JP3275034B2 - 冬虫夏草の栽培方法 - Google Patents
冬虫夏草の栽培方法Info
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Description
サナギタケ等の冬虫夏草の栽培方法に関し、さらに詳し
くは、前記冬虫夏草の胞子の発生量を抑制する冬虫夏草
の栽培方法に関する。
認められているが、虫に寄生してきのこが発生する特徴
を有する冬虫夏草の人工栽培は極めて困難とされてき
た。しかし近年において、蚕に人為的に寄生させたり、
蛹の死骸に菌糸を繁殖させて栽培する等様々な研究開発
が行われ、冬虫夏草の栽培の可能性が高まり、最近で
は、一般的な食用キノコ例えばエノキタケ、ブナシメ
ジ、シイタケ等の栽培と同様に、冬虫夏草栽培用培地を
容器に充填し工業的に栽培することが可能となった(例
えば、特開平9−62号公報等)。
に栽培が可能になった冬虫夏草のハナサナギタケ等で
は、その栽培中に非常に多くの胞子が発生し、これが栽
培室内を飛散するために、栽培施設が汚染されたり機械
類の腐蝕、劣化や能力の低下を早め、また、収穫作業を
する人間に対して大量の胞子は胞子アレルギー等を引き
起こし、喘息等の原因となり、人体に悪影響を及ぼすこ
とが懸念されている。
冬虫夏草を栽培しても胞子の発生量を極わずかに抑え、
人体への胞子の影響もほとんど無く、栽培施設の汚染や
機械の腐蝕、劣化や能力の低下も回避できる冬虫夏草の
栽培方法の提供を目的としてなされたものである。
解決し、所期の目的を達成するための本発明に係る冬虫
夏草の栽培方法の特徴は、殺菌した冬虫夏草栽培用培地
に冬虫夏草菌を接種する工程、冬虫夏草菌を前記栽培用
培地に蔓延させる培養工程、冬虫夏草を発生させる発芽
工程、発生した冬虫夏草を1500ppm以上の炭酸ガ
ス濃度を含有する栽培環境下で生育させる生育工程を経
て栽培することにより、胞子の発生量を抑えるようにし
たことにある。
程のみにおいて、冬虫夏草栽培用培地の周辺に筒状の囲
いを設けることにより該囲い内を炭酸ガス濃度を150
0ppm以上の栽培環境とし、その囲いの中で冬虫夏草
を発生させ生育させること、更には、囲いは、冬中夏草
の子実体の伸長に合わせて、該囲いの上部に同形状の囲
いを置いて延長させること及び、使用する冬虫夏草菌が
FERM P−17423若しくはFERM P−17
424であることが好ましい。
実施の形態を具体的実施例をあげて説明をする。尚、本
発明はこれらに限定されるものでなく、細部の手法等に
おいて本発明の精神を逸脱しない範囲で任意に変更が可
能である。
℃で15分殺菌してから室温になるまで放置し、その後
無菌状態で滅菌シャーレに充填した。 接種工程 冬虫夏草用培地に長野県飯綱高原で採集したハナサナギ
タケの菌糸を接種した。 培養工程 ハナサナギタケを接種した冬虫夏草用培地は25℃で培
養し、21日間で菌糸が蔓延した。 発芽工程 発芽処理として培養が終了した培地の表面を菌かきして
発生を促進させ、次に、対照区として、シメジ等の通常
のキノコが栽培される施設を使用し、タイマーを使用し
て定期的に換気することによって1000ppm以下の
炭酸ガス濃度に調整した栽培室内に発芽処理をしたシャ
ーレを置き、試験区としては、対象区と同じ設備を使用
し、透明の箱内に発芽処理をしたシャーレを置き、該箱
内を炭酸ガスメータでモニターしながら換気して炭酸ガ
ス濃度が1500ppm以上になるように設定した。そ
れぞれの炭酸ガス濃度以外の主な環境設定は温度18
℃、湿度90%照度50luxとした。 生育工程 冬虫夏草の子実体が発芽したシャーレは、そのままの環
境条件下の中で14日間生育させてから収穫した。この
時の収量及び胞子の量等は、第1表に示すとおりであっ
た。
℃で15分殺菌してから室温になるまで放置し、その後
無菌状態で滅菌シャーレに充填した。 接種工程 冬虫夏草用培地に長野県飯綱高原で採集したハナサナギ
タケの菌糸を接種した。 培養工程 ハナサナギタケを接種した冬虫夏草用培地は25℃で培
養し、21日間で菌糸が蔓延した。 発芽工程 発芽処理として培養が終了した培地の表面を菌かきして
発生を促進させ、次に、実施例1と同じ設備を使用して
1000ppm以下の炭酸ガス濃度下で温度18℃、湿
度90%照度50luxの環境下で発芽させた。 生育工程 図1に示すように発芽が完了したシャーレ1の回りを半
透明合成樹脂製の高さが略5cmの円筒形の囲い2aで
囲い、実施例1と同様にして子実体3の生育する空間の
炭酸ガス濃度が1500ppm以上になるように調整し
て発芽させた。
った。
ロピレン製の袋に充填し121℃で15分殺菌してから
室温になるまで放置した。 接種工程 冬虫夏草用培地に微生物寄託センターに寄託したFER
M P−17423及びFERM P−17424のハ
ナサナギタケの菌糸を別々に接種した。 培養工程 上記菌株を接種したそれぞれの冬虫夏草用培地は25℃
で培養し、21日間で菌糸が蔓延した。菌糸が蔓延した
培地を砕いて、シャーレに充填し、その後3日間培養を
継続した。 発芽工程 発芽処理として培養が終了した培地の表面を菌かきして
発生を促進させ、次に、実施例1と同様にして1000
ppm以下の炭酸ガス濃度下で温度18℃、湿度90%
照度50luxの環境下で発芽させた。 生育工程 図1に示すように発芽が完了したシャーレ1の回りを、
半透明合成樹脂材料をもって成形した高さ5cmの円筒
形の囲い2aで覆って、子実体3の生育する空間の炭酸
ガス濃度が1500ppm以上になるように調整して生
育させた。
った。
℃で15分殺菌してから室温になるまで放置し、その後
無菌状態で滅菌シャーレに充填した。 接種工程 冬虫夏草用培地に微生物寄託センターに寄託したFER
M P−17424のハナサナギタケの菌糸を接種し
た。 培養工程 上記菌株を接種したそれぞれの冬虫夏草用培地は25℃
で培養し、21日間で菌糸が蔓延した。 発芽工程 発芽処理として培養が終了した培地の表面を菌かきして
発生を促進させ、次に、実施例1と同様にして1000
ppm以下の炭酸ガス濃度下で温度18℃、湿度90%
照度50luxの環境下で発芽させた。 生育工程 図1に示すように発芽が完了したシャーレ1の回りを半
透明の高さ5cmの樹脂製の円筒形の囲い2aで覆っ
て、子実体3の生育する空間の炭酸ガス濃度が1500
ppm以上になるように調整して生育させた。図2に示
すように囲い2aの上部から子実体の頂部までの距離H
が約1cmまで子実体が伸長してきたところで、囲い2
aの上に更に5cmの上記円筒形の囲い2bを置いて囲
いを延長させ、同様にして図3に示すように子実体3の
伸長に合わせて囲い2cを置いて生育工程を継続させ、
培地が収縮し菌の活力が衰えるまで同様の操作をを繰り
返した。この時の結果は、第4表に示すとおりであっ
た。
よれば、発生した冬虫夏草を1500ppm以上の炭酸
ガス濃度を含有する栽培環境下で生育させる生育工程を
経て栽培することにより、胞子の発生量をおさえるよう
にしたことで、大量の冬虫夏草を栽培してもごくわずか
な胞子の発生量で抑えられるために、人体への胞子の影
響もほとんど無く、栽培施設の汚染の防止、さらに機械
に付着した胞子による腐蝕や劣化そして能力の低下の防
止がなされる。
工程のみにおいて、冬虫夏草栽培用培地の周辺に筒状の
囲いを設けることにより該囲い内を炭酸ガス濃度150
0ppm以上の栽培環境とし、その囲いの中で冬虫夏草
を発生させ生育させることにより、子実体の発芽あるい
は生育に必要な空間のみの炭酸ガスの濃度を上昇させる
ので、収穫作業を行う人は、人体に影響の無い炭酸ガス
濃度下で作業ができて安全面においての効果が得られ
る。また、生育工程のみで炭酸ガス濃度を上昇させれ
ば、子実体の発生数が抑制されずそのために収率が高く
なって増収効果が得られ、さらに、囲いは、冬中夏草の
子実体の伸長に合わせて、該囲いの上部に同形状の囲い
を置いて延長させるような栽培方法を行えば、子実体は
胞子を生産せずに子実体の徒長を促進していくので、栽
培サイクルは延長するが培地重量当たりの収率が極めて
高くなり増収効果が得られる。
夏草菌FERM P−17423若しくはFERM P
−17424を使用すれば、胞子生産の抑制効果はさら
に上昇し、そして、その菌の特性により増収効果もある
ので生産性が向上する。
工栽培での大量生産での生産性の向上のために顕著な効
果を奏する。
周縁に半透明の筒状の壁を取り付けた状態の断面図であ
る。
冬虫夏草を生育させた状態の断面図である。
長して冬虫夏草を生育させた状態の断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】殺菌した冬虫夏草栽培用培地に冬虫夏草菌
を接種する工程、冬虫夏草菌を前記栽培用培地に蔓延さ
せる培養工程、冬虫夏草を発生させる発芽工程、発生し
た冬虫夏草を1500ppm以上の炭酸ガス濃度を含有
する栽培環境下で生育する生育工程を経て栽培すること
により、胞子の発生量を抑えるようにしたことを特徴と
する冬中夏草の栽培方法。 - 【請求項2】該発芽工程及び生育工程若しくは生育工程
のみにおいて、前記冬虫夏草栽培用培地の周辺に筒状の
囲いを設けることにより該囲い内を炭酸ガス濃度150
0ppm以上の栽培環境とし、その囲いの中で冬虫夏草
を発生させ生育させる請求項1に記載の冬虫夏草の栽培
方法。 - 【請求項3】囲いは、冬中夏草の子実体の伸長に合わせ
て、該囲いの上部に同形状の囲いを置いて延長させる請
求項2に記載の冬中夏草の栽培方法。 - 【請求項4】使用する冬虫夏草菌がFERM P−17
423若しくはFERM P−17424である請求項
1又は2に記載の冬虫夏草の栽培方法。
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JP2001069850A JP2001069850A (ja) | 2001-03-21 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103371056A (zh) * | 2013-07-19 | 2013-10-30 | 鹤山市中春生物科技有限公司 | 一种蚕虫草的培育方法 |
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CN111172095B (zh) * | 2020-02-24 | 2021-01-19 | 广东省科学院动物研究所 | 甲基法尼酯在促进冬虫夏草菌产芽生孢子中的应用 |
-
1999
- 1999-09-02 JP JP24818299A patent/JP3275034B2/ja not_active Expired - Fee Related
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