JP3275265B2 - トリフルオロメトキシ化合物および該化合物を含有する液晶組成物 - Google Patents

トリフルオロメトキシ化合物および該化合物を含有する液晶組成物

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JP3275265B2
JP3275265B2 JP02968692A JP2968692A JP3275265B2 JP 3275265 B2 JP3275265 B2 JP 3275265B2 JP 02968692 A JP02968692 A JP 02968692A JP 2968692 A JP2968692 A JP 2968692A JP 3275265 B2 JP3275265 B2 JP 3275265B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶材料として有用
な、分子内にトリフルオロメトキシ基とアルコキシメチ
ル基を合わせ持つ液晶化合物、およびそれを含有する液
晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ネマチック液晶相の電気光学効果を利用
した液晶表示装置は従来より種々の分野で広く用いられ
ており、その表示方法としては動的散乱型(DS型)、
ゲストーホスト型(GーH型)、ツイストネマチック型
(TN型)、スーパーツイストネマチック型(STN
型)などが知られている。また、これらの駆動方式には
スタティック駆動方式、時分割駆動方式(ダイナミック
駆動方式)、アクティブマトリックス駆動方式、2周波
駆動方式などが用いられている。
【0003】これらの中で、TN型アクティブマトリッ
クス駆動の液晶表示装置は、従来のCRT表示装置に比
べて小型化、薄型化が可能で、しかも消費電力が非常に
小さい、などの優れた特徴を有し、液晶カラーテレビに
応用されている。また、CRT表示装置と同等の走査線
の本数を実現することが可能であるため、表示容量の拡
大化が進められており、将来はCRTに代わる表示装置
として注目されている。
【0004】これらの表示装置に用いられる液晶材料に
要求される特性はさまざまであるが、 (1)着色がなく、熱、光、電気的、化学的に安定であ
ること。 (2)ネマチック液晶温度範囲が室温付近で適正な範囲
であること。 (3)電気光学的な応答速度が速いこと。 (4)駆動電圧が低いこと。 (5)電圧ー光学特性の立ち上がりが急峻であること。 などは、各種表示方式に共通して要求される特性であ
る。
【0005】しかし、これらの特性を単一成分で満足す
る液晶化合物は、現在のところ知られていないので、こ
れらの特性を得るためには複数のネマチック液晶化合物
またはネマチック液晶類似化合物を混合したネマチック
液晶組成物を用いているのが現状である。本発明の類似
化合物として、公表特許公報 平2−501311に開
示されている以下のような化合物がある。
【0006】
【化2】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、既存
の液晶材料と混合した際に得られるネマチック液晶に、
その液晶相範囲、誘電率異方性、電圧保持率等で好まし
く作用する化合物を提供することにあり、特にTN型ア
クティブマトリックス駆動の液晶表示装置に使用される
液晶材料として、有用な化合物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
ような問題を解決すべく検討した結果、一般式(I)で示
される、トリフルオロメトキシ基とアルコキシメチル基
を合わせ持つ新規化合物およびそれらを含有する液晶組
成物が、液晶相範囲、誘電率異方性、電圧保持率等で良
好な特性を有し、特にTN型アクティブマトリックス駆
動の液晶表示装置に使用される液晶材料として有用であ
ることを見いだし、本発明を完成した。本発明化合物お
よびそれらを含有する液晶組成物によって、従来の公知
化合物と比較して、誘電率異方性が大きく低電圧駆動が
でき、低温域での相溶性がよく広い液晶相範囲を有する
等の点で、改良された特性を有する液晶材料を提供する
ことができる。
【0009】本発明は、一般式
【0010】
【化3】
【0011】(式中Rは炭素数1〜7の直鎖状のアルキ
ル基、nは1を表し、mは0または1を表し、Aはトラ
ンス−1,4−シクロヘキシレン基または1,4−フェ
ニレン基を表す)で表されるトリフルオロメトキシ化合
物、および該化合物を少なくとも1種含有する液晶組成
物である。本発明の代表的な態様は、次の一般式群( I
−a)〜( I−f)により表される化合物のうち、式
(1−b)、式(1−d)および式(1−f)のそれぞ
れにより表される化合物によって示される。 ( I−a) 一般式(I)においてn=m=0で表される
化合物。 ( I−b) 一般式(I)においてn=1、m=0で表さ
れる化合物。 ( I−c) 一般式(I)においてn=0、m=1で表さ
れ、Aがトランスー1,4ーシクロヘキシレン基である
化合物。 ( I−d) 一般式(I)においてn=1、m=1で表さ
れ、Aがトランスー1,4ーシクロヘキシレン基である
化合物。 ( I−e) 一般式(I)においてn=0、m=1で表さ
れ、Aが1,4ーフェニレン基である化合物。 ( I−f) 一般式(I)においてn=1、m=1で表さ
れ、Aが1,4ーフェニレン基である化合物。
【0012】
【化4】
【0013】(これらの式においてRは炭素数1〜7の
直鎖状のアルキル基である。)式( I−a)で表される
化合物は例えば、次の製造方法にしたがって製造するこ
とができる。
【0014】
【化5】 (化6)に続く
【0015】
【化6】
【0016】1ーブロモー4ー(トリフルオロメトキ
シ)ベンゼン(1)をマグネシウムと反応させ、グリニ
ャール試薬(2)とし、これを4,4ーエチレンジオキ
シシクロヘキサノン(3)と反応させアルコール体
(4)を得る。このアルコール体(4)を酸触媒を用い
て脱水し、シクロヘキセン誘導体(5)とする。続いて
パラジウム炭素等の触媒の存在下に水素添加反応を行な
い、化合物(6)とした後、酸を用いて加水分解し、シ
クロヘキサノン誘導体(7)を得る。
【0017】このシクロヘキサノン誘導体(7)をメト
キシメチルホスホニウムクロライド(8)の塩基処理に
よって得られるイリド(9)と反応させ、化合物(1
0)を得る。化合物(10)を酸を用いて加水分解し、
アルデヒド(11)とした後、還元してアルコール(1
2)とし、さらにピリジン中でp−トルエンスルホン酸
クロリドを反応させ、p−トルエンスルホン酸エステル
(13)を得る。p−トルエンスルホン酸エステル(1
3)は、再結晶によって精製することが望ましい。
【0018】このp−トルエンスルホン酸エステル(1
3)に、アルカリ金属アルコキシドを反応させ、式( I
−a)で表される化合物を得る。また、本発明の式( I
−b)で表される化合物は例えば、次の製造方法にした
がって製造することができる。
【0019】
【化7】 (化8)に続く。
【0020】
【化8】
【0021】アルキルクロロメチルエーテル(14)と
トリフェニルホスフィンを反応させアルコキシメチルホ
スホニウムクロライド(8′)を得、続いて塩基処理に
よりイリド(9′)とする。このイリド(9′)を4,
4−エチレンジオキシシクロヘキサノン(3)と反応さ
せ、化合物(15)を得る。化合物(15)をパラジウ
ム炭素等の触媒の存在下に水素添加し、化合物(16)
とし、化合物(16)を酸を用いて加水分解することに
よってシクロヘキサノン誘導体(17)とする。
【0022】シクロヘキサノン誘導体(17)をブロモ
アセトアルデヒドーエチレンアセタール(18)とマグ
ネシウムより得られるグリニャール試薬(19)に反応
させ、アルコール(20)とし、続いて酸触媒を用いて
脱水し不飽和化合物(21−a、b)を得る。不飽和化
合物(21−a、b)をラネー・ニッケル等の触媒の存
在下に水素添加反応を行ない、化合物(22)を得る。
化合物(22)は、再結晶によって精製することが望ま
しい。化合物(22)を酸を用いて加水分解することに
よってアルデヒド(23)とする。
【0023】アルデヒド(23)にグリニャール試薬
(2)を反応させアルコール(24)を得る。アルコー
ル(24)を酸触媒を用いて脱水し、化合物(25)と
した後、パラジウム炭素等の触媒の存在下に水素添加
し、式( I−b)で表される化合物を得る。また、
I−c)で表される化合物は例えば、次の製造方法に
したがって製造することができる。
【0024】
【化9】
【0025】4,4′−ビシクロヘキシルジオン(2
6)を酸触媒を用いて当量のエチレングリコールと反応
させ、4−(4′,4′−エチレンジオキシシクロヘキ
シル)シクロヘキサノン(27)を得、これをグリニャ
ール試薬(2)と反応させアルコール体(28)を得
る。このアルコール体(28)を酸触媒を用いて脱水
し、シクロヘキセン誘導体(29)とする。続いてラネ
ー・ニッケル等の触媒の存在下に水素添加反応を行な
い、化合物(30)とした後、酸を用いて加水分解し、
シクロヘキサノン誘導体(31)を得る。シクロヘキサ
ノン誘導体(31)は、再結晶によって精製することが
望ましい。
【0026】このシクロヘキサノン誘導体(31)をア
ルコキシメチルーホスホニウムクロライド(8′)の塩
基処理によって得られるイリド(9′)と反応させ、化
合物(32)を得る。化合物(32)をラネー・ニッケ
ル等の触媒の存在下に水素添加すると、式(I−c)で
表される化合物が得られる。
【0027】また、本発明の式( I−d)で表される化
合物は例えば、次の製造方法にしたがって製造すること
ができる。
【0028】
【化10】
【0029】シクロヘキサノン誘導体(17)をメトキ
シメチルーホスホニウムクロライド(8)の塩基処理に
よって得られるイリド(9)と反応させ、化合物(3
3)を得る。化合物(33)は、酸を用いて加水分解す
ることによってアルデヒド(34)となる。一方、p−
トルエンスルホン酸エステル(13)は、アセトン中ヨ
ウ化カリウムと反応させるとヨウ素化合物(35)とな
る。ヨウ素化合物(35)をトリフェニルホスフィンと
反応させることにより、ホスホニウム塩(36)を得
る。
【0030】ホスホニウム塩(36)を塩基処理によっ
てイリド(37)とし、このイリド(37)とアルデヒ
ド(34)を反応させることにより、エチレン誘導体
(38)を得、さらにエチレン誘導体(38)をパラジ
ウム炭素などを触媒に用いて水素添加すると、式( I−
d)で表される化合物が得られる。本発明によるこれら
の液晶組成物は、式(I)で示される化合物の少なくとも
1種を包含する2〜25種、好ましくは3〜15種の成
分からなる。その他の構成成分は、ネマチック物質、特
にアゾキシベンゼン化合物、ベンジリデンアニリン化合
物、ビフェニル化合物、ターフェニル化合物、フェニル
またはシクロヘキシルシクロヘキサンカルボキシレート
化合物、フェニルシクロヘキサン化合物、シクロヘキシ
ルシクロヘキサン化合物、シクロヘキシルナフタレン化
合物、1,4−ビスシクロヘキシルベンゼン化合物、
4,4′−ビスシクロヘキシルビフェニル化合物、フェ
ニルピリミジン化合物、またはシクロヘキシルピリミジ
ン化合物、フェニルピリダジン化合物、またはシクロヘ
キシルピリダジン化合物およびそのN−オキシド化合
物、フェニルジオキサン化合物またはシクロヘキシルジ
オキサン化合物、フェニル−1,3−ジチアン化合物ま
たはシクロヘキシル−1,3−ジチアン化合物、1,2
−ジフェニルエタン化合物、1−フェニル−2−シクロ
ヘキシルエタン化合物、1,2−ジシクロヘキシルエタ
ン化合物、場合によりハロゲン化されているスチルベン
化合物、ベンジルフェニルエーテル化合物、トラン化合
物および置換されているケイ皮酸化合物の群に属する既
知物質から選択するのが好ましい。
【0031】本発明によるこれらの液晶組成物は、特に
好ましくは、式(I)で示される化合物の少なくとも1種
を含む成分(A)に加えて、Δε≧5である高誘電率異
方性の化合物を一つ以上含む成分(B)、|Δε|<5
である低誘電率異方性の化合物を一つ以上含む成分
(C)、そして80℃を超える透明点を有する化合物を
一つ以上含む成分(D)、さらに必要に応じてその他の
成分(E)からなる液晶誘電体である。
【0032】さらに、成分(B)として特に好ましい化
合物を以下に示す。
【0033】
【化11】
【0034】ここで、Rは炭素数1〜10のアルキル基
またはアルケニル基を表し、該基の一つまたは隣り合わ
ない二つの炭素原子はO原子によって置き換えられてい
てもよい。成分(C)として特に好ましい化合物を以下
に示す。
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】ここで、Rは炭素数1〜10のアルキル基
またはアルケニル基を表し、該基の一つまたは隣り合わ
ない二つの炭素原子はO原子によって置き換えられても
よい。成分(D)として特に好ましい化合物を以下に示
す。
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】ここで、Rは炭素数1〜10のアルキル基
またはアルケニル基を表し、該基の一つまたは隣り合わ
ない二つの炭素原子はO原子によって置き換えられてい
てもよい。成分(E)として特に好ましい化合物を以下
に示す。
【0048】
【化23】
【0049】
【化24】
【0050】
【化25】
【0051】ここで、Rは炭素数1〜10のアルキル基
またはアルケニル基を表し、該基の一つまたは隣り合わ
ない二つの炭素原子はO原子によって置き換えられてい
てもよい。
【0052】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。参考例 1−a 1−トリフルオロメトキシ−4−(トランス−4′−メトキシメチルシクロヘ キシル)ベンゼンの製造(一般式(I)においてR=Me、n=0、m=0の場合 ) (No. 1) 乾燥したテトラヒドロフラン(以下、THFと略記す
る)80mlにマグネシウム24.3gを入れ、冷却、攪
拌しながら1−ブロモ−4−(トリフルオロメトキシ)
ベンゼン241.7gとTHF500mlの混合溶液を9
0分かけて滴下し、1時間室温で攪拌した後、4,4−
エチレンジオキシシクロヘキサノン151gとTHF5
00mlの混合溶液を90分かけて滴下し、2時間室温で
攪拌しさらに2時間加熱還流した。この反応液を塩酸を
含む氷水で処理し、トルエンで抽出した。有機層を中和
水洗し乾燥した後、トルエンを溜去し、4,4−エチレ
ンジオキシ−1−(4′−トリフルオロメトキシフェニ
ル)シクロヘキサノール292gを得た。
【0053】上記の4,4−エチレンジオキシ−1−
(4′−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサ
ノール292gにトルエン500mlとp−トルエンスル
ホン酸2.0gを加え、攪拌しながらDean−Sta
rkトラップを用いて4時間加熱還流し脱水反応を行な
った。反応液を中和水洗し乾燥した後、トルエンを溜去
し、1−(4′−トリフルオロメトキシフェニル)−
4,4−エチレンジオキシシクロヘキセン260gを得
た。
【0054】上記の1−(4′−トリフルオロメトキシ
フェニル)−4,4−エチレンジオキシシクロヘキセン
260gに、エタノール500mlと5%パラジウム炭素
10gを加え、攪拌しながら常圧下水素添加反応を5時
間行なった。セライトカラムで触媒を除去しエタノール
を溜去し、1,1−エチレンジオキシ−4−(4′−ト
リフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン259g
を得た。
【0055】上記の1,1−エチレンジオキシ−4−
(4′−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサ
ン259gに、THF300ml、水100ml、6N−H
Clを20ml加え、攪拌しながら3時間加熱還流させ、
重曹水を加えて中和した後、トルエンで抽出した。有機
層を水洗し乾燥した後、トルエンを溜去した。油状の残
留物を減圧蒸留し4−(4′−トリフルオロメトキシフ
ェニル)シクロヘキサノン134gを得た(bp:11
0〜115℃/3mmHg)。
【0056】メトキシメチル−トリフェニルホスホニウ
ムクロリド51.4gをTHF200mlに懸濁させ、−
20℃にてカリウム−t−ブトキシド18.0gを加え
た。この混合物を室温で1時間攪拌した後、−20℃に
冷却し、上記の4−(4′−トリフルオロメトキシフェ
ニル)シクロヘキサノン26.2gをTHF150mlに
溶かした溶液を1時間かけて滴下し、さらに室温で1時
間攪拌した。この反応液を水で処理し、酢酸エチルで3
回抽出した。有機層を水洗し乾燥した後濃縮し、ヘキサ
ンを加えた。析出した不溶物を濾別し、濾液をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで処理し、1−メトキシメ
チレン−4−(4′−トリフルオロメトキシフェニル)
シクロヘキサン29.1gを分取した。
【0057】上記の1−メトキシメチレン−4−(4′
−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン2
7.6gに酢酸60ml、水30mlを加え、攪拌しながら
4時間加熱還流させた。この反応液を水酸化ナトリウム
水溶液で中和し、トルエンで抽出した。有機層を水洗し
乾燥した後、トルエンを溜去して1−ホルミル−4−
(4′−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサ
ン26.4gを得た。
【0058】水素化アルミニウムリチウム2.5gを冷
却しながら十分乾燥したTHF30mlに懸濁させ、攪拌
しながら上記の1−ホルミル−4−(4′−トリフルオ
ロメトキシフェニル)シクロヘキサン26.4gをTH
F60mlに溶かした溶液を20℃を超えないように滴下
し、さらに室温で1時間攪拌した。この反応液を過剰の
酢酸エチルで処理し、続いて塩酸を含む氷水で処理した
後、酢酸エチルで抽出した。有機層を中和水洗し乾燥し
た後、溶媒を溜去し、4−(4′−トリフルオロメトキ
シフェニル)シクロヘキシルメタノール26.7gを得
た。
【0059】p−トルエンスルホン酸クロリド21.0
gをピリジン70mlに溶解し、冷却攪拌しながら上記の
4−(4′−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘ
キシルメタノール26.7gのトルエン50ml溶液を1
0℃を超えないように滴下し、さらに室温で2時間攪拌
した。この反応液にトルエンを加え2N塩酸で3回洗浄
した後、水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに水洗
した。有機層を乾燥した後、溶媒を溜去し、残留物を酢
酸エチルーヘキサンで再結晶しトランス−4−(4′−
トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキシルメタノ
ール−p−トルエンスルホン酸エステル18.2gを得
た(mp:88.3℃)。
【0060】メタノール50mlに金属ナトリウム0.8
gを溶解し、続いて上記のトランス−4−(4′−トリ
フルオロメトキシフェニル)シクロヘキシルメタノール
−p−トルエンスルホン酸エステル5.04gを溶解
し、攪拌しながら4時間加熱還流させた。反応液にヘキ
サンを加え、水洗した後乾燥し、溶媒を溜去した。残留
物を減圧蒸留し、1−トリフルオロメトキシ−4−(ト
ランス−4′−メトキシメチルシクロヘキシル)ベンゼ
ン2.88gを得た(bp:87〜89℃/2mmHg)。参考例 1−b 1−トリフルオロメトキシ−4−(トランス−4′−エトキシメチルシクロヘ キシル)ベンゼンの製造(一般式(I)においてR=Et、n=0、m=0の場合 ) (No. 2) エタノール50mlに金属ナトリウム0.8gを溶解し、
続いてトランス−4−(4′−トリフルオロメトキシフ
ェニル)シクロヘキシルメタノール−p−トルエンスル
ホン酸エステル5.02gを溶解し、攪拌しながら4時
間加熱還流させた。反応液にヘキサンを加え、水洗した
後乾燥し、溶媒を溜去した。残留物をエタノールで再結
晶し、1−トリフルオロメトキシ−4−(トランス−
4′−エトキシメチルシクロヘキシル)ベンゼン2.4
3gを得た(mp:33.7℃)上記の操作に準じて以
下の化合物を製造する。
【0061】 1−トリフルオロメトキシ−4−(トランス−4′−プロピルオキシ メチル シクロヘキシル)ベンゼン (No. 3) 1−トリフルオロメトキシ−4−(トランス−4′−ブチルオキシメチルシク ロヘキシル)ベンゼン (No. 4) 1−トリフルオロメトキシ−4−(トランス−4′−ペンチルオキシメチルシ クロヘキシル)ベンゼン (No. 5) 1−トリフルオロメトキシ−4−(トランス−4′−ヘキシルオキシメチルシ クロヘキシル)ベンゼン (No. 6) 1−トリフルオロメトキシ−4−(トランス−4′−ヘプチルオキシメチルシ クロヘキシル)ベンゼン (No. 7)実施例1 1−トリフルオロメトキシ−4−{2′−(トランス−4″−メトキシメチル シクロヘキシル)エチル}ベンゼンの製造(一般式(I)においてR=Me、n =1、m=0の場合) (No. 8) メトキシメチルートリフェニルホスホニウムクロリド2
04.0gをTHF500mlに懸濁させ、−20℃にて
カリウム−t−ブトキシド75gを加えた。この混合物
を室温で1時間攪拌した後、−20℃に冷却し、4,4
−エチレンジオキシシクロヘキサノン65.0gをTH
F150mlに溶かした溶液を1時間かけて滴下し、さら
に室温で1時間攪拌した。この反応液を水で処理し、酢
酸エチルで3回抽出した。有機層を水洗し乾燥した後濃
縮し、ヘキサンを加えた。析出した不溶物を濾別し、濾
液を濃縮、減圧蒸留し1−メトキシメチレン−4,4−
エチレンジオキシシクロヘキサン69.2gを得た(b
p:74〜78℃/3mmHg)。
【0062】上記の1−メトキシメチレン−4,4−エ
チレンジオキシシクロヘキサン40.7gに、エタノー
ル100mlと5%パラジウム炭素1.50gを加え、攪
拌しながら常圧下水素添加反応を5時間行なった。セラ
イトカラムで触媒を除去しエタノールを溜去し、1−メ
トキシメチル−4,4−エチレンジオキシシクロヘキサ
ン40.6gを得た。
【0063】上記の1−メトキシメチル−4,4−エチ
レンジオキシシクロヘキサン40.6gに、THF80
ml、2N−HClを20ml加え、攪拌しながら3時間加
熱還流させ、重曹水を加えて中和した後、飽和食塩水を
加えトルエンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し
乾燥した後、トルエンを溜去した。油状の残留物を減圧
蒸留し4−メトキシメチルシクロヘキサノン24.4g
を得た(bp:50℃/2mmHg)。
【0064】乾燥したTHF10mlにマグネシウム4.
2gを入れ、冷却、攪拌しながらブロモアセトアルデヒ
ドーエチレンアセタール28.8gとTHF40mlの混
合溶液を90分かけて滴下し、1時間室温で攪拌した
後、上記の4−メトキシメチルシクロヘキサノン24.
4gとTHF30mlの混合溶液を90分かけて滴下し、
2時間室温で攪拌しさらに2時間加熱還流した。この反
応液を塩酸を含む氷水で処理し、トルエンで抽出した。
有機層を中和水洗し乾燥した後、トルエンを溜去し、1
−(2′,2′−エチレンジオキシエチル)−4−メト
キシメチルシクロヘキサノール37.9gを得た。
【0065】上記の1−(2′,2′−エチレンジオキ
シエチル)−4−メトキシメチルシクロヘキサノール3
7.9gにトルエン100mlとp−トルエンスルホン酸
0.3gを加え、攪拌しながらDean−Starkト
ラップを用いて4時間加熱還流し脱水反応を行なった。
反応液を中和水洗し乾燥した後、トルエンを溜去し、茶
褐色の残留物34.9gを得た。
【0066】上記の残留物34.9gに、エタノール5
0mlとラネー・ニッケル4gを加え、攪拌しながら常圧
下水素添加反応を8時間行なった。セライトカラムで触
媒を除去しエタノールを溜去し、4−メトキシメチル−
1−(2′,2′−エチレンジオキシエチル)シクロヘ
キサン34.4gを得た。上記の4−メトキシメチル−
1−(2′,2′−エチレンジオキシエチル)シクロヘ
キサン34.4gに、THF50ml、2N−HClを5
ml加え、攪拌しながら3時間加熱還流させ、重曹水を加
えて中和した後、飽和食塩水を加えトルエンで抽出し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄し乾燥した後、トルエン
を溜去した。油状の残留物を減圧蒸留し4−(メトキシ
メチル)シクロヘキシルアセトアルデヒド25.9gを
得た。
【0067】乾燥したTHF10mlにマグネシウム3.
31gを入れ、冷却、攪拌しながら1−ブロモ−4−
(トリフルオロメトキシ)ベンゼン32.9gとTHF
60mlの混合溶液を90分かけて滴下し、1時間室温で
攪拌した後、上記の4−(メトキシメチル)シクロヘキ
シルアセトアルデヒド25.9gとTHF50mlの混合
溶液を90分かけて滴下し、2時間室温で攪拌しさらに
2時間加熱還流した。この反応液を塩酸を含む氷水で処
理し、トルエンで抽出した。有機層を中和水洗し乾燥し
た後、トルエンを溜去し、1−トリフルオロメトキシ−
4−{1′−ヒドロキシ−2′−(4″−メトキシメチ
ルシクロヘキシル)エチル}ベンゼン45.2gを得
た。
【0068】上記の1−トリフルオロメトキシ−4−
{1′−ヒドロキシ−2′−(4″−メトキシメチルシ
クロヘキシル)エチル}ベンゼン45.2gにトルエン
100mlとp−トルエンスルホン酸0.5gを加え、攪
拌しながらDean−Starkトラップを用いて4時
間加熱還流し脱水反応を行なった。反応液を中和水洗し
乾燥した後、トルエンを溜去し、1−トリフルオロメト
キシ−4−{2′−(4″−メトキシメチルシクロヘキ
シル)エテニル}ベンゼン42.0gを得た。
【0069】上記の1−トリフルオロメトキシ−4−
{2′−(4″−メトキシメチルシクロヘキシル)エテ
ニル}ベンゼン42.0gに、エタノール100mlとラ
ネー・ニッケル8gを加え、攪拌しながら常圧下水素添
加反応を8時間行なった。セライトカラムで触媒を除去
しエタノールを溜去した。残留物をエタノールで再結晶
し、1−トリフルオロメトキシ−4−{2′−(トラン
ス−4″−メトキシメチルシクロヘキシル)エチル}ベ
ンゼン14.5gを得た。
【0070】上記の操作に準じて以下の化合物を製造す
る。 1−トリフルオロメトキシ−4−{2′−(トランス−4″−エトキシメチル シクロヘキシル)エチル}ベンゼン (No. 9) 1−トリフルオロメトキシ−4−{2′−(トランス−4″−プロピルオキシ メチルシクロヘキシル)エチル}ベンゼン (No. 10) 1−トリフルオロメトキシ−4−{2′−(トランス−4″−ブチルオキシメ チルシクロヘキシル)エチル}ベンゼン (No. 11) 1−トリフルオロメトキシ−4−{2′−(トランス−4″−ペンチルオキシ メチルシクロヘキシル)エチル}ベンゼン (No. 12) 1−トリフルオロメトキシ−4−{2′−(トランス−4″−ヘキシルオキシ メチルシクロヘキシル)エチル}ベンゼン (No. 13) 1−トリフルオロメトキシ−4−{2′−(トランス−4″−ヘプチルオキシ メチルシクロヘキシル)エチル}ベンゼン (No. 14)参考例2 1−トリフルオロメトキシ−4−{トランス−4′−(トランス−4″−メト キシメチルシクロヘキシル)シクロヘキシル}ベンゼンの製造(一般式(I)に おいてR=Me、n=0、m=1、Aがトランス−1,4−シクロヘキシレン基 である場合) (No. 15) 4,4′−ビシクロヘキシルジオン97.1gにトルエ
ン200mlとエチレングリコール62.1g、およびp
−トルエンスルホン酸1gを加え、攪拌しながらDea
n−Starkトラップを用いて4時間加熱還流し脱水
反応を行なった。反応液を中和水洗し乾燥した後、トル
エンを溜去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで処理し、4−(4′,4′−エチレンジオキ
シシクロヘキシル)シクロヘキサノン49.3gを分取
した。
【0071】乾燥したTHF15mlにマグネシウム5.
1gを入れ、冷却、攪拌しながら1−ブロモ−4−(ト
リフルオロメトキシ)ベンゼン49.9gとTHF10
0mlの混合溶液を90分かけて滴下し、1時間室温で攪
拌した後、上記の4−(4′,4′−エチレンジオキシ
シクロヘキシル)シクロヘキサノン49.3gとTHF
100mlの混合溶液を90分かけて滴下し、2時間室温
で攪拌しさらに2時間加熱還流した。この反応液を塩酸
を含む氷水で処理し、トルエンで抽出した。有機層を中
和水洗し乾燥した後、トルエンを溜去し、1−(4′−
トリフルオロメトキシフェニル)−4−(4″,4″−
エチレンジオキシシクロヘキシル)シクロヘキサノール
81.3gを得た。
【0072】上記の1−(4′−トリフルオロメトキシ
フェニル)−4−(4″,4″−エチレンジオキシシク
ロヘキシル)シクロヘキサノール81.3gにトルエン
200mlとp−トルエンスルホン酸1gを加え、攪拌し
ながらDean−Starkトラップを用いて4時間加
熱還流し脱水反応を行なった。反応液を中和水洗し乾燥
した後、トルエンを溜去し、1−(4′−トリフルオロ
メトキシフェニル)−4−(4″,4″−エチレンジオ
キシシクロヘキシル)シクロヘキセン77.6gを得
た。
【0073】上記の1−(4′−トリフルオロメトキシ
フェニル)−4−(4″,4″−エチレンジオキシシク
ロヘキシル)シクロヘキセン77.6gに、エタノール
200mlとラネー・ニッケル15gを加え、攪拌しなが
ら常圧下水素添加反応を8時間行なった。セライトカラ
ムで触媒を除去しエタノールを溜去し、1−トリフルオ
ロメトキシ−4−{4′−(4″,4″−エチレンジオ
キシシクロヘキシル)シクロヘキシル}ベンゼン76.
8gを得た。
【0074】上記の1−トリフルオロメトキシ−4−
{4′−(4″,4″−エチレンジオキシシクロヘキシ
ル)シクロヘキシル}ベンゼン76.8gに、THF1
50ml、2N−HClを15ml加え、攪拌しながら3時
間加熱還流させ、重曹水を加えて中和した後、飽和食塩
水を加えトルエンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗
浄し乾燥した後、トルエンを溜去した。残留物をエタノ
ールで再結晶した後、減圧蒸留し4−{4′−(4″−
トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキシル}シク
ロヘキサノン26.7gを得た。
【0075】メトキシメチルートリフェニルホスホニウ
ムクロリド36.5gをTHF100mlに懸濁させ、−
20℃にてカリウム−t−ブトキシド10.6gを加え
た。この混合物を室温で1時間攪拌した後、−20℃に
冷却し、上記の4−{4′−(4″−トリフルオロメト
キシフェニル)シクロヘキシル}シクロヘキサノン2
6.7gをTHF80mlに溶かした溶液を1時間かけて
滴下し、さらに室温で1時間攪拌した。この反応液を水
で処理し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水洗し
乾燥した後濃縮し、ヘキサンを加えた。析出した不溶物
を濾別し、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
で処理し、1−メトキシメチレン−4−{4′−(4″
−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキシル}シ
クロヘキサン25.7gを分取した。
【0076】上記の1−メトキシメチレン−4−{4′
−(4″−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキ
シル}シクロヘキサン25.7gに、エタノール100
mlとラネー・ニッケル5gを加え、攪拌しながら常圧下
水素添加反応を8時間行なった。セライトカラムで触媒
を除去しエタノールを溜去した。残留物をエタノールで
再結晶し、1−トリフルオロメトキシ−4−{トランス
−4′−(トランス−4″−メトキシメチルシクロヘキ
シル)シクロヘキシル}ベンゼン12.5gを得た。
【0077】上記の操作に準じて化合物を製造する。 1−トリフルオロメトキシ−4−{トランス−4′−(トランス−4″−エト キシメチルシクロヘキシル)シクロヘキシル}ベンゼン (No. 16) 1−トリフルオロメトキシ−4−{トランス−4′−(トランス−4″−プロ ピルオキシメチルシクロヘキシル)シクロヘキシル}ベンゼン (No. 17) 1−トリフルオロメトキシ−4−{トランス−4′−(トランス−4″−ブチ ルオキシメチルシクロヘキシル)シクロヘキシル}ベンゼン (No. 18) 1−トリフルオロメトキシ−4−{トランス−4′−(トランス−4″−ペン チルオキシメチルシクロヘキシル)シクロヘキシル}ベンゼン (No. 19) 1−トリフルオロメトキシ−4−{トランス−4′−(トランス−4″−ヘキ シルオキシメチルシクロヘキシル)シクロヘキシル}ベンゼン (No. 20) 1−トリフルオロメトキシ−4−{トランス−4′−(トランス−4″−ヘプ チルオキシメチルシクロヘキシル)シクロヘキシル}ベンゼン (No. 21)実施例2 1−トリフルオロメトキシ−4−〔トランス−4′−{2″−(トランス−4 ′′′−メトキシメチルシクロヘキシル)エチル}シクロヘキシル〕ベンゼンの 製造(一般式(I)においてR=Me、n=1、m=1、Aがトランス−1,4 −シクロヘキシレン基である場合) (No. 22) 乾燥した窒素雰囲気下、トランス−4−(4′−トリフ
ルオロメトキシフェニル)シクロヘキシルメチルヨージ
ド2.69gとトリフェニルホスフィン1.84gを加
熱溶解し、150℃で20時間攪拌した。この混合物を
乾燥したトルエンでデカンテーションにより数回洗浄し
た。続いてTHF20mlを加え−20℃に冷却し攪拌し
ながらカリウム−t−ブトキシド0.79gを加えた。
この混合物を室温で1時間攪拌した後、−20℃に冷却
し、1−ホルミル−4−メトキシメチルシクロヘキサン
1.09gをTHF6mlに溶かした溶液を1時間かけて
滴下し、さらに室温で1時間攪拌した。この反応液を水
で処理し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水洗し
乾燥した後濃縮し、ヘキサンを加えた。析出した不溶物
を濾別し、濾液を濃縮した。残留物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで処理し、1−トリフルオロメトキ
シ−4−〔トランス−4′−{2″−(トランス−
4′′′−メトキシメチルシクロヘキシル)エテニル}
シクロヘキシル〕ベンゼン1.78gを分取した。
【0078】上記の1−トリフルオロメトキシ−4−
〔トランス−4′−{2″−(トランス−4′′′−メ
トキシメチルシクロヘキシル)エテニル}シクロヘキシ
ル〕ベンゼン1.78gに、エタノール10mlと5%パ
ラジウム炭素0.50gを加え、攪拌しながら常圧下水
素添加反応を5時間行なった。セライトカラムで触媒を
除去しエタノールを溜去した後、残留物をエタノールー
酢酸エチルで再結晶し、1−トリフルオロメトキシ−4
−〔トランス−4′−{2″−(トランス−4′′′−
メトキシメチルシクロヘキシル)エチル}シクロヘキシ
ル〕ベンゼン0.55gを得た(相転移点:C 62.
7〜63.0℃ N 116.3〜116.5℃
I)。
【0079】上記の操作に準じて以下の化合物を製造す
る。 1−トリフルオロメトキシ−4−〔トランス−4′−{2″−(トランス−4 ′′′−エトキシメチルシクロヘキシル)エチル}シクロヘキシル〕ベンゼン (No. 23) 1−トリフルオロメトキシ−4−〔トランス−4′−{2″−(トランス−4 ′′′−プロピルオキシメチルシクロヘキシル)エチル}シクロヘキシル〕ベン ゼン (No. 24) 1−トリフルオロメトキシ−4−〔トランス−4′−{2″−(トランス−4 ′′′−ブチルオキシメチルシクロヘキシル)エチル}シクロヘキシル〕ベンゼ ン (No. 25) 1−トリフルオロメトキシ−4−〔トランス−4′−{2″−(トランス−4 ′′′−ペンチルオキシメチルシクロヘキシル)エチル}シクロヘキシル〕ベン ゼン (No. 26) 1−トリフルオロメトキシ−4−〔トランス−4′−{2″−(トランス−4 ′′′−ヘキシルオキシメチルシクロヘキシル)エチル}シクロヘキシル〕ベン ゼン (No. 27) 1−トリフルオロメトキシ−4−〔トランス−4′−{2″−(トランス−4 ′′′−ヘプチルオキシメチルシクロヘキシル)エチル}シクロヘキシル〕ベン ゼン (No. 28) 以上の1−トリフルオロメトキシ−4−〔トランス−
4′−{2″−(トランス−4′′′−メトキシメチル
シクロヘキシル)エチル}シクロヘキシル〕ベンゼンの
製造において、原料として使用したトランス−4−
(4′−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキシ
ルメチルヨージドおよび1−ホルミル−4−メトキシメ
チルシクロヘキサンは、次に示す(A)、(B)のよう
にして製造した。
【0080】(A)トランス−4−(4′−トリフルオ
ロメトキシフェニル)シクロヘキシルメチルヨージドの
製造 トランス−4−(4′−トリフルオロメトキシフェニ
ル)シクロヘキシルメタノール−p−トルエンスルホン
酸エステル10.2gをアセトン100mlに溶解し、続
いてヨウ化ナトリウム10gを加え、攪拌しながら3時
間加熱還流した。この反応液を水で処理し、トルエンで
抽出した。有機層を水洗乾燥し、溶媒を溜去した後、残
留物をエタノールで再結晶してトランス−4−(4′−
トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキシルメチル
ヨージド7.97gを得た(mp:43.4℃) (B)1−ホルミル−4−メトキシメチルシクロヘキサ
ンの製造 メトキシメチルートリフェニルホスホニウムクロリド2
04.0gをTHF500mlに懸濁させ、−20℃にて
カリウム−t−ブトキシド75gを加えた。この混合物
を室温で1時間攪拌した後、−20℃に冷却し、4,4
−エチレンジオキシシクロヘキサノン65.0gをTH
F150mlに溶かした溶液を1時間かけて滴下し、さら
に室温で1時間攪拌した。この反応液を水で処理し、酢
酸エチルで3回抽出した。有機層を水洗し乾燥した後濃
縮し、ヘキサンを加えた。析出した不溶物を濾別し、濾
液を濃縮、減圧蒸留し1−メトキシメチレン−4,4−
エチレンジオキシシクロヘキサン69.2gを得た(b
p:74〜78℃/3mmHg)。
【0081】上記の1−メトキシメチレン−4,4−エ
チレンジオキシシクロヘキサン40.7gに、エタノー
ル100mlと5%パラジウム炭素1.50gを加え、攪
拌しながら常圧下水素添加反応を5時間行なった。反応
液をセライトカラムで濾過しエタノールを溜去し、1−
メトキシメチル−4,4−エチレンジオキシシクロヘキ
サン40.6gを得た。
【0082】上記の1−メトキシメチル−4,4−エチ
レンジオキシシクロヘキサン40.6gに、THF80
ml、2N−HClを20ml加え、攪拌しながら3時間加
熱還流させ、重曹水を加えて中和した後、飽和食塩水を
加えトルエンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し
乾燥した後、トルエンを溜去した。油状の残留物を減圧
蒸留し4−メトキシメチルシクロヘキサノン24.4g
を得た(bp:50℃/2mmHg)。
【0083】メトキシメチルートリフェニルホスホニウ
ムクロリド43.0gをTHF200mlに懸濁させ、−
20℃にてカリウム−t−ブトキシド14.5gを加え
た。この混合物を室温で1時間攪拌した後、−20℃に
冷却し、上記の4−メトキシメチルシクロヘキサノン1
5.5gをTHF40mlに溶かした溶液を30分かけて
滴下し、さらに室温で1時間攪拌した。この反応液を水
で処理し、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水洗し
乾燥した後濃縮し、ヘキサンを加えた。析出した不溶物
を濾別し、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
で処理し、1−メトキシメチレン−4−メトキシメチル
シクロヘキサン18.2gを分取した。
【0084】上記の1−メトキシメチレン−4−メトキ
シメチルシクロヘキサン17.9gに酢酸60ml、水3
0mlを加え、攪拌しながら4時間加熱還流させた。この
反応液を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、飽和食塩水
を加えトルエンで抽出した。有機層を水洗し乾燥した
後、トルエンを溜去した。油状の残留物を減圧蒸留し1
−ホルミル−4−メトキシメチルシクロヘキサン15.
9gを得た(bp:55℃/2mmHg)。参考例3 参考 化合物を含有する液晶組成物の調製 次に示すような組成で参考化合物を含有する液晶組成物
Aを調製した。また、本発明の化合物を含有しない液晶
組成物Bを調整し、液晶組成物Aと比較した。 液晶組成物A 1,2−ジフルオロ−(トランス−4′−ヘプチルシク
ロヘキシル)ベンゼン8.0% 1−エトキシ−4−(トランス−4′−プロピルシクロ
ヘキシル)ベンゼン8.0% 1−メトキシメチル−トランス−4−(トランス−4′
−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサン 3.2% 1,2−ジフルオロ−4−{トランス−4′−(トラン
ス−4″−エチルシクロヘキシル)シクロヘキシル}ベ
ンゼン 12.54% 1,2−ジフルオロ−4−{トランス−4′−(トラン
ス−4″−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル}
ベンゼン 12.53% 1,2−ジフルオロ−4−{トランス−4′−(トラン
ス−4″−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル}
ベンゼン 12.53% 1,2−ジフルオロ−4−{4′−(トランス−4″−
エチルシクロヘキシル)フェニル}ベンゼン 2.2% 1,2−ジフルオロ−4−{4′−(トランス−4″−
プロピルシクロヘキシル)フェニル}ベンゼン 2.2
% 1,2−ジフルオロ−4−{4′−(トランス−4″−
ペンチルシクロヘキシル)フェニル}ベンゼン 4.4
% 1−メチル−4−{トランス−4′−(トランス−4″
−エチルシクロヘキシル)シクロヘキシル}ベンゼン
3.2% 1−メチル−4−{トランス−4′−(トランス−4″
−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル}ベンゼン
7.2% 1−メトキシ−4−{トランス−4′−(トランス−
4″−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル}ベン
ゼン 4.0% 1−トリフルオロメトキシ−4−(トランス−4′−メ
トキシメチルシクロヘキシル)ベンゼン 10.0% 1−トリフルオロメトキシ−4−{トランス−4′−
(トランス−4″−メトキシメチルシクロヘキシル)シ
クロヘキシル}ベンゼン 10.0% 液晶組成物B 1,2−ジフルオロ−(トランス−4′−ヘプチルシク
ロヘキシル)ベンゼン10・0% 1−エトキシ−4−(トランス−4′−プロピルシクロ
ヘキシル)ベンゼン10.0% 1−メトキシメチル−トランス−4−(トランス−4′
−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサン 4.0% 1,2−ジフルオロ−4−{トランス−4′−(トラン
ス−4″−エチルシクロヘキシル)シクロヘキシル}ベ
ンゼン 15.6% 1,2−ジフルオロ−4−{トランス−4′−(トラン
ス−4″−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル}
ベンゼン 15.7% 1,2−ジフルオロ−4−{トランス−4′−(トラン
ス−4″−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル}
ベンゼン 15.7% 1,2−ジフルオロ−4−{4′−(トランス−4″−
エチルシクロヘキシル)フェニル}ベンゼン 2.75
% 1,2−ジフルオロ−4−{4′−(トランス−4″−
プロピルシクロヘキシル)フェニル}ベンゼン 2.7
5% 1,2−ジフルオロ−4−{4′−(トランス−4″−
ペンチルシクロヘキシル)フェニル}ベンゼン 5.5
% 1−メチル−4−{トランス−4′−(トランス−4″
−エチルシクロヘキシル)シクロヘキシル}ベンゼン
4.0% 1−メチル−4−{トランス−4′−(トランス−4″
−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル}ベンゼン
9.0% 1−メトキシ−4−{トランス−4′−(トランス−
4″−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル}ベン
ゼン 5.0% このようにして調製した液晶組成物A、Bの物性値を次
に示す。
【0085】 液晶組成物A 液晶組成物B NI点 87.5℃ 93.4℃ 粘度(20℃) 23.4cp 22.7cp 屈折率異方性 0.0892 0.0864 誘電率異方性 5.2 3.3 しきい値電圧(セル厚5.7 μ) 1.98V 2.27V
【0086】
【発明の効果】本発明の化合物を使用することにより、
既存の液晶材料と混合した際に得られるネマチック液晶
に、その液晶相範囲、誘電率異方性、電圧保持率等で好
ましく作用する化合物を提供することができ、特にTN
型アクティブマトリックス駆動の液晶表示装置に使用さ
れる液晶材料として、有用な化合物を提供することがで
きた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特表 平2−501311(JP,A) 独国特許出願公開4025418(DE,A 1) 国際公開91/10716(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 43/225 C09K 19/30 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中Rは炭素数1〜7の直鎖状のアルキル基、nは1
    を表し、mは0または1を表し、Aはトランス−1,4
    −シクロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を表
    す)で表されるトリフルオロメトキシ化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化合物を少なくとも1種
    含有する液晶組成物。
JP02968692A 1992-02-17 1992-02-17 トリフルオロメトキシ化合物および該化合物を含有する液晶組成物 Expired - Lifetime JP3275265B2 (ja)

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