JP3269708B2 - 銅合金溶製時の活性金属添加方法 - Google Patents

銅合金溶製時の活性金属添加方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銅合金溶製時の活性金
属添加方法に関し、特に電子, 電気機器用材料として用
いられる、Cu−Zr, Cu−Cr, Cu−Tiなどの銅合金を有利
に製造するための活性金属添加のための改良技術を提案
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、Zrなどの活性金属を含有する銅
合金は、高導電性耐熱性合金としてよく知られている
が、このような活性金属入り銅合金は、例えば電解銅
に、Cu−Zr母合金, Cu−Cr母合金あるいはCu−Ti母合金
などの活性金属の母合金および、その他の必要な添加材
を加え、高周波溶解炉や電気炉を用い、真空雰囲気中、
不活性ガス雰囲気中もしくは還元性ガス雰囲気中、また
は木炭被覆下で溶解し、多くの場合は同じ調整雰囲気中
にて鋳造することによって製造している。(特開平1−
306534号公報, 特開平2−118057号公報, 特開平2−17
3248号公報参照)
【0003】これらの銅合金製造方法において、Cu溶湯
中への上記活性金属の添加は、これらの金属もしくはそ
れらの母合金, 例えば、Zrの場合にはCu−50%Zr, Cu−
30%Zrの母合金をCu溶湯中に直接投入する方法によって
行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記各従来
技術においてCu−Zr母合金を添加する場合、例えば特開
平2−118057号公報に開示のような、“端子・コネクタ
ー用銅合金の製造方法”を例にとると、添加すべき活性
金属元素は、Zr:0.05〜1.0 wt%、Cr:0.1 〜1.5 wt%
であり、極めて少量である。従って、これらを母合金だ
けの形で添加しようとする場合、単にCu溶湯中に投入し
ただけでは溶湯表面上に浮いたり、活性であるためすぐ
化合物となってしまい別な相を形成するので、該Cu溶湯
中に均一に拡散させることは難しく、不均一な合金組成
のものを溶製することになるという問題があった。
【0005】一方で、こうした問題を避けるために、前
記母合金の有効成分(Zr, Cr, Ti,etc.) を銅で希釈し
た、例えばCu−3%Zr母合金などを使う方法も開発され
たが、添加する該活性金属元素が微量であることから、
短時間のうちに均一な組成の銅合金を溶製することは、
なお不十分であった。特に、微量の第3, 第4合金成分
を添加して高性能の銅合金を製造しようとする場合に
は、均一溶解は一層困難なものとなり、その有利な解決
法の確立が求められていた。
【0006】そこで、本発明の目的は、微量の活性金属
元素を含む希薄銅合金を製造する際の、従来技術が抱え
ている上述した問題点、即ち、偏析が少なく均一な組成
の銅合金を簡易にかつ安価に製造することができないと
いう問題点を克服できる銅合金製造技術を提案すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を実現するた
めに鋭意研究した結果、発明者らは、微量添加成分の均
一溶解によって、偏析の少ない均一な成分組成の銅合金
を製造するためには、微量添加成分である前記活性金属
元素の添加方法の工夫が必要であるとの知見を得て、以
下に述べるような本発明に想到した。即ち、本発明は、
活性金属元素を含む銅合金の製造に当たり、この活性金
属もしくは銅との母合金を銅製チューブ中に封入して、
非酸化性ガス調整下において、溶湯中に添加することを
特徴とする銅合金溶製時の活性金属添加方法であって、
上記の銅製チューブには、添加すべき活性金属またはそ
の母合金を封入したあと、その上・下の開口端部を上記
銅製チューブと同種のもしくは共金のプラグを嵌着して
閉止する。そして、上記のプラグは、投入時に上側に位
置する該チューブの上部開口端部に嵌着したものより
も、下側に位置する下部開口端部に嵌着したものの方
2〜3倍の長さを有するものを用いる。
【0008】
【作用】本発明において活性金属とは、Zr, Cr, Ti, A
l, Si, Mg, Be, Ca, Hf等の元素を指し、所謂活性化エ
ネルギーが高いために反応性が高く、従って、これらを
Cu溶湯中に添加するときには酸化され易いことに加え、
これらを少量添加する場合には、Cu溶湯中に速やかに拡
散して均一な合金溶湯をつくることが困難な金属であ
る。 それ故に、Cuの溶製時に、これらの活性金属を添
加するに際しては、第1に、添加から鋳造に至るまでの
雰囲気調整が必要であり、第2に、Cu溶湯中に確実に均
一拡散させることにより均一合金溶湯にすることが重要
である。
【0009】このために、本発明では、上記の第1の課
題に関連して、溶解炉は不活性ガス雰囲気, 還元性雰囲
気より好ましくは真空雰囲気に維持して、こうした調整
雰囲気の下で溶解する。そして、非酸化性ガスの調整雰
囲気下で、後述する方法にて上記活性金属あるいはその
母合金の添加を行い、しかも望ましくは同じ調整雰囲気
下で鋳造を行う。
【0010】また、本発明では、上記の第2の課題に対
し、添加すべき所要量の活性金属を、できれば母合金の
形にて、これを銅製チューブ内に充填封入し、そしてこ
の銅製チューブごと溶解炉内のCu溶湯中に投入する。こ
のように、活性金属・その母合金を銅製チューブを介し
てCu溶湯中に投入すると、たとえ活性金属の添加であっ
ても、酸化することなく溶湯中の深くに投入できるか
ら、従来のようにCu溶湯の一部にだけこの活性金属が溶
けて偏析を起こすようなことがなくなり、均一な合金溶
湯を溶製することができる。このことは、溶湯表面での
酸化がないので、添加する活性金属の量がCu溶湯に対し
て相対的に少ない場合ほどより効果的である。
【0011】なお、上記の銅製チューブには、上・下の
開口端にロッド状のプラグを嵌着して、内部に充填封入
された活性金属が所定のタイミング(銅製チューブの溶
解時)までに飛散して溶湯表面で酸化し、添加効果(均
一分散)を減ずることがないようにする。
【0012】そのためにも本発明においては、上記のプ
ラグは、投入時に上側となる上部開口端部に嵌着するも
のよりも、下側に位置する下部開口端部のプラグの長さ
(軸長)の方を、2〜3倍長いものを使うことが望まし
い。これは、銅製チューブ(殻)が溶湯中に進入すると
きに垂直に進入するように配慮したものである。すなわ
ち、下部開口端部に嵌着するプラグの長さは、上述した
所定の長さよりも長いと無駄で溶解熱量のロスもある。
一方、短いと溶湯に入り込みにくい(中に沈み込みにく
い)結果となる。なお、上記プラグは、かしめにくいの
で、銅製チューブの肉厚より若干厚くすることが望まし
い。
【0013】本発明において、添加する活性金属の形態
は、該活性金属単体でもよいが、母合金の形態で用いる
ことが望ましく、例えば、Zrを添加する場合にはCu−30
%Zr程度とする。このようにすると、従来のように極端
な希薄母合金( Cu3%Zr)を準備しなければならないと
いう不利が解消される。
【0014】
【実施例】この実施例は、高周波真空溶解炉(15KW, Cu
−2kg) を用い、約1kgのCuを溶製した。そして、Cuが
完全に溶け落ちた後、炉内のCu溶湯(1300℃) 中に、Zr
が1000ppm になるように、Cu−30%Zr母合金, Cu−50%
Zr母合金について、これを銅製のチューブ(8mmφ, 肉
厚:1mmt,上部プラグ長:5mm, 下部プラグ長15mm)
の中に封入して添加した。比較のために、上記と同じ母
合金をCu箔で包んで添加した例も実験した。そして、本
発明適合例と比較例との添加効果を調べるために、歩留
りと得られた銅合金の複数のサンプルについての成分組
成のバラツキにつき調べた。その結果を表1に示す。こ
の表に示すとおり、本発明法の有用性が実証された。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、活
性金属を含む均質かつ希薄な銅合金の製造が可能になる
と共に、活性金属の添加歩留りが高く、第2, 3添加元
素をも高い歩留りで添加することができると共に、均一
組成の銅合金を得ることができる。とくに、本発明によ
れば、偏析の少ない多元系銅合金を安価に製造する上で
有効な方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−121226(JP,A) 特開 昭63−282219(JP,A) 特開 平7−48638(JP,A) 特開 昭61−87831(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 1/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅合金溶製時に添加する活性金属または
    その母合金を、銅製チューブの上・下の開口端部を、該
    銅製チューブの材質と同種のもしくは共金のプラグを嵌
    着することによって封入し、非酸化性ガス調整下におい
    て、その銅製チューブごと溶中に添加する方法であっ
    て、そのプラグとして、投入時に上側に位置する該チュ
    ーブの上部開口端に嵌着したものよりも、下側に位置す
    る下部開口端に嵌着したものの方が2〜3倍長いものを
    用いることを特徴とする銅合金溶製時の活性金属添加方
    法。
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