JP3270691B2 - 自動車用灯具における前面レンズ脚部とシール溝間のシール構造 - Google Patents

自動車用灯具における前面レンズ脚部とシール溝間のシール構造

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JP3270691B2 JP25006396A JP25006396A JP3270691B2 JP 3270691 B2 JP3270691 B2 JP 3270691B2 JP 25006396 A JP25006396 A JP 25006396A JP 25006396 A JP25006396 A JP 25006396A JP 3270691 B2 JP3270691 B2 JP 3270691B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用灯具のラ
ンプボディに形成したシール溝とこのシール溝に係合す
る前面レンズ側シール脚間のシール構造に係り、特に、
灯具構成部品のリサイクルに有効な前面レンズ側シール
脚とシール溝間のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用ランプにおける前面レンズ脚部
とシール溝間のシール構造としては、シール溝内にシー
ル材としてホットメルトを装填するとともに、前面レン
ズの脚部をシール溝に係合して、レンズ脚部とシール溝
間を固化したホットメルトにより封止する構造が広く知
られている。
【0003】しかし前記したホットメルトを使用する封
止構造では、固化したホットメルトの接着力が強力なた
め、後にシール溝から前面レンズを分離することが困難
で、たとえ前面レンズだけを取替えたい場合であっても
それができず、前面レンズと合わせてランプボディも交
換しなければならない等、部品のリサイクルができない
という不具合があった。またホットメルトは硬化時に収
縮し、シール溝とホットメルト間に隙間が生じ、防水性
が十分でないという不具合もあった。
【0004】そこで、必要に応じてシール溝から前面レ
ンズを分離することができるようにすることで、灯具構
成部品のリサイクルに有効なシール構造が提案されるに
至っている。
【0005】この種のシール構造の最新の例としては、
図6(a)に示すように、ランプボディ1の周縁部に形
成されたシール溝2に液体状の発泡性シール材4を供給
し、図6(b)に示すように、シール材4が発泡膨出硬
化して発泡ガスケット5となったところで、図6(C)
に示すように、レンズ6側のシール脚7をシール溝2内
に挿入して発泡ガスケット5に圧接するとともに、凹凸
ランス係合やネジ止めやクリップ等の締結手段により、
前面レンズ6とランプボディ1を機械的に締結して、シ
ール脚7とシール溝2間をシールするというものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記した従来技
術では、外部の水が発泡ガスケット5を介して灯室内に
侵入するおそれがあるという問題が発生した。
【0007】発明者が検討したところ、次のようなこと
が判った。即ち、発泡性シール材(例えば、二液ウレタ
ン)は発泡することで発泡ガスケット5となるが、外気
に触れない発泡体(発泡ガスケット)の内部では、主剤
(ポリオール)と硬化剤(イソシアネート)が反応し、
ウレタン結合により、比較的大きい孔が均一に分散する
吸水性の高い多孔質なポーラス層5aが形成され、外気
に触れる発泡体の表面では、イソシアネートが空気中の
水分と反応し、尿素結合により、微小孔が均一に分散す
る吸水性の低い緻密なスキン層5bが形成される。この
ため、図6(b)に示すように、シール溝2から盛り上
がる発泡ガスケット5の膨出面は、吸水性の低い緻密な
スキン層5bで構成されているが、シール溝2との密着
面を含む発泡ガスケット5の内部は吸水性の高い多孔質
なポーラス層5aで構成されている。そして、シール脚
7をシール溝2に係合し前面レンズ6とランプボディ1
を締結すると、発泡ガスケット5がシール脚7で圧縮さ
れて、発泡ガスケット5のシール溝2との密着面が図6
(c)に示すように、ところどころ捲れ、吸水性の高い
ポーラス層が符号5a1 ,5a2 に示すように露呈す
る。このため、シール溝2とガスケット5間の隙間から
灯室内に水が侵入するおそれがある。さらに、この吸水
性の高い外側のポーラス層露呈部5a1 から外部の水が
発泡ガスケット5内に取り込まれ、外気温が上昇した
り、ランプが点灯した時に、内側のポーラス層露呈部5
2 から発泡ガスケット5内の水が灯室内に排気される
というポンピング作用が営まれ、レンズの表面温度の低
い部位に結露して灯室内が曇る等の問題も発生する。本
発明は前記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、そ
の目的は、防水性に優れることは勿論、前面レンズの組
付けおよび後の分離が容易で灯具構成部品のリサイクル
に適した自動車用灯具における前面レンズ脚部とシール
溝間のシール構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に係る自動車用灯具における前面レンズ脚
部とシール溝間のシール構造においては、ランプボディ
の前面開口部の周縁に形成したシール溝に供給した液体
状発泡ガスケット材を発泡硬化させて、シール溝に弾性
シール材である発泡ガスケットを装填し、前面レンズの
周縁に形成したシール脚を前記シール溝に係合するとと
もに、シール脚が発泡ガスケットを押圧するように、前
面レンズとランプボディ間を機械的に締結して、シール
脚とシール溝間係合部をシールした自動車用灯具におけ
る前面レンズ脚部とシール溝間のシール構造において、
前記発泡ガスケット本体を、内部のポーラス層の全周に
スキン層を形成した構成とし、前記発泡ガスケット本体
の外表面を形成するスキン層のシール溝に臨む領域を、
液体状発泡ガスケット材の供給に先立って、シール溝内
周面に予め塗布形成したスキン層からなるガスケット被
膜により構成するようにしたものである。液体状発泡ガ
スケット材が発泡膨出してシール溝に密着し、硬化する
ことで弾性に富む固体状発泡体(発泡ガスケット)とな
り、シール脚で圧縮されることにより、シール脚とシー
ル溝間を封止する。特に、シール溝内周面に予め形成さ
れたスキン層であるガスケット被膜の上で新たに発泡硬
化した発泡ガスケットは、ガスケット被膜に一体化され
るとともに、内部がポーラス層、シール溝の上方に盛り
上がる表層部がスキン層という構造で、スキン層同士が
繋がって連続し、ポーラス層の全周を包囲した形態とな
る。発泡ガスケット本体の全周に吸水性の低いスキン層
が形成されており、発泡ガスケット本体のシール溝内周
面との密着面も勿論、吸水性の低いスキン層で構成され
ている。そして、ガスケット本体のシール溝内周面と密
着するスキン層は、ガスケット本体内部のスキン層に比
べると、シール溝内周面との密着性が高い。このため、
シール脚をシール溝に係合させる際に、発泡ガスケット
が圧縮されて変形し、発泡ガスケットのシール溝との密
着面におけるシール溝開口側が捲れて露呈するものの、
密着面のこの一部以外の部位は捲れず、シール溝と発泡
ガスケット間に水が侵入しない。また、この露呈した部
位は吸水性に劣るスキン層であるため、この露呈した部
位から水が発泡ガスケット本体に取り込まれるようなこ
とはない。従って、シール溝と発泡ガスケット間を介し
て灯室内に水が侵入することも、発泡ガスケット本体を
介してポンピング作用が営まれることもない。また、シ
ール材(発泡ガスケット本体)は、密着性の高いスキン
層がシール溝と密着しているとはいえ、強制的にシール
溝から剥がすことが可能なため、前面レンズ,シール
材,ランプボディのいずれをも再利用できる。また請求
では、請求項記載の前面レンズ脚部とシール溝間
のシール構造において、前記発泡ガスケット本体を二液
ウレタンの発泡体によって構成し、シール溝の内周面に
予め塗布形成したスキン層であるガスケット被膜をウレ
タン被膜で構成し、ウレタン被膜の膜厚を15ないし5
0ミクロンにしたものである。二液ウレタンは安価にし
て、常温で発泡硬化することから、発泡ガスケット材と
して使用し易い。また、ウレタン被膜の膜厚が15ミク
ロン以下では、第1に、スキン層(被膜)のシール溝と
の密着性が低く、シール脚とシール溝に係合させた時に
被膜のシール溝との密着面があちこちで捲れて防水性に
難があり、第2に、被膜の吸水率が高くなって、発泡ガ
スケット本体を介しポンピング作用が営まれる。一方、
膜厚が50ミクロン以上では、シール溝との密着性が高
すぎて、剥がすのに面倒になる。そこで、ウレタン被膜
の膜厚は、15ないし50ミクロン、好ましくは、15
ないし30ミクロンが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1〜図5は、本発明を自動車用
クリアランスランプの前面レンズとシール溝間係合部に
適用したもので、図1は本発明の一実施例である自動車
用クリアランスランプの正面図、図2は同ランプの縦断
面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)、図3は前面
レンズとランプボディ間の機械的締結部である凹凸ラン
ス係合部の拡大断面図(図1に示す線III −III に沿う
拡大断面図)、図4はシール溝にシール材が供給された
状態のランプボディの断面図、図5はシール溝にシール
材を供給してシール脚を係合する工程を示し、(a)は
内周面にウレタン被膜が形成されたシール溝の断面図、
(b)はシール材供給直後のシール溝の断面図、(c)
はシール材が発泡膨出した状態のシール溝の断面図、
(d)はシール脚が係合されたシール溝の断面図であ
る。
【0010】これらの図において、符号10は、光源で
あるバルブ11の挿着されたポリプロピレン製の容器状
ランプボディで、ランプボディ10の内周面にアルミ蒸
着処理されたリフレクター10aが一体に形成されてい
る。ランプボディ10の前面開口部の周縁には、底部内
側および外側が円弧形状に形成された横断面U字型のシ
ール溝12が周設されている。
【0011】符号14は、ランプボディ10の前面開口
部に整合する大きさの前面レンズで、前面レンズ14の
周縁には、ランプボディ側のシール溝12に係合するシ
ール脚15が周設されている。シール溝12内には、弾
性に富むシール材21が装填されており、シール脚15
とシール溝12が、シール脚側凸部15aとシール溝側
凹部12aから構成された凹凸ランス係合部(図3参
照)により、機械的に締結されることで、シール材21
がレンズ脚部15により圧縮された状態に保持されて、
レンズ脚部15とシール溝12との間が封止されてい
る。なお、この凹凸ランス係合部は、図1に示すよう
に、ランプの上側面と下側面にそれぞれ2箇所、合計4
箇所設けられている。
【0012】シール材21は、図5(c)に示すよう
に、比較的大きい孔が均一に分散する吸水性の高い多孔
質なポーラス層22の全周に、微小孔が均一に分散する
吸水性の低い緻密なスキン層23が形成されたウレタン
発泡体で構成されている。スキン層23は、シール溝1
2の内周面に密着するように形成されたウレタン被膜で
ある第1のスキン層23aと、このウレタン被膜(第1
のスキン層)23a上に供給した液体状シール材である
二液ウレタン20が発泡膨出硬化することで、その膨出
表面に自然に形成された第2のスキン層23bとから構
成され、第2のスキン層23bは第1のスキン層23a
に繋がって連続し、第1のスキン層23aと協働して内
部のポーラス層22を包囲した構造となっている。
【0013】ウレタン被膜により構成された第1のスキ
ン層23aは、低分子ウレタンをケトン系又は芳香族系
の溶媒で希釈した溶液を、図5(a)に示されるよう
に、インクジェットやスプレーガンを用いたマスクレス
塗装で、シール溝12の内周面に所定厚さに塗布形成し
たもので、塗布後、1ないし5分程で、溶媒が蒸発する
と、緻密なスキン層(ウレタン被膜)23aがシール溝
12の内周面に密着形成された状態となる。符号Nは、
ウレタン被膜形成用ノズルを示す。第1のスキン層23
aは、シール溝12との密着性が低下せず、吸水率が高
くならず、かつ剥離することの容易な15ないし50ミ
クロン、好ましくは15ないし30ミクロンの膜厚に調
整されている。
【0014】また、発泡ガスケット材である二液ウレタ
ン20としては、主剤(ポリオール)と硬化剤(イソシ
アネート)の混合比(体積比)が1:1〜10:1の範
囲で、発泡倍率が2〜4倍となるように調整された発泡
ガスケット材であるチクソタイプの二液ウレタンにより
構成されている。即ち、チクソタイプの二液ウレタンと
は、主剤(ポリオール)と硬化剤(イソシアネート)に
チクソトロピー(thixotropy)付与剤が添加
されて、外力が作用すると流動性をもち外力を取り去る
と流動性を失うという特性(この特性をチクソトロピー
という)をもつようにされた二液ウレタンをいう。そし
て、この発泡ガスケット材である二液ウレタン20がシ
ール溝12内の第1のスキン層(ウレタン被膜)23a
の上で発泡硬化することで、第1のスキン層(ウレタン
被膜)23aに一体化されて弾性に富むシール材(ウレ
タン発泡体)21となっている。
【0015】チクソタイプの二液ウレタンをシール溝に
供給する装置は、図5(b)に示されるように、チクソ
トロピー付与剤が添加されてチクソトロピーをもつよう
に調整された主剤(ポリオール)を収容する第1のタン
ク31と、硬化剤(イソシアネート)を収容する第2の
タンク32と、送給路34,35によりそれぞれ圧送さ
れたポリオールとイソシアネートを攪拌して供給するダ
イナミックミキサー30とから構成されている。符号3
3は、ミキサー30に内蔵され、モータMにより駆動す
る攪拌ロータ、符号36は、発泡ガスケット材供給ノズ
ルで、ダイナミックミキサー30がシール溝12に沿っ
て移動することで、ノズル36から供給された発泡ガス
ケット材がシール溝12全体に塗布されることになる。
【0016】シール溝12の第1のスキン層(ウレタン
被膜)23aの上に供給された発泡ガスケット材20
は、供給後40〜50秒間はクリーム状で、その後、発
泡が始まり、発泡開始後150〜250秒で発泡が止
む。発泡終了後、5〜10分で、発泡体の表面が固まっ
て手で触ってもくっつかないタックフリー状態となり、
その後、4〜24時間で完全に硬化した状態(図5
(c)参照)となる。硬化した発泡ガスケットの内部に
は、ウレタン結合により、孔径の大きい多孔質なポーラ
ス層22が形成され、外気に触れる発泡ガスケットの表
層部には、イソシアネートが空気中の水分と反応し、尿
素結合により、孔径の小さい微小孔が均一に分散する緻
密な第2のスキン層23bが形成されるとともに、この
スキン層23bは、シール溝12に密着する第1のスキ
ン層(ウレタン被膜)23aと繋がって連続し、内部の
ポーラス層22を表層部のスキン層23(23a,23
b)が完全に覆った構造になる。
【0017】そして、図5(c)に示すように、シール
材21が完全に発泡硬化した状態となったところで、図
4矢印に示すように、シール脚15をシール溝14に係
合させるようにして前面レンズ14をランプボディ10
に押し付けて、凹凸ランス係合部12a,15aを係合
させる(図5(d)参照)。
【0018】シール脚15で圧縮される前のシール材
(シール溝12内で発泡硬化したシール材)21は、図
5(c)に示されるように、シール溝12の上方に盛り
上がっており、シール脚15をシール溝12に係合さ
せ、凹凸ランス係合により前面レンズ14とランプボデ
ィ10を機械的に締結すると、図5(d)に示されるよ
うに、シール材21はシール脚15により圧縮される。
しかし、シール材(発泡ガスケット本体)21のシール
溝12との密着面は、密着性のよいスキン層23aで構
成されているため、シール材21はシール脚15で圧縮
されて、シール材21のシール溝12開口側の密着面の
一部23a1 ,23a2 が捲れて露呈するが、シール溝
内周面との密着面はほとんど捲れることがない。このた
め、シール溝12とシール材21間に隙間が形成されて
シール性が低下する等の不具合はない。さらに、捲れて
露呈した部位23a1 ,23a2 も含めて、シール材2
1の全周が吸水性に劣るスキン層で23a,23bで構
成されているため、水が発泡ガスケット本体21に取り
込まれるようなことはなく、従って、シール材21を介
してポンピング作用が営まれることはない。またシール
溝12内で硬化したシール材21(二液ウレタン発泡
体)は、ホットメルトの様に非常に剥がしにくいもので
はなく、その性質上、ポリプロピレン製のシール溝12
に対し、剥がすことは簡単である。したがって、前面レ
ンズ14のシール脚15をシール溝12から抜き出し、
さらにシール溝12に密着しているシール材21(ウレ
タン発泡体)をシール溝12から引き剥がし、前面レン
ズ,ランプボディおよびシール材の中で再利用できるも
のはそのままにして、新しくしたい部材だけを交換すれ
ばよい。
【0019】また、本実施例では、以下のような効果も
ある。シール溝12の底部内側が円弧形状である(図5
参照)ため、塗布形成されたスキン層23aがシール溝
12の底部の隅々まで行き渡り易く、シール溝12の底
部内側が矩形状である場合に比べて、シール材21とシ
ール溝12との間に空気層が形成されるおそれは全くな
い。
【0020】また、シール脚15の先端部は、図5
(d)に示されるように、横断面円弧形状に形成されて
いるため、シール材21がシール脚15に確実に密着
し、シール材21とシール脚15間に空気溜まりが形成
されるおそれがない。
【0021】さらに、シール脚15の先端部は、シール
溝12の横断面円弧形状に倣った横断面円弧形状に形成
されており、シール溝12の内面とシール材21,シー
ル脚15の外面とシール材21間にそれぞれ作用する面
圧は、縦断面に沿った方向に平滑化されている。このた
め、シール脚15とシール溝12間の係合部全体におい
て略均一の封止圧が得られ、それだけランプのシール性
が向上したものとなっている。
【0022】また、本実施例に用いられている発泡ガス
ケット材20は、チクソトロピーをもつことから、ノズ
ル36から供給された直後に、流動性の小さいクリーム
状となる。このため、図4に示すように、シール溝12
の延在方向に高低差(最大傾斜度30度)があっても、
発泡ガスケット材は低い方へ流動することなく供給され
た位置に留まることから、三次元的に複雑な形状のシー
ル溝であっても溝全体に均一の量の発泡ガスケット材を
塗布することができる。
【0023】また、シール溝にそれほど高低差がない場
合には、チクソタイプに限らず、流動タイプの二液ウレ
タンの発泡体を用いてもよい。
【0024】また前記実施例では、クリアランスランプ
を例にとって本発明を説明したが、本発明はヘッドラン
プ等のその他の自動車用ランプの前面レンズ脚部とシー
ル溝間のシール構造にも広く適用できることはいうまで
もない。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る自動車用灯具における前面レンズ脚部とシール溝
間のシール構造によれば、シール溝に装填する時のシー
ル材(発泡ガスケット材)は液体状態であるため、シー
ル材のシール溝への装填が非常に容易で、シール材の装
填を自動化することができる。またシール溝に供給され
たシール材(発泡ガスケット材)は発泡膨出してシール
溝内側に密着した固体状弾性体となるとともに、機械的
締結手段によりシール脚とシール溝間で圧縮状態に保持
されるので、シール脚とシール溝間係合部が確実に封止
される。また、シール材のシール溝との密着面は、密着
性の高いスキン層で構成されているため、シール脚をシ
ール溝に係合させたとしても、シール材のシール溝との
密着面のほとんどの部位が捲れることなく、シール溝内
周面と密着した状態を保持するので、シール材の高い防
水性が保証される。また、シール材は、圧縮されてシー
ル溝との密着面の一部が捲れて露呈するが、シール溝と
の密着面を含むシール材の全周が水分の吸水性の悪いス
キン層で覆われているため、シール材(発泡ガスケッ
ト)を介してポンピング作用が生じるようなことがな
く、従って、灯室内が曇る等の問題も全くない。またシ
ール材は簡単に剥がすことの可能な弾性に富む固体状発
泡体であるため、前面レンズ,シール材,ランプボディ
のいずれをも再利用することができる。また、シール材
のシール溝内周面に密着する領域のスキン層は、発泡ガ
スケットの装填に先立ってシール溝に塗布形成したスキ
ン層からなるガスケット被膜によって形成されているた
め、このガスケット被膜(スキン層)が発泡硬化した発
泡ガスケットのスキン層に連続することで、内部のポー
ラス層の全周をスキン層が包囲した状態となって、ポン
ピング作用のおそれが全くない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である自動車用クリアランス
ランプの正面図
【図2】同ランプの縦断面図(図1に示す線II−IIに沿
う断面図)
【図3】前面レンズとランプボディ間の機械的締結部で
ある凹凸ランス係合部の拡大断面図(図1に示す線III
−III に沿う拡大断面図)
【図4】シール溝にシール材が供給された状態のランプ
ボディの断面図
【図5】シール溝にシール材を供給してシール脚を係合
する工程を示す図で、(a)は内周面にウレタン被膜が
形成されたシール溝の断面図、(b)はシール材供給直
後のシール溝の断面図、(c)はシール材が発泡膨出し
た状態のシール溝の断面図、(d)はシール脚が係合さ
れたシール溝の断面図
【図6】従来の前面レンズ脚部とシール溝間係合部の断
面を示し、(a)は内周面にウレタン被膜が形成された
シール溝の断面図、(a)はシール材供給直後のシール
溝の断面図、(b)はシール材が発泡膨出した状態のシ
ール溝の断面図、(c)はシール脚が係合されたシール
溝の断面図
【符号の説明】
10 ランプボディ 12 シール溝 12a 機械的締結手段である凹凸ランス係合部を構成
するボディ側凸部 14 前面レンズ 15 シール脚 15a 機械的締結手段である凹凸ランス係合部を構成
するレンズ側凸部 20 液体状シール材(二液ウレタン) 21 シール材(二液ウレタンの発泡体) 22 ポーラス層 23a,23b スキン層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−240103(JP,A) 特開 平6−176607(JP,A) 特開 昭63−209814(JP,A) 特開 昭63−180771(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F21S 8/10 F21V 17/00 F21V 31/00 F21W 101:14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ランプボディの前面開口部の周縁に形成
    されたシール溝に供給された液体状発泡ガスケット材が
    発泡硬化して、シール溝に弾性シール材である発泡ガス
    ケットが装填されており、前面レンズの周縁に形成され
    たシール脚が前記シール溝に係合されるとともに、シー
    ル脚が発泡ガスケットを押圧するように、前面レンズと
    ランプボディ間が機械的に締結されて、シール脚とシー
    ル溝間係合部がシールされた自動車用灯具における前面
    レンズ脚部とシール溝間のシール構造において、前記発
    泡ガスケット本体は、内部のポーラス層の全周にスキン
    層が形成され、前記発泡ガスケット本体の外表面を形成
    するスキン層のシール溝に臨む領域は、液体状発泡ガス
    ケット材の供給に先立って、シール溝内周面に予め塗布
    形成されたスキン層からなるガスケット被膜により構成
    されたことを特徴とする自動車用灯具における前面レン
    ズ脚部とシール溝間のシール構造。
  2. 【請求項2】 前記発泡ガスケット本体は二液ウレタン
    の発泡体で、シール溝内周面に予め塗布形成されたスキ
    ン層であるガスケット被膜はウレタン被膜で、このウレ
    タン被膜の膜厚が15ないし50ミクロンであることを
    特徴とする請求項1記載の自動車用灯具における前面レ
    ンズ脚部とシール溝間のシール構造。
JP25006396A 1996-09-20 1996-09-20 自動車用灯具における前面レンズ脚部とシール溝間のシール構造 Expired - Fee Related JP3270691B2 (ja)

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