JP3267520B2 - 表面に金属層を形成した熱可塑性樹脂成形品 - Google Patents

表面に金属層を形成した熱可塑性樹脂成形品

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JP3267520B2
JP3267520B2 JP30032196A JP30032196A JP3267520B2 JP 3267520 B2 JP3267520 B2 JP 3267520B2 JP 30032196 A JP30032196 A JP 30032196A JP 30032196 A JP30032196 A JP 30032196A JP 3267520 B2 JP3267520 B2 JP 3267520B2
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    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂と液晶
性ポリエステル樹脂とのブレンド樹脂を成形してその表
面に金属層を形成した成形品に関するものであり、更に
詳しくは、流動性が良く、剛性が高く、しかもウエルド
特性に優れ、自動車、電気機器、OA機器、通信機器等
として好適な薄肉成形品が得られると共に、真空蒸着、
スパッタリング、イオンプレーティング等の一般的な乾
式メッキ法によってその表面に充分実用に耐える金属層
を形成することができる樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】液晶性
ポリエステルは、高強度、高剛性、高耐熱性、易成形性
といった数多くの特性を有する熱可塑性樹脂であるが、
その特異な分子鎖配向性によりウエルド強度が低く、成
形品の表層が剥離するため、単にメッキしただけでは充
分なメッキ密着力が得られず、実用に耐え得るメッキ品
が簡単な工程で得られないなどの問題がある。一方、一
般的な熱可塑性樹脂は、ウエルド強度は比較的高く、液
晶性ポリエステルより安価であるが、耐熱性、剛性等の
物性が液晶性ポリエステルよりも劣るという不利があ
る。特に薄肉のハウジングに使用するには剛性や流動性
が不足するため、どうしても設計上肉厚にせざるを得な
いので、昨今の電気、電子、通信機器分野での部品の小
型軽量化に対応するには限界があった。本発明は、これ
らの問題点を考慮し、薄肉でも十分に成形できる流動性
と高い比剛性を兼ね備え、しかも実用に耐え得るメッキ
密着力を持った表面に金属層を形成した樹脂成形品を提
供することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題点
に鑑み、薄肉成形材料として優れた特性を有し、しかも
表面金属化が容易な素材を鋭意探索、検討を行ったとこ
ろ、一般的な熱可塑性樹脂の様に表面金属化が容易で、
成形品の機械的強度及び耐熱性、易成形性等についても
液晶性ポリエステルに近づく高い値が得られる樹脂組成
物を見出し、本発明を完成するに到った。即ち、本発明
は、(a) 異方性溶融相を形成しない熱可塑性樹脂99〜50
重量%と(b) 異方性溶融相を形成し得る液晶性ポリエス
テル1〜50重量%との複合材料を成形してなり、(b) 液
晶性ポリエステルがマトリックスである(a) 異方性溶融
相を形成しない熱可塑性樹脂中でアスペクト比6以上の
繊維の形で存在している樹脂成形品に、乾式メッキ法に
より表面に金属層を形成した樹脂成形品を提供するもの
である。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明における(a) 異方性溶融相を形成しない熱
可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等のポリオレフィ
ン系(共)重合体、ポリエチレンテレフタレート樹脂、
ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹
脂等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系重合体、AB
S樹脂、メタセロン触媒を用いて合成された主鎖に対し
てベンゼン環が規則的に交互配置されたシンジオタクチ
ック構造を有する結晶性のポリスチレン樹脂であるシン
ジオタクチックポリスチレン(SPS)樹脂、ポリアリ
ーレンサルファイド樹脂、ポリアクリレート、ポリアセ
タール及びこれらを主体とする樹脂等が挙げられる。こ
れらの中では、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等
のポリエステル系樹脂、SPS樹脂が好ましく、成形収
縮率と線膨張率が比較的に低いポリカーボネート樹脂が
特に好ましい。
【0005】本発明に使用される(b) 異方性溶融相を形
成し得る液晶性ポリエステルとは、溶融状態で分子配向
が有り、光学的に異方性を示す。この場合の分子配向は
分子の長軸方向及びその平行方向に分子が全体として配
列しており、この軸と分子の傾きとは必ずしも一致しな
くても良い。溶融状態での異方性観察は、直交偏光子を
利用した慣用の偏光検査法により確認することができ
る。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz 偏
光顕微鏡を使用し、Leitz ホットステージにのせた溶融
試料を窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することにより
実施できる。本発明のポリマーは直交偏光子の間で検査
したときにたとえ溶融静止状態であっても偏光は透過
し、光学的に異方性を示す。これは徐々に加熱した際に
はある温度範囲で液晶相に特有の光学模様として観察で
きる。又、X線回折においても相に特異的な回折パター
ンを観察することができる。熱分析では一般的に示差走
査熱量計が用いられ、各種相転移のエントロピー変化や
転移温度を測定できる。本発明に使用するのに適した液
晶性ポリマーは、一般溶剤には実質的に不溶である傾向
を示し、したがって溶液加工には不向きである。しか
し、既に述べたように、これらのポリマーは普通の溶融
加工法により容易に加工することができる。本発明で用
いられる異方性溶融相を示すポリエステルは、芳香族ポ
リエステル及び芳香族ポリエステルアミドが好ましく、
芳香族ポリエステル及び芳香族ポリエステルアミドを同
一分子鎖中に部分的に含むポリエステルも好ましい例で
ある。特に好ましくは、芳香族ヒドロキシカルボン酸、
芳香族ヒドロキシルアミン、芳香族ジアミンの群から選
ばれた少なくとも1種以上の化合物を構成成分として有
する液晶性芳香族ポリエステル、液晶性芳香族ポリエス
テルアミドである。より具体的には、 1)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体
の1種又は2種以上からなるポリエステル 2)主として a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種
又は2種以上と b)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及びその
誘導体の1種又は2種以上と c)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオール
及びその誘導体の少なくとも1種又は2種以上とからな
るポリエステル 3)主として a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種
又は2種以上と b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン及びその
誘導体の1種又は2種以上と c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及びその
誘導体の1種又は2種以上とからなるポリエステルアミ
ド 4)主として a)芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の1種
又は2種以上と b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン及びその
誘導体の1種又は2種以上と c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及びその
誘導体の1種又は2種以上と d)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオール
及びその誘導体の少なくとも1種又は2種以上とからな
るポリエステルアミドが挙げられる。
【0006】更に上記の構成成分に必要に応じ分子量調
整剤を併用しても良い。本発明の液晶性ポリエステルを
構成する具体的化合物の好ましい例は、2,6 −ナフタレ
ンジカルボン酸、2,6 −ジヒドロシキナフタレン、1,4
−ジヒドロキシナフタレン及び6−ヒドロキシ−2−ナ
フトエ酸等のナフタレン化合物、4,4'−ジフェニルジカ
ルボン酸、4,4'−ジヒドロキシビフェニル等のビフェニ
ル化合物、p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、ハ
イドロキノン、p−アミノフェノール及びp−フェニレ
ンジアミン等のパラ位置換のベンゼン化合物及びそれら
の核置換ベンゼン化合物(置換基は塩素、臭素、メチ
ル、フェニル、1−フェニルエチルより選ばれる)、イ
ソフタル酸、レゾルシン等のメタ位置換のベンゼン化合
物である。その具体的化合物の好ましい例は、2,6 −ナ
フタレンジカルボン酸、2,6 −ジヒドロキシナフタレ
ン、1,4 −ジヒドロキシナフタレン及び6−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸等のナフタレン化合物、4,4'−ジフェ
ニルジカルボン酸、4,4'−ジヒドロキシビフェニル等の
ビフェニル化合物、下記一般式(I)、(II)又は(II
I)で表される化合物:
【0007】
【化1】
【0008】(但し、X :アルキレン(C1〜C4)、アル
キリデン、-O- 、-SO-、-SO2- 、-S-、-CO-より選ばれ
る基 Y :-(CH2)n-(n =1〜4)、-O(CH2)nO-(n =1〜
4)より選ばれる基)である。又、本発明に使用される
液晶性ポリエステルは、上述の構成成分の他に同一分子
鎖中に部分的に異方性溶融相を示さないポリアルキレン
テレフタレートであってもよい。この場合のアルキル基
の炭素数は2乃至4である。上述の構成成分の内、ナフ
タレン化合物、ビフェニル化合物、パラ位置換ベンゼン
化合物より選ばれる1種若しくは2種以上の化合物を必
須の構成成分として含むものが更に好ましい例である。
又、p−位置換ベンゼン化合物の内、p−ヒドロキシ安
息香酸、メチルハイドロキノン及び1−フェニルエチル
ハイドロキノンは特に好ましい例である。構成成分とな
るエステル形成性の官能基を有する化合物の具体例及び
本発明で用いられるのに好ましい異方性溶融相を形成す
るポリエステルの具体例については特公昭63−36633号
公報に記載されている。上記の芳香族ポリエステル及び
ポリエステルアミドはまた、60℃でペンタフルオロフェ
ノールに 0.1重量%濃度で溶解したときに、少なくとも
約 2.0dl/g、例えば約 2.0〜10.0dl/gの対数粘度
(I.V.)を一般に示す。
【0009】本発明における樹脂成形品は、前記(a) 熱
可塑性樹脂と(b) 液晶性ポリエステルからなる成形品で
あり、液晶性ポリエステルが熱可塑性樹脂のマトリック
ス相にアスペクト比6以上の繊維の形でミクロ分散して
いることが好ましい。これにより液晶性ポリエステルが
繊維補強材の役目をし、熱可塑性樹脂の補強が可能とな
り、高い剛性の成形品が得られる。ここでいう繊維化と
は、繊維状又は針状構造となることであり、繊維化した
幹繊維がアスペクト比6以上であれば幹繊維に対して枝
分かれした繊維構造を有するものも含まれる。本発明の
樹脂成形品は、通常の押出装置により両者を混練し、射
出成形することにより得られるが、液晶性ポリエステル
の組成割合が熱可塑性樹脂の組成割合よりも多い場合に
はマトリックス相が反転してしまう場合があるので、熱
可塑性樹脂99〜50重量%に対して液晶性ポリエステルは
1〜50重量%の範囲であることが好ましい。
【0010】また、フィルム、繊維等の延伸工程の含ま
れる押出成形でも液晶性ポリエステルが繊維化した成形
品が得られる。更に、成形時に優れた流動性を発現し、
高い剛性の成形品を得るためには、燐化合物を添加する
ことが好ましい。特に、熱可塑性樹脂がポリカーボネー
ト樹脂の場合、液晶性ポリエステルとポリカーボネート
樹脂が島状の分散をせず、射出成形しても繊維化しない
場合があり、その効果が顕著である。この燐化合物とし
ては、燐化物類、燐酸化合物類、亜燐酸化合物類等が挙
げられるが、亜燐酸化合物のものが好ましく、特に好ま
しくは、ビス(2,6 −ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ニル)ペンタエリスリトール、ビス(2,4,6 −ジ−t−
ブチルフェニル)ペンタエリスリトール等のペンタエリ
スリトール型の亜燐酸化合物である。この燐化合物の配
合量は、(a) 熱可塑性樹脂と(b) 液晶性ポリエステルの
合計100 重量部に対して0.01〜0.5 重量部が好ましく、
特に0.05〜0.3 重量部配合するのが好ましい。特に、含
まれる液晶性ポリエステルの1重量%以上を配合するの
が好ましい。0.01重量部未満だと十分な流動性と比剛性
を発現する事が出来ず、0.5 重量部を越えると添加した
燐化合物のガスが大量に発生し、かえって機械的強度や
成形性を損なうことになる。燐化合物の配合量がこの範
囲であると、液晶性ポリエステルの繊維化が非常に容易
であり、成形条件、成形品の形状に関係なく繊維化する
ため剛性の点で好ましい。
【0011】次に本発明の成形品中に予め無機充填剤を
配合しておくことも好ましい。ここで無機充填剤とは、
ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラス粉、又は周期律
表2族又は12族元素の酸化物、硫酸塩、燐酸塩及び珪酸
塩からなる群より選ばれた1種又は2種以上の微粉状無
機充填剤であり、特に、周期律表2族又は12族元素の酸
化物、硫酸塩、燐酸塩、珪酸塩からなる群より選ばれた
1種又は2種以上のものが好ましい。周期律表2族又は
12族元素の酸化物とは、酸化マグネシウム、酸化カルシ
ウム、酸化バリウム、酸化亜鉛等の如き化合物であり、
燐酸塩とは燐酸マグネシウム、燐酸バリウム、燐酸亜
鉛、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム等
の如き化合物であり、硫酸塩とは硫酸マグネシウム、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム等の化合物であり、珪酸塩
とは珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、タルク、ウォ
ラストナイト等の化合物であり、炭酸塩とは炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛等の
化合物である。これらの無機充填剤は、特に表面金属処
理を施す前に成形品を酸又はアルカリにて処理(エッチ
ング処理)する場合の表面処理法に好ましく用いられ、
特に燐酸塩が好適である。又、無機充填剤の粒径は平均
粒径0.01〜100 μm の範囲、好ましくは 0.1〜30μm 、
更に好ましくは 0.5〜10μm が適当である。0.01μm 未
満では分散不良により成形品表面に凝集塊が生じ易く、
100μm を越えるとエッチング後の表面の面粗度が大き
くなり、良い外観が得られない。
【0012】又、無機充填剤として繊維状無機物も好ま
しく、繊維状無機物単独で、若しくは上記微粉状無機充
填剤と組み合わせて使用される。繊維状充填剤として
は、ガラス繊維、ミルドガラスファイバー、炭素繊維、
アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、
アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪
素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、更にステン
レス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維
状物などの無機質繊維状物質が挙げられる。特にガラス
繊維、ミルドガラスファイバーが好ましい。これら繊維
状無機物の形状は、直径0.1 〜30μm 、平均長さ5μm
〜1mm、特に10〜300 μm の範囲にあるものが好まし
い。また本発明に用いられる無機充填剤は、所望される
物性によっては公知の表面処理剤を併用することが可能
である。例を示せば、エポキシ系化合物、イソシアネー
ト系化合物、チタネート系化合物、シラン系化合物等の
官能性化合物である。好ましくは、エポキシ化合物また
はポリアミド化合物などアミノ系化合物以外の化合物で
処理したものが良い。これらの充填剤はあらかじめ表面
処理を施して用いるか、又は材料の調製の際同時に添加
しても良い。これらの無機充填剤の配合量は、(a) 熱可
塑性樹脂と(b) 液晶性ポリエステルの合計 100重量部に
対して1〜200 重量部、好ましくは20〜100 重量部であ
る。200 重量部を越えると樹脂の流動性が低下し、表面
の良好な成形品が得られず、それと同時に成形品の機械
的強度も低下してしまい好ましくない。前記微粉状無機
充填剤と繊維状無機物との総配合量が200 重量部を越え
ることは成形加工性及び各種の物性面から好ましくな
い。
【0013】次に本発明は、上記樹脂組成物からなる成
形品を表面金属処理することにより得られるが、その表
面金属処理は、真空系を用いた乾式金属(メッキ)処理
法のことで、具体的には、スパッタリング、イオンプレ
ーティング又は真空蒸着の何れかの方法により樹脂成形
品に直接金属層を形成する方法をさす。本発明では、表
面金属処理を施す前に成形品を酸又はアルカリにて処理
(エッチング処理)することがメッキ密着力を向上させ
る上で好ましい。このエッチング処理は、酸性水溶液又
はアルカリ性水溶液或いは前記水溶液とアルコールから
なる均一混合液による処理であり、特にアルカリ金属の
水酸化物又はアルカリ土類金属の水酸化物を主成分とす
る水溶液、即ち水酸化ナトリウム、水酸化カリウム水溶
液が好ましい。処理する場合の好ましい処理条件は、水
酸化物30〜50重量%水溶液を用い40〜60℃で3〜20分で
ある。特に好ましい処理条件例を示せば、水酸化カリウ
ムの約40重量%水溶液で、60℃×5分程度の処理が適当
である。エッチング処理した成形品は表面のアルカリ水
溶液の中和と、表面上に残留した無機充填剤の除去を兼
ねて希塩酸又は希硫酸に浸漬した後、充分水洗、必要で
あれば超音波洗浄した上で 100℃以上の熱風又は真空乾
燥機等により脱水乾燥しておくのが好ましい。
【0014】又、湿式によるエッチングの他に最初から
真空中で実施するエッチング処理としてイオンボンバー
ド処理も好ましく、湿式によるエッチング処理と併用し
てもかまわない。このイオンボンバード処置は、真空槽
内でエネルギーを持った粒子により成形品を物理的にエ
ッチングするものであり、処理方法によりプラズマエッ
チング、スパッタエッチング及びイオンエッチングに分
類される。ここで、プラズマエッチングとは以下の処理
方法を言う。即ち、プラズマ処理装置において処理槽内
を1×10-5Torr程度に真空化した後、微量の気体を導入
(流量:50SCCM)し、例えば高周波(ラジオ波:13.56M
Hz) 電極により気体原子を励起させプラズマを発生させ
る。成形品をこのプラズマ雰囲気中に曝すことにより成
形品表面はプラズマに攻撃され、物理的な粗化が行われ
る。同様に、スパッタリング装置を用い、真空槽内に微
量の不活性ガスを導入し、高周波又は直流高電圧を負荷
させ、放電させることにより生じる不活性ガス陽イオン
が陰極へ誘引衝突する際の衝撃を利用して成形品をエッ
チングする方法をスパッタエッチングと呼び、イオンプ
レーティング装置を用いる場合をイオンエッチングと呼
ぶ。また、特開昭57−51726 号公報記載の如く、ベース
コート塗布前に熱可塑性有機溶剤可溶性のセルロース系
プライマーを塗布しておくこともできる。また、かかる
樹脂材料を成形してなる薄肉成形品として具体的には、
薄肉コネクター、パソコンハウジング、携帯電話ハウジ
ング、FDD或いはHDD用構成部品等が挙げられる
が、好ましくは成形品肉厚の50%以上が1mm以下の薄肉
成形品が好適である。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例における評価は以下の条件で行った。曲げ弾
性率、アイゾット衝撃強度は、それぞれASTM D 790、AS
TM D 256に準拠して測定した。溶融粘度は該ペレットを
用い、東洋精密(株)製キャピログラフでφ1×10Lの
キャピラリーを用いて、マトリックスがポリカーボネー
ト樹脂の場合は300 ℃、マトリックスがポリブチレンテ
レフタレート樹脂の場合は270 ℃で、それぞれ剪断速度
1200sec-1で測定した。ウエルド強度は、成形品の両端
から2点ゲートで成形し、中央部にウエルドが形成され
たダンベル片を用い、ウエルド引張強度を測定した。ま
た、LCPの平均アスペクト比(長さ/太さ)は、曲げ
弾性率の測定で用いた試験片を流動方向に平行な面が出
るように切削した後、断面を鏡面研磨し、その表面を電
子顕微鏡により観察して評価した。即ち、任意に選んだ
繊維化しているLCP50本の長さ/太さを測定して平均
値を出した。尚、長さについては、表面上で観察できる
長さを測定した。結果は、平均アスペクト比6以上のも
のを○で、平均アスペクト比6未満のものを×で表し
た。碁盤目テストは、塗装の評価法 JIS J 5400 (碁盤
目テープ法)に準じてテストし、剥離した目の数をもっ
て表現した。耐湿熱性は、メッキした平板(120 ×120
×2t)を恒湿恒温槽に入れ、85℃×85%RHで96時間放
置した後、メッキ面の膨れの有無を調べることにより評
価した。メッキに使用した平板およびウエルド強度試験
片は、マトリックスがポリカーボネート樹脂の場合はシ
リンダー温度300 ℃、マトリックスがポリブチレンテレ
フタレート樹脂の場合はシリンダー温度270 ℃で、ゲー
トサイズ2×5の金型を用い成形した。
【0016】実施例1〜9 表1に示す量のポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学
(株)製、ユーピロンH3000) と後述の液晶性ポリエス
テル樹脂、及び亜燐酸エステル〔ビス(2,6 −ジ−t−
ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−
ジホスファイト〕からなる樹脂組成物を調製し、30mmの
二軸押出機にて樹脂温度300 ℃で溶融混練し、ペレット
化した。次いで、該ペレットを射出成形機にて成形温度
(シリンダー設定温度を示す)300 ℃で試験片を成形
し、上記評価を行った。結果を表1に示す。
【0017】比較例1〜10 表2に示す如く、ポリカーボネート樹脂、液晶性ポリエ
ステル樹脂又はポリブチレンテレフタレート(PBT)
樹脂(ポリプラスチックス(株)製、DX-2000)のみか
らなる成形品について、上記実施例と同様に評価した。
結果を表2に示す。尚、PBT樹脂の押出温度は290 ℃
とした。
【0018】実施例10〜19、比較例11 PBT樹脂と液晶性ポリエステル樹脂、場合により無機
充填剤を配合した組成物からなる成形品に、表3に示す
各種前処理を行った場合等について、上記実施例と同様
に評価した。結果を表3に示す。ここでのエッチング条
件は、8mol/l KOHで50℃、10分間処理したものであ
り、ボンバードは、圧力3.0 PaのArガスを熱電子放
射によりイオン化して行った。プライマー処理は、東洋
工業製BP−50プライマーを吹き付け塗装し、 120℃で
1時間加熱硬化させた。 実施例20 実施例13で得られたペレットを用いて、Tダイフィル
ム成形機にて厚さ50μm のフィルムを作製し、碁盤目テ
スト及び耐湿熱性を評価した。結果を表3に示す。尚、
実施例で使用した液晶性ポリエステル樹脂は、下記の構
成単位を有するものである。
【0019】
【化2】
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 69/00 C08L 69/00 H05K 9/00 H05K 9/00 D // C23C 14/20 C23C 14/20 Z

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 異方性溶融相を形成しない熱可塑性
    樹脂99〜50重量%と(b) 異方性溶融相を形成し得る液晶
    性ポリエステル1〜50重量%との複合材料を成形してな
    り、(b) 液晶性ポリエステルがマトリックスである(a)
    異方性溶融相を形成しない熱可塑性樹脂中でアスペクト
    比6以上の繊維の形で存在している樹脂成形品に、乾式
    メッキ法により表面に金属層を形成した樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 (a) 熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂で
    あることを特徴とする請求項1記載の表面に金属層を形
    成した樹脂成形品。
  3. 【請求項3】 (a) 熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹
    脂であることを特徴とする請求項2記載の表面に金属層
    を形成した樹脂成形品。
  4. 【請求項4】 更に燐化合物を(a) ポリカーボネート樹
    脂と(b) 液晶性ポリエステルの合計 100重量部に対して
    0.01〜0.5 重量部配合してなる複合材料を成形してなる
    樹脂成形品に、乾式メッキ法により表面に金属層を形成
    した請求項3記載の樹脂成形品。
  5. 【請求項5】 更に無機充填剤を(a) 熱可塑性樹脂と
    (b) 液晶性ポリエステルの合計 100重量部に対して1〜
    200 重量部配合したことを特徴とする請求項1〜4の何
    れか1項記載の表面に金属層を形成した樹脂成形品。
  6. 【請求項6】 無機充填剤が周期律表2族又は12族元素
    の酸化物、硫酸塩、リン酸塩、珪酸塩、又はアルミニウ
    ム、珪素、錫、鉛、アンチモン、ビスマスの元素及びそ
    の酸化物からなる群より選ばれた1種又は2種以上の微
    粉状無機充填剤であることを特徴とする請求項5記載の
    表面に金属層を形成した樹脂成形品。
  7. 【請求項7】 無機充填剤がピロリン酸カルシウムであ
    る請求項6記載の表面に金属層を形成した樹脂成形品。
  8. 【請求項8】 乾式メッキ法が真空蒸着、スパッタリン
    グ、イオンプレーティングの何れかの方法であることを
    特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の表面に金属
    層を形成した樹脂成形品。
  9. 【請求項9】 樹脂成形品の表面を予め酸又はアルカリ
    水溶液で湿式エッチングにより粗化した後、乾式メッキ
    することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項記載の
    表面に金属層を形成した樹脂成形品。
  10. 【請求項10】 樹脂成形品の表面をイオンボンバード
    した後、乾式メッキすることを特徴とする請求項1〜9
    の何れか1項記載の表面に金属層を形成した樹脂成形
    品。
  11. 【請求項11】 樹脂成形品の表面にプライマー塗料を
    塗装した後、乾式メッキすることを特徴とする請求項1
    〜9の何れか1項記載の表面に金属層を形成した樹脂成
    形品。
  12. 【請求項12】 ハウジングである請求項1〜11の何
    れか1項記載の表面に金属層を形成した樹脂成形品。
  13. 【請求項13】 コネクターである請求項1〜11の何
    れか1項記載の表面に金属層を形成した樹脂成形品。
  14. 【請求項14】 CDピックアップ部品である請求項1
    〜11の何れか1項記載の表面に金属層を形成した樹脂
    成形品。
  15. 【請求項15】 デジタルディスク用機構部品の構造体
    である請求項1〜11の何れか1項記載の表面に金属層
    を形成した樹脂成形品。
  16. 【請求項16】 フィルムである請求項1〜11の何れ
    か1項記載の表面に金属層を形成した樹脂成形品。
  17. 【請求項17】 シートである請求項1〜11の何れか
    1項記載の表面に金属層を形成した樹脂成形品。
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