JP3279363B2 - ダウンフロー方式のクリーンルームの拍動気流制御方法及びその装置 - Google Patents

ダウンフロー方式のクリーンルームの拍動気流制御方法及びその装置

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JP3279363B2
JP3279363B2 JP29165292A JP29165292A JP3279363B2 JP 3279363 B2 JP3279363 B2 JP 3279363B2 JP 29165292 A JP29165292 A JP 29165292A JP 29165292 A JP29165292 A JP 29165292A JP 3279363 B2 JP3279363 B2 JP 3279363B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダウンフロー方式のク
リーンルームにおける拍動気流制御方法及びその装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体製造等に代表される高浄化が必要
な工程には、従来よりダウンフロー方式のクリーンルー
ムが採用されてきた。
【0003】従来のダウンフロー方式のクリーンルーム
を図8及び図9を用いて概要説明を行う。図において、
Kは、建築物の隔壁空間を形成する構造躯体である。
【0004】構造躯体Kで形成される隔壁空間内には、
有孔床Gと天井裏全体にわたり形成されたダクトD及び
仕切壁Sとで囲んで画室Rが形成されている。画室Rに
は、生産ラインを構成する作業台Aが配置されている。
【0005】ここで、作業台Aとは、製品(ウエハー)
がその雰囲気中に保管される部分をいい、例えば、生産
装置前のロード(生産装置へのウエハー取入部),アン
ロード(生産装置へのウエハー搬出部)部やストック部
を構成する。
【0006】天井全面には、一定の間隔をおいて空気吹
出口Hが設けられている。空気吹出口Hには、天井エア
フィルタFが取り付けられている。仕切壁Sと構造躯体
Kとで囲まれた有孔板G下に通じる別室Bには、ファン
NとエアフィルタOとを有する送風機Mが配設されてい
る。送風機Mは、送風管Pを介してダクトDと連通して
いる。
【0007】このように構成された従来のダウンフロー
方式のクリーンルームによれば、ダクトDから下方に吹
き出された空気は、天井エアフィルタFで浄化されて画
室Rへ送給され、その画室Rで発生した塵埃等で汚れた
空気は、送風機Mによって有孔床Gの通気孔Tから床下
に吸い出され、そのエアフィルタOで浄化されて再びダ
クトDへ送られる。
【0008】このようにして、画室Rは常に浄化され
て、そこにダウンフロー方式のクリーンルームが形成さ
れている。しかし、このようなダウンフロー方式のクリ
ーンルームにおいては、図10に示すように、生産ライ
ン各種作業台A上、特に、段部dの頂部p,t,sで形
成されるその段部d等に吹き下ろす気流によって、段部
dの領域r内に渦気流fが発生する。
【0009】この渦気流fの発生は、流れの途中に窪み
等があるとときに特有に生じる現象で、気流が作業台A
に当たると、段部dの頂部pが剥離点となって気流の剥
離が起こり、気速の不連続点mが段部dの頂部pから点
sに達する。
【0010】このため、p−t−sの各点を結ぶ領域r
の圧力は、画室R内の圧力に比べて低くなり、気速の不
連続点m近傍の気流が、段部dの領域rに流れ込み渦気
流fを形成する。
【0011】しかも、この渦気流fは、生産によって生
ずる塵埃等を巻き込んで離脱しないまま滞留するので、
塵埃の除去が阻止され、例えば、半導体産業におけるよ
うに半導体性能の向上に伴い、クリーンルーム内の清浄
度は、かなり厳しくなっているにも拘らず本来最も必要
とする作業台Aの段部dの領域rの汚染度が高いという
ことが問題となっている。
【0012】したがって、渦気流fを排除する手段とし
て送風機を配置する案も考えられるが、送風機自体が塵
埃発生の原因となるばかりか、邪魔にもなり、天井フィ
ルタFの下に物を置くことは好ましくない。
【0013】そこで、特開昭60−48431号公報に
は、画室に設置した各種作業台に発生する渦気流を、床
下から一部空気を吸引して高圧空気にしてチャネルを吊
り下げる高圧送風管兼ハンガーの下端に装備したバンカ
ールーバー型吹出口から噴射して排除するクリーンルー
ムに発生する渦気流の消去方法が提案されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この特開昭
60−48431号公報に開示されたクリーンルームに
発生する渦気流の消去方法によれば、床下から一部空気
を吸引して高圧空気にしてチャネルを吊り下げる高圧送
風管兼ハンガーの下端に装備したバンカールーバー型吹
出口から噴射して、画室に設置した各種作業台に発生す
る渦気流を、排除する際に、周囲の空気と共に塵埃を巻
き込み易いという問題があった。
【0015】一方、鈴木宏尚,長谷川英治,松藤久良に
よる「拍動流による室内の微粒子の運動」(日本機械学
会論文集(B編)57巻539号(1991−7))に
は、一定空間で吹出,吸込の風量を周期的に変動(拍
動)させることで、渦領域を解消することが開示されて
いる。
【0016】図11に示すように、生産装置Aのロー
ド,アンロード部やストック部A1は、渦領域A2とな
り易い場合が多い。さらに、ロード,アンロードに代表
される部分では、ロード部に清浄なウエハーWが、アン
ロード部に汚染(加工)されたウエハーXが共存する場
合が多い。
【0017】この場合、この部分に定常流れを構成する
と、渦が発生してしまい、汚染されたウエハーXから塵
埃が発生して、その塵埃が滞留してしまい、清浄ウエハ
ーWに付着する確率が高くなる。
【0018】このように渦領域内に発塵源がある場合に
は、上述した鈴木宏尚らの「拍動流による室内の微粒子
の運動」に記載のように、吹出,吸込の風速を周期的に
変動(拍動)させることは、有効である。
【0019】ところが、半導体製造工場では、このよう
な渦領域内に発塵のあるものと、渦領域内に発塵がな
く、渦領域外からの塵埃侵入を嫌うものとが共存してい
る。勿論、前者の場合にも、渦領域外からの塵埃侵入を
嫌う。
【0020】この問題を解決するためには、上述した鈴
木宏尚らの「拍動流による室内の微粒子の運動」に記載
のように、室全体の気流を拍動させることは、かえって
不都合となる場合が多い。
【0021】本発明は斯かる従来の問題点を解決するた
めになされたもので、その目的は、渦領域を解消し、塵
埃の早急な排出を可能とし、高い清浄度が必要な部分に
外部よりの塵埃侵入を防ぐことを可能としたダウンフロ
ー方式のクリーンルームにおける拍動気流制御方法及び
その装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1は、天井に配設
した空気吹出口から下方へ吹き出す空気をエアフィルタ
で浄化して生産装置を設置した画室内に供給し、その画
室内で発生する塵埃等で汚れた前記空気を有孔床の通気
孔から吸い出して画室内を浄化するダウンフロー方式の
クリーンルームの浄化方法において、前記画室内に設置
した生産装置の上方からエアフィルタで浄化した空気を
前記生産装置の製品保管領域に送風する送風機付きフィ
ルタユニットを設けるとともに、前記画室内の空気を吸
引する送風機を前記有孔床内に設け、前記フィルタユニ
ットの送風機と有孔床の送風機との風速を、制御して拍
動気流とするものである。
【0023】請求項2は、請求項1において、前記フィ
ルタユニットの送風機の風速が、有孔床の送風機の風速
よりも速く設定されているものである。請求項3は、天
井に配設した空気吹出口から下方へ吹き出す空気をエア
フィルタで浄化して生産装置を設置した画室内に供給
し、その画室内で発生する塵埃等で汚れた前記空気を有
孔床の通気孔から吸い出して画室内を浄化するダウンフ
ロー方式のクリーンルームの浄化方法において、前記画
室内に設置した生産装置の上方からエアフィルタで浄化
した空気を前記生産装置の製品保管領域に送風する送風
機付きフィルタユニットを設け、前記フィルタユニット
の送風機の風速を、制御して拍動気流とするものであ
る。
【0024】請求項4は、請求項3において、前記有孔
床には、可変抵抗機構が設けられているものである。請
求項5は、天井に配設した空気吹出口から下方へ吹き出
す空気をエアフィルタで浄化して生産装置を設置した画
室内に供給し、その画室内で発生する塵埃等で汚れた前
記空気を吸込口から吸い出して画室内を浄化するダウン
フロー方式のクリーンルームの浄化方法において、前記
画室内に設置した生産装置の上方からエアフィルタで浄
化した空気を前記生産装置の製品保管領域に送風する送
風機付きフィルタユニットを設け、前記フィルタユニッ
トの送風機の風速を、制御して拍動気流とするものであ
る。
【0025】請求項6は、請求項5において、前記吸込
口が、前記生産装置から離れた位置に設けられているも
のである。請求項7は、天井に配設した空気吹出口から
下方へ吹き出す空気をエアフィルタで浄化して生産装置
を設置した画室内に供給し、その画室内で発生する塵埃
等で汚れた前記空気を有孔床の通気孔から吸い出して画
室内を浄化するダウンフロー方式のクリーンルームにお
いて、前記画室内に設置した生産装置の上方からエアフ
ィルタで浄化した空気を前記生産装置の製品保管領域に
送風する送風機付きフィルタユニットと、前記有孔床内
に設けられ前記画室内の空気を吸引する送風機と、前記
フィルタユニットの送風機と有孔床の送風機との風速
を、制御して拍動気流とする制御装置とを備えたもので
ある。
【0026】請求項8は、請求項7において、前記フィ
ルタユニットの送風機の風速が、有孔床の送風機の風速
よりも速く設定されているものである。請求項9は、天
井に配設した空気吹出口から下方へ吹き出す空気をエア
フィルタで浄化して生産装置を設置した画室内に供給
し、その画室内で発生する塵埃等で汚れた前記空気を有
孔床の通気孔から吸い出して画室内を浄化するダウンフ
ロー方式のクリーンルームにおいて、前記画室内に設置
した生産装置の上方からエアフィルタで浄化した空気を
前記生産装置の製品保管領域に送風する送風機付きフィ
ルタユニットと、前記フィルタユニットの送風機の風速
を、制御して拍動気流とする制御装置とを備えたもので
ある。
【0027】請求項10は、請求項9において、前記有
孔床には、可変抵抗機構が設けられているものである。
請求項11は、天井に配設した空気吹出口から下方へ吹
き出す空気をエアフィルタで浄化して生産装置を設置し
た画室内に供給し、その画室内で発生する塵埃等で汚れ
た前記空気を吸込口から吸い出して画室内を浄化するダ
ウンフロー方式のクリーンルームにおいて、前記画室内
に設置した生産装置の上方からエアフィルタで浄化した
空気を前記生産装置の製品保管領域に送風する送風機付
きフィルタユニットと、前記フィルタユニットの送風機
の風速を、制御して拍動気流とする制御装置とを備えた
ものである。
【0028】請求項12は、請求項11において、前記
吸込口が、前記生産装置から離れた位置に設けられてい
るものである。
【0029】
【作用】請求項1または7においては、天井に配設した
空気吹出口から下方へ吹き出す空気をエアフィルタで浄
化して生産装置を設置した画室内に供給し、その画室内
で発生する塵埃等で汚れた前記空気を有孔床の通気孔か
ら吸い出して画室内を浄化するダウンフロー方式のクリ
ーンルームを形成する。
【0030】そして、画室内に設置した生産装置の上方
からエアフィルタで浄化した空気を生産装置の製品保管
領域に送風する送風機により、その風速を、例えば、高
速,中速,低速の順に繰り返される運転パターンで運転
する。
【0031】同時に、有孔床内に設けた送風機により、
その風速を、例えば、高速,中速,低速の順に繰り返さ
れる運転パターンで運転し、画室内の空気を吸引する。
これら上下の送風機を運転制御することによって、拍動
気流を生じさせる。
【0032】請求項2または8においては、請求項1ま
たは6において、フィルタユニットの送風機の風速を、
有孔床の送風機の風速よりも速く設定し、生産装置の作
業台を渦領域を通過した空気が、渦領域から離れる方向
へ拡散される。
【0033】請求項3または9によれば、天井に配設し
た空気吹出口から下方へ吹き出す空気をエアフィルタで
浄化して生産装置を設置した画室内に供給し、その画室
内で発生する塵埃等で汚れた前記空気を有孔床の通気孔
から吸い出して画室内を浄化するダウンフロー方式のク
リーンルームを形成する。
【0034】そして、画室内に設置した生産装置の上方
からエアフィルタで浄化した空気を生産装置の製品保管
領域に送風する送風機により、その風速を、例えば、高
速,中速,低速の順に繰り返される運転パターンで運転
する。
【0035】この送風機を運転制御することによって、
拍動気流を生じさせる。請求項4まはた10によれば、
床の吸込風量を調整でき、外部よりの塵埃侵入を防ぐこ
とができる。
【0036】請求項5または11によれば、天井に配設
した空気吹出口から下方へ吹き出す空気をエアフィルタ
で浄化して生産装置を設置した画室内に供給し、その画
室内で発生する塵埃等で汚れた前記空気を吸込口から吸
い出して画室内を浄化するダウンフロー方式のクリーン
ルームを形成する。
【0037】そして、画室内に設置した生産装置の上方
からエアフィルタで浄化した空気を生産装置の製品保管
領域に送風する送風機により、その風速を、例えば、高
速,中速,低速の順に繰り返される運転パターンで運転
する。
【0038】この送風機を運転制御することによって、
拍動気流を生じさせる。請求項6または12によれば、
請求項5または11において、吸込口が、生産装置から
離れた位置に設けられているので、生産装置の作業台を
渦領域を通過した空気が、渦領域から離れる方向へ拡散
される。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1乃至図3は、本発明を送風機付き有孔床(R
FU)設置のダウンフロー方式のクリーンルームに適用
した一実施例を示す。
【0040】本実施例では、同一室(同一空調系統)に
あるウエハー保管部内で発塵のあるものと、ないものと
が共存する場合について説明する。図において、1は画
室を表す。この画室1は、構造躯体で形成される隔壁空
間内には、有孔床3と天井裏全体にわたり形成された空
間5及び仕切壁7とで囲んで形成されている。
【0041】画室1には、生産ラインを構成する作業台
9が配置されている。ここで、作業台9とは、製品(ウ
エハー)がその雰囲気中に保管される部分をいい、例え
ば、生産装置前のロード(生産装置へのウエハー取入
部),アンロード(生産装置へのウエハー搬出部)部や
ストック部を構成する。
【0042】天井全面には、一定の間隔をおいて空気吹
出口11が設けられている。空気吹出口11には、天井
エアフィルタ13が取り付けられている。仕切壁7と構
造躯体とで囲まれた有孔床3下に通じる別室には、ファ
ン17とエアフィルタ19とを有する送風機15が配設
されている。送風機15は、送風管21を介して空気吹
出口11と連通している。
【0043】また、作業台9の上方には、複数の送風機
25とエアフィルタ27を備えたフィルタユニット(F
FU)23が設置されている。各送風機25は、個別に
運転制御できるようにしてある。
【0044】さらに、作業台9の下方の床には、複数の
送風機29付き有孔床(RFU)が設置されている。各
送風機29は、個別に運転制御できるようにしてある。
複数の送風機25と送風機29は、例えば、図2に示す
ように、送風機風量を制御する制御装置31によって、
運転制御できるようにしてある。
【0045】この制御装置31としては、各送風機2
5,29にインバータコントローラを介装し、このイン
バータコントローラをパソコンによって制御するインバ
ータコントロール方式、または、各送風機25,29に
インバータコントローラを介装し、このインバータコン
トローラをタイマーによって制御するインバータコント
ロール方式とがある。
【0046】このように構成された本実施例によれば、
空気吹出口11から下方に吹き出された空気は、天井エ
アフィルタ13で浄化されて画室1へ送給され、その画
室1で発生した塵埃等で汚れた空気は、送風機15によ
って有孔床3の通気孔4から床下に吸い出され、そのエ
アフィルタ19で浄化されて再び空気吹出口11へ送ら
れる。
【0047】また、作業台9の上方に設けた複数の送風
機25を備えたフィルタユニット23からは、有孔床3
に向かって空気が吹き出されている。さらに、作業台9
の下方に設けた複数の送風機29によって、有孔床3の
通気孔4から空気が吸い出されている。
【0048】このようにして、画室1は常に浄化され
て、そこにダウンフロー方式のクリーンルームが形成さ
れている。そして、本実施例においては、図3(a),(b),
(c),(d) に示すように、複数の送風機25を備えたフィ
ルタユニット23と複数の送風機29の風量を制御する
ことによって拍動気流を生じさせるようにしてある。
【0049】その運転パターンとしては、例えば、高速
(図3(a) )→中速(図3(b) )→低速(図3(c) )→
高速(図3(d) )→のように、予め設定されたパターン
または適宜入力されたデータに基づく制御装置31から
の制御指令によって順次繰り返される。
【0050】なお、高速(図3(d) )は、高速(図3
(a) )と同じである。高速運転では、複数の送風機2
5,29が高速で運転されており、図3(a) に示すよう
な気流流線となる。この運転中、作業台9の凹凸部であ
る製品保管領域10では、渦気流が発生している。
【0051】次の、中速運転では、複数の送風機25,
29が中速で運転されており、図3(b) に示すような気
流流線となる。この運転中、作業台9の凹凸部である製
品保管領域10では、高速運転時と比較して大きの渦気
流が発生している。
【0052】さらに、低速運転では、複数の送風機2
5,29が低速で運転されており、図3(c) に示すよう
な気流流線となる。この運転中、中速運転時に発生して
いた渦気流は、周囲の気流が低速のため渦気流の持って
いる運動エネルギーにより渦が拡散し、渦気流が解消さ
れる。
【0053】このとき、渦気流に滞留していた塵埃も気
流の拡散により散逸してしまう。再度、高速運転が開始
されたときに、低速運転時に拡散された渦気流に滞留し
ていた塵埃は、高速の複数の送風機25,29の気流に
より速やかにクリーンルームより排出される。
【0054】ここで、高速の風速とは、送風機25で
0.5m/s、送風機29で0.4m/s、中速の風速
とは、送風機25で0.3m/s、送風機29で0.2
4m/s、低速の風速とは、送風機25で0.1m/
s、送風機29で0.08m/sとした。
【0055】以上のように、フィルタユニット23の複
数の送風機25の風速Vspに対して、有孔床3の複数の
送風機29の風速Vrpを若干遅く設定することによっ
て、図1に示すような気流を形成することができる。
【0056】この気流により、人やロボットなどの発塵
影響を、高清浄が必要なウエハー保管場所に侵入するこ
とを防止することが可能となる。なお、本実施例では、
送風機25と29の運転パターンを、高速→中速→低速
→高速の順となるように制御した場合について説明した
が、本発明はこれにかぎることなく、例えば、中速→低
速→高速→中速、低速→高速→中速→低速、高速→低速
→中速→高速、中速→高速→中速→低速→中速→高速、
低速→高速→低速→中速→低速、などのように規則的に
制御したり、高速→中速→中速→低速→高速、高速→中
速→低速→低速→高速、中速→低速→低速→高速→中
速、低速→高速→高速→中速→低速、高速→低速→低速
→中速→高速、などのように一部を繰り返して制御した
り、あるいは、高速,中速,低速をランダムに折り込ん
で制御したりする場合でも、同様に拍動気流とすること
が可能である。
【0057】さらに、風速を3段階以外の2段階や4段
階などのような運転域を設定しても良い。図4は、図1
の変形例を示すもので、複数の送風機25付きフィルタ
ユニット25が、室天井面に設置されている。
【0058】本実施例では、空間5がエアチャンバーと
して機能し、このエアチャンバーには送風機15に連通
する送風管21と連通している。この場合にも、運転パ
ターンは同様であり、上記実施例と同様の作用効果を奏
することができる。
【0059】上記各実施例では、同一室(同一空調系
統)にあるウエハー保管部内で発塵のあるものと、ない
ものとが共存する場合について説明したが、同一室(同
一空調系統)にあるウエハー保管部内で発塵のあるもの
のみが存在する場合でも適用できることは勿論である。
【0060】図5は、本発明を送風機付き有孔床(RF
U)を設置しないダウンフロー方式のクリーンルームに
適用した一実施例を示す。本実施例では、同一室(同一
空調系統)にあるウエハー保管部内で発塵のあるもの
と、ないものとが共存する場合について説明する。
【0061】本実施例の装置は、図1に示す装置におい
て、有孔床3に設けた複数の送風機29を撤去したもの
である。本実施例においては、有孔床3にシャッター機
構などの可変抵抗機構を取り付け、有孔床3の吸込風量
を調整することで、本発明の目的である外部よりの塵埃
侵入を防ぐ性能の向上が計られる。
【0062】本実施例における運転パターンは、図3に
示す複数の送風機25の運転パターンに準ずる。本実施
例においても、図1に示す実施例と同様の作用効果を奏
することができる。
【0063】図6は、図5の変形例を示すもので、複数
の送風機25付きフィルタユニット25が、室天井面に
設置されている。本実施例では、空間5がエアチャンバ
ーとして機能し、このエアチャンバーには送風機15に
連通する送風管21と連通している。
【0064】この場合にも、運転パターンは同様であ
り、上記実施例と同様の作用効果を奏することができ
る。図7は、図5の変形例を示すもので、有孔床3がな
く、複数の送風機25から送られる気流が外部よりの塵
埃侵入を防ぐ位置に吸込口37を設けたものである。
【0065】本実施例においても、塵埃侵入および渦解
消の性能の向上が見込まれる。なお、上記各実施例で
は、同一室(同一空調系統)にあるウエハー保管部内で
発塵のあるものと、ないものとが共存する場合について
説明したが、同一室(同一空調系統)にあるウエハー保
管部内で発塵のあるもののみが存在する場合でも適用で
きることは勿論である。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし12
によれば、画室内に設置した生産装置の上方からエアフ
ィルタで浄化した空気を生産装置の製品保管領域に送風
する送風機により、その風速を、制御して拍動気流とす
るので、生産装置の製品保管領域に発生する渦領域を解
消し、塵埃の早急な排出を可能とするとともに、高い清
浄度が必要な部分に外部よりの塵埃侵入を防ぐことが可
能となる。
【0067】特に、画室内に設置した生産装置の上方か
らエアフィルタで浄化した空気を生産装置の製品保管領
域に送風する送風機付きフィルタユニットを設けるとと
もに、画室内の空気を吸引する送風機を有孔床内に設
け、フィルタユニットの送風機と有孔床の送風機との風
速を、制御して拍動気流とすることによって、確実に高
い清浄度を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1および7に係るダウンフロー方式のク
リーンルームの拍動気流制御方法及びその装置の一実施
例を示す説明図である。
【図2】図1における要部を示す説明図である。
【図3】図1における拍動気流制御方法を示す説明図で
ある。
【図4】図1の変形例を示す説明図である。
【図5】請求項3および9に係るダウンフロー方式のク
リーンルームの拍動気流制御方法及びその装置の一実施
例を示す説明図である。
【図6】図5の変形例を示す説明図である。
【図7】請求項5および11に係るダウンフロー方式の
クリーンルームの拍動気流制御方法及びその装置の一実
施例を示す説明図である。
【図8】従来のダウンフロー方式のクリーンルームの概
要を示す説明図である。
【図9】図8の天井裏の平面図である。
【図10】作業台の段部に渦気流の発生する状況を示す
説明図である。
【図11】作業台の段部に発生した渦気流によって清浄
ウエハが汚染ウエハによって汚染される状況を説明図で
ある。
【符号の説明】
1 画室 3 有孔床 9 生産装置 10 製品保管領域 11 空気吹出口 13,19,27 エアフィルタ 15 送風機 17 ファン 21 送風管 23 送風機付きフィルタユニット 25,29 送風機 31 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−213633(JP,A) 特開 平2−25651(JP,A) 特開 昭60−48431(JP,A) 特開 昭63−46327(JP,A) 特開 平5−60356(JP,A) 特開 昭51−13151(JP,A) 特開 昭61−1941(JP,A) 特開 昭63−213735(JP,A) 特開 昭56−945(JP,A) 特開 昭62−202953(JP,A) 実開 平3−93336(JP,U) 実開 昭63−99140(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 7/06

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天井に配設した空気吹出口から下方へ吹
    き出す空気をエアフィルタで浄化して生産装置を設置し
    た画室内に供給し、その画室内で発生する塵埃等で汚れ
    た前記空気を有孔床の通気孔から吸い出して画室内を浄
    化するダウンフロー方式のクリーンルームの浄化方法に
    おいて、前記画室内に設置した生産装置の上方からエア
    フィルタで浄化した空気を前記生産装置の製品保管領域
    に送風する送風機付きフィルタユニットを設けるととも
    に、前記画室内の空気を吸引する送風機を前記有孔床内
    に設け、前記フィルタユニットの送風機と有孔床の送風
    機との風速を、制御して拍動気流とすることを特徴とす
    るダウンフロー方式のクリーンルームの拍動気流制御方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記フィルタユニッ
    トの送風機の風速が、有孔床の送風機の風速よりも速く
    設定されていることを特徴とするダウンフロー方式のク
    リーンルームの拍動気流制御方法。
  3. 【請求項3】 天井に配設した空気吹出口から下方へ吹
    き出す空気をエアフィルタで浄化して生産装置を設置し
    た画室内に供給し、その画室内で発生する塵埃等で汚れ
    た前記空気を有孔床の通気孔から吸い出して画室内を浄
    化するダウンフロー方式のクリーンルームの浄化方法に
    おいて、前記画室内に設置した生産装置の上方からエア
    フィルタで浄化した空気を前記生産装置の製品保管領域
    に送風する送風機付きフィルタユニットを設け、前記フ
    ィルタユニットの送風機の風速を、制御して拍動気流と
    することを特徴とするダウンフロー方式のクリーンルー
    ムの拍動気流制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記有孔床には、可
    変抵抗機構が設けられていることを特徴とするダウンフ
    ロー方式のクリーンルームの拍動気流制御方法。
  5. 【請求項5】 天井に配設した空気吹出口から下方へ吹
    き出す空気をエアフィルタで浄化して生産装置を設置し
    た画室内に供給し、その画室内で発生する塵埃等で汚れ
    た前記空気を吸込口から吸い出して画室内を浄化するダ
    ウンフロー方式のクリーンルームの浄化方法において、
    前記画室内に設置した生産装置の上方からエアフィルタ
    で浄化した空気を前記生産装置の製品保管領域に送風す
    る送風機付きフィルタユニットを設け、前記フィルタユ
    ニットの送風機の風速を、制御して拍動気流とすること
    を特徴とするダウンフロー方式のクリーンルームの拍動
    気流制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記吸込口が、前記
    生産装置から離れた位置に設けられていることを特徴と
    するダウンフロー方式のクリーンルームの拍動気流制御
    方法。
  7. 【請求項7】 天井に配設した空気吹出口から下方へ吹
    き出す空気をエアフィルタで浄化して生産装置を設置し
    た画室内に供給し、その画室内で発生する塵埃等で汚れ
    た前記空気を有孔床の通気孔から吸い出して画室内を浄
    化するダウンフロー方式のクリーンルームにおいて、前
    記画室内に設置した生産装置の上方からエアフィルタで
    浄化した空気を前記生産装置の製品保管領域に送風する
    送風機付きフィルタユニットと、前記有孔床内に設けら
    れ前記画室内の空気を吸引する送風機と、前記フィルタ
    ユニットの送風機と有孔床の送風機との風速を、制御し
    て拍動気流とする制御装置とを備えたことを特徴とする
    ダウンフロー方式のクリーンルームの拍動気流制御装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記フィルタユニッ
    トの送風機の風速が、有孔床の送風機の風速よりも速く
    設定されていることを特徴とするダウンフロー方式のク
    リーンルームの拍動気流制御装置。
  9. 【請求項9】 天井に配設した空気吹出口から下方へ吹
    き出す空気をエアフィルタで浄化して生産装置を設置し
    た画室内に供給し、その画室内で発生する塵埃等で汚れ
    た前記空気を有孔床の通気孔から吸い出して画室内を浄
    化するダウンフロー方式のクリーンルームにおいて、前
    記画室内に設置した生産装置の上方からエアフィルタで
    浄化した空気を前記生産装置の製品保管領域に送風する
    送風機付きフィルタユニットと、前記フィルタユニット
    の送風機の風速を、制御して拍動気流とする制御装置と
    を備えたことを特徴とするダウンフロー方式のクリーン
    ルームの拍動気流制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記有孔床には、
    可変抵抗機構が設けられていることを特徴とするダウン
    フロー方式のクリーンルームの拍動気流制御装置。
  11. 【請求項11】 天井に配設した空気吹出口から下方へ
    吹き出す空気をエアフィルタで浄化して生産装置を設置
    した画室内に供給し、その画室内で発生する塵埃等で汚
    れた前記空気を吸込口から吸い出して画室内を浄化する
    ダウンフロー方式のクリーンルームにおいて、前記画室
    内に設置した生産装置の上方からエアフィルタで浄化し
    た空気を前記生産装置の製品保管領域に送風する送風機
    付きフィルタユニットと、前記フィルタユニットの送風
    機の風速を、制御して拍動気流とする制御装置とを備え
    たことを特徴とするダウンフロー方式のクリーンルーム
    の拍動気流制御装置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記吸込口が、
    前記生産装置から離れた位置に設けられていることを特
    徴とするダウンフロー方式のクリーンルームの拍動気流
    制御装置。
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