JP3269416B2 - 結晶化ガラス及びその製造方法 - Google Patents

結晶化ガラス及びその製造方法

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C10/00Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
    • C03C10/0036Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing SiO2, Al2O3 and a divalent metal oxide as main constituents

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  • Glass Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建築物の内装材や外装材
に使用される結晶化ガラスとその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】結晶化ガラスは、化学的耐久性、機械的
強度等の特性に優れており、また美しい外観を呈するた
め、天然石の代わりに建築物の内装材や外装材として広
く使用されている。
【0003】この種の結晶化ガラスとして、従来より種
々のものが提案されており、例えば特公昭53−398
84号、特開平3−164446号、特開平6−247
744号等には主結晶としてβ−ウォラストナイト結晶
(CaO・SiO2 )を析出してなる天然大理石様結晶
化ガラスが開示されている。
【0004】ところで工業的規模で結晶化ガラスを製造
する場合、ガラスの生産効率が重要視される。生産効率
は、ガラスの泡品位等に左右されるが、この品位に影響
を与えるのがガラスの溶解性である。
【0005】そこで溶解性を向上させるために、ガラス
原料中に清澄剤としてAs23 やSb23 を添加す
ることが一般に行われている。また必要に応じてモリブ
デン電極を設置した溶融炉にて溶融されることもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】As23 やSb2
3 は、溶解性を大きく向上させるだけでなく、ガラスの
透過率を上昇させて結晶化ガラスの白色度を向上させる
効果をも有するために、清澄剤として広く使用されてい
るが、これら成分の使用は環境上好ましくなく、近年で
は使用量を低減することが望まれている。またモリブデ
ン電極を設置した溶融炉中で溶融する場合、ガラス中に
As23 やSb23 が存在すると、電極が著しく侵
食されるため、頻繁に電極を交換しなければならないと
いう不都合もある。
【0007】本発明の目的は、As23 やSb23
を含有しないにも関わらず、溶解性に優れるために生産
効率が良く、しかも従来品と同等以上の白色度を有する
結晶化ガラスと、これを製造する方法を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は種々の実験を
行った結果、清澄剤として芒硝(Na2 SO4 )を用
い、さらにCeO2 を共存させることによって十分に高
い白色度が得られることを見いだし、本発明として提案
するものである。
【0009】即ち、本発明の結晶化ガラスは、重量百分
率でSiO2 45〜77%、Al23 1〜25
%、CaO 2〜25%、ZnO 0〜18%、BaO
0〜20%、Na2 O 1〜15%、K2 O 0〜7
%、Li2 O 0〜5%、B23 0〜1.5%、C
eO2 0.01〜0.5%、SO3 0.01〜0.
5%の組成を有し、主結晶としてβ−ウォラストナイト
を析出してなることを特徴とする。
【0010】また本発明の結晶化ガラスの製造方法は、
清澄剤として芒硝を用い、重量百分率でSiO2 45
〜77%、Al23 1〜25%、CaO 2〜25
%、ZnO 0〜18%、BaO 0〜20%、Na2
O 1〜15%、K2 O 0〜7%、Li2 O 0〜5
%、B23 0〜1.5%、CeO2 0.01〜
0.5%、SO3 0.01〜0.5%の組成を有する
ように調合したガラス原料を溶融、成形した後、結晶化
させることを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明の結晶化ガラスにおいて、各成分の含有
量を限定した理由を述べる。
【0012】SiO2 の含有量は45〜77%、好まし
くは52〜70%である。SiO2が77%より多いと
ガラスの溶融温度が高くなるとともに、粘度が増大して
熱処理時の流動性が悪くなる。一方、45%より少ない
と成形時の失透性が強くなる。
【0013】Al23 の含有量は1〜25%、好まし
くは3〜15%である。Al23が25%より多いと
ガラスの溶解性が悪くなるとともに色調安定性が悪くな
り、1%より少ないと失透性が強くなるとともに、化学
的耐久性が低下する。
【0014】CaOの含有量は2〜25%、好ましくは
8〜18%である。CaOが25%より多いと失透性が
強く成形が困難となり、またβ−ウォラストナイトの析
出量が多くなり過ぎて所望の表面平滑性が得難くなる。
一方、2%より少ないとβ−ウォラストナイトの析出量
が少なくなり過ぎて機械的強度が低下し、建材として実
用に耐えなくなる。
【0015】ZnOは結晶化熱処理時のガラスの流動性
を促進するために添加する成分であり、その含有量は0
〜18%、好ましくは2〜15%である。ZnOが18
%より多いとβ−ウォラストナイトが析出し難くなる。
【0016】BaOの含有量は0〜20%、好ましくは
0〜10%、さらに好ましくは1〜10%である。Ba
Oが20%より多いとβ−ウォラストナイトの析出量が
少なくなる。
【0017】Na2 Oの含有量は1〜15%、好ましく
は3〜10%である。Na2 Oが15%より多いと化学
的耐久性が悪くなり、1%より少ないと粘性が増大して
溶解性や流動性が悪くなる。
【0018】K2 Oの含有量は0〜7%、好ましくは0
〜5%、さらに好ましくは0.1〜5%である。K2
が7%より多いと化学的耐久性が悪くなる。
【0019】Li2 Oは結晶化速度を速める効果があ
り、その含有量は0〜5%、好ましくは0.1〜3%で
ある。Li2 Oが5%より多いと化学的耐久性が低下す
る。
【0020】B23 の含有量は0〜1.5%、好まし
くは0〜1%である。B23 が1.5%より多いと異
種結晶が析出し、所望の特性が得られなくなる。
【0021】CeO2 はガラスの溶解性を低下させるこ
となくガラスの透過率を上げる成分であり、その含有量
は0.01〜0.5%、好ましくは0.05〜0.3%
である。CeO2 はその価数変化によって、不純物とし
て混入するFe23の着色を抑制し、特にSO3 (芒
硝)と共存させることによってその効果が顕著に現れ
る。CeO2 が0.5%より多いとCe4+による着色が
強くなり過ぎてガラスの透過率が低下し、0.01%よ
り少ないと上記効果が得られなくなる。
【0022】SO3 の含有量は0.01〜0.5%、好
ましくは0.02〜0.4%である。SO3 が0.5%
より多いと異種結晶が析出し、0.01%より少ないと
溶解性が低下し、ガラスの品位が悪化する。
【0023】なお本発明においては、CaOとLi2
とB23 の合量を10〜17.5%の範囲に調整する
と結晶化ガラスの色調安定性を向上させることができ
る。また上記以外の成分、例えば着色酸化物等を含有さ
せても差し支えない。
【0024】次に本発明の結晶化ガラスを製造する方法
を述べる。
【0025】まず清澄剤として芒硝を用い、重量百分率
でSiO2 45〜77%、Al23 1〜25%、
CaO 2〜25%、ZnO 0〜18%、BaO 0
〜20%、Na2 O 1〜15%、K2 O 0〜7%、
Li2 O 0〜5%、B23 0〜1.5%、CeO2
0.01〜0.5%、SO3 0.01〜0.5%の
組成を有するようにガラス原料を調合する。芒硝を用い
ることにより、モリブデン電極を殆ど侵食することなく
溶解性を向上させることができる。
【0026】次に調合したガラス原料を溶融し、ガラス
化する。溶融には、モリブデン電極が設置された溶融炉
を用いることが好ましく、また溶融温度及び溶融時間は
1450〜1550℃で8〜16時間程度であることが
望ましい。
【0027】続いて溶融ガラスを成形した後、結晶化さ
せる。この系のガラスにおいては、ガラスを小球状、フ
レーク状等のガラス小体に成形した後、型枠内に集積
し、これを熱処理して結晶化させると、機械的強度が高
く、美しい天然大理石模様を呈する結晶化ガラスを得る
ことができるため好ましい。なお熱処理は1〜6℃/分
の速度で昇温し、1020〜1100℃で2〜4時間保
持するスケジュールで行うことが望ましい。
【0028】なお、得られた本発明の結晶化ガラスは、
ガラス溶融時に清澄ガスとしてSO2 ガスが発生するた
め、結果としてガラス中のSO3 成分が減少し、ガラス
原料とは組成が若干変化する。
【0029】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0030】(実施例1)表1は、CeO2 及び芒硝の
効果を示したものであり、試料aは従来の結晶化ガラ
ス、試料bは試料aからSb23 を除いた結晶化ガラ
ス、試料cはSb23 の代わりに芒硝を清澄剤として
用いた結晶化ガラス、試料dはSb23 の代わりにC
eO2 を添加した結晶化ガラス、試料eはSb23
代わりに芒硝を清澄剤として用いるとともにCeO2
添加した本発明の結晶化ガラスを示している。
【0031】
【表1】
【0032】各試料は次のようにして調製した。
【0033】表の組成となるように珪砂、酸化アルミ、
炭酸カルシウム、亜鉛華、炭酸バリウム、ソーダ灰、長
石、スポジュメン、硝酸ソーダ、酸化アンチモン、酸化
セリウム及び芒硝を調合し、1500℃の温度で10時
間溶融した。次いで溶融ガラスを所定の形状に成形、加
工した後、泡数、平均透過率を測定した。また溶融ガラ
スを水砕し、乾燥、分級して粒径1〜5mmのガラス小
体を得た。続いてこのガラス小体を、内壁にアルミナ粉
が塗布された耐火性の型枠内に集積して電気炉に入れ、
2℃/分の速度で昇温し、1050〜1100℃で2時
間保持することによって、各ガラス小体を融着一体化さ
せるとともに結晶化させた後、外観、白色度(L値)及
び主結晶を評価した。結果を表1に示す。
【0034】表1から明らかなように、各試料とも表面
平滑性が高く、天然大理石模様を呈する白色系の結晶化
ガラスであった。また主結晶は何れもβ−ウォラストナ
イトであった。
【0035】しかし従来品(試料a)からSb23
除いた試料bの結晶化ガラスは、泡数が100個であ
り、試料aの約10倍の泡が存在し、溶解性が悪化した
ことが分かる。また透過率が試料aに比べて11%低下
し、このため白色度も3低下した。Sb23 の代わり
に芒硝を清澄剤として用いた試料cは、泡数が2個と溶
解性が大幅に改善されているものの、透過率が低かっ
た。CeO2 のみを添加した試料dは、透過率が80%
と高く、白色度も試料cより高い92であったが、泡数
が100個であり、溶解性が悪かった。一方、Sb2
3 の代わりに芒硝を清澄剤として用いるとともにCeO
2 を添加した本発明の実施例である試料eは、泡数が2
個と溶解性に優れており、しかもCeO2 とSO3 の相
乗効果によって透過率が89%、白色度が94となり、
試料dに比べてさらに改善された。これは従来品と比較
しても同等以上の値であった。
【0036】なお、泡数は次のようにして求めた。まず
溶融ガラスをカーボン台上に平たく静かに流しだして板
状体を成形し、650〜700℃で徐冷した。次いで板
状体から5cm角の大きさに試料を切り出し、実体顕微
鏡にて泡数を計数した後、100g当りの個数に換算し
た。
【0037】平均透過率は次のようにして測定した。ま
ず溶融ガラスを成形して厚みが10〜12mmのガラス
板を得、650〜700℃で徐冷した。次いで、ガラス
板を厚さが10mm±0.1mmとなるように鏡面研磨
した後、分光光度計により求めた。
【0038】白色度は測色計にて測定した。
【0039】主結晶はX線回折装置によって求めた。
【0040】(実施例2)表2は本発明の実施例(試料
No.1〜5)を示している。
【0041】
【表2】
【0042】各試料は次のようにして調製した。
【0043】表の組成を有するガラスとなるように珪
砂、酸化アルミ、炭酸カルシウム、亜鉛華、炭酸バリウ
ム、ソーダ灰、長石、スポジュメン、ホウ砂、酸化セリ
ウム及び芒硝を調合し、1500℃の温度で10時間溶
融した。次いで溶融ガラスを所定の形状に成形、加工し
た後、実施例1と同様にして泡数、平均透過率を測定し
た。また溶融ガラスを水砕し、乾燥、分級して粒径1〜
5mmのガラス小体を得、実施例1と同様の方法で結晶
化させた後、表面状態、主結晶及び白色度を評価した。
結果を表2に示す。
【0044】表2から明らかなように、各試料とも表面
平滑性が高く、天然大理石模様を呈し、β−ウォラスト
ナイトを主結晶として析出する白色系の結晶化ガラスで
あった。また泡数が3個以下と溶解性が良好であり、平
均透過率が87%以上、白色度が93以上であった。
【0045】
【発明の効果】本発明の結晶化ガラスは、As23
Sb23 を含有しないために環境上好ましいものであ
る。また機械的強度や化学的耐久性が高く、しかも従来
品と同等以上の白色度を有するため、内装材や外装材と
して好適なものである。
【0046】また本発明の方法によれば、清澄剤として
芒硝を使用するため溶解性が良好であり、またCeO2
を含むためにガラスの透過率が高い。それゆえ従来品と
同等の白色度を有する結晶化ガラスを効率良く製造する
ことが可能である。またモリブデン電極を設置した溶融
炉で溶融する場合、電極を頻繁に交換する必要がないた
め、溶融コストを低減できる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量百分率でSiO2 45〜77%、
    Al23 1〜25%、CaO 2〜25%、ZnO
    0〜18%、BaO 0〜20%、Na2O 1〜1
    5%、K2 O 0〜7%、Li2 O 0〜5%、B2
    3 0〜1.5%、CeO2 0.01〜0.5%、S
    3 0.01〜0.5%の組成を有し、主結晶として
    β−ウォラストナイトを析出してなることを特徴とする
    結晶化ガラス。
  2. 【請求項2】 清澄剤として芒硝を用い、重量百分率で
    SiO2 45〜77%、Al23 1〜25%、C
    aO 2〜25%、ZnO 0〜18%、BaO 0〜
    20%、Na2 O 1〜15%、K2 O 0〜7%、L
    2 O 0〜5%、B23 0〜1.5%、CeO2
    0.01〜0.5%、SO3 0.01〜0.5%の
    組成となるように調合したガラス原料を溶融、成形した
    後、結晶化させることを特徴とする結晶化ガラスの製造
    方法。
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