JP2756021B2 - 電気抵抗の定質量温度係数が小さい銅合金 - Google Patents

電気抵抗の定質量温度係数が小さい銅合金

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は自動車及び温度変化が激しい環境において使
用される電子機器等に組み込まれる電気回路の通電材料
として好適の電気抵抗の定質量温度係数が小さい銅合金
に関する。
[従来の技術] 従来、一般的に、自動車、電子機器及び電気機器等に
組み込まれる電気回路においては、通電材料として、無
酸素銅又はリン脱酸銅等が使用されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上述した無酸素銅及びリン脱酸銅は電
気抵抗の定質量温度係数が大きいという欠点がある。こ
のため、例えば自動車及び温度変化が激しい環境で使用
される電子機器等のように、温度が著しく変動するよう
な場合には、それに組み込まれている電気回路の電気抵
抗が変動しやすく、回路中の電圧及び電流が安定しにく
いという欠点がある。その結果、機器が誤動作する場合
がある等、通電材料の特性が電気回路の信頼性を低下さ
せる要因になっている。また、このような不都合を回避
するために制御回路を設け、この制御回路により電気回
路の動作を安定化させることもできるが、そうすると回
路が複雑になるという欠点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであっ
て、電気抵抗の定質量温度係数が小さくて環境温度の変
化による抵抗値の変動が少なく、電子機器等に組み込ま
れた電気回路等の信頼性を向上させることができる電気
抵抗の定質量温度係数が小さい銅合金を提供することを
目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る電気抵抗の定質量温度係数が小さい銅合
金は、0.50乃至0.75重量%のNi、0.10乃至0.16重量%の
Si、0.001乃至0.01重量%のMg及び0.005乃至0.20重量%
のMnを含有すると共に、Cr、Ti及びZrからなる群から選
択された少なくとも1種の成分を総量で0.001乃至0.01
重量%含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなるこ
とを特徴とする。
また、上記成分に加えて、0.10乃至1.0重量%のZnを
含有してもよい。
[作用] 以下、本発明に係る電気抵抗の定質量温度係数が小さ
い銅合金の成分添加理由及び組成限定理由について説明
する。
Ni Niは後述するSiと共に銅中に固溶して、銅合金におけ
る電気抵抗の定質量温度係数を低下させると共に、銅合
金の強度を向上させる作用がある。しかし、Ni含有量が
0.50重量%未満の場合は、上述の作用効果が不十分であ
る。一方、Ni含有量が0.75重量%を超えると、導電率が
35%IACS(純銅焼鈍材の導電率を100とした場合のも
の)以下に低下すると共に、冷間加工性も損なわれる。
従って、Ni含有量は0.50乃至0.75重量%とする。
Si Siには、前述の如く、Niと共に銅中に固溶して、銅合
金における電気抵抗の定質量温度係数を低下させると共
に、銅合金の強度を向上させる作用がある。しかし、Si
含有量が0.10重量%未満の場合は、上述の作用効果が不
十分である。一方、Si含有量が0.16重量%を超えると、
導電率が35%IACS以下に低下すると共に、冷間加工性
(特に、製管時の加工性)が阻害される。従って、Si含
有量は0.10乃至0.16重量%とする。
Mg Mgには、銅合金の熱間加工性を向上させる作用があ
る。即ち、銅合金の溶製・造塊時に、この銅合金中に不
可避的に混入される低融点の硫黄(S)とMgとが反応し
て高融点のMgSを生成することにより、銅合金の熱間加
工性を向上させる。しかし、Mg含有量が0.001重量%未
満の場合は、上述の作用効果が不十分である。一方、Mg
含有量が0.01重量%を超えると、MgとCuとが反応して低
融点の共晶を生成するため、銅合金の熱間加工性が低下
する。更に、この場合、銅合金の溶湯が酸化されやすく
なり、その流動性が低下して、健全な鋳塊を得ることが
困難になる。従って、Mg含有量は0.001乃至0.01重量%
とする。
Mn Mnを添加すると、鋳塊の粒界が強化されるため、銅合
金の熱間加工性を向上させることができると共に、中高
温度における脆性に対する耐性を改善して銅合金の強度
を向上させることができる。しかし、Mn含有量が0.005
重量%未満の場合は、上述の作用効果が不十分である。
一方、Mn含有量が0.20重量%を超えると、上述の効果が
飽和して、それ以上の効果が得られない。従って、Mn含
有量は0.005乃至0.20重量%とする。
Cr、Ti及びZr Cr、Ti及びZrには、いずれも、鋳塊の粒界を強化し、
銅合金の熱間加工性を向上させる作用がある。これらの
成分はいずれも同様の作用効果を有し、単独又は複合添
加のいずれでもよい。しかし、Cr、Ti及びZrの総含有量
が0.001重量%未満の場合は、上述の作用効果が不十分
である。一方、Cr、Ti及びZrの総含有量が0.01重量%を
超えると、銅合金の溶湯が酸化されやすくなるため、健
全な鋳塊を得ることが困難になる。従って、Cr、Ti及び
Zrからなる群から選択された少なくとも1種の成分を含
有し、その総含有量は0.001乃至0.01重量%とする。
Zn Znは銅合金により形成した電気回路の配線路に電子部
品等を半田付けする場合に、半田の密着性を向上させる
作用がある。このため、前述のNi及びSiを含有する銅合
金中にZnを含有させてもよい。しかし、Zn含有量が0.10
重量%未満の場合は、上述の効果を得ることができな
い。一方、Znを1.0重量%を超えて添加しても、上述の
効果はそれ以上増大せず無駄であるばかりでなく、導電
率が著しく低下する。従って、Znを含有する場合は、そ
の含有量を0.10乃至1.0重量%とする。
また、本発明においては、上述した成分の外に、必要
に応じて、Fe、Co、Sn又はAlを含有することができる。
この場合、Fe、Co、Sn及びAlからなる群から選択された
1種又は2種以上の成分の総含有量を0.5重量%以下に
規制すれば、銅合金の熱間加工性はもとより、通電材と
して必要な特性、即ち電気抵抗の定質量温度係数及び導
電率は、実用上問題なく維持される。
なお、本発明に係る電気抵抗の定質量温度係数が小さ
い銅合金は、電気部品及び電子部品に組み込まれた電気
回路並びに各部品間を接続する配線材等のような通電材
としての適用の外に、磁場又は電場に対するシールド材
としても適用することができる。
また、本発明に係る銅合金は、リード等の外、コイル
状を始めとして、管、棒、線、板、条及び箔等のいずれ
の形状で電気回路に使用してもよく、形状により限定さ
れるものではない。
[実施例] 次に、本発明の実施例について、その特許請求の範囲
から外れる比較例と比較して説明する。
先ず、下記第1表に示す成分組成の銅合金を大気溶解
炉で溶解した後、厚さが50mm、幅が85mm、長さが200mm
の鋳塊を製造した。そして、これらの鋳塊を900℃に加
熱した後、厚さが15mmになるように熱間圧延処理を施し
て、熱間圧延材を得た。但し、比較例1及び比較例2は
夫々純度が99.99重量%の純銅及びリン脱酸銅であり、
いずれも従来電気回路用材料として使用されているもの
である。
次に、これらの熱間圧延材を硫酸水(濃度が20容量
%)で酸洗して表面の酸化物を除去した後、冷間圧延加
工を施して、厚さが1mmの板材を得た。そして、この板
材を600℃の温度に1時間加熱し、その後15℃/秒以上
の冷却速度で水冷した。
次いで、この板材を前記硫酸水で酸洗した後、冷間圧
延加工を施して、その厚さを0.5mmにした。
このようにして得た実施例1乃至6及び比較例1,2の
各圧延材の導電率をJIS H 0505に基づく4端子法により
測定した。このときの試料温度は0℃,20℃,40℃,60℃
及び80℃である。その結果を下記第2表に示す。
この第2表から明らかなように、本発明に係る実施例
1乃至6はいずれも比較例1,2に比して電気抵抗の定質
量温度係数が約1/2乃至1/3と低い。従って、この実施例
1乃至6の銅合金は温度変化に対して電気抵抗値の変動
が少なく、このため温度変化が激しい環境下で使用され
る機器の電気回路用材料等として好適である。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、Ni、Si、Mg及び
Mnを夫々所定の組成で含有すると共に、Cr、Ti及びZrを
所定量含有し、更に必要に応じてZnを所定量添加したか
ら、電気抵抗の定質量温度係数が小さい銅合金を得るこ
とができる。そして、この銅合金を自動車及び温度変化
が大きい環境において使用される電子機器等の電気回路
構成材料として使用すると、機器の誤動作を抑制するこ
とができ、機器の信頼性を向上させることができる。従
って、本発明に係る銅合金は、例えば自動車に搭載され
る電子機器及び温度変化が激しい環境下で使用される電
子機器等に組み込まれた電気回路の構成材料として極め
て有益である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.50乃至0.75重量%のNi、0.10乃至0.16重
    量%のSi、0.001乃至0.01重量%のMg及び0.005乃至0.20
    重量%のMnを含有すると共に、Cr、Ti及びZrからなる群
    から選択された少なくとも1種の成分を総量で0.001乃
    至0.01重量%含有し、残部がCu及び不可避的不純物から
    なることを特徴とする電気抵抗の定質量温度係数が小さ
    い銅合金。
  2. 【請求項2】0.50乃至0.75重量%のNi、0.10乃至0.16重
    量%のSi、0.001乃至0.01重量%のMg、0.005乃至0.20重
    量%のMn及び0.10乃至1.0重量%のZnを含有すると共
    に、Cr、Ti及びZrからなる群から選択された少なくとも
    1種の成分を総量で0.001乃至0.01重量%含有し、残部
    がCu及び不可避的不純物からなることを特徴とする電気
    抵抗の定質量温度係数が小さい銅合金。
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