JP3277387B2 - 陰極線管の製造方法 - Google Patents

陰極線管の製造方法

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JP3277387B2 JP18251692A JP18251692A JP3277387B2 JP 3277387 B2 JP3277387 B2 JP 3277387B2 JP 18251692 A JP18251692 A JP 18251692A JP 18251692 A JP18251692 A JP 18251692A JP 3277387 B2 JP3277387 B2 JP 3277387B2
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管の製造方法、
特に所謂ブラックマトリックス型カラー蛍光面の光吸収
膜パターンを形成した後のトリミング工程等における処
理液の飛散を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、カラー陰極線管における蛍光面
は、例えば赤、緑及び青の各蛍光体ストライプ(又はド
ット)間に光吸収膜となる黒パターンを形成してなる所
謂ブラックマトリックス型のカラー蛍光面が用いられて
いる。このような黒色パターンは、次のような方法によ
り形成される。まず、陰極線管のパネル内面にPVA
(ボリビニルアルコール)、PVP(ポリビニルピロリ
ドン)等による感光膜を塗布し、乾燥後、色選別電極を
光学用マスクとして、紫外線露光、水等で現像処理して
各色に対応した位置にストライプ状(又はドット状)の
レジスト層を形成する。次に、レジスト層を含む全面に
カーボンスラリーを塗布し、乾燥後、反転現像して(即
ちH2 2 等の反転剤を注入してレジスト層を膨潤させ
た後、水洗い等によりレジスト層と共にその上のカーボ
ン層をリフトオフして)、所定パターンのカーボン膜即
ち黒色パターン(光吸収膜)を形成する。
【0003】ところで、上述のカーボン膜のパターンの
現像直後においては、陰極線管の耐圧(放電、ストレ
ー)対策のために、従来より、次のような方法を用いて
パネルのスカート部の内面に(一部はシールドエッジ面
からスカート部外面にわたって)付着したカーボンを除
去することにしている。すなわち、所謂カーボンのトリ
ミングを行っている。
【0004】この方法においては、まず、図2Aに示す
ように、カーボンスラリーが塗布されたパネル11を吸
着パッド12で吸着保持し、パネル11のスカート部1
1の先端を酸槽13内に満たされた酸性液14に浸漬す
る。そして、図2Bに示すように、パネル11に付着し
たカーボンが酸によって剥離除去された後に酸槽13を
引き下げ、酸性液からパネル11を抜き出すようにす
る。この場合、パネル11を停止させたまま公転角18
0°で酸性液14から抜き出すようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来例の方法では、パネル11のシールエッジ面と酸性
液14の液面とが平行になっているため、パネル11を
酸性液14から抜き出す際にシールエッジ面11bと液
面とが一気に離れ、この結果、酸性液14の表面張力に
よって酸性液14がパネル11の有効画面にはねてカー
ボンによる黒色パターンを乱してしまうという問題があ
った。また、パネルにPVA膜、蛍光体層又は中間膜を
形成した後にパネルのスカート部を純水に浸漬し、超音
波洗浄機により不要な部分の除去を行う場合にも水がは
ねて同様の問題が生じていた。
【0006】本発明は従来例のかかる点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、蛍光面形成におけ
る所定の膜形成後の後処理工程においてパネルの有効画
面への処理液の飛散を防止しうる陰極線管の製造方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、例えば図1に
示すように、陰極線管の蛍光面形成工程において、パネ
ル1に所定の膜を形成した後、このパネル1のスカート
部1a先端の開放部全体を処理液4に浸漬する工程と、
浸漬処理終了後、パネル1のスカート部1aを処理液4
から抜き出す際に、このパネル1に所定の公転角を持た
せると同時にパネル1に回転を与える工程とを有するも
のである。
【0008】
【作用】かかる構成を有する本発明においては、パネル
1に所定の膜を形成した後、パネル1のスカート部1a
先端の開放部全体を処理液4に浸漬して処理することに
より、スカート部1aの先端部全体が均一に処理され
る。そして、パネル1のスカート部1aを処理液4から
抜き出す際にパネル1に所定の公転角をもたせることか
ら、処理液4の液面とパネル1のシールドエッジ面1b
とは平行にならず、このためパネル1のシールドエッジ
面1bが部分的に処理液4の液面から離れるようにな
り、同時に所定公転角の状態でパネルを回転(自転)さ
せているので、従来の方法に比べパネル1を抜き出す際
の処理液4の表面張力が小さくなって処理液4が飛散し
にくくなる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。尚、以下においては本発明に直接関連するカーボ
ントリミング工程を中心に蛍光面の形成工程について説
明し、その他の公知の工程については便宜上説明を省略
する。
【0010】まず、陰極線管のパネル内面にPVA(ボ
リビニルアルコール)、PVP(ポリビニルピロリド
ン)等による感光膜を塗布し、乾燥後、色選別電極を光
学用マスクとして、紫外線露光、水等で現像処理して各
色に対応した位置にストライプ状(又はドット状)のレ
ジスト層を形成する。次に、レジスト層を含む全面にカ
ーボンスラリーを塗布し、乾燥後、反転現像して(即ち
2 2 等の反転剤を注入してレジスト層を膨潤させた
後、水洗い等によりレジスト層と共にその上のカーボン
層をリフトオフして)、所定パターンのカーボン膜即ち
黒色パターン(光吸収膜)を形成する。
【0011】次に、以下の方法によりパネルのスカート
部に付着した不要なカーボンのトリミングを行う。ま
ず、図1Aに示すように、カーボンスラリーが塗布され
たパネル1を吸着パッド2で吸着保持し、パネル1のス
カート部1aの先端を酸槽3内の酸性液(例えばフッ化
アンモニウム,フッ化水素アンモニウム等)4に浸漬す
る。この場合、パネル1の公転角は180°とする。こ
れにより酸がカーボン膜を浸透してパネル1のガラスが
エッチングされる。
【0012】そして、パネル1に付着したカーボンが酸
によって剥離除去された時点で、図1Bに示すように、
パネル1を3〜10rpmの回転数で低速回転(自転)
させるとともにパネル1の公転角を変更し、酸槽3を引
き下げて酸性液4からパネル1を抜き出す。この場合、
パネル1の公転角は、図1cに示すように1〜2°変更
して178〜179°とすることが好ましい。
【0013】その後、例えばノズルによる水現像処理に
よってパネル1のスカート部1aのガラスより剥離され
た状態で残っているカーボン及び付着された酸性液を完
全に除去する。
【0014】以上述べた本実施例の方法においては、パ
ネル1のスカート部1a先端の開放部全体を酸性液4に
浸漬するので、スカート部1aの先端部全体を均一に処
理することができる。パネル1のスカート部1aを酸性
液4から抜き出す際に、パネル1の公転角を1〜2°変
更することから、酸性液4の液面とパネル1のシールド
エッジ面1bとは平行にならず、このためパネル1のシ
ールドエッジ面1bが部分的に酸性液4の液面から離れ
るようになり、しかもパネル1を回転させているので、
従来の方法に比べ酸性液4の表面張力が小さくなる。そ
して、その結果、パネル1の有効画面への酸性液4の飛
散を防止することができ、カーボンによる黒色パターン
の乱れを防ぐことができる。
【0015】さらに、パネル1に例えば緑色の蛍光体ス
ラリーを塗布し、乾燥後、色選別電極を介して露光し、
現像処理して所定のカーボン膜間の位置に緑色蛍光体層
(蛍光体ストライプ又は蛍光体ドット)を形成し、以
下、同様にしてそれぞれ他の所定のカーボン膜間の位置
に青色蛍光体層、赤色蛍光体層を形成する。しかる後、
中間膜を塗布形成し、A1のメタルバック層を形成して
目的のカラー蛍光面が形成される。
【0016】尚、上述の実施例においては処理液である
酸性液からパネルを抜き出す際に酸槽を移動させるよう
にしたが、本発明はこれに限られるものではなく、パネ
ルを移動させるように構成してもよい。
【0017】また、本発明は上述のカーボントリミング
工程に限られず、パネルにPVA膜、蛍光体層又は中間
膜を形成した後にパネルのスカート部を純水に浸漬し、
超音波洗浄機によって不要な部分の除去を行う工程にも
適用することができる。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように本発明においては、パ
ネルのスカート部先端の開放部全体を処理液に浸漬する
ので、スカート部の先端部全体を均一に処理することが
できる。浸漬処理終了後、パネルのスカート部を処理液
から抜き出す際にパネルに所定の公転角を持たせると同
時にこのパネルに回転を与えることから、蛍光面の形成
工程、特に所定の膜形成後の後処理工程即ちスカート部
に付着された不要部分の膜の除去工程においてパネルの
有効画面への処理液の飛散を防止でき、この結果、光吸
収膜等の不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のカーボントリミング工程を示
す説明図である。
【図2】従来例のカーボントリミング工程を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 パネル 1a スカート部 1b シールドエッジ面 4 酸性液
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−284733(JP,A) 特開 平5−345174(JP,A) 特開 平3−179634(JP,A) 特開 昭57−180846(JP,A) 特開 昭57−141840(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/227 H01J 9/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極線管の蛍光面形成工程において、 パネルに所定の膜を形成した後、該パネルのスカート部
    先端の開放部全体を処理液に浸漬する工程と、 前記浸漬処理終了後、前記パネルのスカート部を処理液
    から抜き出す際に、該パネルに所定の公転角を持たせる
    と同時に該パネルに回転を与える工程とを有する ことを
    特徴とする陰極線管の製造方法。
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