JP3272783B2 - 塩化ビニル手袋の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル手袋の製造方法

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勝 柴田
哲哉 松本
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セイコー化成株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は手型からの反転脱型性
に優れ、かつ着脱が容易で塵の発生がなく、耐温水性、
耐人工汗性などの反復使用での耐久性を有する塩化ビニ
ル手袋の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル手袋の製造法として
は、手型を塩化ビニル樹脂ゾル液に浸漬し、加熱によっ
てゲル化させて成膜したのち、タルク、炭酸カルシウム
を水に均一に分散した溶液に再度浸漬し、余熱をもって
水を蒸発させたのち、約50℃で手型より反転脱型する
方法が一般的に広く行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法で得られる
塩化ビニル手袋は、手への着脱が容易でなく、またタル
ク、炭酸カルシウムの粉体が手に付着し脱落するため、
特に精密機械作業では脱落した粉体が機械等に付着して
不良発生の原因となり、使用には適していない。このよ
うな問題点に鑑みて、これまでに手型に塩化ビニル樹脂
層を形成した後、微粒子シリカを均一に分散した合成樹
脂エマルジョンで浸漬処理する方法(特開昭60−11
9204号公報)、塩化ビニル、アクリル樹脂、塩化ゴ
ムを含有する表面処理剤やウレタン樹脂を含有する表面
処理剤にて浸漬処理する方法(特開昭63−23550
8号公報、特開平1−221501号公報)、あるいは
有機充填剤を配合した合成樹脂エマルジョンで浸漬処理
する方法(特開平4−119102号公報)などが提案
されている。
【0004】しかしながら、これら何れの方法も処理の
際の200〜250℃、5〜10分の加熱工程で処理表
面のツヤが部分的に変化して商品価値が低下したり、手
型からの脱型が困難であったりするほか、得られた手袋
の着用時に耐人工汗性、耐温水性などに欠けることから
成膜した皮膜が脱落したり、亀裂するなどの問題を有し
ている。本発明者等は上記した従来技術の問題点を解消
すべく検討の結果、この発明に至ったものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、この発明は手型を
塩化ビニル樹脂ゾル液に浸漬し、加熱して表面に塩化ビ
ニル樹脂層を成膜したのち、平均粒径0.5〜50μm
のポリアミノ酸樹脂微粉末と平均粒径0.5〜5μmの
シリカ微粉末の混合微粉末を樹脂固形分100重量部に
対して5〜40重量部配合した合成樹脂エマルジョン中
に上記手型を浸漬し、加熱して塩化ビニル樹脂膜上に合
成樹脂エマルジョン層を成膜させ、次いで反転脱型する
ことを特徴とする塩化ビニル手袋の製造方法を提供する
ものである。
【0006】
【作用】この発明は上記したように、ポリアミノ酸樹脂
微粉末とシリカ微粉末の混合微粉末を樹脂固形分100
重量部に対して5〜40重量部配合した合成樹脂エマル
ジョンを用い、このエマルジョン中に表面に塩化ビニル
樹脂層を成膜した手型を浸漬し、加熱して塩化ビニル樹
脂膜上に上記の微粉末含有合成樹脂膜を成膜する事によ
って、手型からの脱型性がよく、また脱型して得られた
手袋が着脱容易で塵が発生せず、耐温水性、耐人工汗性
などを有して反復使用可能な耐久性を有する手袋が得ら
れるのである。
【0007】この発明で合成樹脂エマルジョンとして
は、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の一種ま
たは二種以上の混合エマルジョンが用いられる。この合
成樹脂エマルジョンの使用に際しては、通常用いられる
界面活性剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤などの各種
添加剤を添加することが好ましい。
【0008】ポリアミノ酸樹脂微粉末としては、ω−ア
ルキル酸性アミノ酸N−カルボン酸無水物(以下、N−
カルボン酸無水物をNCAという)、例えばγ−メチル
グルタメート−NCA、γ−エチルグルタメート−NC
A、γ−ベンジルグルタメート−NCA、β−メチルア
スパラゲート−NCA、β−エチルアスパラゲート−N
CA、β−ベンジルアスパラゲート−NCAなど、或い
は中性アミノ酸−NCA、例えばバリン、ノルバリン、
ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、フェニルアラ
ニン、メチオニンなどのNCAが挙げられ、光学活性
体、ラセミ体の何れを用いてもよく、これらの混合物を
用いることもでき、例えば、γ−メチル−L−グルタメ
ート−NCAをモノマーは容易に溶解し、ポリマーが不
溶解となる有機溶媒、例えばメチルエチルケトン(ME
K)中に溶解し、攪拌しながら活性水素を有する重合開
始剤、例えばアミン化合物、アルコール類、水等を、ま
た必要に応じて触媒として第3級アミンを滴下して得ら
れる微粉末分散溶液からMEKを除去して得られる微粉
末、あるいはポリマーが可溶な有機溶媒中で重合開始剤
を滴下して得られるポリマー溶液から溶媒を除去したの
ち粉砕して得られる微粉末等を意味し、その粒径は重合
開始剤の添加量、攪拌速度、重合温度、粉砕条件等によ
り任意に調整されるが、この発明に用いるポリアミノ酸
樹脂微粉末の平均粒径としては、0.5〜50μmが適
当である。また、シリカ微粉末としては平均粒径0.5
〜5μmの範囲のものが適しており、いずれも上記の範
囲外では皮膜の滑り効果が不足したり、風合いが好まし
くない。
【0009】リアミノ酸樹脂微粉末とシリカ微粉末の
使用量は、合成樹脂固形分100重量部に対して5〜4
0重量部が適当であり、5重量部未満では添加の効果が
見られず、また40重量部を超えると得られる皮膜表面
が粗くなりすぎて感触が悪くなると共に、その物性も低
下する。ポリアミノ酸樹脂微粉末とシリカ微粉末を併用
する場合のシリカ微粉末の使用量はポリアミノ酸樹脂微
粉末の約1/2量が適当であり、使用によって表面の凹
凸を調整でき、フィット感を更に向上させることができ
る。
【0010】この発明の方法は、塩化ビニル樹脂ゾル液
に浸漬し、200〜250°Cで8〜10分間加熱して
表面に塩化ビニル樹脂層を成膜した手型を、ポリアミノ
酸樹脂微粉末とシリカ微粉末の混合粉末を均一に分散し
た合成樹脂エマルジョン中に160〜180°Cで浸漬
し、余熱をもって塩化ビニル樹脂層上に合成樹脂層を
成膜する。得られた手袋は50〜70°Cでの手型から
の反転脱型性が良好であり、また着脱が容易であり、耐
温水性、耐人工汗性、耐洗濯性がよく皮膜の脱落、クラ
ックの発生もみられない。
【0011】充填剤としてポリアミノ酸樹脂微粉末とシ
リカ微粉末の混合粉末を用いるこの発明の特徴は、他の
ポリメチルメタクリレート、ナイロン、ポリカーボネー
ト、ポリエチレン、メラミン樹脂などの有機充填剤と異
なり、加工時に200〜250°Cで融解することがな
いので、手型からの脱型作業がし易く、また外観変化に
よる商品価値の低下がないことである。更に手との感触
がソフトで、吸水しても膨潤することがない。
【0012】
【実施例】以下、この発明を実施例により更に詳細に説
明する。尚、部数は全て重量部である。 実施例1 塩化ビニルペーストレジン(日本ゼオン社製、商品名ゼ
オン121)100部、可塑剤(DOP)110部、安
定剤(Ca−Ba−Zn)3部、着色剤(チタン)1部
を均一に分散した塩化ビニルペーストゾル液に陶磁器製
手型を10秒間浸漬して引き上げ、塩化ビニルペースト
ゾルの滴下しない状態で200〜250°Cの加熱炉で
10分間加熱して成膜した。次いで、表1に示すよう
に、固形分45%の塩化ビニル樹脂エマルジョン100
部、固形分45%のメタクリル酸エステル共重合体エマ
ルジョン100部、固形分30%のシリコン変性アクリ
ルエマルジョン10部、平均粒径2μmのポリアミノ酸
樹脂微粉末20部平均粒径2μmのシリカ微粉末10
部、安定剤1部、消泡剤、レベリング剤、増粘剤を各
0.5部配合し、蒸留水で固形分7%に調整したエマル
ジョン液に上記で表面に塩化ビニル樹脂層を成膜した手
型を180°Cで5秒間浸漬してから、徐々に引き上げ
放冷する。その後、手型温度50°Cで手型より反転脱
型させて塩化ビニル手袋を得た。得られた手袋の物性テ
スト結果は表1に示した。
【0013】
【表1】
【0014】実施例2〜 合成樹脂エマルジョンの種類と配合比率及びポリアミノ
酸樹脂微粉末、シリカ微粉末の使用量を表1に示すよう
に代えたほかは実施例1と同様にして塩化ビニル手袋を
得た。尚、比較例1、2の手袋も同様にして製造した。
これらの手袋の物性テスト結果は表1に示した。
【0015】尚、物性テストの方法および評価基準は次
の通りりである。 (1)外観:塗装皮膜面を目視で判定し、正常な外観を
○、流れムラ、クラックなどの見られる異常な外観を×
として表した。 (2)反転脱型性:陶磁器製手型から塩化ビニル手袋を
反転脱型する時の容易性をみるもので、6cm×6cm
の大きさの試料の処理面同志を重ね、70℃の雰囲気中
で3kgの荷重をかけて60分間放置したのち、処理面
同志が滑り、容易に剥離可能なものを○、処理面がブロ
ッキングして剥離不可能なものを×として判定した。 (3)耐温水性:50℃温水中に試料を24時間浸漬し
た後の、外観変化及びセロハンテープによる密着テスト
で異常のないものを○、外観変化或いは密着の悪いもの
を×とした。 (4)耐人工汗性:1000ccの水に塩化ナトリウム
5部、リン酸2−ナトリウム5部、85%乳酸5部、D
−パントデン酸ナトリウム5部、L−ヒスチジン塩酸塩
0.5部、DL−アスパラギン酸0.5部を均一に溶解
した30℃の人工汗水溶液に試料を24時間浸漬した後
の、外観変化及びセロハンテープによる密着テストで異
常のないものを○、外観変化或いは密着の悪いものを×
とした。 (5)耐摩耗性:学振式摩耗試験機により試料の処理面
に摩擦布(カナキン5号)を200回往復させ、処理面
の傷つき度合いおよび皮膜の脱落をみた。異常無しを
○、傷つきを△、皮膜が剥がれ、更に下層の塩化ビニル
層まで傷の付いたものを×とした。 (6)耐屈曲性:フレキソ試験機により25℃雰囲気で
試料を10000回屈曲し、皮膜の剥離、クラックの度
合いをみた。異常無しを○、クラックが若干見られるも
のを△、全面にクラックが発生しているものを×とし
た。
【0016】上記した表1からこの発明の方法で得られ
た手袋は、比較例で得た手袋に比べて製造時の反転脱型
性のほか、殆どの物性面で優れていることが認められ
た。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、この発明はポリア
ミノ酸樹脂微粉末とシリカ微粉末の混合微粉末を充填剤
として含有した合成樹脂エマルジョンよりなる皮膜を手
型の塩化ビニル樹脂層上に成膜したことにより、手型か
らの塩化ビニル手袋の反転脱型が容易であるほか、使用
時の脱着が容易で、種々の物性にも優れた耐久性のある
手袋を得ることができ、精密機械作業用、炊事、洗濯等
の家庭用手袋として広く使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 41/14 A41D 19/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手型を塩化ビニル樹脂ゾル液に浸漬し、
    加熱して表面に塩化ビニル樹脂層を成膜したのち、平均
    粒径0.5〜50μmのポリアミノ酸樹脂微粉末と平均
    粒径0.5〜5μmのシリカ微粉末の混合微粉末を樹脂
    固形分100重量部に対して5〜40重量部配合した合
    成樹脂エマルジョン中に上記手型を浸漬し、加熱して塩
    化ビニル樹脂膜上に合成樹脂エマルジョン層を成膜さ
    せ、次いで反転脱型することを特徴とする塩化ビニル手
    袋の製造方法。
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