JP5943502B2 - 天然大理石様結晶化ガラスの製造方法 - Google Patents

天然大理石様結晶化ガラスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、結晶性ガラス、天然大理石様結晶化ガラス(天然大理石の代替として用いられる結晶化ガラス)及びその製造方法に関し、特に建築物の内装材や外装材の用途に好適な結晶性ガラス、天然大理石様結晶化ガラス及びその製造方法に関する。
天然大理石模様を呈する結晶化ガラスは、化学的耐久性、機械的強度等の特性に優れているため、主に天然大理石の代替として使用されていたが、色調と肌理の自由度が高く、自然には存在しない美しい外観を呈するため、現在ではデザイン性を追求する建築物の内装材や外装材に使用されている。
この種の結晶化ガラスは、複数の結晶性ガラス小体を耐火性容器内に収容した後、結晶性ガラス小体の軟化点より高い温度で熱処理することにより、結晶性ガラス小体の表面から結晶を析出させながら、複数の結晶性ガラス小体を軟化変形させて互いに融着させること、つまり複数の結晶性ガラス小体を流動させることにより作製される。また、この種の結晶化ガラスとして、主結晶としてβ−ウォラストナイト結晶(CaO・SiO)を析出させた天然大理石様結晶化ガラスが提案されている。
例えば、特許文献1には、質量%で、SiO 45〜75%、Al 1〜13%、CaO 6〜14.5%、NaO+KO 1〜13%、ZnO 0〜18%、BaO 0〜20%、但し、BaO+ZnO 4〜24%を必須とし、主としてβ−ウォオラストナイト結晶からなる天然大理石様結晶化ガラスが開示されている。この天然大理石様結晶化ガラスは、色調安定性に優れている。
また、特許文献2には、質量%で本質的にSiO 48〜68%、CaO 6〜22%、RO 5〜22%、Al 0.5〜17%、MgO 0.2〜8%、B 0〜6%、ZnO 0〜9%、BaO 0〜8%、但しZnO+BaO<15%、着色酸化物0〜10%からなるガラスを熱処理し、主結晶としてβ−ウォラストナイト結晶を析出してなる結晶化ガラスの製造方法が開示されている。この天然大理石様結晶化ガラスは、曲げ加工性に優れている。
さらに、特許文献3には、質量%で、SiO 45〜77%、Al 1〜25%、CaO 2〜25%、ZnO 0〜18%、BaO 0〜20%、NaO 1〜15%、KO 0〜7%、LiO 0〜5%、B 0〜1.5%、CeO 0.01〜0.5%、SO 0.01〜0.5%の組成を含有し、主結晶としてβ−ウォラストナイト結晶を析出してなる天然大理石様結晶化ガラスが開示されている。この天然大理石様結晶化ガラスは、白色性に優れている。
特開昭50−116515号公報 特開平3−164446号公報 特開平9−295831号公報
工業的規模で天然大理石様結晶化ガラスを製造する場合、結晶性ガラスの泡品位が重要になる。すなわち、結晶性ガラス中の泡数が多い場合、結晶化工程後に結晶化ガラスの表面を研磨すると、残存泡が露出して、外観が損なわれると共に、機械的強度が低下し易くなり、結果として、結晶化ガラスの生産性が低下する。さらに、溶融工程で溶融ガラス中に多数の泡が発生すると、溶融ガラスへの熱線透過が生じ難くなるため、溶融コストが高騰して、結晶化ガラスの生産性が低下し易くなる。
従来、結晶性ガラスの泡品位を高めるため、清澄剤として、As、Sbが使用されていた。しかし、周知の通り、As、Sbに対して、環境的影響が指摘されており、近年、その使用量を低減することが求められている。
また、モリブデン電極を設置した溶融炉で結晶性ガラスを溶融する場合、As、Sbの含有量が多いと、モリブデン電極が著しく侵食されるため、電極交換を頻繁に行う必要があり、結果として、溶融コストが高騰して、結晶化ガラスの生産性が低下し易くなる。
そこで、本発明は、As、Sbの含有量が少なくても、泡品位を向上し得る結晶性ガラス、天然大理石様結晶化ガラス及びその製造方法を創案することを技術的課題とする。
本発明者は、種々の実験を行った結果、結晶性ガラス中の水分量を増加させることにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の結晶性ガラスは、熱処理により、主結晶としてβ−ウォラストナイトが析出する結晶性ガラスにおいて、結晶性ガラス中の水分量が500ppm以上であることを特徴とする。なお、従来の結晶性ガラス中の水分量は500ppm未満である。
「結晶性ガラス中の水分量」は、結晶性ガラスのβ−OH値(/mm)に対して、ガラス組成に固有の係数を乗ずることにより、算出可能である。そして、「結晶性ガラスのβ−OH値」は、以下の数式1により、算出可能である。なお、ガラス組成に固有の係数の代表値は0.181(質量%・mm)であり、上記水分量の算出において、この代表値を使用してもよい。
本発明の結晶性ガラスは、結晶性ガラス中の水分量が500ppm以上に規制されている。このようにすれば、溶融ガラスの粘性が低下し、泡切れ性(泡の浮上速度)が高まるため、結晶性ガラス中の泡が少なくなり、結果として、結晶化工程後に結晶化ガラスの表面を研磨しても、残存泡が露出し難くなる。また、このようにすれば、溶融ガラスへの熱線透過が生じ易くなるため、溶融コストが低下すると共に、ガラスバッチ中のAs、Sbの含有量を低減できるため、近年の環境的要請を満たすことができる。なお、結晶性ガラス中の水分量が多い程、結晶化ガラスの曲げ加工温度が低くなり、結晶化ガラスの生産性が向上する。
第二に、本発明の結晶性ガラスは、ガラス組成中のSbの含有量が0.5質量%以下であることを特徴とする。このようにすれば、環境的負荷を軽減することができる。
第三に、本発明の結晶性ガラスは、ガラス組成中のBの含有量が0.01〜1質量%であることを特徴とする。
第四に、本発明の結晶性ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 45〜75%、Al 1〜25%、B 0.01〜1%、LiO 0.05〜0.99%、NaO 1〜15%、KO 0〜7%、MgO 0〜2%、CaO 5〜25%、SrO 0〜5%、BaO 1〜15%、ZnO 0.05〜10%、ZrO 0〜2%、As 0〜0.5%、Sb 0〜0.5%、CeO 0〜0.5%、SO 0〜0.5%を含有することを特徴とする。
第五に、本発明の天然大理石様結晶化ガラスは、上記の結晶性ガラスを熱処理して、主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出させてなることを特徴とする。
第六に、本発明の天然大理石様結晶化ガラスは、主結晶としてβ−ウォラストナイトが析出した天然大理石様結晶化ガラスにおいて、結晶化ガラス中の水分量が500ppm以上であることを特徴とする。
第七に、本発明の天然大理石様結晶化ガラスの製造方法は、ガラス原料を調合し、ガラスバッチを作製する調合工程、ガラスバッチを溶融し、結晶性ガラスを作製する溶融工程、結晶性ガラスを熱処理することにより、主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出させて、結晶化ガラスを作製する結晶化工程を有する天然大理石様結晶化ガラスの製造方法において、結晶性ガラス中の水分量が500ppm以上になるように、調合工程及び/又は溶融工程を制御することを特徴とする。
第八に、本発明の天然大理石様結晶化ガラスの製造方法は、ガラスバッチ中のCl+NO(Cl、NOの合量)の含有量が0.23質量%以下になるように、調合工程を制御することを特徴とする。
第九に、本発明の天然大理石様結晶化ガラスの製造方法は、ガラスバッチ中の水酸化物原料の割合が0.1質量%以上になるように、調合工程を制御することを特徴とする。
第十に、本発明の天然大理石様結晶化ガラスの製造方法は、結晶化ガラスが、組成として、Bを0.01〜1質量%含有するように、調合工程を制御することを特徴とする。
第十一に、本発明の天然大理石様結晶化ガラスの製造方法は、結晶化ガラスが、組成として、質量%で、SiO 45〜75%、Al 1〜25%、B 0.01〜1%、LiO 0.05〜0.99%、NaO 1〜15%、KO 0〜7%、MgO 0〜2%、CaO 5〜25%、SrO 0〜5%、BaO 1〜15%、ZnO 0.05〜10%、ZrO 0〜2%、As 0〜0.5%、Sb 0〜0.5%、CeO 0〜0.5%、SO 0〜0.5%を含有するように、調合工程を制御することを特徴とする。
第十二に、本発明の天然大理石様結晶化ガラスの製造方法は、酸素燃焼によりガラスバッチを溶融することを特徴とする。
以下、本発明の実施形態について、具体的に説明する。なお、以下の%表示は、特に断りがない限り、質量%を意味する。
本発明の結晶性ガラスにおいて、結晶性ガラス中の水分量は500ppm以上であり、520ppm以上、550ppm以上、特に600ppm以上が好ましい。結晶性ガラス中の水分量が500ppm未満であると、泡数が増加し、また溶融性が低下する。
本発明の結晶性ガラスにおいて、ガラス組成中のSbの含有量は0.5%以下、0.2%以下、0.1%以下、0.05%以下が好ましい。Sbの含有量が0.5%より多いと、ブツが発生し易くなるため、結晶性ガラスの生産性が低下し易くなると共に、結晶化工程でSbが揮発し、焼成炉の寿命を低下させるおそれがある。しかし、Sbの含有量が少ないと、泡数が増加し易くなるため、溶融温度の上昇、或いは長時間溶融等が必要になる。よって、溶融コストを低減する観点から、少量(例えば0.01%以上)のSbを導入することが好ましい。
本発明の結晶性ガラスにおいて、ガラス組成中のBの含有量は0.01〜1%、特に0.1〜1%が好ましい。Bを0.01%以上添加すると、水分量を増加させながら、流動性を高めことができるが、Bの含有量が1%より多いと、結晶化工程でホウ酸系の異種結晶が析出して、流動性が低下し易くなる。
本発明の結晶性ガラスにおいて、ガラス組成として、質量%で、SiO 45〜75%、Al 1〜25%、B 0.01〜1%、LiO 0.05〜0.99%、NaO 1〜15%、KO 0〜7%、MgO 0〜2%、CaO 5〜25%、SrO 0〜5%、BaO 1〜15%、ZnO 0.05〜10%、ZrO 0〜2%、As 0〜0.5%、Sb 0〜0.5%、CeO 0〜0.5%、SO 0〜0.5%を含有することが好ましい。上記のように各成分の含有量を限定した理由を以下に示す。
SiOは、β−ウォラストナイト結晶を構成する成分であり、その含有量は45〜77%、特に52〜70%が好ましい。SiOの含有量が45%より少ないと、成形時に結晶性ガラスが失透し易くなる。一方、SiOの含有量が75%より多いと、溶融温度が上昇すると共に、粘度が上昇して流動性が低下し易くなる。
Alは、失透を抑制する成分であり、その含有量は1〜25%、特に3〜15%が好ましい。Alの含有量が1%より少ないと、耐失透性が低下し易くなり、また化学的耐久性が低下し易くなる。一方、Alの含有量が25%より多いと、溶融性が低下し易くなり、また色調安定性が低下し易くなる。
は、水分量を増加させると共に、流動性を高める成分であり、その含有量は0.01〜1%、特に0.1〜1%が好ましい。Bの含有量が0.01%より少ないと、水分量が減少し易くなる。一方、Bの含有量が1%より多いと、焼成時にホウ酸系の異種結晶が析出して、流動性が低下し易くなる。
LiOは、結晶化工程で結晶化速度を速める成分であり、また流動性を高める成分であり、その含有量は0.05〜0.99%、特に0.1〜0.8%が好ましい。LiOの含有量が0.01%より少ないと、焼成温度が不当に上昇するおそれがある。一方、LiOの含有量が0.99%より多いと、化学的耐久性が低下し易くなる。
NaOは、粘性を低下させる成分であり、その含有量は1〜15%、特に3〜10%が好ましい。NaOの含有量が1%より少ないと、粘性が増大して、溶融性や流動性が低下し易くなる。一方、NaOの含有量が15%より多いと、化学的耐久性が低下し易くなるとともに、β−ウォラストナイト結晶が析出し難くなる。
Oは、粘性を低下させる成分であり、その含有量は0〜7%、0〜5%、特に0.1〜5%が好ましい。KOの含有量が7%より多いと、化学的耐久性が低下し易くなるとともに、β−ウォラストナイト結晶が析出し難くなる。なお、KOの含有量が少ないと、粘性が増大して、溶融性や流動性が低下し易くなる。
MgOは、溶融性や流動性を高める成分であり、その含有量は0〜2%、特に0.1〜1.5%が好ましい。MgOの含有量が2%より多いと、結晶化工程でMg系の異種結晶が析出して、流動性が低下し易くなる。
CaOは、β−ウォラストナイト結晶を構成する成分であり、その含有量は5〜25%、特に8〜18%が好ましい。CaOの含有量が5%より少ないと、β−ウォラストナイト結晶の析出量が少なくなり過ぎて、機械的強度が低下し、建材に使用する場合、耐久性が低下し易くなる。一方、CaOの含有量が25%より多いと、耐失透性が低下し易くなるため、成形性が低下し易くなり、またβ−ウォラストナイト結晶の析出量が多くなり過ぎて、表面平滑性が低下し易くなる。
SrOは、溶融性や流動性を高める成分であり、その含有量は0〜5%、特に0〜2.5%が好ましい。SrOの含有量が5%より多いと、結晶化工程でSr系の異種結晶が析出して、流動性が低下し、また所望の表面平滑性を確保し難くなる。
BaOは、流動性を高める成分であり、その含有量は1〜15%、1〜10%、特に2〜8%が好ましい。BaOの含有量が1%より少ないと、粘度が上昇して流動性が低下し易くなる。一方、BaOの含有量が15%より多いと、β−ウォラストナイト結晶が析出し難くなり、結果として、焼成温度が不当に上昇するおそれがある。
ZnOは、流動性を高める成分であり、その含有量は0.05〜10%、特に2〜9%が好ましい。ZnOの含有量が0.05%より少ないと、粘度が上昇して流動性が低下し易くなる。一方、ZnOの含有量が10%より多いと、β−ウォラストナイト結晶が析出し難くなり、結果として、焼成温度が不当に上昇するおそれがある。
ZrOは、化学耐久性を高める成分であり、その含有量は0〜2%、特に0〜1%が好ましい。ZrOの含有量が2%より多いと、結晶成長を阻害する粗大結晶が析出し易くなるため、流動性が低下し易くなり、また所望の表面平滑性を確保し難くなる。
Asは、清澄剤として機能する成分であると共に、Fe2+による青色着色を抑制する成分であり、その含有量は0〜0.5%、特に0〜0.1%が好ましい。Asの含有量が0.5%より多いと、環境負荷が大きくなる。
Sbは、清澄剤として機能する成分であると共に、Fe2+による青色着色を抑制する成分であり、その含有量は0.5%以下、0.2%以下、0.1%以下、特に0.01〜0.05%が好ましい。Sbの含有量が0.5%より多いと、ブツが発生し易くなるため、結晶化ガラスの生産性が低下し易くなると共に、結晶化工程でSbが揮発し、焼成炉の寿命を低下させるおそれがある。しかし、Sbの含有量が少ないと、泡数が増加し易くなるため、溶融温度の上昇、或いは長時間溶融等が必要になる。よって、少量(例えば0.01%以上)のSbを添加することが好ましい。
CeOは、溶融性を低下させずに、透過率を高める成分、具体的には価数変化によって、Fe2+による青色着色を抑制する成分であり、その含有量は0〜0.5%、特に0〜0.3%が好ましい。CeOの含有量が0.5%より多いと、Ce4+による着色が顕著になって、逆に透過率が低下し易くなる。
SOは、清澄剤として機能する成分であり、その含有量は0〜0.5%、特に0〜0.3%が好ましい。SOの含有量が0.5%より多いと、溶融ガラス中に泡が発生し過ぎて、逆に泡が残留し易くなることに加えて、結晶化工程で硫化物系の異種結晶が析出して、流動性が低下し易くなる。
Feは、着色成分であり、また不純物として混入する成分であり、その含有量は2000ppm以下、1000ppm以下、800ppm以下、特に500ppm以下が好ましい。Sbの含有量が少ない場合、Fe2+による青色着色が生じ易くなるが、Feの含有量を2000ppm以下に規制すれば、このような事態を防止し易くなる。
上記成分以外にも、他の成分を約5%まで添加することができる。
本発明の結晶性ガラスにおいて、泡数は100g当たり100個以下、50個以下、特に10個以下が好ましい。泡数が100g当たり100個より多いと、結晶化工程後に結晶化ガラスの表面を研磨すると、残存泡が露出して、外観が損なわれると共に、機械的強度が低下し易くなり、結果として、結晶化ガラスの生産性が低下し易くなる。なお、100g当たり100個より多い場合、溶融ガラスへの熱線透過が遮断され易いことに起因して、ガラス原料の未溶解が生じ易くなり、また溶融温度が上昇し易くなる。
本発明の天然大理石様結晶化ガラスは、上記の結晶性ガラスを熱処理して、主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出させてなることを特徴とする。また、本発明の天然大理石様結晶化ガラスは、主結晶としてβ−ウォラストナイトが析出した天然大理石様結晶化ガラスにおいて、結晶化ガラス中の水分量が500ppm以上であることを特徴とする。
水分量は、結晶化工程前後で殆ど変化しない。このため、本発明に係る天然大理石様結晶化ガラス中の水分量は、本発明に係る結晶性ガラス中の水分量と同様である。ここでは、便宜上、水分量に関する説明を省略する。また、成分組成は、結晶化工程前後で殆ど変化しない。このため、本発明の天然大理石様結晶化ガラスにおける成分組成は、本発明の結晶性ガラスにおける成分組成と同様である。ここでは、便宜上、成分組成に関する説明を省略する。
本発明の天然大理石様結晶化ガラスの製造方法は、ガラス原料を調合し、ガラスバッチを作製する調合工程、ガラスバッチを溶融し、結晶性ガラスを作製する溶融工程、結晶性ガラスを熱処理することにより、主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出させて、結晶化ガラスを作製する結晶化工程を有する天然大理石様結晶化ガラスの製造方法において、結晶性ガラス中の水分量が500ppm以上になるように、調合工程及び/又は溶融工程を制御することを特徴とする。
本発明の天然大理石様結晶化ガラスの製造方法において、ガラスバッチ中のCl+NOの含有量が0.23%以下になるように、調合工程を制御することが好ましい。Cl+NOは、溶融工程で酸化性ガスを放出する成分であるが、ガラスバッチ中のCl+NOの含有量が0.23%より多いと、結晶性ガラス中の水分量が少なくなって、泡品位が低下し易くなる。なお、ガラスバッチ中の硝酸塩原料や塩化物原料の割合を少なくすると、ガラスバッチ中のCl+NOの含有量を0.23%以下にすることができる。
本発明の天然大理石様結晶化ガラスの製造方法において、ガラスバッチ中の水酸化物原料の割合が0.1質量%以上になるように、調合工程を制御することが好ましい。このようにすれば、結晶性ガラス中の水分量を500ppm以上に調整し易くなる。水酸化物原料として、水酸化アルミ、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が使用可能であり、特に水酸化アルミ、水酸化リチウムが、水分量を増加させる効果が大きいため、好ましい。また、ガラスバッチ中のWET原料(水分量が1%以上の原料)の割合を多くすると、結晶性ガラス中の水分量が増加する。
本発明の天然大理石様結晶化ガラスの製造方法において、結晶化ガラスが、組成として、質量%で、SiO 45〜75%、Al 1〜25%、B 0.01〜1%、LiO 0.05〜0.99%、NaO 1〜15%、KO 0〜7%、MgO 0〜2%、CaO 5〜25%、SrO 0〜5%、BaO 1〜15%、ZnO 0.05〜10%、ZrO 0〜2%、As 0〜0.5%、Sb 0〜0.5%、CeO 0〜0.5%、SO 0〜0.5%を含有するように、調合工程を制御することが好ましい。各種ガラス原料の調合量を調製することにより、結晶化ガラスの成分組成を上記のように規制することができる。ガラス原料として、例えば長石、酸化アルミ又は水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、ソーダ灰、炭酸カリウム、スポジュメン又は炭酸リチウム、硝酸ソーダ、酸化アンチモン、ガラスカレットを使用することができる。なお、各成分の含有量を限定した理由は上記の通りである。
本発明の天然大理石様結晶化ガラスの製造方法において、酸素燃焼によりガラスバッチを溶融することが好ましい。酸素燃焼は、空気燃焼や電気加熱に比べて、結晶性ガラス中の水分量を増加させる効果が大きい。このため、酸素燃焼を行うと、結晶性ガラス中の水分量を500ppm以上に調整し易くなる。なお、酸素燃焼によりガラスバッチを溶融すると、溶融工程でCOの発生を低減できるため、環境負荷を軽減することもできる。
本発明の天然大理石様結晶化ガラスの製造方法において、溶融温度は1450〜1650℃、溶融時間は5〜30時間が好ましい。なお、バーナーを用いて酸素燃焼する場合、溶融時間が長い程、或いは溶融面積(溶融ガラスの液面の面積)が大きい程、結晶性ガラス中の水分量が増加する。
本発明の天然大理石様結晶化ガラスの製造方法において、溶融工程で溶融ガラス中に水蒸気バブリングを行うこと、溶融雰囲気に水蒸気を導入すること、或いは溶融ガラスに水を滴下すること等が好ましい。このようにすれば、結晶性ガラス中の水分量が増加する。
本発明の天然大理石様結晶化ガラスの製造方法において、結晶化工程は、複数の結晶性ガラス小体を耐火性容器内に収容した後、結晶性ガラス小体の軟化点より高い温度で熱処理することにより、結晶性ガラス小体の表面から主結晶として針状のβ−ウォラストナイト結晶を析出させながら、複数の結晶性ガラス小体を軟化変形させて互いに融着させる工程であることが好ましい。このようにすれば、結晶化ガラスの生産性、特性等を高めることができる。なお、溶融ガラスを水砕等により成形すれば、結晶性ガラス小体を作製することができる。また、熱処理は、1〜10℃/分の速度で昇温し、1020〜1100℃で1〜4時間保持する条件で行うことが好ましい。
以下、実施例に基づいて、本発明を説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜4)及び比較例(試料No.5〜9)を示している。
以下のようにして、試料No.1〜9を作製した。まず表1に記載のガラス組成になるように、各種ガラス原料を調合し、ガラスバッチを作製した。次に、表1に記載の加熱方法により、ガラスバッチを1550℃で5時間溶融した。続いて、得られた溶融ガラスをカーボン板上に流し出して、板状に成形し、更にアニールすることにより、試料No.1〜9を得た。試料No.1〜9につき、水分量と泡数を評価した。なお、表1において、水酸化物原料を使用した場合を「○」、水酸化物原料を使用しなかった場合を「×」で表記した。また、珪砂として、WET珪砂(水分量3質量%)を使用した場合を「WET」、DRY珪砂(水分量0.1質量%以下)を使用した場合を「DRY」で表記した。
水分量は、上記の方法により、測定した値である。
泡数は、100g当たりの泡数を実測した値である。
表1から明らかなように、試料No.1〜4は、結晶性ガラス中の水分量が550ppm以上であるため、結晶性ガラス中の泡数が少なかった。一方、試料No.5〜9は、水分量が300ppm以下であるため、結晶性ガラス中の泡数が多かった。
参考までに、試料No.1、5のガラス原料の構成(結晶性ガラス100g換算)を表2に示す。
まず[実施例1]と同様にして、ガラスバッチを作製した。次に、[実施例1]と同様にして、ガラスバッチを1550℃で5時間溶融した。続いて、得られた溶融ガラスを水砕し、乾燥、分級して粒径1〜5mmの結晶性ガラス小体を得た。さらに、複数の結晶性ガラス小体を、内壁にアルミナ粉が塗布された耐火性容器内に集積し、これを電気炉内に投入した後、2℃/分の速度で昇温し、1080℃で1時間保持することにより、各結晶性ガラス小体を軟化変形させて互いに融着させると共に、主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出させて、天然大理石様結晶化ガラスを得た。最後に、天然大理石様結晶化ガラス中の泡数を評価した。
結晶化ガラス中の水分量は、表1に記載の水分量と同様であった。また、結晶化ガラス中の泡数も、表1に記載の泡数と同様の傾向を示した。つまり、試料No.1〜4に係る天然大理石様結晶化ガラスは、水分量が550ppm以上であるため、泡数が少なかった。一方、試料No.5〜9に係る天然大理石様結晶化ガラスは、水分量が300ppm以下であるため、泡数が多かった。
本発明の天然大理石様結晶化ガラスは、建築物の内装材や外装材以外にも、厨房・テーブルトップの内装材や外装材にも使用可能である。

Claims (3)

  1. ガラス原料を調合し、ガラスバッチを作製する調合工程、ガラスバッチを溶融し、結晶性ガラスを作製する溶融工程、結晶性ガラスを熱処理することにより、主結晶としてβ−ウォラストナイトを析出させて、結晶化ガラスを作製する結晶化工程を有する天然大理石様結晶化ガラスの製造方法において、ガラスバッチ中にWET原料として珪砂を導入し、結晶化ガラスが、組成として、質量%で、SiO 45〜75%、Al 1〜25%、B 0.01〜1%、Li O 0.05〜0.99%、Na O 1〜15%、K O 0〜7%、MgO 0〜2%、CaO 5〜25%、SrO 0〜5%、BaO 1〜15%、ZnO 0.05〜10%、ZrO 0〜2%、As 0〜0.5%、Sb 0〜0.5%、CeO 0〜0.5%、SO 0〜0.5%を含有し、ガラスバッチ中のCl+NO の含有量が0.23質量%以下になるように調合工程を制御すると共に、結晶性ガラス中の水分量が500ppm以上になるように、調合工程及び/又は溶融工程を制御することを特徴とする天然大理石様結晶化ガラスの製造方法。
  2. ガラスバッチ中の水酸化物原料の割合が0.1質量%以上になるように、調合工程を制御することを特徴とする請求項に記載の天然大理石様結晶化ガラスの製造方法。
  3. 酸素燃焼によりガラスバッチを溶融することを特徴とする請求項1又は2に記載の天然大理石様結晶化ガラスの製造方法。
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