判定されてS546へ移行し、
また、S542の判定結果がYes のときには、S544
においてタイヤ空気圧異常(低下)と判定され、S54
5において、ドライバーにタイヤ空気圧低下を警報する
為に、ワーニングランプ56が所定時間(例えば、2秒
間)点灯され、S546へ移行する。S546において
は、次回のタイヤ空気圧判定処理に備えて、タイマT、
フラグFa、フラグFt、カウンタI、カウンタJが、
夫々0にリセットされ、今回のタイヤ空気圧判定処理が
終了する。尚、低μ路走行時や、悪路走行時や、坂道走
行時には、タイヤ空気圧判定を禁止するように構成する
こともできる。
【0135】次に、以上説明したタイヤ空気圧判定制御
の作用について説明する。この初期設定処理において
は、初期設定処理を実行するときの車速Vに応じて、車
速が低いとき程補正係数αが大きくなるように、補正係
数αを設定し、この補正係数αで判定しきい値を補正す
るため、タイヤ空気圧判定における誤判定の確率を小さ
くし、タイヤ空気圧判定の精度や信頼性を高めることが
できる。
【0136】このタイヤ空気圧判定処理は、定常直進走
行時であって10Km/H〜最高車速の第2車速域のときに
実行するが、この第2車速域を第1車速域よりも広く第
1車速域を包含するように設定してあるため、車速の略
全域においてタイヤ空気圧判定を実行できるから、実用
性に優れる。ここで、車速Vが60Km/H以上になると、
駆動輪のスリップ等の影響で車輪速の検出精度が低下す
ることに鑑み、タイヤ空気圧判定を実行するときの車速
が、第1車速域から離れる程大きくなるように、補正係
数βを設定し、その補正係数βで判定しきい値を補正す
るため、タイヤ空気圧判定における誤判定の確率を小さ
くし、タイヤ空気圧判定の精度や信頼性を高めることが
できる。
【0137】このタイヤ空気圧判定処理では、タイマ
T、カウンタI、カウンタJを用いて、所定時間T0に
おけるE≧αβΔ0となるカウント値Iや、E≦−αβ
Δ0となるカウント値Jをカウントし、それらのカウン
ト値I,Jが所定値K0以上のときに、タイヤ空気圧異
常と判定するので、多くのサンプリングデータに基いて
精度良くタイヤ空気圧判定を行うことができる。
【0138】次に、第2別実施例におけるタイヤ空気圧
判定処理の一部を変更した2通りの変形例について説明
する。 1)第1変形例(図45参照) 尚、図45は、図42のフローチャートのうちの変更部
分を示すものであり、この変形例では、補正係数α、β
に加えて、学習補正係数γを適用して、判定しきい値が
αβγΔ0と設定され、学習補正係数γは、初期設定完
了時に1に設定される。
【0139】最初に、図45に基いて説明すると、S5
43の次に、S570において今回の判定フラグH(i)
が0にリセットされ、次にS571において前回の判定
フラグH(i-1) が1か否か判定され、前回もタイヤ空気
圧正常と判定されて判定フラグH(i-1) が0のときはS
572において学習補正係数γが変更なしに保持され、
次にS579においてワーニングランプ56が消灯さ
れ、その後S546へ移行する。
【0140】S571の判定結果がYes のときは、S5
73において前回のβ(i-1) と今回のβ(i) とが等しい
か否か( つまり、前回のタイヤ空気圧判定のときの車速
帯と今回のタイヤ空気圧判定のときの車速帯とが同じか
否か) の判定がなされ、その判定結果がYes のときは、
車速帯が同一であるにも係わらずタイヤ空気圧が前回は
異常で今回は正常と判定していることから、フェイルセ
ーフ的観点から判定しきい値が僅かに大き過ぎる可能性
があることに鑑み、この場合、S574において学習補
正係数γが所定値0.05だけ小さく変更され、その後S5
79を経てS546へ移行する。
【0141】一方、S573の判定結果が No のとき、
前回と今回とで車速帯が異なるときは、S575におい
て、前前回の判定フラグH(i-2) が1か否か判定され、
その判定結果がYes のとき、つまり、タイヤ空気圧が前
前回と前回が異常で、今回は正常と判定していることか
ら、前記同様に、判定しきい値が僅かに大き過ぎる可能
性があることに鑑み、この場合、S574において学習
補正係数γが所定値0.05だけ小さく変更され、その後S
579を経てS546へ移行する。また、S575の判
定結果が No のときは、タイヤ空気圧が前前回は正常、
前回は異常、今回は正常と判定していることから、学習
補正係数γが略適正であると考えられるので、S578
において学習補正係数γが変更なしに保持され、その後
S579を経てS546へ移行する。
【0142】2)第2変形例(図46参照) 尚、図46は、図42のフローチャートのうちの変更部
分を示すものである。次に、図46に基いて説明する
と、S542においてタイヤ空気圧異常と判定される
と、S580において今回の判定フラグH(i) が1 にセ
ットされ、次に前回の判定フラグH(i-1) が1 か否か判
定され、その判定結果がYes のときは、S582におい
て、前回のβ(i-1) と今回のβ(i) とが等しくないか否
か( つまり、前回のタイヤ空気圧判定のときの車速帯と
今回のタイヤ空気圧判定のときの車速帯とが異なるか否
か)の判定がなされ、その判定結果がYes のときには、
異なる車速帯で続けて異常判定が出たことから、S58
3においてタイヤ空気圧異常と判定され且つワーニング
ランプ56が点灯状態に保持され、次にS585におい
て学習補正係数γが変更なしに保持され、その後S54
6へ移行する。
【0143】S582の判定結果が No のときは前回と
今回とで車速帯が同じであるため、タイヤ空気圧異常と
断定し難いので、S584においてタイヤ空気圧が準異
常と判定され且つワーニングランプ56が点滅状態に保
持され、次にS585へ移行する。一方、S581の判
定結果が No のとき、つまり、タイヤ空気圧が前回は正
常で、今回は異常のときには、S586において前回の
β(i-1) と今回のβ(i) とが等しいか否か判定され、そ
の判定結果がYes のときには、前回と今回とで車速帯が
同じであるのに、タイヤ空気圧が前回は正常で、今回は
異常と判定していることから、S584へ移行してタイ
ヤ空気圧が準異常と判定され且つワーニングランプ56
が点滅状態に保持される。
【0144】S586の判定結果が No のときは、前回
と今回とで車速帯が異なるために今回の判定がタイヤ空
気圧異常となった可能性がある。そこで、S587にお
いて、前前回の判定フラグH(i-2) が1か否か判定さ
れ、その判定結果が No で、前前回もタイヤ空気圧正常
と判定されていた場合には、タイヤ空気圧が低下した可
能性が高いことから、S584へ移行してタイヤ空気圧
が準異常と判定され且つワーニングランプ56が点滅状
態に保持される。
【0145】一方、S587の判定結果がYes のとき、
つまり、タイヤ空気圧が前前回は異常で、前回は正常、
今回は異常と判定していることから、判定しきい値が低
過ぎる可能性があることに鑑み、S588において学習
補正係数γが所定値0.05だけ大きく変更され、その後S
546へ移行する。このように、学習補正係数γを導入
し、前記のようなロジックで学習補正係数γを学習して
いくことにより、タイヤ空気圧判定の誤判定の確率を小
さくすることができる。
【0146】III〕第3別実施例 次に、前記第1別実施例の補償係数Cxの初期設定処理
の別実施例について、図47と図48のフローチャート
及び図49、図50を参照しつつ説明する。この係数C
xの初期設定処理は、初期設定スイッチ55がON操作
されると開始され、次に、スイッチ55のON操作の時
点からの経過時間を計時するタイマTがスタートされ、
且つ走行距離計からの信号に基いてスイッチ55のON
操作の時点からの走行距離をカウントする距離カウンタ
Dcが0にリセットされ(S601)、次に前記センサ
51〜54やスイッチ55からの信号をディジタル化し
た各種データが読み込まれ、4輪1〜4の車輪速Vw1〜
Vw4が演算され(S602)、次に、初期設定処理の実
行中を示す為に、ワーニングランプ56が点灯され、且
つタイヤ空気圧判定処理を禁止する為にフラグFが0に
リセットされる(S603)。
【0147】次に、S604において、タイマTのカウ
ントアップと距離カウンタDcのカウントアップとが実
行され、次に、係数Cxの初期設定条件が成立か否かの
判定が、S605〜S616のステップにおいて判定さ
れる。この初期設定条件としては、基本的に、自動車が
加減速状態でないこと、定常直進走行状態であって、車
速Vが前記実施例の図30に示す路面摩擦に応じて設定
された係数Cxの初期設定許可車速域に入っていること
が必要であるが、何れかの1輪にテンパータイヤを装着
した状態の時やカウト路面走行時には、初期設定処理が
円滑に実行されないので、これらの特定の場合にも、確
実に初期設定処理が実行されるようになっている。
【0148】先ず、S605において、車速Vが図30
に示す所定の車速域にあるか否かの判定が実行される
が、車速Vとしては、左右の従動輪(前輪1,2)の車
輪速Vw1, Vw2の平均値が適用される。S605の判定
の結果、Yes のときはS606ヘ移行し、また、 No の
ときはS602へ戻る。S606では、タイマTの計時
時間Tが所定値T0以上か否か判定されるが、最初のう
ちはその判定結果が No となるので、次にS607で
は、距離カウンタDのカウント値Dcが所定値D0以上
か否か判定される。最初のうちは No と判定されるた
め、S608に移行して初期設定スイッチ55が再度O
N操作された否か判定される。但し、最初は初期設定ス
イッチ55が再度ON操作されないため、最初のうちは
No と判定されてS609へ移行する。
【0149】次に、S609では、車速Vの変化率が略
0か否か(つまり、定常走行状態か否か)判定され、Ye
s のときはS610へ移行して舵角センサで検出される
舵角θhが略0か否か(つまり、直進走行状態か否か)
判定され、直進走行状態のときはS611へ移行する。
S611では、図示の式に示すように、テンパータイヤ
の装着状態を判定する為の異径輪判定変数Rが、左側の
車輪速Vw1, Vw3の合計と右側の車輪速Vw2,Vw4の合
計の差の絶対値の車速Vに対する比として演算され、そ
の異径輪判定変数Rが、所定のしきい値β以下か否か判
定される。
【0150】即ち、4輪共通常タイヤの場合には、定常
直進走行状態であれば、図49に示すように、異径輪判
定変数Rがしきい値β以下になるから、S611の判定
結果はYes となる。しかし、3輪の通常タイヤに加えて
1輪のテンパータイヤを装着している状態では、左側の
車輪速Vw1, Vw3の合計と右側の車輪速Vw2, Vw4の合
計とが等しくないため、図50に示すように、異径輪判
定変数Rが所定のしきい値βよりも大きくなるので、S
611の判定結果がNoのとなり、S611からS614
へ移行する。
【0151】S610の判定結果がNoのときは、S61
2において舵角θhが所定値α以下か否か判定され、そ
の判定結果がNoのときは旋回中であるとして、S602
へ戻る。S612の判定結果がYes のときは、カウト路
面を走行中か否かを判定する為に、S613において舵
角θhが所定時間tα以上継続的に一定か否か判定され
る。但し、この判定は、実際には、複数回にわたる演算
処理により、タイマのスタートと、タイマスタート後の
フラグのセットと、タイマのカウントとを介して実行さ
れる。カウト路面を走行中でない場合にはS613の判
定結果はNoとなってS602へ移行するが、カウト路面
を走行中のときには、S613の判定結果がYes とな
る。そして、この場合にも、初期設定処理が可能となる
ように、S613でYes のときはS613からS611
へ移行する。
【0152】S611の判定結果がNoのときは、テンパ
ータイヤを装着しているか否か判定する為に、S614
において、異径輪判定変数Rが所定時間以上継続的に一
定か否か判定される。但し、この判定は、実際には、複
数回にわたる演算処理により、タイマのスタートと、タ
イマのスタート後のフラグのセットと、タイマのカウン
トとを介して実行される。そして、テンパータイヤを装
着している場合には、定常直進走行状態であっても、異
径輪判定変数Rが所定時間以上継続的に一定となるの
で、この場合にも、初期設定処理が可能となるように、
S614でYes のときはS614から図48のS617
へ移行する。
【0153】一方、この初期設定処理開始後、所定時間
経過しても、又は、所定距離走行しても、初期設定処理
が未完了である場合、或いは、初期設定処理が完了しな
いために初期設定スイッチ55が再度ON操作された場
合には、以下のように、所定時間tαを小さく、また、
しきい値βを大きく補正することで、初期設定処理を完
了させる。
【0154】即ち、S606の判定の結果、タイマTの
計時時間Tが所定時間T0以上のときは、S616へ移
行して、所定時間tαが0.95tαに、また、しきい値β
が1.05βに書換えられてS602へ戻り、また、S60
7の判定の結果、距離カウンタDcでカウントする走行
距離Dcが所定値Dc0以上のときは、S616へ移行
して、所定時間tαが0.95tαに、また、しきい値βが
1.05βに書換えられてS602へ戻る。S608 の判定
の結果、初期設定スイッチ55が再度ON操作された場
合には、S615において、タイマTがリセット後スタ
ートされるとともに距離カウンタDcが0にリセットさ
れ、その後S16ヘ移行して、所定時間tαが0.95tα
に、また、しきい値βが1.05βに書換えられてS602
へ戻る。
【0155】次に、S611の判定結果がYes のとき、
又はS614の判定結果がYes のときは、図48のS6
17へ移行し、S617以降が実行される。S617に
おいて、タイヤの製作誤差や特性を加味してタイヤ交換
時等における4つのタイヤの初期状態を補償する為の係
数Cxが4輪の車輪速Vw1〜Vw4を用いて、一方の対角
線関係にある左前輪1と右後輪4の車輪速の和(Vw1+
Vw4)と、他方の対角線関係にある右前輪2と左後輪3
の車輪速の和(Vw2+Vw3)との比として、次式で演算
される。 係数Cx=(Vw1+Vw4)/(Vw2+Vw3) 次に、S618において、係数Cxが適正値か否か判定
されるが、タイヤの製作誤差によるタイヤ径の誤差が最
大0.3 %であることから、係数Cxが略1の所定範囲
(例えば、0.95〜1.05)に入っている場合に、係数Cx
が適正値であると判定される。
【0156】係数Cxが適正値であるときには、S61
9において係数Cxの書き換え処理が実行され、前回の
係数Cx(i-1) が今回のCx(i) で書き換えられ、次
に、S620においてワーニングランプ56が消灯され
且つタイヤ空気圧判定処理を許可する為にフラグFが1
にセットされ、その後S621へ移行する。一方、S6
18の判定結果がNoのときは、S622において係数C
xが、不定か否か判定され、不定のときにはS621へ
移行し、また、不定でないときには、S623において
ワーニングランプ56が所定時間(例えば、2秒間)点
滅され、その後S621へ移行する。
【0157】S621においては、フラグFが1か否か
判定され、係数Cxの設定が完了してフラグFが1であ
るときには、この初期設定処理が終了するが、係数Cx
の設定が未完了でフラグFが0であるときには、図47
のS602へ戻る。但し、1回のスイッチ33のON操
作に基いて、複数回の初期設定処理を実行して複数の係
数Cxを求め、それら複数の係数Cxの平均値から最終
の係数Cxを決定するように構成することも可能であ
る。以上のようにして、タイヤ交換時等における4つの
タイヤの初期状態を補償する為の係数Cxが決定され、
RAMのメモリに格納される。
【0158】尚、前記の初期設定処理において、S60
6、S607、S608における判定結果がYes のとき
には、S611に相当するステップにおいて、(R−
δ)が所定のしきい値γ以下か否か判定するように構成
してもよい。但し、δは略0.05β程度の所定値であり、
γは略βに等しいしきい値である(図50参照)。
【0159】IV〕第4別実施例 次に、前記第1別実施例に適用可能なタイヤ空気圧判定
時期検知処理について、図51のフローチャートに基い
て説明する。前記第1別実施例では、自動車の走行中に
は、常時タイヤ空気圧判定を実行するように構成した
が、この第4別 実施例に係るタイヤ空気圧判定時期検
知処理からの指令に応じて、タイヤ空気圧判定を実行す
るように構成してもよい。
【0160】自動車のエンジンのイグニションスイッチ
の投入とともにこの処理が開始されると、最初にS72
0において前記フラグFが1か否か判定され、フラグF
が1のときはS721においてこの処理に必要な各種デ
ータが読み込まれ、次に、S722においてフラグFo
が1か否か判定される。このフラグFoはS735でセ
ットされるものであって、最初は0なので、S723へ
移行して前記フラグFが0から1に切り換えられたか否
か判定され、初期設定処理の終了直後には、その判定結
果がYes となるので、S723からS724へ移行し、
タイマTがスタートされ且つ走行距離計からの信号に基
いて走行距離をカウントする距離カウンタDcがリセッ
トされる。
【0161】次に、S725において、燃料タンクに燃
料を供給した回数をカウントするカウカンタFKがリセ
ットされてからS726へ移行する。一方、S723に
おける判定結果がNoのときにもS726へ移行し、S7
26では、タイマTのカウントアップと距離カウンタD
cのカウントアップとが実行される。S727では、燃
料供給検知スイッチからの信号に基いて、燃料供給か否
かの判定が実行され、NoのときはS729へ移行し、Ye
s のときはS728においてカウンタFKがインクリメ
ントされてからS729へ移行する。但し、燃料供給検
知スイッチは、燃料タンクのフューエルキャップ又はフ
ューエルキャップの外側の開閉蓋が開かれたときにON
となるスイッチである。次に、S729では、タイマT
Kのカウント時間Tが所定値C1(例えば、30日)以
上か否か判定され、また、S730では、距離カウンタ
Dcのカウント値Dcが所定値(例えば、50Km)以
上か否か判定され、また、S731では、燃料供給回数
FKが所定値(例えば、2回)以上か否か判定される。
【0162】最初は、S729〜S731の判定結果が
Noとなるので、S732へ移行し、フラグFoが0にリ
セットされてS721へ戻るが、その後は、S721〜
S723を経てS726へ移行し、S726〜S731
が繰り返して実行され、そのうちに、S729、S73
0、S731の何れかの判定がYes となると、S733
ヘ移行し、S733において、タイヤ空気圧判定処理を
実行すべき時期であることを報知する為に、また、ドラ
イバーにタイヤ空気圧の目視チェックを促す為に、ワー
ニングランプ56が所定時間(例えば、5秒)間点滅さ
れ、次に、S734においてタイヤ空気圧判定処理を開
始させる開始指令が出力され、次にS735においてフ
ラグFoが1にセットされ、その後S721へ移行す
る。
【0163】以上のタイヤ空気圧判定時期検知処理によ
り、タイヤ空気圧判定処理を実行すべき時期が検知され
てワーニングランプ56で表示され、自動車が走行中で
あれば、S734で出力される開始指令に基いて、タイ
ヤ空気圧判定処理が開始される。但し、自動車が停止中
の場合には、走行開始後にタイヤ空気圧判定処理が開始
される。前記S735においてフラグFoが1にセット
されてS721へ移行すると、S722の判定結果がYe
s となるため、S724とS725を経てS726へ移
行するので、その時点以降の時間と走行距離と燃料供給
回数とがカウントされることになり、以下前記と同様に
繰り返すことになる。但し、初期設定処理を実行中に
は、フラグFoが0にリセットされるため、このタイヤ
空気圧判定時期検知処理は実行されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る自動車のタイヤ空気圧判定装置
(タイヤ空気圧警報装置)とアンチスキッドブレーキ装
置の全体構成図である。
【図2】車輪速センサの検出信号読込み処理のフローチ
ャートの一部である。
【図3】車輪速センサの検出信号読込み処理のフローチ
ャートの残部である。
【図4】タイヤ空気圧判定処理のフローチャートの一部
である。
【図5】タイヤ空気圧判定処理のフローチャートの残部
である。
【図6】割り込み処理による旋回判定処理のフローチャ
ートである。
【図7】割り込み処理による加減速判定処理のフローチ
ャートである。
【図8】割り込み処理による低μ路判定処理のフローチ
ャートである。
【図9】割り込み処理による悪路判定処理のフローチャ
ートである。
【図10】初期値設定処理のフローチャートである。
【図11】車輪速パルスのタイムチャートである。
【図12】旋回、加減速、低μ路のときのデータ検出タ
イミングのタイムチャートである。
【図13】悪路のときのデータ検出タイミングのタイム
チャートである。
【図14】車輪400回転分のデータ検出タイミングの
タイムチャートである。
【図15】車輪1回転の平均時間(車輪速データ)のタ
イムチャートである。
【図16】判定変数と判定変数初期値との差(D−D
0)のタイムチャートである。
【図17】第1変形例に係る車輪速データ適否判定ルー
チンのフローチャートである。
【図18】スリップ率とそのなまし値とデータ採否を示
すタイムチャートである。
【図19】第2変形例に係る車輪速データ適否判定ルー
チンのフローチャートである。
【図20】第3変形例に係る車輪速データ適否判定ルー
チンのフローチャートである。
【図21】第4変形例に係る車輪速データ適否判定ルー
チンのフローチャートである。
【図22】第5変形例に係る車輪速データ適否判定ルー
チンのフローチャートである。
【図23】第6変形例に係る車輪速データ適否判定ルー
チンのフローチャートである。
【図24】第7変形例に係る判定変数設定ルーチンのフ
ローチャートである。
【図25】第8変形例に係る判定変数設定ルーチンのフ
ローチャートである。
【図26】第1別実施例に係るタイヤ空気圧判定制御の
係数Cxの初期設定処理のフローチャートである。
【図27】第1別実施例に係るタイヤ空気圧判定制御の
タイヤ空気圧判定処理のフローチャートである。
【図28】図27のタイヤ空気圧判定サブルーチンのフ
ローチャートである。
【図29】悪路指数演算処理のフローチャートである。
【図30】係数Cxの初期設定許可車速域のマップを示
す図である。
【図31】タイヤ空気圧判定許可車速域のマップを示す
図である。
【図32】タイヤ空気圧正常時の空気圧判定変数Eの挙
動を示す線図である。
【図33】タイヤ空気圧異常時の空気圧判定変数Eの挙
動を示す線図である。
【図34】第1変形例のタイヤ空気圧判定制御における
図2相当図である。
【図35】第1変形例のタイヤ空気圧判定処理のサブル
ーチンのフローチャートである。
【図36】第2変形例のタイヤ空気圧判定制御における
パルス信号読込み処理のフローチャートである。
【図37】第2変形例のタイヤ空気圧判定処理のフロー
チャートである。
【図38】第3変形例の条件成立判定サブルーチンのフ
ローチャートの一部である。
【図39】第3変形例の条件成立判定サブルーチンのフ
ローチャートの残部である。
【図40】第2別実施例に係るタイヤ空気圧判定の係数
Cxの初期設定処理のフローチャートである。
【図41】第2別実施例に係るタイヤ空気圧判定制御の
タイヤ空気圧判定処理のフローチャートである。
【図42】図41のタイヤ空気圧判定サブルーチンのフ
ローチャートである。
【図43】補正係数αの特性図である。
【図44】補正係数βの特性図である。
【図45】第1変形例のタイヤ空気圧判定サブルーチン
の部分のフローチャートである。
【図46】第2変形例のタイヤ空気圧判定サブルーチン
の部分のフローチャートである。
【図47】第3別実施例に係るタイヤ空気圧判定の係数
Cxの初期設定処理のフローチャートの一部である。
【図48】第3別実施例に係るタイヤ空気圧判定の係数
Cxの初期設定処理のフローチャートの残部である。
【図49】第3別実施例における異径輪判定変数Rのタ
イムチャートである。
【図50】第3別実施例における異径輪判定変数Rのタ
イムチャートである。
【図51】第4別実施例に係るタイヤ空気圧判定時期検
知処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1,2 前輪 3,4 後輪 50 コントロールユニット 51〜54 車輪速センサ 55 初期設定スイッチ 56 ワーニングランプ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−305011(JP,A) 特開 平6−92118(JP,A) 特開 平5−213019(JP,A) 特開 平6−320923(JP,A) 特開 平6−92116(JP,A) 特開 平6−92117(JP,A) 特開 平4−212609(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 23/00 - 23/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の4輪の車輪速センサの検出信号を
    用いてタイヤ空気圧の低下を検知して警報を出力するタ
    イヤ空気圧警報装置において、 車両の4輪の車輪速を夫々検出する車輪速センサと、 前記4つの車輪速センサから出力されるパルス状の各検
    出信号を読み込んでカウントし、その各カウント値がが
    夫々所定数に達する毎に得られる4輪の車輪速相当デー
    タをメモリに格納していくデータ収集手段と、 前記4つの車輪速センサのうちの何れか1つの車輪速セ
    ンサから最初に出力された検出信号が前記データ収集手
    段に入力された後、第1所定時間内に前記最初に検出信
    号が出力された車輪速センサ以外の車輪速センサのうち
    の少なくとも1つからの検出信号が入力されないときに
    は、前記データ収集手段に、4つ検出信号のカウント
    値をリセットさせる第1リセット手段と、 を備えたことを特徴とするタイヤ空気圧警報装置。
  2. 【請求項2】 前記第1リセット手段により検出信号の
    カウントのリセット後に、前記データ収集手段に各検出
    信号のカウントを再開させるカウント再開手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧警報装
    置。
  3. 【請求項3】 車両の4輪の車輪速センサの検出信号
    を用いてタイヤ空気圧の低下を検知して警報を出力する
    タイヤ空気圧警報装置において、 車両の4輪の車輪速を夫々検出する車輪速センサと、 前記4つの車輪速センサから出力されるパルス状の各検
    出信号を読み込んでカウントし、その各カウント値が夫
    々所定数に達する毎に得られる4輪の車輪速相当データ
    をメモリに格納していくデータ収集手段と、 何れか1つの車輪速センサからの検出信号のカウント値
    が前記所定数に達した時点から第2所定時間内に、その
    他の車輪速センサの少なくとも1つからの検出信号のカ
    ウント値が前記所定数に達しないときには、前記データ
    収集手段に、4つの検出信号のカンウト値をリセットさ
    せる第2リセット手段と、 を備えたことを特徴とするタイヤ空気圧警報装置。
  4. 【請求項4】 車両の4輪の車輪速センサの検出信号を
    用いてタイヤ空気圧の低下を検知して警報を出力するタ
    イヤ空気圧警報装置において、 車両の4輪の車輪速を夫々検出する車輪速センサと、 前記4つの車輪速センサから出力されるパルス状の各検
    出信号を読み込んでカウントし、その各カウント値が所
    定数に達する毎に得られる4輪の車輪速相当データをメ
    モリに格納していくデータ収集手段と、 前記4つの車輪速センサのうち何れか1つの車輪速セン
    サから最初に出力された検出信号が前記データ収集手段
    に入力された後、第1所定時間内に前記最初に検出信号
    が出力された車輪速センサ以外の車輪速センサのうち少
    なくとも1つからの検出信号が入力されないときには、
    前記データ収集手段に、4つの検出信号のカウント値を
    リセットさせる第1リセット手段と、 何れか1つの車輪速センサからの検出信号のカウント値
    が前記所定数に達した時点から第2所定時間内に、その
    他の車輪速センサの少なくとも1つからの検出信号のカ
    ウント値が前記所定数に達しないときには、前記データ
    収集手段に、4つの検出信号のカウント値をリセットさ
    せる第2リセット手段と、 を備えたことを特徴とするタイヤ空気圧警報装置。
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