JPH1064329A - 自動車用灯具における前面レンズ脚部とシール溝間のシール構造 - Google Patents

自動車用灯具における前面レンズ脚部とシール溝間のシール構造

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JPH1064329A
JPH1064329A JP8218196A JP21819696A JPH1064329A JP H1064329 A JPH1064329 A JP H1064329A JP 8218196 A JP8218196 A JP 8218196A JP 21819696 A JP21819696 A JP 21819696A JP H1064329 A JPH1064329 A JP H1064329A
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sealing
seal
seal groove
groove
leg
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JP8218196A
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Kazuo Akiyama
一夫 秋山
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Koito Manufacturing Co Ltd
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  • Securing Globes, Refractors, Reflectors Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防水性に優れ、ランプ構成部品のリサイクル
が容易で、シール材装填の自動化に最適な前面レンズ脚
部とシール溝間のシール構造の提供。 【解決手段】 ランプボディ10の前面開口部の周縁に
形成したシール溝12に弾性シール材20が装填され、
前面レンズの周縁に形成されたシール脚15がシール溝
12に係合されるとともに、シール脚15がシール材を
押圧するように、前面レンズとランプボディ間が機械的
に締結されたレンズ脚部とシール溝間のシール構造にお
いて、シール溝12の底部内側を横断面円弧形状に形成
し、シール溝12に供給したチクソトロピーをもつ液体
状発泡ガスケット材を発泡硬化させて成形した発泡ガス
ケットでシール材20を構成することで、シール脚とシ
ール溝間係合部のシール性を高め、かつシール材装填の
自動化と、ランプ構成部品のリサイクル化を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用灯具のラ
ンプボディに形成したシール溝とこのシール溝に係合す
る前面レンズ側脚部間のシール構造に係り、特に、灯具
構成部品のリサイクルに有効な前面レンズ脚部とシール
溝間のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用ランプにおける前面レンズ脚部
とシール溝間のシール構造としては、シール溝内にシー
ル材としてホットメルトを装填するとともに、前面レン
ズの脚部をシール溝に係合して、レンズ脚部とシール溝
間を固化したホットメルトにより封止する構造が広く知
られている。
【0003】しかし前記したホットメルトを使用する封
止構造では、固化したホットメルトの接着力が強力なた
め、後にシール溝から前面レンズを分離することが困難
で、たとえ前面レンズだけを取替えたい場合であっても
それができず、前面レンズと合わせてランプボディも交
換しなければならない等、部品のリサイクルに非常にコ
ストがかかり、ユーザーに対する部品交換のサービス性
が悪いという不具合があった。またホットメルトは工程
管理が難しく、また固化時に収縮し、シール脚とホット
メルト間やシール溝とホットメルト間に隙間が生じ、防
水性が十分でないという不具合もあった。
【0004】そこで必要に応じてシール溝から前面レン
ズを分離することができるようにすることで、灯具構成
部品のリサイクルに有効なシール構造が提案されるに至
っている。この種のシール構造の第1の例としては、実
開平1−83202号があり、これは図7に示すよう
に、レンズ1の脚部2の先端部に、ハウジングとの間を
シールするパッキン材3としてエラストマーを一体成形
した構造で、予め脚部2にパッキン材3が一体化されて
いるため、レンズ脚部2をシール溝4に係合するだけで
レンズ脚部2とシール溝4との組付けができるというも
のである。
【0005】また、第2の例としては、実開平2−12
301号があり、これは図8に示すように、シール溝4
に中空パッキン5を装填し、パッキン5の上方からシー
ル溝4内にレンズ脚部2を係合させて、中空パッキン5
を圧縮状態に保持するようにしたものである。符号2a
はレンズ脚部2に設けた凸部、符号4aはシール溝4に
設けた凹部で、この両者2a,4aが、レンズとランプ
ボディを機械的に締結する凹凸ランス係合部を構成して
いる。
【0006】さらに、第3の例としては、特開平6−1
76607号があり、これは、まず、図9(a)に示す
ように、シール溝4に液体状の発泡性シール材6を供給
し、次に、図9(b)に示すように、レンズ脚部2をシ
ール溝4内に挿入し脚部2を溝底部から浮かせた形態
で、シール溝4内のシール材6を発泡膨出させた後、前
面レンズ1とランプボディを、図8符号2a,4aで示
すような凹凸ランス係合や、図10(a)に示すような
ネジ止めや、図10(b)に示すようなクリップ8等に
より、機械的に締結するというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記した第1の
従来技術(図7参照)では、パッキン材3とシール溝4
間の防水を図るべく、パッキン材3がシール溝4に十分
圧接できる大きさに形成されているため、レンズ脚部2
に一体化されたパッキン材3をシール溝4に係合する作
業が難しい。
【0008】また第2の従来技術(図8参照)では、シ
ール溝4に中空パッキン5を装填する作業は容易だが、
レンズ脚部2を係合させた際にシール溝4の対向側壁の
一方の側にのみパッキン5が偏るおそれがあり、シール
溝4の延在方向に沿って均一な封止圧が得られず、防水
性に問題がある。また第3の従来技術(図9参照)で
は、第1の従来技術のように、係合させにくいというこ
とがなく、第2の従来技術のように、シール溝の延在方
向に封止圧がばらつくということがないことから、非常
に有効である。しかし、シール材が発泡硬化を完了した
時点では、図9(b)に示すように、弾性発泡体6がレ
ンズ脚部2を包持した形態となっており、その後、前面
レンズとランプボディを機械的に締結するとしても、係
合部に大きな封止圧は得られず、さらに、シール溝4b
の内側が矩形状に形成されているため、シール材6が発
泡する際に、シール溝の角部4bに空気溜まりが残存
し、レンズ脚部とシール溝間のシールが不十分となると
いう問題があった。
【0009】さらに、シール溝4に液体状の発泡性シー
ル材6を供給した後、前面レンズ1を所定位置に保持し
てやる必要があり、それだけ前面レンズの組み付け作業
が煩雑となるという問題もあった。本発明は前記従来技
術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、防水性
に優れることは勿論、前面レンズの組付けおよび後の分
離が容易で灯具構成部品のリサイクルに適し、かつ、シ
ール材の装填作業を自動化するに適した自動車用灯具に
おける前面レンズ脚部とシール溝間のシール構造を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に係る自動車用灯具における前面レンズ脚
部とシール溝間のシール構造においては、ランプボディ
の前面開口部の周縁に形成されたシール溝に弾性シール
材が装填され、前面レンズの周縁に形成されたシール脚
が前記シール溝に係合されるとともに、シール脚がシー
ル材を押圧するように、前面レンズとランプボディ間が
機械的に締結されて、シール脚とシール溝間係合部がシ
ールされた自動車用灯具における前面レンズ脚部とシー
ル溝間のシール構造において、前記シール溝の底部内側
を横断面略円弧形状に形成するとともに、前記シール材
を、シール溝に供給した液体状発泡ガスケット材を発泡
硬化して成形した発泡ガスケットにより構成するように
したものである。シール材(発泡ガスケット材)は液体
であるため、シール溝への供給が非常に容易で、ノズル
により供給するようにすることで、シール材のシール溝
への供給が自動化できる。また、シール溝の内側は横断
面略円弧形状であるため、シール材が発泡膨出してシー
ル溝に確実に密着し、シール溝との間に空気層が形成さ
れるおそれは全くない。発泡ガスケット材は固化するこ
とで弾性に富む固体状発泡体となり、シール脚で圧縮さ
れることにより、シール脚とシール溝間を封止する。シ
ール材は簡単にシール溝から剥がすことが可能なため、
前面レンズ,シール材,ランプボディのいずれをも再利
用できる。また請求項2では、請求項1記載の前面レン
ズ脚部とシール溝間のシール構造において、前記シール
脚の先端部を横断面略円弧形状に形成したので、シール
脚とシール材との密着性がよい。さらに、シール脚の先
端部をシール溝の底部内側の横断面略円弧形状に倣った
略円弧形状に形成したので、シール脚とシール溝間係合
部にシール材(発泡ガスケット)を介して作用する面圧
(封止圧)は、平滑化されて均一となる。また請求項3
では、請求項1または2記載の前面レンズ脚部とシール
溝間のシール構造において、前記発泡ガスケットは、シ
ール溝の上方に盛り上がり、シール脚をシール溝に係合
し前面レンズとランプボディ間を機械的に締結した時の
圧縮率を20〜50%に設定するようにしたものであ
る。発泡ガスケットは、シール溝の上方に盛り上がって
おり、シール溝内に水やゴミがたまりにくい。また、発
泡ガスケットの圧縮率が20%以下では、シール脚とシ
ール溝間係合部のシール性が充分ではなく、50%以上
では、発泡ガスケットの反発力が前面レンズとランプボ
ディ間の機械的締結力の限界を超えるおそれがあること
から、係合部のシール性と機械的締結部の構造強度の両
面から、シール材(発泡ガスケット)の圧縮率を20〜
50%に設定した。また請求項4では、請求項1から3
のいずれかに記載の前面レンズ脚部とシール溝間のシー
ル構造において、前記液体状発泡ガスケット材にチクソ
トロピーをもたせるようにしたもので、攪拌されて流動
性に富む状態でシール溝内に供給された発泡ガスケット
材は、クリーム状となって、シール溝に高低差があって
も低い部位に流動することなく、供給されたその位置に
留まって、発泡硬化する。従って、シール溝内に塗布さ
れた発泡ガスケット材の厚さはシール溝延在方向に均一
で、発泡体(発泡ガスケット)の高さも均一となる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1〜図5は、本発明を自動車用
クリアランスランプの前面レンズとシール溝間係合部に
適用したもので、図1は本発明の一実施例である自動車
用クリアランスランプの正面図、図2は同ランプの縦断
面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)、図3は前面
レンズとランプボディ間の機械的締結部である凹凸ラン
ス係合部の拡大断面図(図1に示す線III −III に沿う
拡大断面図)、図4はシール溝にシール材が供給された
状態のランプボディの断面図、図5はシール溝にシール
材を供給してシール脚を係合する工程を示し、(a)は
シール材供給直後のシール溝の断面図、(b)はシール
材が発泡膨出した状態のシール溝の断面図、(c)はシ
ール脚が係合されたシール溝の断面図である。
【0012】これらの図において、符号10は、光源で
あるバルブ11の挿着された容器状のランプボディで、
ランプボディ10の内周面にアルミ蒸着処理されたリフ
レクター10aが一体に形成されている。ランプボディ
10の前面開口部の周縁には、底部内側および外側が円
弧形状に形成された横断面U字型のシール溝12が周設
されている。
【0013】符号14は、ランプボディ10の前面開口
部に整合する大きさの前面レンズで、前面レンズ14の
周縁には、ランプボディ側のシール溝12に係合するシ
ール脚15が周設されている。シール溝12内には、弾
性に富むシール材20が装填されており、シール脚15
とシール溝12がシール脚側凸部15aとシール溝側凹
部12aから構成された凹凸ランス係合部(図3参照)
により機械的に締結されることで、シール材20がレン
ズ脚部15により圧縮された状態に保持されて、レンズ
脚部15とシール溝12との間が封止されている。な
お、この凹凸ランス係合部は、図1に示すように、ラン
プの上側面と下側面にそれぞれ2箇所、合計4箇所設け
られている。
【0014】シール材20は、主剤(ポリオール)と硬
化剤(イソシアネート)の混合比(体積比)が1:1〜
10:1の範囲で、発泡倍率が2〜4倍となるように調
整された発泡ガスケット材であるチクソタイプの二液ウ
レタンの発泡体により構成されている。即ち、チクソタ
イプの二液ウレタンとは、主剤(ポリオール)と硬化剤
(イソシアネート)にチクソトロピー(thixotr
opy)付与剤が添加されて、外力が作用すると流動性
をもち外力を取り去ると流動性を失うという特性(この
特性をチクソトロピーという)をもつようにされた二液
ウレタンをいう。そして、この発泡ガスケット材である
二液ウレタンがシール溝12内で発泡固化することで、
弾性に富むシール材20(発泡体)となっている。
【0015】チクソタイプの二液ウレタンをシール溝に
供給する装置は、図5(a)に示されるように、チクソ
トロピー付与剤が添加されてチクソトロピーをもつよう
に調整された主剤(ポリオール)を収容する第1のタン
ク31と、硬化剤(イソシアネート)を収容する第2の
タンク32と、送給路34,35によりそれぞれ圧送さ
れたポリオールとイソシアネートを攪拌して供給するダ
イナミックミキサー30とから構成されている。符号3
3は、ミキサー30に内蔵され、モータMにより駆動す
る攪拌ロータ、符号36は、発泡ガスケット材供給ノズ
ルで、ダイナミックミキサー30がシール溝12に沿っ
て移動することで、ノズル36から供給された発泡ガス
ケット材がシール溝12全体に塗布されることになる。
【0016】シール溝12に供給された発泡ガスケット
材は、供給後40〜50秒間、クリーム状で、その後、
発泡が始まり、発泡開始後150〜250秒で発泡が止
む。発泡終了後、5〜10分で、発泡体の表面が固まっ
て手で触ってもくっつかないタックフリー状態となり、
その後、4〜24時間で完全に固化した状態(図5
(b)参照)となる。シール材20が発泡し完全に固化
した状態となったところで、図4矢印に示すように、シ
ール脚15をシール溝14に係合させるようにして前面
レンズ14をランプボディ10に押し付けて、凹凸ラン
ス係合部12a,15aを係合させる(図5(c)参
照)。
【0017】このように本実施例では、シール溝12に
供給された発泡ガスケット材は、クリーム状態で、しか
もシール溝12の底部内側が円弧形状である(図5参
照)ため、発泡ガスケット材がシール溝12の底部の隅
々まで行き渡るとともに、発泡ガスケット材が発泡膨出
してシール溝12内を盛り上がって行く過程で、シール
溝12内の空気はシール溝内周面に沿って確実に上方に
押し出されるため、シール溝12の底部内側が矩形状で
ある場合に比べて、シール材20とシール溝12の内面
間に空気層が形成されるおそれは全くない。
【0018】また、シール脚15の先端部は、図5
(c)に示されるように、横断面円弧形状に形成されて
いるため、シール材20がシール脚15に確実に密着
し、シール材20とシール脚15間に空気溜まりが形成
されるおそれがない。さらに、シール脚15の先端部
は、シール溝12の横断面円弧形状に倣った横断面円弧
形状に形成されており、シール溝12の内面とシール材
20,シール脚15の外面とシール材20間にそれぞれ
作用する面圧は縦断面に沿った方向に平滑化されてい
る。このため、シール脚15とシール溝12間の係合部
全体において略均一の封止圧が得られ、それだけランプ
のシール性が向上したものとなっている。
【0019】また、シール脚15で圧縮される前のシー
ル材(シール溝12内で発泡固化したシール材)は、図
5(b)に示されるように、シール溝12の上方に盛り
上がっており、シール脚15をシール溝12に係合さ
せ、凹凸ランス係合により前面レンズ14とランプボデ
ィ10を機械的に締結すると、図5(c)に示されるよ
うに、シール材20はレンズ脚部15により圧縮された
状態に保持されるが、この実施例におけるランプでは、
シール材20の圧縮率(%)が20〜50%に設定され
て、シール脚とシール溝間係合部の気密性が確保される
とともに、機械的締結部である凹凸ランス係合部に過大
な負荷が作用しないようになっている。
【0020】即ち、シール材20の圧縮率(%)は、図
5に示すように、シール材20の圧縮前の高さをH,圧
縮されて沈みこんだ深さをhとして、(h/H)×10
0で示されるが、シール材20の圧縮率と気密性および
反発力とは、図6に示すような特性をもつことが確認さ
れた。そして、ランプの気密性(kg/cm2 )として
は、ランプの種類によって多少異なるが、少なくとも
0.04kg/cm2 以上は必要である。一方、ランプ
の気密性を高めると、これに比例して、シール材の反発
力(kg/cm)も高まり、この反発力を受け止める機
械的締結部に作用する負荷も大きくなる。機械的締結手
段としては、本実施例に示すような凹凸ランス係合の他
に、図10(a),(b)に示されるように、ネジ止め
やクリップ締結が考えられるが、機械的締結部により受
け止めることの可能な反発力としては、凹凸ランス係合
では、凹凸ランス係合部に割れが発生せず、ネジ止めで
は、ネジの螺合するボス部やネジ頭部当接部に割れが発
生せず、クリップ締結では、クリップが疲労でへたるこ
とのない限界として、0.9kg/cm以下であること
が望ましい。そこで、この気密性と反発力の両面から、
シール材20の圧縮率(%)が20〜50%に設定され
ている。
【0021】なお、図6に示されるように、現在一般に
シール材として広く使用されている紐状ゴムでは、圧縮
率が60〜70%で、気密性が0.07〜0.10kg
/cm2 という特性をもつのに対し、本実施例で使用す
る二液ウレタンの発泡体では、圧縮率(%)が20〜5
0%で、気密性が0.04〜0.14kg/cm2 であ
ることから、本実施例におけるシール材は、現行の紐状
ゴムに比べて多少硬めとなるものの、気密性において紐
状ゴムと遜色ない。
【0022】またシール溝12内で固化したシール材2
0は、ホットメルトの様に非常に剥がしにくいものでは
なく、その性質上、剥がすことは簡単である。したがっ
て、前面レンズ14のシール脚15をシール溝12から
抜き出し、さらにシール溝12に密着しているシール材
20(ウレタン発泡体)を引き剥がし、前面レンズ,ラ
ンプボディおよびシール材の中で再利用できるものはそ
のままにして、新しくしたい部材だけを交換すればよ
い。
【0023】また、本実施例に用いられている発泡ガス
ケット材は、チクソトロピーをもつことから、ノズル3
6から供給された直後に、流動性の小さいクリーム状と
なる。このため、図4に示すように、シール溝12の延
在方向に高低差(最大傾斜度30度)があっても、発泡
ガスケット材は低い方へ流動することなく供給された位
置に留まることから、三次元的に複雑な形状のシール溝
であっても溝全体に均一の量の発泡ガスケット材を塗布
することができる。
【0024】なお、前記実施例におけるシール材20
は、チクソタイプの二液ウレタンの発泡体により構成さ
れていたが、チクソタイプの二液シリコンの発泡体で構
成してもよい。また、シール溝にそれほど高低差がない
場合には、チクソタイプに限らず、流動タイプの二液ウ
レタンの発泡体や二液シリコンの発泡体を用いてもよ
い。
【0025】また前記実施例では、クリアランスランプ
を例にとって本発明を説明したが、本発明はヘッドラン
プ等のその他の自動車用ランプの前面レンズ脚部とシー
ル溝間のシール構造にも広く適用できることはいうまで
もない。
【0026】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る自動車用灯具における前面レンズ脚部とシール溝
間のシール構造によれば、シール溝に装填する時のシー
ル材(発泡ガスケット材)は液体状態であるため、シー
ル材のシール溝への装填が非常に容易で、シール材の装
填を自動化することができる。また、シール溝に供給さ
れたシール材(発泡ガスケット材)は、発泡膨出して横
断面略円弧形状のシール溝内側に確実に密着した固体状
弾性体となるとともに、機械的締結手段により、レンズ
脚部とシール溝間で圧縮状態に保持されるので、レンズ
脚部とシール溝間係合部が確実に封止される。また、シ
ール材は、簡単に剥がすことの可能な弾性に富む固体状
発泡体であるため、前面レンズ,シール材,ランプボデ
ィのいずれをも再利用することができる。請求項2によ
れば、シール脚の先端部を横断面略円弧形状に形成した
ので、シール脚とシール材との密着性もよく、シール脚
とシール溝間係合部に作用する封止圧が均一となって、
シール脚とシール溝間係合部の封止がさらに確実とな
る。請求項3によれば、発泡ガスケットの圧縮率を、気
密性と機械的締結強度の両面から20〜50%に設定し
たので、適正な気密性が長期にわたって保証される。請
求項4によれば、シール溝内に供給されたチクソトロピ
ーをもつ液体状発泡ガスケット材はクリーム状態である
ため、水平面に対し傾斜して延びるシール溝にも発泡ガ
スケット材を均一な厚さに塗布でき、これによって発泡
膨出した発泡ガスケットの高さがシール溝全周において
一定、即ち、シール溝全周における封止圧が均一となっ
て、シール溝や前面レンズの形状が三次元的に複雑な形
状のランプにおいてもシール材供給の自動化と気密性の
確保が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である自動車用クリアランス
ランプの正面図
【図2】同ランプの縦断面図(図1に示す線II−IIに沿
う断面図)
【図3】前面レンズとランプボディ間の機械的締結部で
ある凹凸ランス係合部の拡大断面図(図1に示す線III
−III に沿う拡大断面図)
【図4】シール溝にシール材が供給された状態のランプ
ボディの断面図
【図5】シール溝にシール材を供給してシール脚を係合
する工程を示す図で、(a)はシール材供給直後のシー
ル溝の断面図、(b)はシール材が発泡膨出した状態の
シール溝の断面図、(c)はシール脚が係合されたシー
ル溝の断面図
【図6】シール材の圧縮率と係合部の気密性およびシー
ル材の反発力の関係を示す図
【図7】従来の前面レンズ脚部とシール溝間係合部の断
面図
【図8】従来の他の前面レンズ脚部とシール溝間係合部
の断面図
【図9】従来のさらに他の前面レンズ脚部とシール溝間
係合部の断面図
【図10】前面レンズとランプボディ間の機械的締結部
を示す断面図
【符号の説明】
10 ランプボディ 12 シール溝 12a 機械的締結手段である凹凸ランス係合部を構成
するボディ側凹部 14 前面レンズ 15 シール脚 15a 機械的締結手段である凹凸ランス係合部を構成
するレンズ側凸部 20 シール材(二液ウレタンの発泡体)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ランプボディの前面開口部の周縁に形成
    されたシール溝に弾性シール材が装填され、前面レンズ
    の周縁に形成されたシール脚が前記シール溝に係合され
    るとともに、シール脚がシール材を押圧するように、前
    面レンズとランプボディ間が機械的に締結されて、シー
    ル脚とシール溝間係合部がシールされた自動車用灯具に
    おける前面レンズ脚部とシール溝間のシール構造におい
    て、前記シール溝の底部内側が横断面略円弧形状に形成
    されるとともに、前記シール材は、シール溝に供給され
    た液体状発泡ガスケット材が発泡硬化して成形された発
    泡ガスケットにより構成されたことを特徴とする自動車
    用灯具における前面レンズ脚部とシール溝間のシール構
    造。
  2. 【請求項2】 前記シール脚の先端部は、シール溝の底
    部内側の横断面略円弧形状に倣った横断面略円弧形状に
    形成されたことを特徴とする請求項1記載の自動車用灯
    具における前面レンズ脚部とシール溝間のシール構造。
  3. 【請求項3】 前記発泡ガスケットは、シール溝の上方
    に盛り上がり、シール脚とシール溝が係合し前面レンズ
    とランプボディ間が機械的に締結された時の圧縮率が2
    0〜50%に設定されたことを特徴とする請求項1また
    は2記載の自動車用灯具における前面レンズ脚部とシー
    ル溝間のシール構造。
  4. 【請求項4】 前記液体状発泡ガスケット材は、チクソ
    トロピーをもつことを特徴とする請求項1から3のいず
    れかに記載の自動車用灯具における前面レンズ脚部とシ
    ール溝間のシール構造。
JP8218196A 1996-08-20 1996-08-20 自動車用灯具における前面レンズ脚部とシール溝間のシール構造 Pending JPH1064329A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108180441A (zh) * 2018-02-02 2018-06-19 瑞安市鸿威特汽配有限公司 一种货车专用尾灯

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