JP3274217B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

液晶表示装置の製造方法

Info

Publication number
JP3274217B2
JP3274217B2 JP7778793A JP7778793A JP3274217B2 JP 3274217 B2 JP3274217 B2 JP 3274217B2 JP 7778793 A JP7778793 A JP 7778793A JP 7778793 A JP7778793 A JP 7778793A JP 3274217 B2 JP3274217 B2 JP 3274217B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide
film
alignment film
inorganic oxide
organic alignment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7778793A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06289401A (ja
Inventor
耀一郎 宮口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP7778793A priority Critical patent/JP3274217B2/ja
Publication of JPH06289401A publication Critical patent/JPH06289401A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3274217B2 publication Critical patent/JP3274217B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置の製造方
法に係り、詳しくは、液晶表示装置の配向膜を形成する
技術に適用することができ、特に、不純物及びピンホー
ル等の入り難い良質な膜質のポリイミド系有機配向膜及
び無機酸化膜を得ることができる液晶表示装置の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気光学セルについては、例えば
特開昭52−27654号公報で報告されたものがあ
り、ここでは、電極被膜を有する面の少なくともシール
部に無機質電極保護膜を形成し、更に電極被膜上に配向
処理されたポリイミド糸配向膜を形成して構成すること
により、優れた特性の液晶セルを得ることができるとい
う利点を有する。
【0003】また、例えば特開昭58−9126号公報
で報告された液晶セルの製造方法では、絶縁基板上にシ
ール材を所定形状に塗布した後、配向処理剤を塗布して
セルを形成し、シール部と配向膜塗布部分を分割分離し
て形成し構成することにより、シール接着力と配向膜特
性を良好にできるという利点を有する。また、例えば特
開昭59−113416号公報で報告された液晶表示装
置では、PbO2 とSiO2 の混合物で透明絶縁膜を絶
縁基板上の透明電極全面に塗布して形成し、この透明絶
縁膜上に配向処理膜を形成して構成することにより、劣
化の小さい液晶セルを得ることができるという利点を有
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
液晶表示装置の製造方法では、基板上に有機配向膜を塗
布して形成した後、熱処理し、ラビング処理することで
チルト角を設定していたが、有機配向膜中に溶剤系を含
むため、熱処理した後も若干溶剤系が膜中に存在し、こ
の結果、熱処理や湿度変化が加わると、有機配向膜の膜
質が劣化し易かった。
【0005】また、下地効果についても無機物の絶縁膜
を試みているが、塗布法で形成していたため、上記と同
様無機絶縁膜中に有機溶媒を含み、この結果、ピンホー
ルやその脱気が不充分であると、膜質の劣化や接着力の
劣化が生じ易い他、シール接着の充分な接着力を得られ
難かった。以下、従来の液晶表示装置を構成する有機配
向膜には次のような欠点が挙げられる。 有機溶剤を含む配向膜形成のため、脱溶媒が不足とな
り、配向膜が劣化(膨潤、溶出、可動イオン−オリゴマ
ーの拡散が液晶中に発生)する。ラビング効果による
チルト角が熱劣化する。湿度による膨潤と高透湿性が
生じる。熱乾時の膜収縮によるストレス発生とピンホ
ールが生じる。低温処理では結晶性のコントロールが
不足で、特にPF(プラスチックフィルム)の場合は致
命的であり、溶剤を含むことになる。配向膜と基板の
密着力が不足して剥がれる場合が起こり、シール部に渡
ってこの配向膜が存在すると、シール接着力は顕著に小
さくなる。電気特性としては配向膜の膨潤、湿気の透
過、可動イオンの拡散によって比抵抗が小さくなって耐
圧が小さくなり、絶縁破壊が起こって重欠点を発生する
場合がある。
【0006】そこで本発明は、不純物及びピンホール等
の入り難い良質な膜質のポリイミド系有機配向膜及び無
機酸化膜を得ることができる液晶表示装置の製造方法を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
大気圧プラズマ法により基板上に無機酸化膜を形成する
工程と、次いで、大気圧プラズマ法により該無機酸化膜
上にポリイミド系有機配向膜を形成する工程とを含むこ
とを特徴とするものである。請求項2記載の発明は、上
記請求項1記載の発明において、成膜後の前記ポリイミ
ド系有機配向膜をラビング処理する工程と、次いで、大
気圧プラズマ法により該ポリイミド系有機配向膜上に無
機酸化膜を形成する工程とを含むことを特徴とするもの
である。
【0008】請求項3記載の発明は、上記請求項2記載
の発明において、成膜後の前記無機酸化膜をラビング処
理する工程を含むことを特徴とするものである。請求項
4記載の発明は、大気圧プラズマ法により基板上にポリ
イミド系有機配向膜を形成する工程と、次いで、該ポリ
イミド系有機配向膜をラビング処理する工程と、次い
で、大気圧プラズマ法により該ポリイミド系有機配向膜
上に無機酸化膜を形成する工程とを含むことを特徴とす
るものである。
【0009】請求項5記載の発明は、上記請求項4記載
の発明において、成膜後の前記無機酸化膜をラビング処
理する工程を含むことを特徴とするものである。請求項
6記載の発明は、塗布法により基板上にポリイミド系有
機配向膜を形成する工程と、次いで、該ポリイミド系有
機配向膜表面を大気圧プラズマで生成した不活性ガスに
よるスパッタ及び酸素プラズマで処理する工程と、次い
で、該ポリイミド系有機配向膜をラビング処理する工程
、次いで、該ラビング処理後の前記ポリイミド系有機
配向膜上に大気圧プラズマ法により無機酸化膜を形成す
る工程とを含むことを特徴とするものである。
【0010】
【0011】
【作用】請求項1記載の発明では、大気圧プラズマ法に
より基板上に無機酸化膜を形成した後、大気圧プラズマ
法により該無機酸化膜上にポリイミド系有機配向膜を形
成するように構成している。このため、大気圧プラズマ
法によるドライ工程により同一反応室内で無機酸化膜及
びポリイミド系有機配向膜を連続的に成膜することがで
きるので、工程数を減らすことができるとともに、不純
物及びピンホールの入り難い良質な膜質の無機酸化膜及
びポリイミド有機配向膜を形成することができる。しか
も、大気圧プラズマ法を用いているため、膜厚制御を容
易に行うことができる。
【0012】請求項2記載の発明では、上記請求項1記
載の発明において、成膜後の前記ポリイミド系有機配向
膜をラビング処理した後、大気圧プラズマ法により該ポ
リイミド系有機配向膜上に無機酸化膜を形成するように
構成している。このため、ポリイミド系有機配向膜をラ
ビング処理しているので、表面のポリイミド系分子に方
向性を持たせて表面状態を整えることができる。そし
て、このラビング処理後のポリイミド系有機配向膜上に
大気圧プラズマ法により無機酸化膜を形成しているた
め、下地の結晶方向になぞって無機酸化膜を形成するこ
とができる。従って、ラビング形状を固定化して安定し
た配向特性を得ることができるとともに、耐熱性及び絶
縁破壊の耐性を向上させることができる。
【0013】請求項3記載の発明では、上記請求項2記
載の発明において、成膜後の前記無機酸化膜をラビング
処理するように構成している。このため、ラビング処理
後のポリイミド系有機配向膜上に大気圧プラズマ法によ
り形成された無機酸化膜をラビング処理しているので、
上記請求項2記載の発明の場合よりも更に安定した配向
特性を得ることができるとともに、耐熱性及び絶縁破壊
の耐性を向上させることができる。
【0014】請求項4記載の発明では、大気圧プラズマ
法により基板上にポリイミド系有機配向膜を形成し、該
ポリイミド系有機配向膜をラビング処理した後、大気圧
プラズマ法により該ポリイミド系有機配向膜上に無機酸
化膜を形成するように構成している。このため、大気圧
プラズマ法によるドライ工程により、ポリイミド系有機
配向膜及び無機酸化膜を形成しているので、不純物及び
ピンホールの入り難い良質な膜質のポリイミド系有機配
向膜及び無機酸化膜を形成することができる。しかも、
大気圧プラズマ法を用いているため、膜厚制御を容易に
行うことができる。更には、ラビング処理後のポリイミ
ド系有機配向膜上に大気圧プラズマ法により無機酸化膜
を形成しているため、下地の結晶方向になぞって無機酸
化膜を形成することができ、ラビング形状を固定化して
安定した配向特性を得ることができるとともに、耐熱性
及び絶縁破壊の耐性を向上させることができる。
【0015】請求項5記載の発明では、上記請求項4記
載の発明において、成膜後の前記無機酸化膜をラビング
処理するように構成している。このため、ラビング処理
後のポリイミド系有機配向膜上に大気圧プラズマ法によ
り形成された無機酸化膜をラビング処理しているので、
上記請求項4記載の発明の場合よりも、更に安定した配
向特性を得ることができるとともに、耐熱性及び絶縁破
壊の耐性を向上させることができる。
【0016】請求項6記載の発明では、塗布法により基
板上にポリイミド系有機配向膜を形成し、該ポリイミド
系有機配向膜表面を大気圧プラズマで生成した不活性ガ
スによるスパッタと酸素プラズマで処理した後、該ポリ
イミド系有機配向膜をラビング処理するように構成し
更に大気圧プラズマ法によりラビング処理後の前記ポリ
イミド系有機配向膜上に無機酸化膜を形成するように構
成している。このため、ラビング処理後のポリイミド系
有機配向膜上に大気圧プラズマ法により無機酸化膜を形
成しているので、下地の結晶方向性になぞって無機酸化
膜を形成することができ、ラビング形状を固定化して安
定した配向特性を得ることができるとともに、耐熱性及
び絶縁破壊の耐性を向上させることができる。
【0017】
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (実施例1)まず、本実施例における大気圧プラズマ法
について説明する。大気圧プラズマ発生法は、不活性ガ
スAr,He,N2 (dry air)等に−OH(水
酸基),−NH(アミン基),−C=O(ケトン基),
−CO−(エーテル基),−C(=O)−O−(エステ
ル基)等を含む有機ガスを0.5 〜10%含ませて、周波数
1000〜10kHz、電圧500 〜3000Vを負荷することで、
グロー放電疑似のプラズマが発生する。この大気圧プラ
ズマ法では、低温プラズマで行うことができ、かつプラ
スチックスィルム等の処理に良好に適用させることがで
きる。この大気圧プラズマ法によれば、不活性ガスイオ
ンのスパッタ効果と有機ガスの分子、更に電極材料から
スパッタされた分子のプラズマが交互反応を伴って被処
理基板の表面改質と薄膜形成を乾式で、しかも無溶剤の
状態で行うことができる。また、この大気圧プラズマ法
による成膜によれば、周波数と電圧、更に成膜速度を遅
く適宜調整することで、結晶化度の大きい安定した良質
な膜質の無機酸化膜及びポリイミド系有機配向膜を得る
ことができる。このため、上記の如く、電極表面にポリ
イミド系有機配向膜を被膜したり、無機酸化膜をコーテ
ィングすることで、その薄膜形成材料と結晶化度を適宜
選択することができる。
【0019】そこで本実施例では、大気圧プラズマ法に
よる乾式薄膜形成法により、透明電極パターンが形成さ
れた基板上に無機酸化膜を形成する。なお、基板はガラ
ス基板でもプラスチックフィルム(PF)基板でもどち
らでもよいが、該大気圧プラズマ法では、低温成膜を行
うことができるので、特にPF基板に有効である。無機
酸化膜を構成する材料にSiOxを用いると、高透明性
及び高絶縁性を得ることができる。しかも、大気圧プラ
ズマ法で行うので、囲り込みが大きく、かつ電極パター
ンの端部段差(800 〜1500Å)のステップカバーもテー
パ状となり、ボイドやクラックの発生がほとんどない良
質な膜質の無機酸化膜を得ることができる。また、無機
酸化膜を構成するSiOxによれば、結晶性と非結晶性
の両方を兼備しているので、柔軟性があり、PF基板の
屈曲に対しても順応させることができ、クラックの発生
をほとんど生じないようにできる。このSiOxは、N
a,K,Ca等のイオンのゲッター材にもなるので、液
晶への可動イオンの混入防止膜としても機能させること
ができる。
【0020】次に、上記と同様の大気圧プラズマ法を用
い、低温でポリイミド系有機配向膜を該無機酸化膜上に
成膜する。この時、高電圧3000V程度で、不活性ガス成
分を多くし、スパッタ効果を大きくして、遅い成膜速度
(50〜100Å/分)程度で行うと、結晶性の高い良質な
膜質のポリイミド系有機配向膜を得ることができる。そ
して、この成膜後のポリイミド系有機配向膜をラビング
処理することで、耐熱性が大きく、かつ高チルト角にす
ることができるとともに、可動イオンを防止することが
でき、しかも破壊電圧を大きくすることができ、信頼性
の高い液晶装置を得ることができる。以下、具体的に図
面を用いて説明する。
【0021】図1は本発明の実施例1に則した液晶表示
装置の製造方法を示す図である。本実施例では、まず、
図1(a)〜(c)に示す如く、大気圧プラズマ法によ
りITO電極2が形成されたPF基板1上に膜厚50〜10
00Å程度のSiOx無機酸化膜3及び膜厚300〜30
00Å程度のポリイミド系有機配向膜4を順次形成した
後、ポリイミド系有機配向膜4をラビング処理する。そ
して、基板1上に無機酸化膜3及びポリイミド系有機配
向膜4が形成された上下基板間に液晶5を形成すること
により、図1(d)に示すような液晶表示装置を得るこ
とができる。
【0022】このように、本実施例では、大気圧プラズ
マ法により基板1上に無機酸化膜3を形成した後、大気
圧プラズマ法により無機酸化膜3上にポリイミド系有機
配向膜4を形成するように構成している。このため、大
気圧プラズマ法によるドライ工程により同一反応室内で
無機酸化膜3及びポリイミド系有機配向膜4を連続的に
成膜することができるので、工程数を減らすことができ
るとともに、不純物及びピンホールの入り難い良質な膜
質の無機酸化膜3及びポリイミド有機配向膜4を形成す
ることができる。しかも、大気圧プラズマ法を用いてい
るため、膜厚制御を容易に行うことができる。 (実施例2)本実施例では、上記実施例1の成膜後の前
記ポリイミド系有機配向膜4をラビング処理した後、大
気圧プラズマ法によりポリイミド系有機配向膜4上に膜
厚50〜1000Å程度のSiOx無機酸化膜を形成するよう
に構成する。このため、ポリイミド系有機配向膜4をラ
ビング処理しているので、表面のポリイミド系分子に方
向性を持たせて表面状態を整えることができる。そし
て、このラビング処理後のポリイミド系有機配向膜4上
に大気圧プラズマ法によりSiOx無機酸化膜を形成し
ているため、下地の結晶方向になぞってSiOx無機酸
化膜を形成することができる。従って、ラビング形状を
固定化して安定した配向特性を得ることができるととも
に、耐熱性及び絶縁破壊の耐性を向上させることができ
る。また、有機配向膜4をSiOx無機酸化膜で挟むよ
うに構成しているため、可動イオンや湿気、有機配向膜
の膨潤及び溶出を防止することができ、電気的及び熱的
安定性を向上させることができる。
【0023】なお、ポリイミド系有機配向膜4上に成膜
するSiOx無機酸化膜を、1000Åより厚膜で成膜する
と、結晶方向性が緩和されて配向特性が劣化するので、
1000Åより膜厚を薄くするのが望ましい。 (実施例3)本実施例では、上記実施例2の成膜後の前
記無機酸化膜をラビング処理するように構成する。この
ため、ラビング処理後のポリイミド系有機配向膜4上に
大気圧プラズマ法により形成された無機酸化膜をラビン
グ処理しているので、上記実施例2の場合よりも更に安
定した配向特性を得ることができるとともに、耐熱性及
び絶縁破壊の耐性を向上させることができる。 (実施例4)本実施例では、上記実施例1〜3の透明電
極とポリイミド系有機配向膜間の無機酸化膜を除いた構
成である。この構成では、ポリイミド系有機配向膜を直
接透明電極部及びシール部にも付与成膜する。この時、
この大気圧プラズマ処理では、基板表面の官能基の成
長、即ち−C−OH,−C=O,Si−OH,−C−O
H等がESCAにより確認することができる。このた
め、高結晶のポリイミド成膜が基板界面と化学結合を伴
い接着(被着)しているので、耐湿性や耐熱性を良好に
することができる他、可動イオンに対しては最上面のS
iOx膜等防止することができるので、液晶へのダメー
ジを少なくすることができる。
【0024】このように、本実施例では、大気圧プラズ
マ法により透明電極が形成された基板上にポリイミド系
有機配向膜を形成し、このポリイミド系有機配向膜をラ
ビング処理した後、大気圧プラズマ法により該ポリイミ
ド系有機配向膜上に無機酸化膜を形成するように構成す
る。このため、大気圧プラズマ法によるドライ工程によ
り、ポリイミド系有機配向膜及び無機酸化膜を形成して
いるので、不純物及びピンホールの入り難い良質な膜質
のポリイミド系有機配向膜及び無機酸化膜を形成するこ
とができる。しかも、大気圧プラズマ法を用いているた
め、膜厚制御を容易に行うことができる。更には、ラビ
ング処理後のポリイミド系有機配向膜上に大気圧プラズ
マ法により無機酸化膜を形成しているため、下地の結晶
方向性になぞって無機酸化膜を形成することができ、ラ
ビング形状を固定化して安定した配向特性を得ることが
できるとともに、耐熱性及び絶縁破壊の耐性を向上させ
ることができる。 (実施例5)本実施例では、上記実施例の成膜後の前記
無機酸化膜をラビング処理するように構成する。この
時、ラビング加圧を大きくし、回転数を400 〜800 rpm
とする。このため、ラビング処理後のポリイミド系有機
配向膜上に大気圧プラズマ法により形成された無機酸化
膜をラビング処理しているので、上記実施例4の場合よ
りも、更にチルト角を大きく取って安定した配向特性を
得ることができるとともに、耐熱性及び絶縁破壊の耐性
を向上させることができる。 (実施例6)本実施例では、通常の配向膜形成プロセス
の塗布法で得られたポリイミド系有機配向膜を大気圧プ
ラズマ雰囲気で処理することで、ポリイミドの再結晶化
と結合の弱い分子部分非晶質部をスパッタ効果で除去
し、かつ有機溶剤等の不揮発材料をプラズマとイオン種
や電子を含む分子熱(ローカルヒーティング=局所加
熱)により揮発除去することができる。そして、不活性
ガスを95〜98%として有機ガスを2〜5%程度にして、
ArやHeによるスパッタ効果を大にして、周波数と電
圧を選択することで、塗布有機膜の弱い結合部を切断し
て飛散させることができる。
【0025】この方法によれば、結晶性の高い部分を残
すことができる。ポリイミドの弱い結合側鎖分子も除く
ことができるので、直鎖方向性の大きい結晶性の大なる
ポリイミド系有機配向膜を得ることができる。しかも、
同時に有機溶剤や溶媒和水分もプラズマ効果と分子熱効
果の相乗性で脱離することができる。このため、熱硬化
後の膜ストレスを緩和することができ、応力歪みの小さ
なポリイミド系有機配向膜を得ることができる。
【0026】なお、このポリイミド系有機配向膜の塗布
前に透明電極上に無機酸化膜(SiOx,TiOx,P
bOx,SnOx,ZnOx)を成膜すれば、更に配向
膜の電気的、熱的、環境雰囲気性を含めて安定な信頼性
の高い配向膜とすることができる。そして、プラズマ処
理を行った後でラビング工程を行うので、配向膜の結晶
性と直鎖方向性を並べることができる。このため、安定
なチルト角を得ることができる。
【0027】このように本実施例では、塗布法により基
板上にポリイミド系有機配向膜を形成し、該ポリイミド
系有機配向膜表面を大気圧プラズマで生成した不活性ガ
スによるスパッタと酸素プラズマで処理した後、該ポリ
イミド系有機配向膜をラビング処理するように構成す
る。このため、塗布法により基板上に形成されたポリイ
ミド系有機配向膜を大気圧プラズマ雰囲気で処理するた
め、不純物及びピンホールの入り難い良質な膜質のポリ
イミド系有機配向膜を得ることができる。そして、ポリ
イミド系有機配向膜をラビング処理しているため、表面
のポリイミド系分子に方向性を持たせて表面状態を整え
ることができる。 (実施例7)実施例6で得られたポリイミド系有機配向
膜は、その直鎖性が具現化した結晶性と、再結晶化、溶
媒の除去、弱結合側鎖分子の除去で電気的にも熱的にも
環境雰囲気性も良好なフィルムとなっており、そのラビ
ング後の分子形状安定性は良好である。このため、この
ポリイミド系有機配向膜上に更に無機酸化膜を1000Å以
下成膜することで、この無機酸化膜を配向膜結晶性にな
ぞって結晶成膜することができる。この結果、可動イオ
ンの防止膜と配向膜特性を兼備し、液晶への配向膜の膨
潤及び溶出を防止することができる。以下、具体的に図
面を用いて本実施例の製造方法を説明する。
【0028】図2は本発明の実施例7に則した液晶表示
装置の製造方法を示す図である。図2において、図1と
同一符号は同一又は相当部分を示す。本実施例ではま
ず、図2(a)〜(c)に示す如く、ITO電極2が形
成された基板1上にスピンコート法によりポリイミド系
有機配向膜4を形成する。この時、電極段差部(800 〜
1200Å)での膜切れやボイドの発生、乾燥成膜時に膜ス
トレスのためピンホールが発生する。そして、図2
(d)示す如く、大気圧プラズマ法によりポリイミド系
有機配向膜4上に無機酸化膜3を成膜する。このため、
プラズマの囲り込み現象により、これ等の欠陥が被膜カ
バーすることができるので、デスバイスダメージを防止
することができる。
【0029】このように、本実施例では、大気圧プラズ
マ法により上記実施例6のラビング処理後の前記ポリイ
ミド系有機配向膜4上に無機酸化膜3を形成するように
構成する。このため、ラビング処理後のポリイミド系有
機配向膜4上に大気圧プラズマ法により無機酸化膜3を
形成しているので、下地の結晶方向になぞって無機酸化
膜3を形成することができ、ラビング形状を固定化して
安定した配向特性を得ることができるとともに、耐熱性
及び絶縁破壊の耐性を向上させることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、不純物及びピンホール
等の入り難い良質な膜質のポリイミド系有機配向膜及び
無機酸化膜を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に則した液晶表示装置の製造
方法を示す図である。
【図2】本発明の実施例7に則した液晶表示装置の製造
方法を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 ITO電極 3 無機酸化膜 4 ポリイミド系有機配向膜 5 液晶

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大気圧プラズマ法により基板上に無機酸化
    膜を形成する工程と、次いで、大気圧プラズマ法により
    該無機酸化膜上にポリイミド系有機配向膜を形成する工
    程とを含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  2. 【請求項2】成膜後の前記ポリイミド系有機配向膜をラ
    ビング処理する工程と、次いで、大気圧プラズマ法によ
    り該ポリイミド系有機配向膜上に無機酸化膜を形成する
    工程とを含むことを特徴とする請求項1記載の液晶表示
    装置の製造方法。
  3. 【請求項3】成膜後の前記無機酸化膜をラビング処理す
    る工程を含むことを特徴とする請求項2記載の液晶表示
    装置の製造方法。
  4. 【請求項4】大気圧プラズマ法により基板上にポリイミ
    ド系有機配向膜を形成する工程と、次いで、該ポリイミ
    ド系有機配向膜をラビング処理する工程と、次いで、大
    気圧プラズマ法により該ポリイミド系有機配向膜上に無
    機酸化膜を形成する工程とを含むことを特徴とする液晶
    表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】成膜後の前記無機酸化膜をラビング処理す
    る工程を含むことを特徴とする請求項4記載の液晶表示
    装置の製造方法。
  6. 【請求項6】塗布法により基板上にポリイミド系有機配
    向膜を形成する工程と、次いで、該ポリイミド系有機配
    向膜表面を大気圧プラズマで生成した不活性ガスによる
    スパッタ及び酸素プラズマで処理する工程と、次いで、
    該ポリイミド系有機配向膜をラビング処理する工程と
    次いで、ラビング処理後の前記ポリイミド系有機配向膜
    上に大気圧プラズマ法により無機酸化膜を形成する工程
    を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
JP7778793A 1993-04-05 1993-04-05 液晶表示装置の製造方法 Expired - Fee Related JP3274217B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7778793A JP3274217B2 (ja) 1993-04-05 1993-04-05 液晶表示装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7778793A JP3274217B2 (ja) 1993-04-05 1993-04-05 液晶表示装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06289401A JPH06289401A (ja) 1994-10-18
JP3274217B2 true JP3274217B2 (ja) 2002-04-15

Family

ID=13643692

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7778793A Expired - Fee Related JP3274217B2 (ja) 1993-04-05 1993-04-05 液晶表示装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3274217B2 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5968324A (en) * 1995-12-05 1999-10-19 Applied Materials, Inc. Method and apparatus for depositing antireflective coating
TW520453B (en) 1999-12-27 2003-02-11 Seiko Epson Corp A method to fabricate thin insulating films
JP4610069B2 (ja) * 2000-11-14 2011-01-12 積水化学工業株式会社 半導体素子の製造装置
JP2003179234A (ja) * 2001-09-05 2003-06-27 Konica Corp 有機半導体素子およびその製造方法
JP2004207331A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Konica Minolta Holdings Inc 有機半導体素子およびその製造方法
KR101187744B1 (ko) 2005-07-12 2012-10-05 삼성디스플레이 주식회사 액정 표시 장치, 그의 제조 방법 및 제조 장치
FR2902422B1 (fr) * 2006-06-16 2008-07-25 Saint Gobain Procede de depot par plasma atmopherique d'un revetement hydrophobe/oleophobe a durabilite amelioree
US9878101B2 (en) 2010-11-12 2018-01-30 Sio2 Medical Products, Inc. Cyclic olefin polymer vessels and vessel coating methods
US11116695B2 (en) 2011-11-11 2021-09-14 Sio2 Medical Products, Inc. Blood sample collection tube
US9554968B2 (en) 2013-03-11 2017-01-31 Sio2 Medical Products, Inc. Trilayer coated pharmaceutical packaging
EP2776603B1 (en) 2011-11-11 2019-03-06 SiO2 Medical Products, Inc. PASSIVATION, pH PROTECTIVE OR LUBRICITY COATING FOR PHARMACEUTICAL PACKAGE, COATING PROCESS AND APPARATUS
CA2890066C (en) 2012-11-01 2021-11-09 Sio2 Medical Products, Inc. Coating inspection method
EP2920567B1 (en) 2012-11-16 2020-08-19 SiO2 Medical Products, Inc. Method and apparatus for detecting rapid barrier coating integrity characteristics
CN105705676B (zh) 2012-11-30 2018-09-07 Sio2医药产品公司 控制在医用注射器、药筒等上的pecvd沉积的均匀性
US9764093B2 (en) 2012-11-30 2017-09-19 Sio2 Medical Products, Inc. Controlling the uniformity of PECVD deposition
US20160015898A1 (en) 2013-03-01 2016-01-21 Sio2 Medical Products, Inc. Plasma or cvd pre-treatment for lubricated pharmaceutical package, coating process and apparatus
US9937099B2 (en) 2013-03-11 2018-04-10 Sio2 Medical Products, Inc. Trilayer coated pharmaceutical packaging with low oxygen transmission rate
US9863042B2 (en) 2013-03-15 2018-01-09 Sio2 Medical Products, Inc. PECVD lubricity vessel coating, coating process and apparatus providing different power levels in two phases
WO2017031354A2 (en) 2015-08-18 2017-02-23 Sio2 Medical Products, Inc. Pharmaceutical and other packaging with low oxygen transmission rate

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06289401A (ja) 1994-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3274217B2 (ja) 液晶表示装置の製造方法
JP3202362B2 (ja) 半導体装置の作製方法
US7541224B2 (en) Active matrix type display device and method of manufacturing the same
CA1177582A (en) Methods of manufacturing semiconductor devices
JPH0246722A (ja) 半導体装置の製造方法
JP3431454B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH0929885A (ja) 透明導電性フィルム
US6809850B2 (en) Electrode plate for color display unit and production method therefor
JP3438178B2 (ja) 薄膜トランジスタアレイとこれを用いた液晶表示装置
JP4149156B2 (ja) 液晶表示パネルの製造方法
JPH0282578A (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP2003100773A (ja) 連続的なスパッタ堆積によってベースコートおよび薄膜層を形成するシステムおよび方法
JP2002289861A (ja) 半導体装置およびそれを用いた液晶表示装置
JP2001133743A (ja) 電気光学素子およびその製造方法
JPH11354441A (ja) 半導体装置の製造方法
JP3172307B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH0769543B2 (ja) 液晶表示器の製造方法
JPH1058585A (ja) 積層体
JP2605739B2 (ja) 強誘電薄膜の形成方法
JPH08101391A (ja) 透明導電膜基板
JP2622484B2 (ja) 電気回路基板及びこれを用いた液晶装置
JPH0227768A (ja) 薄膜トランジスタとその製造方法
JPS6261203A (ja) 透明導電膜
JP2714017B2 (ja) 液晶表示パネル用薄膜トランジスタアレイの製造方法
JP2005096158A (ja) 透明導電性フィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees